JP5593711B2 - 直流モータ及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ブラシ付の直流モータ及び電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、ブラシ付きの直流モータにおいては、各セグメント(整流子片)に対する給電ブラシの摺接状態の改善が最も重要な課題の一つとなっている。
具体的には、例えば、特許文献1に記載のモータのように、給電ブラシの先端にテーパ面を形成することにより、使用初期の磨耗を促進して、その「なじみ性」を向上させる構成が知られている(第1図及び第2図参照)。また、例えば、特許文献2には、各整流子片(セグメント)間に形成されるスリット(即ち、各セグメントにおいて整流子の周方向に位置する各辺)に傾きを設定する構成が開示されている(第2図参照)。そして、これにより、給電ブラシが各セグメントに接触する際の負荷を低減させることができ、その結果、当該接触時に生ずる火花を抑制して整流の改善を図るとともに、そのブラシ音を低減させることができるようになる。
特開2006−141200号公報 特開2007−267543号公報
ところが、図10に示すように、通常、上記のような初期摺接部51となる先端部分にテーパ面52が形成された給電ブラシ54は、その磨耗によりブラシ幅が変動しないよう、当該テーパ面52が整流子55の軸線方向(同図に示す例では上側)に配置される態様で使用される。従って、このような給電ブラシ54を備えたモータでは、そのテーパ面52が形成された初期摺接部51の磨耗に従って、当該給電ブラシ54の摺接面56が、整流子55の軸線方向(同図中、上下方向)に拡大する。そして、このような給電ブラシ54を上記特許文献2等に記載の整流子と組み合わせることにより、解決すべき新たな課題が発生する。
即ち、「整流子の軸線方向」を「高さ方向」とし、その「軸線方向に沿った長さ」を「高さ」とすると、図11(a)(b)に示すように、上記のようなテーパ面52を有する初期摺接部51の存在によって、当該初期摺接部51が磨耗する前の摺接面56の高さh1は、その磨耗後の高さh2よりも低くなる。その結果、上記のような各セグメント57において給電ブラシ54との接触部となる整流子55の周方向に位置する二辺に傾きが設定された整流子55を用いた場合、その初期摺接部51の磨耗が進んでいない使用初期の段階には、本来接触するはずのセグメント57(57a)に対して当該給電ブラシ54(54a)が接触しないという状況が発生する。
具体的には、例えば、同図に示す例では、初期摺接部51の磨耗後(図11(b)参照)には、その正負一対の各給電ブラシ54a,54bが、それぞれ、隣り合う3つのセグメント57(57a〜57c,57g〜57i)に接触するタイミングが存在する。ところが、その接触面積の小さな使用初期の段階(図11(a)参照)においては、同じタイミングであるにもかかわらず、その一方の給電ブラシ54(54a、同図中、左側)が、本来、接触するはずのセグメント57aには接触しない。このため、当該給電ブラシ54には、その回転方向に応じた進み角若しくは遅れ角が生ずることになる。そして、その位相のずれによりモータ特性が変化するという問題があり、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ブラシ音の低減及び摺接状態の早期安定化を図りつつ、給電ブラシの磨耗により生ずるモータ特性の変化を抑制することのできる直流モータ及び電動パワーステアリングを提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数のセグメントを周方向に整列配置してなる整流子と、前記各セグメントに摺接する複数の給電ブラシとを備え、前記各給電ブラシは、それぞれ所定の角度間隔をおいて前記整流子の周方向に沿って配置されることにより正負一対の給電ブラシ対を形成するとともに、前記各給電ブラシには、前記各セグメントとの摺接により磨耗して摺接面が前記整流子の軸線方向に拡大する初期摺接部が設けられた直流モータであって、前記各セグメントは、前記整流子の周方向に位置する二辺のうちの少なくとも一方が前記整流子の軸線方向に対して傾きを有した斜辺となるように形成され前記給電ブラシ対が前記セグメントと摺接する領域のうち、前記周方向に最も離間した二位置の一方を第1の周方向位置、他方を第2の周方向位置とするとともに、前記第1の周方向位置における前記整流子の軸線方向を示す線を第1の補助線、前記第2の周方向位置における前記整流子の軸線方向を示す線を第2の補助線として仮想した場合に、前記整流子を径方向外側から見て、何れかのセグメントの前記斜辺が前記第1の補助線と交差するとき、該斜辺とは逆方向の傾きを有した他のセグメントの前記斜辺が前記第2の補助線と交差するように前記各セグメントを配置したこと、を要旨とする。
