JP6157621B2 - イオン移動度分離装置 - Google Patents

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Description

本発明は、イオン移動度分離装置に関する。
イオン移動度によりイオンを分離検出するイオン移動度分離装置は、真空ポンプを必要とせず大気圧下でも動作可能な特性から、環境分析、爆発物探知、違法薬物検知、化学剤探知などのオンサイト測定装置として広く活用されている。イオン移動度分離装置において、イオン源で生成したイオンを高精度に分離した後、高感度、高スループットに検出する技術は、アプリケーションの更なる拡大や誤検知の低減のために、重要な課題である。
特許文献1には、飛行時間型イオン移動度分離装置が記載されている。イオン源で生成したイオンを、あるタイミングで加速し、検出器への到達時間の違いにより、イオンを分離する方法が記載されている。イオン種によりイオン移動度が異なる特性を利用してイオンを分離することが可能であり、これにより化学物質の同定および定量を行うことができる。
非特許文献1には、非対称電界印加型イオン移動度分離装置が記載されている。この方法は、イオンに20kV/cm以上の高電界を印加した際に起こるイオン移動度の変化を利用してイオンを分離する。高電界を印加した際に起こるイオン移動度の変化はイオン種により異なる。このため、分離電極間に非対称な高周波電界を印加するとイオン種により特有な偏向を生じる。このため、分離電極間を電極に衝突せずに直進するために偏向を補償するための補償電界を電極間に印加する必要がある。この補償電界を特定の値に設定することで特定イオンのみを通過させ、検出することができる。また、補償電界をスキャンすることで網羅的なスペクトルを取得することが可能である。
特許文献2には、ガラスなどの平板絶縁体部材を用いて、非特許文献1に記載のイオン移動度分離装置を、小型化、高スループット化する方法が記載されている。平板絶縁体部材を用いることにより、製作が容易になる。また、本特許文献には、ガス流路、分離電極、および電流検出電極を並列に並べ、各々に別々のパラメータを与えることで、複数の異なる透過条件下でのイオンを同時にモニタし、高スループット化することも記載されている。また、イオン分離能を上げるために、イオン進行方向に電流検出電極を複数個、設置する方法についても記載されている。
特許文献3には、非対称電界印加型イオン移動度分離を行なった後、飛行時間型イオン移動度分離を行なう方法が記載されている。非対称電界印加型イオン移動度分離と飛行時間型イオン移動度分離では異なるイオン分離特性を有することから、イオン分離能を非対称電界印加型イオン移動度分離装置単体、および飛行時間型イオン移動度分離装置単体と比較して向上することが可能である。
米国特許第4,238,678号 米国特許第6,495,823号 米国特許公報第2010-0001182号
Int. J Mass Spectrometry, 1993, v128, 143-148
イオン移動度によりイオンを分離検出するイオン移動度検出器において、イオン源で生成したイオンを高感度、高精度、高スループットに分離検出する技術は重要である。特に、非対称電界印加型イオン移動度検出器では、イオン分離能を高めることとスループットを高めることとは相反するファクターであった。即ち、イオン分離能を高めるために、補償電界を細かく設定することは、測定条件のスキャン時間の増加を招き、スループットを低減する原因となっていた。
特許文献1では、非対称電界印加型イオン移動度検出器について記載されていない。
非特許文献1では、イオン分離能を高めるために、補償電圧を細かく設定すると、補償電圧のスキャン時間の増加を招き、スループットを低減する課題がある。
特許文献2では、分離電極、流路および検出器の並列化によるスループット向上の記載があるが、このような並列化を行うと、イオン源や分離電極のサイズが大きくなり、イオン源からこれらの分離電極に送られるイオン量は著しい不均一を生じる。このため、検出器の位置により感度が大幅に異なり、結果として測定精度が劣化するという課題があった。
