JP2009043327A - 光情報記録媒体、光情報記録媒体への情報記録方法及び情報記録装置 - Google Patents

光情報記録媒体、光情報記録媒体への情報記録方法及び情報記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高速記録する際のアーカイバルオーバーライト特性の劣化を小さく出来る情報記録方法及び情報記録装置を提供する。
【解決手段】レーザ光のパワーが加熱パルス、冷却パルス及び消去パルスの各パルスに対応する少なくとも3値に制御され、光情報記録媒体に前記加熱パルスと前記冷却パルスが交互に照射されることにより形成される長さの異なる複数種類の記録マークと、前記消去パルスが照射されることにより前記記録マーク間に形成されるスペースとによって、所定の情報が記録される情報記録方法であって、一番目の加熱パルスのパワーを、複数の加熱パルスを含むパルスの照射により形成される記録マークの2番目以降の加熱パルスのパワーよりも高い値に設定し、かつ、前記一番目の加熱パルスの前に、前記消去パルスのパワーよりもパワーの低いプリ冷却パルスを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録可能な光情報記録媒体、特にBD−RE、HD DVD−RW等の大容量の光情報記録媒体、係る光情報記録媒体に好適な情報記録方法及び情報記録装置に関する。
近年、情報のデジタル化・マルチメディア化が急速に進んでおり、より大容量の情報を高速に記録・再生可能な記録媒体の需要が高まっている。特に再生専用メモリであるDVD−ROM、CD−ROMとの再生互換を確保しつつ、記録が可能であるDVD−R、DVD−RW,DVD+R,DVD+RW,CD−R,CD−RWに代表される記録型光ディスクは汎用性が高く、利便性に優れているため需要が拡大している。最近では、更に大容量の記録を達成するために、波長405nmの青色LDを用いたシステムであるブルーレイディスク(BD)やHD DVDも其々、ROM、追記型、書き換え型の媒体に関して実用化されている。これらは大容量であるため、記録に時間がかかり、より高速で記録することが求められている。
しかし、書き換え型記録媒体に高速記録を行う場合には、アーカイバルオーバーライト特性が劣化してしまうという問題が生じる。アーカイバルオーバーライト特性とは、長時間保存後に、あるいは、高温で保存後に、既に記録してある領域にオーバーライトしたときの特性であり、高速記録の場合には、保存前に記録したときと同じ記録条件でオーバーライトするとジッタが大きくなってしまう傾向がある。
従って、特に大容量の書き換え型光情報記録媒体に高速記録を行う場合のアーカイバルオーバーライト特性の劣化を小さくすることが必要であり、そのための種々の技術が提案されている。例えば、記録層と接している界面層や中間層に特定の材料を用いる技術(例えば、特許文献1、2参照)、種々の記録パワーと消去パワーでオーバーライトしたときのジッタ又はエラーが一定の基準以上となる最低消去パワーレベルPb1と最高消去パワーレベルPb2から求めた最適な消去パワーレベルを使用する技術(例えば、特許文献3参照)などである。
しかし、これらの技術はいずれも記録層としてTeを50%以上含むようなTeベースの記録層を用いた場合のアーカイバルオーバーライト特性を改善するためのものであり、Sbベースの記録層に適用しても改善効果がないことが確認されている。記録層の組成としては、上記特許文献1から3で使用されているようなTeベースの記録層の他に、Sbを50%以上含むようなSbベースの記録層がある。これら2つの材料系には主たる結晶化メカニズムに違いがあり、Teベースの材料は結晶核生成が主であるのに対し、Sbベースの材料は周囲の結晶からの結晶成長により結晶化が進行する。このような違いのため、アーカイバルオーバーライト特性が劣化するメカニズムも異なるためと推察される。
アーカイバルオーバーライト特性の劣化は、上記特許文献1、2によれば、Teベースの材料の場合は、保存後にオーバーライトするとアモルファスマークの消し残りが生じてしまうことが原因と考えられている。このため、結晶核生成促進効果を持つ界面層や中間層を使用する、消去パワーを最適な値にすることなどにより消し残りの問題が改善され、アーカイバルオーバーライト特性も向上する。
これに対し、Sbベースの材料の場合、アーカイバルオーバーライト特性の劣化するメカニズムは明らかではなく、アーカイバルオーバーライト特性の劣化を小さくする技術は確立されていない。
特開2003−242683号公報 特開平11−290907号公報 特開2004−319068号公報
しかるに、従来から、高速記録をする際のアーカイバルオーバーライト特性の劣化を小さくする種々の技術が提案されていたが、いずれもTeベースの記録層を有する光情報記録媒体に対しては有効であるが、Sbベースの記録層を有する光情報記録媒体に対しては有効でないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、高速記録する際のアーカイバルオーバーライト特性の劣化を小さく出来るSbベースの記録層を有する光情報記録媒体、Sbベースの記録層を有する光情報記録媒体に高速記録する際のアーカイバルオーバーライト特性の劣化を小さく出来る情報記録方法及び情報記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明は、レーザ光のパワーが加熱パルス、冷却パルス及び消去パルスの各パルスに対応する少なくとも3値に制御され、光情報記録媒体に前記加熱パルスと前記冷却パルスが交互に照射されることにより形成される長さの異なる複数種類の記録マークと、前記消去パルスが照射されることにより前記記録マーク間に形成されるスペースとによって、所定の情報が記録される情報記録方法であって、前記複数種類の記録マークのうちの、少なくとも一つの記録マークを形成する際の、一番目の加熱パルスのパワーを、複数の加熱パルスを含むパルスの照射により形成される記録マークの2番目以降の加熱パルスのパワーよりも高い値に設定し、かつ、前記一番目の加熱パルスの前に、前記消去パルスのパワーよりもパワーの低いプリ冷却パルスを設けることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明に係る情報記録方法において、前記少なくとも一つの記録マークは、前記複数種類の記録マークのうちの最短の記録マークであることを特徴とする。 第3の発明は、第2の発明に係る情報記録方法において、前記複数種類の記録マークは、基本クロック周期Tの自然数倍の長さに対応する複数種類の記録マークであって、前記最短の記録マークは、前記基本クロック周期Tの2倍である2Tの長さに対応する記録マークであることを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明に係る情報記録方法において、前記2Tの長さに対応する記録マークの長さが、0.149umであることを特徴とする。
