JP4833822B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は内燃機関の制御装置に関し、より詳しくはガソリン燃料を用いる火花点火機関における平均有効圧などの算出およびそれを用いた制御に関する。
内燃機関においては出力トルク、より正確には正味平均有効圧を精度良く求めることが望ましい。その意図から下記の特許文献1記載の技術が提案されている。その技術にあっては、負荷に応じて目標トルクTindを設定すると共に、機関回転数と空気充填量などに基づいて現在の機関トルクの推定値(推定トルク)Tbaseを算出し、目標トルクTindと推定トルクTbaseの偏差dTを積算して得た積算値を推定トルクTbaseに加算して補正推定トルクTcalを算出し、目標トルクTindと補正推定トルクTcalの偏差DTに応じて点火時期などを補正することで機関トルクを補正している。
特許文献1記載の技術にあっては、その構成によって、システムのばらつきの影響をほぼリアルタイムで排除しながら、目標トルクTindに対する実トルクの過不足分を精度良く補正するように構成している。
特開2002−221068号公報
上記した従来技術においては、同一空気充填量において燃焼状態が変化しない限り、機関トルクの推定はある程度可能である。しかしながら、同一空気充填量でもEGRが導入されたり、希薄化による燃焼効率が変化したりすると、燃焼状態が変化し、対応することができない。
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、燃焼状態が変化しても機関トルク、より具体的には正味平均有効圧を精度良く算出できるようにした内燃機関の制御装置を提供することにある。
上記の目的を解決するために、請求項1に係る内燃機関の制御装置は、内燃機関に供給されるサイクル当たりの空気質量流量を算出する空気質量流量算出手段、前記空気質量流量と燃料質量流量の比を示す当量比の目標値を算出する目標当量比算出手段、前記算出された空気質量流量と当量比の目標値から算出して得た前記燃料質量流量を前記内燃機関に供給すべき前記サイクル当たりの燃料質量流量とする燃料質量流量算出手段、前記サイクルを一巡して取り出すことのできる仕事を前記サイクルについて供給される熱量で除して得られる正味熱効率を前記内燃機関の運転状態に基づいて算出する正味熱効率算出手段と、前記内燃機関に供給すべき燃料の性状から求められる発熱量と前記算出された燃料質量流量と正味熱効率に基づき、前記仕事を前記内燃機関の容積で除して得られる値に相当する正味平均有効圧を算出する正味平均有効圧算出手段と、前記算出された正味平均有効圧を前記正味平均有効圧の目標値で学習して平均有効圧補正係数を算出する平均有効圧補正係数算出手段と、前記算出された平均有効圧補正係数で前記正味平均有効圧の目標値を補正して瞬時正味平均有効圧を算出する瞬時正味平均有効圧算出手段とを備える如く構成した。
請求項2に係る内燃機関の制御装置にあっては、前記正味熱効率算出手段は、前記内燃機関の回転数と前記内燃機関の燃焼モードとからなる前記運転状態と、前記正味平均有効圧の目標値とに少なくとも基づいて前記正味熱効率を決定する如く構成した。
請求項3に係る内燃機関の制御装置にあっては、前記燃焼モードは、均一混合気火炎伝播燃焼モードと、成層混合気火炎伝播燃焼モードと、自着火燃焼モードを少なくとも含む如く構成した。
請求項4に係る内燃機関の制御装置にあっては、前記内燃機関には自動変速機が接続されると共に、前記算出される正味平均有効圧に基づいて前記自動変速機の動作を制御する変速機制御手段を備える如く構成した。
