JP2007057765A - 顕微鏡装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 標本の状態を変化させることなく、標本の異なる位置を顕微鏡観察することを可能とする。
【解決手段】 レーザ光Lを出射するレーザ光源3と、対物レンズ7を下向きに備え、レーザ光源3から発せられたレーザ光Lを標本Aに照射し、標本Aから発せられる光を検出する顕微鏡本体4と、該顕微鏡本体4を吊り下げた状態に支持し標本に対して顕微鏡本体を移動させる移動ユニット2とを備え、レーザ光源3から導かれてきたレーザ光Lの光軸に沿い、かつ、対物レンズ7の光軸に交差する方向に沿って、顕微鏡本体4を標本Aに対して移動させる可動部材18,19と、該可動部材18,19に固定され、レーザ光Lを偏向して顕微鏡本体4に入射させる偏向部材22〜23とを備える顕微鏡装置1を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】 レーザ光Lを出射するレーザ光源3と、対物レンズ7を下向きに備え、レーザ光源3から発せられたレーザ光Lを標本Aに照射し、標本Aから発せられる光を検出する顕微鏡本体4と、該顕微鏡本体4を吊り下げた状態に支持し標本に対して顕微鏡本体を移動させる移動ユニット2とを備え、レーザ光源3から導かれてきたレーザ光Lの光軸に沿い、かつ、対物レンズ7の光軸に交差する方向に沿って、顕微鏡本体4を標本Aに対して移動させる可動部材18,19と、該可動部材18,19に固定され、レーザ光Lを偏向して顕微鏡本体4に入射させる偏向部材22〜23とを備える顕微鏡装置1を提供する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、顕微鏡装置に関するものである。
従来、顕微鏡装置として、ステージ上に搭載した標本に対物レンズを近接させて観察するものが知られている。
この顕微鏡装置においては、ステージが水平な2方向(X,Y方向)に移動可能に設けられており、標本上の異なる位置を観察したい場合に、ステージを作動させることで、対物レンズの光軸に交差する方向に標本を移動させていた。
この顕微鏡装置においては、ステージが水平な2方向(X,Y方向)に移動可能に設けられており、標本上の異なる位置を観察したい場合に、ステージを作動させることで、対物レンズの光軸に交差する方向に標本を移動させていた。
しかしながら、ステージに搭載した標本を移動させる場合、標本が培地内に浮遊する生細胞等である場合には、ステージの移動により標本に加速度が加わることになるため、標本が培地内において移動し、あるいは変形してしまう不都合がある。また、標本が比較的大きな実験小動物等である場合にも、標本に横力が加わる場合、標本が変動してしまう不都合が考えられる。
これに対して、ステージを固定し、顕微鏡本体を移動させる構造の顕微鏡装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この顕微鏡装置によれば、ステージを固定しているので、ステージ上の標本の状態を変化させることなく、標本の異なる位置を顕微鏡観察することができる。
特開2000−88751号公報
この顕微鏡装置によれば、ステージを固定しているので、ステージ上の標本の状態を変化させることなく、標本の異なる位置を顕微鏡観察することができる。
しかしながら、特許文献1の顕微鏡装置は、ステージの下方に配置したガイドレールに沿って、ガイドレール上のスライダに固定した顕微鏡本体を移動させるものであるため、可動部分が大きく、その剛性を確保するためにフレーム等が頑強に作られ、装置が大型化する不都合がある。装置が大型化することにより、設置スペースの大型化、動作速度の低下等の問題が考えられる。