JP2007061685A - マイクロ反応用チップ及びそれを用いた反応方法 - Google Patents

マイクロ反応用チップ及びそれを用いた反応方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 マイクロ反応用チップの流路内において2以上の原料流体に効率よく反応をさせるようにする。
【解決手段】 マイクロ反応用チップを、基板1と、基板1に形成された主流路3と、基板1に形成されその下流端部を主流路3の上流端部6Bに接続された少なくとも2つの導入流路4,5とを備えて構成し、導入流路4,5の下流端部6Aにおける流れ方向と主流路3の上流端部6Bにおける流れ方向との角度差の絶対値をそれぞれ20°以下にする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロ反応用チップ及びそれを用いた反応方法に関する。
従来、有機化学反応などにおいては、試験管やビーカー等の大容量の容器に所定の試料を収容し、この容器内で特定の条件下に試料を混合し、有機化学反応を行なわせていた。しかし、近年では、試薬の少量化などを目的として、マイクロリアクタ等の微小な反応流路を用いて化学反応を行なわせる技術が提案されている(特許文献1参照)。
上記のように微小な反応流路を用いて化学反応を行なう場合、マイクロチップに微小な流路を形成し、その流路内で試料を混合して化学反応を行なわせることがある(特許文献2参照)。この場合に用いられるマイクロチップは、通常、厚さ数mm程度の薄い基板に流路が形成されたものであるため、除熱に優れ、温度制御が容易であるという利点がある。また、使用する試料や反応媒の量も、大容量の容器を用いて反応を行なう場合に比べれば少量ですむ場合が多い。
特開2002−273206号公報 特開2002−1102号公報
ところが、微小な流路内においては、試料同士が良好に混合せず、反応が効率的に進行しにくい場合がある。
例えば、流路を用いた反応を行なう場合には反応に用いる試料は気体や液体などの原料流体として流路内を流通させられるが、通常、流路の形状や原料流体の物性などによっては、容器を用いた反応の際に行なわれるように攪拌や乱流による混合が生じ難く、これにより原料流体同士が接触する部分が小さくなり、反応の効率が上がらない場合がある。
また、例えば、原料流体として気体と液体とを流路に流して反応を行なわせる場合、気体の試料と液体の試料とは流路内で相分離し、流路内の流体には液体部分と気泡部分とが交互に形成されて、混合が良好に混合しないことが多い。また、同様のことは、原料流体として親水性の液体と疎水性の液体とを流路内に流して反応を行なわせる場合にも生じうる。
さらに、原料流体の種類が流路内に乱流を生じさせて混合を行なうことが可能であるものである場合でも、原料流体や反応等の種類によっては流路内で乱流を生じさせることが好ましくない場合もある。
そこで、従来とは異なる態様において、流路内における原料流体間の反応を効率よく行なうことができる技術の開発が望まれていた。
本発明は上記の課題に鑑みて創案されたもので、流路内において2以上の原料流体に反応をさせる場合に、その反応を効率よく行なわせることができるようにしたマイクロ反応用チップ及びそれを用いた反応方法を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意検討した結果、原料流体を流路内に導入するための導入流路を漸近して合流させ、合流後の原料流体に流路内において並行流を形成させることにより効率のよい反応を実現できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、基板と、該基板に形成された主流路と、該基板に形成され、その下流端部を該主流路の上流端部に接続された少なくとも2つの導入流路とを備えたマイクロ反応用チップであって、該導入流路の下流端部における流れ方向と該該主流路の上流端部における流れ方向との角度差の絶対値がそれぞれ20°以下であることを特徴とする、マイクロ反応用チップに存する(請求項1)。このマイクロ反応用チップを用いることにより、導入流路からそれぞれ導入した原料流体に主流路内で並行流を形成させることができ、これにより、原料流体同士の反応を効率よく行なわせることが可能となる。
このとき、該導入流路は面対称に形成されていることが好ましい(請求項2)。
また、該導入流路は、弧状に形成されていることが好ましい(請求項3)。
さらに、該主流路の幅は500μm以下、深さは300μm以下であることが好ましい(請求項4)。
また、該導入流路それぞれの、幅は500μm以下、深さは300μm以下であることが好ましい(請求項5)。
さらに、本発明の別の要旨は、上記のマイクロ反応用チップを用いて少なくとも2種の原料流体を接触させて反応を行なう反応方法であって、上記導入流路からそれぞれ原料流体を上記主流路に導入し、上記主流路の少なくとも一部で上記原料流体に並行流を形成させて上記反応を行なわせることを特徴とする、反応方法に存する(請求項6)。これにより、原料流体間の反応を効率よく行なわせることが可能となる。
また、本発明の更に別の要旨は、上記のマイクロ反応用チップを用い、上記導入流路の少なくとも一つからアンモニア気体を上記主流路に導入すると共に、他の上記導入流路の少なくとも一つから下記式(1)で表わされる化合物を含む溶液を上記主流路に導入して、上記主流路の少なくとも一部で上記のアンモニア気体と溶液とに並行流を形成させて、アンモニアと下記式(1)で表わされる化合物との反応を行なわせることを特徴とする、反応方法に存する(請求項7)。これにより、下記式(1)で表わされる化合物とアンモニアとの反応を効率よく行なわせることが可能となる。
Figure 2007061685
{上記式(1)において、Tsはトシル基(パラトルエンスルホニル基)を表わす。}
本発明のマイクロ反応用チップ及びそれを用いた反応方法によれば、流路内において2以上の原料流体に反応をさせる場合に、その反応を効率よく行なわせることができる。
以下、本発明の一実施形態を示して本発明について説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
図1〜図8は本発明の一実施形態について示すもので、図1はマイクロ反応用チップの模式的な上面図であり、図2はマイクロ反応用チップの模式的な斜視図、図3は導入流路と主流路とが接続された部分の近傍を拡大して模式的に示す要部拡大図、図4は主流路を流れ方向に垂直な面で切った断面を模式的に示す断面図、図5(a)〜(c)は導入流路が主流路に接続された合流部近傍を拡大して模式的に示す上面図、図6は導入流路の流れ方向に直交する断面を模式的に示す断面図、図7はマイクロ反応用チップを用いた反応に用いる反応装置の要部構成を模式的に示す図、図8チップホルダについて模式的に示す分解斜視図である。
図1、図2に示すように、本実施形態のマイクロ反応用チップ(以下適宜、「反応用チップ」という)は、基板1に流路2が形成されたものである。また、流路2は、反応を行なうための主流路3と、主流路3に原料流体を導入するための少なくとも2つの導入流路4,5とから形成されている。
[1.基板]
基板1は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意の素材で形成することができる。例えば、ガラス等の無機材料や、合成樹脂等の有機材料で形成することができる。
また、基板1の形状も本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常は、平板形状に形成される。