請求項1に係る内燃機関の制御装置は、内燃機関に供給されるサイクル当たりの空気質量流量を算出し、算出された空気質量流量と当量比の目標値から算出して得た燃料質量流量を内燃機関に供給すべきサイクル当たりの燃料質量流量とし、正味熱効率を内燃機関の運転状態に基づいて算出すると共に、発熱量と燃料質量流量と正味熱効率に基づき、正味平均有効圧を算出し、算出された正味平均有効圧を正味平均有効圧の目標値で学習して平均有効圧補正係数を算出し、算出された平均有効圧補正係数で正味平均有効圧の目標値を補正して瞬時正味平均有効圧を算出する如く構成したので、そのサイクルでの正味平均有効圧を精度良く算出することができる。即ち、燃焼前に求めることから、同一空気充填量で燃焼状態が変化してもそれに影響されることなく、正味平均有効圧を精度良く算出することができる。
また、内燃機関で要求される正味平均有効圧と実際に発生する値との誤差を減少させることができるので、誤差に伴う制御マージンを小さくすることができる。また、高価な筒内圧センサを用いることなく、正味平均有効圧を精度良く算出することができるので、コスト低減も図ることができる。
請求項2に係る内燃機関の制御装置は、内燃機関の回転数と内燃機関の燃焼モードとからなる運転状態と、正味平均有効圧の目標値とに少なくとも基づいて正味熱効率を決定する如く構成したので、上記した効果に加え、正味熱効率を正確に決定でき、よって正味平均有効圧を精度良く算出することができる。
請求項3に係る内燃機関の制御装置は、前記した燃焼モードは、均一混合気火炎伝播燃焼モードと成層混合気火炎伝播燃焼モードと自着火燃焼モードを少なくとも含む如く構成したので、請求項2と同様、上記した効果に加え、正味熱効率を正確に算出でき、よって正味平均有効圧を精度良く算出することができる。
請求項4に係る内燃機関の制御装置は、算出される正味平均有効圧に基づいて自動変速機の動作を制御する如く構成したので、誤差に伴う制御マージンを小さくすることができる。即ち、内燃機関で要求される正味平均有効圧を精度良く算出することで、実際に発生する値との誤差を減少させることができ、誤差に伴う制御マージンを小さくすることができる。その結果、オイルポンプなどの補機の仕事量あるいは容量を低減することができ、燃費性能を向上させることができる。
以下、添付図面に即してこの発明に係る内燃機関の制御装置を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、この発明の実施例に係る内燃機関の制御装置を全体的に示す概略図である。
図1において、符号10は、ガソリンを燃料とする4気筒4サイクルの火花点火式の内燃機関(1気筒のみ図示。以下「エンジン」という)を示す。エンジン10において、エアクリーナ12から吸入されて吸気管(点線や破線で模式的に示す)14を通る空気(吸気)はスロットルバルブ16で流量を調節されて吸気マニホルド20を流れ、2個の吸気バルブ(1個のみ図示)22が開弁されるとき、燃焼室24に流入する。
吸気バルブ22の手前の吸気ポートには第1のインジェクタ26が配置され、燃料タンク(図示せず)から燃料供給管(図示せず)を介して圧送されたガソリン燃料を吸気ポートに噴射(ポート噴射)する。第1のインジェクタ26から噴射されたガソリン燃料は、流入した空気と混合して混合気(予混合気)を形成し、吸気バルブ22が開弁されるとき、燃焼室に流入する。
第1のインジェクタ26に加え、燃焼室24の頂部中央には気筒軸線に沿って第2のインジェクタ30が配置され、同様に圧送されたガソリン燃料を燃焼室24に直接噴射(筒内噴射)する。
第1、第2のインジェクタ26,30は、駆動回路(図示せず)を通じてECU(Electronic Control Unit。電子制御ユニット)32に接続され、ECU32から開弁時間を示す駆動信号が駆動回路を通じて供給されると開弁し、開弁時間に応じたガソリン燃料を噴射する。