特許文献3では、非対称電界印加型イオン移動度検出器について補償電圧を細かく設定すると、補償電圧のスキャン時間の増加を招き、スループットを低減するという特許文献1と同様の課題がある。
上記課題を解決するために、複数の検出電極を有する場合でも測定値の精度を高めるために、通常の信号読み取り時の信号強度に対し、分離電極間に印加する電位差をイオンの進行方向および非対称電界印加方向の各々に直交する方向の位置によらず一定とし、全透過条件の信号読み取りの信号強度を取得し、この信号強度で通常測定で得られた信号強度を補正する。
すなわち、イオン移動度分離装置であって、イオンを生成するイオン源と、イオン源で生成されたイオンの導入口と排出口とを有する一対の平板電極と、一対の平板電極の導入口から導入されたイオンを排出口に進行させるポンプと、一対の平板電極に対し、非対称時間変動電圧と直流電圧とを印加する電圧制御部と、ポンプによるイオンの進行方向と非対称時間変動電圧の印加方向の各々に直交する方向に配置された複数の検出器と、複数の検出器により検出された信号を処理する信号処理部と、を有し、電圧制御部は、ポンプによるイオンの進行方向と非対称時間変動電圧の印加方向の各々に直交する方向の少なくとも異なる2点において等しい電界を生成するように一対の平板電極に電圧を印加する全透過測定を行うことを特徴とする。
本発明により、非対称電界印加型イオン移動度分離装置において、高精度、高スループットの両立を実現する。
本方式の実施例1。 本方式の実施例1。 本方式の実施例1の説明図。 本方式の実施例1の説明図。 本方式の実施例1の効果の説明図。 本方式の実施例1の説明図。 本方式の実施例1の効果の説明図。 本方式の実施例2。 本方式の実施例2の効果の説明図。 本方式の実施例3。
図1は、本方式を適用したイオン移動度分離装置の構成図である。大気圧化学イオン源、大気圧光励起イオン源、エレクトロスプレーイオン源、誘電体バリア放電イオン源、などの大気圧イオン源10で生成したイオン8は、ダイヤフラムポンプなどからなるポンプ11により生成したガス流101により、基板12と基板13とスペーサ20(手前側のスペーサは図示せず)に囲まれた空間に導入される。
基板12と基板13は、表面に各種の電極を配置する必要性から、ガラス、プラスティック、セラミックなどの絶縁体から構成されると製作が容易になる。基板12, 13には、分離電極1, 2が、貼りつけられていたり、薄膜電極としてコーティングされている。また、基板12と基板13との間隔dは通常50umから2mm程度に設定される。間隔dは、大きいほど後述する分離電圧および補償電圧として高い電圧値が必要になるデメリットがある。また、小さいほど、壁面付近での乱流、イオンの拡散、および分離電極間での分離電圧によるイオン運動などでイオンの透過率が低下するデメリットがある。
イオン8は、ガス流101より受ける力と分離電極1、2の間に形成される電源51、52、53による形成される非対称電場と補償電場との合成力により、進行方向105のように進行する。すなわちイオン8は、電場により基板12, 13に垂直な方向に動く力が働き、ガス流101によりポンプ11方向に動く力が働いている。イオンの分離電極1、2間の通過時間tは、数ms〜数100msであり、これは、ポンプでのガス流量F、分離電極間間隔d、分離電極間奥行きw、分離電極間進行方向長さlにより、t=F/dwlで決定される。通過時間が短いほど、透過率が高くなるメリットがあり、通過時間が長いほど高い分解能が得られるメリットがある。
分離電極1、2間を通過したイオンは、正イオンであれば、正イオン検出電極3に、負イオンであれば、負イオン用検出電極4に到達する。なお、イオンを効率的に検出電極に到達させるため、正イオン検出電極3と負イオン検出電極4との間には、数Vから数10Vの直流電圧を印加する。検出電極に到達したイオンは信号処理部56へと送られ、微弱電流アンプ54により増幅された後、リコーダ55に信号として記録される。また、図1に図示しないが、電極間を通過しなかったイオンは、基板12または、基板13に到達し電荷を消失するため信号として検出されない。また、図1では正イオンの信号処理部のみ記載しているが、負イオンの場合も負イオン用検出電極4に到達以降の信号処理過程は同様である。