さらに、基板1の寸法についても制限は無く、目的に応じて任意に設定することができる。ただし、基板1内の流路2を流れる流体の温度を精密に制御する観点、及び、流路2内で生じうる反応熱、混合熱、溶解熱等の発熱を除熱する観点からは、基板1は上記温度制御及び除熱を適切に行なえる程度の寸法で形成されることが好ましい。具体例を挙げると、基板1を平板形状に形成する場合には、その寸法は、縦70mm×横30mm×厚み1.4mmの寸法に形成することができる。
本実施形態においては、基板1として、上記寸法で平板形状に形成された透明なガラス製の基板を用いているものとする。
また、基板1に流路2を形成する手法に制限は無く、公知の任意の方法により形成することができる。例えば一体に形成した基板1内に流路2を形成することも可能であるが、本実施形態では、流路2を凹部として形成した下板11に、流路2に蓋をするための上板12を接着することにより基板1内に流路2を形成しているものとする。即ち、基板1は下板11と上板12とにより形成され、下板11と上板12との接着面に沿って流路2が形成されているのである。なお、流路2を形成する際の具体的な流路形成方法も任意であるが、例えば、フォトレジスト、ウェットエッチング、ドライエッチング、射出成形、レーザー加工、ビーム加工などを任意に用いて形成することができる。
[2.流路]
流路2は、基板1の内部に形成されたもので、上記の通り、主流路3と導入流路4,5とを備えている。
[2−1.主流路]
主流路3は、目的とする反応を行なわせる場所である。この主流路3には、導入流路4,5から原料流体が導入され、主流路3内を原料流体が流通し、その流通している間に目的とする反応が生じるようになっている。
また、主流路3の下流端部には、主流路3から反応後の原料流体を外部に送出する送出口31が形成されている。送出口31の構成も任意であるが、ここでは、主流路3の下流端と基板1の外部とを連通する送出口31が上板12に形成され、これにより、送出口31は基板1の上面に開口するようになっている。この構成により、反応後の原料流体(以下適宜、「生成流体」という)は送出口31から反応用チップの外部に送出されるようになっているものとする。
さらに、主流路3の流路形状は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、本実施形態の反応用チップにおいては、主流路3内で流通する原料流体にそれぞれ並行流を形成させることができる点を利点の一つとしている。したがって、主流路3の並行流を形成させる部分(最も上流の直線状部32参照)は、主流路3内の原料流体の流れを妨げない流路形状にすることが好ましい。具体的には、直線状や、上記並行流を保つことができる程度に緩やかに曲がる曲線状に形成されていることが好ましい。
ここで並行流とは、図3に示すように、導入流路4,5から流入した原料流体がそれぞれ主流路3の流れ方向に沿って並列に流れる流れのことを指す。この並行流を形成させること、更には、この並行流をより長く形成させることにより、本実施形態の反応用チップは主流路3内において反応を効率的に行なわせることが可能となっている。したがって、反応をより効率的に行なわせる観点からは、主流路3の並行流を形成させる部分をできるだけ長く形成することが好ましい。
具体的には、通常、並行流を形成させる部分は主流路3の上流部分、即ち、導入流路4,5から原料流体が流入してくる合流部6の直後に形成されるため、この上流部分の形状を上記のような直線状や緩やかな曲線状に形成することが好ましい。なお、図3において、導入流路4から流入する原料流体と導入流路5から流入する原料流体とは異なる間隔で斜線を付して示す。また、合流部6は導入流路4,5と主流路3とが接続された部分である。さらに、導入流路4,5の下流端部6A、及び、主流路3の上流端部6Bは、それぞれ合流部6と同様の部位を指す。
本実施形態においては、主流路3では、図1に示すように、直線状に形成された直線状部32と、U字型に形成され、反対方向に流れ方向を変化させるU字型部33とが交互に基板1の上面と平行に繰り返し形成されている。さらに、主流路3は直線状部32とU字型部33とを組み合わせて基板1を長手方向に複数回往復するようになっていて、これにより、基板1の面を有効に活用できるようになっている。また、導入流路4,5から原料流体が流入してくる部分の直後は直線状部32として形成されているものとする。このため、並行流は、導入流路4,5の直後の直線状部32(即ち、最も上流の直線状部32)に形成されるようになっている。
さらに、主流路3の長さ(全長)も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、主流路3の全長は、目的とする反応を十分に行なうことができる程度に長く形成することが好ましい。即ち、主流路3を原料流体が流れ始めてから流れ終わるまでの時間で目的とする反応を十分に行なうことができるよう程度に主流路3の全長を設定することが好ましい。主流路3の具体的な長さは目的とする反応の種類によるが、通常は、0.2m以上2m以下に形成する。
図4に、主流路3の流れ方向に直交する断面を模式的に示す。主流路3の流れ方向に直交する断面の形状も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。
ただし、本実施形態の反応用チップにおいては、主流路3の底面には、幅方向中央部に流れ方向に沿ってガイド条34が形成されている。このガイド条34は、主流路3の底面が流れ方向に沿って連続して凸に形成されたもので、これにより、並行流をより確実に形成させることができるようになっている。つまり、このガイド条34を境にして導入流路4から流入した原料流体と導入流路5から流入した原料流体とが並行流を形成しやすくなるようになっているのである。なお、ガイド条34の寸法は任意であるが、通常は、10μm以上40μm以下の高さに形成する。
さらに、主流路3の流れ方向に直交する断面の寸法も、本発明の効果を損なわない限り任意である。
具体的な範囲を挙げると、主流路3の幅は、通常40μm以上、好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上、また、通常500μm以下、好ましくは400μm以下、より好ましくは300μm以下とすることが望ましい。上記範囲の下限を下回ると流体圧力が高くなりすぎる虞があり、上限を上回ると原料流体の拡散方向の距離が大きくなるために混合が速やかに行なわれなくなる虞がある。なお、ここで主流路3の幅とは、主流路3の流れ方向に直交する断面の幅が最大となる部分の幅のことを指す。
さらに、主流路3の深さは、通常20μm以上、好ましくは40μm以上、より好ましくは60μm以上、また、通常300μm以下、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下とすることが望ましい。上記範囲の下限を下回ると接触界面の面積を十分に大きくすることができなくなる虞があり、上限を上回ると安定な並行流を形成できなくなる虞がある。なお、ここで主流路3の深さとは、主流路3の流れ方向に直交する断面の深さが最大となる部分の深さのことを指す。
[2−2.導入流路]
導入流路4,5は原料流体を主流路3に導入するための流路部分である。導入流路4,5は、それぞれ、上流端部に送出口31と同様に基板1の上面に開口した導入口41,51を備えていて、これらの導入口41,51から導入流路4,5内に対応する原料流体を導入できるようになっている。
さらに、導入流路4,5と主流路3とは合流部6で接続されている。即ち、導入流路4,5は、それぞれ、その下流端部6Aを主流路3の上流端部6Bに接続されている。これにより、導入流路4,5に導入された原料流体は、主流路3に流入し、主流路3内で反応を行なえるようになっているのである。