燃焼室24には点火プラグ34が配置される。点火プラグ34はイグナイタなどからなる点火装置(図示せず)を介してECU32に接続され、ECU32から点火信号が供給されると、燃焼室24に臨む電極間に火花放電を生じる。混合気はそれによって着火されて燃焼し、ピストン36を下方に駆動する。燃焼によって生じた排気(排ガス)は、2個の排気バルブ(1個のみ図示)40が開弁するとき、排気マニホルド42に流れる。点火プラグ34は、燃焼室24において排気バルブ40の付近に電極が位置するように配置される。
排気は排気マニホルド42から排気管(破線で示す)44を流れる。排気管44には、三元触媒からなる触媒装置46が配置される。排気は、触媒装置46が活性状態にあるとき、HC,CO,NOxなどの有害成分を除去されてエンジン外の大気に放出される。
排気バルブ40と吸気バルブ22は開弁特性可変機構50に接続される。開弁特性可変機構50はECU32に接続され、ECU32の指示に従ってバルブ開閉タイミング(位相角)とバルブリフト量を、クランクシャフト(図示せず)の回転角度に関わりなく、可変に制御する。
例えば、排気バルブ40の閉弁時期を進角させると共に、吸気バルブ22の開弁時期を遅角させて気筒内に排ガスを残留させる内部EGR(Exhaust Gas Recirculation)が実行され、燃焼室24の内部温度を昇温するように制御される。尚、開弁特性可変機構50の動作は本出願人が先に提案した特開2006-29159号に詳細に記載されているので、ここでの説明は省略する。
排気管44は、EGR管(破線で示す)52を介して吸気管14にスロットルバルブ16が配置される位置の下流付近で接続される。EGR管52にはEGRバルブ52aが介挿される。EGRバルブ52aはECU32に電気的に接続され、駆動されるとき、EGR管52を開放して排気の一部の吸気系への還流(外部EGR)を行う。
排気管44において触媒装置46の上流には、ターボチャージャ54が設けられる。ターボチャージャ54は、図1に模式的に示す如く、排気管44に配置され、そこを通過する排気で回転させられるタービン54aと、タービン54aに連結されつつ吸気管14に配置され、タービン54aの回転力で駆動されて過給するコンプレッサ54bからなる。
吸気管14に配置されたスロットルバルブ16にはスロットルアクチュエータ(パルスモータなど)56が連結され、スロットルバルブ16はスロットルアクチュエータ56によって開閉される。即ち、スロットルバルブ16は、エンジン10が搭載される車両(図示せず)の運転席床面に配置されたアクセルペダル60との機械的な接続が絶たれ、スロットルバルブ16をアクセルペダル60の動作と独立に開閉するDBW(Drive By Wire)機構62として構成される。
エンジン10には、自動変速機、より具体的にはベルト式のCVT(Continuously Variable Transmission。無段変速機)64が接続される。CVT64は、図示は省略するが、入力軸に固定された固定プーリ半体と軸方向に移動自在な可動プーリ半体からなるドライブ側プーリと、カウンタ軸に固定された固定プーリ半体と軸方向に移動自在な可動プーリ半体からなるドリブン側プーリと、それらのプーリの間に巻き掛けられる金属製のVベルトなどからなる。
CVT64にはエンジン10で駆動されるオイルポンプ66によってリザーバ70から汲み上げられた作動油が油圧回路を介して供給され、それによって可動プーリ半体を固定プーリ半体に向けて押し付ける側圧が調節される。クランクシャフトの回転を通じて入力されたエンジン10の回転はCVT64で変速され、駆動輪(図示せず)に伝達されて車両を走行させる。
尚、CVT64の詳細は本出願人が先に提案した先行技術、例えば特開2004−360853号に記載されているので、詳細な説明は省略する。
エンジン10のクランクシャフトの付近にはクランク角センサ72が配置され、気筒判別信号と、各気筒のTDC(上死点)あるいはその付近のクランク角度を示すTDC信号と、TDC信号を細分してなるクランク角度信号とを出力する。それらの出力はECU32に入力される。
