JP2007063315A - ポリエチレンナフタレート樹脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れた耐デラミ性および透明性を確保しつつガラス転移温度も高い改質されたポリエチレンナフタレート樹脂の提供。
【解決手段】 アダマンタン骨格を有するヒドロキシカルボン酸誘導体を0.1〜50モル%共重合したポリエチレンナフタレート樹脂およびポリエチレンナフタレートの重合反応工程に、アダマンタン骨格を有するヒドロキシカルボン酸誘導体を0.1〜50モル%配合して共重合させるポリエチレンナフタレート樹脂の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリエチレンナフタレート樹脂に関し、更に詳しくは、耐熱性に優れながらも耐デラミ性に優れたポリエチレンナフタレート樹脂に関する。
ポリエチレンナフタレート(以下、PENと称することがある。)樹脂は抗張力、伸度、ヤング率、弾性回復率等の機械的性質、耐熱性、寸法安定性等の物理的性質、耐薬品性、耐水性等の化学的性質が優れ、安価であるために工業的に大きな価値を有していることは良く知られており、例えば、繊維、タイヤコード、ボトル、フィルム等で多く用いられている。しかしながら、PEN樹脂はポリマーの配列性が強いことから、デラミネーション(層間剥離)を起こしやすく、その改善が望まれている。
このような問題を解決するために、特許文献1(特開2002−273788号公報)ではポリイミドを特定量混合させることが提案されている。しかしながら、この方法によれば、ポリイミドを均一に分散させることが難しく、透明性が損なわれるなどの問題があった。
一方、特許文献2(特開2002−371145号公報)では、PENにイソフタル酸を共重合させることが提案されている。しかしながら、この方法では、耐デラミ性は向上するものの、共重合によってガラス転移点が低下してしまい、その結果、例えばPENの耐熱性が損なわれるなどという新たな問題が生じてきた。
特開2002−273788号公報 特開2002−371145号公報
本発明の目的は、上述の従来技術の問題点に鑑み、優れた耐デラミ性および透明性を確保しつつガラス転移温度が高く維持された改質されたポリエチレンナフタレート樹脂を提供することにある。
本発明者らは上述の目的を達成するために鋭意検討した結果、特定のヒドロキシカルボン酸成分を特定量共重合成分として使用したとき、ガラス転移温度の低下を抑えながらも、優れた耐デラミ性および透明性を確保されたポリエチレンナフタレート樹脂が得られることを見出だし、本発明に到達した。
かくして本発明によれば、下記構造式(I)および(II)
Figure 2007063315
(上記構造式中の、R11からR16は、それぞれ水素、ハロゲン基または炭素数1〜10の炭化水素基もしくはハロゲン基置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
で示される群から選ばれる少なくとも1種のアダマンタン誘導体が、繰り返し単位のモル数を基準として、0.1〜50モル%共重合されているポリエチレンナフタレート樹脂が提供される。
また、本発明によれば、本発明の好ましい態様として、該樹脂の繰り返し単位からなる1〜5量体の割合が、樹脂の重量を基準として、0.4〜1.0重量%の範囲にあること、固有粘度(IV)が0.4〜1.2dl/gの範囲にあること、測定温度300℃、剪断速度1000s−1で測定した溶融粘度が、400〜4000Pa・sの範囲にあること、および示差走査型熱量計で測定される降温時結晶化発熱ピークの熱量が3J/g以下であることのいずれかを具備するポリエチレンナフタレート樹脂も提供される。
さらにまた、本発明によれば、ナフタレンジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールとを直接エステル化反応もしくはエステル交換反応させ、引き続いて重縮合反応させてポリエチレンナフタレート樹脂を製造する際に、
重縮合反応が終了する以前の任意の段階で、下記構造式(I’)および(II’)
Figure 2007063315
(上記構造式中の、R11からR14は、それぞれ水素、ハロゲン基または炭素数1〜10の炭化水素基もしくはハロゲン基置換炭化水素基であり、R21およびR22は、それぞれ水素または炭素数が1〜10の範囲にあるアルキル基を表し、互いに同一であっても、異なっていてもよい。)
で示される化合物の群から選ばれる少なくとも1種のアダマンタン誘導体を、繰返し単位のモル数を基準として、0.1〜50モル%添加して共重合させるポリエチレンナフタレート樹脂の製造方法も提供される。
