JP2007064210A - 圧縮着火内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却水温と機関回転数を含む内燃機関の運転状態から許容できる限り、圧縮着火運転への切り替えを許可することで、圧縮着火運転の活用範囲を拡大するようにした圧縮着火内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】前記内燃機関の要求トルクPMCMDが、前記内燃機関の冷却水温と機関回転数に応じて設定された所定範囲内にあるか否か判定し(S200からS214)、所定範囲内にあると判定されるとき、火花点火運転から圧縮着火運転への切り替えを許可する(S216)。
【選択図】図5

Description

この発明は、圧縮着火内燃機関の制御装置に関する。
近時、ガソリンを燃料とする内燃機関において、下記の特許文献1に記載されるように、所定の運転領域で燃焼室に供給される混合気を圧縮着火燃焼させる圧縮着火(Homogeneous Charge Compression Ignition)運転(HCCI運転)を行うと共に、それ以外の運転領域で点火プラグを介して混合気を火花点火燃焼させる火花点火(Spark Ignition)運転を行う、いわゆる圧縮自己着火内燃機関が、種々提案されている。そのような内燃機関は、圧縮比を火花点火機関より上げることができて熱効率あるいは燃費性能も向上させることができる。
特許文献1記載の技術にあっては、水温センサで検出した機関の冷却水温が、温度センサで検出した吸気温度に応じて設定された所定温度よりも低い場合、圧縮着火運転を禁止することで、内燃機関を常に安定して運転させるように構成している。
特開2000−87749号公報
上記した従来技術においては、冷却水温が吸気温度に応じて設定される所定温度以上であれば、エンジン回転数と要求トルクで規定される許可運転領域にある限り、圧縮着火運転に移行するように制御される。しかしながら、上記した従来技術においては、許可運転領域にあるとき、冷却水温が所定温度以上か否かで移行を判断しているため、圧縮着火運転を十分に活用することができない不都合があった。
即ち、冷却水温が低いときは燃焼室の壁温も低いことから、新気の量を増加して昇温する必要があるが、その結果、圧縮着火運転領域は高負荷側に移動する。従って、冷却水温に応じて圧縮着火運転領域を変化させることが考えられるが、その場合、冷却水温が上昇すると、ノックが発生する。しかしながら、冷却水温が低く、壁温が低い領域であれば、ノックを惹起することなく、圧縮着火運転が可能である。その点で、上記した従来技術は、圧縮着火運転を十分に活用できない不都合があった。
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、冷却水温と機関回転数を含む内燃機関の運転状態から許容できる限り、圧縮着火運転への切り替えを許可することで、圧縮着火運転の活用範囲を拡大するようにした圧縮着火内燃機関の制御装置を提供することにある。
上記の目的を解決するために、請求項1にあっては、燃焼室に点火手段を備え、所定の運転領域で前記燃焼室に供給される混合気を圧縮着火燃焼させる圧縮着火運転を行うと共に、前記所定の運転領域以外の運転領域で前記点火手段を介して前記混合気を火花点火燃焼させる火花点火運転を行う圧縮着火内燃機関の制御装置において、前記内燃機関の要求トルクが、前記内燃機関の冷却水温と機関回転数に応じて設定された所定範囲内にあるか否か判定する要求トルク範囲判定手段、および前記要求トルクが前記所定範囲内にあると判定されるとき、前記火花点火運転から前記圧縮着火運転への切り替えを許可する切り替え許可手段とを備える如く構成した。
請求項2に係る圧縮着火内燃機関の制御装置にあっては、前記所定範囲が、さらに前記内燃機関に接続される変速機の変速比に応じて設定される如く構成した。
請求項1に係る圧縮着火内燃機関の制御装置にあっては、内燃機関の要求トルクが、内燃機関の冷却水温と機関回転数に応じて設定された所定範囲内にあるか否か判定し、所定範囲内にあると判定されるとき、火花点火運転から圧縮着火運転への切り替えを許可する如く構成したので、機関回転数からTDC間隔において最適であると共に、冷却水温が低く、壁温が低い領域などの圧縮着火運転が可能な領域を規定することができ、よって圧縮着火運転の活用範囲を拡大することができる。
請求項2に係る圧縮着火内燃機関の制御装置にあっては、所定範囲がさらに内燃機関に接続される変速機の変速比に応じて設定される如く構成したので、請求項1で述べた効果に加え、減速比が大きい(即ち、エンジン回転数などの変化速度が大きい)ときは所定範囲を狭く設定することで、火花点火運転と圧縮着火運転の切り替えビジーによるドライバビリティの悪化やエミッションの悪化を防止すると共に、減速比が小さい(エンジン回転数などの変化速度が小さい)ときは所定範囲を最大限まで拡大することで、燃費を向上させることができ、よってドライバビリティ、エミッション、および燃費を高い次元でバランスさせることができる。
以下、添付図面に即してこの発明に係る圧縮着火内燃機関の制御装置を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、この発明の第1実施例に係る圧縮着火内燃機関の制御装置を全体的に示す概略図である。
図1において、符号10は、ガソリンを燃料とする4気筒4サイクルの内燃機関(1気筒のみ図示。以下「エンジン」という)を示す。エンジン10において、エアクリーナ12から吸入されて吸気管14を通る空気(吸気)はスロットルバルブ16で流量を調節されて吸気マニホルド20を流れ、2個の吸気バルブ(1個のみ図示)22が開弁されるとき、燃焼室24に流入する。
