JP2007067352A - 電気二重層キャパシタ用電解質 - Google Patents

電気二重層キャパシタ用電解質 Download PDF

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Abstract

【課題】 伝導率が高い含水ゲルを用いた電気二重層キャパシタ用電解質を提供すること。
【解決手段】 下記一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位を有するポリビニルアルコール系樹脂(A)、1価の金属イオン(B)、及び水を含有する含水ゲル。
Figure 2007067352

[式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な電気二重層キャパシタ用の電解質に関し、さらに詳しくは、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA系樹脂と略記する。)をマトリックスとする含水ゲルである電気二重層キャパシタ用電解質に関する。
電気二重層キャパシタは、電極と電解質との界面に形成される電気二重層に物理的に電荷を蓄えることを特徴とするエネルギー貯蔵デバイスである。そのため、急速充放電が可能、劣化が少なく数万サイクル以上の繰り返し充放電が可能、充放電効率が高い、低温環境でも動作可能、構成材料に重金属を含まないため環境に優しい、などの特徴を有しており、デジタル家電、携帯電話、モバイルコンピューターなどのバックアップ電源、ハイブリッド自動車の補助電源、ビルや一般住宅などにおける分散型電力貯蔵装置、自然エネルギー発電の蓄電装置、無停電電源など、幅広い分野への応用が期待されている。
電気二重層キャパシタは、通常、正・負の電極とこれらに挟まれた電解質から構成されており、電解質は電気二重層を形成するためのイオン源としての役割を担うため、電気二重層キャパシタの基本特性を左右する重要な物質である。
かかる電気二重層キャパシタに用いられる電解質としては、イオン性化合物を含有する媒体によって、非水系電解液、水系電解液、固体電解質などが知られている。しかし、非水系電解液は高温での使用等によって有機溶媒が気化し、キャパシタの破裂、さらには引火・発火する恐れがある。また、非水系、水系ともに液状の電解液の場合、漏洩による特性低下、作動不良の可能性がある。また、固体電解質の場合、所定形状への成形が必要となり、電解液を用いたキャパシタに比べ設計の自由度が低い。
これら課題を解決する方法の一つとして、高分子含水ゲルを用いた電解質が検討されており、例えば、PVA系樹脂をマトリックスとし、イオンキャリヤー源として水酸化カリウムを用いた含水ゲル電解質(例えば、非特許文献1参照。)や、さらにこれをガラス繊維織布に含浸して強度面を改善した複合含水ゲル電解質(例えば、非特許文献2参照。)が提案されている。
しかしながら、非特許文献1及び2に記載の電解質について本発明者が詳細に検討したところ、実用的な配合組成(イオン量、含水率、など)では伝導率が不充分であり、充放電速度の面で改良の余地があることが明らかになった。
Solid State Ionics、2000年、133巻、265−271頁 Materials Letters、2002年、57巻、873−881頁
本発明は、高分子含水ゲルを用いた電解質であり、伝導率が高い電気二重層キャパシタ用電解質を提供することを目的とする。
本発明者は、上記事情に鑑み、鋭意検討した結果、特定構造を有するPVA系樹脂と1価の金属イオン、及び水を含有する含水ゲルによって、本発明の目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
本発明においては、PVA系樹脂として、側鎖の1,2−ジオール構造によって、親水性、反応性を保持しつつ結晶性が低減されるという独特な特徴を有する変性PVA系樹脂を用いたことによって本発明の効果が得られたものと推定している。
すなわち、本発明の要旨は、下記一般式(1)で表わされる1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂(A)と1価の金属イオン(B)と水を含有する含水ゲルに存する。
Figure 2007067352

[式中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示す]
本発明の含水ゲルは伝導度が高く、充放電の速度向上が期待できることから、電気二重層キャパシタ用電解質として有用である。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されるものではない。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられるPVA系樹脂(A)は、下記一般式(1)で表わされる1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂であり、一般式(1)において、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示す。
Figure 2007067352