本発明のPEN樹脂は、共重合によって耐デラミ性や透明性が向上されながらも、ガラス転移温度の低下が小さく、耐熱性と透明性などが要求される繊維、フィルムおよび樹脂成形品等に好適に利用でき、その工業的価値はきわめて高い。
本発明のポリエチレンナフタレート樹脂は、エチレンナフタレートを主たる繰返し単位とし、アダマンタン誘導体が共重されたものである。本発明におけるアダマンタン誘導体とは、上記構造式(I)および(II)で表されるアダマンタン誘導体の群から選ばれる少なくも一種の誘導体であること必要がある。好ましくは、よりガラス転移温度の低下を抑制できることから、上記構造式(I)で表されるアダマンタン誘導体が好ましい。
上記構造式(I)および(II)中の、R11からR14は、それぞれ水素または炭素数が1〜10の範囲にあるアルキル基を表し、互いに同一であっても、異なっていてもよい。これらのなかでもR11からR14としては、水素、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロヘキシルメチル基などが好ましく、さらに水素およびメチル基が好ましく、特に水素が好ましい。
具体的な構造式(I)で示される化合物としては、下記構造式(I-1)〜(I-3)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2007063315
具体的な構造式(II)で示される化合物としては、下記構造式(II-1)〜(II-3)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2007063315
本発明のPEN樹脂は、繰返し単位を基準として、上記アダマンタン誘導体が0.1〜50モル%の範囲にあることが必要である。アダマンタン誘導体の割合が下限未満であると、耐デラミ性の向上効果が得られない。また、アダマンタン誘導体の割合が上限を超えると、得られるPEN樹脂の融点が低下したり、重合反応速度が低下して生産性が損なわれる。好ましいアンダマンタン誘導体の割合は、0.3〜40モル%、さらに0.5〜30モル%、よりさらに0.7〜15モル%、特に1〜10モル%の範囲である。なお、本発明のPEN樹脂は、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば10モル%を超えない範囲で、アダマンタン誘導体以外のそれ自体公知の共重合成分を用いても良い。
本発明のPEN樹脂を構成するナフタレンジカルボン酸成分としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、1,4−ナフタレンジカルボン酸成分、1,5−ナフタレンジカルボン酸成分、1,3−ナフタレンジカルボン酸成分などが挙げられ、特に2,6−ナフタレンジカルボン酸成分であることが好ましい。
本発明のPEN樹脂は、アダマンタン誘導体を上記の割合で共重合することにより、優れた耐熱性、透明性、成形性、機械的性能を兼ね備えるという特徴が得られる。
本発明のPEN樹脂について、さらにその好ましい態様を以下で説明する。
本発明のPEN樹脂は、その固有粘度(IV)が0.4〜1.5dl/gの範囲であることが好ましい。固有粘度が下限未満であると、得られる樹脂組成物の機械物性が乏しくなりやすい。一方、固有粘度が上限を超えると、成形性が不十分になりやすい。さらに好ましい固有粘度の範囲は0.5〜1.3dl/g、特に0.55〜0.8dl/gである。
また、本発明のPEN樹脂は、測定温度が300℃、剪断速度1000s-1で測定した際の溶融粘度が400〜4000Pa・sの範囲であることが好ましい。溶融粘度が下限未満であると、得られる樹脂組成物の機械物性が乏しくなりやすく、他方上限を超えると、成形性が不十分になりやすい。より好ましい溶融粘度の範囲は420〜1000Pa・s、特に420〜600Pa・sである。
本発明のPEN樹脂は、ガラス転移温度が110℃以上、さらに113℃以上、特に115℃以上であること、また降温時結晶化発熱ピークの熱量が3J/g以下、さらに2J/g以下であることが好ましい。ガラス転移点が下限未満であると得られる成形品の耐熱性が乏しく、降温結晶化発熱ピークの熱量が上限を超えると、成形工程において自己発熱のため樹脂温度の制御が困難となったり、透明性が損なわれやすくなったりする。
