JP2007059875A - 放熱部材およびこれを用いた電子部品収納用パッケージおよび電子装置 - Google Patents

放熱部材およびこれを用いた電子部品収納用パッケージおよび電子装置 Download PDF

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Abstract

【課題】外部への熱放散が良好な放熱部材を提供するとともに、高発熱性の電子部品を信頼性よく作動させることのできる電子部品収納用パッケージ,電子装置を提供すること。
【解決手段】放熱部材1は、上側主面に電子部品4が載置され、炭素繊維が金属材料に含浸された複合材料から成り、炭素繊維の主配置方向が上側主面に沿っている第一の層1bと、第一の層1bの下側に炭素繊維の主配置方向が上側主面に対し交差する方向とされた第二の層1cとを有する。放熱部材1の広い面を用いて伝熱させることによって、高放熱性の放熱部材1および電子部品収納用パッケージ,電子装置となる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、電子部品を載置し電子部品から発生する熱を外部に放散させるための放熱部材、およびこの放熱部材を用いた電子部品収納用パッケージおよび電子装置に関する。
従来、電子部品の作動時に電子部品から発生する熱を効率良く外部に放散させて電子部品の温度上昇を抑制するために、電子部品収納用パッケージおよび電子装置の基体から外部への熱放散性を高める技術の改良がなされてきた。
上記従来の電子部品を収納するための電子部品収納用パッケージ(以下、単にパッケージともいう)を図6(a),(b)に示す。図6(a)はパッケージの組立断面図、図6(b)は図6(a)のパッケージの蓋体を除いた平面図である。これらの図において、21は厚み方向に配列した炭素繊維から成る基体、22は枠体、23は入出力端子を示し、これら基体21、枠体22、入出力端子23で、内部空間に電子部品24を収容するパッケージが基本的に構成される(例えば、特許文献1参照)。
枠体22は、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金等の金属から成り、側部を切り欠いて形成された入出力端子23の取付部22aが形成されている。そして、枠体22の内外を電気的に導通するメタライズ配線層を有するアルミナ(Al)質焼結体等のセラミックス製の入出力端子23が取付部22a、および基体21に銀(Ag)−銅(Cu)ロウ等のロウ材を介してロウ付けされる。
そして、パッケージの載置部21aに電子部品24を載置し、ボンディングワイヤ等で電子部品24の電極と入出力端子23に被着形成されているメタライズ配線層とを電気的に接続した後、枠体22の上面に蓋体25をロウ付け法やシームウエルド法等の溶接法によって取着し、基体21、枠体22および蓋体25から成るパッケージ内部に電子部品24を収容して気密に封止することによって製品としての半導体装置となる。
基体21としては、炭素繊維複合材料21bと、炭素繊維複合材料21bの上側主面に設けられた薄膜の上部金属層21cと、炭素繊維複合材料21bの下側主面に設けられた薄膜の下部金属層21dとから成るものも開示されている。炭素繊維複合材料21bは、厚さ方向に複数の炭素繊維が配列された炭素マトリックス中に、ポリシラザラン等の液状硬化材料を含浸させることによって成るものである(例えば、特許文献2参照)。
このような基体21によれば、厚さ方向の熱伝導率に優れる炭素繊維複合材料21bを介して電子部品24から発生する熱を外部に効率よく熱放散させることができる。
また、複数の炭素繊維が縦,横,厚さ方向に配向調整され、各方向の熱伝導率の最大値を最小値で除した値が1.5以下の炭素繊維複合材料が開示されている。この炭素繊維複合材料は、銅やアルミニウム等の金属材料が含浸されている(例えば、下記の特許文献3参照)。
このような炭素繊維複合材料を用いた基体21によれば、複数の炭素繊維が縦,横,厚さ方向に配向調整された状態となるため、基体21中の熱伝導率が縦,横,厚さ方向でそれぞれ均一なものとなり、電子部品24から発生する熱を基体21中の様々な方向に熱放散させることができる。
特開2000−183197号公報 特開平11−54677号公報 特開2004−2096号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に示される基体21においては、炭素繊維複合材料21bの繊維方向、即ち基体21の厚さ方向のみでしか高い熱伝導性を有しておらず、電子部品24が載置される載置部21aの直下方向だけしか放熱部材として有効に機能しない傾向があった。
そのため、作動時に多量に熱を発生する電子部品24をパッケージに載置する場合には、電子部品24から発生した熱を外部へ効率良く熱放散させるのが困難となり、電子部品24の温度が上昇し、電子部品24が誤作動する等、電子部品24を正常に作動させることができないという問題点があった。近時においては、電子部品24から発生する熱量は増加する傾向にあり、この問題点が顕著になってきている。