第5の発明は、第3の発明に係る情報記録方法において、前記2Tの長さに対応する記録マークの長さが、0.204umであることを特徴とする。
第6の発明は、第1乃至第5の何れか一の発明に係る情報記録方法において、前記レーザ光の波長が400nm帯であることを特徴とする。
第7の発明は、レーザ光のパワーが加熱パルス、冷却パルス及び消去パルスの各パルスに対応する少なくとも3値に制御され、光情報記録媒体に前記加熱パルスと前記冷却パルスが交互に照射されることにより形成される長さの異なる複数種類の記録マークと、前記消去パルスが照射されることにより前記記録マーク間に形成されるスペースとによって、所定の情報が記録される情報記録媒体であって、前記複数種類の記録マークのうちの、少なくとも一つの記録マークを形成する際の、一番目の加熱パルスのパワーを、複数の加熱パルスを含むパルスの照射により形成される記録マークの2番目以降の加熱パルスのパワーよりも高い値に設定し、かつ、前記一番目の加熱パルスの前に、前記消去パルスのパワーよりもパワーの低いプリ冷却パルスを設けるための情報があらかじめ書き込まれていることを特徴とする。
第8の発明は、第7の発明に係る光情報記録媒体において、前記少なくとも一つの記録マークは、前記複数種類の記録マークのうちの最短の記録マークであることを特徴とする。 第9の発明は、第8の発明に係る光情報記録媒体において、前記複数種類の記録マークは、基本クロック周期Tの自然数倍の長さに対応する複数種類の記録マークであって、前記最短の記録マークは、前記基本クロック周期Tの2倍である2Tの長さに対応する記録マークであることを特徴とする。
第10の発明は、第9の発明に係る光情報記録媒体において、前記2Tの長さに対応する記録マークの長さが、0.149umであることを特徴とする。
第11の発明は、第9の発明に係る光情報記録媒体において、前記2Tの長さに対応する記録マークの長さが、0.204umであることを特徴とする。
第12の発明は、第7乃至第11の何れか一の発明に係る光情報記録媒体において、前記レーザ光の波長が400nm帯であることを特徴とする。
第13の発明は、レーザ光のパワーを加熱パルス、冷却パルス及び消去パルスのそれぞれに対応する少なくとも3値に制御するレーザパワー制御手段と、前記加熱パルス、前記冷却パルス及び前記消去パルスを照射するレーザ光照射手段とを有し、光情報記録媒体に前記加熱パルスと前記冷却パルスを交互に照射することにより形成する長さの異なる複数種類の記録マークと、前記消去パルスを照射することにより前記記録マーク間に形成するスペースとによって、所定の情報を記録する情報記録装置であって、前記レーザパワー制御手段は、前記複数種類の記録マークのうちの、少なくとも一つの記録マークを形成する際の、一番目の加熱パルスのパワーを、複数の加熱パルスを含むパルスの照射により形成する記録マークの2番目以降の加熱パルスのパワーよりも高い値に制御し、かつ、前記一番目の加熱パルスの前に、前記消去パルスのパワーよりもパワーの低いプリ冷却パルスを設けるように制御することを特徴とする。
第14の発明は、第13の発明に係る情報記録装置において、前記少なくとも一つの記録マークは、前記複数種類の記録マークのうちの最短の記録マークであることを特徴とする。
第15の発明は、第14の発明に係る情報記録装置において、前記複数種類の記録マークは、基本クロック周期Tの自然数倍の長さに対応する複数種類の記録マークであって、前記最短の記録マークは、前記基本クロック周期Tの2倍である2Tの長さに対応する記録マークであることを特徴とする。
第16の発明は、第15の発明に係る情報記録装置において、前記2Tの長さに対応する記録マークの長さが、0.149umであることを特徴とする。
第17の発明は、第15の発明に係る情報記録装置において、前記2Tの長さに対応する記録マークの長さが、0.204umであることを特徴とする。
第18の発明は、第13乃至第17の何れか一の発明に係る情報記録装置において、前記レーザ光の波長が400nm帯であることを特徴とする。
本発明によれば、高速記録する際のアーカイバルオーバーライト特性の劣化を小さく出来るSbベースの記録層を有する光情報記録媒体、Sbベースの記録層を有する光情報記録媒体に高速記録する際のアーカイバルオーバーライト特性の劣化を小さく出来る情報記録方法及び情報記録装置を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
Sbを50%以上含むようなSbベースの材料を記録層に用いた場合に、従来提案されている技術でアーカイバルオーバーライト特性の劣化が改善できないことについてのメカニズムは明らかになっていないが、高速結晶成長により生成された結晶は多くの欠陥を含む準安定状態にあり、これが、保存により次第に安定な状態へ変化することが原因と考えられる。このような変化により、記録層の熱伝導率や融解の潜熱、結晶化速度等が変化してしまうと、オーバーライトの場合には、記録マークを消去して新たな結晶を生成しながら記録するため、特に記録マークの消去が固相状態のまま結晶化する固相消去モードの場合には、新たに生成された結晶と、経時変化してしまった結晶が混在する状態への記録となるため、場所によって記録マークの大きさや形状が異なってしまい、ジッタが大きくなってしまうと考えられる。
低速で記録する場合には、消去パワーPeを大きくして溶融消去モードで記録することができる。溶融消去の場合には、記録済みの記録マークの有無に関わらずスペースは一旦溶融した後に結晶化して形成されるため、均一な状態への記録と同等となり、場所による記録マークの大きさや形状のばらつきは小さくできる。しかし、例えば、ブルーレイディスクの場合で言えば、3倍速程度までは、溶融消去モードで良好な記録が可能であるが、4倍速以上もの高速で記録する場合には、保存前であっても良好な記録を行うことが困難である。溶融消去モードでは、結晶化速度が遅い媒体の場合には高速でPeを照射すると、溶融後の再結晶が間に合わずにスペース部にもアモルファスを生じてしまうし、結晶化速度が速い媒体の場合には、Peが高いと高温になって、結晶化速度もより速くなり、少しの温度差でも結晶化速度が大きく異なって、アモルファスの記録マーク形状がばらついてしまいやすいことによると考えられる。
