JP2007057435A - トナー電荷測定装置、現像装置および画像形成装置 - Google Patents

トナー電荷測定装置、現像装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 トナー電荷測定器において、画像形成装置の現像器に隣接あるいは内蔵できる小型の帯電量測定器を提供することを目的とする。
【解決手段】 互いに平行に配置され四重極棒状電極と、四重極の径方向に電場を発生させる交直重畳電源と、四重極を囲むチャンバと、棒状電極間に、帯電したトナーを導入するチャンバのトナー導入手段と、棒状電極間を軸方向に沿って通過したトナー粒子を排出するチャンバに設けたトナー排出手段と、前記棒状電極間を軸方向に通過できなかったトナー粒子排出用のチャンバ側壁に設けられた非通過トナー排出手段と、軸方向に沿って通過したトナー排出手段から出てきた帯電トナー粒子を捕捉する四重極の軸上のトナー排出手段の下流に配置されたファラデーカップと、当該ファラデーカップに蓄えられた電荷を定量するエレクトロメータとで構成されたことを特徴とするトナー電荷測定装置を主たる構成にする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置等に使用されるトナーのトナー電荷測定装置に関し、より詳しくは、静電潜像画像可視化の現像工程で使われるトナーの帯電量対質量比を測定する四重極を使用したトナー電荷測定装置、現像装置および画像形成装置に関する。
電子写真方式において高品質な画像を得る上で、トナーに一定の帯電特性を常に持たせることは、極めて重要である。しかし、定められた帯電特性を安定に持つトナーを得ることは大変に難しい。
現在、トナーは、二成分トナーと一成分トナーとの二種類に大別される。
二成分トナーは、熱可塑性樹脂に着色剤を混合分散後に微粉化したものなどでできたトナーと、微粉末状のガラスビーズや鉄粉などでできたキャリアとからなる混合物である。
この混合粉体を攪拌し、相互を摩擦することにより、トナー粒子が、静電像電荷と逆極性の電荷を受け取る。この場合、トナーとキャリア間の相互摩擦が長期に渡ると、キャリア表面がトナーの組成物により汚染され、十分な電荷を獲得できなくなる、あるいは、長期間の使用中に、トナーとキャリアの混合比が変動し、トナーの帯電特性も変化するという問題が生じていた。
一方、一成分トナーは、二成分トナーのようにキャリアを含まず、トナーのみからなる粉体である。そして、このトナーを、トナー担体表面に均一に薄く塗布し、弾性ブレードでトナー担体表面を摩擦することより、トナー粒子が、静電像電荷と逆極性の電荷を受け取るものである(図13参照)。
この場合には、空気が乾燥しすぎていると帯電量が過剰に、また、逆に湿りすぎていると帯電量が不十分となるといった、別の課題が生じていた。
このように、トナー自身が劣化する、あるいは、帯電機構が湿度変動を受けるため、静電潜像の現像に最適な帯電したトナーを、常に安定して得ることは難しかった。
また、一成分および二成分の両種のトナーには、帯電極性や帯電量を決める電荷制御剤、あるいは、トナー同士が固着し凝集することを防ぐ流動性付与剤等の添加剤が、トナー粒子表面に付着させられている。これらのうち、未付着なものが凝固し、トナー粒子の帯電を不安定化させる弊害も生じていた。
従来から、トナー粒子の帯電量を安定化させるために、トナー粒子や添加剤の改良が続けられている。また、静電潜像を現像後、画像濃度をセンサで確認し、トナーの帯電条件を制御して、トナーの帯電量を一定にする方法も提案されている。
トナーの帯電条件を適正に制御するには、トナー帯電量を正確に知ることが必要である。主な測定方法としては、以下の三方法が知られている。
・ブローオフ法
・E−SPART法
・微分型静電分球法
ブローオフ法は、二成分トナーの帯電量を測定するもので、トナーをキャリアから吹き飛ばして分離することにより、分離前のトナーとキャリアの電気的中性条件からズレた電荷を検出する。
また、E−SPART(Electrical Single Particle Aerodynamic Relaxation Time)は、電界中で音波により振動する帯電粒子をレーザドップラ振動計で観測し、電極への水平方向速度から粒子帯電量を、空気振動による粒子の水平方向速度の遅れから粒径を、各々求める方法である(図14参照)(例えば、特許文献1参照)。
さらに、微分型電気移動度測定器としては、例えば、理化学研究所から複数の出願がある(例えば、特許文献2、3、4参照)。
