JP2007065190A - 静電荷現像用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 着色粒子中に該カーボンブラックを微細且つ均一に分散させることを可能とし、黒色度または着色度に優れた静電荷現像用トナーを提供する。
【解決手段】 結着樹脂及びカーボンブラックを含有する着色粒子を含むトナーであって、該カーボンブラックが含窒素シランカップリング剤で表面処理されたものであることを特徴とする静電荷現像用トナーである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において静電潜像を現像するために用いられる静電荷現像用トナー(以下「静電荷現像用トナー」のことを、単に「トナー」と表すこともある。)に関する。
静電潜像を静電荷現像用トナーで現像することで所望の画像を形成する方法が広く実施されている。
例えば、電子写真法では、感光体に形成された静電潜像を、着色粒子に必要に応じて外添剤やキャリア等の他の粒子を配合してなる静電潜像現像用トナーで現像し、紙又はOHPシート等の記録材に該トナーを転写した後、転写されたトナーを定着して印刷物を得る。
定着方法としては、加熱、圧力、加熱圧力、溶剤蒸気等による方法が知られているが、熱ローラーを用いる加熱圧力方式が最も広く利用されている。
転写工程後の感光体上に残留したトナーはクリーニング装置により除去される。このクリーニング工程により残留したトナーが除去された感光体は再び潜像形成工程に用いられ、その一方、回収されたトナーは通常、廃トナー貯蔵部へ回収される。
現像に用いるトナーとしては、粉砕法又は重合法により製造されたものに大別される。
粉砕法は、結着剤と着色剤を溶融混練するか、モノマーと着色剤を含有する混合物を重合させて得た着色樹脂の固形物を粉砕し、分級することにより着色粒子を製造する方法である。
一方、重合法は、重合性単量体と着色剤を含有する液状組成物を造粒して得た液滴を形成し、該液滴を重合させて着色粒子を製造する方法である。粉砕法で得られる着色粒子が不定形であるのに対して、形状が球形に近く、更に重合法を用いると、小粒径でシャープな粒径分布をもつ着色粒子が得られる。
特に、画像再現性や精細性等の画質を向上させる観点から、いわゆる重合法により得られるトナー(いわゆる重合法トナー)のように、形状や粒径分布が高度に制御されたトナーが用いられるようになってきた。
黒色トナーを得るために用いる、黒色着色剤としてはカーボンブラックが好適に用いられる。しかし、粉砕法において結着樹脂にカーボンブラックを混合する際や、或いは、重合法において重合性単量体にカーボンブラックを混合する際に、カーボンブラックの分散性が十分ではないため、最終的に得られる着色粒子中に該カーボンブラックを微細かつ均一に分散させることが難しい。
そのため従来、カーボンブラックを用いて黒色度または着色力に優れたトナーを得ることは難しかった。
カーボンブラックを着色粒子中に十分に分散させるために、カーボンブラックを表面処理することが試みられている。
特許文献1には、着色剤を含むエチレン系不飽和単量体を懸濁重合させることから成る静電荷像現像用トナーの製法において、カーボンブラックを長鎖アルキルアミンで予め表面処理し、この表面処理物をエチレン系不飽和単量体に分散させ、この分散体をラジカル開始剤の存在下に懸濁重合させることを特徴とする方法(該公報の請求項1)が開示されている。
また、特許文献2には、含フッ素シランカップリング剤で表面処理したカーボンブラックを結着樹脂と混合し、粉砕法によりトナーを形成したことが記載されている(該公報の請求項3、段落0038)。
特開平1−59242号公報 特開平6−248058号公報
本発明者らは、着色粒子中に該カーボンブラックを微細且つ均一に分散させる研究を進めた。しかし、本発明者らの実験によれば、特許文献1に記載されているような長鎖アルキルアミンで表面処理したカーボンブラックを用いて懸濁重合を行うことにより得られたトナーの黒色度は、必ずしも十分に満足できるものではなかった。また、特許文献2のような、粉砕法で従来用いられていたシランカップリング剤を用いた場合も、黒色度を十分に向上させることができないことが実験により確認された。
本発明は、着色粒子中に該カーボンブラックを微細且つ均一に分散させることを可能とし、黒色度または着色度に優れた静電荷現像用トナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、含窒素シランカップリング剤で表面処理したカーボンブラックを用いることで上記目的を達成し得るという知見を得た。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、結着樹脂及びカーボンブラックを含有する着色粒子を含むトナーであって、該カーボンブラックが含窒素シランカップリング剤で表面処理されたものであることを特徴とする静電荷現像用トナーを提供するものである。
含窒素シランカップリング剤で表面処理したカーボンブラックは、結着樹脂又は重合性単量体中での分散性に優れ、最終的に得られる着色粒子中に微細且つ均一に分散される。そのため、カーボンブラックを含有する黒色度に優れたトナーが得られる。また、黒色以外の有色トナーを製造する際にカーボンブラックを補助的に含有させる場合にも、カーボンブラックの分散性向上により着色度に優れたトナーが得られる。