図2を用いて、実施例1の補足説明を行う。図2は、図1を基板12と平行な面で切り出した基板12および基板13上の平面図である。イオン8は、ガス流101に沿ってイオン進行方向105のように進行する。スペーサ20の近くでは、ガスの流れが乱れるため、イオン分離部としてはスペーサ20近傍(2d程度)以外を使用することが望ましい。この場合には、検出電極3、4はスペーサ近辺を除いて設置することで検出電極と信号処理部の数を低減したり、分離電極を導電性の高い部分(2a、2c)と導電性の低い部分(2b)とに分割しておくことで、この部分に印加する電圧値を低く抑えたりする工夫が可能である。導電性の高い部分(2a、2c)は金属などで、導電性の低い部分(2b)は酸化金属薄膜や有機導電体などで製作することが可能である。導電性の低い部分(2b)は、両端抵抗が50Ωから、10kΩ程度とする。両端抵抗が大きいほど、周囲の電気ノイズの影響が大きくなったり、分離電圧が中央付近で歪んだりするデメリットがあり、両端抵抗を小さくすると、消費電力が多くなり、温度上昇による分離電極2の損傷が起こるリスクがある。
また、絶縁体にイオンが衝突することで、チャージアップが起こるとイオンの透過率が低減したり、イオン分離性能が低下したりする問題を生じる。このため、基板12、基板13において、イオン通過経路に近接する部分には電極14、電極15のように電極を設置することでチャージアップを防止することができる。
分離電極1と分離電極2との間には、電源51、52、53により、非対称電圧である分離電圧(SV)と補償電圧(CV)との合成電圧が印加される。図3に、印加される分離電圧の一例を示す。
分離電圧(SV)は、(数1)で示され、周波数1.5MHzと3MHzの正弦波の和となっている。
SV=VmainSin(2πft)+VsubSin(2π(2f)t+φ)(数1)
非対称電圧である分離電圧(SV)には、これ以外にも矩形波など様々なバリエーションがあるが、上記のように高周波とその倍波を用いることで、単一のコイルで数kVの非対称電圧を比較的、容易に生成することが可能である。
補償電圧(CV)は、x方向の位置(図2中参照)により異なり、2a、2cに印加する電圧を各々Va、Vc、導電性の低い部分2bの幅をsとすれば、(数2)で表される。
CV(x)=Va+(Vc-Va)x/s(数2)
ここで、2a、2cに印加する電圧ΔCV(=Vc-Va)とする。このように、ガス流によるイオンの進行方向および非対称電界印加方向の各々に直交する方向(x方向:図2参照)の位置により、補償電圧が異なることから、検出器をx方向に複数個、配置することで、同時に補償電圧の異なるスペクトル情報を得ることが可能である。
ここで、実際にイオン源10から生成するイオン量から検出器へ到るイオン量は、ガス流によるイオンの進行方向および非対称電界印加方向の各々に直交する方向の位置(x方向)の位置により異なる問題がある。このため、この不均一性を下記の方式により補正することが必要となる。
図4に本補正方式の典型的な測定シーケンスを示す。通常の信号読み取りに加え、その前、もしくは後(図示せず)に、全透過条件でのイオン量を計測する。図4において全透過条件とは、x方向の少なくとも異なる2点において一定の電界条件において測定した条件をいう。全透過条件の信号量をIT(n)、通常の信号読み取り時の信号強度I(n)とした場合に、補正後の透過率Fを、
F=I(n)/ IT(n)(数3)
で算出して、これを定量や定性などに用いる。全透過条件の信号量を測定するには、ΔCV電圧を実効的に0Vに設定して測定を行う必要がある。また、Vsub電圧振幅、Vmain電圧のいずれか一方を0Vに設定することで、イオン種によらず、すべてのイオンが偏向せずに平板電極の中心付近の軌道を追加することが出来る。図4はVsub電圧のみを0Vとして測定した場合を示しているが、Vsub又はVmainのどちらかに電圧がかかっていてもよいし、どちらも電圧がかかっていなくてもよい。これらの条件時には、x方向の位置に寄らずイオンは同一の透過条件となるため、イオン源から供給されるイオン量を比例した信号量が得られる。