また、比較的大きな標本を観察する場合に、対物レンズの周囲の空間をできるだけ広く確保し、対物レンズの取り回し性を向上する必要もある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、可動部分を小さくして装置の大型化および低速化を防止し、対物レンズの周囲に広い空間を確保して対物レンズの取り回し性を向上することができる顕微鏡装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、レーザ光を出射するレーザ光源と、対物レンズを下向きに備え、前記レーザ光源から発せられたレーザ光を標本に照射し、標本から発せられる光を検出する顕微鏡本体と、該顕微鏡本体を吊り下げた状態に支持し、標本に対して顕微鏡本体を移動させる移動ユニットとを備え、該移動ユニットが、レーザ光源から導かれてきたレーザ光の光軸に沿い、かつ、対物レンズの光軸に交差する方向に沿って、顕微鏡本体を標本に対して移動させる可動部材と、該可動部材に固定され、前記レーザ光を偏向させて前記顕微鏡本体に入射させる偏向部材とを備える顕微鏡装置を提供する。
本発明は、レーザ光を出射するレーザ光源と、対物レンズを下向きに備え、前記レーザ光源から発せられたレーザ光を標本に照射し、標本から発せられる光を検出する顕微鏡本体と、該顕微鏡本体を吊り下げた状態に支持し、標本に対して顕微鏡本体を移動させる移動ユニットとを備え、該移動ユニットが、レーザ光源から導かれてきたレーザ光の光軸に沿い、かつ、対物レンズの光軸に交差する方向に沿って、顕微鏡本体を標本に対して移動させる可動部材と、該可動部材に固定され、前記レーザ光を偏向させて前記顕微鏡本体に入射させる偏向部材とを備える顕微鏡装置を提供する。
本発明によれば、レーザ光源から出射されたレーザ光は、移動ユニットを介して顕微鏡本体に入射される。顕微鏡本体に入射されたレーザ光は対物レンズを介して標本に照射され、標本において発生した蛍光等の光が対物レンズによって集められ、検出される。この場合において、標本におけるレーザ光の照射位置を変更したい場合には、可動部材を作動させることにより、レーザ光の光軸に沿い、かつ、対物レンズの光軸に交差する方向に沿って、顕微鏡本体を移動させる。
このとき、可動部材に偏向部材が固定されているので、可動部材の作動により顕微鏡本体とともに偏向部材が移動させられる。偏向部材も可動部材と同様にレーザ光の光軸に沿って移動させられるので、可動部材の位置にかかわらず、レーザ光が偏向部材によって偏向され、常に顕微鏡本体内に指向される。
したがって、本発明によれば、顕微鏡本体を、標本を移動させることなく移動させて、標本の異なる位置を観察できる。その結果、生細胞や実験小動物等のような標本においても、標本に横力を加えずに、標本を静止した状態に維持したまま、異なる位置の観察を行うことができる。
また、この場合に、レーザ光が常に偏向部材により顕微鏡本体内に導かれるので、光ファイバのような光学要素にレーザ光を通過させずに済む。したがって、例えば、レーザ光源として極短パルスレーザ光源を採用した場合においても、標本に到達するまでの間におけるレーザ光の群速度分散の発生を抑制して、パルス幅が伸びるのを防止することができる。その結果、大がかりな群速度分散補償器が不要となり、効率的に多光子励起効果を発生させて、鮮明な多光子蛍光画像を得ることができる。
また、本発明によれば、移動ユニットが顕微鏡本体を吊り下げた状態に支持しているので、顕微鏡本体を含む可動部を最小限に抑えることができる。その結果、装置の大型化を防止し、可動部を高速かつ精度よく移動させることが可能となる。また、顕微鏡本体を吊り下げることにより、その最下端に配置される対物レンズの周囲に充分な空間を確保することができ、比較的大きな標本の取り扱い性を向上することができる。
上記発明においては、前記対物レンズの光軸に直交する第1の方向に移動可能に設けられる第1の可動部材と、該第1の可動部材に対して前記対物レンズの光軸および前記第1の方向に直交する第2の方向に移動可能に設けられ、顕微鏡本体を固定する第2の可動部材とを備え、前記偏向部材が、前記第1の可動部材に固定され第2の方向に向けてレーザ光を偏向する第1の偏向部材と、第2の可動部材に固定され第2の方向に沿って入射されるレーザ光を偏向するる第2の偏向部材とを備え、前記レーザ光源からのレーザ光が前記第1の方向に沿って第1の偏向部材に入射されることが好ましい。
このようにすることで、第1の可動部材を第1の方向に移動させると、第1の可動部材に搭載された第2の可動部材および第2の可動部材に取り付けられた顕微鏡本体が対物レンズの光軸に交差する第1の方向に沿って移動させられる。レーザ光は第1の方向に沿って入射され、第1の可動部材には第1の偏向部材が固定されているので、第1の可動部材の位置にかかわらず、入射されたレーザ光が第1の偏向部材によって第2の方向に向けて反射される。