また特許文献1および特許文献2に示される基体21は、炭素繊維複合材料21bの繊維方向に沿って割れ易い傾向がある。したがって、例えば、基体21の平面視における四隅にネジ止め固定用の貫通孔を設けネジ止め固定すると、ネジ止め固定時に基体21が割れて、パッケージ内部の気密性が損なわれる場合があった。また、基体21が割れることによって、電子部品24をも破損させてしまう場合もあった。これらの結果、電子部品24を正常に作動させることができなくなるという問題点があった。
また、特許文献3に示される基体21においては、複数の炭素繊維が縦,横,厚さ方向に配向調整された状態となるため、基体21中の熱伝導率が縦,横,厚さ方向でそれぞれ均一なものとなるのであるが、縦,横,厚さ方向の熱伝導率はいずれも特許文献1および特許文献2に示される基体21の厚さ方向の熱伝導率に比べ低いものとなっていた。具体的には、特許文献1に示される基体21の厚さ方向の熱伝導率は300W/m・K以上であるのに対し、特許文献3に示される基体21の縦,横,厚さ方向のいずれか一方の熱伝導率は250W/m・K以上でしかない。
そのため、近時の作動時に多量に熱を発生する電子部品24をパッケージに載置する場合は、電子部品24から発生した熱を外部へ効率良く熱放散させるのが困難となり、電子部品24の温度が上昇して電子部品24が誤作動する等、電子部品24を正常に作動させることができないという問題点があった。
以上のように、従来のパッケージにおいては、作動時の発熱量が多い電子部品を載置する場合、電子部品の作動性が低下してしまうという問題点があった。
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたもので、その目的は、外部への熱放散が良好な放熱部材を提供するとともに、高発熱性の電子部品を信頼性よく作動させることのできる電子部品収納用パッケージ,電子装置を提供することにある。
本発明の放熱部材は、上側主面に電子部品が載置され、炭素繊維が金属材料に含浸された複合材料から成る放熱部材であって、前記炭素繊維の主配置方向が前記上側主面に沿っている第一の層と、この第一の層の下側に前記炭素繊維の主配置方向が前記上側主面に対し交差する方向とされた第二の層とを有することを特徴とする。
好ましくは、本発明の放熱部材において、前記第一の層の炭素繊維の主配置方向は、前記上側主面とほぼ平行であり、前記第二の層の炭素繊維の主配置方向は、前記上側主面とほぼ垂直であることを特徴とする。
好ましくは、本発明の放熱部材において、前記第一の層および前記第二の層の間に中間金属板が配されていることを特徴とする。
好ましくは、本発明の放熱部材において、前記第二の層の下側に前記炭素繊維の主配置方向が前記上側主面に沿っている第三の層を有することを特徴とする。
好ましくは、本発明の放熱部材において、前記第二の層および前記第三の層の間に中間金属板が配されていることを特徴とする。
好ましくは、本発明の放熱部材において、上記構成の放熱部材を本体部とし、該本体部の外周側面を覆うように金属枠を設けるとともに、前記本体部の上下主面に金属板を配したことを特徴とする。
本発明の電子部品収納用パッケージは、上記本発明の放熱部材が電子部品の載置部に用いられた平板状の基体と、この基体の上側主面の外周部に前記載置部を囲繞するように取着された金属製の枠体と、この枠体の側部に嵌着された、前記枠体の内外を電気的に導通する入出力端子とを具備していることを特徴とする。
本発明の電子装置は、上記本発明の電子部品収納用パッケージと、前記載置部に載置されるとともに前記入出力端子に電気的に接続された電子部品と、前記枠体の上面に前記載置部を塞ぐように接合された蓋体とを具備していることを特徴とする。
本発明の放熱部材は、炭素繊維の主配置方向が上側主面に沿っている第一の層と、この第一の層の下側に炭素繊維の主配置方向が上側主面に対し交差する方向とされた第二の層とを有し、好ましくは、本発明の放熱部材において、第一の層の炭素繊維の主配置方向は、放熱部材の上側主面とほぼ平行であり、第二の層の炭素繊維の主配置方向は、上側主面とほぼ垂直であることから、電子部品の作動時に発生する熱を第一の層で上側主面に沿った方向に高い熱伝導率(400W/m・K以上)で速やかに伝え、そして、第二の層の広い面を用いて、放熱部材の上側主面に対し交差する方向(放熱部材の厚さ方向)に高い熱伝導率(400W/m・K以上)で電子部品の作動時に発生する熱を伝え、放熱部材の下側主面から外部に効率良く熱放散させることができる。その結果、近時の作動時に発生する熱量が多い電子部品を載置した場合にも、電子部品から発生する熱を外部に効率良く熱放散させ電子部品の温度の上昇を抑制し、電子部品を正常かつ安定に作動させることができる。
また放熱部材は、炭素繊維の主配置方向が上側主面に沿っている第一の層と、その下側に炭素繊維の主配置方向が上側主面に対し交差する方向とされた第二の層とが組み合わされて成ることから、従来のように一方の方向(例えば厚さ方向)に沿って割れ易いということがなくなる。
好ましくは、本発明の放熱部材において、前記第一の層および前記第二の層の間に中間金属板が配されていることから、中間金属板により第一の層と第二の層とをより強固に接合させることができる。そして、第一の層で上側主面に沿った方向に伝わった熱は中間金属板を介して第二の層に確実に伝えることができるようになる。この結果、放熱部材の上側主面から下側主面に効率良く熱伝導させて、外部に熱放散させることができるようになる。
また第一の層および第二の層の間に中間金属板を配することで、放熱部材が中間金属板で補強され、放熱部材をネジ止め固定した場合においても放熱部材が割れ難くなる。
