JP2007059869A - 電子装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 蓋体とメタライズ層とを接合するろう材の搭載部への流れ出しや飛び散りが抑制された、電子部品の作動や気密封止の信頼性に優れた電子装置を提供する。
【解決手段】 本発明の電子装置は、絶縁基体101と、絶縁基体101上に搭載された電子部品110と、電子部品110の搭載部102を平面視で取り囲むように絶縁基体101に形成されたメタライズ層104と、メタライズ層104上にろう材107を介して接合された蓋体106とを備え、ろう材107は、第1の金属108中に第1の金属108より融点が高い薄膜状の第2の金属109が分散して形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体素子や圧電素子等の電子部品が搭載された電子装置に関するものである。
従来の電子装置として、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックスから成る絶縁基体上に電子部品が搭載されており、電子部品の搭載部を取り囲むように絶縁基体に形成されたメタライズ層に、金属製の蓋体がろう材を介して、または金属製の蓋体が金属枠体およびろう材を介して接合されたものがある。
ここで、蓋体を絶縁基体のメタライズ層に接合する方法としては、絶縁基体の上面のメタライズ層に、鉄−ニッケル−コバルト合金からなり、下面に銀ろうなどのろう材が圧着された蓋体を載置し、ろう材を加熱溶融させる方法が採用される。
また、絶縁基体のメタライズ層に取着された金属枠体上に、蓋体を接合する方法としては、絶縁基体の上面に形成されたメタライズ層上に、鉄−ニッケル−コバルト合金等からなる金属枠体を、銀ろうなどの接合材を介して取着したのち、金属枠体上に、鉄−ニッケル−コバルト合金等からなり、表面にニッケルめっき等のろう材が被着された蓋体を載置し、ろう材を加熱溶融させる方法が採用される。
ろう材の加熱は、例えば、蓋体の外周縁にシーム溶接機の一対のローラー電極を接続した後、絶縁基体のメタライズ層や金属枠体に溶接のための電流を流して抵抗発熱させることにより行なわれる。
特開2000−278082号公報
しかしながら、従来の電子装置においては、メタライズ層上に蓋体を接合する際に、溶融したろう材がメタライズ層と蓋体との間や、金属枠体と蓋体との間から押し出されて、電子部品側に流れ出したり、飛び散ったりして、気密封止性や信頼性を低下させる可能性があった。
本発明は、このような従来の技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、ろう材の流れ出しが低減された、気密封止性および信頼性に優れた電子装置を提供することにある。
本発明の電子装置は、絶縁基体と、該絶縁基体上に搭載された電子部品と、該電子部品の搭載部を平面視で取り囲むように前記絶縁基体に形成されたメタライズ層と、該メタライズ層上にろう材を介して接合された蓋体とを備え、前記ろう材は、第1の金属中に該第1の金属より融点が高い薄膜状の第2の金属が分散されたものであることを特徴とするものである。
また、本発明の電子装置は、絶縁基体と、該絶縁基体上に搭載された電子部品と、該電子部品の搭載部を平面視で取り囲むように前記絶縁基体に取着された金属枠体と、該金属枠体上にろう材を介して接合された蓋体とを備え、前記ろう材は、第1の金属中に該第1の金属より融点が高い第2の金属が分散されたものである。
また、本発明の電子装置は、前記第2の金属は、主面が前記絶縁基体と前記蓋体との接合面に沿うようにして前記ろう材中に分散されていることを特徴とするものである。
また、本発明の電子装置は、前記第1の金属が銀−銅であり、前記第2の金属が、金、ニッケル、コバルト、クロム、白金、ロジウム、パラジウムまたはこれらの合金のうちの一種であることを特徴とするものである。
また、本発明の電子装置は、前記ろう材は、接合後において平面視で前記搭載部側から外側に向かうにつれて漸次厚みが厚くなるように形成されていることを特徴とするものである。
本発明の電子装置は、ろう材が、第1の金属中に第1の金属より融点が高い薄膜状の第2の金属が分散されたものであることから、溶融した第1の金属の動きは、溶融していない第2の金属の存在による抵抗(圧力抵抗および摩擦抵抗)、および第2の金属との界面に生じる界面張力により制限される。そのため、メタライズ層上に蓋体を、ろう材を介して接合する際に、溶融したろう材の流動性は低く抑えられ、ろう材が、メタライズ層と蓋体との接合部から流れ出ることや飛散することが抑制される。よって、ろう材の流れ出しが低減された、気密封止性および信頼性に優れた電子装置を提供できる。