ECU32はマイクロコンピュータからなり、CPU,ROM,RAM,A/D変換回路、入出力回路およびカウンタ(全て図示せず)を備える。ECU32は入力信号の内、クランク角度信号をカウントしてエンジン回転数NEを算出(検出)する。
エアクリーナ12の付近には温度検出素子を備えた、ホットワイヤ方式のエアフローメータ74が配置され、エアクリーナ12から吸入される空気(吸気)の質量流量Gairを示す信号とその温度TAを示す信号を出力する。
吸気管14においてスロットルバルブ16の下流にはMAPセンサ76が配置され、吸気管内圧力PBAを絶対圧で示す信号を出力すると共に、スロットルバルブ16にはスロットル開度センサ80が配置され、スロットルバルブ16の位置(スロットル開度)THに応じた信号を出力する。
エンジン10の冷却水通路(図示せず)には水温センサ82が配置されてエンジン冷却水温TWに応じた信号を出力する。アクセルペダル60の付近にはアクセル開度センサ84が設けられ、運転者のアクセルペダル踏み込み量を示すアクセル開度(エンジン負荷を示す)APに応じた信号を出力する。排気系において触媒装置46の上流位置には広域空燃比センサ86が配置され、その部位を流れる排気の酸素濃度(即ち、空燃比)に比例する信号を出力する。
上記したセンサ群の出力も、ECU32に入力される。ECU32は入力値に基づき、ROMに格納されている命令に従って燃焼モード(燃焼形態)を制御すると共に、正味平均有効圧の算出などを行う。
また、ECU32に加え、第2のECU(電子制御ユニット)90も設けられる。第2のECU90もマイクロコンピュータからなり、CPU,ROM,RAM,A/D変換回路、入出力回路およびカウンタ(全て図示せず)を備える。第2のECU90はECU32と通信自在に構成され、ECU32から入力したデータと図示しない車速センサなどの出力に基づき、変速比を決定し、CVT64において可動プーリ半体を固定プーリ半体に向けて押し付ける側圧を制御、即ち、自動変速機の動作を制御する。
ここで、ECU32が実行する燃焼モードの制御を説明する。
第1のインジェクタ26はエンジン10が高負荷領域にあるときに燃料を噴射すると共に、第2のインジェクタ30はエンジン10の全ての負荷領域で燃料を噴射するように駆動される。第2のインジェクタ30は、気筒軸線の周囲に円錐状に燃料を噴射すると共に、その燃料噴射密度が円周方向において不均一で点火プラグ34を目指す方向の燃料噴射密度が他の方向のそれよりも高くなるような構造とされる。
この結果、第2のインジェクタ30が噴射する燃料により、燃焼室24の点火プラグ34の周辺には空燃比においてリッチ側の値となるリッチ混合気領域R1が形成される一方、燃焼室34のその他の部位は理論空燃比よりもリーンなリーン混合気領域R2が形成されるように構成される。
図2を参照して燃焼モードの制御を説明すると、エンジン10が低、中回転域にあってその要求トルク(瞬時正味平均有効圧)Pmcmdfb(後述)が400kPa付近の低負荷領域にあるときは、第2のインジェクタ30から噴射された燃料によって点火プラグ34の近傍に空燃比において部分的にリッチな成層混合気が形成されるように制御される。このとき、開弁特性可変機構50を介して内部EGRが導入される。
この成層混合気は圧縮行程で圧縮されると、点火プラグ34の近傍のリッチ混合気領域R1を火種として自着火し、燃焼室24の全体の混合気を燃焼させる。この低負荷領域では混合気が空燃比において燃焼室24の大部分において理論空燃比よりもリーンであるため、燃焼温度が低く、排ガス中のNOxの濃度を極低い値に抑えることができる。
尚、要求トルクが300kPa以下の領域では成層(拡散)混合気が形成されると共に、空燃比が理論空燃比よりリーンとなるように制御される。尚、この領域では内部EGRによる排気の還流量が増加させられる。