好ましくは、本発明の放熱部材において、第二の層の下側に炭素繊維の主配置方向が上側主面に沿っている第三の層を有することから、放熱部材に反り変形が生ずるのを有効に防止できる。また、第三の層によって放熱部材の下面で電子部品から発生する熱をさらに炭素繊維の主配置方向に分散させることができ、電子部品から発生する熱を外部に極めて効率良く熱放散させることができる。
好ましくは、本発明の放熱部材において、第二の層および第三の層の間に中間金属板が配されていることから、中間金属板により第二の層と第三の層とをより強固に接合させることができる。そして、第二の層に伝わった熱は中間金属板を介して第三の層に確実に伝えることができるようになる。この結果、放熱部材の上側主面から下側主面に効率良く熱伝導させて、外部に熱放散させることができるようになる。
また第二の層および第三の層の間に中間金属板を配することで、放熱部材が中間金属板で補強され、放熱部材をネジ止め固定した場合においても放熱部材がさらに割れ難くなる。
好ましくは、本発明の放熱部材において、上記構成の放熱部材を本体部とし、本体部の外周側面を覆うように金属枠を設けるとともに、本体部の上下主面に金属板を配したことから、本体部の上下主面および側面はそれぞれ金属で覆われるようになり、放熱部材の表面にNiや金(Au)等の耐腐食性に優れた金属から成るメッキ金属層を被着させる場合においても、メッキ金属層が被着され易く、メッキ金属層の未着箇所が生じたり、メッキ金属層に膨れ等の不具合が生じたりしてしまうことがない。その結果、放熱部材の表面の全体にわたってメッキ金属層が良好に被着され、放熱部材が腐食するのを防止することができる。
また、本体部の外周側面を覆うように金属枠を設けたことにより、金属枠の上下主面間を貫通するようにしてネジ止め用の貫通孔を設けることができる。金属枠にネジ止め用の貫通孔を設けることで、本体部の上下主面にネジ止め用の貫通孔を設ける必要が無くなり、本体部にネジ止め用の貫通孔を起点にしたクラックが入ってしまうという不具合を避けることができる。これによって、放熱部材が割れて電子部品が破損するのを防止でき、電子部品を正常に作動させることができるようになる。
本発明の電子部品収納用パッケージは、上記本発明の放熱部材が電子部品の載置部に用いられた平板状の基体と、基体の上側主面の外周部に載置部を囲繞するように取着された金属製の枠体と、枠体の側部に嵌着された、枠体の内外を電気的に導通する入出力端子とを具備していることから、作動時に発生する熱量が多い電子部品を収納した場合にも、電子部品から発生する熱を外部に効率良く熱放散させ電子部品を正常に動作させるものとできる。
また基体は、上記したように炭素繊維の主配置方向が異なった層が複数枚組み合わされて接合される構造であることから、従来のように厚さ方向等の一方の方向に沿って割れ易いということがない。したがって、例えば、基体の平面視における四隅にネジ止め固定用の貫通孔を設けネジ止め固定したとしても、ネジ止め固定時に基体が容易に割れることがなく、固定方法の簡単な電子部品収納用パッケージとすることができる。
以上の結果、作動時における発生する熱量が多い電子部品を収納させても、電子部品を正常かつ安定に作動させることができる電子部品収納用パッケージと成し得る。
本発明の電子装置は、上記本発明の電子部品収納用パッケージと、載置部に載置されるとともに入出力端子に電気的に接続された電子部品と、枠体の上面に載置部を塞ぐように接合された蓋体とを具備していることから、上記本発明の電子部品収納用パッケージによって、電子部品の作動信頼性に優れるものとなる。
本発明の放熱部材およびこれを用いた電子部品収納用パッケージおよび電子装置について以下に詳細に説明する。図1(a)は本発明の放熱部材の一例を示す断面図、図1(b)は本発明の放熱部材の他の例を示す断面図であり、図2(a),図2(b),図3(a),図3(b),図3(c)は本発明の放熱部材のさらに他の例を示す断面図である。図4(a)は図1(a)に示す放熱部材が電子部品の載置部に用いられた例を示す電子部品収納用パッケージおよび電子装置の断面図、図4(b)は図3(a)に示す放熱部材が電子部品の載置部に用いられた例を示す電子部品収納用パッケージおよび電子装置の断面図である。これらの図において、1は基体(放熱部材)、2は枠体、3は入出力端子を示し、これら基体1、枠体2、入出力端子3とで、内部空間に電子部品4を収容するパッケージが基本的に構成される。
なお、図1〜図4においては、基体1の全体が本発明の放熱部材から成る場合を例にして示している。したがって、基体1と放熱部材1に同じ符号を付して示す。しかしながら、基体1は、少なくとも電子部品4の載置部1aに本発明の放熱部材が用いられたものであればよく、例えば、載置部1aに本発明の放熱部材を本体部11aとして用い、この本体部11aの外周側面を覆うように金属枠11dが嵌め込まれたものでもよい。
本発明の放熱部材1は、図1(a)に示されるように、炭素繊維が金属材料に含浸された複合材料から成るものであって、炭素繊維の主配置方向が上側主面に沿っている第一の層1bと、第一の層1bの下側に炭素繊維の主配置方向が上側主面に対し交差する方向とされた第二の層1cとを有し、第一の層1bと第二の層1cとが互いに接合されて成る。