吸気バルブ22の手前の吸気ポート付近にはインジェクタ26が配置される。インジェクタ26には燃料供給管(図示せず)を介して燃料タンク(図示せず)に貯留されたガソリン燃料が圧送される。インジェクタ26は、駆動回路(図示せず)を通じてECU(Electronic Control Unit。電子制御ユニット)30に接続される。
インジェクタ26は、ECU30から開弁時間を示す駆動信号が駆動回路を通じて供給されると開弁し、開弁時間に応じたガソリン燃料を吸気ポートに噴射する。噴射されたガソリン燃料は、流入した空気と混合して混合気(予混合気)を形成し、吸気バルブ22が開弁されるとき、燃焼室に流入する。
燃焼室24には点火プラグ(点火手段)32が配置される。点火プラグ32はイグナイタなどからなる点火装置(点火手段。図示せず)を介してECU30に接続され、ECU30から点火信号が供給されると、燃焼室に臨む電極間に火花放電を生じる。混合気はそれによって着火されて燃焼し、ピストン34を下方に駆動する。
尚、エンジン10は、所定の運転領域で混合気を圧縮着火燃焼させる圧縮着火(Homogeneous Charge Compression Ignition)運転と、点火プラグ32などを介して火花点火燃焼させる火花点火(Spark Ignition)運転の間で切り替え自在な、圧縮着火エンジン(内燃機関)として構成される。
燃焼によって生じた排気(排ガス)は、2個の排気バルブ(1個のみ図示)36が開弁するとき、排気マニホルド40に流れる。
尚、排気バルブ36と吸気バルブ22は、ステムに閉弁用電磁ソレノイド36a,22aと、開弁用電磁ソレノイド36b,22bと、スプリング36c,22cと、スプリング36d,22dとが装着され、各電磁ソレノイド36a,22a,36b,22bの電磁力によって作動する電磁弁として構成される。排気バルブ36と吸気バルブ22は、具体的には、閉弁用電磁ソレノイド36a,22aを励磁し、開弁用電磁ソレノイド36b,22bを消磁することで閉弁されると共に、閉弁用電磁ソレノイド36a,22aを消磁し、開弁用電磁ソレノイド36b,22bを励磁することで開弁される。このように、排気バルブ36と吸気バルブ22は、装着された各電磁ソレノイド36a,22a,36b,22bを励磁・消磁されることで、クランクシャフト(図示せず)の回転角度に関わりなく、バルブ(開閉)タイミングを可変に調整する可変バルブ機構38として構成される。
排気マニホルド40は下流で集合して排気系集合部を形成し、そこに排気管42が接続される。排気は排気マニホルド40から排気管42を流れる。排気管(排気系)42には、三元触媒からなる触媒装置44が配置される。排気は、触媒装置44が活性状態にあるとき、HC,CO,NOxなどの有害成分を除去されてエンジン外の大気に放出される。
排気管42は、EGR管46を介して吸気管14にスロットルバルブ16が配置される位置の下流付近で接続される。EGR管46にはEGRバルブ46aが介挿される。EGRバルブ46aはECU30に電気的に接続され、駆動されるとき、EGR管46を開放して排気の一部の吸気系への還流(外部EGR)を行う。
排気管42において触媒装置44の上流には、ターボチャージャ50が設けられる。ターボチャージャ50は、図1に模式的に示す如く、排気管42に配置され、そこを通過する排気で回転させられるタービン50aと、タービン50aに連結されつつ吸気管14に配置され、タービン50aの回転力で駆動されて過給するコンプレッサ50bからなる。タービン50aの付近には、可変ノズル(図示せず)が設けられ、タービン50aのインペラ(図示せず)を流れる排気の流量や速度を調整する。
また、吸気管14に配置されたスロットルバルブ16には、スロットルアクチュエータ(パルスモータなど)52が連結され、スロットルアクチュエータ52によって開閉される。即ち、スロットルバルブ16は、エンジン10が搭載される車両(図示せず)の運転席床面に配置されたアクセルペダル54との機械的な接続が絶たれ、スロットルバルブ16をアクセルペダル54の動作と独立に開閉するDBW(Drive By Wire)機構56として構成される。
ピストン34の往復動はコンロッドを介してクランクシャフト(図示せず)を回転させる。エンジン10には、前進5速、後進1速からなる自動変速機(図に「A/T」と示す)58が接続される。クランクシャフトの回転を通じて入力されたエンジン10の回転は自動変速機58で変速され、駆動輪(図示せず)に伝達されて車両を走行させる。
エンジン10のクランクシャフトの付近にはクランク角センサ60が配置され、気筒判別信号と、各気筒のTDC(上死点)あるいはその付近のクランク角度を示すTDC信号と、TDC信号を細分してなるクランク角度信号とを出力する。それらの出力はECU30に入力される。
ECU30はマイクロコンピュータからなり、CPU,ROM,RAM,A/D変換回路、入出力回路およびカウンタ(全て図示せず)を備える。ECU30は入力信号の中、クランク角度信号をカウントしてエンジン回転数NEを算出(検出)する。
エアクリーナ12の付近には温度検出素子を備えたエアフローメータ62が配置され、エアクリーナ12から吸入される空気(吸気)の流量(エンジン負荷を示す)Gairと温度TAに応じた信号を出力する。