即ち、第1の周方向位置及び第2の周方向位置に対応する各斜辺の傾きが互いに逆向きであることにより、各給電ブラシの磨耗に起因する各セグメントとの間の摺接状態の変化は、その正負一対の給電ブラシ対を形成する二つの給電ブラシの双方について生ずる。そして、その摺接状態の変化により生ずる位相のずれは、これら各給電ブラシ間において相反するものとなり、これにより、その影響が両者間、即ち給電ブラシ対内で相殺されることによって、そのモータ特性の変化が抑制される。従って、上記構成によれば、ブラシ音の低減及び摺接状態の早期安定化を図りつつ、各給電ブラシの磨耗により生ずるモータ特性の変化を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、前記第1の補助線と交差する第1の斜辺の傾斜角の大きさと前記第2の補助線と交差する第2の斜辺の傾斜角の大きさとが等しくなるように前記各セグメントを配置したこと、を要旨とする。
上記構成によれば、各給電ブラシの磨耗に起因する各セグメントとの間の摺接状態の変化を、その正負一対の給電ブラシ対を形成する二つの給電ブラシの双方について、略同時に発生させることができる。これにより、その摺接状態の変化により生ずる位相のずれの影響を有効に相殺することができ、その結果、より効果的にモータ特性の変化を抑制することができるようになる。
請求項3に記載の発明は、前記各セグメントは、台形状に形成されてなること、を要旨とする。
上記構成によれば、その底辺(上底及び下底)を基準として位置決めするだけで、容易に、請求項1の態様で各セグメントを整列配置することができる。そして、特に各セグメントを等脚台形状に形成することにより、容易に、請求項2の態様で各セグメントを配置することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の直流モータを備えた電動パワーステアリング装置であること、を要旨とする。
上記構成によれば、使用初期においても安定したモータ特性を確保して、操舵フィーリングに優れた電動パワーステアリング装置を提供することができる。
本発明によれば、ブラシ音の低減及び摺接状態の早期安定化を図りつつ、給電ブラシの磨耗により生ずるモータ特性の変化を抑制することが可能な直流モータ及び電動パワーステアリングを提供することができる。
電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。 モータの断面図。 整流子及び給電ブラシの配置を示す模式図。 給電ブラシの側面図。 各セグメントの形状及びその配置を示す説明図。 (a)(b)正負一対の給電ブラシ対を構成する二つの給電ブラシと各セグメントとの位置関係、及びその作用を示す説明図。 別例の各セグメントの形状及びその配置を示す説明図。 (a)参考例の各セグメントの形状及びその配置を示す説明図、(b)別例の各セグメントの形状及びその配置を示す説明図。 別例の各セグメントの形状及びその配置を示す説明図。 整流子(の各セグメント)に摺接する給電ブラシを示す説明図。 (a)(b)正負一対の給電ブラシ対を構成する二つの給電ブラシと各セグメントとの位置関係、及び当該各セグメントの磨耗による影響を示す説明図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の電動パワーステアリング装置(EPS)1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されている。そして、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。尚、本実施形態のステアリングシャフト3は、コラムシャフト3a、インターミディエイトシャフト3b、及びピニオンシャフト3cを連結してなる。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド6を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪7の舵角、即ち車両の進行方向が変更される。