また、第2の可動部材を第1の可動部材に対して第2の方向に移動させると、第2の可動部材に取り付けられた顕微鏡本体が対物レンズの光軸に直交する第2の方向に移動させられる。第1の偏向部材からは第2の方向に沿ってレーザ光が入射されてきているので、第2の偏向部材は、第2の可動部材の位置にかかわらず、入射されたレーザ光を対物レンズに向けて偏向する。
したがって、本発明によれば、第1の可動部材と第2の可動部材の位置調整によって、対物レンズの光軸に直交する平面内の任意の位置に対物レンズを配置することが可能となり、標本に横加速度を付与することなく、標本の2次元範囲にわたる観察を行うことができる。
したがって、本発明によれば、第1の可動部材と第2の可動部材の位置調整によって、対物レンズの光軸に直交する平面内の任意の位置に対物レンズを配置することが可能となり、標本に横加速度を付与することなく、標本の2次元範囲にわたる観察を行うことができる。
また、上記発明においては、前記第1の可動部材を移動可能に取り付けるとともに、前記対物レンズの光軸方向に移動させる第3の可動部材を備え、該第3の可動部材に、第1の方向に向けてレーザ光を偏向させる第3の偏向部材が固定されていることとしてもよい。
このようにすることで、光ファイバのような光学要素にレーザ光を通過させることなく、対物レンズをその光軸方向に沿う方向にも移動させることが可能となる。
このようにすることで、光ファイバのような光学要素にレーザ光を通過させることなく、対物レンズをその光軸方向に沿う方向にも移動させることが可能となる。
本発明によれば、可動部分を最小限に抑えて装置の大型化や低速化を防止することができる。また、対物レンズの周囲の空間を広く確保して、比較的大きな標本の取り扱い性やそのような標本に対する対物レンズの取り回し性を向上することができる。さらに、標本の状態を変化させることなく、標本の異なる位置を顕微鏡観察することができるという効果を奏する。したがって、標本が生細胞のようにデリケートな場合や、実験小動物のように比較的大きい標本である場合等に、標本を変化させることなく、観察することができる。
本発明の一実施形態に係る顕微鏡装置1について、図1および図2を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る顕微鏡装置1は、図1に示されるように、レーザ光源3と、標本Aにレーザ光Lを入射させ標本Aから発せられる光を観察する顕微鏡本体4と、レーザ光源3からのレーザ光Lを顕微鏡本体4に入射させる移動ユニット2とを備えている。
本実施形態に係る顕微鏡装置1は、図1に示されるように、レーザ光源3と、標本Aにレーザ光Lを入射させ標本Aから発せられる光を観察する顕微鏡本体4と、レーザ光源3からのレーザ光Lを顕微鏡本体4に入射させる移動ユニット2とを備えている。
前記レーザ光源3は、例えば、チタンサファイアレーザであって、パルス幅が100fsec(フェムト秒)程度、波長800nm程度の近赤外極短パルスレーザ光を発生する超短パルスレーザ光源である。レーザ光源3は、略水平なベースプレート5上に固定され、水平方向にレーザ光Lを出射するようになっている。符号25はレーザ光Lを通過させる筒状のカバーである。
標本Aは、例えば、生細胞であって、シャーレ状の容器6に貯留した培地B内に配置されている。
標本Aは、例えば、生細胞であって、シャーレ状の容器6に貯留した培地B内に配置されている。
前記顕微鏡本体4は、先端に、標本Aに対向させられる対物レンズ7を備え、移動ユニット2から入射されてきたレーザ光Lを2次元的に走査する、例えば、近接ガルバノミラーのような走査部8と、該走査部8により2次元方向に走査されたレーザ光Lを一旦結像して中間像を形成する瞳投影レンズ9と、中間像を結像したレーザ光Lを集光して対物レンズ7に入射させる結像レンズ10とを備えている。図中、符号11はミラーである。
