JP2007056696A - シリンダブロックの冷却構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダブロックの温度状態に応じて要求される部位に冷却水を導くことが可能なスペーサの形状を得ることができるシリンダブロックの冷却構造を提供する。
【解決手段】温間時に体積が増大しかつ冷間時に体積が減少する蓄熱材Xと、この蓄熱材が充填され、その温度による体積変化に応じて形状が変化するスペーサ3とを備える。そして、サイアミーズシリンダバレル13の略全周囲を囲むウォータジャケット2内にスペーサを収容している。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリンダブロックのシリンダボアの周囲をウォータジャケットにより冷却するようにした冷却構造に関し、特に、シリンダボア壁の温度の均一化を図る対策に係わる。
一般に、シリンダブロックでは、シリンダボア壁の周囲に形成されたウォータジャケット内にエンジン冷却水を循環させて、燃焼室からの熱により加熱されたシリンダボア壁を冷却することが行われている。
しかし、シリンダボア壁の周方向では、エンジン冷却水の流通速度に差が生じたり、エンジン冷却水の流通方向の上流側と下流側とで冷却水温度に差が生じたりしているために、シリンダボア壁の温度を均一化させることができないものであった。
その場合、シリンダボア壁の温度分布を均一させることを目的として、シリンダブロック自体でウォータジャケットの形状を改良することも試みられるが、生産性、型寿命および強度などの観点から、量産化が非常に困難なものとなる。
そこで、従来、ウォータジャケット内の所望するスペースに、シリンダブロックとは別体で形成したスペーサを設置し、エンジン冷却水の流通速度および流れ方向に変化を持たせてシリンダボア壁の温度分布の均一化が図れるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3601417号公報
ところが、上記従来のものでは、ウォータジャケット内の所望するスペースに設けられたスペーサによってエンジン冷却水の流通速度および流れ方向に変化を持たせているため、シリンダブロックの温度状態如何に関わらずウォータジャケット内でのエンジン冷却水の流通速度および流れ方向がスペーサによって固定されたものとなる。そのため、シリンダブロックの温度状態に応じてウォータジャケット内のスペーサ設置部位にエンジン冷却水を導きたいという要求があっても、スペーサが邪魔となってエンジン冷却水を導くことができず、シリンダブロックの温度状態に応じて要求される部位にエンジン冷却水を導くことが可能なスペーサの形状を得ることができない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シリンダブロックの温度状態に応じて要求される部位にエンジン冷却水を導くことが可能なスペーサの形状を得ることができるシリンダブロックの冷却構造を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、シリンダブロックの冷却構造として、温度によって体積が変化するように作動する作動流体と、この作動流体が充填され、その温度による体積変化に応じて形状が変化する容器とを備える。そして、上記容器を、シリンダブロックのシリンダボアの周囲を冷却するウォータジャケット内に収容し、ウォータジャケットスペーサとして適用している。
この特定事項により、シリンダボア壁周囲のウォータジャケット内に収容した容器は、その容器内において温度により体積が変化する作動流体の体積変化に応じて形状が変化するウォータジャケットスペーサとして適用されているので、シリンダブロックの温度状態に応じて容器内の作動流体が体積変化すると、その作動流体の体積変化に応じてウォータジャケットスペーサの形状が変化し、これによって、ウォータジャケット内においてウォータジャケットスペーサが接触するシリンダボア壁の接触部位をシリンダブロックの温度状態に応じて変更させて、シリンダボア壁の接触部位に対するエンジン冷却水の遮断または流通が行え、シリンダブロックの温度状態に応じて要求されるウォータジャケットスペーサの形状を得ることが可能となる。
特に、作動流体の体積変化に応じて変化する容器の形状を特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
つまり、容器を、作動流体の体積が変化する際にウォータジャケット内におけるシリンダボア周方向への伸縮性が大きくなるように設定している。