さて、本実施形態においては、導入流路4,5の下流端部6Aにおける流れ方向と、主流部3の上流端部6Bにおける流れ方向との角度差の絶対値が、それぞれ通常20°以下、好ましくは15°以下、より好ましくは10°以下、更に好ましくは5°以下、最も好ましくは0°であることが望ましい。これにより、主流路3に対して導入流路4,5から原料流体が円滑に流入することができるようになるため、主流路3内に並行流を形成することが可能となるのである。したがって、このように導入流路4,5の下流端部6Aにおける流れ方向と主流路3の上流端部6Bにおける流れ方向との角度差が上記範囲内になるように形成されている場合、上記合流部6はいわば並行流形成部として機能するようになっている。
ここで、主流路3及び導入流路4,5を含め、流路2の流路形状が直線状である部分については、流路2の当該部分における流れ方向はその直線形状が延在する向きと同じになる。また、流路2の流路形状が曲線形状である部分については、流路2の当該部分における流れ方向は、当該曲線形状の接線の方向となる。さらに、ここでいう流路2の接線方向とは、流路2の幅方向中央部を結ぶ線が形成する曲線の接線方向をいうが、流路2の幅が十分に狭い場合、例えば、流路幅が500μm以下の場合には、当該流路2自体を曲線とみなしても良い。
図5(a)〜(c)は合流部6近傍を拡大して模式的に示す上面図である。図5(a)に示すように、本実施形態においては、導入流路4,5の下流端部6Aにおける流れ方向と、主流部3の上流端部6Bにおける流れ方向との角度差の絶対値は、0°になっている。
即ち、図5(b)に一点鎖線で示すように、導入流路4の下流端部6Aにおける流れ方向は、導入流路4の下流端部6Aにおける接線4Aの方向(接線方向)と同様となる。また、図5(c)に一点鎖線で示すように、導入流路5の下流端部6Aにおける流れ方向は、導入流路4の下流端部6Aにおける接線5Aの方向(接線方向)と同様になる。さらに、主流路3の最も上流部分は直線形状に形成された直線状部32として形成されているため、主流路3の上流端部6Bにおける流れ方向は当該主流路3の直線形状が延在する方向と同じになる。ここにおいて、本実施形態では、上記の接線4Aの方向、及び、接線5Aの方向と、主流路3の直線形状が延在する方向との角度差の絶対値がそれぞれ0°になっているのである。なお、図5(b)においては導入流路5及び主流路3は破線で示し、また、図5(c)においては導入流路4及び主流路3は破線で示してある。
さらに、導入流路4,5の流路形状は、主流路3の少なくとも一部(通常は上流部)において原料流体に並行流を形成させることができれば任意である。例えば、直線状、弧状などが挙げられるが、通常は弧状とすることが好ましく、中でも、円弧状とすることがより好ましい。これにより、導入流路4,5から主流路3に原料流体をより円滑に流入させることができるようになるため、並行流をより確実に形成させることができるようになる。なお、本実施形態においては、導入流路4,5はそれぞれ円弧状の流路部として形成されているものとする。
また、導入流路4,5は、面対称に形成することが好ましい。この際、当該対称面上に上記合流部6が位置するようにする。これにより、対になった導入流路4,5それぞれから流入する原料流体を、流れの速度や向きなどの条件をより近づけた状態で主流路3に流入させることができるようになるため、並行流をさらに確実に形成させることができるようになる。なお、導入流路4,5が奇数本形成されている場合には、当該対称面上に位置するように導入流路4,5のうちの1本を形成するようにすれば良い。
本実施形態においては、導入流路4,5は面対称に形成されていて、その対称面上に合流部6並びに主流路3の最も上流の直線状部32が位置するようになっているものとする。
さらに、導入流路4,5の数は2以上であれば任意であり、偶数本であっても奇数本であっても良い。ただし、通常は2本形成するようにする。
また、導入流路4,5の長さ(全長)も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、主流路3の長さを十分に確保する観点からは、導入流路4,5の長さはより短く形成することが好ましい。
図6に、導入流路4,5の流れ方向に直交する断面を模式的に示す。導入流路4,5の流れ方向に直交する断面の形状及び寸法も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、本実施形態では、導入流路4,5の上記断面の形状は、底部を弧状に形成された半月形状であるとする。
また、導入流路4,5の幅は、通常40μm以上、好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上、また、通常500μm以下、好ましくは400μm以下、より好ましくは300μm以下とすることが望ましい。上記範囲の下限を下回ると流体圧力が高くなりすぎる虞があり、上限を上回ると安定な並行流が形成できない虞がある。なお、ここで導入流路4,5の幅とは、導入流路4,5の流れ方向に直交する断面の幅が最大となる部分の幅のことを指す。
さらに、導入流路4,5の深さは、通常20μm以上、好ましくは40μm以上、より好ましくは60μm以上、また、通常300μm以下、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下とすることが望ましい。上記範囲の下限を下回ると流体圧力が高くなりすぎる虞があり、上限を上回ると安定な並行流が形成できない虞がある。なお、ここで導入流路4,5の深さとは、導入流路4,5の流れ方向に直交する断面の深さが最大となる部分の深さのことを指す。
[使用方法]
本実施形態の反応用チップを用いて反応を行なう場合には、導入流路4,5からそれぞれ原料流体を主流路3に導入し、主流路3の少なくとも一部、具体的には最も上流の直線状部32で原料流体に並行流を形成させて反応を行なわせるようにする。
図7は、この反応を行なわせる際に用いる反応装置100の一例について、その要部構成を模式的に示す図である。ただし、本実施形態の反応チップ1を用いて反応を行なうための反応装置としては、図7に示す反応装置100に限定されず、マイクロチップを用いた公知の各構成の反応装置を用いることができる。
反応装置100は、チップホルダ101と、原料流体の供給源である原料流体供給器102,103と、反応後の流体を溜めておくサンプル瓶104と、温度コントローラ105とを備えている。
チップホルダ101は、上記反応用チップを装着するためのものであり、下部ホルダ106と上部ホルダ107とから構成されている。そして、図8に示すように、反応用チップを下部ホルダ106と上部ホルダ107との間に介装することで、チップホルダ101に反応用チップを保持できるようになっている。なお、図8は、チップホルダ101について模式的に示す分解斜視図である。なお、図8において温度コントローラ105に接続された配線の図示は省略している。
さらに、下部ホルダ106及び上部ホルダ107にはそれぞれ温度コントローラ105の制御にしたがって温度の調整が可能な温度制御素子(図示省略)が形成されていて、この温度制御素子の温度を制御することで、反応用チップの流路2内の温度を調整することができるようになっている。
また、上部ホルダ107には、原料流体供給器102,103からの原料流体をそれぞれ反応用チップの導入口41,51に案内するための案内流路(図示省略)が形成されている。さらに、上部ホルダ107には、反応用チップの送出口31からの生成流体をサンプル瓶104に案内するための案内流路(図示省略)も形成されている。これらの案内流路はチューブやコネクタ等を介してそれぞれ原料流体供給器102,103やサンプル瓶104に接続され、これにより、原料流体供給器102,103からの導入流路4,5への原料流体の供給、並びに、主流路3からサンプル瓶104への反応後の生成流体の送出を行なうことができるようになっている。