静電荷現像用トナーの黒色度の観点から、該カーボンブラックの1次平均粒径が20nm〜60nmの範囲内であることが好ましい。
同様に、静電荷現像用トナーの黒色度の観点から、該カーボンブラックのDBP(ジブチルフタレート)吸油量が30〜70cc/100gの範囲内であることが好ましい。
該含窒素シランカップリング剤が、1級アミノシランカップリング剤又はケチミン構造をもつシランカップリング剤である場合には、特に着色粒子中のカーボンブラックの分散性に優れているので好ましい。
本発明の静電荷現像用トナーは帯電制御剤を更に含有していてもよい。本発明においては、帯電制御剤として負帯電性帯電制御剤を用いて着色粒子を負帯電させる場合に、特にカーボンブラックの優れた分散性が得られる。含窒素シランカップリング剤で表面処理したカーボンブラックは、その表面に正帯電の含窒素官能基が存在するので、負帯電性の帯電制御剤を含有する着色粒子中では特に分散性に優れるからである。
上述したような本発明の静電荷現像用トナーは黒色度または着色度に優れており、特にカーボンブラックを主成分とする黒色トナーとしては非常に優れた黒色度を有する。従って、本発明の静電荷現像用トナーを用いて、画像濃度の高い、高品質の画像を形成することができる。
以下、本発明の静電荷現像用トナーについて説明する。
本発明の静電荷現像用トナーは、結着樹脂及びカーボンブラックを含有する着色粒子を含むトナーであって、該カーボンブラックが含窒素シランカップリング剤で表面処理されたものであることを特徴とする。
本発明の静電荷現像用トナーは着色粒子を含み、必要に応じて該着色粒子の表面に付着する外添剤や、着色粒子を担持する粒子であるキャリア等の他の粒子又は成分を含有していてもよい。
トナー中の着色粒子は、少なくとも結着樹脂、及び着色剤を含有し、その他、必要に応じて帯電制御剤、離型剤等の他の成分を含有していてもよい。
着色粒子に含有される結着樹脂としては、従来よりトナーの結着樹脂として用いられている樹脂類を用いることができる。例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン、及びその置換体の重合体;スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレンメタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、及びスチレン−ブタジエン共重合体等のスチレン共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、ポリオレフィン、(メタ)アクリレート樹脂、ノルボルネン系樹脂、及びスチレン系樹脂の各水添物などが挙げられる。
結着樹脂原料である重合性単量体としては、モノビニル単量体のほか、必要に応じて架橋性単量体、架橋性重合体、マクロモノマー及びその他の単量体を用いる。これらの重合性単量体が重合され、着色粒子中の結着樹脂成分となる。
モノビニル単量体としては、例えばスチレン、ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、及び(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸系単量体;エチレン、プロピレン、及びブチレン等のモノオレフィン単量体;等が挙げられる(「(メタ)アクリル酸」は「メタアクリル酸及びアクリル酸」を示す。)。
上記モノビニル単量体は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらモノビニル単量体のうち、芳香族ビニル単量体単独、芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル酸系単量体との併用などが好適に用いられる。
本発明において黒色着色剤として用いられるカーボンブラックは、含窒素シランカップリング剤で表面処理されたカーボンブラックである。この表面処理は特に限定されず、いずれも使用可能である。
なお、本発明は、カーボンブラックを着色剤の主成分とする黒色トナーを重合法により製造する場合に非常に適しているが、それにとどまらず、カーボンブラックを着色剤の補助的成分として用いる黒色以外の有色トナーを重合法により製造する場合にも適用可能であり、カーボンブラックの分散性を向上させて着色力に優れた有色トナーが得られる。
カーボンブラックの1次平均粒径は、20nm〜60nmの範囲内であることが好ましく、30nm〜50nmの範囲内であることがより好ましい。1次平均粒径が上記範囲内であると、トナーは高い印字濃度が得られる。
該カーボンブラックのDBP(ジブチルフタレート)吸油量が30〜70cc/100gの範囲内であることが好ましく、40〜55cc/100gの範囲内であることがより好ましい。DBP吸油量が上記範囲の場合には、結着樹脂又は重合性単量体組成物中でカーボンブラックの凝集が起こりにくい。
カーボンブラックの量は、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部である。
本発明においては、含窒素シランカップリング剤で予め表面処理したカーボンブラックを結着剤又はモノマーと混合することにより、着色粒子中にカーボンブラックを微細且つ均一に分散させることができる。
