JP2007058939A - 光記録媒体の記録方法及び記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 未知の記録媒体情報を持つ記録媒体において良好な記録方法を選択し、記録品質に影響の大きい因子を制御することで効率のよく好適な記録波形を導出できる光記録媒体の記録方法及び記録装置を提供する。
【解決手段】 相変化型光記録媒体に複数種の記録マークを記録する装置において、記録媒体の記録方法の情報に対し、記録装置内に前記記録媒体の情報に対応する記録を保存する機能を有する記録装置が、第1の過程として記録媒体に記録されている情報と、記録装置内の記録媒体の情報とを照会し、第2の過程として記録媒体の情報に対応する情報を元に記録媒体に記録し、記録媒体上の情報に対応する記録方法の情報が設定されていない場合に第3の過程として記録媒体上の記録方法に関する情報を元に記録装置内に予め設定されている他の記録媒体情報から記録方法を決定する構成にする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、光記録媒体の記録方法及び記録装置に関し、特に記録可能なコンパクトディスク(CD−RW)及びDVD−RW、DVD+RWなどに応用される未知の記録媒体情報を持つ記録媒体に対して良好な記録を自動的に選択して設定することができる光記録媒体の記録方法及び記録装置に関する。
従来では、書換可能な相変化型光記録媒体は一般的に既存の記録媒体にて最適化された記録波形を記録装置内に記憶しておき、記録媒体毎に最適な記録波形を読み出して記録する方式が取られていた(例えば、特許文献1、2参照。)。
特開2003−99932号公報 特開2005−11391号公報
しかし、上述した従来技術では、新規参入生産会社や新種の記録媒体が出てきた場合、最適化した記録波形がないため記録媒体上に記載の記録波形を用いるか、記録装置固有の記録波形を用いられているが、最適化されていないため記録品質が劣化するおそれがある。
本発明は、上述した実情を考慮してなされたものであって、未知の記録波形情報を持つ記録媒体に良好な記録方法を選択し、記録品質に影響の大きい因子を制御して効率のよく好適な記録波形を導出することができ、新規参入製造会社や新種の記録媒体が出現した場合でも、最適な記録波形を読み出して記録・再生する方式を採用した光記録媒体の記録方法及び記録装置を提供することを目的とする。
本発明者らは光記録媒体の改善に鋭意研究を重ねた結果、前記課題を克服する光記録媒体の光記録方法及び記録装置を見出した。
上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、相変化型光記録媒体に複数種の大きさの記録マークを記録する記録方法において、前記記録媒体に記録された前記記録媒体の記録条件を含む記録媒体情報と、前記記録装置内に記録された複数の記録媒体情報とを比較し、前記記録装置内に前記記録媒体中の記録媒体情報と一致する記録媒体情報が無い場合に、前記記録装置内の記録媒体を記録するための1以上の記録波形情報で前記記録媒体の記録品質を確認することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記記録品質が所定値以上であれば前記記録媒体に記録することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記記録品質が所定値未満であれば、前記記録媒体の記録条件を変更して前記記録媒体の記録品質を確認することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、前記記録波形は、フロントパルス部(FP部)及びマルチパルス部(MP部)及びラストパルス部(LP部)及びクーリングパルス部(CP部)から選択される1以上の部から構成され、前記各パルスの熱量または記録パワーPwと消去パワーPeとの比率Pw/Peを変化させて前記記録媒体の記録品質の確認することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、前記記録波形は、フロントパルス部(FP部)及びマルチパルス部(MP部)及びラストパルス部(LP部)及びクーリングパルス部(CP部)から選択される1以上の部から構成され、前記マルチパルス部(MP部)の熱量を変化させて前記記録媒体の記録品質の確認することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から3または5のいずれか1項に記載の発明において、前記記録波形は、フロントパルス部(FP部)及びマルチパルス部(MP部)及びラストパルス部(LP部)及びクーリングパルス部(CP部)から選択される1以上の部から構成され、記録パワーPwと消去パワーPeとの比率Pw/Peを変化させて前記記録媒体の記録品質の確認することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の発明において、前記光記録媒体の記録層がAα−Bβ−Cγ−Geδ−Teεで表され、Aは主にAg及び又はGeであり、BはIn及び又はGaであり、CはSb、Te及び又はSn、NあるいはOであり、それぞれの組成比α、β、γ、δ、ε(原子%)が