また、結像レンズ10と瞳投影レンズ9との間には、多光子蛍光を分岐するダイクロイックミラー12と、分岐された多光子蛍光を集光する集光レンズ13と、集光された多光子蛍光を検出する光検出器14とを備えている。光検出器14により検出された多光子蛍光情報は、図示しない画像処理装置に送られ、例えば、モニタにより表示されるようになっている。光検出器14は例えば光電子増倍管である。
前記移動ユニット2は、レーザ光源3を固定するベースプレート5上に固定されたブラケット15に、レーザ光源3からのレーザ光Lの光軸回りに揺動可能に支持され、鉛直平面に沿って伸びる第1のアーム16と、該第1のアーム16の長手方向に直交して水平方向に延びるとともに、第1のアーム16の長手方向に沿って移動可能に支持された第2のアーム17と、該第2のアーム17に取り付けられ、第2のアーム17の長手方向に移動可能に支持される第1のスライダ(第1の可動部材)18と、該第1のスライダ18に取り付けられ、第1のスライダ18の移動方向に直交する方向に移動可能に支持され、前記顕微鏡本体4を吊り下げ状態に取り付ける第2のスライダ(第2の可動部材)19とを備えている。
第1のアーム16は、図示しないモータによってその軸線回りに揺動させられるようになっている。第2のアーム17、第1のスライダ18および第2のスライダ19は、それぞれ、リニアガイドのような図示しない公知の手段によってその移動を支持されるとともに、ボールネジのような図示しない公知の手段によって直線的に駆動され、任意の位置に位置決め状態に停止させられるようになっている。
第1のアーム16の回転軸線位置には、レーザ光源3から軸線に沿って入射されてきたレーザ光Lを反射して、第1のアーム16の長手方向に指向させる第1のミラー(偏向部材)20が設けられている。第1のミラー20は、第1のアーム16に固定され、第1のアーム16の揺動とともに揺動させられて、レーザ光源3からのレーザ光Lを常に第1のアーム16の長手方向に向けて反射するようになっている。
第2のアーム17には、第1のミラー20により反射されてきたレーザ光Lの光軸位置に配置される第2のミラー(偏向部材)21が設けられている。第2のミラー21は、第2のアーム17に固定され、第1のアーム16の長手方向に沿う第2のアーム17の直線移動とともに、第1のミラー20からのレーザ光Lの光軸に沿って直線移動させられるようになっている。第2のミラー21は、入射させたレーザ光Lを第2のアーム17の長手方向に沿う方向に向けて反射するようになっている。これにより、第2のミラー21は、第1のアーム16に対する第2のアーム17の位置にかかわらず、常に、第1のミラー20からのレーザ光Lを反射して第2のアーム17の長手方向に指向させるようになっている。
前記第1のスライダ18には、図2に示されるように、第3のミラー(偏向部材)22および第4のミラー(偏向部材)23が固定されている。第3のミラー22は、前記第2のアーム17に固定された第2のミラー21に対向して、第2のミラー21によって反射されてきたレーザ光Lを入射させる位置に配置されている。第3のミラー22は、入射させたレーザ光Lを第2のスライダ19に引き渡すように、入射方向に対して直交する方向に反射するようになっている。第4のミラー23は、第3のミラー22により反射されたレーザ光Lを第2のスライダ19の移動方向に沿う方向に向けて反射するようになっている。
第3のミラー22および第4のミラー23は第1のスライダ18に固定されているので、第1のスライダ18が第2のアーム17の長手方向に移動すると、第1のスライダ18とともに移動する。したがって、第1のスライダ18の位置にかかわらず、第2のミラー21により反射されてきたレーザ光Lを、常に第2のスライダ19の移動方向に沿う方向に指向させるようになっている。
前記第2のスライダ19には、図2に示されるように、第5のミラー(偏向部材)24が固定されている。第5のミラー24は、第4のミラー23により反射されてきたレーザ光Lの光軸上に配置されており、レーザ光Lを反射して、顕微鏡本体4内に向けて指向させるようになっている。第5のミラー24は第2のスライダ19に固定されているので、第2のスライダ19の移動とともに移動し、常に、顕微鏡本体4内に向けてレーザ光Lを指向させるようになっている。