また、EPS1は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置としてのEPSアクチュエータ10と、該EPSアクチュエータ10の作動を制御する制御手段としてのECU11とを備えている。
本実施形態のEPSアクチュエータ10は、駆動源であるモータ12が減速機構13を介してコラムシャフト3aと駆動連結された所謂コラム型のEPSアクチュエータとして構成されている。尚、本実施形態では、モータ12には、ブラシ付の直流モータが採用されており、同モータ12は、ECU11から駆動電力の供給を受けることにより回転する。そして、EPSアクチュエータ10は、このモータ12の回転を減速してコラムシャフト3aに伝達することにより、そのモータトルクをアシスト力として操舵系に付与する構成となっている。
一方、ECU11には、トルクセンサ14及び車速センサ15が接続されており、ECU11は、これらトルクセンサ14及び車速センサ15により検出される操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、操舵系に付与すべきアシスト力(目標アシスト力)を演算する。そして、その目標アシスト力に相当するモータトルクを発生させるべく、モータ12に対して駆動電力を供給することにより、同モータ12を駆動源とするEPSアクチュエータ10の作動、即ち操舵系に付与するアシスト力を制御する構成となっている。
次に、本実施形態のEPSの駆動源であるモータの構成について説明する。
図2に示すように、本実施形態のモータ12は、略有底円筒状をなすヨーク20の内周に永久磁石21を固着してなる固定子22と、同永久磁石21の内側において回転自在に支承された電機子23と、同電機子23に給電する給電ブラシ24とを備えたブラシ付き直流モータとして構成されている。
詳述すると、電機子23は、回転軸25に固定されることにより同回転軸25とともに一体回転する電機子コア26及び整流子27を備える。本実施形態では、回転軸25は、ヨーク20の底部20a及び同ヨーク20の開口端20bを閉塞するハウジング28にそれぞれ設けられた軸受29a,29bに軸支されることにより、ヨーク20の軸線に沿うように配置されている。そして、電機子23は、これにより、その電機子コア26が永久磁石21に対応する軸方向位置に配置された状態で、回転自在にヨーク20内に収容されている。
さらに詳述すると、電機子コア26は、径方向外側に向かって放射状に延設された複数(本実施形態では22本)のティース30を有しており、これら各ティース30には、巻線(モータコイル)31が巻回されている。そして、固定子22側において同電機子コア26と対向する永久磁石21には、その周方向に沿って複数(本実施形態では4極)の磁極が形成されている。
一方、整流子27は、回転軸25とともに一体回転する円筒体32の周面に複数のセグメント33を固定することにより形成される。具体的には、円筒体32は、ヨーク20内において、上記電機子コア26よりも開口端20b側(図2中、下側)に配置されており、各セグメント33は、円筒体32の周面に沿って整列配置されている。そして、これらの各セグメント33には、それぞれ、上記各ティース30に巻回された巻線31の一部が接続されている。
図3に示すように、本実施形態のモータ12は、整流子27の径方向外側において、当該整流子27を囲むように周方向に沿って配置された4つの給電ブラシ24を備えている。また、本実施形態の整流子27は、その周面(円筒体32の周面)に22個のセグメント33を備えている。そして、上記各給電ブラシ24は、ブラシホルダ34内に収容され、付勢手段としてのコイルばね35に付勢されることにより(図2参照)、上記整流子27の周面に配設された各セグメント33に対して、その先端が摺接される構成となっている。
さらに詳述すると、図4に示すように、本実施形態の給電ブラシ24では、その使用状態において整流子27の軸線方向(図2参照、同図中、上方向)に配置される一側面(上面36)には、当該整流子27の各セグメント33に対する摺接部となる先端側(図4中、右側)に向かって傾斜するテーパ面37が形成されている。