本発明において用いられる含窒素シランカップリング剤とは、カップリング反応によって被処理体カーボンブラックの表面に含窒素官能基を付与するシランカップリング剤である。含窒素シランカップリング剤の含窒素官能基としては、例えば、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、ケチミン構造をもつ基などが挙げられるが、これらに限定されない。なお、上記ケチミン構造をもつ基は、下記一般式で表される構造の基である。
Figure 2007065190
(R及びRは、それぞれ水素原子、若しくはアルキル基を示す。)
含窒素シランカップリング剤のなかでも、最終的にアミノシランカップリング剤(すなわち、カップリング反応によって被処理体の表面にアミノ基を付与するシランカップリング剤)として作用するシランカップリング剤であることが好ましい。最終的にアミノシランカップリング剤として作用すればよいので、カップリング反応の時点ではアミノ基が誘導体化されており、必要な時点でアミノ基を再生させることができるスイッチング機能を有するアミノ系シランカップリング剤であってもよく、例えば、ケチミン構造をもつアミノシランカップリング剤が挙げられる。
本発明で使用される典型的なシランカップリング剤は下記の一般式で示される。
RmSiYn
(上記の一般式において、Rはアルコキシ基または塩素原子を表し、Yはアミノ基またはアミノ基を再生可能なアミノ系誘導体基を表す。Yは好ましくは1級アミノ基または1級アミノ基を再生可能なアミノ系誘導体基を表す。mは1〜3の整数、nは1〜3の整数、m+n=4である。同じ符合で表される複数のR同士または複数のY同士は互いに同じであっても良いし異なっていても良い。)
上記一般式で表されるアミノシランカップリング剤の具体例としては、以下のような構造式で示されるものがある。また、下記構造式中のアルコキシ基の全部又は一部が塩素原子に置き換わっていてもよい。また、アミノシランカップリング剤は2種以上を混合して用いても良い。
化合物(1):
NCHCHCHSi(OCH
化合物(2):
NCHCHCHSi(OC
化合物(3):
Figure 2007065190
化合物(4):
Figure 2007065190
化合物(5):
NCONHCHCHCHSi(OC
化合物(6):
NCHCHNHCHCHCHSi(OCH
化合物(7):
NCHCHNHCHCHNHCHCHCH・Si(OCH
化合物(8):
OCOCHCHNHCHCHCH・Si(OCH
化合物(9):
OCOCHCHNHCHCHNHCHCH・CHSi(OCH
化合物(10):
OCOCHCHNHCHCHNHCHCH・NHCHCHNHCHCHCHSi(OCH
化合物(11):
COCOCHCHNHCHCHNHCHCHCH・Si(OCH
化合物(12):
Figure 2007065190
化合物(13):
Figure 2007065190
化合物(14):
Figure 2007065190
化合物(15):
Figure 2007065190
特に、カーボンブラックの分散性及び得られるトナーの環境安定性の観点から、最終的に1級アミノ基を付与するシランカップリング剤であることが好ましい。最終的に1級アミノ基を付与するシランカップリング剤としては、初めから1級アミノ基を有する典型的な1級アミノシランカップリング剤のほか、1級アミノ基の部分が誘導体化されてスイッチング機能を有するものとして、例えば、下記式で表されるケチミン構造を有する含窒素シランカップリング剤(化学名:3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン)を用いることができ、ケチミン構造を有するシランカップリング剤が特に好ましい。
化合物(16):
Figure 2007065190
含窒素シランカップリング剤は、種々の市販品を用いることが可能である。例えば、信越化学工業(株)のKBMシリーズとして、上記化合物(1)は製品名KBM903(化学名:γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)、上記化合物(4)は製品名KBM602(化学名:N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)、上記化合物(6)は製品名KBM603(化学名:N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)、上記化合物(14)は製品名KBM573(化学名:N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)として市販されている。また、同信越化学工業(株)からは、上記化合物(2)は製品名KBE903(化学名:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)として市販され、上記化合物(16)のケチミンは製品名KBE9103として市販されている。
カーボンブラックの表面処理に用いる含窒素シランカップリング剤の量(または、表面処理によりカーボンブラックの表面に結合させる量)は、通常、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜7重量%とする。