さらに、原料流体供給器102,103は、それぞれ導入流路4,5に対応する原料流体を供給するためのものである。本実施形態では、原料流体供給器102,103として、シリンジポンプとマイクロシリンジとを組み合わせたものを用いるが、これ以外の公知の機器を任意に用いるようにしても良い。例えば、原料流体として気体を用いる場合、ガスボンベ及びフローコントローラを組み合わせて原料流体供給器102′を構成することもできる(図9参照)。
また、サンプル瓶104は、反応用チップの流路2内で反応した生成流体を溜めておくための容器である。
さらに、温度コントローラ105は、反応用チップ内の流路2の温度を調整して、主流路3内で生じる原料流体間の反応の反応温度を制御したり、上記反応等により生じる発熱を除熱したりするためのものである。具体的には、チップホルダ101内の上記の温度制御素子(図示省略)の温度を制御して、流路2内の温度を調整できるようになっている。
このような反応装置100を用いて原料流体同士を接触させて反応を行なわせる際には、まず、チップホルダ101に反応用チップを装着する。そして、温度コントローラ105で流路2内の温度を反応に適した温度に制御しながら、原料流体供給器102,103から導入流路4,5に原料流体を供給する。
この際、各導入流路4,5に導入する原料流体の供給速度は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、主流路3を流れ終わるまでの間に目的とする反応を十分に進行させることができる程度に設定することが好ましい。
例えば原料流体として液体のものを供給する場合、その具体的な供給速度は反応や原料流体の種類、反応条件などに応じて適切に設定すれば良いが、通常0.1μL/分以上、好ましくは1.0μL/分以上、また、通常200μL/分以下、好ましくは100μL/分以下とすることが望ましい。上記範囲の下限を下回ると市販のシリンジポンプで流速精度を確保できなくなる虞があり、上限を上回ると流体圧力が高くなりすぎる虞がある。
さらに、例えば原料流体として気体のものを供給する場合、その具体的な供給速度は反応や原料流体の種類、反応条件などに応じて適切に設定すれば良いが、導入口41,51における圧力を、通常0.01MPa以上、好ましくは0.05MPa以上、また、通常3MPa以下、好ましくは1.0MPa以下とすることが望ましい。上記範囲の下限を下回ると逆流する虞があり、上限を上回るとガラスチップの耐圧を超える虞がある。
また、各導入流路4,5に導入する原料流体の供給速度は、主流路3内において並行流を形成することができる程度に等しく設定することが好ましい。
例えば、原料流体として液体のみを用いる場合、各導入流路4,5を流れる原料流体の体積を基準とした流入速度の差が、通常50%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下とすることが望ましい。さらに、最も好ましくは、各原料流体の上記流入速度は等しくなることが望ましい。
さらに、例えば原料流体として気体と液体とを用いる場合、両者の流速を等線速とすることが望ましい。
さて、原料流体供給器102,103から供給された原料流体は、それぞれ導入口41,51から導入流路4,5に流入し、その後、主流路3に流入することになる。この際、本実施形態の反応用チップでは主流路3に流入した原料流体は並列流を形成するようになっているため、主流路3内の最初の直線状部32において並列流が形成される。
並行流が形成されると、当該並行流を形成する原料流体の層の間には接触界面が形成される。
反応に用いる原料流体が互いに混合しあうものである場合、原料流体は上記の接触界面を介して流路の幅方向に拡散し、これにより原料流体の混合が行なわれることになる。したがって、上記の接触界面の面積を従来よりも大きくすることにより、原料流体は拡散しやすくなり、この結果、原料流体の速やかな混合が実現する。また、本実施形態の反応用チップでは主流路3の流路幅が小さいため、幅方向の拡散に要する時間が短くてすむことも、原料流体の速やかな混合が実現できる要因の一つである。
このように原料流体の混合が速やかに行なわれために、並行流を形成させて反応を行なわせる場合には、原料流体間の反応が効率的に行なわれるようになる。本実施形態の反応用チップにおいては、通常は、原料流体は最初の直線状部32を流通し終える前に十分に混合し、これに伴い最初のU字型部33までに並列流は消え、十分混合した状態の原料流体が主流路3の残りの部分を流通し、その間に目的とする反応が十分に進行する。
一方、反応に用いる原料流体が互いに混合せず相分離する場合には、原料流体同士は上記の接触界面において反応を生じることになる。したがって、上記の接触界面の面積を大きくすることにより、原料流体間の反応が効率的に行なわれるようになる。また、原料流体が最初のU字型部33にまで流れてくると、通常は、そのU字型部33で並行流が壊れる。しかし、上流の直線状部32で原料流体の反応が進行して原料流体のうちの相分離する成分の量が減るため、主流路3の残りの部分に流れる原料流体中には従来よりも小さい気泡や液胞が分散した状態で流れることになる。したがって、従来のように並行流を形成せずに主流路3内に原料流体を流した場合よりも原料流体間に形成される接触界面の面積は大きくなり、したがって、反応の効率も上昇することになる。その結果、主流路3の残りの部分を流通する間に、目的とする反応を十分に進行させることが可能となる。
主流路3内で反応した原料流体(以下適宜、「生成流体」という)は、送出口31からサンプル瓶104に送出され、サンプル瓶104内に溜められる。
以上のようにして、反応チップ1の主流路3内で目的とする反応を効率よく行なわせ、サンプル瓶104内に目的とする生成流体を得ることができる。
また、本実施形態の反応用チップは薄いマイクロチップとして形成されているので、温度コントローラ105による精密な温度の制御が容易となる。さらに、反応用チップの厚さが薄いことにより、反応熱、混合熱、溶解熱などの発熱により温度上昇が生じる反応においても除熱が容易であり、精密に温度制御を行なうことが可能となる。
また、有毒なガスが発生するような反応を行なう際には、従来のように大容量の容器を用いてバッチ操作で反応を行なっていた場合には連続的に原料流体等の試薬を反応容器に供給することができなかった。しかし、上記のような有毒ガスの発生を伴う反応の際においては、本実施形態の反応用チップによれば、非常に微細な流路を用いて反応を行なうので有毒なガスが急激に発生することを抑制することができ、また、連続的な流れの中で反応を行なうので連続的に試薬の供給を行なうことも可能となる。
さらに、反応を行なわせる際に従来のように攪拌等をする必要が無く、したがって、反応装置の小型化を図ることができ、また、反応用チップ内の流路2に原料流体を流通させるだけで目的とする反応を行なわせることが可能であるため、操作を簡単に行なうことができるようになる。
なお、装置の小型化に伴い生産速度は通常は従来の大容量容器を用いた方法よりも低下することが多いが、本実施形態の反応用チップを用いれば高効率で連続して反応を行なうことが可能であるために、目的生成物の生産性を高く維持することが可能である。
[反応]
ところで、上記の本実施形態の反応用チップによる反応に用いる原料流体に制限は無く、公知の任意の流体を用いることができる。また、目的とする反応は、原料流体同士を接触させて生じうる反応であれば、任意の方向を行なうことができる。