Sbベースの材料を記録層に使用した場合のアーカイバルオーバーライト特性の劣化を改善する方法について検討を行った。まず、アーカイバルオーバーライト特性の劣化の仕方のパワー依存性を調べた。その結果、記録パワーが高い程、アーカイバルオーバーライトのジッタは小さかった。ただし、これは、1トラックに記録した場合のことで、両隣に記録した場合を考慮すると、単に記録パワーを高くしただけでは、クロスイレースが大きくなってしまい、最終的なジッタは大きくなる。また、熱負荷が大きくなることにより、繰り返し記録耐久性も劣化してしまう。
次に、記録マーク長毎に記録マークの先端部や後端部のどこのジッタ上昇が大きいかなどを調べた。その結果、記録マーク長毎にみると、最短記録マークである2Tの劣化が大きかった。さらには、全記録マークにおいて、記録マークの後端部よりも先端部の劣化が大きい傾向がみられた。そこで、各記録マークを形成するための先頭の加熱パルスのパワーを後続の加熱パルスのパワーPwより高い値Pwhとしてみた。また、2Tの長さに対応する記録マークを形成するための加熱パルスのパワーのみを他の加熱パルスのパワーPwより高い値Pwhとしてみた。これにより、保存前に繰り返し10回記録したときのジッタと、保存後に1回オーバーライトしたときのジッタの差は小さくすることができた。しかし、このときには、そもそも保存前に記録したときのジッタ値が大きい傾向があり、先頭の加熱パルスのパワーPwhと後続の加熱パルスのパワーPwの比や、消去パルスのパワーPe、また、記録ストラテジのパラメータをいろいろ調整してみたが、ジッタの低減は難しかった。
そこで、ジッタが低くならない理由を調べてみたところ、[記録マーク]―[スペース]と続くときのスペースが短い時、前の記録マークの後端部が短くなっている傾向があることがわかった。これは、先頭パルスを高くしたことにより、スペース長が短い場合には、前の記録マークの後端部が加熱されて一部結晶化してしまっていることによるものと推測される。
そこで、この不具合を解消するため、先頭パルスのパワーをPwhとした場合には、その直前に消去パルスPeより低いパワーのプリ冷却パルスを入れて、記録パワーや記録ストラテジを調整した。その結果、保存前記録のジッタを小さくすることができ、かつ、保存後にオーバーライトしたときのジッタ上昇も小さくすることができた。
尚、先頭の加熱パルスのパワーを後続の加熱パルスのパワーPwと同じ値とし、先頭の加熱パルスの前にプリ冷却パルスを入れるだけでは、保存前記録のジッタ低減には有効であるが、保存後にオーバーライトした場合のジッタ上昇は、先頭の加熱パルスの前にプリ冷却パルスを設けない場合よりも大きくなってしまい、アーカイバルオーバーライトには有効ではなかった。
このように、例えばブルーレイディスクのような高密度記録媒体に、高速で記録する際にもアーカイバルオーバーライト特性の劣化を小さく出来る記録方法について検討した結果、先頭の加熱パルスのパワーを後続の加熱パルスのパワーPwより高い値Pwhとし、かつ、先頭の加熱パルスの直前に消去パルスPeより低いパワーのプリ冷却パルスを設けることが有効であることがわかった。また、全ての記録マーク長の先頭パルスのパワーをPwhにし、その直前に消去パルスPeより低いパワーのプリ冷却パルスを設けなくとも、最短記録マーク(ブルーレイディスクの場合には、2Tマーク)の先頭パルスのパワーをPwhにし、その直前に消去パルスPeより低いパワーのプリ冷却パルスを設るだけで一定の効果があることがわかった。
以下、大容量の光情報記録媒体の一例としてSbベースの相変化材料を記録層として用いたブルーレイディスク(BD−RE)を例にとり、高速記録する際のアーカイバルオーバーライト特性の劣化を小さく出来るSbベースの記録層を有する本発明の光情報記録媒体、Sbベースの記録層を有する光情報記録媒体に高速記録する際のアーカイバルオーバーライト特性の劣化を小さく出来る本発明の情報記録方法及び情報記録装置に関して説明をする。
[光情報記録媒体の物理的構造]
最初に本発明の光情報記録媒体の物理的構造の例について説明をする。本発明は波長が400nm帯のレーザ光を用いて記録再生を行うレーザブルーレイディスク(BD)規格に準拠した光情報記録媒体に、4倍速(19.6m/s)程度の高速記録を行う際に有効であることを後述の実施例により示すが、ブルーレイディスク以外にもCDやDVD、波長が400nm帯のレーザ光を用いて記録再生を行うHD DVD規格に準拠した光情報記録媒体に高速で記録する際にも有効である。
アーカイバルオーバーライト特性の劣化は、基本クロック周期Tが小さく、波長が400nm帯のレーザ光により従来よりも短い記録マークが記録される大容量の光情報記録媒体に高速記録する際に特に顕著に現れるので、本発明は、ブルーレイディスク(BD)規格(波長405nm、1倍速(4.917m/s)時の基本クロック周期T=15.15ns、2Tに対応する記録マークの長さ=0.149um)に準拠した光情報記録媒体及びHD DVD規格(波長405nm、1倍速(6.61m/s)時の基本クロック周期T=15.43ns、2Tに対応する記録マークの長さ=0.204um)に準拠した光情報記録媒体などの、大容量の光情報記録媒体に高速記録する際に特に有効であると考えられる。
図4はBD−REの物理的構造の例を示す模式図である。図4に示すBD−REは、記録層として相変化材料を用いた書き換え型の光情報記録媒体であり、案内溝を有する基板1上に、光の入射方向からみて、少なくとも第一保護層2、記録層3、第二保護層4、反射層5がこの順に積層形成されている。DVD、及び、HD DVDの場合は、反射層5上に有機保護膜をスピンコートにより形成するが、ブルーレイディスクの場合は、第一保護層1上に透明のカバー層6が形成される。
また、図4に示したのは記録層が1層のタイプの例であるが、透明の中間層を介して記録層を2層有する光情報記録媒体もある。光の入射方向からみて手前の層は、奥側の層の記録再生を行うために、半透明である必要がある。
[基板]
次に、基板1について説明をする。基板1の材料は、通常、ガラス、セラミックス、あるいは樹脂であり、樹脂基板が成形性、コストの点で好適である。樹脂の例としてはポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられるが、成形性、光学特性、コストの点で優れるポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