第一の層1bの炭素繊維は、上側主面の面方向に沿った配置とされ、上側主面と大きな角度で交差しない方向に配置される。好ましくは、上側主面とほぼ平行とされ、上側主面に平行な面内で高い熱伝導率(400W/m・K以上)を維持可能な範囲で配向される。上側主面と平行な面内の方向は、炭素繊維が一方向に整列されて互いにほぼ平行に配置されていてもよいし、整列されていなくてもよい。例えば、放熱部材1の載置部1aとなる中心部から放射方向に炭素繊維が配置されたり、互いに縦横に交差するように配置されたりしていてもよい。
なお、炭素繊維が同一方向に好適に配列されている複合材料の場合、炭素繊維の配列されている方向の熱伝導率として500W/m・K以上を得ることができる。また、炭素繊維の主配置方向とは、基本的には、多くの炭素繊維が主に配列している方向をいうのであるが、複合材料の各方向における熱伝導率を計測し、最も熱伝導率が大きい方向をその複合材料の炭素繊維の主配置方向と決めればよい。
面方向に整列されている構成により、第一の層1bの広い面に電子部品4の作動時に発生する熱を行き渡らせて、放熱部材1の広い面積に熱を分散させることができ、電子部品4の作動時に発生する熱を極めて効率良く外部に熱放散させることができる。熱伝導率が400W/m・K未満となると、電子部品4の作動時に発生する熱を速やかに分散させて伝導させるのが困難となり、電子部品4の作動時に発生する熱を外部に熱放散させ、電子部品4を十分に冷却し難くなる。
また、電子部品4の平面視形状が長方形等の非等方形状である場合、好ましくは、第一の層1bの炭素繊維の主配置方向が、載置される電子部品4の長手方向に対し垂直であるのがよい。この構成により、電子部品4から発生する熱を効率良く放散させ、電子部品4の温度上昇を有効に防止し、電子部品4をより安定に作動させることができる。
また、第二の層1cの炭素繊維は、少なくともその過半数が上側主面に対し直角に近い大きな角度で交差するように配置され、好ましくは、上側主面の面方向に対しほぼ垂直に配置され、上側主面に垂直な面内で高い熱伝導率(400W/m・K以上)を維持可能な範囲に配置される。
以下、本発明の放熱部材1について詳細に説明する。
本発明の放熱部材1において、第一の層1bと第二の層1cとは、太さ2μm〜20μmの炭素繊維を所定方向に配列させた基材の炭素繊維の間に、熱によって溶融させたCu,Ag等の金属材料を含浸させた後、切削加工,プレス加工,ワイヤ放電加工等の従来周知の金属加工を施すことによって四角平板状等の所定形状に製作される。各第一および第二の層1b,1cの炭素繊維および金属材料の組成比は、炭素繊維が70体積%〜95体積%である。そして、第一の層1bと第二の層1cとがAg−CuロウやAgロウ等のロウ材を介して互いに接合される。放熱部材1の上側主面は、電子部品4を載置する載置部1aとされ、この放熱部材1は、電子部品4が作動時に発する熱を外部(放熱部材1の下面側)に放熱させる放熱板の役割を果たすものである。
放熱部材1は、このような構成により、電子部品4の作動時に発生する熱を第一の層1bで上側主面に沿った面方向に高い熱伝導率(約500W/m・K)で速やかに伝え、そして、第二の層1cのほぼ全面を用いて、放熱部材1の上側主面と垂直な交差方向(放熱部材の厚さ方向)に高い熱伝導率(約500W/m・K)で電子部品4の作動時に発生する熱を伝え、放熱部材1の下側主面から外部に効率良く熱放散させることができる。その結果、近時の作動時に発生する熱量が多い電子部品4を載置した場合にも、電子部品4から発生する熱を外部に効率良く熱放散させて電子部品4の温度上昇を抑制し、電子部品4を正常かつ安定に作動させることができる。
第一の層1bは、第二の層1cよりも薄いのがよい。第一の層1bを第二の層1cよりも薄くすることにより、第一の層1bに載置される電子部品4から発生する熱を第二の層1cおよび基体1の下方に伝え易くすることができる。
また放熱部材1は、上側主面側に炭素繊維の繊維方向が上側主面とほぼ平行になるように配置された第一の層1bと、下側主面側に炭素繊維の繊維方向が上側主面とほぼ垂直になるように配置された第二の層1cを備え、第一の層1bと第二の層1cとが互いに接合されて成ることから、上側主面側と下側主面側とで繊維方向が異なるようになり、従来の炭素繊維が一方向に整列された一層で形成された場合のように厚さ方向等に沿って割れ易いということがなくなる。
本発明の放熱部材1は、好ましくは、図1(b)に示されるように、第二の層1cの下側に、第一の層1bと同様に炭素繊維の主配置方向が上側主面に沿っている第三の層1dが接合される。
この構成により、放熱部材1の上下主面に繊維方向が上下主面に沿った第一の層1bと第三の層1dとが配置されることとなり、放熱部材1の上下主面において熱膨張係数がほぼ一致することとなる。したがって、放熱部材1に反り変形が生じ難くなる。
また、第三の層1dによって放熱部材1の下面で電子部品4から発生する熱をさらに面方向に分散させることができ、放熱部材1の下面のほぼ全面から電子部品4から発生する熱を極めて効率良く熱放散させることができるようになる。
第三の層1dの厚さは、第一の層1bと同じ厚さでもよいが、反り変形が大きくなり過ぎない範囲で第一の層1bより少し薄いものとするのがよい。第一の層1bは、載置部1aから水平方向に伝熱される単位断面積当りの熱量が多くなるのに対し、第三の層1dの単位断面積当りの熱量は少なくなり、また、炭素繊維の主配置方向と交差する方向(放熱部材1の下側主面方向)に熱伝導させることが必要なので、厚さは薄目とするのがよい。