他方、エンジン10の要求トルクが300kPaからWOTまでの高負荷領域にあるときは、第1のインジェクタ26から噴射された燃料によって燃焼室24の大部分は均質で理論空燃比よりもリーンなリーン混合気領域R2が形成されると共に、第2のインジェクタ30から噴射された燃料によって点火プラグ34の近傍にリッチ混合気領域R1が形成されるように制御される。
高負荷領域のうち、比較的負荷が低い領域ではEGR量を制御することで、点火プラグ34の近傍のリッチ混合気領域R1を自着火させることができると共に、比較的負荷が高い領域では点火プラグ34が発生する火花を火種としてリッチ混合気領域R1を火花着火させ、リッチ混合気領域R1での火炎伝播による熱でリーン混合気領域R2を圧縮自着火させる火種自着火が可能である。この高負荷領域でも混合気の空燃比が燃焼室24の大部分でリーンであるため、燃焼温度が低く、排ガス中のNOxの濃度を低い値に抑えることができる。
さらに、図2に示す如く、エンジン10が高回転域にあるときは、均一混合気による火炎伝播燃焼が行われる。また、負荷が高い領域ではターボチャージャ54を介して過給が行われる。このように、この実施例においては、負荷と回転数に従い、均一混合気火炎伝播による燃焼モードと成層混合気火炎伝播による燃焼モードと自着火による燃焼モードの3種の燃焼モードのいずれか選択される。
尚、上記した第2のインジェクタ30の構造およびリッチ混合気領域R1の形成などは本出願人が先に特願2006−286707号で提案した出願に詳細に記載されているので、これ以上の説明は省略する。
次いで、ECU32が実行する正味平均有効圧の算出など、この実施例に係る内燃機関の制御装置の動作を説明する。
図3は、その動作、具体的にはECU32の動作を示すフロー・チャートである。尚、図示のプログラムは、それぞれの気筒のTDC付近の所定のクランク角度で実行される。
以下説明すると、S10でエンジン10に供給される1サイクル当たりの空気質量流量Gairが算出される。即ち、エアフローメータ74の出力から得られた吸入空気の質量流量をエンジン回転数NEで除算することで、吸入、圧縮、爆発、排気の4行程からなる1サイクル(燃焼サイクル)当たりの空気質量流量Gairが算出される。
次いでS12において、目標当量比KCMDが算出される。即ち、エンジン10に供給される空気質量流量Gairと燃料質量流量Gfuel(後述)の比を示す当量比の目標値が、前記した負荷に基づいて制御される燃焼モードの変化に応じて算出あるいは決定される。目標当量比KCMDは、空燃比を当量比で示した値である。
次いでS14において、算出された空気質量流量Gairと目標当量比KCMDから燃料質量流量Gfuelが算出される。具体的には、燃料質量流量Gfuelは、(1/14.7)×目標当量比KCMD×空気質量流量Gairで、エンジン10に供給すべき1サイクル当たりの燃料質量流量として算出される。
次いでS16において、エンジン10の運転状態に基づいて正味熱効率ηeが算出される。正味熱効率ηeは、上記したサイクルを一巡して取り出すことのできる正味仕事Weを上記したサイクルについて供給される熱量Qで除して得られる。
尚、正味仕事Weは、理論サイクルに基づいて予測される理論仕事Wthよりも、冷却損失、ガス漏れ、吸排気損失などの分だけ少ない図示仕事Wiから、運動部分の摩擦、補機類の駆動仕事を差し引き、エンジン10のクランクシャフトから実際に取り出せる出力を仕事に換算した値を意味するところから、この実施例における正味熱効率ηeもそれに相当する値を意味する。
正味熱効率ηeは、具体的にはエンジン回転数NEと正味平均有効圧の目標値Pmcmdと燃焼モードとに少なくとも基づいて決定される。図4は、正味平均有効圧の目標値Pmcmdと、燃焼モードに応じて設定される正味熱効率ηeの特性を示す。燃焼モードは、図2に関して説明したように、均一混合気火炎伝播燃焼モードと成層混合気火炎伝播燃焼モードと自着火燃焼モードとからなる。