吸気管14においてスロットルバルブ16の下流にはMAPセンサ64が配置され、吸気管内圧力PBAを絶対圧で示す信号を出力すると共に、スロットルバルブ16にはスロットル開度センサ66が配置され、スロットルバルブ16の位置(スロットル開度)THに応じた信号を出力する。また、スロットルアクチュエータ52にはロータリエンコーダ70が配置され、スロットルアクチュエータ52の駆動量(回転量)に応じた信号を出力する。
エンジン10の冷却水通路(図示せず)には水温センサ72が配置されてエンジン冷却水温TWに応じた信号を出力する。
アクセルペダル54の付近にはアクセル開度センサ74が設けられ、運転者のアクセルペダル踏み込み量を示すアクセル開度(エンジン負荷を示す)APに応じた信号を出力する。
排気系において、排気マニホルド40の集合部の下流付近には広域空燃比センサ76が配置され、その部位を流れる排気の酸素濃度(即ち、空燃比)に比例する信号を出力すると共に、ターボチャージャ50のタービン50aの付近に配置された可変ノズルの付近には可変ノズル位置センサ80が配置され、可変ノズルの位置に応じた信号を出力する。
自動変速機58に作動油(Automatic Transmission Fluid)を供給する油路あるいはオイルパン(図示せず)の適宜位置にはATF温度センサ82が配置され、ATF温度に比例した出力TATFを生じる。
上記したセンサ群の出力も、ECU30に入力される。ECU30は入力値に基づき、ROMに格納されている命令に従って後述するように、火花点火運転から圧縮着火運転への切り替え許可などの制御を実行する制御装置として機能する。
次いで、図1に示す制御装置の動作を説明する。
図2は、その動作、具体的にはECU30の動作を示すフロー・チャートである。尚、図示のプログラムは、所定時間(例えば10msec)ごとに時間割り込みで起動される。
以下説明すると、S10において火花点火運転(以下「SI運転」という)から圧縮着火運転(以下「HCCI運転」という)への切り替えを許可するか否か判断し、S12においてS10の判断結果に従ってHCCI運転とSI運転のいずれかの運転モードを決定する。
尚、圧縮着火運転には燃焼室24の内部の温度、即ち、ガス温度が1000K程度必要なことから、ECU30は、排気行程において排気バルブ36を閉じて排気の一部を排気系に排出させずに燃焼室24に残留させる、いわゆる内部EGRを実行する。
即ち、ECU30は吸気バルブ22と排気バルブ36のバルブタイミングを、図3に実線で示す如く、制御する。より具体的には、図示の如く、排気バルブ36の閉弁時期を進角させると共に、吸気バルブ22の開弁時期を遅角させる(クランク角度において)。それによって、気筒内に所定量の排気を残留させて燃焼室24の内部温度(筒内ガス温度)を高めて圧縮着火運転を可能とする。
また、混合気を火花点火燃焼させるとき、ECU30は、バルブタイミングを破線で示す特性に従って制御する。より具体的には、図示の如く、排気バルブ36の閉弁時期と吸気バルブ22の開弁時期を共にピストン上死点付近に変更させる。それによって、排気バルブ36の閉弁が遅角されて燃焼室からのガスの排出量が増加する一方、吸気バルブ22の開弁が進角されて吸入空気の流入が早められることから、排ガスは燃焼室に残留することなく、排気系に送り出される。
図4は図2のS10のHCCI運転への切り替え許可判断処理のサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
先ずS100においてフラグF_CIAREAOK(のビット)を決定する。このフラグのビットが1にセットされるとき、HCCI運転が可能な領域であることを意味することから、この判断は、HCCI運転が可能な領域であるか否か判断する処理に相当する。
図5はその処理のサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
以下説明すると、S200においてフラグF_CIOKのビットが1にセットされているか否か判断する。このフラグは、後述する如く、そのビットが1にセットされるとき、HCCI運転で燃焼可能であることを意味するので、ここでの判断はHCCI運転で燃焼可能か否か判断することに相当する。
S200で肯定されるときはS202に進み、検出されたエンジン冷却水温(エンジン温度)TWとエンジン回転数NEと変速比NGEARとからマップ検索して要求トルクPMCMDの上限値PMC2Dを算出する。図6はその要求トルクの上限値のマップ特性を示す説明図である。
この実施例に係るエンジン10はDBW機構56で制御されることから、要求トルクPMCMDは、以下のように算出される。
PMCMD=CONST・PSE/NE
上記で、CONSTは定数である。PSEはアクセル開度APとエンジン回転数NEとから予め設定されたマップ(特性図示省略)を検索して得られるエンジン10の要求出力である。PSEは、具体的には、アクセル開度APが大きいほど、あるいはエンジン回転数NEが高いほど、増加するように設定される。
要求トルクの上限値PMC2Dは、上記した要求トルクを、エンジン冷却水温TWとエンジン回転数NEから変速比NGEARごとに検索自在に分割したものであり、図6に示す如く、変速比が同一であれば、エンジン回転数NEとエンジン冷却水温TWが高くなるほど増加するように設定される。
図5の説明に戻ると、次いでS204に進み、同様に検出されたエンジン冷却水温TWとエンジン回転数NEと変速比NGEARとからマップ検索して要求トルクの下限値PMD2Cを算出する。要求トルクの下限値のマップ特性の図示は省略するが、図6とほぼ同様である。