かかるPVA系樹脂(A)の一般式(1)で表わされる1,2−ジオール構造単位は、主鎖の置換基であるR1〜R3、及び側鎖の置換基であるR4〜R6がすべて水素原子であり、Xが単結合であるものが望ましく、その水素原子が樹脂特性を大幅に損なわない程度の置換基で置換されたものでもよい。また、その含有量は、通常、0.3〜20モル%程度であり、残る部分は、通常のPVA系樹脂と同様、ビニルアルコール構造単位と若干量の酢酸ビニル構造単位からなる。
一般式(1)で表わされる1,2−ジオール構造単位中のR1〜R3、及びR4〜R6が有機基の場合、その有機基としては特に限定されないが、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、必要に応じて、ハロゲン基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい。
また、一般式(1)で表わされる1,2−ジオール構造単位中のXが結合鎖の場合、その結合鎖としては特に限定されないが、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、フェニレン、ナフチレン等の炭化水素(これらの炭化水素はフッ素、塩素、臭素等のハロゲン等で置換されていても良い)の他、−O−、−(CH2O)m−、−(OCH2m−、−(CH2O)mCH2−、−CO−、−COCO−、−CO(CH2mCO−、−CO(C64)CO−、−S−、−CS−、−SO−、−SO2−、−NR−、−CONR−、−NRCO−、−CSNR−、−NRCS−、−NRNR−、−HPO4−、−Si(OR)2−、−OSi(OR)2−、−OSi(OR)2O−、−Ti(OR)2−、−OTi(OR)2−、−OTi(OR)2O−、−Al(OR)−、−OAl(OR)−、−OAl(OR)O−、等が挙げられ(Rは各々独立して任意の置換基であり、水素原子、アルキル基が好ましく、またmは自然数である)、その中でも製造時あるいは使用時の安定性の点で炭素数6以下のアルキレン基、あるいは−CH2OCH2−が好ましい。
本発明で用いられるPVA系樹脂(A)の製造法は、特に限定されないが、(i)ビニルエステル系モノマーと下記一般式(2)で示される化合物との共重合体をケン化する方法が好適に用いられる。
Figure 2007067352

[式中、R1、R2、及びR3、はそれぞれ独立して水素または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、R7及びR8はそれぞれ独立して水素原子またはR9−CO−(式中、R9はアルキル基である)を示す]
また、(i)以外の製造法として、
(ii)ビニルエステル系モノマーと下記一般式(3)で示される化合物との共重合体をケン化及び脱炭酸する方法、
Figure 2007067352

[式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示す。]
(iii)ビニルエステル系モノマーと下記一般式(4)で示される化合物との共重合体をケン化及び脱ケタール化する方法、などが挙げられる。
Figure 2007067352

[式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、R10及びR11はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示す。]
なお、本発明で用いられるビニルエステル系モノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられるが、経済的にみて中でも酢酸ビニルが好ましく用いられる。
以下、かかる(i)、(ii)、及び(iii)の方法について説明する。
[(i)の方法]
本発明で用いられる上記一般式(2)で示される化合物において、R1〜R3、R4〜R6及びXは上記一般式(1)と同様のものが挙げられ、R7及びR8は、それぞれ独立して水素原子またはR9−CO−(式中、R9は、アルキル基、好ましくはメチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基またはオクチル基であり、かかるアルキル基は共重合反応性やそれに続く工程において悪影響を及ぼさない範囲で、ハロゲン基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい)である。
式(2)で示される化合物としては、具体的にXが単結合である3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−1−ブテン、3−アシロキシ−4−ヒドロキシ−1−ブテン、4−アシロキシ−3−ヒドロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−2−メチル−1−ブテン、Xがアルキレン基である4,5−ジヒドロキシ−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−1−ペンテン、4,5−ジヒドロキシ−3−メチル−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−ジヒドロキシ−1−ヘキセン、5,6−ジアシロキシ−1−ヘキセン、Xが−CH2OCH2−あるいは−OCH2−であるグリセリンモノアリルエーテル、2,3−ジアセトキシ−1−アリルオキシプロパン、2−アセトキシ−1−アリルオキシ−3−ヒドロキシプロパン、3−アセトキシ−1−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、グリセリンモノビニルエーテル、グリセリンモノイソプロペニルエーテル、などが挙げられる。