基板1は、準拠する規格に適した大きさ、厚さ、溝形状を有するように成形したものを用いる。BD規格では、直径12cm、厚さ1.1mm、トラックピッチが0.32μmであり、通常、幅0.14〜0.18μm、深さ20〜35nmの案内溝を設け、光の入射方向からみて、凸部の溝に記録される、所謂on groove記録が採用されている。 この案内溝は、通常は、情報記録装置が記録の際に周波数をサンプリングするために蛇行溝(ウォブル)となっており、ウォブルの位相を反転したり、周波数をある決められた領域で変更したりして、アドレスや、記録に必要な情報などを入力できるようにしてある。
[第一保護層]
次に、第一保護層2について説明をする。第一保護層2の材料としては、Si、Zn、Sn、In、Mg、Al、Ti、Zr、Nb、Taなどの各酸化物;Si、Ge、Al、Ti、B、Zrなどの各窒化物;Zn、Taなどの各硫化物;Si、Ta、B、W、Ti、Zrなどの各炭化物;ダイヤモンド状カーボン;或いはそれらの混合物が挙げられる。中でも、モル比が7:3から8:2近傍のZnSとSiOの混合物が好ましく、特に熱膨張変化、高温・室温変化の熱ダメージを伴う記録層3とカバー層6の間に位置する第一保護層2としては、光学定数、熱膨張係数、弾性率が最適化されている(ZnS)80(SiO20(モル%)が望ましい。また、異なる材料を積層して用いてもよい。
第一保護層2の膜厚は、反射率、変調度や記録感度に大きく影響するので、下部保護層の膜厚に対して、ディスク反射率が極小値となる膜厚とすると記録感度が増大し、望ましい。BD−REでは、20〜50nmとすることが好適である。これらの範囲より薄いと、基板への熱ダメージが大きくなり、溝形状の変化が起こる。また、厚いと、ディスク反射率が高くなり、感度が低下する。
[記録層]
次に、記録層3について説明をする。記録層3には、Sbを主成分とし、非晶質化を促進するような元素を添加したSb−In系、Sb−Te系、Sb−Sn−Ge系等を母相とした材料を用いる。ここで、主成分とは、50原子%以上であることを指す。また、種々の特性を向上させる目的でこれらの母相にさらに他の元素を添加して用いる。
Sb−In系は下記組成範囲で用いることが好ましい。
(Sb1-xInx)1-yMy
0.15≦x≦0.27
0.0≦y≦0.2
MはSb、In以外の1種類以上の元素
Sb−In2元系のみでも良好な繰り返し記録特性が得られ、結晶化温度も170℃前後と高く、非晶質の保存安定性にも優れている。これに、さらなる保存安定性の向上や繰り返し記録耐久性の向上、初期化容易性の向上等の目的でAl、Si、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Ge、Ga、Se、Te、Zr、Mo、Ag、希土類元素から選ばれる少なくとも1種類以上の元素を添加してもよい。また、これらの元素の添加は結晶化速度の低下を招く場合が多いので、結晶化速度の向上等の目的で、さらに、SnあるいはBiを添加してもよい。繰り返し記録特性を損ねないためにはMの添加量は合計で20%以下とすることが望ましい。
Sb−Te系は下記組成範囲で用いると良好な繰り返し記録特性を持つ。
(Sb1-xTex)1-yMy
0.2≦x≦0.4
0.03≦y≦0.2
MはSb、Te以外の1種類以上の元素
Sb−Te2元系のみでも良好な繰り返し記録特性が得られるのであるが、2元系の結晶化温度は120℃前後と低いため、高温保存により記録マークが結晶化してしまうという問題があるため、結晶化温度を高くし、非晶質の安定性を高めるような元素Mの添加は必須である。非晶質の安定性を高くするような元素Mとしては、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Ga、Ge、Se、Zr、Mo、Ag、In、希土類元素などが挙げられる。また、一般的にこれらの元素を添加した場合には、結晶化速度が低下してしまう傾向があるため、結晶化速度を向上させる目的で、さらにSn、Biなどを添加してもよい。添加量は合計で3原子%以上としないと効果的ではなく、繰り返し記録特性を損ねないためには20原子%以下とすることが望ましい。
Sb−Sn−Ge系は下記組成範囲で用いると良好な繰り返し記録特性を持つ。
(Sb1-x-ySnxGey)1-zMz
0.1≦x≦0.25
0.03≦y≦0.30
0.00≦z≦0.15
MはSb、Sn、Ge以外の1種類以上の元素
Sb−Sn−Ge3元系のみでも良好な記録特性が得られるが、更に1種類以上の元素を添加すると、ジッタが低下する。有効な元素としては、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Ga、Se、Te、Zr、Mo、Ag、In、希土類元素などが挙げられる。ただし、添加量が多すぎると逆にジッタが悪化してくるため、多くとも合計で15原子%以下とすることが望ましい。
記録層3の材料の膜厚は6nm以上とすることが望ましい。これより薄くなると、結晶化速度や変調度が極端に低下してしまい、良好な記録が困難となる。また、上限は1層タイプ、もしくは2層タイプの奥側の層では30nm、より好ましくは22nm以下、2層タイプの手前側の層では10nm以下、より好ましくは8nm以下とする。これより厚くすると、記録感度の低下や、繰り返し記録耐久性が劣化してしまうし、2層タイプの手前側の層の場合、透過光の確保が難しくなり、奥側の層の記録再生が困難となってしまう。
[第二保護層]
次に、第二保護層4について説明をする。第二保護層4の材料としては、第一保護層2と同様に、Si、Zn、Sn、In、Mg、Al、Ti、Zr、Nb、Taなどの各酸化物;Si、Ge、Al、Ti、B、Zrなどの各窒化物;Zn、Taなどの各硫化物;Si、Ta、B、W、Ti、Zrなどの各炭化物;ダイヤモンド状カーボン;或いはそれらの混合物が挙げられる。第二保護層4も反射率、変調度に影響するが、記録感度への影響が最も大きく、適切な熱伝導率を有するものを用いることが重要である。モル比が7:3から8:2近傍のZnSとSiOの混合物は、熱伝導率が小さく、反射層5への放熱速度を小さくするため、記録感度が良い。高速記録の場合には、熱伝導率の大きい材料を選ぶ場合もある。熱伝導率の大きい材料としては、透明導電膜として知られるIn2O3、ZnO、SnOを主成分としたものやそれらの混合物、あるいは、TiO2、Al2O3、ZrO2を主成分としたものやそれらの混合物などを用いることができる。さらに、異なる材料を積層して用いてもよい。