この特定事項により、作動流体の体積が変化する際には容器のシリンダボア周方向への伸縮性が大きくなるので、作動流体の体積が減少して容器がシリンダボア周方向へ収縮した場合には、シリンダボア壁に対し容器としてのスペーサが接触、または近接量が小さくなってエンジン冷却水の流通量が減少し、エンジン始動時などシリンダブロックの冷間時にエンジン冷却水によるシリンダボア壁からの熱の吸収を小さくしてエンジンの暖機効率を向上させることが可能となる。一方、作動流体の体積が増大して容器がシリンダボア周方向へ伸長した場合には、シリンダボア壁に対し容器としてのスペーサの離間量が大きくなってエンジン冷却水の流通量が増大し、シリンダブロックの温間時にエンジン冷却水によるシリンダボア壁からの熱の吸収を大きくしてエンジンの冷却効率を向上させることが可能となる。
また、容器を、作動流体の体積が変化する際にウォータジャケット内におけるシリンダの軸線方向への伸縮性が小さくなるように設定している場合には、作動流体の体積が変化する際には容器のシリンダ軸線方向への伸縮性が小さくなるので、シリンダブロックの温度変化による影響を受けることなくシリンダボア壁のシリンダ軸線方向での冷却性能を確保することが可能となる。
特に、作動流体による容器の変形状態を特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
つまり、作動流体として、その体積が冷間時に減少する一方、温間時に増大するように変化する特性を有するものを適用するとともに、冷間時に体積が減少する作動流体の体積変化に応じてウォータジャケット内のシリンダボア壁に対し容器を接触させるようにしている一方、温間時に体積が増大する作動流体の体積変化に応じてウォータジャケット内のシリンダボア壁から容器を離間させるようにしている。
この特定事項により、作動流体の体積が減少する冷間時には容器がウォータジャケット内のシリンダボア壁に対し接触するので、シリンダボア壁に対するエンジン冷却水の断熱が行われ、シリンダブロックの冷間時の暖機効率を向上させることが可能となる。一方、作動流体の体積が増大する温間時には容器がシリンダボア壁から離間するので、シリンダボア壁に対するエンジン冷却水との熱交換が積極的に行われ、シリンダブロックの温間時の冷却効率を向上させることが可能となる。
特に、容器のウォータジャケット内での位置を特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
つまり、容器に、ウォータジャケット内におけるシリンダの軸線方向燃焼室側への位置決めを行う位置決め機構を設けている。
この特定事項により、容器は、ウォータジャケット内におけるシリンダの軸線方向燃焼室側への位置決めが行われているので、ウォータジャケット内の容器よりもシリンダの軸線方向燃焼室側にエンジン冷却水の流路が確保され、燃焼室からの熱をエンジン冷却水によって効率よく冷却して安定した冷却性能を得ることが可能となる。
特に、作動流体を特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
つまり、作動流体として、潜熱型の蓄熱材を適用している。
この特定事項により、蓄熱材の体積が減少する冷間時に容器をウォータジャケット内のシリンダボア壁に対し接触させて、シリンダボア壁に対するエンジン冷却水の断熱を断ちつつ蓄熱材からの放熱によって、シリンダブロックの冷間時の暖機効率を効果的に向上させることが可能となる。一方、蓄熱材の体積が増大する温間時に容器をシリンダボア壁から離間させて、シリンダボア壁に対するエンジン冷却水との熱交換を積極的に行って、シリンダブロックの温間時の冷却効率を効果的に向上させることが可能となる。
以上、要するに、シリンダボア壁周囲のウォータジャケット内に収容した容器を、その容器内において温度により体積変化する作動流体の体積変化に応じて形状変化するウォータジャケットスペーサとして適用することで、ウォータジャケット内においてウォータジャケットスペーサと接触するシリンダボア壁の接触部位をシリンダブロックの温度状態に応じて変更させて、シリンダボア壁の接触部位に対するエンジン冷却水の遮断または流通を行え、シリンダブロックの温度状態に応じて要求されるウォータジャケットスペーサの形状を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る冷却構造を備えた直列4気筒エンジンの各シリンダボア11,11,…及びその周辺部を示すシリンダブロック1の平面図であって、シリンダ列とウォータジャケット2の配置状態とを示している(シリンダブロック1の外縁形状については省略している)。ここでは、図1において左端に位置する気筒を第1番気筒♯1とし、その右側に位置する気筒を第2番気筒♯2、更に、その右側に位置する気筒を第3番気筒♯3、そして、右端に位置する気筒を第4番気筒♯4として説明する。また、図1における下側を吸気側とし、上側を排気側として説明する。なお、気筒番号や吸排気の形態はこれに限るものではない。