中でも、並行流を利用して反応の効率を高めるという本発明の利点の一つを活用する観点からは、上記反応用チップは、例えば、親水性の溶液と疎水性の溶液とを原料流体として用いる反応や、液体と気体とを原料流体として用いる反応など、原料流体同士が相分離して並行流を形成しやすい反応に用いて好適である。
好適な反応の例を挙げると、本実施形態の反応用チップは、下記反応式で表される制癌剤ラニムスチンの合成反応の少なくとも一反応工程に用いることが好ましい。
Figure 2007061685
即ち、上記の制癌剤ラニムスチンの合成反応では、α−メチルグルコシド{以下適宜、「化合物(0)」という}をp−トルエンスルホニルクロリド(以下適宜、「TsCl」という)と反応させることによりトシル化してα−メチルグルコシドのトシル体{以下適宜、「化合物(1)」という。また、「Ts」はトシル基(パラトルエンスルホニル基)を表わす}を合成し、この化合物(1)をアンモニアと反応させることでアミノ化してα−メチルグルコシドの1位アミノ体{以下適宜、「化合物(2)」という}を生成させる。一方、o−ニトロフェノール{以下適宜、「化合物(3)」という}に2−エチルクロロイソシアネートを反応させてo−ニトロフェノールのカルバメート体{以下適宜、「化合物(4)」という}を合成し、この化合物(4)に亜硝酸ナトリウムを反応させることでニトロソ化してo−ニトロフェノールのニトロソカルバメート体{以下適宜、「化合物(5)」という}を生成させる。最後に、化合物(2)と化合物(5)とを反応させ、目的化合物(6)、即ち、制癌剤ラニムスチンを合成する。
上記の合成反応における反応工程のうちの少なくとも一つの反応工程を、上記反応用チップを用いて行なうようにすることが好ましい。以下、反応工程毎に説明する。
[1.化合物(0)からの化合物(1)の合成]
化合物(0)から化合物(1)を合成する反応工程を上記反応用チップを用いて行なう場合においては、通常、原料流体として、化合物(0)の溶液とTsClの溶液とを用いる。
化合物(0)を溶解させる溶媒に制限は無く、上記反応を進行させることができる限り任意の溶媒を用いることができるが、例えば、ピリジン、トリエチルアミンなどを用いることができる。なお、溶媒は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、溶液中における化合物(0)の濃度も上記反応を進行させることができる限り任意であるが、通常100g/L以上、好ましくは200g/L以上、より好ましくは300g/L以上、また、通常1000g/L以下、好ましくは700g/L以下、より好ましくは500g/L以下である。上記範囲の下限を下回ると溶媒中の水分の影響を受ける虞があり、上限を上回ると化合物(0)の溶解が不十分となる虞がある。
一方、TsClを溶解させる溶媒にも制限は無く、上記反応を進行させることができる限り任意の溶媒を用いることができる。具体例としては、化合物(0)の溶媒として例示したものと同様のものが挙げられる。なお、溶媒は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、溶液中におけるTsClの濃度も上記反応を進行させることができる限り任意であるが、通常100g/L以上、好ましくは200g/L以上、より好ましくは300g/L以上、また、通常2000g/L以下、好ましくは1500g/L以下、より好ましくは1000g/L以下である。上記範囲の下限を下回ると溶媒中の水分の影響を受ける虞があり、上限を上回るとTsClの溶解が不十分となる虞がある。
さらに、この反応を行なう場合の条件も上記反応を進行させることができる限り任意であるが、例えば温度条件については、通常−20℃以上、好ましくは−10℃以上、より好ましくは−5℃以上、また、通常20℃以下、好ましくは15℃以下、より好ましくは5℃以下が望ましい。上記範囲の下限を下回ると溶液が凍結する虞があり、上限を上回るとTsClが分解する虞がある。
化合物(0)からの化合物(1)の合成においては、通常、大きな混合溶解熱が生じる。このため、従来は、混合溶解熱の除熱が律速要因となり、反応を連続的に行なうことは困難であった。しかし、本実施形態の反応用チップを用いて上記反応を行なうようにすれば、流路2が非常に細いために発生する熱量が小さく、また、反応用チップの厚みが小さいために除熱が容易であるため、反応を連続的に行なうことが可能となる。
また、主流路3内で並行流により反応を行なわせることができるため、本実施形態の反応用チップを用いてこの反応を行なう場合、効率よく反応を行なうことができる。具体値を挙げると、化合物(1)の収率は、通常30%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、また、通常60%以下である。
[2.化合物(1)からの化合物(2)の合成]
化合物(1)から化合物(2)を合成する反応工程を上記反応用チップを用いて行なう場合においては、通常、原料流体として、化合物(1)の溶液と気体状のアンモニアとを用いる。
化合物(1)を溶解させる溶媒に制限は無く、上記反応を進行させることができる限り任意の溶媒を用いることができるが、例えば、メタノールなどを用いることができる。なお、溶媒は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、溶液中における化合物(1)の濃度も上記反応を進行させることができる限り任意であるが、通常300g/L以上、好ましくは400g/L以上、より好ましくは500g/L以上、また、通常1800g/L以下、好ましくは1500g/L以下、より好ましくは900g/L以下である。上記範囲の下限を下回ると溶媒中の水分の影響を受ける虞があり、上限を上回ると化合物(1)の溶解が不十分となる虞がある。
さらに、この反応工程においては原料流体としてアンモニアを供給することになるが、アンモニアに他の気体を併用し、他の気体との混合気体として原料流体を供給するようにしてもよい。
併用する気体に特に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、例えば窒素(N2)を用いることができる。なお、併用する気体は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、他の気体を併用する場合、原料流体としての気体全体に占めるアンモニアの濃度も本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常30体積%以上、好ましくは40体積%以上、より好ましくは50体積%以上が望ましい。上記範囲の下限を下回るとアミノ化反応が不十分となる虞がある。また、アンモニアの濃度は濃いほうが好ましく、上限は100体積%である。
さらに、この反応を行なう場合の条件も上記反応を進行させることができる限り任意であるが、例えば温度条件については、通常60℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、また、通常160℃以下、好ましくは140℃以下、より好ましくは120℃以下が望ましい。上記範囲の下限を下回るとアミノ化反応が不十分となる虞があり、上限を上回ると化合物(1)が分解する虞がある。
ただし、化合物(1)からの化合物(2)の合成においては、原料である化合物(1)が分解発熱物質であるので、精密な温度制御が要求される。従来、大容量の容器を用いて反応していたことに比べ、本実施形態の反応用チップを用いて上記反応を行なうようにすれば温度制御が容易であるため、反応を安定して容易に行なうことが可能となる。
また、主流路3内で並行流により反応を行なわせることができるため、本実施形態の反応用チップを用いてこの反応を行なう場合、効率よく反応を行なうことができる。具体値を挙げると、化合物(2)の収率は、通常30%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、また、通常80%以下である。