尚、S200で否定されてHCCI運転で燃焼可能ではないと判断されるときはS206,S208に進み、同様に検出されたエンジン冷却水温TWとエンジン回転数NEと変速比NGEARとからマップ検索して要求トルクの上限値PMC2Dと要求トルク下限値PMD2Cを算出する。それらのマップ特性の図示も省略するが、図6とほぼ同様である。HCCI運転で燃焼可能か否かで要求トルクの上下限値を相違させたのは、ヒステリシス特性を持たせ、HCCI運転とSI運転の切り替えビジーによるドライバビリティの悪化を防止するためである。
次いでS210に進み、フラグF_THIDLEのビットが1にセットされているか否か判断する。このフラグは図示しない別処理においてエンジン10がアイドル運転状態にないとき、そのビットが1にセットされることから、この判断はエンジン10がアイドル運転状態にないか否か判断することに相当する。
S210で肯定されるときはS212に進み、決定された要求トルクPMCMDが、S202あるいはS206で算出された要求トルク上限値PMC2D以下か否か判断し、肯定されるときは、S214に進み、決定された要求トルクPMCMDが、S204あるいはS208で算出された要求トルク下限値PMD2C以上か否か判断する。
S214で肯定されるときはS216に進み、フラグF_CIAREAOKのビットを1にセットする。他方、S210からS214のいずれかで否定されるときはS218に進み、フラグF_CIAREAOKのビットを0にリセットする。
このように、図5の処理においては、要求トルクが上下限値(HCCI運転で燃焼可能か否かで異なって設定される)の範囲内にあると判断されるとき、HCCI運転が可能な領域と判断する。即ち、HCCI運転はNOX低減と熱効率(燃費性能)の点でSI運転に優れるが、出力の点では劣るため、中、低負荷領域などの所定の運転領域にあるとき、エンジン10はHCCI運転が可能な領域にあると判断する。尚、低負荷領域であっても、アイドル運転状態を除外するのは、温度条件を成立させるのが困難であり、燃焼が不安定な状態に陥りやすいためである。
上記について敷衍すると、エンジン回転数NEが例えば700rpmよりも低い場合、TDC間隔が長くなって内部EGRの熱量も壁面から冷却水に移動し、温度低下を招いて自着火が困難となる。他方、エンジン回転数NEが例えば3500rpmを超えると、TDC間隔が短くなり過ぎて自着火の化学変化の反応時間を得ることが困難となる。従って、HCCI運転可能な領域を規定するエンジン回転数NEは、最適なTDC間隔に基づき、例えば700から3500rpmに設定される。
また、エンジン冷却水温TWが低いときは燃焼室24の壁温も低いことから、新気の量を増加して昇温する必要があるが、その結果、HCCI運転領域は高負荷側に移動する。従って、エンジン冷却水温TWに応じてHCCI運転領域を変化させることが考えられるが、その場合、エンジン冷却水温TWが上昇すると、ノックが発生する。しかしながら、エンジン冷却水温TWが低く、壁温が低い領域であれば、ノックを惹起することなく、HCCI運転が可能である。
そこで、この実施例においては、要求トルクPMCMDが、エンジン回転数NEとエンジン冷却水温TWに応じて設定された所定範囲内にあるか否か判定し、所定範囲内にあると判定されるとき、火花点火運転から圧縮着火運転への切り替えを許可する如く構成したので、エンジン冷却水温TWが低く、壁温が低い領域などのHCCI運転が可能な領域を規定することができ、よってHCCI運転の活用範囲を拡大することができる。
さらに、所定範囲がさらに自動変速機58の変速比NGEARに応じて設定される如く構成したので、減速比が大きい(即ち、エンジン回転数NEや負荷の変化速度が大きい)ときは所定範囲を狭く設定することで、切り替えビジーによるドライバビリティの悪化やエミッションの悪化を防止すると共に、減速比が小さい(エンジン回転数NEや負荷の変化速度が小さい)ときは所定範囲を最大限まで拡大することで、燃費を向上させることができ、よってドライバビリティ、エミッション、および燃費を高い次元でバランスさせることができる。
図4フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS102に進み、フラグF_TCTCIOK(のビット)を決定する。このフラグのビットが1にセットされるとき、エンジン10が始動された後、触媒装置44が活性状態にあることを意味することから、この判断は、触媒装置44が活性状態にあるか否か判定する処理に相当する。
図7はその処理のサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
以下説明すると、S300においてフラグF_TCTCIOKのビットが1にセットされているか否か判断する。このフラグは、次いで述べる処理でそのビットが1にセットされることから、S300の判断は通例否定されてS302に進み、触媒装置44を暖機する触媒暖機運転、より具体的にはエンジン10の始動後に触媒装置44を急速に暖機する触媒暖機運転が終了したか否か判断する。尚、この暖機運転はエンジン10が始動されてから所定時間、例えば数sec経過した時点で開始される。
S302で否定されるときはS304に進み、タイマ(ダウンカウンタ)TTCTに所定値#TMTC(例えば2secから3sec)をセットし、時間計測を開始し、S306に進み、フラグF_TCTCIOKのビットを0にリセットして一旦プログラムを終了する。次回以降のプログラムループにおいても、S302に進んで否定される限り、S304で所定値をセットし直してS306に進む。
