JP5593711B2 - 直流モータ及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
具体的には、例えば、特許文献1に記載のモータのように、給電ブラシの先端にテーパ面を形成することにより、使用初期の磨耗を促進して、その「なじみ性」を向上させる構成が知られている(第1図及び第2図参照)。また、例えば、特許文献2には、各整流子片(セグメント)間に形成されるスリット(即ち、各セグメントにおいて整流子の周方向に位置する各辺)に傾きを設定する構成が開示されている(第2図参照)。そして、これにより、給電ブラシが各セグメントに接触する際の負荷を低減させることができ、その結果、当該接触時に生ずる火花を抑制して整流の改善を図るとともに、そのブラシ音を低減させることができるようになる。
上記構成によれば、その底辺(上底及び下底)を基準として位置決めするだけで、容易に、請求項1の態様で各セグメントを整列配置することができる。そして、特に各セグメントを等脚台形状に形成することにより、容易に、請求項2の態様で各セグメントを配置することができる。
上記構成によれば、使用初期においても安定したモータ特性を確保して、操舵フィーリングに優れた電動パワーステアリング装置を提供することができる。
図1に示すように、本実施形態の電動パワーステアリング装置(EPS)1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されている。そして、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。尚、本実施形態のステアリングシャフト3は、コラムシャフト3a、インターミディエイトシャフト3b、及びピニオンシャフト3cを連結してなる。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド6を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪7の舵角、即ち車両の進行方向が変更される。
図2に示すように、本実施形態のモータ12は、略有底円筒状をなすヨーク20の内周に永久磁石21を固着してなる固定子22と、同永久磁石21の内側において回転自在に支承された電機子23と、同電機子23に給電する給電ブラシ24とを備えたブラシ付き直流モータとして構成されている。
次に、本実施形態における整流子のセグメント形状及びその配置について説明する。
図5に示すように、本実施形態のセグメント33は、台形状に形成されている。詳しくは、各セグメント33は、その各底辺40(上底40a及び下底40b)と各斜辺41との間に形成される各組二つの底角がそれぞれ等しい等脚台形状に形成されている。
即ち、本実施形態の各給電ブラシ24のように、その初期摺接部38となる先端部分にテーパ面37を有する構成では(図4参照)、当該初期摺接部38の磨耗に従って、各セグメント33との摺接面39が整流子27の軸線方向(同図中、上下方向)に拡大する。そのため、上記のように、整流子27の周方向に位置することにより給電ブラシ24との接触部となる各セグメント33の各辺に傾きが設定されている場合には、その磨耗に伴う摺接面積の変化によって、各給電ブラシ24に対応する周方向位置にある各セグメント33との摺接状態が変化することになる。
(1)各給電ブラシ24には、整流子27側に設けられた各セグメント33との摺接により磨耗してその摺接面39が同整流子27の軸線方向に拡大する初期摺接部38が設けられる。また、各セグメント33は、その整流子27の周方向に位置する二辺が当該整流子27の軸線方向に対して傾きを有した斜辺41となるように形成される。そして、各セグメント33は、正負一対の給電ブラシ対を形成する二つの給電ブラシ24(24a,24b)間において、その周方向に最も離間した二位置を第1及び第2の周方向位置(P1,P2)とした場合に、これらの二位置に対応する各斜辺41(41a,41i)の傾きが互いに逆向きとなるように配置される。
・上記実施形態では、本発明をEPS1のモータ12に具体化したが、その他、EPS以外の用途に用いられるモータに適用してもよい。また、EPSに適用する場合においても、本実施形態のEPS1のような所謂コラム型に限らず、所謂ラックアシスト型や所謂ピニオン型等、その他の形式のEPSに具体化してもよい。
・上記実施形態では、特に言及しなかったが、例えば、図7に示すように、各セグメント43の周方向幅(面積)については、必ずしも均等でなくともよい。尚、同図に示す例では、隣り合う二つのセグメント43(43a,43b)の底辺の長さが不均等(W1>W2)となっている。
(イ)請求項3に記載の直流モータにおいて、前記各セグメントは、等脚台形状に形成されてなること、を特徴とする直流モータ。
(ロ)複数のセグメントを周方向に整列配置してなる整流子と、前記各セグメントに摺接する複数の給電ブラシとを備え、前記各給電ブラシは、それぞれ所定の角度間隔をおいて前記整流子の周方向に沿って配置されることにより正負一対の給電ブラシ対を形成するとともに、前記各給電ブラシには、前記各セグメントとの摺接により磨耗して摺接面が高さ方向に拡大する初期摺接部が設けられた直流モータであって、前記各セグメントは、前記整流子の周方向に位置する二辺のうちの少なくとも一方が傾きを有した斜辺となるように形成されるとともに、何れかのセグメントの前記斜辺が何れかの前記給電ブラシに対応する第1の周方向位置にあるとき、該給電ブラシとともに前記給電ブラシ対を形成する他の給電ブラシに対応する第2の周方向位置に、逆方向の傾きを有した他のセグメントの前記斜辺が位置するように前記各セグメントを配置したこと、を特徴とする直流モータ。
Claims (4)
- 複数のセグメントを周方向に整列配置してなる整流子と、前記各セグメントに摺接する複数の給電ブラシとを備え、前記各給電ブラシは、それぞれ所定の角度間隔をおいて前記整流子の周方向に沿って配置されることにより正負一対の給電ブラシ対を形成するとともに、前記各給電ブラシには、前記各セグメントとの摺接により磨耗して摺接面が前記整流子の軸線方向に拡大する初期摺接部が設けられた直流モータであって、
前記各セグメントは、前記整流子の周方向に位置する二辺のうちの少なくとも一方が前記整流子の軸線方向に対して傾きを有した斜辺となるように形成され、
前記給電ブラシ対が前記セグメントと摺接する領域のうち、前記周方向に最も離間した二位置の一方を第1の周方向位置、他方を第2の周方向位置とするとともに、前記第1の周方向位置における前記整流子の軸線方向を示す線を第1の補助線、前記第2の周方向位置における前記整流子の軸線方向を示す線を第2の補助線として仮想した場合に、
前記整流子を径方向外側から見て、何れかのセグメントの前記斜辺が前記第1の補助線と交差するとき、該斜辺とは逆方向の傾きを有した他のセグメントの前記斜辺が前記第2の補助線と交差するように前記各セグメントを配置したこと、を特徴とする直流モータ。 - 請求項1に記載の直流モータにおいて、
前記第1の補助線と交差する第1の斜辺の傾斜角の大きさと前記第2の補助線と交差する第2の斜辺の傾斜角の大きさとが等しくなるように前記各セグメントを配置したこと、
を特徴とする直流モータ。 - 請求項2に記載の直流モータにおいて、
前記各セグメントは、台形状に形成されてなること、を特徴とする直流モータ。 - 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の直流モータを備えた電動パワーステアリング装置。
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