カーボンブラックを含窒素シランカップリング剤で表面処理する方法としては、湿式処理法と乾式処理法がある。
湿式処理法を行う場合には、含窒素シランカップリング剤の溶液を調製し、そこにカーボンブラックを加えてスラリー化する。得られたスラリーを充分に攪拌、混合した後、カーボンブラックをろ過、デカンテーションまたは遠心分離等の方法で分離する。分離したカーボンブラックを加熱乾燥し、必要に応じて再粉砕を行うことで表面処理を完了する。湿式処理法によれば、表面の均一な処理が容易に行える。
含窒素シランカップリング剤は、通常、含窒素シランカップリング剤含有量が0.1〜2.0重量%程度の水溶液にして表面処理に用いる。含窒素シランカップリング剤が水に対して相溶性が乏しい場合には、0.1〜2.0重量%程度の酢酸水、水−アルコール混合液、酢酸水−アルコール混合液等の溶解性を高める成分を加えてもよい。1級アミノ基を初めから有する典型的な1級アミノシランカップリング剤は、通常、水のみ又は酢酸濃度の低い液で希釈溶液を調製できる。これに対し、ケチミン等の1級アミノ基を誘導体化したものは、水だけでは充分に溶解できない場合がある。その場合には、0.1〜2.0重量%程度の酢酸水を用いて水溶液を調製することが好ましい。酢酸はシランカップリング剤の加水分解促進作用と、水溶液のpHをシラノールの安定性を高める弱酸性の範囲に調整する作用とがある。
含窒素シランカップリング剤の水溶液を調製する手順としては、水又は必要に応じて酢酸水溶液等の他の成分を含む水を攪拌しながら、シランカップリング剤を滴下する。攪拌速度は、液をはね上げない状態でできるだけ早くし、滴下速度は、液がゲル化しないように急速滴下を避ける。滴下終了後、さらに30〜60分間攪拌を継続して、水溶液がほぼ透明になった時点でシランカップリング剤の加水分解を終了する。必要に応じて水溶液をろ過して使用する。不溶物、浮遊物が目立つ場合には、孔径0.5μm以下のカートリッジを使用して循環ろ過を行う。
一方、乾式処理法を行う場合には、カーボンブラックに対し、含窒素シランカップリング剤の原液又は溶液を容量的に少量加えて、カーボンブラックがスラリー化せずに粉体の状態を維持しながら充分に攪拌、混合し、乾燥することで表面処理を完了する。攪拌後、必要に応じてカーボンブラックにカップリング剤を充分になじませるための熟成を行ってから、乾燥を行っても良い。攪拌機としては、例えば、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダー等を用いることができる。湿式処理法によれば、過剰の処理液からカーボンブラックを分離する作業や、水分を乾燥させるためのエネルギーを節約できるので、処理コストを削減でき、大量処理に適している。
乾式処理法で行う場合の一例としては、ヘンシェルミキサーでカーボンブラックを攪拌しながら、カーボンブラック100重量部に対して含窒素シランカップリング剤濃度が0.1〜10重量%の処理液を10〜100重量部加え、約10分攪拌しカーボンブラックに馴染ませる。さらに、上記処理液をカーボンブラックに対してトータルで1〜10部となるように加え、80〜100℃で約1時間加熱することにより、カーボンブラックの表面処理が完了する。
着色粒子は離型剤を含有することが好ましい。離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、及び低分子量ポリブチレン等のポリオレフィンワックス類;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、及びホホバ等の天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、及びペトロラクタム等の石油ワックス及びその変性ワックス;フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ジペンタエリスリトールヘキサミリステート、及びジペンタエリスリトールヘキサステアレート等の多官能エステル化合物;などが挙げられる。
離型剤は1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
離型剤の量は、結着樹脂100重量部に対して、通常、0.5〜50重量部であり、好ましくは1〜20重量部である。
着色粒子には、帯電制御剤が含有されていることが好ましい。帯電制御剤としては、従来からトナーに用いられている帯電制御剤を何ら制限なく用いることができる。帯電制御剤の中でも、帯電制御樹脂を用いることが好ましい。帯電制御樹脂は、結着樹脂との相溶性が高く、無色であり、高速でのカラー連続印刷においても帯電性が安定したトナーを得ることができる。
本発明においては、帯電制御剤として負帯電性帯電制御剤を用いて着色粒子を負帯電させる場合に、特にカーボンブラックの優れた分散性が得られる。含窒素シランカップリング剤で表面処理したカーボンブラックは、その表面に含窒素官能基と、負帯電性帯電制御剤の相互作用が寄与していると推定される。
帯電制御樹脂には、負帯電制御樹脂と正帯電制御樹脂とがあり、本発明のトナーを負帯電性トナーとするか、正帯電性トナーとするかによって、使い分ける。以下、負帯電制御樹脂及び正帯電制御樹脂について説明する。