0<α≦6
0≦β≦15
50≦γ≦70
5≦δ≦35
0≦ε≦5
α+β+γ+δ+ε+ζ=100
であることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、相変化型光記録媒体に複数種の大きさの記録マークを記録する記録装置において、前記記録媒体に記録された前記記録媒体の記録条件を含む記録媒体情報と、前記記録装置内に記録された複数の記録媒体情報とを比較し、前記記録装置内に前記記録媒体中の記録媒体情報と一致する記録媒体情報が無い場合に、前記記録装置内の記録媒体を記録するための1以上の記録波形情報で前記記録媒体の記録品質を確認する制御手段を備えたことを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記制御手段は、前記記録品質が所定値以上であれば前記記録媒体に記録することを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項8又は9に記載の発明において、前記制御手段は、前記記録品質が所定値未満であれば、前記記録媒体の記録条件を変更して前記記録媒体の記録品質を確認することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項8から10のいずれか1項に記載の発明において、前記制御手段は、前記記録波形が、フロントパルス部(FP部)及びマルチパルス部(MP部)及びラストパルス部(LP部)及びクーリングパルス部(CP部)から選択される1以上の部から構成され、前記各パルスの熱量または記録パワーPwと消去パワーPeとの比率Pw/Peを変化させて前記記録媒体の記録品質の確認することを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項8から10のいずれか1項に記載の発明において、前記制御手段は、前記記録波形が、フロントパルス部(FP部)及びマルチパルス部(MP部)及びラストパルス部(LP部)及びクーリングパルス部(CP部)から選択される1以上の部から構成され、前記マルチパルス部(MP部)の熱量を変化させて前記記録媒体の記録品質の確認することを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項8から10または12のいずれか1項に記載の発明において、前記制御手段は、前記記録波形が、フロントパルス部(FP部)及びマルチパルス部(MP部)及びラストパルス部(LP部)及びクーリングパルス部(CP部)から選択される1以上の部から構成され、記録パワーPwと消去パワーPeとの比率Pw/Peを変化させて前記記録媒体の記録品質の確認することを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項8から13のいずれか1項に記載の発明において、前記光記録媒体の記録層がAα−Bβ−Cγ−Geδ−Teεで表され、Aは主にAg及び又はGeであり、BはIn及び又はGaであり、CはSb、Te及び又はSn、NあるいはOであり、それぞれの組成比α、β、γ、δ、ε(原子%)が
0<α≦6
0≦β≦15
50≦γ≦70
5≦δ≦35
0≦ε≦5
α+β+γ+δ+ε+ζ=100
であることを特徴とする。
本発明によれば、記録光の照射による加熱後の冷却条件により光学的に異なる少なくとも2つの相の領域を作ることで、情報を記録する相変化型光記録媒体に複数種の大きさの記録マークを記録する装置において、記録媒体上には予め製造条件(記録媒体のメーカー、記録媒体のバージョンなど)及び記録方法に関する情報(記録光波形、記録出力、記録光波長など)の少なくとも一方を有しており、記録装置内に記録媒体上に予め記録されている情報を保存し、記録媒体の情報に対応する記録方法を保存する記録装置について、記録に際し第1の過程として記録媒体上に予め記録されている情報と記録装置内に予め記録されている記録媒体の情報とを照会し、第2の過程で予め記録されている該記録媒体の情報に対応する記録方法の情報元に記録媒体に記録し、記録媒体上の情報に対応する記録方法の情報が設定されていない場合に第3の過程として記録媒体上の記録方法に関する情報を元に記録装置内に予め設定されている他の記録媒体情報から記録方法を決定することにより、未知の記録媒体情報を持つ記録媒体において良好な記録方法及び記録装置を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明の光記録媒体の記録装置を実施形態により、詳細に説明する。