また、本発明の電子装置によれば、ろう材の溶融時の流動性が抑えられているので、ろう材の厚みを、従来に比較して厚く形成することが可能となる。そのため、例えばシーム溶接で蓋体をメタライズ層に接合するような場合、メタライズ層や絶縁基体に印加される溶接電流による熱衝撃は、厚いろう材で効果的に吸収緩和することができる。したがって、上記熱衝撃に起因して絶縁基体やメタライズ層等にクラックが発生することを防止することができる。
また、本発明の電子装置は、ろう材が、第1の金属中に該第1の金属より融点が高い第2の金属が分散されたものであることから、溶融した第1の金属が流動することが、溶融していない第2の金属により生じる圧力抵抗や摩擦抵抗、更には第2の金属との界面に生じる界面張力により制限される。そのため、金属枠体上に蓋体を、ろう材を介して接合する際に、溶融したろう材の流動性は低く抑えられ、ろう材が、金属枠体と蓋体との接合部から流れ出ることや飛散することが抑制される。よって、ろう材の流れ出しが低減された、気密封止性および信頼性に優れた電子装置を提供できる。
また、本発明の電子装置は、前記第2の金属は、主面が前記絶縁基体と前記蓋体との接合面に沿うようにして前記ろう材中に分散されていることから、上記接合面に沿った方向で、第1の金属(溶融状態)と第2の金属との接触界面の面積をより大きく確保することができる。そのため、この方向、つまり、ろう材が接合部から流れ出る方向で、第1の金属の動きがさらに制限される。その結果、接合部からのろう材の流れ出し等がより効果的に制限され、信頼性に優れた電子装置をより確実に提供することができる。
また、第2の金属は、主面が絶縁基体と蓋体との接合面に沿うような薄膜状なので、ろう材と蓋体との接合界面や、ろう材とメタライズ層との接合界面に存在する確率が非常に低くなる。これは、薄膜状の第2の金属の両主面に沿って濡れるように表面張力が生じる第1の金属(溶融状態)に妨げられて、第2の金属がメタライズ層や蓋体と直接接することが難しくなることによる。
そのため、メタライズ層や蓋体は、ろう材との接合面のうち、溶融して接合することが可能な第1の金属と接触する割合が増えることになり、ろう材との間の接合がより強固となる。その結果、ろう材を介した蓋体とメタライズ層(絶縁基体)との間の接合がより強固となり、気密封止の信頼性がさらに高くなる。
また、本発明の電子装置は、第1の金属が銀−銅であることから、例えばシーム溶接で得られる温度においても、第1の金属が容易に溶融して、メタライズ層と蓋体とを接合することができる。
また、第2の金属を金、ニッケル、コバルト、クロム、白金、ロジウム、パラジウムまたはこれらの合金のうちの一種から構成したことにより、第1の金属が溶融したときに、第2の金属は溶融しないでろう材中に存在することになり、溶融した第1の金属を隣り合う(上下または左右の)第2の金属との間、もしくは蓋体と第2の金属との間、もしくは第2の金属とメタライズ層(、または金属枠体)との間に狭い間隔で保持することが可能となり、より良い効果を得ることができる。
これらの金属は、融点が銀−銅よりも高く、銀−銅との濡れ性が良好なので、銀−銅から成る第1の金属よりも融点の高い第2の金属を第1の金属の間に分散させて成るろう材を、より容易かつ確実に実現することができる。
また、ろう材は、接合後において平面視で搭載部側から外側に向かうにつれて漸次厚みが厚くなるように形成されていることから、蓋体とメタライズ層、または蓋体と金属枠体とをシーム溶接により接合する際に、蓋体とメタライズ層、または金属枠体との間に絶縁基体の外周側に向かってろう材の厚みが厚くなる部位が形成されるので、シーム溶接したろう材は封止部(蓋体とメタライズ層との間、または蓋体と金属枠体との間)において、ろう材を厚く強固に接合できる。
さらに溶融したろう材の流動性は低く抑えられ、ろう材が、メタライズ層と蓋体との間、または金属枠体と蓋体との間の接合部から流れ出ることや飛散することが抑制される。よって、メタライズ層(または金属枠体)と蓋体とが強固に接合された気密信頼性に優れた電子装置を提供することができる。
本発明の電子装置について添付の図面を参照して詳細に説明する。
(第1の形態)
図1(a)は、本発明のメタライズ層上にろう材を介して接合された蓋体を備えた電子装置の第1の形態について、その実施の形態の一例を示す断面図であり、図1(b)はその要部拡大図である。
本発明の電子装置は、図1で示したように、絶縁基体101と、搭載部102と、電子部品110と、搭載部102を取り囲むようにして絶縁基体101の上面に形成されたメタライズ層104と、メタライズ層104に接合された蓋体106とを備えている。ここで、電子部品は例えば圧電振動子や半導体素子等である。