DMA(Differential Electro-Mobility Analyzer)は、ステンレス製の二重円筒電極と、ファラデーカップエレクトロメータとで構成されている。直流の高電界を印加された二重円筒の隙間に、外筒に設けられたスリットから、シースガスと共に帯電した微粒子を流すことにより、粒子の持つ電気移動度を測定する。間隙で、帯電粒子とシースガスとの間の相互作用により、外筒電極に到達するまでの距離が決まる。
特許第2686358号公報 特許第3466416号公報 特開平11−264790号公報 特開2000−46720号公報
しかしながら、これらの方法では、電子写真方式で画像を形成する複写機、プリンタ等の動作中に、トナー粒子の帯電状態を、リアルタイムで正確に知ることが困難であった。ブローオフ法は、元々、その場での測定のために開発された方式ではない。E−SPART法は、レーザ光/スピーカ/レーザドップラ振動計を必要とするので、装置が複雑で大型である。また、微分型静電分級法も、剛性を要する機構部分が多く、小型化には適していない。
そのため、従来のトナー粒子の帯電量の測定は、トナー粒子を現像装置内から採取し、上記の測定装置に運んで行われていた。つまり、現像装置内に存在する実際のトナーの帯電状態を知ることはできなかったという問題もある。
本発明は、上述した実情を考慮してなされたもので、現像装置に、隣接あるいは内蔵可能な小型のトナー電荷測定装置、現像装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、空間を隔てて互いに平行に配置され、四重極を構成する棒状電極と、前記四重極の径方向に電場を発生させる直流と交流を重畳した電源と、前記四重極を囲むチャンバと、前記チャンバに設けられ、それぞれの前記棒状電極間に現像装置内の帯電したトナーを導入するトナー導入手段と、それぞれの前記棒状電極間を軸方向に沿って通過したトナー粒子を排出するトナー排出手段と、前記チャンバの側壁に設けられ、それぞれの前記棒状電極間を軸方向に沿って通過できなかったトナー粒子を排出する非通過トナー排出手段と、前記四重極の軸上において前記トナー排出手段の下流に配置され、前記軸方向に沿って通過して前記トナー排出手段から排出された前記トナー粒子を捕捉するファラデーカップと、前記ファラデーカップに蓄えられた電荷を測定するエレクトロメータとを有することを有するトナー電荷測定装置であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のトナー電荷測定装置において、前記チャンバの側壁に設けられ、前記トナー導入手段と前記トナー排出手段との間に外部からの空気を導入する空気導入手段をさらに有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のトナー電荷測定装置において、前記非通過トナー排出手段は、前記四重極の軸方向の下端より下流側における前記チャンバの側壁に配置されたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1または3に記載のトナー電荷測定装置において、前記四重極の外側に設けられ、前記トナー粒子を前記四重極の軸方向の下流側に移動させる並進用電極をさらに有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のトナー電荷測定装置において、前記四重極を構成する電極を絶縁基板上に複数個設け、前記絶縁基板と対向する位置に設置して、前記チャンバを少なくとも1つ構成することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のトナー電荷測定装置において、複数の前記絶縁基板を対向する位置に設置して、前記電極に囲まれて形成された複数の前記チャンバを有することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載のトナー電荷測定装置において、互いに独立した複数の前記四重極が設置されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項5または6に記載のトナー電荷測定装置において、前記絶縁基板上に形成された前記電極は、シリコン単結晶であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項4に記載のトナー電荷測定装置において、前記並進用電極を、前記絶縁基板上に形成したことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載のトナー電荷測定装置において、前記現像装置の前段に設けられ、前記ファラデーカップに捕捉された前記トナー粒子と、前記除外トナー排出手段から排出された前記トナー粒子とを回収するトナー回収手段をさらに有することを