本発明は、未知の記録媒体製造会社(記録媒体の製造のみでなく、その記録媒体を用いて様々な情報を入力して販売する会社あるいは個人を意味する)や新種の記録媒体において、規格によって標準記録装置により設定された記録波形の情報を基に好適な記録波形を導出して記録する光記録装置を実現するものである。
一般に相変化記録媒体への記録方法は図4(c)に記載のマルチパルス型の記録波形が用いられる。図4(a)は、基本周期Tに対し、図4(b)に示すように五倍のTの記録マーク長で情報の記録を行う。本発明の光記録媒体の記録装置には、5つの基準記録波形に関する情報が保持されている。
これらは、図4(c)に示すマルチパルス型の基準記録波形、図4(d)に示すブロック型記録波形、図4(e)に示す前方パワード型記録波形、図4(f)に示す後方パワード型記録波形、および、図4(g)に示すキャッスル型記録波形である。
これらの基準波形は、記録発光波形を形成している主な部分としてフロントパルス部(FP部)及びマルチパルス部(MP部)及びラストパルス部(LP部)及びクーリングパルス部の一部もしくは全てによって構成されており、それぞれのパルスの熱量及び/または記録パワーと消去パワーの比率が挙げられる。
ここで、光記録媒体と記録装置構成について概略を説明する。
図1は、光記録媒体の記録装置について、その要部構成の一例を示す機能ブロック図である。図において、1は光記録媒体、2はスピンドルモータ、3は光ピックアップ、4はモータドライバ、5はリードアンプ、6はサーボ手段、7はDVDデコーダ、8はADIPデコーダ、9はレーザコントローラ、10はDVDエンコーダ、11はDVD−ROMエンコーダ、12はバッファRAM、13はバッファマネージャ、14はDVD−ROMデコーダ、15はATAPI/SCSIインターフェース、16はD/Aコンバータ、17はROM、18はCPU、19はRAM、20はパルスジェネレータを示し、LBはレーザ光、Audioはオーディオ出力信号を示す。
図1において、矢印はデータが主に流れる方向を示しており、また、図を簡略化するために、図1の各ブロックを制御するCPU18には、太線のみを付けて各ブロックとの接続を省略している。ROM17には、CPU18にて解読可能なコードで記述された制御プログラムが格納されている。なお、光記録媒体の記録装置の電源がオン状態になると、制御プログラムは不図示のメインメモリにロードされ、CPU18はそのプログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM19に保存する。
光記録媒体の記録装置の構成と動作は次のとおりである。
光記録媒体1は、スピンドルモータ2によって回転駆動される。このスピンドルモータ2は、モータドライバ4とサーボ手段5により、線速度(または角速度)が一定になるように制御される。この線速度(または角速度)は、階段的に変更することが可能である。
光ピックアップ3は、図示されない半導体レーザ、光学系、フォーカスアクチュエータ、トラックアクチュエータ、受光素子およびポジションセンサを内蔵しており、レーザ光LBを光記録媒体1に照射する。また、この光ピックアップ3は、シークモータによってスレッジ方向への移動が可能である。これらのフォーカスアクチュエータ、トラックアクチュエータ、シークモータは、受光素子とポジションセンサとから得られる信号に基いて、モータドライバ4とサーボ手段5とにより、レーザ光LBのスポットが光記録媒体1上の目的の場所に位置するように制御される。
そして、リード時(データ読込時)には、光ピックアップ3によって得られた再生信号が、リードアンプ5で増幅されて2値化される。リードアンプ5内では主に最長信号振幅を規格化する過程と最記録マーク信号を増幅する波形等価過程とを経て2値化される。入力された2値化データは、このDVDデコーダ7において、8/16復調される。なお、記録データは、8ビットずつまとめられて変調(8/16変調)されており、この変調では、8ビットを16ビットに変換している。この場合に、結合ビットは、それまでの「1」と「0」との数が平均的に等しくなるように付けられる。これを「DC成分の抑制」といい、DCカットされた再生信号のスライスレベル変動が抑圧(抑制)される。