なかでも、共重合反応性及び工業的な取り扱いにおいて優れるという点で、R1、R2、R3、R4、R5、R6が水素、Xが単結合、R7、R8がR9−CO−でありR9がアルキル基である3,4−ジアシロキシ−1−ブテンが好ましく、そのなかでも特にR9がメチル基である3,4−ジアセトキシ−1−ブテン、あるいは、R1、R2、R3、R4、R5、R6が水素、Xが−CH2OCH2−、R7、R8が水素であるグリセリンモノアリルエーテルが好ましい。
なお、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンは、工業生産用ではイーストマンケミカル社、試薬レベルではアクロス社の製品を市場から入手することができる。また、1,4―ブタンジオール製造工程中の副生成物として得られる3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを利用することも出来る。
かかるビニルエステル系モノマーと一般式(2)で表される化合物とを共重合するに当たっては、特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、分散重合、またはエマルジョン重合等の公知の方法を採用することができるが、通常は溶液重合が行われる。
共重合時のモノマー成分の仕込み方法としては特に制限されず、一括仕込み、分割仕込み、連続仕込み等任意の方法が採用されるが、一般式(2)で示される化合物に由来する1,2−ジオール構造単位がポリビニルエステル系ポリマーの分子鎖中に均一に分布させられる点から滴下重合が好ましく、特にはHANNA法に基づく重合方法が好ましい。
かかる共重合で用いられる溶媒としては、通常、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノール、ブタノール等の低級アルコールやアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられ、工業的には、メタノールが好適に使用される。
溶媒の使用量は、目的とする共重合体の重合度に合わせて、溶媒の連鎖移動定数を考慮して適宜選択すればよく、例えば、溶媒がメタノールの時は、S(溶媒)/M(モノマー)=0.01〜10(重量比)、好ましくは0.05〜3(重量比)程度の範囲から選択される。
共重合に当たっては重合触媒が用いられ、かかる重合触媒としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の公知のラジカル重合触媒やアゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスメトキシジメチルバレロニトリル等の低温活性ラジカル重合触媒等が挙げられ、重合触媒の使用量は、コモノマーの種類や触媒の種類により異なり一概には決められないが、重合速度に応じて任意に選択される。例えば、アゾイソブチロニトリルや過酸化アセチルを用いる場合、ビニルエステル系モノマーに対して0.01〜0.7モル%が好ましく、特には0.02〜0.5モル%が好ましい。
また、共重合反応の反応温度は、使用する溶媒や圧力により30℃〜沸点程度で行われ、より具体的には、35〜150℃、好ましくは40〜75℃の範囲で行われる。
得られた共重合体は次いでケン化されるのであるが、かかるケン化にあたっては上記で得られた共重合体をアルコール等の溶媒に溶解し、アルカリ触媒又は酸触媒を用いて行われる。代表的な溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノール等が挙げられるが、メタノールが特に好ましく用いられる。アルコール中の共重合体の濃度は系の粘度により適宜選択されるが、通常は10〜60重量%の範囲から選ばれる。ケン化に使用される触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート、リチウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒、硫酸、塩酸、硝酸、メタスルフォン酸、ゼオライト、カチオン交換樹脂等の酸触媒が挙げられる。
かかるケン化触媒の使用量については、ケン化方法、目標とするケン化度等により適宜選択されるが、アルカリ触媒を使用する場合は通常、ビニルエステル系モノマー及び式(4)で示される化合物に由来する1,2−ジオール構造単位の合計量1モルに対して0.1〜30ミリモル、好ましくは2〜17ミリモルの割合が適当である。
また、ケン化反応の反応温度は特に限定されないが、10〜60℃が好ましく、より好ましくは20〜50℃である。
[(ii)の方法]
本発明で用いられる上記一般式(3)で示される化合物において、R1〜R3、R4〜R6及びXは上記一般式(1)と同様のものが挙げられる。中でも入手の容易さ、良好な共重合性を有する点で、R1、R2、R3、R4、R5、R6が水素で、Xが単結合であるビニルエチレンカーボネートが好適に用いられる。
ビニルエステル系モノマーと一般式(3)で示される化合物とを共重合及びケン化するに当たっては、上記(i)の方法と同様に行われる。
なお、共重合反応の反応温度は、使用する溶媒によるが、40℃〜沸点程度とすることが好ましく、ケン化反応の反応温度は10〜150℃(さらには10〜60℃、特には20〜50℃)が好ましい。