負帯電制御樹脂としては、重合体の側鎖に、カルボキシル基又はその塩、フェノール類基又はその塩、チオフェノール基又はその塩、スルホン酸基又はその塩から選択される置換基を有する樹脂等が挙げられる。
上記の中でも、重合体の側鎖にスルホン酸基又はその塩を有する樹脂が好ましく用いられる。具体的には、スルホン酸基又はその塩を含有する単量体と、単量体と結着樹脂としての前記のモノビニル単量体を共重合することによって得られる樹脂が挙げられる。
スルホン酸基又はその塩を含有する単量体としては、例えばスチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸カリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、及びメタクリルスルホン酸アンモニウム等が挙げられる。
前記のスルホン酸基又はその塩等の官能基を含有するモノビニル単量体の配合量は、負帯電制御樹脂中、好ましくは0.5〜15重量%であり、更に好ましくは1〜10重量%である。上記範囲未満であると、トナーの帯電量が不十分となる場合があり、上記範囲を超えると、高温高湿下におけるトナーの帯電量の低下が大きくなり、カブリが発生する場合がある。
負帯電制御樹脂としては、重量平均分子量が2,000〜50,000のものが好ましく、4,000〜40,000のものが更に好ましく、6,000〜35,000のものが最も好ましい。
負帯電制御樹脂のガラス転移温度は、好ましくは40〜80℃であり、更に好ましくは45〜75℃であり、最も好ましくは45〜70℃である。ガラス転移温度が上記範囲未満であるとトナーの保存性が悪くなり、上記範囲を超えると定着性が低下する場合がある。
正帯電制御樹脂としては、例えば、−NH、−NHCH、−N(CH、−NHC、−N(C、−NHCOH等のアミノ基を含有する樹脂、及びそれらがアンモニウム塩化された官能基を含有する樹脂が挙げられる。このような樹脂は、例えばアミノ基を含有するモノビニル単量体と、それと共重合可能なモノビニル単量体を共重合することによって得られる。また、上記のようにして得られた共重合体をアンモニウム塩化することによって得られる。更にまた、アンモニウム塩基を含有するモノビニル単量体と、それと共重合可能なモノビニル単量体と共重合することによっても得られるが、これらの方法に限定されない。アミノ基を含有するモノビニル単量体と共重合可能なモノビニル単量体や、アンモニウム塩基を含有するモノビニル単量体と共重合可能なモノビニル単量体としては、負帯電性制御樹脂を得るために用いられるものが挙げられる。
本発明のトナーにおいては、上記負帯電制御樹脂と上記正帯電制御樹脂を併用してもよく、その使用割合は、トナーを負帯電性トナーとするか、正帯電性トナーとするかによって異なる。
上述した帯電制御樹脂の使用量は、結着樹脂を得るために使用される重合性単量体100重量部に対して、好ましくは0.01〜30重量部であり、更に好ましくは0.3〜25重量部である。
着色粒子は、粒子の内部(コア層)と外部(シェル層)に異なる二つの重合体を組み合わせて得られる、所謂コアシェル型の粒子とすることができる。コアシェル型粒子では、内部(コア層)の低軟化点物質をそれより高い軟化点を有する物質で被覆することにより、最低定着温度の低温化とトナーの保存性とのバランスを取ることができるので好ましい。
このコアシェル型粒子のコア層は、通常、前記結着樹脂、着色剤、及び、必要に応じて帯電制御剤や離型剤、その他の添加剤で構成される。一方、シェル層は、通常、結着樹脂のみで構成されるが、着色剤を更に含有していてもよい。
着色粒子は、その体積平均粒径(Dv)が4〜10μmであることが好ましく、5〜8μmであることが更に好ましい。Dvが4μm未満であると、トナーがシール部から洩れて画像形成装置内を汚染したり、トナーの流動性が小さくなり、カブリが発生したり、転写残が発生したり、クリーニング性が低下する場合がある。一方、Dvが10μmを超えると、細線再現性が低下して高画質を達成できなかったり、定着性が低下する場合がある。
着色粒子は、その体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dp)の比(Dv/Dp)が通常1〜1.3であり、好ましくは1〜1.2である。Dv/Dpがこの範囲を超えると転写性が低下したり、カブリが発生したりする場合がある。
着色粒子は、その平均円形度(Ca)が0.95〜0.998であることが好ましい。本発明において、円形度は、下記式で定義される。また、本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、トナーの凹凸の度合いを示す指標であり、平均円形度はトナーが完全な球形の場合に1を示し、トナーの表面形状が複雑になるほど小さな値となる。平均円形度は、1μm以上の円相当径の粒子群について測定された各粒子の円形度(Ci)をn個の算術平均により求める。
円形度(Ci)=粒子の投影面積に等しい円の周囲長/粒子投影像の周囲長
円形度は、フロー式粒子像分析装置(シスメックス社製、商品名「FPIA−1000」又は「FPIA−2000」)を用いて測定することができきる。