したがって、第一の層1bと第三の層1dとの炭素繊維の主配置方向は同じであるのが好ましく、また、電子部品4の平面視形状が長方形等の非等方形状である場合、第三の層1dも、炭素繊維の主配置方向が、載置される電子部品4の長手方向に対し垂直であるのが好ましい。この構成により、電子部品4から発生する熱を効率良く放散させ、電子部品4の温度上昇を有効に防止し、電子部品4をより安定に作動させることができる。
本発明の放熱部材1は、また好ましくは、図2(a),図2(b)に示されるように、第一の層1bおよび第二の層1cの間、ならびに第二の層1cおよび第三の層1dの間に中間金属板10が配されているのがよい。
この中間金属板10により第一の層1bと第二の層1c、および第二の層1cと第三の層1dとを確実に広面積で接合させることができ、第一の層1bと第二の層1c、および第二の層1cと第三の層1dの接合の信頼性を向上させ、熱伝導性も向上させることができる。
第一の層1bおよび第二の層1cまたは第二の層1cおよび第三の層1dをAg−CuロウやAgロウ等のロウ材を介して互いに接合する場合、これらロウ材は、図5(a)に示すように、層間を濡れ広がって各層の表面に露出する金属材料同士を接合する。このとき、ロウ材は、第一の層1bおよび第二の層1c等の表面に露出する炭素繊維には濡れにくいため、ロウ材を層間に挟んで溶融させたときに、ロウ材の表面張力によっていくつかの塊Aを形成するように固化する。そして、塊Aの間には空隙Bが形成されてしまう。この空隙Bは、ロウ材の接合力を低下させ、熱伝導性を阻害する。
一方、第一の層1bおよび第二の層1cまたは第二の層1cおよび第三の層1dの間に中間金属板10を挟んで接合させた場合、図5(b)に示すように、中間金属板10の表面と第1の層1bおよび第二の層1c等の表面に露出する金属材料との表面同士が溶融して接合されるようにすると、完全に溶融した中間金属板10が各塊になってしまって空隙Bが形成されてしまうということがない。このために接合力が向上する。
また、これら第一の層1b、第二の層1cおよび第三の層1d同士を広面積で接合させることができるため、第一の層1bで上側主面に沿って面方向に伝わった熱は中間金属板10を介して第二の層1cに良く伝えることができるようになるとともに、さらに第二の層1cの上面に伝わった熱は下面側へ伝わり、中間金属板10を介して第三の層1dに良く伝えることができるようになる。この結果、放熱部材1の下側主面から外部により効率良く熱放散させることができるようになる。
さらに、第一の層1bおよび第二の層1cとの間、および第二の層1cと第三の層1dとの間に中間金属板10を配することで、本体部1bが中間金属板10で補強され、放熱部材1bをネジ止め固定した場合においても本体部1bが炭素繊維の繊維方向に沿って割れ難くなる。
この中間金属板10はCu,Ag等の高い熱伝導率(300W/m・K以上)を有する金属から成るのがよく、中間金属板10による熱伝導性がよいので、電子部品4から発生した熱を効率良く放熱部材1の下面に伝え、放熱部材1の下面から熱放散させることができる。熱伝導性および融点の観点からは、Agの方がCuより好ましく、経済性の観点からはCuが好ましい。さらに純度99質量%以上の純Agまたは純度99質量%以上の純Cuを板状に成形した金属板を用いるのが好ましい。なお、本実施の形態例において、中間金属板10の厚さは0.01〜0.1mm程度である。
また、複合材がAgを炭素繊維に含浸させたものの場合、中間金属板10もAgから成るのが好ましく、複合材がCuを炭素繊維に含浸させたものの場合、中間金属板10もCuから成るのが好ましい。Agを炭素繊維に含浸させたものに、Cuから成る中間金属板10を用いたり、Cuを炭素繊維に含浸させたものにAgから成る中間金属板10を用いたりしてもよいが、複合材の表面と中間金属板10の表面との間にAg−Cu合金が析出することになり、Ag−Cu合金は純Agまたは純Cuほど熱伝導性がよくないので、熱伝導性の観点からは不利なものとなる。しかし、接合力の観点からはこのような組合せとしても問題はない。
また、Cu,Ag等は塑性変形し易いことから、第一の層1bと第二の層1c、および第二の層1cと第三の層1dとの間に熱膨張差が発生したとしても、中間金属板10が適度に変形し、第一の層1bと第二の層1c、および第二の層1cと第三の層1dとの間に生ずる熱膨張差を吸収緩和することができ、第一の層1bと第二の層1cとの間、および第二の層1cと第三の層1dとの間で剥離が発生するのを防止することができる。
本発明の放熱部材1は、また好ましくは、図3(a),(b),(c)に示すように上記構成の放熱部材1を本体部11aとし、本体部11aの外周側面を覆うように金属枠11dを設けるとともに、本体部11aの上下主面に金属板(上部金属板11bおよび下部金属板11c)を配すのがよい。
上部金属板11bおよび下部金属板11cは、図3(a),(b)に示すように、本体部11aの上下主面だけでなく金属枠11dの上下主面も覆うように設けてもよいし、図3(c)に示すように、上部金属板11bおよび下部金属板11cは本体部11aの上下主面だけを覆うように設けてもよい。