絶縁基体101は、絶縁材料からなり、例えば、酸化アルミニウム質焼結体,窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミックス焼結体等のセラミック材料により形成されている。絶縁基体101は、上面中央に電子部品110を収容するための凹状の搭載部102を有する。搭載部102の底面に電子部品110が搭載される。
絶縁基体101は、電子部品110を支持するための支持体であり、例えば、酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば次のようにして作製される。まず、酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化カルシウム等の原料粉末を有機溶剤,バインダ等とともにシート状に成形して、複数のセラミックグリーンシートを得る。そして、このセラミックグリーンシートのうち必要なものに凹状の搭載部102となる開口部を打ち抜き等により形成し、開口部を形成したセラミックグリーンシートが表層に位置するようにして複数のセラミックグリーンシートを順次積層する。そして、このセラミックグリーンシートの積層体を焼成することにより作製される。
また、この実施形態において、絶縁基体101の搭載部102から下面にかけて導出するように配線導体103が形成されている。
配線導体103は、電子部品110の各電極を外部に電気的に導出するための導電路として機能する。搭載部102に搭載された電子部品110が、ボンディングワイヤや半田等の接続材を介して接続され、配線導体103を介して搭載部102の外側(絶縁基体101の側面や下面等)に導出される。この配線導体103の導出部分を外部の電気回路と電気的に接続されることにより、電子部品110が外部の電気回路と電気的に接続される。
配線導体103は、例えば、タングステンやモリブデン、マンガン、銅、銀、パラジウム、金、白金等の金属粉末焼結体からなる。
配線導体103は、好ましくは、その露出する表面にニッケルめっき層105aと金めっき層105bとが被着されている。このような配線導体103は、例えばタングステン粉末焼結体からなる場合であれば、タングステン粉末に適当な有機バインダー、溶剤を添加混合して得られた金属ペーストを絶縁基体101用のセラミックグリーンシートに従来周知のスクリーン印刷法により所定のパターンに印刷塗布し、これを絶縁基体101用のセラミックグリーンシートとともに焼成することによって、絶縁基体101の搭載部102底面から下面にかけて所定のパターンに被着形成される。
なお、搭載部102外への電子部品110の導出は、配線導体103に限らず、絶縁基体101を貫通する貫通導体や、金属製のリード端子等の他の手段を介して行なわせるようにしてもよい。
また、絶縁基体101の上面に搭載部102を取り囲むようにして形成されたメタライズ層104は、タングステンやモリブデン、マンガン、銅、銀、パラジウム、金、白金等の金属粉末焼結体からなる。メタライズ層104は、例えば、幅が0.2〜0.5mm程度で厚みが10〜50μm程度の枠状で形成されている。
メタライズ層104は、絶縁基体101に蓋体106を接合させるための下地金属として機能している。このメタライズ層104上に蓋体106がろう材107を介して接合されている。
なお、メタライズ層104と蓋体106とのろう材107を介した接合は、例えば、シーム溶接により行なわれている。
すなわち、下面にろう材107が被着された蓋体106を絶縁基体101のメタライズ層104上に載置し、この蓋体106の外周縁にシーム溶接機の一対のローラー電極を接触させながら転動させるとともに、このローラー電極と蓋体106との接触部をジュール発熱させて、この熱を蓋体106の下面側に伝達させてろう材107の一部を溶融させることによって行われている。
また、本発明の電子装置は、図2で示したように、絶縁基体101と、搭載部102と、電子部品110と、搭載部102を取り囲むようにして絶縁基体101の上面に形成されたメタライズ層104aと、メタライズ層104aに取着された金属枠体111に接合された蓋体106とを備えている。他の構成は、図1の第1の形態で示した電子装置と同様である。
メタライズ層104a上に取着された金属枠体111は、鉄−ニッケル合金や鉄−ニッケル−コバルト合金等からなり、下面に銀ろうなどのろう材107が圧着された金属枠体111を載置し、800〜900℃程度の熱処理により、メタライズ層104aに金属枠体111が取着される。取着された金属枠体111の表面には、蓋体106との接合時のろう材107の濡れ性、および耐食性等を考慮して、ニッケルめっき層や金めっき層が順次に被着される。