即ち、その使用状態における整流子27の軸線方向(同図中、上下方向)の長さを「高さ」とすれば、このようなテーパ面37を有した初期摺接部38を形成することにより、使用初期において整流子27側の各セグメント33との摺接面39を構成する先端部の高さh1は、テーパ面37の形成されていない部分の高さh0よりも低くなる。そして、本実施形態では、これにより、使用当初の摺接面積を小さくして、その初期摺接部38となる先端部分の磨耗を促進することにより、その摺接状態について、早期の安定化を図る構成となっている。
また、本実施形態では、各給電ブラシ24には、所定角度(略90°)をおいて周方向に離間した二つを組として、上記ECU11により、そのモータ回転に応じた正負の電圧が印加される。即ち、本実施形態では、その周方向に隣り合う二つの給電ブラシ24が、正負一対の給電ブラシ対を形成する(図3参照)。そして、各給電ブラシ24が同整流子27の回転位置に応じた各セグメント33に摺接することにより、当該各セグメント33に接続された巻線31に対する通電が行われる。
つまり、ブラシ付きモータである本実施形態のモータ12では、その電機子23の回転により各給電ブラシ24の摺接するセグメント33が移行することで、モータコイルを構成する巻線31に対する通電方向の切り替え(整流)が行なわれる。そして、モータ12は、その巻線31に対する通電により、当該巻線31と上記固定子22側に形成された各磁極との間に生ずる電磁力(電磁吸引力及び反発力)に基づくモータトルクを発生する構成となっている。
(整流子のセグメント形状及び配置)
次に、本実施形態における整流子のセグメント形状及びその配置について説明する。
図5に示すように、本実施形態のセグメント33は、台形状に形成されている。詳しくは、各セグメント33は、その各底辺40(上底40a及び下底40b)と各斜辺41との間に形成される各組二つの底角がそれぞれ等しい等脚台形状に形成されている。
また、各セグメント33は、整流子27において、その各斜辺41が周方向(同図中、左右方向)に位置するように配置される。具体的には、各セグメント33は、その隣り合う他のセグメント33との間において、両者の斜辺41が略平行して隣接するように、その上底40a及び下底40bの方向を交互に反転させた状態で整流子27の周方向(図3参照、回転軸25と一体回転する円筒体32の周面)に沿って整列配置される。そして、本実施形態では、このように給電ブラシ24との接触部となる各セグメント33の二辺について、整流子27の軸線方向(図5中、上下方向)に対して傾きを持たせることにより、その接触により生ずるブラシ音の低減が図られている。
更に、図6(a)(b)に示すように、上記のように正負一対の給電ブラシ対を形成する二つの給電ブラシ24(24a,24b)間において、その周方向に最も離間した二位置を第1及び第2の周方向位置(P1,P2)とすると、各セグメント33は、これらの二位置に対応する各斜辺41の傾きが互いに逆向きとなるように配置されている。
例えば、同図に示す例では、給電ブラシ対を形成する一方の給電ブラシ24aに対応する周方向位置には、セグメント33a〜33cがあり、他方の給電ブラシ24bに対応する周方向位置には、セグメント33g〜33iがある。また、給電ブラシ24a側を上記第1の周方向位置P1とし、給電ブラシ24b側を上記第2の周方向位置P2とすると、第1の周方向位置P1には、セグメント33aの斜辺41(41a)があり、第2の周方向位置P2には、セグメント33iの斜辺41(41i)がある。そして、本実施形態では、このような位置関係にある場合において、その対応関係にあるセグメント33aの斜辺41(41a)の傾きとセグメント33iの斜辺41(41i)の傾きとが逆方向となるように、各セグメント33が配置されている。
尚、同図中の一点鎖線L,Mは、それぞれ、第1の周方向位置P1及び上記第2の周方向位置P2において整流子27の軸線方向を示す補助線である。また、上記のように、本実施形態の各セグメント33は等脚台形状に形成されている。このため、その第1の斜辺を構成するセグメント33aの斜辺41aの傾斜角θ1と第2の斜辺を構成するセグメント33iの斜辺41iの傾斜角θ2とは、その大きさが等しくなっている。
そして、本実施形態では、これにより、上述のような各給電ブラシ24(の初期摺接部38となる先端部分)の磨耗により生ずるモータ特性の変化を抑える構成となっている。