この構成により、本体部11aの上下主面および側面はそれぞれ金属で完全に覆われるようになり、放熱部材1の表面にNiやAu等の耐腐食性に優れた金属から成るメッキ金属層を被着させる場合においても、メッキ金属層が被着され易く、メッキ金属層の未着箇所が生じたり、メッキ金属層に膨れ(メッキ金属層が基材に被着された後に、メッキ金属層の一部が基材から剥離し、基材から浮き上がって膨れたような状態となること)等の不具合が生じたりしてしまうことがない。その結果、放熱部材1の表面の全体にわたってメッキ金属層が被着され、放熱部材1が腐食するのを有効に防止することができる。メッキ金属層として、例えば、厚さ0.5〜9μmのNi層や厚さ0.5〜5μmのAu層を被着させる。
上部金属板11b,下部金属板11c,および金属枠11dはCu,Ag等の高い熱伝導率(300W/m・K以上)を有する金属から成るのがよく、上部金属板11b,下部金属板11c,および金属枠11dによって熱伝導が妨げられず、電子部品4から発生した熱を効率良く放熱部材1の下面に伝え、放熱部材1の下面から効率良く熱放散させることができる。
中間金属板10を配した本体部11aを用いる場合は、上部金属板11b、下部金属板11cおよび金属枠11dは、中間金属板10と同じ材質の金属板とするのが好ましい。また、中間金属板10を配さない本体部11aを用いる場合は、上記の中間金属板10の材質選択と同じように、複合材に含浸させた金属に応じて上部金属板11b、下部金属板11cおよび金属枠11dの材質を選択すればよい。なお、本実施の形態例において、上部金属板11bの厚さは0.01〜0.1mm、下部金属板11cの厚さは、0.01〜0.1mm程度である。
本体部11aの外周側面を覆うように金属枠11dを設けたことにより、金属枠11dの上下主面間を貫通するようにしてネジ止め用の貫通孔を設けることができる。即ち、金属枠11dにネジ止め用の貫通孔を設けることで、本体部11aの上下主面にネジ止め用の貫通孔を設ける必要が無くなり、本体部11dにネジ止め用の貫通孔を起点にクラックが入ってしまうということを防止できる。その結果、放熱部材1が炭素繊維の繊維方向に沿って割れるのを防止し、電子部品4が破損するのを防止できる。この結果、電子部品4を正常に作動させることができるようになる。
また金属枠11dがCu,Ag等から成ることにより、Cu,Ag等は変形し易いことから、金属枠11dの上下主面間を貫通するようにしてネジ止め用の貫通孔を設けた場合にも、ネジ止め時に金属枠11dが適度に変形し、ネジ止め固定する際に生ずる応力を吸収緩和することができる。その結果、炭素繊維を所定方向に配列させた基材の炭素繊維の間に、熱によって溶融させた金属材料を浸透させて成る本体部11aの第一の層1bと第二の層1cと第三の層1dが金属枠11dのネジ止め時の応力によって、クラック等によって破損するのを有効に防止することができる。
具体的には本体部11aは、図3(a)に示すように、第一の層1bと第二の層1cとをロウ材を介して接合する構成であったり、図3(b)に示すように、第一の層1bと第二の層1cとを中間金属板10を介して接合する構成であったり、または図示しないが第一の層1bと第二の層1cと第三の層1dとを互いにロウ材を介して接合する構成であったり、第一の層1bおよび第二の層1cとの間、および第二の層1cと第三の層1dとの間に中間金属板10を介して第一の層1bと第二の層1cと第三の層1dとを接合する構成であったりする。
これら本発明の放熱部材1は、以下のようにして作製される。
すなわち、まず炭素繊維成形体を作製する。炭素繊維成形体は、所定の方向に配列した炭素繊維間にコークス,黒鉛等の微粉末から成るフィラーを充填させ、2800℃以上の高温で熱処理することによって作製される。次いで、含浸金属と接合させ易くする表面処理をした後に炭素繊維成形体と含浸する金属材料とを金属材料の融点以上の高温かつ加圧雰囲気内に設置し、含浸する金属材料を炭素繊維成形体に接触させることで、炭素繊維間に金属材料を含浸させる。以上により金属材料が含浸された炭素繊維複合材料が作製される。
その後、金属材料が含浸された炭素繊維複合材料のブロックを、炭素繊維の主配置方向と平行または交差する方向に切断することによって、炭素繊維の主配置方向が上側主面に沿っている第一の層1bまたは第三の層1dと、炭素繊維の主配置方向が上側主面に対し交差する方向とされた第二の層1cとを作製する。各層は、例えば、第一の層1bが縦2〜150mm×横2〜150mm×厚さ0.4〜1.5mm、第二の層1cが縦2〜150mm×横2〜150mm×厚さ0.4〜1.5mm、第三の層1dcが縦2〜150mm×横2〜150mm×厚さ0.4〜1.5mm程度に形成される。
次に、これら第三の層1d、第二の層1cおよび第一の層1bの層間に厚さ0.01〜0.1mmの中間金属板10となる金属板を挟んでこれらを順に積み重ね、上下面に9.8〜98KPa程度の圧力を加えながら、炉内で加熱する。中間金属板10が融点960℃のAgから成る場合は、960〜1060℃において5〜15分、中間金属板10が融点1080℃のCuから成る場合は、1080〜1180℃において5〜15分加熱すればよい。なお、中間金属板10を用いない場合は、中間金属板10の代わりに、Ag−Cuロウ等のロウ材を板状に成形したものを各層間に配置してロウ接合すればよい。