復調されたデータは、デインターリーブ(de-interleave:頁の割り振りの削除)とエラー訂正の処理が行われる。その後、このデータは、DVD−ROMデコーダ14へ入力され、データの信頼性を高めるために、さらに、エラー訂正の処理が行われる。このように2回のエラー訂正の処理が行われたデータは、バッファマネージャ13によって一旦バッファRAM12に蓄えられ、セクタデータとして揃った状態で、ATAPI/SCSIインターフェース15を介して、図示しないホストコンピュータへ一気に転送される。なお、音楽データの場合には、DVDデコーダ7から出力されたデータが、D/Aコンバータ16へ入力され、アナログのオーディオ出力信号Audioとして取り出される。
また、ライト時(データ書き込み時)には、ATAPI/SCSIインターフェース15を通して、ホストコンピュータから送られてきたデータは、バッファマネージャ13によって一旦バッファRAM12に蓄えられる。その後ライト動作が開始されるが、この場合には、その前にレーザスポットを書き込み開始地点に位置させる必要がある。この地点は、DVD+RW/+Rでは、予め光記録媒体1上にトラックの蛇行により刻まれているウォブル信号によって求められる。
なお、上記地点はDVD−RW/−Rではウォブル信号の代わりにランドプリピット、DVD−RAM/RAM・WOではプリピットによって求められる。
DVD+RW/+R記録媒体におけるウォブル信号には、ADIP(Address In Pre-groove)と呼ばれるアドレス情報が含まれており、この情報が、ADIPデコーダ8によって取り出される。また、このADIPデコーダ8によって生成される同期信号は、DVDエンコーダ10へ入力され、光記録媒体1上の正確な位置へのデータの書き込みを可能にしている。バッファRAM12のデータは、DVD−ROMエンコーダ11やDVDエンコーダ10において、エラー訂正コードの付加や、インターリーブが行われ記録用の信号として8/16変換される。記録用に変調された信号はパルスジェネレータ20において記録媒体に適した記録光波形に変換され、レーザコントローラ9、光ピックアップ3を介して、光記録媒体1に記録される。
光ピックアップの効率の補正には記録光の回折光を直接に受光素子により測定し、そのパワー変動によりレーザコントローラ9の記録パワーを変更することが可能である。記録媒体に対する記録パワーの補正方法として記録後発光時の反射光の変動から、記録媒体に対する記録パワーの効率を測定しレーザコントローラ9の記録パワーを補正することが可能である。アドレスの制御方法はランドプリピットやプリピットからアドレス情報を得る構成であっても良い。
図2はこの光記録媒体の記録装置を使用した情報処理装置の概略図である。
情報処理装置は、主制御装置 、インターフェース 、記録装置(HDD)、入力装置及び表示装置58などを備えている。主制御装置52 は、マイクロコンピュータ、メインメモリ(いずれも不図示)などを含んで構成され、ホスト50 の全体を制御する。
前記インターフェースは、光記録媒体の記録装置との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI及びSCSI等の標準インターフェースに準拠している。インターフェースは光記録媒体の記録装置のインターフェース15と接続されている。なお、各インターフェース間の接続形態は、通信ケーブル(例えばSCSIケーブル)などの通信線を用いたケーブル接続だけでなく、赤外線などを利用したワイヤレス接続であっても良い。
記録装置(記録媒体HDD)には、主制御装置のマイクロコンピュータで解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。なお、情報処理装置の駆動電源がオン状態になると、上記プログラムは主制御装置のメインメモリにロードされる。
表示装置は、例えばCRT 、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、EL(electro-luminescence :Organic electro-luminescenceも含む)素子などの表示部(図示省略)を備え、主制御装置からの各種情報を表示する。
入力装置は、例えばキーボード、マウス及びポインティングデバイスなどのうち少なくとも1つの入力媒体(図示省略)を備え、ユーザから入力された各種情報を主制御装置に通知する。なお、入力媒体からの情報はワイヤレス方式で入力されても良い。また、表示装置と入力装置とが一体化したものとして、例えばタッチパネル付きCRT、LCD、PDP、EL(OEL:有機EL素子)などがある。
また、情報処理装置はオペレーティングシステム(以下「OS」という)を搭載している。そして、情報処理装置を構成する全てのデバイスはOSによって管理されている。