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載のトナー電荷測定装置において、前記トナー回収手段にて回収された前記トナー粒子を再利用することを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1に記載のトナー電荷測定装置において、前記四重極の軸方向を、水平方向と鉛直方向との間での傾斜角度に固定したことを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項1から12のいずれか1項に記載のトナー電荷測定装置を備えた現像装置であることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の現像装置を備えた画像形成装置であることを特徴とする。
このように、本発明のトナー電荷測定装置、現像装置および画像形成装置によれば、空間を隔てて互いに平行に配置され、四重極を構成する棒状電極と、前記四重極の径方向に電場を発生させる直流と交流を重畳した電源と、前記四重極を囲むチャンバと、前記チャンバに設けられ、それぞれの前記棒状電極間に現像装置内の帯電したトナーを導入するトナー導入手段と、それぞれの前記棒状電極間を軸方向に沿って通過したトナー粒子を排出するトナー排出手段と、前記チャンバの側壁に設けられ、それぞれの前記棒状電極間を軸方向に沿って通過できなかったトナー粒子を排出する非通過トナー排出手段と、前記四重極の軸上において前記トナー排出手段の下流に配置され、前記軸方向に沿って通過して前記トナー排出手段から排出された前記トナー粒子を捕捉するファラデーカップと、前記ファラデーカップに蓄えられた電荷を測定するエレクトロメータとを有するので、構造が単純でかつ堅牢である上、小型化も容易であり、さらに現像装置に組み込むことができるので、電子写真の作像プロセス中におけるトナーの帯電状態をリアルタイムで検出することが可能となる。
特に四重極は、従来のブローオフ法/E−SPART法/微分型静電分球法と較べても、遜色のない高い分解能と検出感度を有している。
以下、図面を参照して、本発明のトナー電荷測定装置を実施形態により詳細に説明する。
本発明の現像装置では、四重極質量分析法に基づき、特定の電荷量と質量の比を持つ荷電粒子を分離する、四重極レールが内蔵されている。
最初に、本発明のトナー電荷測定装置に使用される四重極型質量分析計(quadrapole mass spectrometer)について、説明する。
図15および図16に、四重極型質量分析計の原理図を示す。質量分析のフィルタを構成するのは、四本の円柱状電極で、相対する電極を電気的に連結し、各ペアに±(U+V cosωt)なる直流と高周波交流を重畳した電圧を印加し、四重極内部に電場を作る。
ここで、Uは直流電圧であり、Vは交流電圧の最大値である。四重極1の一端にイオン源41を置き、他端にイオンを検出する電子倍増管42を置く。イオン源41を通過した中性分子は、分子イオンとなり、イオンレンズ43で弱く加速された後、四重極部に入る。四本の円柱状電極によって囲まれた軸方向に伸びる分離空間の中に導かれた分子イオンは、U、V、ωに応じて、ある特定のm/z(質量対電荷比)を持ったイオンのみ振幅が大きくならず、四重極1の軸方向に対して安定な振動をして、イオン検出器に到達する。他のイオンは、振幅が大きくなり電極表面に衝突するか電極の隙間から四重極の外に除外されてしまうので、検出器には達しない。
通常、四重極質量分析計では、ωを固定し、U/Vを一定にして高周波電圧Vを変化させることにより、質量スキャンが行われる。直流電圧Uをゼロにすると、十分に低い交流電圧により、すべてのイオンが安定した振動を示す。この場合、Vが、検出できる質量のカットオフ値を決定する。
このように、四重極の径方向の電界が分子イオンに振動を起こさせ、特定の質量対電荷比を持った荷電粒子のみが、四つの円柱状電極によって囲まれた分離空間内で安定な振動をする。そして、不安定な振動をするイオン種は、四重極の外に飛び出すか、電極に衝突してしまう。
一方、軸方向の電界は、径方向の電界とは完全に独立しており、その値はゼロである。そのため、イオン種の四重極軸方向の運動は不安定であった。その課題を解決する方法として、四重極を構成する円柱状電極表面に、らせん状の抵抗皮膜を形成し、その両端に電位勾配を持たせることにより、軸方向のイオンの動きを制御しようという発明が知られている(特開2001−283769号公報参照)。
また、減圧雰囲気(10〜30Torr)で四重極を質量分析計に応用した例としては、核融合用D−Tペレットインジェクターという発明が知られている(特開昭61−006357号公報参照)。