また、通常の信号読み取りに対する、全透過条件の信号読み取りは毎回行っても良いし、イオン源の変動が小さければ、全透過条件の信号読み取り結果を複数の信号読み取り結果の補正に関して用いることも可能である。この場合には、毎回、全透過条件の信号読み取りを行うよりもトータルの測定時間を短時間化することが可能である。
図5は、本測定方式を、適用した際の効果を示した図(サンプルはReserpine分子イオン)である。図5(A)は全透過条件の信号強度IT(n)、図5(B)は通常の信号読み取り時の信号強度I(n)、図5(C)は補正後の透過率Fを示している。図5(B)は、通常の信号読み取り時の信号強度I(n)は4.8mmと11.2mm付近に2つのピークが見られるが、補正後には5.5mm付近に単一のピークとして観察される。従来のFAIMSの結果と、補正後の結果が良い一致を示しており、本測定方式により正確な測定が実現できることがわかった。
また、図6のように、測定条件の異なる複数の信号強度Im(n)に対して、透過率Fmを
Fm=Im(n)/ IT(n)(数4)
として算出することも可能である。また、複数の電圧条件で通常の信号読み取りを行う場合、各々に対して、全透過条件の信号読み取りを行っても良いし、図6のように単一の全透過条件の信号読み取り結果を複数の信号読み取り結果の補正に関して用いることも可能である。この場合には、各々の電圧条件に対して、全透過条件の信号読み取りを行ってもよく、トータルの測定時間を短時間化することが可能である。
図7は本方式の有用性を示した説明図である。SV=2.1kV,Va=-3V,Vc=3Vを印加したとき、正イオン検出電極3(約39channel)での検出例である。サンプルとしては、質量数も近く、分子構造ともに類似した2-(2-methoxyphenyl)-N-methylethanamine分子イオンと、3,4-Methylenedioxyphenethylamine分子イオンを測定した。CV=0.2V付近では、2-(2-methoxyphenyl)-N-methylethanamine分子イオンのみが強く検出されるのに対し、CV=1.1V付近では3,4-Methylenedioxyphenethylamine分子イオンのみが強く検出される。したがって、これら2種類のイオンを分離するために、十分な分離能があることが分かる。また、従来例では、補償電圧を-3Vから、3Vまで時間的にスキャンしたため、同様のデータを取得するには長時間を要していたが、本技術を用いることで、異なる補償電圧での透過特性データが同時に検出可能となり、10倍以上の高速化が可能となった。
図8は、本方式を適用した第2の実施例のイオン移動度分離装置の構成図である。イオン源からイオンが分離電極1、2の間を通過するまでは、実施例1と同様であるが、本実施例では分離電極1、2の間を通過した後に飛行時間型イオン移動度分離と組み合わせを行なった。メッシュ電極5、6電極間には数Hzから数100Hzの間隔で直流パルス電圧を印加する。これにより、分離電極1、2を通過した後のイオン9は正イオンであれば進行方向102に負イオンであれば進行方向103へと加速される。メッシュ電極5と検出電極3、およびメッシュ電極6と検出電極4には各々進行方向に平行な電場が形成される。平行電場の生成は、図示しないが平板電極や、導電性材料でコーティングした部材を用いることで実現可能である。平行電場の中では、イオン移動度が大きいイオンほど早く進行する。このため、飛行時間を計測することで、イオン移動度によるイオン種の分離を行なうことが可能である。また、本実施例では、x方向の位置により、補償電圧が異なる条件を設定できるので、イオンに対して補償電圧条件と飛行時間を同時に取得することが可能である。