本実施形態に係る直列4気筒エンジンのシリンダブロック1は、アルミニウム合金製であって、直列状態で配置された4個のシリンダバレル12,12,…が一体成形されて成るサイアミーズシリンダバレル13を備えている。そして、図2に示すように、各シリンダバレル12,12,…の内面にはシリンダボア11の内面を形成するシリンダライナ14がそれぞれ鋳込まれている。
また、図1に示すように、本実施形態に係るシリンダブロック1は、オープンデッキ型に構成されている。つまり、シリンダブロック1の頂面(シリンダヘッドの組み付け面)にウォータジャケット2が開放されていると共に、このウォータジャケット2が、上記サイアミーズシリンダバレル13の略全周囲を囲むようにシリンダブロック1の外壁とサイアミーズシリンダバレル13との間に形成されている。
ウォータジャケット2には、ラジエータからの冷却水が導入される冷却水入口通路21がシリンダ列方向の一端側(図1における左端側)、つまり、第1番気筒♯1の近傍に形成されている。そして、ウォータジャケット2における冷却水の主な流れとしては、この冷却水入口通路21から導入された冷却水が各シリンダバレル12,12,…の配列方向に沿ってサイアミーズシリンダバレル13の片側(図1における下側である吸気側)を第1番気筒♯1から第4番気筒♯4に向かって流れ、この第4番気筒♯4の外周囲に沿って流れ方向が反転した後、再び、各シリンダバレル12,12,…の配列方向に沿ってサイアミーズシリンダバレル13の他方の片側(図1における上側である排気側)を第1番気筒♯1に向かって流れるようになっている。そして、この第1番気筒♯1の周囲に戻った冷却水は、この第1番気筒♯1の近傍に形成された出口18,19からシリンダヘッド15(図2に表れる)に向かって導出されることになる。シリンダブロック1とシリンダヘッド15との間にはガスケット16(図2に表れる)が介在されており、上記出口18,19は、このガスケット16及びシリンダヘッド15にそれぞれ形成されていて、シリンダブロック1からシリンダヘッド15に向かって冷却水の導入が可能となっている。
次に、上記ウォータジャケット2の内部に装着されるスペーサとしてのウォータジャケットスペーサ3(以下、単にスペーサと呼ぶ)を図3に基づいて説明する。
この図3に示すように、スペーサ3は、ウォータジャケット2の全周囲に亘って嵌め込まれるように環状を呈しており、その高さ寸法(図3における上下寸法)がウォータジャケット2の高さ寸法に対して若干小さく設定されている。このスペーサ3は、耐熱性を有する合成樹脂により袋状に成形され、その袋の厚さがウォータジャケット2の厚さ方向の寸法の略半分に設定されている。そして、スペーサ3の内部には、例えば酢酸ナトリウム・3水和物(CH3COONa・3H2O)からなる潜熱型の蓄熱材X(作動流体)が充填されている。
このスペーサ3内に充填される蓄熱材Xは、融点(58゜C)を越える温度状態から融点以下の温度状態に冷却しても液相から固相に相変化を起こさず、マイナス20゜C〜マイナス30゜C程度まで潜熱を蓄えたまま過冷却状態となる特性を有している。また、スペーサ3には、蓄熱材Xの相変化を促すように稼動する発核装置4(後述する)が配設されている。そして、シリンダブロック1(エンジン)の温度が低下し、蓄熱材Xが過冷却状態にあるときに、エンジンの始動時に発する振動により発核装置4が稼動すると、蓄熱材Xの固相への相変化が促され、速やかに潜熱が放出されるようになっている。また、蓄熱材Xは、固相への相変化により潜熱の放出を終えてシリンダブロック11からの熱を受け、融点を越える温度状態から液相へ相変化して潜熱を蓄え、高温になるに従い体積が増加するようになっている。