本発明では四重極質量分析計の原理を用いているが、四重極質量分析計は、大気圧下で使用する点である。質量分析計においては、分子イオンを安定に振動させる必要があるため、四重極質量分析器は真空中に置かれる。つまり、平均自由行程を大きくして、振動するイオンが他のイオン種や中性種と衝突しない環境に置く必要があった。それに対して、本発明で使用される四重極は、対象とするイオンが、トナーという巨大荷電粒子であるため、真空を必要としないことにある。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、図1に、現像装置に組み込まれたトナー測定装置の一例を示す。
図1に示すように現像装置は、一成分トナー51を、トナー担体52と金属製ブレード53との摩擦により帯電させている。摩擦帯電部で電荷を与えられたトナー粒子は、トナー担体表面近傍に置かれたトナー測定装置54のトナー導入口55から、分離機能を担う四重極へと導かれる。
[第1実施形態]
図2および図3に、本発明のトナー測定装置の第1の実施形態に係る構造の一例を示す。
図2に示すように、四重極1は、互いに並行に配置された四本の円柱状の金属電極で構成され、図3に示すように、全体を円筒状のチャンバ2に包み込むようにして収められている。そして、それら四本の棒状電極に、直流と高周波の交流を重畳させた電圧を印加するための電源も用意されている。また、四重極1は大気圧下の空気中で動作するため、帯電粒子の検出器には、真空中でしか動作しない電子倍増管に代えて、大気圧下でも使えるファラデーカップが採用されている。
四重極軸上の端にあるトナー導入口3(図2の左端)から(図2の右側に向かって)四重極1の分離空間に導入された帯電トナー粒子は、四重極の作り出す径方向の電場(図3の分離空間14の中心を中心としてその径方向)によって、四重極軸方向に垂直な方向に対して振動を始める。
そして、電荷量対質量比が特定の値である帯電トナー粒子4だけが、この分離空間内で振動を抑えられ、四重極1の他端(トナー排出口)まで到達する。一方、この条件から外れた帯電トナー粒子は、電場によって誘起された振動の振幅が次第に大きくなり、やがて分離空間から飛び出してしまう。四重極の外に漏れ出した帯電トナー粒子は、除外トナー排出口5から空気と共に排出される。
除外トナー排出口5を設けることにより、四重極1で除外された帯電トナー粒子をチャンバ2内に溜め込むことがないので、帯電したトナー粒子が四重極の電極表面に付着するのを防ぐことができる。同時に、トナー導入口3や空気導入口7からチャンバ内に入った空気を円滑に排気するので、四重極1内部およびチャンバ2内の空気の流れを一定の状態に保つことができる。その結果、測定装置の性能が、使用時間とともに低下する現象を防ぐことができる。
測定装置に導入された帯電トナー粒子を回収し、現像用のトナー粒子として再利用するので、トナーを捨てることなく、最後まで使い切ることができる。
なお、四重極質量分析計の原理のところでも説明したように、四重極軸方向には電場が働かないので、帯電粒子の軸方向の速度は不安定である。そのため、粒子の軸方向速度が遅くなり、検出器であるファラデーカップ9に到達しない、あるいは到着するまでに時間を要する場合が、しばしば生ずる。そこで、この例では、導入した粒子を速やかに軸方向の下流側へ運ぶため、上流側に空気導入口7を設けている。
図4および図5に、絶縁基板11上に作製された電極12で構成された四重極と、その作製方法を示す。
シリコン単結晶(100)面方向21のウエハを用意し、両面にレジストで電極パターン22を形成後、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒロドキシド)エッチャントでウエットエッチングを行った。シリコンの結晶面によってエッチング速度が異なるため、(100)面の場合には、図5に示したようなテーパー形状を持ったシリコン電極が出来上がる。そして、このシリコン電極を、パイレックス(登録商標)ガラス23に陽極接合法によって貼り付ける。シリコン電極が貼付けられた二枚のガラス基板を、スペーサ13を介してセルを組み立てれば、四重極が完成する。
イオンを分別する分離空間14は、ガラス基板上の四本の棒状シリコン電極で囲まれた領域である。電場によって揺動された荷電粒子のうち、四重極の径方向の振幅が小さく抑えられた粒子は、分離空間から外へ飛び出すことなく、四重極の末端に達することができる。
四重極を、半導体プロセスに従ってシリコンウエハとガラス基板を用いて作製するので、円柱状電極で構成されていた四重極と較べて、大幅に小型化が可能となる。また、電極の加工精度も非常に高いので、同等、もしくはそれ以上の性能を持った四重極を実現することができる。