本発明のPEN樹脂は、オリゴマーの含有量が、0.4〜1.0重量%であることが好ましい。オリゴマー含有量が下限未満であると、成形時のポリマーの流動性が不十分になることがあり、一方上限を超えると成形時、オリゴマーによる金型などの成形装置の汚れが起こりやすくなるなど成形工程の安定性が損なわれる場合がある。オリゴマー含有量のより好ましい範囲は、0.5〜0.9重量%である。このようなガラス転移温度、降温時結晶化発熱ピークの熱量およびオリゴマー含有量は、アルコール成分とジカルボン酸成分をそれぞれ上記割合とし、かつ重合することにより、更に高い耐熱性と機械的性能を兼ね備えるという特徴が得られる。
つぎに、本発明のPEN樹脂の製造方法について説明する。なお、特に断りのない部分については、本発明のポリエチレンナフタレート樹脂で説明したのと同様なことが言える。
本発明のPEN樹脂の製造方法は、ナフタレンジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールとを直接エステル化反応もしくはエステル交換反応させ、引き続いて重縮合反応させてポリエチレンナフタレート樹脂を製造する際に、重縮合反応が終了する以前の任意の段階で、上記構造式(I’)および(II’)で示される化合物の群から選ばれる少なくとも1種のアダマンタン誘導体を、繰返し単位のモル数を基準として、0.1〜50モル%配合して共重合させることが必要である。
本発明のポリエチレンナフタレート樹脂の製造方法におけるアダマンタン誘導体とは、上記構造式(I’)〜(II’)で示される化合物の群から選ばれる少なくも一種のアダマンタン誘導体である。
上記構造式(I’)〜(II’)中の、R11からR14は、それぞれ水素、ハロゲン基または炭素数1〜10の炭化水素基もしくはハロゲン基置換炭化水素基で、互いに同一であっても異なってもよい。これらの中でもR11からR16としては、水素、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロヘキシルメチル基などが好ましく、さらにその中でも水素およびメチル基が好ましく、特に水素が好ましい。また、R21およびR22は、それぞれ水素および炭素数1〜10の炭化水素基で、互いに同一であっても異なってもよい。これらの中でもR21およびR22としては、水素、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロヘキシルメチル基などが好ましく、さらにその中でも水素、メチル基、エチル基、n-プロピル基が好ましく、特に水素およびメチル基が好ましい。
具体的な上記構造式(I’)で示される化合物としては、下記構造式(I’-1)〜(I’-6)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2007063315
また、具体的な上記構造式(II’)で示される化合物としては、下記構造式(II’-1)〜(II’-6)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2007063315
アダマンタン誘導体の配合する量が下限未満であると、耐デラミ性の向上効果が得られにくく、また、アダマンタン誘導体の割合が上限を超えると、得られるPEN樹脂の融点が低下したり、重合反応速度が低下して生産性が損なわれる。好ましいアダマンタン誘導体の配合する量は、0.3〜40モル%、さらに0.5〜30モル%、よりさらに0.7〜15モル%、特に1〜10モル%の範囲である。
好ましいアダマンタン誘導体の添加時期は、アダマンタン誘導体の反応を十分に進めやすいことから、エステル化またはエステル交換反応初期から重縮合反応反応より終了までの任意の段階で添加することであり、特に好ましくは、重縮合反応の初期反応以前、具体的には目的とするIVの40%に到達する以前の段階で添加することが好ましい。
このように、反応中にアダマンタン誘導体を配合して共重合させることで、本発明のPEN樹脂を製造することができる。
なお、上記以外の製造方法の条件については特に制限されず、それ自体公知のエステル交換法や直接エステル化法などを経由する溶融重合法を採用できる。また、その際に用いるエステル交換触媒、エステル化触媒、エーテル化防止剤、また重合に用いる重合触媒、熱安定剤、光安定剤等の各種安定剤、重合調整剤等も従来既知のものを用いることができる。例えば、エステル交換触媒としては、マンガン、コバルト、亜鉛、チタン、カルシウム等の化合物、またエステル化触媒としては、マンガン、コバルト、亜鉛、チタン、カルシウム等の化合物、またエーテル化防止剤としてはアミン化合物等が好適に例示できる。また、重縮合触媒としてはゲルマニウム、アンチモン、スズ、チタン等の化合物が例示でき、さらにリン酸、亜リン酸、フェニルホスホン酸等の各種リン化合物を熱安定剤として加えることも有効である。その他光安定剤、耐電防止剤、滑剤、酸化防止剤、離型剤等を加えても良い。