ろう材107は、第1の金属108中に第1の金属108より融点が高い第2の金属109が分散されたものから構成されている。
このような構成としたことから、蓋体106の接合時に、溶融した第1の金属108の動きは、溶融していない第2の金属109の存在による抵抗(圧力抵抗および摩擦抵抗)、および第2の金属109との界面に生じる界面張力により制限される。そのため、メタライズ層104上に蓋体106を、ろう材107を介して接合する際に、溶融したろう材107の流動性は低く抑えられ、ろう材107が、メタライズ層104と蓋体106との間の接合部から流れ出ることや飛散することが抑制される。
よって、ろう材107の電子部品110への付着、および接合部に介在するろう材107の減少や量のばらつき等が効果的に防止された、気密封止や電子部品110の作動等の信頼性に優れた電子装置を提供できる。
また、ろう材107の溶融時の流動性が抑えられているので、ろう材107の厚みを、従来に比較して厚く形成することが可能となる。そのため、例えばシーム溶接で蓋体106をメタライズ層104に接合するような場合、メタライズ層104や絶縁基体101に印加される溶接電流による熱衝撃は、厚いろう材107で効果的に吸収緩和することができる。
したがって、上記熱衝撃に起因して絶縁基体101やメタライズ層104等にクラックが発生することを防止することができる。
このような、第1の金属108中に第1の金属108よりも融点が高い第2の金属109が分散されたろう材107は、例えば、以下のようにしてメタライズ層104と蓋体106との間に介在させて接合させることができる。
まず、第1の金属108となる金属箔(図示せず)を蓋体の下面の外周部(メタライズ層104と接合される部分)の表面に被着させる。
次に、第2の金属109となる金属膜(図示せず)を、例えば、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法やCVD法またはめっき法等の薄膜形成法を用いることにより、上記第1の金属108となる金属箔の表面に被着させる。この場合、第2の金属109が第1の金属108を完全に覆わないように、マスキングを施す。
この、第1の金属108となる金属箔の被着と、第2の金属となる金属膜の被着とを繰り返すと、蓋体106に、複数層の金属箔(第1の金属108)と、その金属箔の層間に分散して介在する複数の金属膜(第2の金属109)とから成るろう材層(未ろう付け)が形成されることになる。このろう材層を間に挟んで、蓋体106とメタライズ層104とを位置合わせし、周知のシーム溶接等を用いて所定の温度・雰囲気で加熱することにより、上記構成のろう材107を介して蓋体106とメタライズ層104とが接合される。
なお、蓋体106は、露出する表面(この実施形態では上面)に、耐食性向上のためにニッケルめっき層(図示せず)が被着される場合もある。他の露出した配線導体103に被着されるめっき層については、簡略化のために図示していない。
(第2の形態)
次に、本発明の電子装置の第2の形態について、実施の一例を挙げて説明する。
図2(a)は、本発明の第2の形態における電子装置について、その実施の形態の一例を示す断面図であり、図2(b)は図2(a)の要部拡大図である。図2(a)(b)において、図1(a)(b)と同じ部位には同じ符号を付している。
第2の形態において、電子装置は、絶縁基体101と、絶縁基体101上に搭載された電子部品110と、電子部品110の搭載部102を平面視で取り囲むように絶縁基体101に取着された金属枠体111と、金属枠体111上にろう材107を介して接合された蓋体106とを備える。
この第2の形態における電子装置は、絶縁基体101に金属枠体111が取着され、この金属枠体に蓋体106が接合されている点が、上述した第1の形態における電子装置と相違し、他の部位の構造、機能はそれぞれ同じである。
すなわち、絶縁基体101に搭載された電子部品110が、ろう材107を介して金属枠体111に接合された蓋体106により気密封止されて、電子装置が形成されている。
ろう材107は、第1の金属108中に第1の金属108より融点が高い第2の金属109が分散されたものから構成されている。
このような構成としたことから、蓋体106の接合時に、溶融した第1の金属108が流動することが、溶融していない第2の金属109による圧力抵抗や摩擦抵抗、或いは第2の金属109との界面に生じる界面張力により制限される。そのため、金属枠体111上に蓋体106を、ろう材107を介して接合する際に、溶融したろう材107の流動性は低く抑えられ、ろう材107が、金属枠体111と蓋体106との間の接合部から流れ出ることや飛散することが抑制される。