即ち、本実施形態の各給電ブラシ24のように、その初期摺接部38となる先端部分にテーパ面37を有する構成では(図4参照)、当該初期摺接部38の磨耗に従って、各セグメント33との摺接面39が整流子27の軸線方向(同図中、上下方向)に拡大する。そのため、上記のように、整流子27の周方向に位置することにより給電ブラシ24との接触部となる各セグメント33の各辺に傾きが設定されている場合には、その磨耗に伴う摺接面積の変化によって、各給電ブラシ24に対応する周方向位置にある各セグメント33との摺接状態が変化することになる。
具体的には、同一のタイミング(整流子27の回転位置が同一)であるにもかかわらず、給電ブラシ24の接触面積が小さい使用初期の段階においては、本来(初期摺接部38の磨耗後の通常時には)、摺接するはずのセグメント33に対して同給電ブラシ24が接触しない状況が発生する。そして、図11(a)(b)に示すように、各セグメント57について、その周方向に位置する各辺に一様な傾きが設定された構成では、この摺接状態の変化により、正負一対の給電ブラシ対を形成する二つの給電ブラシ54の一方のみに位相のずれ(回転方向に応じた進み角又は遅れ角)が生ずることによって、そのモータ特性が変化することになる。
しかしながら、図6(a)(b)に示すように、本実施形態では、正負一対の給電ブラシ対を形成する二つの給電ブラシ24(24a,24b)間において、その周方向に最も離間した第1の周方向位置P1及び第2の周方向位置P2に対応する各斜辺41(41a,41i)の傾きが互いに逆向きとなるように、各セグメント33が配置されている。このため、上記のような各給電ブラシ24(の初期摺接部38)の磨耗に起因する当該各給電ブラシ24とその対応する周方向位置にある各セグメント33との間の摺接状態の変化は、その正負一対の給電ブラシ対を形成する二つの給電ブラシ24(24a,24b)の双方に生ずることになる。
具体的には、同図に示す例では、給電ブラシ対を形成する各給電ブラシ24(24a,24b)の摺接面39は、上記テーパ面37が形成された初期摺接部38の磨耗により、その高さ(整流子27の軸線方向に沿った長さ)h2が、使用初期における高さh1からテーパ面37の形成されていない部分の高さh0(図4参照)まで拡大する。従って、一方の給電ブラシ24aに着目するならば、同一のタイミングであるにもかかわらず、図6(b)に示される磨耗後の状態では、3つのセグメント33a〜33cに摺接するところ、図6(a)に示される使用初期の段階では、二つのセグメント33b,33cにしか摺接しないことになる。
しかしながら、上記本実施形態の構成では、他方の給電ブラシ24bについてもまた、上記給電ブラシ24aと同様、その磨耗に伴う摺接状態の変化が発生する。即ち、給電ブラシ24bもまた、図6(b)に示される磨耗後の状態では、3つのセグメント33g〜33iに摺接するところ、図6(a)に示される使用初期の段階では、二つのセグメント33g,33hにしか摺接しない。
そして、図6(a)に示される使用初期の段階において、一方の給電ブラシ24aと摺接しないセグメント33a及び他方の給電ブラシ24bと摺接しないセグメント33i間の位置関係は、これら各給電ブラシ24a,24bに摺接する各セグメント33b,33c,33g,33hの周方向位置を基準として反対側になる。このため、その摺接状態の変化により生ずる位相のずれは、これら正負一対の給電ブラシ対を構成する二つの給電ブラシ24a,24b間において相反するものとなり、その結果、その影響が両者間で相殺されることになる。
即ち、図6(a)に示される使用初期の段階において、給電ブラシ24aが進み角となる方向に整流子27が回転する場合(同図中、各セグメント33が右側から左側に向かって移動するような回転方向)には、給電ブラシ24bは遅れ角となる。反対に、給電ブラシ24aが遅れ角となる方向に整流子27が回転する場合(同図中、各セグメント33が左側から右側に向かって移動するような回転方向)には、給電ブラシ24bは進み角となる。