[第2実施形態]
図6および図7に、本発明のトナー測定装置の第2の実施形態の構成例を示す。本実施形態のトナー測定装置では、並進用電極31が設けられた例を示す。
本実施形態では、径方向の電場だけではなく、軸方向にも電場を有するように、並進用電極31を設けている。
四重極1に並進用電極31を付加することにより、四重極軸方向の荷電粒子の運動を制御することができる。その結果、四重極1で分離された特定の電荷量対質量比を持つ帯電トナー粒子が、速やかに検出器であるファラデーカップ9に到達するので、測定装置の応答速度、および測定感度が向上する。
基本的には図2および図3に示した、円柱柱電極で構成された四重極と同じ構造を持つが、さらに本実施形態では帯電トナー粒子を、電界によって四重極軸方向に強制的に送り出すための加速電極31を持つことである。この並進電極の作用は、粉体の静電搬送法と同じ原理を用いている(詳しくは、特許第3569553号公報等を参照)。
リング状の並進用電極31は、四重極1を囲むように、四重極軸方向に並べられている。並進用電極31には、複相の交流電圧あるいはパルス電圧が印加され、静電的な引力と反発力とにより、トナー導入口3から入った帯電トナー粒子は、上流側から下流側に向けて移動させられる。移動速度は、並進用電極31に印加する複相電圧の周期を変えることにより、最適な値に維持される。
図8および図9は、絶縁基板32上の棒状電極で構成されたトナー測定装置に並進用電極31が設けられた例を示している。
並進電極は、パイレックス(登録商標)ガラス基板上にパターニングした金属薄膜である。棒状のシリコン電極との絶縁は、金属薄膜の並進電極の上に成膜した絶縁膜33により保たれる。
平坦な絶縁基板上に作製した棒状の電極で四重極を構成するので、円柱状電極を組み合わせた四重極と較べて、実施形態1と同様に、大幅に小型化が可能となる。
さらに、並進用電極を絶縁基板に埋め込むことにより、更なる小型化が可能となる。
図10は、四重極1の内側の分離空間が、複数の空間で構成されたトナー測定装置の断面構造である。
この例では、ガラス基板上の棒状シリコン電極12が四重極を構成している。図4と異なるのは、棒状シリコン電極12の数が四本より多いことである。電極の本数は、2(n+1)本、n=1,2,4・・・である。但し、互いに対角線上に位置する電極が対を成す点は、図4の場合と同じである。こうして、粒子の弁別機能は同じでありながら、荷電粒子のフィルタとなる分離空間をn倍に拡張することができる。また、ファラデーカップを共通に使うことも可能である。
四重極の電極に囲まれた分離空間を、並列に拡張することができるので、測定装置の検出感度やSN比を向上させることができる。さらに、複数の電荷量対質量比を設定することにより、同時に複数種類の帯電トナー粒子を分別することができる。
図11に、複数の四重極で構成されるトナー分離装置の断面図を示す。
図11に示すように、ガラス基板上の棒状シリコン電極で四重極1−1、1−2、1−3、・・・、を構成している。図11は、図4で示したトナー分離装置を複数個並べた構造をしている。各四重極には、独立した電源8−1、8−2、8−3と独立したファラデーカップが設けられている。
共通のトナー導入口3から導かれた帯電トナー粒子は、各四重極で分別され検出される。
図12に、並進用電極を設けていない四重極を組み込んだトナー測定装置を安定に動作させるための設置方法を示す。
並進用電極のない四重極において、導入された帯電トナー粒子の四重極軸方向の動きは不安定である。空気の定常流を四重極内に保てれば、トナーを上流(紙面左側)から下流(紙面右側)へと、比較的安定に移動させることができる。
また本発明では、四重極自身を傾けることにより、帯電した粒子を、ファラデーカップに向けて動かすことができるようにすることもできる。四重極は、垂直方向に立ててもかまわない。
このような測定装置の構成を採用すると、構成要素を減らしながら、測定装置としての性能は維持できるので、装置の製造に費やすコストを下げることができる。
本発明の現像装置に組み込まれたトナー測定装置の設置を示す断面図である。 本発明のトナー測定装置の構造におけるトナー進行方向断面図である。 本発明のトナー測定装置におけるトナー進行垂直方向断面図である。 本発明の絶縁基板上に作製された四重極を使用したトナー測定装置の垂直方向断面図である。 本発明の絶縁基板上に四重極を設置する作製方法の説明図である。 本発明の並進用電極を設置したトナー測定装置のトナー進行方向断面図である。 本発明の並進用電極を設置したトナー測定装置のトナー進行垂直方向断面図である。 本発明の絶縁基板上に棒状電極を構成したトナー測定装置のトナー進行垂直方向断面図である。 本発明の絶縁基板上に棒状電極を構成した測定装置に並進用電極を設置した例の平面図である。 本発明の絶縁基板上に棒状電極を構成した他の例の断面図である。 本発明の絶縁基板上に棒状電極で独立四重極を構成した例を示す測定装置の断面図である。 本発明の測定装置の四重極を下向きに傾斜した例の斜視図である。 一般の一成分トナー現像を示す断面図である。 市販のE−START帯電粒子測定装置の斜視図である。 四重極型質量分析径の原理を示す斜視図である。 四重極型質量分析径の原理を示す垂直断面図である。