本発明では記録媒体上を読み出す機能を有し、記録波形のFP部、MP部、LP部の熱量を記録装置の記録方式に適した形式に変換する機能を有し、変化した記録波形から記録媒体上に記録波形を変化させた波形を形成する機能を有し、記録媒体に試し書きを行う機能を有することにより実現可能である。本実施形態ではFP部及びMP部及びLP部の熱量の制御は発光時間の長さFP長、MP長、LP長によって制御した。また、試し書きを行った領域は消去パワーにて信号を消去する方が好適である。例として図1の記録再生装置を用いた場合、測定された条件に合わせて記録波形を算出する機能をCPUに有し、記録波形を変更して記録可能な機能をパルスジェネレータ20に有することにより実現可能である。
記録波形変形の条件としてはレーザコントローラ9の記録パワーの設定値が好適である。
記録媒体の基準波形はDVD±Rの場合記録媒体上に記録してある情報を用いることで実現できる。DVD+Rの場合、上記ADIP情報内に記録線速ごとの基準波形が規格として定義されている。この場合ADIPデコーダ8によって情報を読み出すことができる。DVD−Rの場合、上記ランドプリピット情報内に記録線速ごとの基準波形が規格として定義されている。この場合ADIPデコーダ8の変わりにランドプリピットデコーダによって情報を読み出すことができる。
本発明の記録装置に必要な構成は、一般的なCD−R/RWドライブ、DVD−R、DVD−RW、DVD+RWドライブにおける記録媒体に記録する機能に、記録波形を変更する条件を評価する機能及び記録波形を変更して記録を続行する機能を有することにより実現可能である。
相変化型光記録媒体の記録方法の一般な基準記録波形はマルチパルス型を用いる。しかし、基準記録装置はある特殊な記録装置によって規定されることが多く、一般の記録装置の記録波形と一致しないことが多い。また、記録装置によっては基準記録波形の形成を実現が出来ない場合もある。そのため、一般的な記録装置では予め記録媒体に対応した記録方法を記録装置内に設定しておき記録媒体上に予め記録されている情報を元に対応する記録方法を選択する方法を用いている。
しかし、この方法では記録方法が予め設定されていない記録媒体に対しては記録方法を設定できず、これら未知の記録媒体に対しては共通の記録方法を用いて記録する方法や記録媒体情報情報から算出した記録方法を用いることが多い。
また、前者の方法ではそれぞれの記録媒体に適した記録方法ではなく、また後者では基準となる記録装置との相関が採ることが困難であり、いずれの方法も良好な記録品質を得ることは難しい。
本発明では、記録媒体の材料やその製造方法は限られており、また生産された記録媒体に対する基準記録装置の記録方法も類似したものが多いことに着目し、未知の記録媒体を用いても良好な記録を提供できる。図3に本発明の記録方法の主な流れのフローチャートを示す。
記録方法の選定(1)は、はじめに記載の記録媒体情報の少なくとも一部と記録装置内の記録媒体情報の少なくとも一部との比較を行う(ステップS2)。この際に記録媒体のメーカーやメディアのバージョンなどの情報を比較して記録媒体の特定が効率よく行える。次いでステップS3において記録媒体情報と、記録媒体に対応した記録方法が記録装置に保存されているか否かを判定し、保存されている場合には、ステップS4に進み、ステップS4において対応した記録方法にて記録を行う。
一方、ステップS3において対応した記録方法が記録装置に保存していない場合(ステップS3においてNoの場合)には、ステップS5に進み、ステップS5において記録媒体情報に記載されている記録光波形、記録出力、記録光波長などの記録方法に関する情報が一致している記録装置内の記録媒体を検索し、一致している記録装置内の記録媒体がある場合(ステップS5においてYesの場合)には、ステップS6に進み、ステップS6においてその記録媒体に対応した記録方法で記録の試書きを行い、記録品質を評価する。
また、記録方法がコード化されて記録媒体情報になっている場合には、記録光波形、記録出力、記録光波長などを算出して比較することによりステップS10以降のステップが簡便になる。
ステップS5において記録媒体情報に記載されている記録光波形及び又は記録出力およびまたは記録光波長などの記録方法に関する情報が一致している記録装置内の記録媒体がない場合(ステップS5においてNoの場合)には、ステップS9に進み、ステップS9において記録装置内に保存してある基準記録方法及び又は記録媒体情報に記載されている記録方法を用いて試書きを行い、記録品質を評価する。ステップS6およびステップS9終了後、どちらもステップS7に進み、ステップS7において記録品質の評価を行う。このステップS7による評価の際に、記録品質の評価として、記録波形の時間的なばらつきすなわちJitter及び/又は記録装置内で記録媒体に記録した情報を読み出したときのエラー数を用いることが可能であり、さらに記録信号のRFレベルから算出されるModulation、Asymmetry、Betaなどを用いることも可能である。