着色粒子は、粉砕法;乳化凝集法、及び溶解懸濁法等の重合法;転相乳化法;溶解懸濁法等、従来から知られた方法により製造することができ、これらの製造方法の中でも、平均円形度が1、すなわち真球に近い着色粒子を得ることができるので、重合法により着色粒子を製造することが好ましい。
粉砕法による場合には、重合性単量体を重合して調製した結着樹脂に、予め含窒素シランカップリング剤で表面処理しておいたカーボンブラック、必要に応じて上述したような帯電制御剤、磁性材料、及び離型剤等の他の成分を溶融混練するか、或いは、結着樹脂の原料である重合性単量体に、予め含窒素シランカップリング剤で表面処理しておいたカーボンブラック、必要に応じて上述したような帯電制御剤、磁性材料、離型剤等の他の成分を加えた混合物を重合することにより、着色樹脂の塊を形成する。次に、得られた着色樹脂の塊を粗粉砕、微粉砕し、さらに分級して、着色粒子が得られる。
粉砕法のより詳しい手順は、例えば特開2000−056506号等に開示されている。
また、重合法による場合には、結着樹脂の原料である重合性単量体に、着色剤、及び必要に応じて帯電制御剤や離型剤等の他の成分を溶解あるいは分散させて重合性単量体組成物とし、分散安定剤を含有する水系分散媒へ添加したのち、該重合性単量体組成物の液滴を形成する。この液滴を含有する分散液中に重合開始剤を添加して重合し、必要に応じて粒子同士を会合させた後、濾過、洗浄、脱水及び乾燥することにより製造することができる。
特にコアシェル型着色粒子を製造する場合には、上記いずれかの方法により得られた着色粒子をコア層として、それにスプレイドライ法、界面反応法、in situ重合法、層分離法等、従来から知られた方法でシェル層を被覆する。好ましくは、重合法により製造した着色粒子にin situ重合法によりシェル層を被覆する。
本発明においては、上記方法により得られた着色粒子、好ましくはコアシェル型着色粒子をそのまま静電潜像現像用トナーとして用いてもよいが、さらに、外添剤、キャリアその他の微粒子をヘンシェルミキサー等の高速撹拌機を用いて混合することにより静電潜像現像用トナーが調製される。
外添剤を着色粒子の表面に付着、埋設等させることによって、トナーの帯電性、流動性、保存性などを調整することができる。
外添剤としては、従来からトナーに用いられている外添剤を何ら制限なく用いることができ、例えば、無機粒子や有機樹脂粒子が挙げられる。無機粒子としては、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、及び酸化錫等が挙げられ、有機樹脂粒子としては、(メタ)アクリル酸エステル重合体粒子、及びスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体粒子等が挙げられる。これらのうち、シリカや酸化チタンが好適であり、粒子表面が疎水化処理されたものが好ましく、疎水化処理されたシリカ粒子が特に好ましい。
外添剤の量は、特に限定されないが、着色粒子100重量部に対して、通常、0.1〜6重量部である。
本発明のトナーは、二成分トナーとして用いる場合にはキャリアを着色粒子に担持する。キャリアとしては、従来からトナーに用いられているキャリアを何ら制限なく用いることができ、例えば、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉の如き磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及びこれらの表面をフッ素系樹脂又はスチレン/アクリル系樹脂又はシリコーン樹脂等で表面処理したもの等が挙げられる。
二成分トナーの場合は、トナー中の着色粒子濃度は、通常0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜15重量%、さらに好ましくは3〜5重量%が望ましい。
上述したような本発明のトナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において静電潜像の静電的な特性をもつ潜像を現像して写真、絵、文字、記号等の画像を形成する静電潜像現像システム、現像方法、画像形成装置に広く用いられる。
本発明の静電荷現像用トナーは、着色粒子中にカーボンブラックが微細且つ均一に分散しているので、黒色度または着色度に優れており、特にカーボンブラックを主成分とする黒色トナーとしては非常に優れた黒色度を有する。従って、本発明の静電荷現像用トナーを用いて、印字濃度の高い、高品質の画像を形成することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、本発明の範囲は、かかる実施例に限定されないことはいうまでもない。なお、以下の実施例において、部及び%は、特に断りのない限り重量部又は重量%を表す。
以下の手順により、実施例1〜3及び比較例1〜3のトナーを製造し、印字試験を行った。
〔実施例1〕
以上の手順を経て、化合物(6)の濃度が1重量%のカーボンブラック処理液を調製した。
(1)カーボンブラックの表面処理
カーボンブラックとしては、一次平均粒径が25nm、DBP吸油量が58cc/100gのカーボンブラック(三菱化学社製、製品名:MA100)を用いた。