第二保護層4の膜厚は、4〜50nmが好適である。4nmより薄い場合には記録層3の光吸収率が低下し、さらに、記録層3で発生した熱が反射層5へ拡散されやすくなるため、記録感度が大幅に低下してしまうので好ましくない。50nmより厚くなると、クラックが発生しやすくなるため、好ましくない。
[反射層]
次に、反射層5について説明をする。反射層5としてはAl、Au、Ag、Cu等の金属及びそれらを主成分とする合金が好ましい。合金化する際の添加元素としては、Bi、In、Cr、Ti、Si、Cu、Ag、Pd、Ta、Ndなどが使用できる。
反射層5は、記録再生時の光を反射して光の利用効率を高めると共に、記録時に発生した熱を逃がす放熱層の役割も担う。一層の光情報記録媒体の場合、あるいは、二層の光情報記録媒体の光の入射側からみて奥側の記録層へ記録する場合の反射層は、光の利用効率と冷却速度の確保の観点から、70nm以上の厚さとすることが望ましい。しかし、光の利用効率、及び、冷却速度はある程度の膜厚以上では飽和してしまい、また、厚過ぎると膜応力により基板の反りを生じたり、膜剥がれを起こす場合もあるので、300nm以下とすることが望ましい。
二層の光情報記録媒体の場合には、二層の光情報記録媒体の光の入射側からみて手前側の層の反射層は、光を透過する必要があることからあまり厚くすることはできず、5〜15nmの範囲とすることが望ましい。しかし、これでは、放熱特性が悪いため、良好な記録ができない場合があるため、次に説明する放熱層を用いる。
[放熱層]
次に、放熱層について説明をする。放熱層は、図4に示す一層の光情報記録媒体の場合には不要であるが、二層の光情報記録媒体の場合に必要となる層である。二層の光情報記録媒体の場合には、二層の光情報記録媒体の光の入射側からみて手前の層へ記録する場合の放熱性の確保と反射率の調整のために反射層と中間層の間に設けられる。尚、中間層とは、二層の光情報記録媒体の各層を分離するための層である。
放熱層は、透過率が高く、熱伝導率が大きいことが望ましく、透明導電膜として知られるIn2O3、ZnO、SnOを主成分としたものやそれらの混合物、あるいはTiO2、Al2O3、ZrO2、Nb2O5を主成分としたものやそれらの混合物などを用いることができる。記録層3の組成によってはそれ程放熱性を必要としない場合もあるので、その場合には、保護膜としてよく用いられるZnSとSiO2の混合物を用いてもよい。
放熱層の厚さは、10〜150nm程度が好ましい。10nmより薄いと、放熱層や光学調整層としての機能が不足し、厚すぎると、膜応力により基板の反りを生じたり、膜剥がれを起こす恐れもあるためである。
[硫化防止層]
次に、硫化防止層について説明をする。硫化防止層は、図4には示されていないが、反射層5としてAgまたは、Ag合金を用い、第二保護層4としてZnSとSiO2の混合物のようにSを含む膜を用いる場合には、保存中の反射層5の硫化による欠陥の発生を防止するため、第二保護層4と反射層5の間に設けられる。硫化防止層としては、Si、SiC、TiC、TiO2、TiCとTiO2の混合物等が適している。
硫化防止層の膜厚は、少なくとも1nm以上としないと均一な膜が形成されないため、硫化防止の機能が損なわれてしまう。好ましくは2nm以上とする。厚さの上限は媒体の光学特性や熱特性のバランスをみながら決められるが、通常、10nm以下とした方がそのバランスがよく、良好な繰り返し記録特性を得られることが多い。
[中間層]
次に、中間層について説明をする。中間層は、図4に示す一層の光情報記録媒体の場合には不要であるが、二層の光情報記録媒体の場合に必要となる層である。二層の光情報記録媒体の各層を分離するための層であり、DVDやHD DVDは厚さ50μm、ブルーレレイディスクでは厚さ25μmの透明樹脂層で形成される。
[カバー層]
次に、カバー層6について説明をする。カバー層6は、ブルーレイディスクの場合には、光が入射、透過する層で、一層の媒体の場合には、厚さ100μm、二層の媒体の場合には厚さ75μmの透明樹脂層で形成される。
[光情報記録媒体]
上述のような層を、案内溝を有する基板1上に、光の入射方向からみて、少なくとも第一保護層2、記録層3、第二保護層4、反射層5をこの順に積層形成し、光の入射方向からみて最前部にカバー層6の形成を行った後、初期化工程を経て本発明の光情報記録媒体が完成する。
尚、初期化工程とは1×(数10〜数100)μm程度に成形された1〜2W程度のレーザ光を走査しながら照射して、成膜直後は非晶質状態である記録層3を結晶化する工程である。
本発明の光情報記録媒体の例えば最内周部(リードイン領域)には、本発明の情報記録方法に係る最適な記録ストラテジ情報や最適な記録パワー情報などの記録最適化情報が、例えばウォブルやピットなどを用いて書き込まれている。記録最適化情報には、情報記録装置側にあらかじめ格納されている記録ストラテジなどの中から最適なものを選択するために必要な情報なども含まれる。後述する本発明の情報記録装置は、本発明の光情報記録媒体に書き込まれている記録最適化情報を読み取り、最適な記録ストラテジや最適な記録パワー条件などの最適な記録条件で記録を行うことにより、大容量の光情報記録媒体に高速記録する際にも、アーカイバルオーバーライト特性の劣化の小さい好適な記録が可能となる。
[情報記録装置]
次に、本発明の情報記録方法(記録ストラテジ)を実現するための情報記録装置の構成例について説明する。図11は本発明の情報記録装置100の主要部を概略的に例示する図である。
10は、本発明の光情報記録媒体である。上述のように、本発明の光情報記録媒体の、例えばリードイン領域などの所定の領域には、本発明の情報記録方法を実現するために必要な記録ストラテジ情報や記録パワー情報などの記録最適化情報が書き込まれている。
光情報記録媒体10に対してデータの記録を行う本発明の情報記録装置100は、主にスピンドルモータ20、レーザ光照射手段30、プリアンプ40、サーボ駆動回路50、コントロール手段60などから構成されている。また、レーザ光照射手段30は、光ピックアップ31、レーザ駆動手段32から構成されている。また、コントロール手段60は、主にフォーカスサーボ手段61、トラッキングサーボ手段62、レーザパワー制御手段63などから構成されている。