よって、ろう材107の電子部品110への付着、および接合部に介在するろう材107の減少や量のばらつき等が効果的に防止された、気密封止や電子部品110の作動等の信頼性に優れた電子装置を提供できる。
この場合、上述した第1の形態の場合と同様にして、第1の金属108中に第1の金属108よりも融点が高い第2の金属109が分散されたろう材107を、金属枠体111と蓋体106との間に介在させて接合させることができる。
例えば、まず、第1の金属108となる金属箔(図示せず)を蓋体の下面の外周部(メタライズ層104aと接合される部分)の表面に被着させる。
次に、第2の金属109となる金属膜(図示せず)を、例えば、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法やCVD法またはめっき法等の薄膜形成法を用いることにより、上記第1の金属108となる金属箔の表面に被着させる。この場合、第2の金属109が第1の金属108を完全に覆わないように、マスキングを施す。
この第1の金属108となる金属箔の被着と、第2の金属となる金属膜の被着とを繰り返すと、蓋体106に、複数層の金属箔(第1の金属108)と、その金属箔の層間に分散して介在する複数の金属膜(第2の金属109)とから成るろう材層(未ろう付け)が形成されることになる。このろう材層を間に挟んで、蓋体106と金属枠体111とを位置合わせし、周知のシーム溶接等を用いて所定の温度・雰囲気で加熱することにより、上記構成のろう材107を介して蓋体106と金属枠体111とが接合される。
蓋体106および金属枠体111は、露出する表面(この実施形態では上面)に、耐食性向上のためにニッケルめっき層等のめっき層(図示せず)が被着されていてもよい。
なお、金属枠体111は、例えば、鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金等の鉄系の合金材料により形成されている。
金属枠体111は、搭載部102を平面視で取り囲むような枠状の形状であり、例えば、鉄−ニッケル−コバルト合金の板材に、打ち抜き加工やエッチング加工等の加工を施すことにより作製することができる。
金属枠体111の絶縁基体101に対する取着は、例えば、あらかじめ絶縁基体101に搭載部102を取り囲むような枠状の接合用のメタライズ層104aを形成しておき、この接合用メタライズ層104aに、銀ろう等の接合材(図示せず)を介して金属枠体111を接合することにより行なうことができる。
なお、図2(a)および(b)において、103は配線導体であり、図1(a)および(b)の場合と同じように、電子部品110の各電極と電気的に接続され、これを外部に電気的に導出するための導電路として機能する。配線導体103に限らず、絶縁基体101を貫通する貫通導体や、金属製のリード端子等の他の手段により電子部品110の導出を行なうようにしてもかまわない点も、第1の形態と同様である。
これらの配線導体103や接合用のメタライズ層104aは、それぞれ、第1の形態における配線導体103やメタライズ層104aと同様の材料を用い、同様の手段により形成することができる。
(好適条件)
以下、第1および第2の形態の電子装置において好適な条件を説明する。
第2の金属109は、主面が絶縁基体101と蓋体106との接合面に沿うようにしてろう材107中に分散されていることが好ましい。
ろう材107と蓋体106との接合面や、ろう材107とメタライズ層104や金属枠体111との接合面に存在する確率が非常に低くなる。これは、薄膜状の第2の金属109の両主面に沿って濡れるように表面張力が生じる第1の金属108(溶融状態)に妨げられて、第2の金属109がメタライズ層104や蓋体106と直接接することが難しくなることによる。
そのため、メタライズ層104や蓋体106や金属枠体111は、ろう材107との接合面のうち、溶融して接合することが可能な第1の金属108と接触する割合が増えることになり、ろう材107との間の接合がより強固となる。その結果、ろう材107を介した蓋体106とメタライズ層104、または蓋体106と金属枠体111との間の接合がより強固となり、気密封止の信頼性がさらに高くなる。
この場合、上記接合面に沿った方向で、第1の金属108(溶融状態)と第2の金属109との接合面の面積をより大きく確保することができる。そのため、この方向、つまり、ろう材107が接合部から流れ出る方向で、第1の金属108の動きがさらに制限される。その結果、接合部からのろう材107の流れ出し等がより効果的に制限され、信頼性に優れた電子装置をより確実に提供することができる。