そして、本実施形態では、このように給電ブラシ対を構成する二つの給電ブラシ24a,24bに生ずる位相のずれが相反するものとなり、その影響が両者間、即ち給電ブラシ対内で相殺されることにより、各給電ブラシ24(の初期摺接部38)の磨耗に起因したモータ特性の変化が抑制されるようになっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)各給電ブラシ24には、整流子27側に設けられた各セグメント33との摺接により磨耗してその摺接面39が同整流子27の軸線方向に拡大する初期摺接部38が設けられる。また、各セグメント33は、その整流子27の周方向に位置する二辺が当該整流子27の軸線方向に対して傾きを有した斜辺41となるように形成される。そして、各セグメント33は、正負一対の給電ブラシ対を形成する二つの給電ブラシ24(24a,24b)間において、その周方向に最も離間した二位置を第1及び第2の周方向位置(P1,P2)とした場合に、これらの二位置に対応する各斜辺41(41a,41i)の傾きが互いに逆向きとなるように配置される。
即ち、第1の周方向位置P1及び第2の周方向位置P2に対応する各斜辺41の傾きが互いに逆向きであることにより、各給電ブラシ24の磨耗に起因する各セグメント33との間の摺接状態の変化は、その正負一対の給電ブラシ対を形成する二つの給電ブラシ24(24a,24b)の双方に生ずる。そして、その摺接状態の変化により生ずる位相のずれは、これら各給電ブラシ24a,24b間において相反するものとなり、これにより、その影響が両者間、即ち給電ブラシ対内で相殺されることによって、そのモータ特性の変化が抑制される。従って、上記構成によれば、ブラシ音の低減及び摺接状態の早期安定化を図りつつ、各給電ブラシ24の磨耗により生ずるモータ特性の変化を抑制することができる。
(2)各セグメント33は、第1の周方向位置P1にある第1の斜辺(セグメント33aの斜辺41a)の傾斜角θ1の大きさと第2の周方向位置P2にある第2の斜辺(セグメント33iの斜辺41i)の傾斜角θ2の大きさとが等しくなるように配置される。
上記構成によれば、各給電ブラシ24の磨耗に起因する各セグメント33との間の摺接状態の変化を、その正負一対の給電ブラシ対を形成する二つの給電ブラシ24(24a,24b)の双方について、略同時に発生させることができる。これにより、その摺接状態の変化により生ずる位相のずれの影響を有効に相殺することができ、その結果、より効果的にモータ特性の変化を抑制することができるようになる。
(3)各セグメント33は、等脚台形状に形成される。このような構成とすれば、その底辺40(上底40a及び下底40b)を基準として位置決めするだけで、容易に、上記(1)(2)に示される態様で各セグメント33を配置することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、本発明をEPS1のモータ12に具体化したが、その他、EPS以外の用途に用いられるモータに適用してもよい。また、EPSに適用する場合においても、本実施形態のEPS1のような所謂コラム型に限らず、所謂ラックアシスト型や所謂ピニオン型等、その他の形式のEPSに具体化してもよい。
・上記実施形態では、モータ12は、そのブラシ数を「4」、セグメント数を「22」としたが、ブラシ数及びセグメント数については、必ずしもこれに限るものではない。
・上記実施形態では、特に言及しなかったが、例えば、図7に示すように、各セグメント43の周方向幅(面積)については、必ずしも均等でなくともよい。尚、同図に示す例では、隣り合う二つのセグメント43(43a,43b)の底辺の長さが不均等(W1>W2)となっている。
・上記実施形態では、各セグメント33は、等脚台形状に形成されることとした。しかし、これに限らず、整流子の周方向に位置する二辺のうちの少なくとも一方が傾きを有した斜辺となるように形成されるとともに、給電ブラシ対における第1の周方向位置に何れかのセグメントの斜辺があるとき、該斜辺とは逆方向の傾きを有した他のセグメントの斜辺が第2の周方向位置にあるように配置可能な形状であればよい。具体的には、例えば、図8(b)に示すように、各セグメント44を直角台形状に形成する等としてもよい。なお、図8(a)は参考例を示すものである。
・また、各セグメントの形状は、台形状でなくともよく、例えば、図9に示すように、三角形状のセグメント45を用いる等としてもよい。即ち、その三角形状をなす各セグメント45の高さ(同図中、上下方向の長さ)を給電ブラシの摺接範囲(ブラシ摺接範囲)よりも長く設定することで、台形状のセグメントと同様の効果を得ることができる。特に、同図に示すように、各セグメント45の形状を二等辺三角形状とし、その底辺の軸方向位置(同図中、上下方向の位置)を隣り合う各セグメント45間において交互に反転させる態様で整列配置させることで、容易に、上記実施形態における上記(1)(2)の効果を得ることができる。