図11において、スピンドルモータ20は、光情報記録媒体10を所定の回転数で回転させるためのモータである。レーザ光照射手段30は、光情報記録媒体10にレーザ光を照射する手段であり、レーザ光照射手段30中の光ピックアップ31は、可動するレンズ(図示せず)により光情報記録媒体10の所望のトラックにレーザ光を追従させ、光情報記録媒体10からの反射光を受光し、電気信号に変換するデバイスである。また、レーザ光照射手段30中のレーザ駆動手段32は、レーザパワー制御手段63が生成するレーザ駆動信号を受け、光ピックアップ31に搭載されたレーザ(図示せず)を所望のパワーや所望のタイミングなどで発光させる手段である。
プリアンプ40は、光ピックアップ31から入力された電気信号からフォーカスエラー信号の生成等を行う回路である。サーボ駆動回路50は、スピンドルモータ20や光ピックアップ31のレンズ(図示せず)を駆動する回路である。コントロール手段60は、フォーカスサーボ手段61が実行するフォーカスサーボやトラッキングサーボ手段62が実行するトラッキングサーボなどのサーボ制御や、レーザパワー制御手段63が実行するレーザを所望のパワーや所望のタイミングなどで発光させるためのレーザ駆動信号を生成するレーザパワー制御を含めた情報記録装置100の全体の制御を行う手段である。
光ピックアップ31とレーザ駆動手段32から構成されるレーザ光照射手段30とレーザパワー制御手段63により、光ピックアップ31に搭載されたレーザ(図示せず)を本発明の記録方法を実現する記録ストラテジで発光させることができる。
コントロール手段60の指令により、レーザパワー制御やサーボ制御が行われると、スピンドルモータ20により回転する光情報記録媒体10の記録面の所望のトラックにフォーカスサーボ、トラッキングサーボがかかった状態になり、所望のトラックに対して、レーザ光のスポットが自動的に追従する。
情報記録装置100を用いて本発明の光情報記録媒体10にデータの記録を行う場合には、光情報記録媒体10の所定の領域に書き込まれている記録最適化情報が読み出され、これに基づいて最適な記録ストラテジや最適な記録パワーなどが決定される。決定された最適な記録ストラテジや最適な記録パワーなどを実現するためにコントロール手段60中のレーザパワー制御手段63は、レーザ光照射手段30中のレーザ駆動手段32に出力するレーザ駆動信号を生成する。レーザ光照射手段30中のレーザ駆動手段32は、入力されたレーザ駆動信号に基づいて、レーザ光照射手段30中の光ピックアップ31に搭載されたレーザ(図示せず)を決定された最適な記録ストラテジ(本発明の記録ストラテジ)などで発光させ、光情報記録媒体10に情報の記録が行われる。
以下、具体的な実施例に基づいて説明する。
〈実施例1〜4、比較例1〜4〉
螺旋状の連続グルーブを転写したBD−RE用ポリカーボネート基板に、反射層、第二保護層、記録層、第一保護層、カバー層を順次積層し、記録層を初期結晶化したものを試料として用いた。第二保護層と記録層の材料と膜厚が異なる4種類の試料を準備し、媒体1〜4を作製した。媒体1〜4の記録層と第2保護層の材料と膜厚を表1に示した。
Figure 2009043327
記録層と第二保護層以外の層は媒体1〜4で共通であり、反射層は、Ag−0.5wt%Bi合金を140nm、第一保護層は、ZnS−20mol%SiO2を39nmとし、エリコン(旧Unaxis)社製スパッタ装置、DVD Sprinterにて成膜した。これに、紫外線硬化樹脂をスピンコート法により塗布し、厚さ100μmのカバー層を形成した。次いで、波長830nm、ビーム径1×96μmのヘッドを有する日立CP社製の光ディスク初期化装置により記録層を初期結晶化した。
このようにして得られた試料に、パルステック工業社製のBD−R/REの記録・再生信号評価装置ODU−1000を用いて、情報の記録を行った。使用した光ピックアップの仕様は、レーザ光の波長405nm、対物レンズのNA0.85である。
走査速度を25GBのBDの4倍速に相当する19.68m/sとし、チャンネルクロック(基本クロック周期)も同様に4倍速相当の106.68MHzに設定した。このときの最短マーク長2Tは、0.149μmに相当する。また、記録する情報はBDの変調方式である1-7PPに準拠したランダムパターンとした。尚、BDの基本クロック周期Tは、15.15nsである。
記録ストラテジとしては、記録マーク長が2T増える毎に加熱パルスの数が一つ増えるN/2記録ストラテジを用いた。
図1は本発明の情報記録方法を実現する記録ストラテジの例を示す図である。上から基本クロック周期Tの2倍である2Tの長さに対応する記録マークを形成するための記録ストラテジ、基本クロック周期Tの3倍である3Tの長さに対応する記録マークを形成するための記録ストラテジ、以下同様に4T〜9Tの長さに対応する記録マークを形成するための記録ストラテジを示している。ここで、記録ストラテジとは、光情報記録媒体に所定の長さの記録マークを正確な形状で書き込むためのレーザの発光パターンをいい、パルス数、パルス幅、パルス間隔、パルス開始位置、パルスのパワーなどのパラメータにより設定される。
図1において、横軸は時間であり(隣接する点線間の間隔がTである)、縦軸はレーザパワーである。Pw、Pwh、Pe、Pb、Pbpは各パルスのレーザパワーの値を示している。矢印部にPw又はPwhと記載されている部分が加熱パルスであり、矢印部にPbと記載されている部分が冷却パルスであり、矢印部にPeと記載されている部分が消去パルスである。各記録マークの先頭の加熱パルスのパワーPwhは、複数の加熱パルスを含むパルスの照射により形成される記録マーク(図1においては4T〜9Tの記録マーク)の2番目以降の加熱パルスのパワーPwよりも高い値に設定されている。尚、図1の記録ストラテジでは、各記録マークの先頭の加熱パルスのパワーPwhが、複数の加熱パルスを含むパルスの照射により形成される記録マークの2番目以降の加熱パルスのパワーPwよりも高い値に設定されているが、後述するように、必ずしも全ての記録マークの先頭の加熱パルスのパワーを複数の加熱パルスを含むパルスの照射により形成される記録マークの2番目以降の加熱パルスのパワーよりも高い値に設定する必要はない。
また、矢印部にPbpと記載されている部分がプリ冷却パルスである。プリ冷却パルスとは、先頭の加熱パルスの直前に設けられる冷却パルスであり、プリ冷却パルスのパワーPbpは消去パルスのパワーPeよりも低い値に設定されている。尚、プリ冷却パルスのパワーPbpは、消去パルスのパワーPeよりも低い値に設定すればよく、冷却パルスのパワーPbと同じ値にする必要はない。また、図1の記録ストラテジでは、各記録マークの先頭の加熱パルスの直前にプリ冷却パルスが設けられているが、後述するように、必ずしも全ての記録マークの先頭の加熱パルスの直前にプリ冷却パルスを設ける必要はない。