次いで、その後のプログラムループにおいてS302で肯定されるときはS308に進み、触媒装置44の温度TCTを求めて所定値(しきい値)#TCTと比較し、求めた温度が所定値以上か否か判断する。S308で否定されるときはS304に進み、タイマTTCTに所定値をセットし直してS306に進むと共に、S308で肯定されるときはS310に進み、タイマTTCTの値が零になったか(所定値に相当する時間が経過したか)否か判断する。
S310で否定されるときはS306を経由してプログラムを終了すると共に、肯定されるときはS312に進み、フラグF_TCTCIOKのビットを1にセットしてプログラムを終了する。このフラグのビットが1にセットされることは触媒装置44が活性状態にあると判定されることを意味する。
従って、その後のプログラムループでS300での判断は肯定されてS314に進み、フラグF_TCTCIOKのビットを1にセットし続ける。即ち、図7の処理で一旦このフラグのビットが1にセットされた後、そのトリップ(エンジン10が停止されるまでの走行)では触媒装置44の活性状態判断は行わない。
ここで、S308で述べた触媒装置44の温度TCTを求める処理について説明すると、この実施例では温度センサを用いることなく、演算による推定で触媒装置44の温度を求めるようにした。
以下それについて説明すると、図8はその作業を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。尚、図示のプログラムも所定時間間隔Δt(即ち、図2プログラム起動周期の10msec)ごとに起動される。
先ず、S400において比熱Cp〔kcal/℃・kg〕、熱伝達率h〔kcal/m・℃・時間〕、排気系温度TEX〔℃〕などを、運転状態、より具体的には機関回転数NE、負荷(アクセル開度APあるいは要求トルクPMCMD)、目標空燃比KCMDに基づいてマップ検索あるいはテーブル検索する。同時に、予め記憶してある触媒装置44の質量m〔kg〕および断面積A〔m〕を読み出し、S402に進み、図9に示すように触媒温度TCT(k) を算出する。尚、(k)は、離散系のサンプル時間、具体的には今回プログラムループの時刻を意味する。
尚、排気系温度TEXは、空燃比によって機関が発生するエネルギが相違するため、目標空燃比KCMDに応じて補正する必要がある。ただし、補正に際して、目標空燃比KCMDに代えて広域空燃比センサ76で検出した検出空燃比を用いても良い。
図9を参照して説明すると、この推定手法においては、熱力学の式に基づいて触媒装置44の熱移動を求めてその温度変化を近似的に推定するようにした。即ち、同図上部に示す如く、触媒装置44の熱量をQCTとすると、QCTは、入力される排気系温度TEXと、触媒装置44の質量m〔kg〕、比熱Cpおよび触媒温度TCTとから推定することができる。
Δt秒(図示プログラム起動周期)間の触媒装置44に入力される熱量をΔQCTとすると、ΔQCTは図9の式(1)に示す如く、触媒温度の今回値TCT(k) と前回値TCT(k-1) の差に触媒装置44の質量mと比熱Cpの積を乗じたものと近似することができる。
それは、入力される排気系温度TEXと触媒温度前回値TCT(k-1) の差に、触媒装置44の断面積A〔m〕と熱伝達率hの積を乗じたものと等価である。従って、式(1)の右辺を書き直すと式(2)(3)が得られ、式(3)から式(4)が得られ、それに基づいて触媒温度の今回値TCT(k) を求めることができる。尚、式(4)は漸化式であり、触媒温度前回値TCT(k-1) の初期値が必要となるが、エンジン冷却水温TWなどに応じて適宜設定すれば良い。
これによって、温度センサを用いずに、演算ないし推定によって触媒装置44の温度TCTを求めることができ、構成として簡易となる。さらに、センサを用いるときは検出遅れの問題がつきまとうが、熱収支を演算するようにしたので、その不都合もない。
図4フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS104に進み、フラグF_STMODのビットが1にセットされているか否か判断する。このフラグのビットが1にセットされることはエンジン10が始動モードにあるときなので、この処理はエンジン10が始動モードにあるか否か判断することに相当する。
S104で肯定されるときはS106に進み、タイマ(ダウンカウンタ)TDSSTに所定値#TMDSST(例えば2sec)をセットして時間計測を開始し、S108に進み、第2のタイマ(ダウンカウンタ)TDDCに所定値#TMDC(例えば1sec)をセットして時間計測を開始し、S110に進み、前記したフラグF_CIOKのビットを0にリセットし、S112に進み、フラグF_HCCIのビットを0にリセットする。
このフラグF_HCCIのビットを0にリセットすることはSI運転からHCCI運転への切り替えが許可されないことを、1にセットすることは許可されたことを意味する。アイドル運転状態と同様、エンジン始動時は燃焼が安定しないことから、切り替えを許可しないようにした。
他方、S104で否定されるときはS114に進み、タイマTDSSTの値が零に達したか否か判断する。S114で否定されるときはS108に進むと共に、肯定されるときはS116に進み、フラグF_DSAFCNDのビットが1にセットされているか否か判断する。このフラグは、図示しない別の処理において広域空燃比センサ76から検出される空燃比が目標空燃比KCMDに(完全にあるいはほぼ)一致しているとき、そのビットが1にセットされることから、この処理は検出空燃比が目標空燃比に一致しているか、換言すれば空燃比制御が正常に行われているか否か判断することに相当する。