図9に本方式の効果を説明する説明図を示す。サンプルとして、AからEの5種類のイオンを検出した例を示す。イオン種A〜Eから生じる信号を図中61〜65に示す。イオン種Aから生じる信号61はイオン種Bから生じる信号62とは、検出電極のx座標(補償電圧に対応)では分離できないが、飛行時間により、分離が可能である。一方、イオン種Cから生じる信号63はイオン種Bから生じる信号62とは、飛行時間情報では分離できないが、検出電極のx座標(補償電圧に対応)により、分離が可能である。このように、本実施例を用いることで、2次元の高い分離性能を短時間で測定することができる。
実施例2の場合でも、イオン源10から生成するイオン量から検出器へ到るイオン量はx方向の位置(図2中参照)により異なる課題は同様である。このため、この不均一性を実施例1の方式により補正することが、本実施例においても有効である。すなわち、通常の信号読み取り時の信号強度に対し、分割分離電極1、2間に印加する電位差をx方向の位置によらず一定とする全透過条件の信号読み取りの信号強度で補正することにより、正確な測定値を得ることが可能となる。
図10は、本方式を適用した第3の実施例のイオン移動度分離装置の構成図である。本実施例では、イオン分離部がスペーサ23による隔離された場合を示す。本実施例では、実施例1と異なり、分離電極21、22に各々独立の電圧を印加することが可能となる。このため、既知のSV、CVのみを測定する場合には、実施例1よりも短時間で測定を行うことが可能となる。また、実施例3の場合でも、イオン源10から生成するイオン量から検出器へ到るイオン量はx方向の位置により異なる課題は同様である。このため、この不均一性を実施例1の方式により補正することが、本実施例においても有効である。すなわち、通常の信号読み取り時の信号強度に対し、分割分離電極21、22間に印加する電位差をx方向の位置によらず一定とする全透過条件の信号読み取りの信号強度で補正することにより、正確な測定値を得ることが可能となる。この場合には、21a-22a, 21b-22b、・・・、21h-22h間の電位を等しく設定することで、全透過条件の信号読み取りを行うことができる。
また、イオン移動分離機構を大気圧に設置した例を記述したが、イオン移動度分離が可能とされる低真空から高圧下においても、本分離装置を設置することも可能である。
また、本実施例では、検出器として検知電流計と微弱電流アンプの組み合わせを例として記述したが、他の半導体検出器や電子増倍管などのイオン検出方式と組み合わせることは可能である。
また、全測定条件の信号強度を用いて、通常の信号読み取り時の積算時間を決定することも測定可能なダイナミックレンジの向上に有用である。例えば、検出器としてCCD検出器を用いた場合は、通常電極に蓄積できる電荷量に制限がある。このため、この範囲を超えないように、通常の信号読み取り時の積算時間を決定する。具体的には、全測定条件の信号強度IT(n)を十分短い時間(例えば1ms)積算する。通常の信号読み取り時信号強度I(n)は全測定条件の信号強度IT(n)よりも小さくなるため、IT(n)が、CCD検出器の許容電荷量を超えないように、通常の信号読み取り時信号強度を決定する。これにより、イオン量が大きいときには、積算時間を長く、イオン量が少ない時には積算時間を短く設定することができるので、測定可能なダイナミックレンジの向上が可能である。このような計測は、CCD検出器以外にも、CMOS型などの他のタイプの電流検出器にも有効である。
1…分離電極、2…分離電極、3…検出電極(正イオン用)、4…検出電極(負イオン用)、5…メッシュ電極、6…メッシュ電極、8…イオン、9…イオン、10…イオン源、11…ポンプ、12…基板、13…基板、14…電極、15…電極、20…スペーサ、21…分割分離電極、22…分割分離電極、23…スペーサ、50…制御部、51…電源、52…電源、53…電源、54…アンプ、55…データレコーダ、56…信号処理部、61…サンプルA由来の信号、62…サンプルB由来の信号、63…サンプルC由来の信号、64…サンプルD由来の信号、65…サンプルE由来の信号、101…ガスの流れ方向、102…イオンの進行方向、103…イオンの進行方向、105…イオンの進行方向。