なお、他の反応工程とは異なり、本反応工程では原料流体として液体と気体とを用いることになる。したがって、原料流体の供給源としては、図7に示すような他の反応工程で用いるシリンジポンプとマイクロシリンジとを組み合わせた原料流体供給器102の代わりに、図9に示すようなガスボンベとマスフローコントローラとを組み合わせた原料流体供給器102′を用いるようにするとよい。マイクロシリンジは液体の供給には適しているが、気体の供給には必ずしも適していないためである。なお、図9において図7と同様の符号で示す部分は図7と同様のものを表わす。
[3.化合物(3)からの化合物(4)の合成]
化合物(3)から化合物(4)を合成する反応工程を上記反応用チップを用いて行なう場合においては、通常、原料流体として、化合物(3)の溶液と2−エチルクロロイソシアネートの溶液とを用いる。
化合物(3)を溶解させる溶媒に制限は無く、上記反応を進行させることができる限り任意の溶媒を用いることができるが、例えば、トルエン、キシレンなどを用いることができる。なお、溶媒は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、溶液中における化合物(3)の濃度も上記反応を進行させることができる限り任意であるが、通常50g/L以上、好ましくは100g/L以上、より好ましくは200g/L以上、また、通常600g/L以下、好ましくは500g/L以下、より好ましくは300g/L以下である。上記範囲の下限を下回ると溶媒中の水分の影響を受ける虞があり、上限を上回ると化合物(3)の溶解が不十分となる虞がある。
一方、2−エチルクロロイソシアネートを溶解させる溶媒にも制限は無く、上記反応を進行させることができる限り任意の溶媒を用いることができる。具体例としては、化合物(3)の溶媒として例示したものと同様のものが挙げられる。なお、溶媒は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、溶液中における2−エチルクロロイソシアネートの濃度も上記反応を進行させることができる限り任意であるが、通常50g/L以上、好ましくは100g/L以上、より好ましくは200g/L以上である。上記範囲の下限を下回ると溶媒中の水分の影響を受ける虞がある。
さらに、この反応を行なう場合の条件も上記反応を進行させることができる限り任意であるが、例えば温度条件については、通常−20℃以上、好ましくは−10℃以上、より好ましくは−5℃以上、また、通常20℃以下、好ましくは10℃以下、より好ましくは5℃以下が望ましい。上記範囲の下限を下回ると溶液が凍結する虞があり、上限を上回ると2−エチルクロロイソシアネートが分解する虞がある。
化合物(3)からの化合物(4)の合成においては、通常、急激な反応熱が生じる。このため、従来は、反応熱の除熱が律速要因となり、反応を連続的に行なうことは困難であった。しかし、本実施形態の反応用チップを用いて上記反応を行なうようにすれば、流路2が非常に細いために発生する熱量が小さく、また、反応用チップの厚みが小さいために除熱が容易であるため、反応を連続的に行なうことが可能となる。
また、主流路3内で並行流により反応を行なわせることができるため、本実施形態の反応用チップを用いてこの反応を行なう場合、効率よく反応を行なうことができる。具体値を挙げると、化合物(4)の収率は、通常60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、また、通常100%以下である。
[4.化合物(4)からの化合物(5)の合成]
化合物(4)から化合物(5)を合成する反応工程を上記反応用チップを用いて行なう場合においては、通常、原料流体として、化合物(4)の溶液と亜硝酸ナトリウムの溶液とを用いる。
化合物(4)を溶解させる溶媒に制限は無く、上記反応を進行させることができる限り任意の溶媒を用いることができるが、例えば、濃硝酸、希硝酸などを用いることができる。なお、溶媒は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、溶液中における化合物(4)の濃度も上記反応を進行させることができる限り任意であるが、通常20g/L以上、好ましくは40g/L以上、より好ましくは80g/L以上、また、通常200g/L以下、好ましくは150g/L以下、より好ましくは100g/L以下である。上記範囲の下限を下回ると溶媒中の不純物(例えば、濃硝酸中の不純物)の影響を受ける虞があり、上限を上回ると化合物(4)の溶解が不十分となる虞がある。
一方、亜硝酸ナトリウムを溶解させる溶媒にも制限は無く、上記反応を進行させることができる限り任意の溶媒を用いることができる。具体例としては、化合物(4)の溶媒として例示したものと同様のものが挙げられる。なお、溶媒は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、溶液中における亜硝酸ナトリウムの濃度も上記反応を進行させることができる限り任意であるが、通常300g/L以上、好ましくは400g/L以上、より好ましくは500g/L以上、また、通常1400g/L以下、好ましくは1000g/L以下、より好ましくは700g/L以下である。上記範囲の下限を下回ると溶媒中の不純物(例えば、濃硝酸中の不純物)の影響を受ける虞があり、上限を上回ると亜硝酸ナトリウムの溶解が不十分となる虞がある。
さらに、この反応を行なう場合の条件も上記反応を進行させることができる限り任意であるが、例えば温度条件については、通常20℃以上、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上、また、通常100℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下が望ましい。上記範囲の下限を下回ると反応速度が低下する虞があり、上限を上回ると生成物の分解を招く虞がある。
化合物(4)からの化合物(5)の合成においては、通常、有毒なガスが発生することが多い。このため、従来のように大容量の容器を用いて反応を行なっていた場合には連続的に原料流体等の試薬を反応容器に供給することができなかった。しかし、本実施形態の反応用チップによれば、非常に微細な流路を用いて反応を行なうので有毒なガスが急激に発生することを抑制することができ、また、連続的な流れの中で反応を行なうので連続的に試薬の供給を行なうことも可能となる。
また、主流路3内で並行流により反応を行なわせることができるため、本実施形態の反応用チップを用いてこの反応を行なう場合、効率よく反応を行なうことができる。具体値を挙げると、化合物(5)の収率は、通常60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、また、通常100%以下である。
[5.化合物(2)及び化合物(5)からの化合物(6)の合成]
化合物(2)及び化合物(5)から化合物(6)を合成する反応工程を上記反応用チップを用いて行なう場合においては、通常、原料流体として、化合物(2)の溶液と化合物(5)の溶液とを用いる。
化合物(2)を溶解させる溶媒に制限は無く、上記反応を進行させることができる限り任意の溶媒を用いることができるが、例えば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどを用いることができる。なお、溶媒は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、溶液中における化合物(2)の濃度も上記反応を進行させることができる限り任意であるが、通常100g/L以上、好ましくは200g/L以上、より好ましくは300g/L以上、また、通常800g/L以下、好ましくは600g/L以下、より好ましくは400g/L以下である。上記範囲の下限を下回ると溶媒中の水分の影響を受ける虞があり、上限を上回ると化合物(2)の溶解が不十分となる虞がある。