また、第2の金属109は、主面が絶縁基体101と蓋体106との接合面に沿うような薄膜形状なので、ろう材107の空隙がろう材107と蓋体106との接合界面や、ろう材107とメタライズ層104、またはろう材107と金属枠体111との接合界面に存在する確率が非常に低くなる。これは、薄膜状の第2の金属109の両主面に沿って濡れるように表面張力が生じる第1の金属108(溶融状態)に妨げられて、第2の金属109がメタライズ層104(または金属枠体111)や蓋体106と直接接することが難しくなることによる。
そのため、メタライズ層104や、金属枠体111、蓋体106は、ろう材107との接合面のうち、溶融して接合することが可能な第1の金属108と接触する割合が増えることになり、ろう材107との間の接合がより強固となる。その結果、ろう材107を介した蓋体106とメタライズ層104(絶縁基体101)、または蓋体106と金属枠体111との間の接合がより強固となり、気密封止の信頼性がさらに高くなる。
なお、上記のように第2の金属109を金属膜で形成することにより、第2の金属109を薄膜形状として、主面が絶縁基体101と蓋体106との接合面に沿わせるようにろう材107中に分散させることができる。
ここで、蓋体を接合するためのろう材107の厚みは通常30〜50μm程度であり、このように主面が絶縁基体101と蓋体106との接合面に沿うようにしてろう材107中に分散されている構造とするために、蓋体106とメタライズ層104、または蓋体106と金属枠体111のろう材107の濡れ性を考慮すると、第2の金属109の厚みが1〜5μm程度となるように形成することが好ましい。1〜5μmとすることにより、第1の金属108が蓋体106とメタライズ層104、または蓋体106と金属枠体111と接触する割合が増えるとともに、溶融していない第2の金属109の存在による抵抗(圧力抵抗および摩擦抵抗)、および第2の金属109との界面に生じる界面張力を効果的に作用させて、ろう材107が、蓋体106とメタライズ層104、または蓋体106と金属枠体111との間の接合部から流れ出ることや飛散することが抑制される。
また、本発明の電子装置は、第1の金属108が銀−銅であり、第2の金属109が、金、ニッケル、コバルト、クロム、白金、ロジウム、パラジウムまたはこれらの合金のうちの一種であることが好ましい。
この場合、シーム溶接により絶縁基体101のメタライズ層104と蓋体106、または金属枠体111と蓋体106を接合する際に、シーム溶接で得られる温度においても、第1の金属108が良好に溶融して接合することができる。
また、銀−銅である第1の金属108と第2の金属109との間の濡れ性が良好であるため、両者の界面で化学的結合も生じる。そのため、溶融したときの第1の金属108の動きは、第2の金属109により、より強く抑制される。したがって、さらにろう材107の流れ出しが防止された、信頼性の高い電子装置とすることができる。
第1の金属108に用いられる銀−銅は、例えば銀−銅共晶組成をベースとする周知の銀ろう(例えば、71〜73wt%銀−27〜29wt%銅、JIS名称:BAg−8)で構成される。BAg−8の場合、第1の金属108の融点は780℃である。この第1の金属108は、対象とする製品の大きさや形状により、濡れ性や溶融温度の調整のために、錫、亜鉛などの金属元素が添加されていてもよい。
なお、金、ニッケル、コバルト、クロム、白金、ロジウムおよびパラジウムは、いずれも、上記B−Ag8よりも融点が高い。
また、第2の金属109は、上下に隣り合うもの同士の隣接間隔が、10〜20μm程度となるように形成されることが望ましい。これは、蓋体106とメタライズ層104、または蓋体106と金属枠体111とをシーム溶接により接合する際に、接合に必要なろう材107の量を確保するとともに、溶融した第1の金属108aの流動性を第2の金属109により、より効果的に抑制するためである。
また、第2の金属109の1個当たりの断面方向の長さは、接合部の幅に対して1/3〜1/5程度の長さであることが望ましい。
このように、接合部の幅に対して1/3〜1/5程度とすることにより、蓋体106とメタライズ層104、または蓋体106と金属枠体111とをシーム溶接により接合する際に、厚み方向に対するろう材の相互供給を確保することができ、ろう材107の不足による封止部の部分的な接合不良を防止することができる。
また、本発明の電子装置は、ろう材107は、接合後において平面視で搭載部102側から外側に向かうにつれて漸次厚みが厚くなるように形成されていることが好ましい。