ステップS7で評価された記録品質が良好と判断した場合(ステップS7においてYesの場合)には、ステップS8に進み、ステップS8において試書きを行った記録方法を用いて情報記録を開始する。
一方、ステップS7において良好な記録品質が得られなかった場合(ステップS7においてNoの場合)には、ステップS10に進み、ステップS10において試書きを行った記録方法から記録波形、記録パワー、消去パワーを調整した後にさらに試書きを行い、ステップS11において記録品質を評価する。ステップS11において良好な記録品質が得られた場合(ステップS11においてYesの場合)には、ステップS12に進み、ステップS12においてステップS10で得られた記録方法を用いて記録を開始する。
一方、ステップS11において良好な記録品質が得られなかった場合(ステップS11においてNoの場合)には、再度ステップS10に戻り試書きを行う。そして、本実施形態でも示すように、ステップS13に再び同じ記録媒体においてきた場合、あるいは同じ記録媒体において2度以上のある閾値を設け、記録品質がある所定値よりも悪化する可能性の有る記録媒体であれば記録停止し、又、場合によっては良好な記録品質が得られなくとも、たとえばユーザにそれを報知した上で記録することもできる。
本発明の記録装置は、記録媒体として、相変化型光記録媒体CD−RW、DVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMにも活用できるものである。また、本発明の記録再生装置に必要な構成は、一般的なCD−R/RWドライブ、DVD−R、DVD−RW、DVD+RWドライブにおいて容易に実現可能であり、CD−R/RW、DVD−R、DVD−RW、DVD+RW媒体の高い記録再生互換性を維持したまま実施可能である。
本実施形態では透明基板には、ポリカーボネートを用いたが、本発明ではこれに限定されるものではなく、その他の透明基板として、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルペンテン、またはエポキシなどの透明樹脂材料を挙げることができ、さらにガラス等の透明セラミックなどを挙げることができる。
本実施形態では、記録層に相変化材料の層及び相変化材料の熱を保持するための断熱層を含めるものとする。具体的にはA−B−C−Ge−Teで代表される合金等である。ここでAはCu、Ag、Au、Sc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Cr、Mo、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Hf、Ta、W、Ir、Pt、Hg、B、C、N、P、O、S、Se、ランタニド元素、アクチニド元素、アルカリ土類金属元素、不活性ガス元素、などのうち少なくとも一つの元素を表す。上記合金中、BはF、Cl、Br、Iなどのハロゲン元素、およびNa、Kなどのアルカリ金属元素のうち少なくとも一元素、CはSb、Sn、As、Pb、Bi、Zn、Cd、Si、Al、GaおよびInのうち少なくとも一元素である。また、光磁気材料に使用される金属材料、たとえば上記金属元素のTb、Fe、Coなども記録層として使用可能である。たとえば相変化型光記録媒体の記録層がAα−Bβ−Cγ−Geδ−Teεで表され、Aは主にAg及びまたはGeであり、BはIn及び又はGaであり、CはSb、Te及び又はSn、NあるいはOであり、それぞれの組成比α、β、γ、δ、ε(原子%)が
0<α≦6、0≦β≦15、50≦γ≦70、5≦δ≦35、0≦ε≦5および
α+β+γ+δ+ε+ζ=100 であってもよい。
保護層としては、同一あるいは個別の材料により構成される。それぞれの材料として、SiO、SiO2、ZnO、SnO2、Al23、TiO2、In23、MgO、ZrO2などの酸化物、Si34、AlN、TiN、BN、ZrNなどの窒化物、ZnS、In23、TaS4などの硫化物、SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrCなどの炭化物又はダイヤモンド状炭素、あるいはこれらの2種以上の混合物が用いられる。又、記録層あるいは保護層の成形方法としては、スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着法、プラズマCVD法など後用いられる。