脱炭酸については、通常、ケン化後に特別な処理を施すことなく、上記ケン化条件下でケン化とともに脱炭酸が行われ、エチレンカーボネート環が開環することで1,2−ジオール構造に変換される。
また、一定圧力下(常圧〜1×107Pa)で且つ高温下(50〜200℃)でビニルエステル部分をケン化することなく、脱炭酸を行うことも可能であり、かかる場合、脱炭酸を行った後、上記ケン化を行うこともできる。
[(iii)の方法]
本発明で用いられる上記一般式(4)で示される化合物において、R1〜R3、R4〜R6及びXは上記一般式(1)と同様のものが挙げられ、R10、R11はそれぞれ独立して水素又はアルキル基であり、該アルキル基としては特に限定されないが、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。かかるアルキル基は共重合反応性等を阻害しない範囲内において、ハロゲン基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい。中でも入手の容易さ、良好な共重合性を有する点で、R1、R2、R3、R4、R5、R6が水素で、R10、R11がメチル基である2,2−ジメチル−4−ビニル−1,3−ジオキソランが好適である。
ビニルエステル系モノマーと上記一般式(6)で示される化合物とを共重合及びケン化するに当たっては、上記(i)の方法と同様に行われる。
なお、共重合反応の反応温度は、使用する溶媒によるが、40℃〜沸点程度とすることが好ましく、ケン化反応の反応温度は10〜150℃(さらには10〜60℃、特には20〜50℃)が好ましい。
上記共重合体のケン化物の脱ケタール化については、上記ケン化がアルカリ触媒を用いて行われる場合は、ケン化した後、更に酸触媒を用いて水系溶媒(水、水/アセトン、水/メタノール等の低級アルコール混合溶媒等)中で脱ケタール化が行われ、1,2−ジオール構造に変換される。脱ケタール化に用いられる酸触媒としては、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、メタスルフォン酸、ゼオライト、カチオン交換樹脂等が挙げられる。
また、上記ケン化が酸触媒を用いて行われる場合は、通常、ケン化後に特別な処理を施すことなく、上記ケン化条件下で該ケン化とともに脱ケタール化が行われ、1,2−ジオール構造に変換される。
また、本発明に用いるPVA系樹脂(A)は、本発明の目的を阻害しない範囲においてその他の不飽和モノマーを共重合成分とすることもできる。かかる不飽和モノマーとしては、例えばエチレンやプロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸類あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられる。
更に、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド、3−ブテントリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のカチオン基含有モノマー、アセトアセチル基含有モノマー、酢酸イソプロペニル、1−メトキシビニルアセテート、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、ビニレンカーボネート等も挙げられる。
又、重合温度を100℃以上にすることにより、PVA主鎖中に1,2−ジオール結合を1.6〜3.5モル%程度導入したものを使用することが可能である。
かくして得られるPVA系樹脂(A)中の一般式(1)で表わされる1,2−ジオール構造単位の含有量は0.3〜20モル%(さらには0.5〜15モル%、特には1〜12モル%)のものが好ましく、かかる含有量が少なすぎるとPVA系樹脂(A)への結晶性低減効果が小さく、水分及びイオン種の保持力が低下するため伝導率が低下する傾向にあり、逆に含有量が多すぎるとPVA系樹脂(A)を製造する際に重合度が上がりにくくなり、その結果含水ゲルの形状保持力が不充分になるため好ましくない。
また、PVA系樹脂(A)のケン化度は、80〜100モル%以上(さらには95〜100モル%、特には98〜100モル%)であることが好ましく、かかるケン化度が低すぎると含水ゲルの形成が困難となり、酸化還元耐性が低下する場合があり好ましくない。
また、PVA系樹脂(A)の平均重合度(JIS K6726に準拠して測定)は200〜4500(さらには400〜3200、特には500〜2500)のものが好ましく、かかる平均重合度が小さすぎると、含水ゲルの機械的強度が不充分になる場合があり、逆に大きすぎると、含水ゲルが硬くなりすぎる傾向があり、電極との密着性が低下したり、イオンの移動を阻害する傾向があるため好ましくない。また、平均重合度が4500より大きいものは、本発明のコモノマー存在下では工業的に採算が合うレベルでの製造が困難となり、実用的ではない。
さらに、本発明においては、PVA系樹脂(A)に架橋剤を併用することで部分的に架橋させたものを用いることも可能である。PVA系樹脂(A)を架橋構造体とすることで、ゲル強度及び硬度の向上、流動性の制御などを図るのとができる。