この蓄熱材Xは、温間時(融点を越える温度状態)に液相となって体積が増加する一方、冷間時(過冷却状態から融点までの温度状態)に固相となって体積が減少する上、液相状態にあるときにシリンダブロック1からの熱を受けて高温になるに従い体積が増加するようになっており、その蓄熱材Xの相変化および温度に応じた体積変化によってスペーサ3の形状を変化させるようになっている。そして、スペーサ3は、蓄熱材Xの体積が変化する際にウォータジャケット2内におけるシリンダボア周方向つまりシリンダバレル12の配列方向(図3では左右方向)への伸縮性が大きくなるように設定されているとともに、蓄熱材Xの体積が変化する際にウォータジャケット2内におけるシリンダ11の軸線方向(図3では上下方向)への伸縮性が小さくなるように設定されている。これにより、スペーサ3は、冷間時に体積が減少する蓄熱材Xの体積変化に応じてウォータジャケット2内のサイアミーズシリンダバレル13(シリンダボア壁)に対し接触するようになっている一方、温間時に体積が増加する蓄熱材Xの体積変化に応じてウォータジャケット2内のサイアミーズシリンダバレル13から離間するようになっている。
また、ウォータジャケット2の高さ寸法に対して高さ寸法が若干小さく設定されたスペーサ3は、ウォータジャケット2内におけるシリンダ11の軸線方向上側(燃焼室側)への位置決めを行う位置決め機構32を備えている。この位置決め機構32は、スペーサ3のシリンダ列方向の一端側(図3では左端)より上方に立設された第1突起部材32aと、スペーサ3のシリンダ列方向の他端側(図3では右端)の吸気側(図3では手前側)より上方に立設された第2突起部材32bと、スペーサ3のシリンダ列方向の他端側の排気側(図3では奥側)より上方に立設された第3突起部材32cとを備えている。このため、このスペーサ3をウォータジャケット2の内部に挿入した状態で上記ガスケット16及びシリンダヘッド15をシリンダブロック1に組み付けると、ウォータジャケット2の底部にスペーサ3の下端が、ガスケット11の下面にスペーサ3より突出する各突起部材32a〜32cの上端がそれぞれ当接した状態で高さ方向に略位置決めができる状態となる。この状態で、スペーサ3の上方、つまり各突起部材32a〜32cの突出部分が位置するウォータジャケット2の上端部には、冷却水経路20が確保されることになり、シリンダヘッド15の燃焼室側の冷却が円滑に行えるようになっている。
そして、図4に示すように、上記第1ないし第3突起部材32a〜32cのうちの第1突起部材32aの内部には、蓄熱材Xの相変化を促すように稼動する発核装置4が収容されている。この発核装置4は、スペーサ3内に下端が開口する有底円筒形状の第1突起部材32a内の下部に固設され、その軸芯部に軸線m方向へ貫通する貫通孔41aを有する筒部材41と、この筒部材41を第1突起部材32a内の上部に対しシールするゴム製のシール材42と、上記筒部材41の貫通孔41a内に摺動自在に支持された円筒形状の的部材43と、上記筒部材41にアーム41bを介して取り付けられ、上記的部材43の下面との当接により発核する発核部44と、第1突起部材32a内の上部(シール部材42により蓄熱材Xからシールされた部位)に取り付けられた小径な円筒部材40の内部に軸線m方向へ摺動自在に支持され、下端を上記的部材43の上面に対し当接させるハンマ45と、このハンマ45と第1突起部材32aの底面(図4では上面)との間に縮装され、ハンマ45を下方(的部材43側)に付勢する付勢スプリング45aとを備えている。そして、筒部材41および的部材43は、スペーサ3内の蓄熱材Xと接触しており、液相状態にある蓄熱材Xがシリンダブロック1からの熱を受けて温度上昇した際の体積増加によって、的部材43が筒部材41の貫通孔41a内を上方へ移動して当接状態にあるハンマ45を付勢スプリング45aの付勢力に抗して待機位置(図4に示す位置)まで移動させる一方、液相状態にある蓄熱材Xの温度が低下して体積が収縮した際に的部材43が筒部材41の貫通孔41a内を下方へ移動してハンマ45との間隔を確保するようになっている。
また、発核装置4は、ハンマ45を待機位置に拘束しておくレリーズ機構46を備えている。このレリーズ機構46は、ハンマ45を下方へ付勢する上記付勢スプリング45aと、円筒部材40の軸線m方向略中央部付近を軸線mと直行する半径方向に貫通する貫通孔40a内に摺動自在に支持され、ハンマ45をその小径となる肩部45cとの係合により待機位置に係止する係止球46aと、上記第1突起部材32aと円筒部材40との間において上側および下側の一対の付勢スプリング46b,46bの付勢力により軸線m方向に移動可能な状態で均衡して保持され、エンジンの始動時に発する振動により上記係止球46aを貫通孔40aを介して半径方向外方に逃がすことによってハンマ45との係合を解除する略円筒形状の解除部材46cとを備えている。この解除部材46cは、上記各付勢スプリング45b,45bによる均衡位置で上記係止球46aを押さえる突起46dを備え、この突起46dは、円筒部材40の外周面上を摺動するようになっている。また、上記解除部材46cは、エンジンの始動時に発する振動によりその各付勢スプリング46b,46bによる均衡状態を解除して上記係止球46aを貫通孔40aを介して半径方向外方に逃がすことによってハンマ45との係合を解除する解除溝46eを上記突起46dの上側および下側にそれぞれ備えている。