S116で否定されるときは空燃比が十分に制御されていないと判断されることからS108に進むと共に、肯定されるときはS118に進み、フラグF_ICEGRJUDのビットが1にセットされているか否か判断する。このフラグは、図示しない別の処理において、スロットルバルブ16が氷結などで固着するなどし、スロットルバルブ16の検出開度とスロットルアクチュエータ52の通電(あるいはそれに装着されるロータリエンコーダ70の出力)から求められる目標開度との誤差が所定値以上のとき、そのビットが1にセットされることから、この処理はスロットル開度制御が異常か、換言すればDBW機構56の動作が正常か否か判定することに相当する。
S118で肯定されるときはDBW機構56が正常ではないと判断されることからS108に進むと共に、否定されるときはS120に進み、フラグF_KEGROKのビットが1にセットされているか否か判断する。このフラグは、図示しない別の処理において算出されるEGR率(排気還流率)KEGRと目標EGR率との偏差が所定値以下と判断されるとき、そのビットが1にセットされることから、この処理はEGRを実現する排気バルブ(電磁弁)36の動作が正常か否か判定することに相当する。
これについて説明すると、先に述べたように、HCCI運転には燃焼室24のガス温度が1000K程度必要なことから、排気行程において排気バルブ36を閉じて排気の一部を排気系に排出せず、燃焼室24に残留させる内部EGRを実行するが、この実施例においては、EGR率KEGRを以下のように算出する。
KEGR=Gair新気/Gair充填
上記で、Gair新気はエアフローメータ62から検出される、エアクリーナ12から吸入される空気量を意味する。
またGair充填は、基本燃料噴射量に対応する空気量を意味する。即ち、基本燃料噴射量は、エンジン回転数NEと吸気管内絶対圧PBAとから算出されるため、Gair充填もエンジン回転数NEと吸気管内絶対圧PBAとから算出することとし、その算出値をGair充填とする。
即ち、現在の運転状態から要求される基本燃料噴射量に対応する(換言すれば必要とされる)空気量を算出し、それに占める新気の割合を算出することで、EGR率を逆算することができる。上記した別の処理においては、上記のように算出されるEGR率KEGRと目標EGR率の偏差が所定値以下と判断されるとき、換言すればEGRを実現する排気バルブ(電磁弁)36の動作が正常と判定されるとき、別の処理においてそのビットが1にセットされる。
S120で否定されるときはEGRを実現する排気バルブ36の動作が正常ではないと判断されることからS108に進むと共に、肯定されるときはS122に進み、フラグF_DBWOKのビットが1にセットされているか否か判断する。このフラグは、S118の処理に類似するが、図示しない別の処理においてスロットルアクチュエータ52の動作が異常、より正確にはスロットルアクチュエータ52への通電指令値から算出される駆動量とロータリエンコーダ70から算出されるスロットルアクチュエータ52の駆動量(回転量)との差がある値以下と判断されるとき、そのビットが1にセットされることから、この処理もスロットルアクチュエータ52、即ち、DBW機構56が正常か否か判定することに相当する。
S122で否定されるときはDBW機構56が正常ではないと判断されることからS108に進むと共に、肯定されるときはS124に進み、フラグF_VNTOKのビットが1にセットされているか否か判断する。このフラグは、図示しない別の処理においてターボチャージャ50のタービン50aの付近に配置される可変ノズルへの指令値とそれに装着される可変ノズル位置センサ80の検出値との差が所定値以下と判断されるとき、そのビットが1にセットされることから、この処理はターボチャージャ50、より具体的にはそのタービン50aの付近に配置される可変ノズルの動作が正常か否か判定することに相当する。
S124で否定されるときはターボチャージャ50のタービン50aの付近に配置される可変ノズルの動作が正常ではないと判断されることからS108に進むと共に、肯定されるときはS126に進み、前記したフラグF_TCTCIOKのビットが1にセットされているか否か判断する。このフラグのビットが1にセットされることは触媒装置44が活性状態にあると判定されることを意味するので、ここでの判断は触媒装置44が活性状態にあるか否か判断することに相当する。
S126で否定されるときは触媒装置44が活性状態にないと判断されることからS108に進むと共に、肯定されるときはS128に進み、前記したタイマTDDCの値が零に達したか否か判断する。
S128で否定されるときはS110に進むと共に、肯定されるときはS130に進み、前記したフラグF_CIAREAOKのビットが1にセットされているか否か判断する。このフラグのビットが1にセットされることはHCCI運転が可能な領域と判断されたことを意味するので、ここでの判断はHCCI運転が可能な領域と判断することに相当する。
S130で否定されるときはS110に進むと共に、肯定されるときはS132に進み、フラグF_CISTABLE(のビット)を決定する。
図10は、その処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
以下説明すると、S500においてエンジン回転数NEの変化量DNEDSを算出する。これは、エンジン回転数NEの前回値(図2の前回プログラムループ時の値)と今回値(図2の今回プログラムループ時の値)の差分を求めることで算出する。尚、変化量は増加(変化)方向にあるときは正の符号を、減少(変化)方向にあるときは負の符号を付す。