かかる特性がエンジン回転数NEごとに設定され、S16では検出されたエンジン回転数NEと正味平均有効圧の目標値Pmcmdと選択された燃焼モードから図示の特性を検索して正味熱効率ηeが算出される。尚、エンジン回転数NE500rpmごとに特性が設定されるので、その間の値は補間で算出される。
次いでS18に進み、定数Cと発熱量Cvと算出された燃料質量流量Gfuelと正味熱効率ηeに基づき、図示の式に従って正味平均有効圧Pmeが算出される。正味平均有効圧Pmeは、前記した正味仕事Weをエンジン10の容積で除して得られる値に相当する値である。定数Cは一定値であり、発熱量Cvもエンジン10に供給すべき燃料の性状に応じて決定される一定値である。尚、正味平均有効圧における「正味」は、正味熱効率と同様、理論、図示と対比される正味に相当する値を意味する。
次いでS20に進み、エンジン10の運転状態が燃焼において安定した運転状態にあるか否か判断する。
例えば、燃焼モードが切り換えられつつあるか、あるいは切り換えられてから所定時間(例えば500msec)が経過していない場合、または燃料供給停止(フューエル・カット)が実行されているか、あるいは燃料供給が再開されても同様の所定時間が経過していない場合、トルク変動が大きいことから、燃焼において安定しない運転状態と判断される。
また、エンジンが始動された後も、暖気が終了してエンジン冷却水温TWが所定温度以上まで昇温するまではエンジン10の動作が安定せず、同様にトルク変動が大きいことから、燃焼において安定しないものと判断する。従って、燃焼において安定しない運転状態とは、トルク変動が大きい運転状態を意味する。
S20で肯定されるときはS22に進み、算出された正味平均有効圧Pmeをその目標値Pmcmdで学習、より具体的には図示の式に従い、算出された正味平均有効圧Pmeをその目標値Pmcmdとの比で学習して平均有効圧補正係数Kpmref(n)を算出する。
尚、式中、nは離散系のサンプル時間を示し、Kpmref(n)は現在時刻(図3フロー・チャートの今回実行時刻)における値(今回値)を、Kpmref(n−1)は前回時刻(図3フロー・チャートの前回実行時刻)における値(前回値)を示す。
このように、平均有効圧補正係数Kpmref(n)は、正味平均有効圧Pmeとその目標値Pmcmdの比に重み係数xを乗じて得た値に、平均有効圧補正係数前回値Kpmref(n−1)に1.0と重み係数xの差を乗じて得た値を加算する荷重平均値を求めることで算出する。正味平均有効圧Pmeとその目標値Pmcmdの比を用いるのは、乗算項で学習する方が演算において便宜なためと、算出値をなますためである。
次いでS24に進み、算出された平均有効圧補正係数Kpmrefと正味平均有効圧の目標値Pmcmdに基づき、より具体的には両者を乗算して瞬時正味平均有効圧Pmcmdfbを算出する。
尚、S20で否定されるときはS22をスキップする。即ち、トルク変動が大きくて制御パラメータも大きく変化するために算出精度が低下することから、上記した学習を中止する。その場合、S24の処理では前回値が使用される。
次いで、図5フロー・チャートのS100に示す如く、第2のECU90によって、算出された正味平均有効圧Pmeに基づいてCVT64の側圧が制御される。尚、そのとき、瞬時正味平均有効圧Pmcmdfbを用いても良い。
また、図6フロー・チャートのS200に示す如く、ECU32によって、算出された瞬時正味平均有効圧Pmcmdfbに基づいてエンジン10の制御パラメータ、例えばDBW機構62の目標スロットル開度、開弁特性可変機構50の目標位相角、EGR制御バルブ52aの目標リフト量などが算出される。尚、そのとき、正味平均有効圧Pmeを用いても良い。
図7は、図3の処理を説明する説明図である。