かかる架橋剤としては、PVA系樹脂(A)の水酸基と反応し、共有結合を形成する官能基を複数有する化合物や、水酸基とは配位結合を形成する多価金属化合物が挙げられる。具体的には、グリオキザール、グルタルジアルデヒド、マロンジアルデヒド、等のアルデヒド化合物、硼酸、硼酸ナトリウム、硼砂、硼酸カルシウム、硼酸マグネシウム等の硼素化合物、ベリリウム、マグネシウム、カルシウムの塩化物、硫酸塩、硝酸塩などのアルカリ土類金属化合物、メチロール化尿素、メチロール化メラミン等のメチロール化合物が挙げられ、中でも操作性や得られる特性の点で水溶性化合物が好ましく、代表的なものとして硼酸、硼砂が挙げられる。
PVA系樹脂(A)の架橋構造体を形成させる方法としては、特に限定されるものではないが、通常は、PVA系樹脂(A)と架橋剤とを含有する水溶液を所望の型に注型し、必要に応じてpH調整あるいは加熱することで架橋反応を進行させる方法が好適に用いられる。
次に、本発明で用いられる1価の金属イオンについて説明する。
かかる金属イオンとしては、カリウム、ナトリウム、リチウムなどのアルカリ金属イオンが挙げられる。これらの金属イオンは、通常、水酸化物あるいは塩として含水ゲル中に導入される。
たとえば、PVA系樹脂(A)を架橋構造体としない場合には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物が好適に用いられる。この場合、かかるアルカリ金属水酸化物は、イオンキャリヤー源であるとともに、PVA系樹脂(A)のゲル形成にも関与する。
また、架橋剤を併用してPVA系樹脂(A)を架橋構造とする場合には、上述のアルカリ金属水酸化物に代えて、各種アルカリ金属塩を用いることも可能である。かかるアルカリ金属塩としては、無機塩である、臭化カリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化リチウム、塩化リチウムなどのハロゲン化物、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸リチウムなどの硫酸塩、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸リチウムなどの硝酸塩、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩、あるいは有機酸塩である、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸リチウムなどの酢酸塩などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
また、かかるアルカリ金属塩とアルカリ金属水酸化物を併用することも可能である。
本発明の含水ゲル中における、1価金属イオンの含有量は、アルカリ金属水酸化物を用いる場合には、PVA系樹脂(A)のビニル構造単位に対して50〜500モル%(さらには100〜500モル%、特には135〜500モル%)であることが好ましい。また、アルカリ金属塩を用いる場合は、10〜400モル%、(さらには50〜400モル%、特には100〜300モル%)であることが好ましい。かかる1価金属イオンの含有量が少なすぎると含水ゲルの強度が不足したり、イオンキャリヤの量が不足するため、充分な伝導率が得られない場合があり、逆に多すぎると塩の析出によって伝導率が低下したり、含水ゲルの機械強度が低下する場合があるため好ましくない。
本発明の含水ゲル中の含水量は、20〜70%(さらには20〜60%、特には25〜55%)であることが好ましい。かかる含水量が少なすぎると結果的に1価金属イオンの含有率が低下するため伝導率が低下したり、塩が析出する場合があり、また、含水ゲルが硬くなるため成形性が低下する場合があり、逆に多すぎると含水ゲルの機械強度が低下したり、所定の形状を有するゲルの生成が困難となる場合があるため好ましくない。
次に、本発明の含水ゲルの製造法について説明する。
本発明の含水ゲルを製造する方法は、特に限定されるものではないが、代表的なものとして以下記載の例を挙げることができる。
PVA系樹脂(A)の水溶液を調製し、これを所定の厚さに流延し、必要に応じて乾燥を行い、これにアルカリ金属水酸化物の水溶液を一定時間接触させた後、減圧下で過剰な水分を留去することで、含水ゲルを得ることができる。
また、PVA系樹脂(A)を架橋構造体とする場合には、PVA系樹脂(A)の水溶液に所定量のホウ酸水溶液を添加、混合し、これにアルカリ金属水酸化物水溶液を添加して架橋反応を進行させた後、アルカリ金属塩水溶液を添加混合し、これを所望の型に注型、あるいは所定の厚さに流延し、加熱あるいは減圧乾燥によって過剰な水分を除くことで、含水ゲルを得ることができる。
かかる方法で得られた含水ゲルには、さらにゲル特性を調整する目的でPVA系樹脂水(A)以外の他の水溶性樹脂を併用することも可能である。ただし、その場合には、全水溶性樹脂中のPVA系樹脂(A)の割合が80重量%以上(さらには90重量%以上、特には95重量%以上)であることが好ましい。