一方、化合物(5)を溶解させる溶媒にも制限は無く、上記反応を進行させることができる限り任意の溶媒を用いることができる。具体例としては、メタノール、エタノール等を用いることができる。なお、溶媒は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、溶液中における化合物(5)の濃度も上記反応を進行させることができる限り任意であるが、通常50g/L以上、好ましくは100g/L以上、より好ましくは200g/L以上、また、通常600g/L以下、好ましくは500g/L以下、より好ましくは300g/L以下である。上記範囲の下限を下回ると溶媒中の水分の影響を受ける虞があり、上限を上回ると化合物(5)の溶解が不十分となる虞がある。
さらに、この反応を行なう場合の条件も上記反応を進行させることができる限り任意であるが、例えば温度条件については、通常−20℃以上、好ましくは−10℃以上、より好ましくは−5℃以上、また、通常20℃以下、好ましくは10℃以下、より好ましくは5℃以下が望ましい。上記範囲の下限を下回ると溶液の凍結の虞があり、上限を上回ると生成物である化合物(6)の分解を招く虞がある。
化合物(2)及び化合物(5)からの化合物(6)の合成を本実施形態の反応用チップを用いて行なうようにすることで、主流路3内で並行流により反応を行なわせることができるため、効率よく反応を行なうことができる。したがって、本実施形態の反応用チップを用いれば、化合物(6)、即ち、制癌剤ラニムスチンを高い収率で得ることができる。本実施形態の反応用チップを用いてこの反応を行なう場合、化合物(6)の収率は、通常60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、また、通常100%以下である。
上記の反応工程の中でも、特に、化合物(1)から化合物(2)を生成させる反応は、本実施形態の反応用チップを用いて行なうようにすることが望ましい。従来のバッチ反応では、この反応工程は、アンモニア気体を化合物(1)の溶液に溶解せしめるために拡販羽根等の攪拌動力を使用してアンモニア気体を高分散化した気泡状態にし、溶液中の化合物(1)と反応させていた。しかし、本実施形態の反応用チップを用いれば、流路内で効率よく行なわせることが可能になるという本発明の利点の一つを特に有効に活用することができるためである。
[その他]
以上、本発明について一実施形態を示して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
例えば、反応用チップの流路2は、上記実施形態のものに限定されず、変形して形成することもできる。具体例としては、上記実施形態のように基板1の上面に沿った2次元的な流路形状とせず、基板1の厚み方向にも流路2を設け3次元的な流路形状となるようにしてもよい。さらに、主流路3全体を曲線状部分を有しない線分形状に形成するようにしても良い。
また、主流路3内の並行流を形成させる部分の流路形状を上記実施形態のように直線状とせず、例えば非常に緩く曲がる曲線状に形成しても良い。主流路3の上流部分を曲線状に形成した場合の合流部6近傍を拡大して図10(a)〜(c)に模式的に示す。図10(a)に示すように主流路3′の合流部6直後の部分が曲線状に形成されている場合でも、図10(b)に示すように導入流路4の下流端部6Aにおける接線4Aの方向と、主流路3′の上流端部における接線3A′の方向との角度差の絶対値が20°以下であり、且つ、図10(c)に示すように導入流路5の下流端部6Aにおける接線5Aの方向と、主流路3′の上流端部6Bにおける接線3A′の方向との角度差の絶対値が20°以下である場合には、導入流路4,5の下流端部6Aの流れ方向と、主流部3′の上流端部6Bの流れ方向との角度差の絶対値がそれぞれ通常20°以下となるため、主流路3′において並行流を形成することができ、並行流に基づく本発明の効果を得ることができる。なお、図10(a)〜(c)において、図5と同様の符号で示すものは図5と同様のものを表わし、主流路3′の接線は二点鎖線で表わす。
また、例えば、基板1に2本以上の流路2を設けるようにしてもよい。
さらに、例えば、ガイド条34を形成するかどうかは任意であり、さらに、ガイド条34の本数や形状も適宜変更することができる。
また、反応用チップには別の流路を設けるようにしてもよい。
さらに、例えば、主流路3の途中に別の導入流路と合流する合流部を設けるようにしてもよい。
また、上記反応装置の各構成要素は任意に組み合わせて実施することができる。さらに、上記の反応装置に別の機器を更に組み合わせて実施することも可能である。
また、生成流体はタンクに溜めず、そのままフローで次の工程に供しても良い。
さらに、シリンダポンプなどの定量ポンプやガスボンベ等の原料流体の供給源の数は用いる原料流体の種類に応じて設定すれば良く、したがって、適宜3個以上設けるようにしてもよい。
以下、実施例を示して本発明について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
[実施例1]
実施例1は、上記実施形態において説明した化合物(3)からの化合物(4)の合成に当たる反応を行なった例である。
o−ニトロフェノール0.17gをトルエン1.64mLに溶解させ、トリエチルアミン0.005gを加えたものを本実施例におけるA液(原料流体)とし、1mLマイクロシリンジに充填した。また、2−エチルクロロイソシアネート0.34gをトルエン1.64mLに溶解させたものを本実施例におけるB液(原料流体)とし、1mLマイクロシリンジに充填した。
この2つのマイクロシリンジを用いて図7に示したような反応装置を組み立て、反応用チップに反応温度60℃にてA液及びB液を共に2μL/分で送液して反応を行なわせた。反応用チップから送出された液をサンプル瓶に捕集し、高速液体クロマトグラフィーで分析した結果、o−ニトロフェノールの転化率は93%、o−ニトロフェノールのカルバメート体の収率は93%であった。なお、反応を通して反応用チップの温度は60±1℃に保持されていた。この結果から、本発明の反応用チップを用いれば、精密な温度制御を行ないながら、効率のよい反応を行なうことができることが確認された。
[実施例2]
実施例2は、上記実施形態において説明した化合物(4)からの化合物(5)の合成に当たる反応を行なった例である。
o−ニトロフェノールのカルバメート体0.09gを濃硝酸2mLに溶解させたものを本実施例におけるA液(原料流体)とし、1mLマイクロシリンジに充填した。また、亜硝酸ナトリウム0.22gを濃硝酸2.04mLに溶解させたものを本実施例におけるB液(原料流体)とし、1mLマイクロシリンジに充填した。
この2つのマイクロシリンジを用いて図7に示したような反応装置を組み立て、反応用チップに反応温度5℃にてA液及びB液を共に1μL/分で送液して反応を行なわせた。反応用チップから送出された液をサンプル瓶に捕集し、高速液体クロマトグラフィーで分析した結果、o−ニトロフェノールのカルバメート体の転化率は80%、o−ニトロフェノールのニトロソカルバメート体の収率は80%であった。なお、反応を通して反応用チップの温度は5±1℃に保持され、亜硝酸ガスの発生による突沸は観測されなかった。この結果から、本発明の反応用チップを用いれば、精密な温度制御を行ないながら、効率のよい反応を行なうことができることが確認された。
[実施例3]