このようにして得られた本発明のPEN樹脂は、射出成形品、Tダイ法、共押出法等で得られる無延伸あるいは低倍率の単層シート及び多層シート、それらを延伸したフィルム及び低延伸倍率の深絞り容器、並びに成形後も無延伸の状態であるダイレクトブロー成形及び延伸ブロー成形体として用いることができる。
以下、本発明を実施例を用いて、説明する。なお、本発明のPEN樹脂についての各種性状の測定方法は、以下の通りである。
(1)固有粘度(IV)
フェノール/トリクロロエタン=6/4(重量比)を溶媒に用いて35℃恒温下オストワルト型粘度計を用いて測定する。
(2)溶融粘度
測定装置は、島津製作所製フローテスターCF−500を用い、 測定温度300℃、予熱時間:1分、ノズル径:1mm、ノズル長:10mmで測定し、回帰式より剪断速度1000(1/秒)における剪断速度を求める。
(3)ガラス転移温度、降温時結晶化発熱ピーク
ポリマーのガラス転移温度(Tg)はテキサスインスツルメント製TA−II型を使用し、試料約10mgをアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス(30ml/分)気流中昇温速度10℃/分で測定する。また降温時結晶化発熱ピーク(以下「ΔHc」という)とは、上記Tgを測定後320℃で1分間保持した後、10℃/分の降温速度で降温した際に現れる発熱ピークの面積から求めた値である。
(4)オリゴマーの測定
樹脂10mgをクロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール(容量比3/2)混液2mlに溶解し、その後クロロホルムを加えて10mlとしてサンプル液とし、キャリアーにクロロホルムを用いたGPC(カラムは東ソー製TSKgel-G2000H87.5mmID×60cmを使用)により、検量線法にて1〜5量体それぞれを定量した。
(5)シートの作製
得られたPEN樹脂を、170℃で5時間乾燥した後、溶融温度290℃でスリット状ダイを通してシート状に溶融押出し、回転冷却ドラム上に密着させて固化させ、厚さ約0.8mmのシートを作製した。
(6)透明性
上記(5)で作成したシートの全光線透過率をJIS−K−7105に準じて測定した。測定装置は、日本電色工業社製の測定装置(型式:COH−300A)を使用した。全光線透過率が高いほど、透明性が高いといえる。
(7)耐デラミ性(折目デラミネーション白化率)
上記(5)で作成したシートを125℃で製膜方向および幅方向にそれぞれ3.5倍ずつ延伸し、厚さ75μmの二軸配向フィルムを作成した。この二軸配向フィルムを80×80mmの大きさに切り出し、折目ができるように手で軽く2つに折りながら、平坦な一対の金属板で挟んだ後、プレス機により所定の圧力P1(MPa)で20秒間プレスした。プレス後、プレスを開放し、次いで、2つ折りのフィルムサンプルを手で元の状態に戻し、前記金属板に挟んで圧力P1(MPa)で20秒間プレスした。その後、フィルムサンプルを取り出し、折目にあらわれた白化部分の長さ(mm)を顕微鏡で測定する。それぞれ新しいフィルムサンプルを使用し、プレス圧P1=0.1,0.3,0.5(MPa)について測定を繰り返す。各プレス圧における白化部分の長さ(mm)の合計の平均値が折目の全長(80mm)に占める割合をもって折目デラミネーション白化率とし、この値をフィルムのデラミネ−ション(層間剥離)の起こり易さを示す指標として使用する。この折目デラミネーション白化率の値が30%未満を良好とし、30%以上を不良とする。
(8)アダマンタン誘導体の測定
試料をヘキサフルオロイソプロパノール:重水素化クロロホルム(1:3)混合溶媒に溶解し、日本電子製NMR JEOL A-600を用いてグリコールに隣接するアダマンタン誘導体を定量した。
[実施例1]
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル(以下NDCMという)95モル(24.4kg)、エチレングリコール(以下、EGという)180モル(11.2kg)およびNDCM100モルに対し0.03モルの酢酸マンガン四水和物とを、窒素雰囲気下で240℃まで昇温してエステル交換反応を行った。メタノールの留出量が理論量に対して90%以上に達した後、NDCM100モルに対し、酸化アンチモン(III)0.02モル、トリメチルホスフェート(以下、「TMP」という)0.04モルおよび前述の構造式(I’−1)のアダマンタン誘導体を5モルを添加し、260℃で30分間保持した。その後、昇温と減圧を徐々に行い、最終的に300℃、0.1kPa以下で重合を行い、固有粘度(IV)0.63の共重合PEN樹脂を得た。