実施例1〜4では、図1に示すように、各記録マークの先頭の加熱パルスのパワーのみを、複数の加熱パルスを含むレーザ光の照射により形成される記録マーク(図1においては4T〜9Tの記録マーク)の2番目以降の加熱パルスのパワーPwより10%高いパワーPwhに設定し、先頭の加熱パルスの直前に長さ0.3Tのプリ冷却パルスを設けた記録ストラテジを用いて、表1に示した媒体1〜4(本発明の光情報記録媒体)に対して記録し、アーカイバルオーバーライト特性を調べた。なお、プリ冷却パルスのパワーPbpは、冷却パルスのパワー(ボトムパワー)Pbと同じ値とした。このような条件で、繰り返し記録10回後のジッタが最低となるように、パルス幅やパルス開始位置等の記録ストラテジのパラメータ、及び、各パワーを最適化して記録した。
図3は従来の記録ストラテジの例を示す図である。比較例1〜4では、媒体1〜4に対して、図3に示したような、全ての加熱パルスのパワーをPwとし、先頭の加熱パルスの前にプリ冷却パルスを設けない従来型のN/2記録ストラテジを用い、記録ストラテジのパラメータ、及び、各パワーを最適化して記録した。
実施例1〜4、及び、比較例1〜4の条件で、まず、保存前の媒体に、繰り返し10回記録を3トラック連続して行った後、真中のトラックを1倍速(4.92m/s)で再生し、リミットイコライズ後のジッタを測定した。その後、各媒体を70℃で100時間保存した後に、保存前に繰り返し10回記録しておいたトラックへ1回ずつオーバーライトして、連続3トラック記録の真中のトラックのジッタを測定した。このときの各媒体のジッタのPw依存性を図5〜8に示す。なお、Pwを変えたとき、Pwh=1.1×Pwとなるように、Peは、Pwに対する比ε(=Pe/Pw)が一定になるように、Pwh、Peの値も変化させた。また、PbはPwの値によらず、0.1mWとした。
図5〜8に示すように、何れの場合も保存試験後にオーバーライト(図5〜8中の保存後o/w)したときのジッタは、保存前記録のジッタと比べて悪化傾向にあるものの、実施例1〜4の方が比較例1〜4に比べてジッタの劣化が小さく押さえられており、図1に示した本発明の情報記録方法を実現する記録ストラテジにより記録した場合には、アーカイバルオーバーライト特性の劣化が小さいことが確認できた。
〈実施例5〉
図2は本発明の情報記録方法を実現する記録ストラテジの他の例を示す図である。媒体1に対して、2Tの長さに対応する記録マークを形成するための加熱パルスのパワーのみを、2T以外の長さに対応する記録マークを形成するための加熱パルスのパワーPwより高い値であるPwhとし、その前に長さ0.3Tのプリ冷却パルスを設けた図2に示したタイプの記録ストラテジを使用して、実施例1〜4と同様にアーカイバルオーバーライト特性を評価した。結果を図9に示す。同じ媒体1に記録した図5に示した実施例1の場合よりややジッタ劣化はやや大きいものの、図5に示した比較例1よりはジッタ劣化が押さえられており、図2に示した本発明の情報記録方法を実現する記録ストラテジにより記録した場合にも、アーカイバルオーバーライト特性の劣化が小さいことが確認できた。
また、図10に実施例1の条件と、実施例5の条件で、Pw=8.0mWで記録したときの繰り返し記録特性を示すが、繰り返し記録耐久性(繰り返し記録時のジッタ劣化)は、実施例5で使用した図2に示す記録ストラテジで記録した場合の方が、実施例1で使用した図1に示す記録ストラテジで記録した場合よりも良いことが確認できた。
このように、本発明によれば、高速記録する際のアーカイバルオーバーライト特性の劣化を小さく出来るSbベースの記録層を有する光情報記録媒体、Sbベースの記録層を有する光情報記録媒体に高速記録する際のアーカイバルオーバーライト特性の劣化を小さく出来る情報記録方法及び情報記録装置を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施形態及び実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態及び実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、本発明の実施形態及び実施例においては、一層の光情報記録媒体に記録する例を示したが、二層以上の光情報記録媒体に対しても、本発明を同様に適用することができる。
また、本発明の実施形態及び実施例においては、ブルーレイディスク(BD−RE)に記録する例を示したが、HD DVDなどの他の光情報記録媒体に対しても、本発明を同様に適用することができる。
また、本発明の実施形態及び実施例においては、1−7PPなる変調方式を用いて記録する例を示したが、他の変調方式を用いても構わない。
また、本発明の実施形態及び実施例においては、N/2記録ストラテジを用いて記録する例を示したが、他の記録ストラテジを用いても構わない。
また、本発明の実施形態及び実施例においては、レーザ光のパワーをPwh、Pw、Pb、Peの4段階に設定したが、4段階に限定されることはない。例えば、プリ冷却パルスをPbとは異なる値に設定しても良いし、Pwを複数段階に分けて設定しても良い。
また、本発明の実施形態及び実施例においては、本発明の情報記録方法を実現する記録ストラテジの例として、図1及び図2に2種類の記録ストラテジを示したが、これ以外の記録ストラテジを用いても構わない。例えば、2T及び3Tの長さに対応する記録マークを形成するための加熱パルスのパワーを、2T及び3T以外の長さに対応する記録マークを形成するための加熱パルスのパワーPwより高い値であるPwhとし、2T及び3Tの長さに対応する記録マークを形成するための加熱パルスの直前にプリ冷却パルスを設けるようにしても良い。
また、図11には、本発明の情報記録装置の構成例を示したが、この構成に限定されることはない。例えば、光ピックアップ31、レーザ駆動手段32、プリアンプ40などを一体化させても構わないし、レーザパワー制御手段63をコントロール手段60から独立させるなど他の構成であっても構わない。また、各制御手段などは、ソフトウエアにより実現されるものでも構わない。