エンジン10の運転パラメータとして直接測定できるのは新気(空気質量流量Gair)であることから、それを基本としてエンジン10を制御するのが望ましい。新気はDBW機構62を介して制御されるが、その制御と測定されるGairの間にばらつきや誤差を生じると、燃料量Gfuelが正しく算出されないため、発生する実トルクと要求トルク(瞬時正味平均有効圧Pmcmdfb)が一致しなくなる。
そこで、この実施例においては、燃料量Gfuelから推定トルク(正味平均有効圧Pme)を算出し、要求トルク(瞬時正味平均有効圧Pmcmdfb)との比を学習し、よって得た補正係数Kpmrefを要求トルクに乗算して補正するようにした。
これにより、燃焼前に求めることから、同一空気充填量で燃焼状態が変化してもそれに影響されることなく、正味平均有効圧Pmeを精度良く算出することができる。
この実施例は上記の如く、内燃機関(エンジン)10に供給されるサイクル(1燃焼サイクル)当たりの空気質量流量Gairを算出する空気質量流量算出手段(ECU32、S10)、前記空気質量流量と燃料質量流量の比を示す当量比の目標値(目標当量比)KCMDを算出する目標当量比算出手段(ECU32、S12)、前記算出された空気質量流量と当量比の目標値から算出して得た前記燃料質量流量を前記内燃機関に供給すべき前記サイクル当たりの燃料質量流量Gfuelとする燃料質量流量算出手段(ECU32、S14)、前記サイクルを一巡して取り出すことのできる仕事Weを前記サイクルについて供給される熱量Qで除して得られる正味熱効率ηeを前記内燃機関の運転状態に基づいて算出する正味熱効率算出手段(ECU32、S16)と、前記内燃機関に供給すべき燃料の性状から求められる発熱量Cvと前記算出された燃料質量流量Gfuelと正味熱効率ηeに基づき、前記仕事を前記内燃機関の容積で除して得られる値に相当する正味平均有効圧(推定トルク)Pmeを算出する正味平均有効圧算出手段(ECU32、S18)と、前記算出された正味平均有効圧Pmeを前記正味平均有効圧の目標値Pmcmdで学習して平均有効圧補正係数Kpmrefを算出する平均有効圧補正係数算出手段(ECU32、S22)と、前記算出された平均有効圧補正係数Kpmrefで前記正味平均有効圧の目標値Pmcmdを補正して瞬時正味平均有効圧Pmcmdfbを算出する瞬時正味平均有効圧算出手段(ECU32、S24)とを備える如く構成した。
これにより、1燃焼サイクルでの正味平均有効圧を精度良く算出することができる。即ち、燃焼前に求めることから、同一空気充填量で燃焼状態が変化してもそれに影響されることなく、正味平均有効圧を精度良く算出することができる。
また、エンジン10で要求される正味平均有効圧と実際に発生する値との誤差を減少させることができるので、誤差に伴う制御マージンを小さくすることができる。また、高価な筒内圧センサを用いることなく、正味平均有効圧を精度良く算出することができるので、コスト低減も図ることができる。
また、前記正味熱効率算出手段は、前記内燃機関の回転数(エンジン回転数)NEと前記内燃機関の燃焼モードとからなる前記運転状態と、前記正味平均有効圧の目標値Pmcmdとに少なくとも基づいて前記正味熱効率ηeを決定する如く構成したので、上記した効果に加え、正味熱効率ηeを正確に決定でき、よって正味平均有効圧Pmeを精度良く算出することができる。
また、前記燃焼モードは、均一混合気火炎伝播燃焼モードと、成層混合気火炎伝播燃焼モードと、自着火燃焼モードを少なくとも含む如く構成したので、上記した効果に加え、同様に正味熱効率ηeを正確に算出でき、よって正味平均有効圧Pmeを精度良く算出することができる。