このように構成された本実施形態に係る顕微鏡装置1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る顕微鏡装置1を用いて真上から標本Aの多光子蛍光観察を行うには、第1のアーム16を鉛直方向に沿って配置する。これにより、第2のアーム17が標本Aの上方に水平方向に延び、該第2のアーム17の真下に第1のスライダ18、第2のスライダ19および顕微鏡本体4が配置され、顕微鏡本体4の下部に対物レンズ7が真下を向いて配置される。この状態で、第1のスライダ18および第2のスライダ19を移動させて標本Aに対する対物レンズ7の水平方向位置を調節し、第1のアーム16に対して第2のアーム17を移動させて標本Aに対する対物レンズ7の鉛直方向位置を調節する。そして、レーザ光源3を作動させることにより、レーザ光Lを水平方向に出射させ、第1のアーム16の回転軸線に沿って第1のアーム16内に入射させる。
本実施形態に係る顕微鏡装置1を用いて真上から標本Aの多光子蛍光観察を行うには、第1のアーム16を鉛直方向に沿って配置する。これにより、第2のアーム17が標本Aの上方に水平方向に延び、該第2のアーム17の真下に第1のスライダ18、第2のスライダ19および顕微鏡本体4が配置され、顕微鏡本体4の下部に対物レンズ7が真下を向いて配置される。この状態で、第1のスライダ18および第2のスライダ19を移動させて標本Aに対する対物レンズ7の水平方向位置を調節し、第1のアーム16に対して第2のアーム17を移動させて標本Aに対する対物レンズ7の鉛直方向位置を調節する。そして、レーザ光源3を作動させることにより、レーザ光Lを水平方向に出射させ、第1のアーム16の回転軸線に沿って第1のアーム16内に入射させる。
第1のアーム16の回転軸線位置には第1のミラー20が配置されているので、入射されたレーザ光Lは第1のミラー20によって第1のアーム16の長手方向に沿う方向に反射される。第1のアーム16の先端には第2のアーム17が配置され、レーザ光Lの光軸上には第2のミラー21が配置されているので、レーザ光Lは第2のミラー21によって反射され、第2のアーム17の長手方向に沿って指向される。
また、第2のアーム17の先端には第1のスライダ18に固定された第3のミラー22が配置されているので、レーザ光Lは第3のミラー22によって反射された後、同じく第1のスライダ18に固定された第4のミラー23によって第2のスライダ19の移動方向に沿う方向に指向される。さらに、そのレーザ光Lの光軸上には第2のスライダ19に固定された第5のミラー24が配置されているので、レーザ光Lは第5のミラー24によって反射されて顕微鏡本体4内に入射させられる。
顕微鏡本体4内に入射されたレーザ光Lは、走査部8の作動により2次元的に走査され、瞳投影レンズ9、結像レンズ10および対物レンズ7を介して試料Aに照射される。試料Aにおいては、レーザ光Lが集光された所定の深さ方向位置において多光子励起効果により蛍光Fが発せられる。そして、発せられた蛍光Fは、対物レンズ7および結像レンズ10を介して同一光路を戻る途中で、ダイクロイックミラー12によって光路から分岐させられ、集光レンズ13によって集光されて光検出器14により検出される。走査部8を構成するガルバノミラーの角度情報および、光検出器14により検出される多光子蛍光の光量情報に基づいて、2次元的な画像を構築することができ、例えば、モニタに表示されて観察される。
この状態で、標本Aの観察位置を変更する場合には、第2のアーム17に対して第1のスライダ18を作動させることにより、顕微鏡本体4を第2のアーム17の長手方向に沿う方向に水平移動させることができる。また、第1のスライダ18に対して第2のスライダ19を作動させることにより、顕微鏡本体4を第2のアーム17の長手方向に直交する方向に水平移動させることができる。これにより、標本Aの真上からの観察状態を維持しながらその観察位置を水平方向の任意の位置に2次元的に変更することができる。
また、標本Aの観察高さを変更する場合には、第1のアーム16に対して第2のアーム17を作動させることにより、顕微鏡本体4を上下方向に移動させ、対物レンズ7によるレーザ光Lの集光位置を上下方向に変化させることで観察高さを変更できる。