カーボンブラック100重量部に対して、含窒素シランカップリング剤として化合物(6)の濃度が6重量%のメタノール溶液を1500重量部加え、3時間攪拌しカーボンブラックの表面に反応させた。得られたカーボンブラックを濾別し、更にメタノールにより、未反応の含窒素シランカップリング剤を除去した後、乾燥して表面処理カーボンブラックA(一次平均粒径:25nm、DPB吸油量:50cc/100g)を得た。
(2)トナーの製造
2−1.コロイド溶液の調製
イオン交換水250部に塩化マグネシウム(水溶性多価金属塩)9.8部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム6.9部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の金属水酸化物コロイド)分散液を調製した。
2−2.重合性単量体組成物
スチレン80.5部及びn−ブチルアクリレート19.5部、表面処理カーボンブラックA 5部、帯電制御樹脂(樹脂を構成する単量体の比:スチレン82%、n−ブチルアクリレート11%、メタクリル酸ジメチルアミノベンジルクロライド7%、重量平均分子量12,000、ガラス転移温度67℃)1部、ジビニルベンゼン0.7部、トリイソブチルメルカプタン1部、テトラエチルチウラムジスルフィド1部、及びジペンタエリスリトールヘキサミリステレート10部を攪拌、混合して、均一分散し、重合性単量体組成物を得た。
2−3.カプセルトナーの製造
前記により得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、前記重合性単量体組成物を投入し、液滴が安定するまで攪拌し、そこに、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名「パーブチルO」)6部を添加後、乳化分散機(荏原製作所製、商品名「エバラマイルダー」)を用いて15,000rpmの回転数で高剪断攪拌して、単量体組成物の液滴を造粒した。この造粒した重合性単量体組成物の水分散液を、攪拌翼を装着した反応器に入れ、90℃に昇温して、重合反応を行ない、重合転化率がほぼ100%に達したときにサンプリングして、着色粒子(コア)の粒径を測定し、体積平均粒径は、7.4μmであった。
次にメチルメタアクリレート1部、及び水溶性開始剤(和光純薬社製、商品名VA−086;2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ハイドロキシエチル)−プロピオンアミド〕)0.2部を蒸留水65部に溶解した水溶液を、反応器に入れた。8時間重合をさらに継続した後、反応を停止し、pH9.5の着色粒子の水分散液を得た。
前記により得た着色粒子の水分散液を攪拌しながら、pH5以下となるまで、硫酸を加えて酸洗浄(25℃、10分間)を行い、濾過により水を分離した後、新たにイオン交換水500部を加えて再スラリー化し水洗浄を行った。その後、再度、脱水と水洗浄を数回繰り返し行なって、固形分を濾過分離した後、乾燥機にて45℃で2昼夜乾燥を行い、乾燥した着色粒子を得た。
乾燥した着色粒子の体積平均粒径(dv)は7.4μm、体積平均粒径(dv)/個数平均粒径(dp)は1.23であった。
2−4.トナーの調製
前記により得られた着色粒子100部に、疎水化処理したコロイダルシリカ(日本アエロジル社製、商品名:RX−300)0.6部、及び炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、商品名:CUBE−03BHS)0.3部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合して非磁性一成分トナーを調製した。
〔実施例2〕
含窒素シランカップリング剤として、上記化合物(6)の代わりに、化合物(1)(製品名KBM903;化学名:γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)を用いたこと以外は実施例1と同様の手順でカーボンブラックの表面処理を行い、該カーボンブラック(一次平均粒径:25nm、DPB吸油量:52cc/100g)を用いて実施例1と同様にしてトナーを調製した。
〔実施例3〕
含窒素シランカップリング剤として、上記化合物(6)の代わりに、化合物(16)のケチミン構造をもつシランカップリング剤(信越化学(株)、製品名KBE9103:化学名:3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン)を用いたこと以外は実施例1と同様の手順で、カーボンブラックの表面処理を行い、該カーボンブラック(一次平均粒径:25nm、DPB吸油量:47cc/100g)を用いて実施例1と同様にしてトナーを調製した。
〔比較例1〕
カーボンブラック(一次平均粒径:25nm、DPB吸油量:58cc/100g)を含窒素シランカップリング剤で表面処理せずにそのまま用いたこと以外は、全て実施例1と同様の手順でトナーを調製した。
〔比較例2〕
含窒素シランカップリング剤の代わりに、下記式で表される長鎖アルキルアミン、
1225NH
を用いたこと以外は実施例1と同様の手順で、カーボンブラックの表面処理を行い、実施例1と同様にして該カーボンブラック(一次平均粒径:25nm、DPB吸油量:46cc/100g)を用いてトナーを調製した。
〔比較例3〕
含窒素シランカップリング剤の代わりに、下記式で表される含フッ素シランカップリング剤、