また、前記内燃機関には自動変速機(CVT)64が接続されると共に、前記算出される正味平均有効圧Pmeに基づいて前記自動変速機の動作を制御する変速機制御手段(第2のECU90,S100)を備える如く構成したので、誤差に伴う制御マージンを小さくすることができる。即ち、エンジン10で要求される正味平均有効圧Pmeを精度良く算出することで、実際に発生する値との誤差を減少させることができ、誤差に伴う制御マージンを小さくすることができる。その結果、オイルポンプ66などの補機の仕事量あるいは容量を低減することができ、燃費性能を向上させることができる。
尚、上記において、自動変速機64の例としてCVTを示し、正味平均有効圧(推定トルク)などに基づいてその側圧を制御するようにしたが、CVTに代えて有段変速機を設け、正味平均有効圧(推定トルク)などに基づいてそのクラッチ圧を制御するようにしても良い。
この発明の実施例に係る内燃機関の制御装置を全体的に示す概略図である。 図1に示す装置の燃焼モードの制御を示す説明図である。 図1に示す装置の動作を示すフロー・チャートである。 図3のフロー・チャートの処理で使用される、正味熱効率の特性を示すグラフである。 図3のフロー・チャートの処理と平行して行われる処理を示すフロー・チャートである。 同様に、図3のフロー・チャートの処理と平行して行われる処理を示すフロー・チャートである。 この実施例の動作を説明する説明図である。
符号の説明
10 内燃機関(エンジン)、16 スロットルバルブ、22 吸気バルブ、24 燃焼室、26 第1のインジェクタ、30 第2のインジェクタ、32 ECU(電子制御ユニット)、34 点火プラグ、40 排気バルブ、50 開弁特性可変機構、54 ターボチャージャ、62 DBW機構、66 オイルポンプ、72 クランク角センサ、74 エアフローメータ、86 広域空燃比センサ、90 第2のECU(電子制御ユニット)

Claims (4)

  1. 内燃機関に供給されるサイクル当たりの空気質量流量を算出する空気質量流量算出手段、前記空気質量流量と燃料質量流量の比を示す当量比の目標値を算出する目標当量比算出手段、前記算出された空気質量流量と当量比の目標値から算出して得た前記燃料質量流量を前記内燃機関に供給すべき前記サイクル当たりの燃料質量流量とする燃料質量流量算出手段、前記サイクルを一巡して取り出すことのできる仕事を前記サイクルについて供給される熱量で除して得られる正味熱効率を前記内燃機関の運転状態に基づいて算出する正味熱効率算出手段と、前記内燃機関に供給すべき燃料の性状から求められる発熱量と前記算出された燃料質量流量と正味熱効率に基づき、前記仕事を前記内燃機関の容積で除して得られる値に相当する正味平均有効圧を算出する正味平均有効圧算出手段と、前記算出された正味平均有効圧を前記正味平均有効圧の目標値で学習して平均有効圧補正係数を算出する平均有効圧補正係数算出手段と、前記算出された平均有効圧補正係数で前記正味平均有効圧の目標値を補正して瞬時正味平均有効圧を算出する瞬時正味平均有効圧算出手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記正味熱効率算出手段は、前記内燃機関の回転数と前記内燃機関の燃焼モードとからなる前記運転状態と、前記正味平均有効圧の目標値とに少なくとも基づいて前記正味熱効率を決定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記燃焼モードは、均一混合気火炎伝播燃焼モードと、成層混合気火炎伝播燃焼モードと、自着火燃焼モードを少なくとも含むことを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記内燃機関には自動変速機が接続されると共に、前記算出される正味平均有効圧に基づいて前記自動変速機の動作を制御する変速機制御手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
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