さらに、標本Aの観察角度を変更する場合には、ベースプレート5に固定されたブラケット15に対して第1のアーム16を揺動させる。これにより、顕微鏡本体4の傾斜角度を変化させ、観察角度を変更することができる。
さらに、標本Aの観察角度を変更する場合には、ベースプレート5に固定されたブラケット15に対して第1のアーム16を揺動させる。これにより、顕微鏡本体4の傾斜角度を変化させ、観察角度を変更することができる。
このように、本実施形態に係る顕微鏡装置1によれば、移動ユニット2が対物レンズ7を下向きにして顕微鏡本体4を吊り下げ状態に支持しているので、移動ユニット2と標本Aとの間に配置される顕微鏡本体4のみを移動させるだけで、標本Aの観察位置を変更することができる。したがって、顕微鏡本体4をコンパクトに構成することで、可動部分を小型化することができ、装置全体の小型化を達成することができる。また、対物レンズ7の周囲に広い空間を確保することができる。その結果、標本Aが比較的大きな場合にも、標本Aを取り扱うための空間を確保して、取り扱い性を向上することができる。
また、標本Aを移動させたり、標本Aに横方向の加速度を作用させたりすることなく、顕微鏡本体4を移動させて標本Aの観察位置および観察角度を変更できる。したがって、生細胞のように取り扱いがデリケートな標本Aや、質量が大きく横加速度によって位置ズレ等が生ずる虞のある標本A等を観察する際にも、標本Aの状態を変化させることなく、異なる観察位置や観察角度で自由に観察することができるという利点がある。
また、本実施形態に係る顕微鏡装置1は、ミラー20〜24によってレーザ光Lをリレーすることにより、光ファイバを用いることなく、顕微鏡本体4の位置を観察位置や角度に合わせて自由に変化させることができる。したがって、本実施形態のように、レーザ光Lとして超短パルスレーザ光を用いた場合においても、標本Aに照射されるまでの間において群速度分散によりパルス幅が伸びてしまうことを効果的に防止できる。したがって、群速度分散補償器のような大がかりな装置を用いる必要がなく、レーザ光源3を含めた装置全体をコンパクトに構成することができる。
また、群速度分散補償器を用いなくても、超短パルスレーザ光Lのパルスが鈍ることが防止されるので、標本Aにおける集光位置において効率的に多光子励起効果を発生させることができ、高い分解能の多光子蛍光画像を取得することができるという効果がある。
また、光ファイバによってレーザ光Lを伝達する場合には、光ファイバの揺れ等によっても標本Aに入射させるレーザ光の光量が変動するため、不安定であるが、本実施形態によれば、そのような不安定さを解消して、均一な光量のレーザ光Lを標本Aに照射することができるという利点がある。
また、光ファイバによってレーザ光Lを伝達する場合には、光ファイバの揺れ等によっても標本Aに入射させるレーザ光の光量が変動するため、不安定であるが、本実施形態によれば、そのような不安定さを解消して、均一な光量のレーザ光Lを標本Aに照射することができるという利点がある。
また、本実施形態に係る顕微鏡装置1によれば、レーザ光源3から出射されたレーザ光が、カバー25,第1のアーム16および第2のアーム17内を通して移動ユニット2内に導かれるので、レーザ光Lを外部に対して遮蔽する特別の部材を設ける必要がなく、構造を簡易にすることができる。
なお、本発明に係る顕微鏡装置1は、本実施形態のように、多光子励起観察に最も適しているが、これに限定されるものではなく、一光子励起型の蛍光観察装置に適用することにしてもよい。この場合に、顕微鏡本体4に設けた光検出器14に代えて、レーザ光源3と第1のアーム16との間の固定光路にダイクロイックミラーを配置して、蛍光Fを分離することとしてもよい。このようにすることで、顕微鏡本体4をさらに軽量・コンパクトに構成し、取り回し性を改善することができる。
また、本実施形態においては、偏向部材としてレーザ光を反射するミラーを採用したが、これに代えて、プリズム等他の任意の偏向部材を採用することにしてもよい。