次に、以上の実施形態から把握することのできる技術的思想を効果とともに記載する。
(イ)請求項3に記載の直流モータにおいて、前記各セグメントは、等脚台形状に形成されてなること、を特徴とする直流モータ。
上記構成によれば、容易に、請求項1及び請求項2に示される態様で、各セグメントを配置することができる。
(ロ)複数のセグメントを周方向に整列配置してなる整流子と、前記各セグメントに摺接する複数の給電ブラシとを備え、前記各給電ブラシは、それぞれ所定の角度間隔をおいて前記整流子の周方向に沿って配置されることにより正負一対の給電ブラシ対を形成するとともに、前記各給電ブラシには、前記各セグメントとの摺接により磨耗して摺接面が高さ方向に拡大する初期摺接部が設けられた直流モータであって、前記各セグメントは、前記整流子の周方向に位置する二辺のうちの少なくとも一方が傾きを有した斜辺となるように形成されるとともに、何れかのセグメントの前記斜辺が何れかの前記給電ブラシに対応する第1の周方向位置にあるとき、該給電ブラシとともに前記給電ブラシ対を形成する他の給電ブラシに対応する第2の周方向位置に、逆方向の傾きを有した他のセグメントの前記斜辺が位置するように前記各セグメントを配置したこと、を特徴とする直流モータ。
上記構成によれば、請求項1と同一の効果を得ることができる。
1…電動パワーステアリング装置(EPS)、2…ステアリング、3…ステアリングシャフト、10…EPSアクチュエータ、11…ECU、12…モータ、13…減速機構、23…電機子、24(24a,24b)…給電ブラシ、27…整流子、33(33a〜33c,33g〜33i),43,44,45…セグメント、37…テーパ面、38…初期摺接部、39…摺接面、40…底辺、41(41a,41i)…斜辺、51…初期摺接部、52…テーパ面、54(54a,54b)…給電ブラシ、55…整流子、56…摺接面、57(57a〜57c,57g〜57i)…セグメント、h0,h1,h2…高さ、P1…第1の周方向位置、P2…第2の周方向位置、θ1,θ2…傾斜角。

Claims (4)

  1. 複数のセグメントを周方向に整列配置してなる整流子と、前記各セグメントに摺接する複数の給電ブラシとを備え、前記各給電ブラシは、それぞれ所定の角度間隔をおいて前記整流子の周方向に沿って配置されることにより正負一対の給電ブラシ対を形成するとともに、前記各給電ブラシには、前記各セグメントとの摺接により磨耗して摺接面が前記整流子の軸線方向に拡大する初期摺接部が設けられた直流モータであって、
    前記各セグメントは、前記整流子の周方向に位置する二辺のうちの少なくとも一方が前記整流子の軸線方向に対して傾きを有した斜辺となるように形成され
    前記給電ブラシ対が前記セグメントと摺接する領域のうち、前記周方向に最も離間した二位置の一方を第1の周方向位置、他方を第2の周方向位置とするとともに、前記第1の周方向位置における前記整流子の軸線方向を示す線を第1の補助線、前記第2の周方向位置における前記整流子の軸線方向を示す線を第2の補助線として仮想した場合に、
    前記整流子を径方向外側から見て、何れかのセグメントの前記斜辺が前記第1の補助線と交差するとき、該斜辺とは逆方向の傾きを有した他のセグメントの前記斜辺が前記第2の補助線と交差するように前記各セグメントを配置したこと、を特徴とする直流モータ。
  2. 請求項1に記載の直流モータにおいて、
    前記第1の補助線と交差する第1の斜辺の傾斜角の大きさと前記第2の補助線と交差する第2の斜辺の傾斜角の大きさとが等しくなるように前記各セグメントを配置したこと、
    を特徴とする直流モータ。
  3. 請求項2に記載の直流モータにおいて、
    前記各セグメントは、台形状に形成されてなること、を特徴とする直流モータ。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の直流モータを備えた電動パワーステアリング装置。
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