また、本体部11aの外周側面を覆うように金属枠11dを設けるとともに、本体部11aの上下主面に上部金属板11bおよび下部金属板11cを配する場合は、上記本体部11aとなる積み重ねたものの外面にこれらを配置して、炉内で加熱し、中間金属板10とともに接合すればよい。
そしてその後、常温に冷却することによって、本発明の放熱部材1が得られる。
本発明の電子部品収納用パッケージは、図4(a),(b)に示されるように、本発明の放熱部材が電子部品4の載置部1aに用いられた平板状の基体1と、基体1の上側主面の外周部に載置部1aを囲繞するように取着され、側部を切り欠いて形成された入出力端子3の取付部2aを有する、外形寸法が基体1よりも小さい金属製の枠体2と、取付部2aに嵌着された、枠体2の内外を電気的に導通する入出力端子3とを具備して成る。なお、図4(a)に示す例は、図1(a)に示す放熱部材1を用いたものであり、図4(b)に示す例は、図3(a)に示す放熱部材1を用いたものである。
また、図4(b)に示すように、基体1として炭素繊維複合材料が複数枚互いに接合されてなる本体部11aの外周側面を覆うように金属枠11dを配するとともに、本体部11aの上下主面に金属板(上部金属板11bおよび下部金属板11c)を配した放熱部材1を用いる場合、平面視において、枠体2および入出力端子3は、その直下に本体部11aが存在する領域内に位置させるのがよい。
この構成により、枠体2および入出力端子3に囲まれるパッケージ内部の全ての領域が本体部11aの直上に位置するようになり、電子部品4から発生する熱の多くを本体部11aを経由させて基体1の下側主面から効率良く熱放散させることができ、熱放散性が極めて良好になる。
また、この構成により、セラミックスから成る入出力端子3の直下に本体部11aが位置するようになり、基体1の入出力端子3との接合部において、基体1の熱膨張係数が入出力端子3の熱膨張係数に近いものとなる。その結果、入出力端子3が基体1との熱膨張差によってクラック等の破損が生ずるのを有効に防止することができ、パッケージ内部の気密信頼性を向上させることができる。
また、図3、図4において、上部金属板11bは平板状としているが、電子部品4の載置部1aが突出するように厚みを変えた上部金属板11bとしてもよい。これによって、例えば入出力端子3のメタライズ配線層と電子部品4の電極、または電子部品4の周囲に配置されるキャパシタ等の電子素子の電極との高さを調整し、高周波反射損失を低減させることができる。
また、本発明の電子装置は、図4(a),(b)に示されるように、上記本発明の電子部品収納用パッケージと、載置部1aに載置されるとともに入出力端子3に電気的に接続された電子部品4と、枠体2の上面に載置部1aを塞ぐように接合された蓋体5とを具備しているものである。そして、放熱板や放熱フィン、回路基板等に基体1の下面側が接するように固定される。
この構成により、作動時における発生熱量が多い電子部品4を収納した場合にも、電子部品4から発生する熱を外部に効率良く熱放散させることができ、電子部品4の温度上昇を抑制できる。
また基体1は、上記したように上下主面間で繊維方向が異なった炭素繊維複合材料が複数枚互いに接合されてなる構造であることから、従来のように厚さ方向等の一方向に割れ易いということがなくなる。例えば、基体1の平面視における四隅にネジ止め固定用の貫通孔を設けネジ止め固定したとしても、ネジ止め固定時に基体1が割れ難く、パッケージ内部の気密性を良好に保持することができる。
以上のように、本発明の電子装置は、電子部品4から発生する熱の外部への熱放散が良好であり、優れた電子部品4の作動信頼性を有するものとなる。
なお、基体1の表面には、酸化腐食の防止や電子部品4のロウ付け等による接合を良好にするために、厚さ0.5〜9μmのNi層や厚さ0.5〜5μmの金(Au)層から成る金属層をめっき法等により被着させておくとよい。また、電子部品4の熱を効率よく外部へ放熱させるために、電子部品4がペルチェ素子等の熱電冷却素子(図示せず)に搭載された状態で載置部1aに載置されていてもよい。
また、基体1の上側主面の外周部には、載置部1aを囲繞するようにしてAg−Cuロウ等のロウ材を介して取着された、外形寸法が基体1よりも小さい四角枠状等の枠体2が立設されており、枠体2は基体1とともにその内側に電子部品4を収容する空所を形成する。枠体2は、Fe−Ni−Co合金,Cu,Cu−W等の金属から成る枠状体であり、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施したり、射出成形と切削加工等を施したりすることによって所定形状に製作され、基体1にAg−Cuロウ等のロウ材を介して接続される。また、枠体2の表面には、酸化腐食の防止や取付部2aに入出力端子3のロウ付け等による嵌着を良好にするために、厚さ0.5〜9μmのNi層や厚さ0.5〜5μmのAu層から成る金属層をめっき法等により被着させておくとよい。
また、枠体2には、側部を切り欠いて形成された入出力端子3の取付部2aが形成されている。そして、入出力端子3が枠体2の取付部2aにAg−Cuロウ等のロウ材を介してロウ付けされる。
入出力端子3は、例えば、上面に一辺から対向する他辺にかけて形成された枠体2の内外を導通するメタライズ配線層を有する四角平板状の平板部およびこの平板部の上面にメタライズ配線層の一部を間に挟んで接合された直方体状の立壁部とから構成され、枠体2の側部に設けられた取付部2aにAg−Cuロウ等のロウ材を介してロウ付けされる。