得られた共重合PEN樹脂とそれを用いたシートの特性を表1に示す。
[実施例2〜5]
アダマンタン誘導体の種類と割合およびナフタレンジカルボン酸の割合とを表1に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた共重合PEN樹脂とシートの特性を表1に示す。
[比較例1]
アダマンタン誘導体を用いなかった以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。得られたPEN樹脂組成物とシートの特性を表1に示す。
[比較例2]
アダマンタン誘導体の種類と割合およびナフタレンジカルボン酸をテレフタル酸成分に変更した以外は、実施例1と同様な操作を繰り返したが、重縮合反応が進まず、適当な成形品を得ることができなかった。
[比較例3]
酸成分をナフタレンジカルボン酸成分90モル%とイソフタル酸成分10モル%に変更した以外は、比較例1と同様な操作を繰り返した。得られたPEN樹脂組成物とシートの特性を表1に示す。
Figure 2007063315
表1中の、ジカルボン酸成分のモル%は、ジカルボン酸成分のモル数を基準とし、アダマンタン誘導体のモル%は、繰返し単位のモル数を基準とし、オリゴマー量は、樹脂の繰返し単位の1〜5量体の合計量を表す。
本発明のPEN樹脂は、ガラス転移温度が高く、熱寸法安定性に優れ、さらに優れた透明性をも兼備させることできることから、耐熱性と透明性などが要求される繊維、フィルムおよび樹脂成形品等に好適に利用できる。特に、自動車用部品、電子部品、電照板、ディスプレイ表示画面板等、また光ディスク基板、プラスチックファイバー、プラスチックレンズ等の光学用成形品などに好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 下記構造式(I)および(II)で示される群から選ばれる少なくとも1種のアダマンタン誘導体が、繰り返し単位のモル数を基準として、0.1〜50モル%共重合されていることを特徴とするポリエチレンナフタレート樹脂。
    Figure 2007063315
    (上記構造式中の、R11からR14は、それぞれ水素、ハロゲン基または炭素数1〜10の炭化水素基もしくはハロゲン基置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 該樹脂の繰り返し単位からなる1〜5量体の割合が、樹脂の重量を基準として、0.4〜1.0重量%の範囲にある請求項1記載のポリエチレンナフタレート樹脂。
  3. 固有粘度(IV)が0.4〜1.2dl/gの範囲にある請求項1記載のポリエチレンナフタレート樹脂。
  4. 測定温度300℃、剪断速度1000s−1で測定した溶融粘度が、400〜4000Pa・sの範囲にある請求項1記載のポリエチレンナフタレート樹脂。
  5. 示差走査型熱量計で測定される降温時結晶化発熱ピークの熱量が3J/g以下である請求項1記載のポリエチレンナフタレート樹脂。
  6. ナフタレンジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールとを直接エステル化反応もしくはエステル交換反応させ、引き続いて重縮合反応させてポリエチレンナフタレート樹脂を製造する際に、
    重縮合反応が終了する以前の任意の段階で、下記構造式(I')および(II')で示される化合物の群から選ばれる少なくとも1種のアダマンタン誘導体を、繰返し単位のモル数を基準として、0.1〜50モル%添加して共重合させることを特徴とするポリエチレンナフタレート樹脂の製造方法。
    Figure 2007063315
    (上記構造式中の、R11からR14は、それぞれ水素、ハロゲン基または炭素数1〜10の炭化水素基もしくはハロゲン基置換炭化水素基であり、R21およびR22は、それぞれ水素または炭素数が1〜10の範囲にあるアルキル基を表し、互いに同一であっても、異なっていてもよい。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011058126A (ja) * 2009-09-10 2011-03-24 Teijin Fibers Ltd 樹脂ホース補強用繊維及びそれを用いてなる樹脂ホース

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