次いでS502に進み、同様に、要求トルクPMCMDの変化量DPMECIを算出する。これも、要求トルクPMCMDの前回値と今回値の差分を求めることで算出する。要求トルクの変化量も、増加(変化)方向にあるときは正の符号を、減少(変化)方向にあるときは負の符号を付す。
次いでS504に進み、前記したフラグF_CIOKのビットが1にセットされているか否か判断し、否定されるときはHCCI運転で燃焼不可能と判断されていることからS506に進み、フラグF_CISTABLEのビットを0にリセットする。
このフラグのビットを0にリセットすることは、HCCI運転パラメータが安定ではないと判定されることを、1にセットすることは、それが安定と判定されることを意味する。図10の処理は、具体的には、要求トルクPMCMDが変化したか否か判別する作業である。
S504で肯定されるときはS508に進み、フラグF_APOPENのビットが1にセットされているか否か判断する。このフラグは図示しない別の処理においてアクセル開度APが所定値(例えば0度付近)以上であるとき、そのビットが1にセットされることから、この判断はアクセルペダル54が踏み込まれているか否か判断することに相当する。
S508で否定されるときは要求トルク変化を意味しないことからS506に進むと共に、肯定されるときはS510に進み、フラグF_IXRFLRNのビットが1にセットされているか否か判断する。このフラグは図示しない別の処理においてアイドル時の要求トルクの学習値が算出されているとき、そのビットが1にセットされる。
S510で否定されるときは学習値が算出されていないことからS506に進むと共に、肯定されるときはS512に進み、S502で算出された値が要求トルクの増加方向の変化量DPMECIであれば、算出された要求トルクの変化量DPMECIを第1の所定値#DPMECIH(正値)と比較し、算出された要求トルクの変化量DPMECIが第1の所定値以下か否か判断する。
S512で否定されるときはS506に進むと共に、肯定されるときはS514に進む。尚、S502で要求トルクの増加方向の変化量DPMECIが算出されていないときも同様である。
S514においては、S502で算出された値が要求トルクの減少方向の変化量DPMECIであれば、算出された要求トルクの変化量DPMECIを第2の所定値#DPMECIL(負値)と比較し、算出された要求トルクの変化量DPMECIが第2の所定値以上か否か(絶対値でいえば未満か否か)判断する。
S514で否定されるときはS506に進むと共に、肯定されるときはS516に進む。尚、S502で要求トルクの減少方向の変化量DPMECIが算出されていないときも同様である。
尚、第1の所定値#DPMECIH(正値)と第2の所定値#DPMECIL(負値)は、絶対値において#DPMECIH>#DPMECILに設定、即ち、相違するように設定される。
これは、燃焼室24のガス温度は、減少(降温)方向への変化が増加(昇温)方向のそれに比して緩慢なため、要求トルクPMCMDの変化量が絶対値としては同一であっても、減少方向への変化であればガス温度も追従することも可能である。従って、要求トルクの変化方向によって所定値を相違させることで、HCCI運転への切り替えを禁止しないことも生じ得、それによって過早着火や失火を回避しつつ、HCCI運転を行ってNOxの低減、熱効率あるいは燃費性能の向上を図ることができるからである。
後述する如く、S506に進んでフラグF_CISTABLEのビットを0にリセットすることは、HCCI運転が禁止されることになるので、S512、S514の処理は、換言すれば、算出された要求トルクの変化量が第1あるいは第2の所定値を超えると判定されるとき、SI運転からHCCI運転への切り替えを禁止することは意味する。
次いでS516に進み、S500で算出された値がエンジン回転数NEの増加方向の変化量DNEDSであれば、算出された変化量DNEDSを第1の所定値#DNECIH(正値)と比較し、算出された変化量DNEDSが第1の所定値以下か否か判断する。
S516で否定されるときはS506に進むと共に、肯定されるときはS518に進む。尚、S500でエンジン回転数の増加方向の変化量DNEDSが算出されていないときも同様である。
S518においては、S500で算出された値がエンジン回転数の減少方向の変化量DNEDSであれば、算出された変化量DNEDSを第2の所定値#DNECIL(負値)と比較し、算出された変化量DNEDSが第2の所定値以上か否か(絶対値でいえば未満か否か)判断する。
S518で否定されるときはS506に進むと共に、肯定されるときはS520に進み、フラグF_CISTABLEのビットを1にセットする。尚、S500でエンジン回転数の減少方向の変化量DNEDSが算出されていないときも同様である。
尚、第1の所定値#DNECIH(正値)と第2の所定値#DNECIL(負値)も、絶対値において#DNECIH>#DNECILに設定、即ち、相違するように設定される。これは、要求トルクについて述べたと同様の理由からである。
図4の説明に戻ると、次いでS134に進み、フラグF_CISTABLEのビットが1にセットされているか否か判断し、肯定されるときはS136に進み、フラグF_CIOKのビットを1にセットし、S138に進み、フラグF_HCCIのビットを1にセットし、SI運転からHCCI運転への切り替えを許可する。
他方、S134で否定されるときはS110に進み、フラグF_CIOKのビットを0にリセットし、S112に進み、フラグF_HCCIのビットを0にリセットし、SI運転からHCCI運転への切り替えを禁止する。