入出力端子3を構成する上記の平板部および立壁部は、Al質焼結体、窒化アルミニウム(AlN)質焼結体等のセラミックスから成り、セラミックグリーンシートを打ち抜き加工し、これらのセラミックグリーンシートを多層積層し焼成することによって形成される。
入出力端子3の平板部の上面に設けられたメタライズ配線層は、W,モリブデン(Mo),マンガン(Mn)等の導体ペーストを焼成することにより形成され、必要な場合、さらにNi層やAu層がメッキされる。また、枠体2外側のメタライズ配線層には、Fe−Ni−Co合金等の金属から成るリード端子がAg−Cuロウ等のロウ材を介して電気的に接続されていてもよい。
上記構成のパッケージの載置部1aに半導体素子等の電子部品4を載置した後、半導体素子等の電子部品4の電極と入出力端子3のメタライズ配線層の枠体2内側の部位とをボンディングワイヤ等で電気的に接続し、枠体2の上面にFe−Ni−Co合金等の金属から成る蓋体5をシーム溶接法等の溶接法やロウ付け法等により取着し、半導体素子等の電子部品4を気密に封止することにより、製品としての電子装置となる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等支障ない。したがって、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、本発明の範囲は特許請求の範囲に示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲に属する変形や変更は全て本発明の範囲内のものである。
例えば、第三の層1dの下側主面にさらに同様の炭素繊維複合材料から成る第4の層を設けてもよい。また、上側金属層11bおよび下側金属層11cは、平板状に限ることはなく、適宜な形状とすればよい。
(a)は本発明の放熱部材の実施の形態の一例を示す断面図であり、(b)は本発明の放熱部材の実施の形態の他の例を示す断面図である。 (a),(b)は本発明の放熱部材の実施の形態の他の例を示す断面図である。 (a),(b),(c)は本発明の放熱部材の実施の形態のさらに他の例を示す断面図である。 (a)は図1(a)に示す放熱部材を基体として用いた電子部品収納用パッケージおよび電子装置の実施の形態の例を示す断面図、(b)は図3(a)に示す放熱部材を基体として用いた電子部品収納用パッケージおよび電子装置の実施の形態の例を示す断面図である。 本発明の放熱部材における複合材料の層間の接合状態を模式的に示す断面図であり、(a)はロウ材で接合した場合、(b)は金属板で接合した場合を示す。 (a)は従来の電子部品収納用パッケージの例を示す平面図、(b)は図3(a)に示す電子部品収納用パッケージの断面図である。
符号の説明
1:放熱部材(基体)
1a:載置部
1b:第一の層
1c:第二の層
1d:第三の層
2: 枠体
2a:取付部
3:入出力端子
4:電子部品
5:蓋体
10:中間金属板
11a:本体部
11b:上部金属板
11c:下部金属板
11d:金属枠

Claims (8)

  1. 上側主面に電子部品が載置され、炭素繊維が金属材料に含浸された複合材料から成る放熱部材であって、前記炭素繊維の主配置方向が前記上側主面に沿っている第一の層と、該第一の層の下側に前記炭素繊維の主配置方向が前記上側主面に対し交差する方向とされた第二の層とを有することを特徴とする放熱部材。
  2. 前記第一の層の炭素繊維の主配置方向は、前記上側主面とほぼ平行であり、前記第二の層の炭素繊維の主配置方向は、前記上側主面とほぼ垂直であることを特徴とする請求項1記載の放熱部材。
  3. 前記第一の層および前記第二の層の間に中間金属板が配されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の放熱部材。
  4. 前記第二の層の下側に前記炭素繊維の主配置方向が前記上側主面に沿っている第三の層を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の放熱部材。
  5. 前記第二の層および前記第三の層の間に中間金属板が配されていることを特徴とする請求項4記載の放熱部材。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の放熱部材を本体部とし、該本体部の外周側面を覆うように金属枠を設けるとともに、前記本体部の上下主面に金属板を配したことを特徴とする放熱部材。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の放熱部材が電子部品の載置部に用いられた平板状の基体と、該基体の上側主面の外周部に前記載置部を囲繞するように取着された金属製の枠体と、該枠体の側部に嵌着された、前記枠体の内外を電気的に導通する入出力端子とを具備していることを特徴とする電子部品収納用パッケージ。
  8. 請求項7記載の電子部品収納用パッケージと、前記載置部に載置されるとともに前記入出力端子に電気的に接続された電子部品と、前記枠体の上面に前記載置部を塞ぐように接合された蓋体とを具備していることを特徴とする電子装置。
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