本発明の情報記録方法を実現する記録ストラテジの例を示す図である。 本発明の情報記録方法を実現する記録ストラテジの他の例を示す図である。 従来の記録ストラテジの例を示す図である。 BD−REの物理的構造の例を示す模式図である。 実施例1及び比較例1のジッタのPw依存性を示す図である。 実施例2及び比較例2のジッタのPw依存性を示す図である。 実施例3及び比較例3のジッタのPw依存性を示す図である。 実施例4及び比較例4のジッタのPw依存性を示す図である。 実施例5のジッタのPw依存性を示す図である。 実施例1と実施例5の各条件で、Pw=8.0mWで記録したときの繰り返し記録特性を示す図である。 本発明の情報記録装置100の主要部を概略的に例示する図である。
符号の説明
1 基板
2 第一保護層
3 記録層
4 第二保護層
5 反射層
6 カバー層
10 光情報記録媒体
20 スピンドルモータ
30 レーザ光照射手段
31 光ピックアップ
32 レーザ駆動手段
40 プリアンプ
50 サーボ駆動回路
60 コントロール手段
61 フォーカスサーボ手段
62 トラッキングサーボ手段
63 レーザパワー制御手段
100 情報記録装置
Pwh 加熱パルスのパワー
Pw 加熱パルスのパワー
Pb 冷却パルスのパワー
Pbp プリ冷却パルスのパワー
Pe 消去パルスのパワー
T 基本クロック周期
2T〜9T 記録マーク

Claims (18)

  1. レーザ光のパワーが加熱パルス、冷却パルス及び消去パルスの各パルスに対応する少なくとも3値に制御され、光情報記録媒体に前記加熱パルスと前記冷却パルスが交互に照射されることにより形成される長さの異なる複数種類の記録マークと、前記消去パルスが照射されることにより前記記録マーク間に形成されるスペースとによって、所定の情報が記録される情報記録方法であって、
    前記複数種類の記録マークのうちの、少なくとも一つの記録マークを形成する際の、一番目の加熱パルスのパワーを、複数の加熱パルスを含むパルスの照射により形成される記録マークの2番目以降の加熱パルスのパワーよりも高い値に設定し、かつ、前記一番目の加熱パルスの前に、前記消去パルスのパワーよりもパワーの低いプリ冷却パルスを設けることを特徴とする情報記録方法。
  2. 前記少なくとも一つの記録マークは、前記複数種類の記録マークのうちの最短の記録マークであることを特徴とする請求項1記載の情報記録方法。
  3. 前記複数種類の記録マークは、基本クロック周期Tの自然数倍の長さに対応する複数種類の記録マークであって、前記最短の記録マークは、前記基本クロック周期Tの2倍である2Tの長さに対応する記録マークであることを特徴とする請求項2記載の情報記録方法。
  4. 前記2Tの長さに対応する記録マークの長さが、0.149umであることを特徴とする請求項3記載の情報記録方法。
  5. 前記2Tの長さに対応する記録マークの長さが、0.204umであることを特徴とする請求項3記載の情報記録方法。
  6. 前記レーザ光の波長が400nm帯であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載の情報記録方法。
  7. レーザ光のパワーが加熱パルス、冷却パルス及び消去パルスの各パルスに対応する少なくとも3値に制御され、光情報記録媒体に前記加熱パルスと前記冷却パルスが交互に照射されることにより形成される長さの異なる複数種類の記録マークと、前記消去パルスが照射されることにより前記記録マーク間に形成されるスペースとによって、所定の情報が記録される情報記録媒体であって、
    前記複数種類の記録マークのうちの、少なくとも一つの記録マークを形成する際の、一番目の加熱パルスのパワーを、複数の加熱パルスを含むパルスの照射により形成される記録マークの2番目以降の加熱パルスのパワーよりも高い値に設定し、かつ、前記一番目の加熱パルスの前に、前記消去パルスのパワーよりもパワーの低いプリ冷却パルスを設けるための情報があらかじめ書き込まれていることを特徴とする光情報記録媒体。
  8. 前記少なくとも一つの記録マークは、前記複数種類の記録マークのうちの最短の記録マークであることを特徴とする請求項7記載の光情報記録媒体。
  9. 前記複数種類の記録マークは、基本クロック周期Tの自然数倍の長さに対応する複数種類の記録マークであって、前記最短の記録マークは、前記基本クロック周期Tの2倍である2Tの長さに対応する記録マークであることを特徴とする請求項8記載の光情報記録媒体。
  10. 前記2Tの長さに対応する記録マークの長さが、0.149umであることを特徴とする請求項9記載の光情報記録媒体。
  11. 前記2Tの長さに対応する記録マークの長さが、0.204umであることを特徴とする請求項9記載の光情報記録媒体。
  12. 前記レーザ光の波長が400nm帯であることを特徴とする請求項7乃至11の何れか一項記載の光情報記録媒体。
  13. レーザ光のパワーを加熱パルス、冷却パルス及び消去パルスのそれぞれに対応する少なくとも3値に制御するレーザパワー制御手段と、前記加熱パルス、前記冷却パルス及び前記消去パルスを照射するレーザ光照射手段とを有し、光情報記録媒体に前記加熱パルスと前記冷却パルスを交互に照射することにより形成する長さの異なる複数種類の記録マークと、前記消去パルスを照射することにより前記記録マーク間に形成するスペースとによって、所定の情報を記録する情報記録装置であって、
    前記レーザパワー制御手段は、前記複数種類の記録マークのうちの、少なくとも一つの記録マークを形成する際の、一番目の加熱パルスのパワーを、複数の加熱パルスを含むパルスの照射により形成する記録マークの2番目以降の加熱パルスのパワーよりも高い値に制御し、かつ、前記一番目の加熱パルスの前に、前記消去パルスのパワーよりもパワーの低いプリ冷却パルスを設けるように制御することを特徴とする情報記録装置。
  14. 前記少なくとも一つの記録マークは、前記複数種類の記録マークのうちの最短の記録マークであることを特徴とする請求項13記載の情報記録装置。
  15. 前記複数種類の記録マークは、基本クロック周期Tの自然数倍の長さに対応する複数種類の記録マークであって、前記最短の記録マークは、前記基本クロック周期Tの2倍である2Tの長さに対応する記録マークであることを特徴とする請求項14記載の情報記録装置。
  16. 前記2Tの長さに対応する記録マークの長さが、0.149umであることを特徴とする請求項15記載の情報記録装置。
  17. 前記2Tの長さに対応する記録マークの長さが、0.204umであることを特徴とする請求項15記載の情報記録装置。
  18. 前記レーザ光の波長が400nm帯であることを特徴とする請求項13乃至17の何れか一項記載の情報記録装置。
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