図2のS12の処理においてはフラグF_HCCIのビットが0にリセットされるときはSI運転のモードに決定すると共に、1にセットされるときはHCCI運転のモードに決定する(換言すればSI運転からHCCI運転に切り替える)。尚、決定された運転モードに応じ、ECU30は吸気バルブ22と排気バルブ36のバルブタイミングを、図3に示す特性に従って制御する。
この実施例においては上記の如く、燃焼室24に点火手段(点火プラグ32など)を備え、所定の運転領域で前記燃焼室に供給される混合気を圧縮着火燃焼させる圧縮着火(HCCI)運転を行うと共に、前記所定の運転領域以外の運転領域で前記点火手段を介して前記混合気を火花点火燃焼させる火花点火(SI)運転を行う圧縮着火内燃機関(エンジン)10の制御装置において、前記内燃機関の要求トルクPMCMDが、前記内燃機関の冷却水温と機関回転数に応じて設定された所定範囲内にあるか否か判定する要求トルク範囲判定手段(ECU30,S10,S100,S200からS214)、および前記要求トルクが前記所定範囲内にあると判定されるとき、前記火花点火運転から前記圧縮着火運転への切り替えを許可する切り替え許可手段(ECU30,S12,S100,S216,S130,S138)とを備える如く構成した。これにより、機関回転数からTDC間隔において最適であると共に、冷却水温が低く、壁温エンジン冷却水温TWが低く、壁温が低い領域などのHCCI運転が可能な領域を規定することができ、よってその活用範囲を拡大することができる。
また、所定範囲がさらに前記内燃機関(エンジン)10に接続される(自動)変速機58の変速比NGEARに応じて設定される如く構成したので、減速比が大きい(即ち、エンジン回転数NEや負荷の変化速度が大きい)ときは所定範囲を狭く設定することで、火花点火運転と圧縮着火運転の切り替えビジーによるドライバビリティの悪化やエミッションの悪化を防止すると共に、減速比が小さい(エンジン回転数NEや負荷の変化速度が小さい)ときは所定範囲を最大限まで拡大することで、燃費を向上させることができ、よってドライバビリティ、エミッション、および燃費を高い次元でバランスさせることができる。
尚、上記において、HCCI運転において内部EGRを実行するようにしたが、内部EGRと共に、EGR管46を経由して排気の一部を吸気系に還流させる外部EGRを実行しても良い。
また、図3に示す吸気バルブ22と排気バルブ36のバルブタイミング特性は例示であり、これに限定されるものではない。さらに、吸気バルブ22と排気バルブ36を電磁弁から構成してバルブタイミングを可変に制御したが、その他の機構を用いて可変に制御しても良い。
また、触媒装置44の温度を演算によって推定したが、図1に想像線で示す如く、触媒装置44の付近に温度センサ100を設け、触媒装置44の温度を直接測定しても良い。
また、この発明をエンジン10として燃料を吸気バルブ22の前の吸気ポートに噴射する構成を例にとって説明したが、この発明は、燃料を燃焼室24に直接噴射する筒内噴射エンジンにも妥当する。
この発明の第1実施例に係る圧縮着火内燃機関の制御装置を全体的に示す概略図である。 図1に示す装置の動作を説明するフロー・チャートである。 図1に示す装置の可変バルブ機構によって切り換えられる2つのバルブタイミング特性を示すグラフである。 図2のHCCI運転への切り替え許可判断処理のサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図4のHCCI運転可能領域判断処理のサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図5で使用される要求トルクの上限値のマップ特性を示す説明図である。 図4の触媒装置活性状態判定処理のサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図7で使用される触媒装置の温度の推定処理のサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図8の触媒装置の温度の推定処理を説明する説明図である。 図4の圧縮着火運転パラメータの安定判別処理のサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
符号の説明
10 圧縮着火内燃機関(エンジン)、22 吸気バルブ、26 インジェクタ、30 ECU(電子制御ユニット)、32 点火プラグ(点火手段)、36 排気バルブ、38 可変バルブ機構、44 触媒装置、50 ターボチャージャ、56 DBW機構、60 クランク角センサ、62 エアフローメータ、72 水温センサ、74 アクセル開度センサ、100 温度センサ

Claims (2)

  1. 燃焼室に点火手段を備え、所定の運転領域で前記燃焼室に供給される混合気を圧縮着火燃焼させる圧縮着火運転を行うと共に、前記所定の運転領域以外の運転領域で前記点火手段を介して前記混合気を火花点火燃焼させる火花点火運転を行う圧縮着火内燃機関の制御装置において、前記内燃機関の要求トルクが、前記内燃機関の冷却水温と機関回転数に応じて設定された所定範囲内にあるか否か判定する要求トルク範囲判定手段、および前記要求トルクが前記所定範囲内にあると判定されるとき、前記火花点火運転から前記圧縮着火運転への切り替えを許可する切り替え許可手段とを備えたことを特徴とする圧縮着火内燃機関の制御装置。
  2. 前記所定範囲が、さらに前記内燃機関に接続される変速機の変速比に応じて設定されることを特徴とする請求項1記載の圧縮着火内燃機関の制御装置。
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