併用が可能な水溶性樹脂としてはデンプン、酸化デンプン、カチオン変性デンプン、などのデンプン誘導体、ゼラチン、カゼイン、などの天然系たんぱく質類、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、CMC、などのセルロース誘導体、未変性PVA、カチオン変性PVA、カルボン酸変性PVA、スルホン酸変性PVA、シラノール変性PVA、エチレン含量が15モル%以下の低エチレン変性PVA、アセトアセチル化変性PVA、ジアセトンアクリアミド変性PVA、熱処理等で分子内に共役2重結合を導入したPVAなどのPVA誘導体、アルギン酸ナトリウム、ペクチン酸、などの天然高分子多糖類ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸塩、などの水溶性樹脂、などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、ゲル強度や硬度を向上させるため、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウムなどの無機粉体、天然繊維、合成繊維などの短繊維、あるいはその織物や不織布やカラギーナン等のゲル化剤などを含水ゲル中に共存させることで、これらの材料と含水ゲルからなる複合材料とすることも可能である。
以下に、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
尚、例中、「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
製造例1:PVA系樹脂(A1)
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル1000g、メタノール80g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン120g(6モル%対仕込み酢酸ビニル)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.03モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ重合を開始した酢酸ビニルの重合率が72%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを所定量添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
次いで、該溶液をメタノールで希釈し、濃度40%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル構造単位及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテン構造単位の合計量1モルに対して 8.5ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、粒子状となった時点で、濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、PVA系樹脂(A1)を得た。
得られたPVA系樹脂(A1)のケン化度は、残存酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ、99.7モル%であり、平均重合度は、JIS K 6726に準して分析を行ったところ、1200であった。また、1,2−ジオール構造単位の含有量は1H−NMR(内部標準物質;テトラメチルシラン)で測定して算出したところ6.0モル%であった。なお、NMR測定には日本ブルカー社製「AVANCE DPX400」を用いた。
製造例2:PVA系樹脂(A2)
製造例1においてメタノール量を100g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの仕込量を90g(4.5モル%対仕込み酢酸ビニル)、重合率を85%として重合を行った以外は同様に行い、PVA系樹脂(A2)を得た。
得られたPVA系樹脂(A2)の各分析値を表1に示す。
製造例3:PVA系樹脂(A3)
製造例1においてメタノール量を40g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの仕込量を30g(1.5モル%対仕込み酢酸ビニル)、重合率を47.5%として重合を行った以外は同様に行い、PVA系樹脂(A3)を得た。
得られたPVA系樹脂(A3)の各分析値を表1に示す。
製造例4:PVA系樹脂(A4)
製造例1においてメタノール量を50g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの仕込量を20g(1.0モル%対仕込み酢酸ビニル)、重合率を50.2%として重合を行った以外は同様に行い、PVA系樹脂(A4)を得た。
得られたPVA系樹脂(A4)の各分析値を表1に示す。
製造例5:PVA系樹脂(A5)
製造例1においてメタノール量を50g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの仕込量を20g(1.0モル%対仕込み酢酸ビニル)、重合率を50.2%として重合を行い、鹸化触媒量を7.9ミリモルとした以外は同様に行い、PVA系樹脂(A5)を得た。
得られたPVA系樹脂(A5)の各分析値を表1に示す。
製造例6:PVA系樹脂(A6)
製造例1においてメタノール量を80g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの仕込量を10g(0.5モル%対仕込み酢酸ビニル)、重合率を46%として重合を行った以外は同様に行い、PVA系樹脂(A6)を得た。
得られたPVA系樹脂(A6)の各分析値を表1に示す。