CFCHCHSi(CH)Cl
を用いたこと以外は実施例1と同様の手順でカーボンブラックの表面処理を行い、該カーボンブラック(一次平均粒径:25nm、DPB吸油量:42cc/100g)を用いて実施例1と同様にしてトナーを調製した。
〔試験方法〕
L/L(低温低湿)、N/N(常温常湿)、H/H(高温高湿)の各環境下で、各トナーを用いて連続印字を行って、かぶりが発生する枚数を計測し、環境耐久印字試験を行なった。
さらにN/N(常温常湿)の各環境下で、各トナーを用いて初期印字濃度を測定し、トナーの黒色度を評価した。
なお、L/L環境は、温度10℃、湿度20%環境を表し、N/N環境は、温度23℃、湿度50%環境を表し、H/H環境は、温度28℃、湿度80%環境を表す。
(1)環境耐久印字試験(L/L、N/N、H/H)
市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(20枚機)に印字用紙をセットし、現像装置にトナーを入れ、L/L、N/N、又はH/H環境下で一昼夜放置した後、1%印字濃度で連続印字を行い、1,000枚ごとにカブリを測定した。
また、カブリは以下のように測定した。白ベタ印字(0%印字濃度)を行い、途中で上記プリンターを停止させ、現像後の感光体上に非画像部のトナーを粘着テープに付着させた。この粘着テープを新しい印字用紙に貼り付け、分光色差計(日本電色工業(株)製、機種名「SE−2000」)で色調を測定した。リファレンス(基準サンプル)として、未使用の粘着テープを印字用紙に貼り付け、同様に色調を測定した。それぞれの色調をL*a*b*空間の座標として表し、測定サンプルと基準サンプルの色調から色差ΔEを算出してカブリ値とした。この値が小さいほどカブリが少なく、画質が良好であることを示す。
白ベタ印字を行った際のカブリ値が1.5%以下である画質を維持できる連続印字枚数を10,000枚まで試験した。試験結果に「10,000<」とあるのは、10,000枚連続で印字しても上記基準を満たしていることを示す。
(2)初期印字濃度(N/N)
上記と同様にして、現像装置をトナーに入れ、N/N環境下で、一昼夜放置した。そのままの環境下で黒ベタ印字において、定着前の紙面上の単位面積当たりのトナー量が3.5mg/cmとなるように現像装置を調節した後、黒ベタ印字を行なった。得られた印刷物を透過式濃度計(マクベス社製、商品名「TD−904J」)を用いて測定した。
〔結果〕
試験結果を表1に示す。
なお、表1中の注記は、以下の通りである。
*1:
化合物(6)(製品名KBM603):N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
化合物(1)(製品名KBM903):γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
化合物(16)(製品名KBE9103):3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン
長鎖アルキルアミン(化学名:ドデシルアミン):C1225NH
含フッ素シランカップリング剤:CFCHCHSi(CH)Cl
Figure 2007065190
〔結果のまとめ〕
含フッ素シランカップリング剤で表面処理したカーボンブラックを用いた実施例1〜3のトナーの初期印字濃度は、N/Nの環境下の印字試験でも、比較例1(非処理)、比較例2(長鎖アルキルアミン処理)、比較例3(含フッ素シランカップリング剤処理)のトナーと比べて、印字濃度が高かった。
また、比較例2(長鎖アルキルアミン処理)のトナーは、L/L、N/N及びH/H全ての環境下の耐久印字試験で10,000枚に到達する前にかぶりが発生し、比較例3(含フッ素シランカップリング剤処理)のトナーは、L/L環境下の耐久印字試験で10,000枚に到達する前にかぶりが発生した。これに対して、実施例1〜3のトナーは、L/L、N/N及びH/H全ての環境下の耐久印字試験で10,000枚に到達時でもかぶりが発生しなかった。

Claims (6)

  1. 結着樹脂及びカーボンブラックを含有する着色粒子を含むトナーであって、該カーボンブラックが含窒素シランカップリング剤で表面処理されたものであることを特徴とする静電荷現像用トナー。
  2. 該カーボンブラックの1次平均粒径が20〜60nmの範囲内であることを特徴とする請求項1記載の静電荷現像用トナー。
  3. 該カーボンブラックのDBP(ジブチルフタレート)吸油量が30〜70cc/100gの範囲内であることを特徴とする請求項1又は2記載の静電荷現像用トナー。
  4. 該含窒素シランカップリング剤が、1級アミノシランカップリング剤又はケチミン構造をもつシランカップリング剤であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電荷現像用トナー。
  5. 帯電制御剤を更に含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電荷現像用トナー。
  6. 該帯電制御剤が、負帯電性帯電制御剤であることを特徴とする請求項5記載の静電荷現像用トナー。
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