実施例3は、上記実施形態において説明した化合物(0)からの化合物(1)の合成に当たる反応を行なった例である。
α−メチルグルコシド0.30gを脱水ピリジン2mLに溶解させたものを本実施例におけるA液(原料流体)とし、1mLマイクロシリンジに充填した。また、p−トルエンスルホニルクロリド0.29gを脱水ピリジン2mLに溶解させたものを本実施例におけるB液(原料流体)とし、1mLマイクロシリンジに充填した。
この2つのマイクロシリンジを用いて図7に示したような反応装置を組み立て、反応用チップに反応温度0℃にてA液及びB液を共に0.2μL/分で送液して反応を行なわせた。反応用チップから送出された液をサンプル瓶に捕集し、高速液体クロマトグラフィーで分析した結果、α−メチルグルコシドの転化率は100%、α−メチルグルコシドのトシル体の選択率は60%、α−メチルグルコシドのジトシル体の選択率は40%であった。なお、反応を通して反応用チップの温度は0±1℃に保持されていた。この結果から、本発明の反応用チップを用いれば、精密な温度制御を行ないながら、効率のよい反応を行なうことができることが確認された。
[実施例4]
実施例4は、上記実施形態において説明した化合物(2)及び化合物(5)からの化合物(6)の合成に当たる反応を行なった例である。
o−ニトロフェノールのニトロソカルバメート体0.34gを脱水テトラヒドロフラン2.0mLに溶解させたものを本実施例におけるA液(原料流体)とし、1mLマイクロシリンジに充填した。また、α−メチルグルコシドの1位アミノ体0.22gを脱水メタノール2.12mLに溶解させたものを本実施例におけるB液(原料流体)とし、1mLマイクロシリンジに充填した。
この2つのマイクロシリンジを用いて図7に示したような反応装置を組み立て、反応用チップに反応温度15℃にてA液及びB液を共に1μL/分で送液して反応を行なわせた。反応用チップから送出された液をサンプル瓶に捕集し、高速液体クロマトグラフィーで分析した結果、目的生成物であるラニムスチンの収率は82%であった。なお、反応を通して反応用チップの温度は15±1℃に保持されていた。この結果から、本発明の反応用チップを用いれば、精密な温度制御を行ないながら、効率のよい反応を行なうことができることが確認された。
[実施例5]
実施例5は、上記実施形態において説明した化合物(1)からの化合物(2)の合成に当たる反応を行なった例である。
α−メチルグルコシドのトシル体溶液を本実施例におけるA液(原料流体)とし、1mLマイクロシリンジに充填した。また、アンモニア気体(原料流体)1000gをガスボンベに用意した。
このマイクロシリンジとガスボンベとを用いて図9に示したような反応装置を組み立て、反応用チップに反応温度120℃にて、A液を0.092μL/分で送液し、また、アンモニア気体を気圧0.3MPaに保ちながら供給して、反応を行なわせた。反応用チップから送出された液をサンプル瓶に捕集し、高速液体クロマトグラフィーで分析した結果、α−メチルグルコシドの1位アミノ体の収率は76%であった。なお、反応を通して反応用チップの温度は120±1℃に保持されていた。この結果から、本発明の反応用チップを用いれば、精密な温度制御を行ないながら、効率のよい反応を行なうことができることが確認された。
本発明は、流体を用いた反応に任意に用いることができ、特に、制癌剤であるラニムスチンの合成反応に用いて好適である。
本発明の一実施形態にかかるマイクロ反応用チップの模式的な上面図である。 本発明の一実施形態にかかるマイクロ反応用チップの模式的な斜視図である。 本発明の一実施形態について示すもので、導入流路と主流路とが接続された部分の近傍を拡大して模式的に示す要部拡大図である。 本発明の一実施形態について示すもので、主流路を流れ方向に垂直な面で切った断面を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態について示すもので、(a)〜(c)はいずれも導入流路が主流路に接続された合流部近傍を拡大して模式的に示す上面図である。 本発明の一実施形態について示すもので、導入流路の流れ方向に直交する断面を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態について示すもので、マイクロ反応用チップを用いた反応に用いる反応装置の要部構成を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態について示すもので、チップホルダについて模式的に示す分解斜視図である。 本発明の変形例について示すもので、マイクロ反応用チップを用いた反応に用いる反応装置の要部構成を模式的に示す図である。 本発明の変形例について示すもので、(a)〜(c)はいずれも導入流路が主流路に接続された合流部近傍を拡大して模式的に示す上面図である。
符号の説明
1 基板
2 流路
3,3′ 主流路
4,5 導入流路
6 合流部
11 下板
12 上板
31 送出口
32 直線状部
33 U字型部
34 ガイド条
41,51 導入口
100 反応装置
101 チップホルダ
102,102′,103 原料流体供給器
104 サンプル瓶
105 温度コントローラ
106 下部ホルダ
107 上部ホルダ
3A′ 接線
4A,5A 接線

Claims (7)

  1. 基板と、
    該基板に形成された主流路と、
    該基板に形成され、その下流端部を該主流路の上流端部に接続された少なくとも2つの導入流路とを備えたマイクロ反応用チップであって、
    該導入流路の下流端部における流れ方向と該主流路の上流端部における流れ方向との角度差の絶対値がそれぞれ20°以下である
    ことを特徴とする、マイクロ反応用チップ。
  2. 該導入流路が面対称に形成されている
    ことを特徴とする、請求項1記載のマイクロ反応用チップ。
  3. 該導入流路が、弧状に形成されている
    ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のマイクロ反応用チップ。
  4. 該主流路の幅が500μm以下、深さが300μm以下である
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のマイクロ反応用チップ。
  5. 該導入流路それぞれの、幅が500μm以下、深さが300μm以下である
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロ反応用チップ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のマイクロ反応用チップを用いて少なくとも2種の原料流体を接触させて反応を行なう反応方法であって、
    上記導入流路からそれぞれ原料流体を上記主流路に導入し、上記主流路の少なくとも一部で上記原料流体に並行流を形成させて上記反応を行なわせる
    ことを特徴とする、反応方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のマイクロ反応用チップを用い、
    上記導入流路の少なくとも一つからアンモニア気体を上記主流路に導入すると共に、他の上記導入流路の少なくとも一つから下記式(1)で表わされる化合物を含む溶液を上記主流路に導入して、上記主流路の少なくとも一部で上記のアンモニア気体と溶液とに並行流を形成させて、アンモニアと下記式(1)で表わされる化合物との反応を行なわせる
    ことを特徴とする、反応方法。
    Figure 2007061685
    {上記式(1)において、Tsはトシル基を表わす。}
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