製造例7:PVA系樹脂(A7)
製造例1においてメタノール量を270g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの仕込量を10g(0.5モル%対仕込み酢酸ビニル)、重合率を71.3%として重合を行った以外は同様に行い、PVA系樹脂(A7)を得た。
得られたPVA系樹脂(A7)の各分析値を表1に示す。
Figure 2007067352
実施例1
製造例1で得られたPVA系樹脂(A1)の20%水溶液をテフロン皿上に約800μmの厚さとなるように流延し、これを10M水酸化カリウム水溶液中に1時間浸漬したのち、減圧(0.09MPa)下に1時間置くことで過剰な水分を留去して含水ゲルを得た。得られた含水ゲルの膜厚は688μmであり、組成は、PVA系樹脂(A1)/KOH/水の重量比が18/31/51であった。なお、PVA系樹脂(A)とKOHとの重量比はKOH導入前後の乾燥重量差に基づき、水分量は含水ゲルの重量とその乾燥重量差に基づくものである。
<伝導率の測定>
得られた含水ゲルを直径1cmの円盤状に切り出し測定試料とした。かかる測定試料の両面に鏡面研磨したニッケル板をバネで圧着し、東陽テクニカ社製ELECTROCHEMICALINTERFACE「Solartron Sl 1280B」を用い、25℃、周波数範囲20kHz〜10mHz、印加交流電圧10mVp−pの条件で交流インピーダンス測定を行い、抵抗値を求めた。得られた抵抗値と試料体積から測定試料の固有抵抗値を求め、その逆数である伝導率を算出した。
実施例2〜9
実施例1において、PVA系樹脂(A1)に代えて、製造例2〜7で得られたPVA系樹脂(A2〜A7)を用い、同様に含水ゲルを作製した。
得られた含水ゲルの組成、膜厚、及び実施例1と同様に測定して得られた伝導率を表2に示す。
比較例1
実施例1において、PVA系樹脂(A1)に代えて、重合度1200、ケン化度99.0モル%の未変性PVA系樹脂を用い、同様に含水ゲルを作製した。
得られた含水ゲルの組成、膜厚、及び実施例1と同様に測定して得られた伝導率を表2に示す。
Figure 2007067352
実施例1〜9及び比較例1で得られた含水ゲルの膜厚と伝導率との関係を図1に示す。伝導率は測定サンプルの膜厚と一次の相関関係にあるが、同等膜厚での比較において、本発明の含水ゲルは比較例のものよりも伝導率が高いことは明らかである。
本発明の含水ゲルは伝導率に優れることから、電気二重層キャパシタ用電解質として有用である。
実施例1〜9及び比較例1で得られた含水ゲルの膜厚と伝導率との関係を示すグラフである。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位を有するポリビニルアルコール系樹脂(A)、1価の金属イオン(B)、及び水を含有する含水ゲルであることを特徴とする電気二重層キャパシタ用電解質。
    Figure 2007067352

    [式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示す。]
  2. ポリビニルアルコール系樹脂(A)中の一般式(1)で表わされる1,2−ジオール構造単位におけるR1、R2、及びR3がいずれも水素であり、Xが単結合であり、R4、R5、及びR6がいずれも水素であることを特徴とする請求項1記載の電気二重層キャパシタ用電解質。
  3. ポリビニルアルコール系樹脂(A)中の一般式(1)で表わされる1,2−ジオール構造単位の含有量が0.3〜20モル%であることを特徴とする請求項1または2記載の電気二重層キャパシタ用電解質。
  4. ポリビニルアルコール系樹脂(A)が、ビニルエステル系モノマーと一般式(2)で表される化合物との共重合体をケン化して得られたことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の電気二重層キャパシタ用電解質。
    Figure 2007067352

    [式中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して水素または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示し、R4、R5、及びR6はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、R7及びR8はそれぞれ独立して水素原子またはR9−CO−(式中、R9はアルキル基である)を示す]
  5. ポリビニルアルコール系樹脂(A)が架橋されたポリビニルアルコール系樹脂であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の電気二重層キャパシタ用電解質。
  6. 1価の金属イオン(B)の含有量がポリビニルアルコール系樹脂(A)のビニル構造単位に対して10〜500モル%であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の電気二重層キャパシタ用電解質。
  7. 含水率が20〜70重量%であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の電気二重層キャパシタ用電解質。


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