また、上述したように、本実施形態に係る顕微鏡装置1においては、レーザ光源3から移動ユニット2までの間、カバー25,第1のアーム16および第2のアーム17内を通してレーザ光Lを導いたが、これに代えて、図3および図4に示されるように、アームの外部を通過させるように導くこととしてもよい。図中符号26は第2のアーム17から外部に突出して第2のミラー21を支持する支持部、符号27は第1のスライダ18から外部に突出して第4のミラー23を支持する支持部、符号28は第2のスライダ19に固定された顕微鏡本体4から外部に突出して第5のミラー24を支持する支持部である。
この場合には、レーザ光源3から出射されたレーザ光は外部の光路を通過することとなるため、顕微鏡装置1全体を遮光するか、図3に鎖線Cで示す位置に、伸縮可能なジャバラ状の遮光部材を設けることとすればよい。
このようにすることで、図1の顕微鏡装置1と比較して、第3のミラー22およびミラー11を省略することが可能となり、さらに簡略に構成することが可能となる。
このようにすることで、図1の顕微鏡装置1と比較して、第3のミラー22およびミラー11を省略することが可能となり、さらに簡略に構成することが可能となる。
A 標本
1 顕微鏡装置
2 移動ユニット
3 レーザ光源
4 顕微鏡本体
7 対物レンズ
18 第1のスライダ(第1の可動部材:可動部材)
19 第2のスライダ(第2の可動部材:可動部材)
22 第3のミラー(偏向部材:第1の偏向部材)
23 第4のミラー(偏向部材:第1の偏向部材)
24 第5のミラー(偏向部材:第2の偏向部材)
1 顕微鏡装置
2 移動ユニット
3 レーザ光源
4 顕微鏡本体
7 対物レンズ
18 第1のスライダ(第1の可動部材:可動部材)
19 第2のスライダ(第2の可動部材:可動部材)
22 第3のミラー(偏向部材:第1の偏向部材)
23 第4のミラー(偏向部材:第1の偏向部材)
24 第5のミラー(偏向部材:第2の偏向部材)
Claims (3)
- レーザ光を出射するレーザ光源と、
対物レンズを下向きに備え、前記レーザ光源から発せられたレーザ光を標本に照射し、標本から発せられる光を検出する顕微鏡本体と、
該顕微鏡本体を吊り下げた状態に支持し、標本に対して顕微鏡本体を移動させる移動ユニットとを備え、
該移動ユニットが、レーザ光源から導かれてきたレーザ光の光軸に沿い、かつ、対物レンズの光軸に交差する方向に沿って、顕微鏡本体を標本に対して移動させる可動部材と、該可動部材に固定され、前記レーザ光を偏向させて前記顕微鏡本体に入射させる偏向部材とを備える顕微鏡装置。 - 前記対物レンズの光軸に直交する第1の方向に移動可能に設けられる第1の可動部材と、該第1の可動部材に対して前記対物レンズの光軸および前記第1の方向に直交する第2の方向に移動可能に設けられ、顕微鏡本体を固定する第2の可動部材とを備え、
前記偏向部材が、前記第1の可動部材に固定され第2の方向に向けてレーザ光を偏向させる第1の偏向部材と、第2の可動部材に固定され第2の方向に沿って入射されるレーザ光を偏向させる第2の偏向部材とを備え、
前記レーザ光源からのレーザ光が前記第1の方向に沿って第1の偏向部材に入射される請求項1に記載の顕微鏡装置。 - 前記第1の可動部材を移動可能に取り付けるとともに、前記対物レンズの光軸方向に移動させる第3の可動部材を備え、
該第3の可動部材に、第1の方向に向けてレーザ光を偏向させる第3の偏向部材が固定されている請求項2に記載の顕微鏡装置。
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Cited By (2)
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JP2008262031A (ja) * | 2007-04-12 | 2008-10-30 | Olympus Corp | 蛍光顕微鏡装置 |
JP2014224856A (ja) * | 2013-05-15 | 2014-12-04 | オリンパス株式会社 | レーザ走査型顕微鏡 |
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2005
- 2005-08-24 JP JP2005242360A patent/JP2007057765A/ja not_active Withdrawn
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