Claims (11)

  1. イオンを生成するイオン源と、
    前記イオン源で生成されたイオンの導入口と排出口とを有する一対の平板電極と、
    前記一対の平板電極の前記導入口から導入されたイオンを前記排出口に進行させるポンプと、
    前記一対の平板電極に対し非対称時間変動電圧と直流電圧を印加する電圧制御部と、
    前記ポンプによるイオンの進行方向と前記非対称時間変動電圧の印加方向の各々に直交する方向に配置された複数の検出器と、
    前記複数の検出器により検出された信号を処理する信号処理部と、
    を有し、
    前記電圧制御部は、前記非対称時間変動電圧と前記直流電圧とを印加して同時に補償電圧の異なるスペクトル情報を得る信号読み取りの前又は後に、前記ポンプによるイオンの進行方向と前記非対称時間変動電圧の印加方向の各々に直交する方向の少なくとも異なる2点において、等しい電界を生成するように前記一対の平板電極に電圧を印加する全透過測定を行うことを特徴とするイオン移動度分離装置。
  2. 請求項1に記載のイオン移動度分離装置において、前記信号処理部は、前記全透過測定により得られた信号強度を、前記非対称時間変動電圧と前記直流電圧とを印加した際に得られた信号強度の補正に用いることを特徴とするイオン移動度分離装置。
  3. 請求項2に記載のイオン移動度分離装置において、前記信号処理部は、前記信号強度補正において、前記非対称時間変動電圧と前記直流電圧とを印加した際に得られた信号強度と前記全透過測定により得られた信号強度との比率を算出することを特徴とするイオン移動度分離装置。
  4. 請求項2に記載のイオン移動度分離装置において、前記全透過測定では、前記直流電圧により形成される電界を実効的にゼロとすることを特徴とするイオン移動度分離装置。
  5. 請求項1に記載のイオン移動度分離装置において、前記電圧制御部は、前記イオンの進行方向と前記非対称時間変動電圧の印加方向の各々に直交する方向の位置において異なる大きさの直流補償電界を印加することを有することを特徴とするイオン移動度分離装置。
  6. 請求項5に記載のイオン移動度分離装置において、前記一対の平板電極の導電性の低い部分に抵抗値が50Ωから10kΩの導電性抵抗被膜を用いることを特徴とするイオン移動度分離装置。
  7. 請求項1に記載のイオン移動度分離装置において、さらに前記一対の平板電極を通過したイオンを前記平板電極に対して直交方向に加速を行う直流パルス電圧印加手段を有し、前記信号処理部は、前記イオンが前記複数の検出器に至るまでの飛行時間を測定することを特徴とするイオン移動度分離装置。
  8. 請求項1に記載のイオン移動度分離装置において、前記平板電極が複数区画に分割され、前記電圧制御部は、各々の区画ごとに異なる非対称時間変動電圧と直流電圧とを印加することを有することを特徴とするイオン移動度分離装置。
  9. 請求項1に記載のイオン移動度分離装置において、前記検出器がCCD検出器であって、前記信号処理部は、全透過測定時の信号に基づいて、前記非対称時間変動電圧と前記直流電圧とを印加した際に得られる信号の積算時間を決定することを特徴とするイオン移動度分離装置。
  10. 請求項1に記載のイオン移動度分離装置において、
    前記全透過測定は、前記一対の平板電極に対し以下の式で表される分離電圧(SV)を印加し、
    下記係数VmainとVsubとのどちらかはゼロであることを特徴とするイオン移動度分離装置。
    Figure 0006157621
  11. 請求項1に記載のイオン移動度分離装置において、
    前記全透過測定は、前記直交する方向の任意の2点において同じ大きさの補償電圧を前記一対の平板電極に対して印加することを特徴とするイオン移動度分離装置。
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