符号の説明
1、1−1、1−2、1−3 四重極
2 チャンバ
3 トナー導入口
4 通過したトナー粒子
5 除外トナー排出口
6 トナー粒子
7 空気導入口
8、8−1、8−2、8−3 四重極用電源
9 ファラデーカップ
11,32 絶縁基板
12 電極
13 スぺーサ
14 分離空間
21 単結晶Siウエハ(100)面
22 レジストパターン
23 パイレックス(登録商標)ガラス
31 並進用電極
33 絶縁膜
41 イオン源
42 電子倍増管
43 イオンレンズ
51 トナー
52 トナー測定装置

Claims (14)

  1. 空間を隔てて互いに平行に配置され、四重極を構成する棒状電極と、
    前記四重極の径方向に電場を発生させる直流と交流を重畳した電源と、
    前記四重極を囲むチャンバと、
    前記チャンバに設けられ、それぞれの前記棒状電極間に現像装置内の帯電したトナーを導入するトナー導入手段と、それぞれの前記棒状電極間を軸方向に沿って通過したトナー粒子を排出するトナー排出手段と、
    前記チャンバの側壁に設けられ、それぞれの前記棒状電極間を軸方向に沿って通過できなかったトナー粒子を排出する非通過トナー排出手段と、
    前記四重極の軸上において前記トナー排出手段の下流に配置され、前記軸方向に沿って通過して前記トナー排出手段から排出された前記トナー粒子を捕捉するファラデーカップと、
    前記ファラデーカップに蓄えられた電荷を測定するエレクトロメータとを有することを特徴とするトナー電荷測定装置。
  2. 前記チャンバの側壁に設けられ、前記トナー導入手段と前記トナー排出手段との間に外部からの空気を導入する空気導入手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のトナー電荷測定装置。
  3. 前記非通過トナー排出手段は、
    前記四重極の軸方向の下端より下流側における前記チャンバの側壁に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のトナー電荷測定装置。
  4. 前記四重極の外側に設けられ、前記トナー粒子を前記四重極の軸方向の下流側に移動させる並進用電極をさらに有することを特徴とする請求項1または3に記載のトナー電荷測定装置。
  5. 前記四重極を構成する電極を絶縁基板上に複数個設け、
    前記絶縁基板と対向する位置に設置して、前記チャンバを少なくとも1つ構成することを特徴とする請求項1に記載のトナー電荷測定装置。
  6. 複数の前記絶縁基板を対向する位置に設置して、前記電極に囲まれて形成された複数の前記チャンバを有することを特徴とする請求項5に記載のトナー電荷測定装置。
  7. 互いに独立した複数の前記四重極が設置されていることを特徴とする請求項1に記載のトナー電荷測定装置。
  8. 前記絶縁基板上に形成された前記電極は、シリコン単結晶であることを特徴とする請求項5または6に記載のトナー電荷測定装置。
  9. 前記並進用電極を、前記絶縁基板上に形成したことを特徴とする請求項4に記載のトナー電荷測定装置。
  10. 前記現像装置の前段に設けられ、
    前記ファラデーカップに捕捉された前記トナー粒子と、前記除外トナー排出手段から排出された前記トナー粒子とを回収するトナー回収手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のトナー電荷測定装置。
  11. 前記トナー回収手段にて回収された前記トナー粒子を再利用することを特徴とする請求項10に記載のトナー電荷測定装置。
  12. 前記四重極の軸方向を、水平方向と鉛直方向との間での傾斜角度に固定したことを特徴とする請求項1に記載のトナー電荷測定装置。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載のトナー電荷測定装置を備えた現像装置。
  14. 請求項13に記載の現像装置を備えた画像形成装置。
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