このような構造としたことから、蓋体106とメタライズ層104、または蓋体106と金属枠体111とをシーム溶接により接合する際に、蓋体106とメタライズ層104、または金属枠体111との間に絶縁基体101の外周側に向かってろう材107の厚みが厚くなる部位が形成されるので、シーム溶接したろう材107は封止部(蓋体106とメタライズ層104との間、または蓋体106と金属枠体111との間)において、ろう材107を厚く強固に接合できるとともに、溶融したろう材107の流動性は低く抑えられ、ろう材107が、メタライズ層104と蓋体106との間、または金属枠体111と蓋体106との間の接合部から流れ出ることや飛散することが抑制される。よって、メタライズ層104(または金属枠体111)と蓋体111とが強固に接合された気密信頼性に優れた電子装置を提供することができる。
ここで、ろう材107を接合後において平面視で搭載部102側から外側に向かうにつれて漸次厚みが厚くなるように形成する方法としては、例えば、蓋体106をろう材107側が凹型の金型に接するようにして打ち抜き加工することにより、蓋体の外周側面にろう材の展性による延出部を形成するようにしてシーム溶接したり、ろう材107が被着形成された蓋体が下側に凸となるように打ち抜くと同時にプレス加工し、蓋体106の外周とメタライズ層104(または金属枠体111)との間に隙間を設けておき、シーム溶接することにより形成することができる。
本発明の電子装置は、以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えても何ら差し支えない。例えば、この例では第1の金属108となる金属箔の層数を3層で構成したが、それ以外の層数の蓋体106として形成してもよい。
また、この実施形態の例では第2の金属109を薄膜形状の小片状として第1の金属108の中に分散させた構造としたが、第2の金属109は、厚み方向に貫通する多数の孔が形成された広面積(接合部に沿う枠状等)の箔状のものとしてもよい。
(a)は、本発明の電子装置の構造を示す断面図であり、(b)は、(a)に示した電子装置の要部拡大図である。 (a)は、本発明の他の電子装置の構造を示す断面図であり、(b)は、(a)に示した電子装置の要部拡大図である。 (a)は、従来の電子装置の構造を示す断面図であり、(b)は、(a)に示した電子装置の要部拡大図である。 (a)は、従来の他の電子装置の構造を示す断面図であり、(b)は、(a)に示した電子装置の要部拡大図である。
符号の説明
101・・・・・絶縁基体
102・・・・・搭載部
103・・・・・配線導体
104・・・・・メタライズ層
104a・・・・・メタライズ層
105・・・・・めっき層
105a・・・ニッケルめっき層
105b・・・金めっき層
106・・・・・蓋体
107・・・・・ろう材
108・・・・・第1の金属
109・・・・・第2の金属
110・・・・・電子部品
111・・・・・金属枠体

Claims (5)

  1. 絶縁基体と、該絶縁基体上に搭載された電子部品と、該電子部品の搭載部を平面視で取り囲むように前記絶縁基体に形成されたメタライズ層と、該メタライズ層上にろう材を介して接合された蓋体とを備え、前記ろう材は、第1の金属中に該第1の金属より融点が高い薄膜状の第2の金属が分散されたものであることを特徴とする電子装置。
  2. 絶縁基体と、該絶縁基体上に搭載された電子部品と、該電子部品の搭載部を平面視で取り囲むように前記絶縁基体に取着された金属枠体と、該金属枠体上にろう材を介して接合された蓋体とを備え、前記ろう材は、第1の金属中に該第1の金属より融点が高い第2の金属が分散されたものであることを特徴とする電子装置。
  3. 前記第2の金属は、主面が前記絶縁基体と前記蓋体との接合面に沿うようにして前記ろう材中に分散されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子装置。
  4. 前記第1の金属が銀−銅であり、前記第2の金属が、金、ニッケル、コバルト、クロム、白金、ロジウム、パラジウムまたはこれらの合金のうちの一種であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子装置。
  5. 前記ろう材は、接合後において平面視で前記搭載部側から外側に向かうにつれて、漸次厚みが厚くなるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電子装置。

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