本実施形態では、反射層として、スパッタ法により銀膜を形成した。この他に反射層の材料としては、アルミニウム、銀、銅などの金属材料又はこれらを主成分とする合金材料を使用することができる。特に金を主体とする金属または合金を用いる事が好適である。銀を主体とするときは、銀の含有率が80〜100原子%、特に90〜100原子%であることが好ましい。また、これらの反射層材料として、安価でありかつコンパクトディスクにおいて使用されて実績が有ることから、アルミニウムを使用することもできる。金属層材料として金属材料又は合金材料を用いる場合には、スパッタリングや真空蒸着などの真空成膜方法によって、反射層を形成することができる。この場合、真空槽内の真空度を変えて(例えば、10-5torr程度)スパッタリングを行い、密度または結晶化の状態の違う膜を形成して金属反射膜の反射率を高くするか、意図的に反射率を変化させる技術を適用することもできる。
オーバーコート層は主に光硬化樹脂を塗布後、光照射により硬化して膜状に成形して得られたものが用いられる。本実施形態では、オーバーコート層として、UV硬化樹脂膜を用いた。この他に、オーバーコート層として、SiO、SiN、AlN等の無機材料を用いて、真空成膜方法によって形成することもできる。
本実施形態では、記録媒体として、DVD+RWを用いて本発明の効果を確認した。本実施形態に用いた光記録媒体は、リコー株式会社製の4×DVD+RWを株式会社リコー製DVD+R/RWドライブMP5240Aを用いて記録した。記録線速は10×CDスピード(CD10倍速)を用いた。記録ストラテジ及び記録パワーは、F/Wのパラメータを変更することにより行なった。基準となる記録波形は記録媒体上にADIP情報として記載されている記録波形を基にこれを変換した波形を用いた。記録信号はパルステック社製DDU1000により信号を再生した。ジッター特性はヨコガワ製TIA“TA520”を用いて測定した。本発明の効果として、記録品質を示すジッター(Jitter)特性(σ/Tw)により評価した。一般的にDVD+Rの場合、ジッター特性が9%であれば良好な記録品質として認識されている。また、ジッター特性が11%以上になると再生機器によっては再生時に不具合をおこす可能性がある。再生信号の最大値及び振幅値及び最大記録マークと最小記録マークの振幅中心値の測定は、RF信号から各信号レベルを、Tektronix社製オシロスコープを用いて測定し算出した。
以下、実施例を基に本発明の効果を述べる。
実施例1としてMP長を変化させた時のジッター特性を調べた。表1は実施例1を表したものである。元になった記録波形のジッター特性が9.5%であるがMP長を試し書きを行うことによりMP長を0.05T増加させジッター特性9.0%まで改善できた。
Figure 2007058939
実施例2としてPw/Peを変化させた時のジッター特性を調べた。表2は実施例2を表したものである。基になった記録波形のジッター特性が9.5%であるがPw/Peを、試し書きを行って、現行のPw/Peを維持することが好適であると確認できた。
Figure 2007058939
本発明の記録装置の要部構成の一例を示す機能ブロック図である。 本発明の情報処理装置のブロック図である。 本発明の記録方法の主な流れを示すフローチャートである。 本発明の記録装置で可変の波形として使用される記録波形の例を示す図であり、(a)は基本周期Tの波形であり、(b)は記録マーク長(この例では5T)であり、(c)はマルチパルス型の波形であり、(d)はブロック型の波形であり、(e)は前方パワード型の波形であり、(f)は後方パワード型の波形であり、(g)はキャッスル型の波形である。
符号の説明
1 光記録媒体
2 スピンドルモータ
3 光ピックアップ
4 モータドライバ
5、6 サーボ手段
7 DVDデコーダ
8 ADIPデコーダ
9 レーザコントローラ
10 DVDエンコーダ
11 DVD−ROMエンコーダ
12 バッファRAM
13 バッファマネージャ
14 DVD−ROMデコーダ
15 ATAPI/SCSIインターフェース
16 D/Aコンバータ
17 ROM
18 CPU
19 RAM
20 パルスジェネレータ

Claims (14)

  1. 相変化型光記録媒体に複数種の大きさの記録マークを記録する記録方法において、前記記録媒体に記録された前記記録媒体の記録条件を含む記録媒体情報と、前記記録装置内に記録された複数の記録媒体情報とを比較し、前記記録装置内に前記記録媒体中の記録媒体情報と一致する記録媒体情報が無い場合に、前記記録装置内の記録媒体を記録するための1以上の記録波形情報で前記記録媒体の記録品質を確認することを特徴とする光記録媒体の記録方法。
  2. 前記記録品質が所定値以上であれば前記記録媒体に記録することを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の記録方法。
  3. 前記記録品質が所定値未満であれば、前記記録媒体の記録条件を変更して前記記録媒体の記録品質を確認することを特徴とする請求項1又は2に記載の光記録媒体の記録方法。
  4. 前記記録波形は、フロントパルス部(FP部)及びマルチパルス部(MP部)及びラストパルス部(LP部)及びクーリングパルス部(CP部)から選択される1以上の部から構成され、前記各パルスの熱量または記録パワーPwと消去パワーPeとの比率Pw/Peを変化させて前記記録媒体の記録品質の確認することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光記録媒体の記録方法。
  5. 前記記録波形は、フロントパルス部(FP部)及びマルチパルス部(MP部)及びラストパルス部(LP部)及びクーリングパルス部(CP部)から選択される1以上の部から構成され、前記マルチパルス部(MP部)の熱量を変化させて前記記録媒体の記録品質の確認することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光記録媒体の記録方法。
  6. 前記記録波形は、フロントパルス部(FP部)及びマルチパルス部(MP部)及びラストパルス部(LP部)及びクーリングパルス部(CP部)から選択される1以上の部から構成され、記録パワーPwと消去パワーPeとの比率Pw/Peを変化させて前記記録媒体の記録品質の確認することを特徴とする請求項1から3または5のいずれか1項に記載の光記録媒体の記録方法。
  7. 前記光記録媒体の記録層がAα−Bβ−Cγ−Geδ−Teεで表され、Aは主にAg及び又はGeであり、BはIn及び又はGaであり、CはSb、Te及び又はSn、NあるいはOであり、それぞれの組成比α、β、γ、δ、ε(原子%)が
    0<α≦6
    0≦β≦15
    50≦γ≦70
    5≦δ≦35
    0≦ε≦5
    α+β+γ+δ+ε+ζ=100
    であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光記録媒体の光記録方法。
  8. 相変化型光記録媒体に複数種の大きさの記録マークを記録する記録装置において、前記記録媒体に記録された前記記録媒体の記録条件を含む記録媒体情報と、前記記録装置内に記録された複数の記録媒体情報とを比較し、前記記録装置内に前記記録媒体中の記録媒体情報と一致する記録媒体情報が無い場合に、前記記録装置内の記録媒体を記録するための1以上の記録波形情報で前記記録媒体の記録品質を確認する制御手段を備えたことを特徴とする光記録媒体の記録装置。
  9. 前記制御手段は、前記記録品質が所定値以上であれば前記記録媒体に記録することを特徴とする請求項8に記載の光記録媒体の記録装置。
  10. 前記制御手段は、前記記録品質が所定値未満であれば、前記記録媒体の記録条件を変更して前記記録媒体の記録品質を確認することを特徴とする請求項8又は9に記載の光記録媒体の記録装置。
  11. 前記制御手段は、前記記録波形が、フロントパルス部(FP部)及びマルチパルス部(MP部)及びラストパルス部(LP部)及びクーリングパルス部(CP部)から選択される1以上の部から構成され、前記各パルスの熱量または記録パワーPwと消去パワーPeとの比率Pw/Peを変化させて前記記録媒体の記録品質の確認することを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の光記録媒体の記録装置。
  12. 前記制御手段は、前記記録波形が、フロントパルス部(FP部)及びマルチパルス部(MP部)及びラストパルス部(LP部)及びクーリングパルス部(CP部)から選択される1以上の部から構成され、前記マルチパルス部(MP部)の熱量を変化させて前記記録媒体の記録品質の確認することを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の光記録媒体の記録装置。
  13. 前記制御手段は、前記記録波形が、フロントパルス部(FP部)及びマルチパルス部(MP部)及びラストパルス部(LP部)及びクーリングパルス部(CP部)から選択される1以上の部から構成され、記録パワーPwと消去パワーPeとの比率Pw/Peを変化させて前記記録媒体の記録品質の確認することを特徴とする請求項8から10または12のいずれか1項に記載の光記録媒体の記録装置。
  14. 前記光記録媒体の記録層がAα−Bβ−Cγ−Geδ−Teεで表され、Aは主にAg及び又はGeであり、BはIn及び又はGaであり、CはSb、Te及び又はSn、NあるいはOであり、それぞれの組成比α、β、γ、δ、ε(原子%)が
    0<α≦6
    0≦β≦15
    50≦γ≦70
    5≦δ≦35
    0≦ε≦5
    α+β+γ+δ+ε+ζ=100
    であることを特徴とする請求項8から13のいずれか1項に記載の光記録媒体の光記録装置。
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