上記発核部44は、ハンマ45側に膨出する椀状を呈し、この発核部44の反ハンマ45側面(図4では下面)に、内部に蓄熱材Xの結晶体を封入した複数の亀裂が設けられている。そして、エンジンの始動時に発する振動によりレリーズ機構46のハンマ45の肩部45cと係止球46aとの係合が解除されると、待機位置から解放されたハンマ45が下方へ移動して的部材43を介して発核部44に当接し、その際に発核部44裏面(下面)の亀裂が開いて亀裂内部に残留する蓄熱材Xの結晶体が蓄熱材Xに直に接触すること、または亀裂内の金属新生面が蓄熱材Xに直に触れることによって蓄熱材Xが発核する。
なお、第1ないし第3突起部材32a〜32cのうちの第3突起部材32cとしては、スペーサ3内に蓄熱材Xを充填する際の蓄熱材注入口部が適用されている。
したがって、上記実施形態では、サイアミーズシリンダバレル13の略全周囲を囲むウォータジャケット2内に収容したスペーサ3は、冷間時に体積が減少する蓄熱材Xの体積変化に応じてウォータジャケット2内のサイアミーズシリンダバレル13(シリンダボア壁)に接触してサイアミーズシリンダバレル13に対する冷却水の接触を遮断し、エンジン始動時などシリンダブロック1の冷間時に冷却水によるサイアミーズシリンダバレル13からの熱の吸収をなくしてエンジンの暖機効率を向上させることができる。一方、スペーサ3は、温間時に体積が増大する蓄熱材Xの体積変化に応じてウォータジャケット2内のサイアミーズシリンダバレル13から離間してスペーサ3との間に冷却水の流通経路を形成することでサイアミーズシリンダバレル13に対する冷却水の接触を促し、シリンダブロック1の温間時に冷却水によってサイアミーズシリンダバレル13から熱を吸収してエンジンの冷却効率を向上させることができる。
これにより、シリンダブロック1の温度状態に応じてサイアミーズシリンダバレル13に対し冷却水を遮断してエンジンの暖機効率を向上させたり、流通させてエンジンの冷却効率を向上させることが可能となり、シリンダブロック1の温度状態に応じて要求されるスペーサ3の形状を得ることができる。
また、スペーサ3は、蓄熱材Xの体積が変化する際にウォータジャケット2内におけるシリンダボア周方向(シリンダバレル12の配列方向)への伸縮性が大きくなるように設定されているので、冷間時の蓄熱材Xの体積減少に応じたウォータジャケット2内でのサイアミーズシリンダバレル13(シリンダボア壁)への接触を円滑に行うことができる一方、温間時の蓄熱材Xの体積増大に応じたウォータジャケット2内でのサイアミーズシリンダバレル13からの離間を円滑に行うことができる。
そして、ウォータジャケット2の高さ寸法に対して高さ寸法が若干小さく設定されたスペーサ3には、ウォータジャケット2内におけるシリンダ11の軸線方向上側(燃焼室側)への位置決めを行う位置決め機構32(第1ないし第3突起部材32a〜32c)が設けられているので、スペーサ3の上方(ウォータジャケット2の上端部)に冷却水経路20が確保されることになり、シリンダヘッド15の燃焼室側の冷却を円滑に行うことができる。しかも、スペーサ3は、蓄熱材Xの体積が変化する際にウォータジャケット2内におけるシリンダ11の軸線方向への伸縮性が小さくなるように設定されているので、シリンダブロックの温度変化による影響を受けることなくスペーサ3上方の冷却水経路20を確保することができる。
更に、第1ないし第3突起部材32a〜32cのうち、第1突起部材32aがその内部に発核装置4を収容する発核装置収容部として用いられ、第3突起部材32cがスペーサ3内に蓄熱材Xを充填する際の蓄熱材注入口部として適用されているので、第1および第3突起部材32a,32cの共用化によって位置決め機構32を安価に構成することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、上記実施形態では、自動車用直列4気筒ガソリンエンジンに本発明を適用した場合について説明したが、エンジンとしては自動車用に限らず、その他の用途に使用されるものに対しても本発明は適用可能である。また、気筒数は4気筒に限らず、エンジン形式も直列型に限らず、V型や水平対向型等にも適用可能である。
本発明の実施形態に係わる冷却構造を用いたエンジンの各シリンダボア及びその周辺部を示すシリンダブロックの平面図である。 図1のA−A線において切断した断面図である。 スペーサの斜視図である。 発核装置の断面図である。
符号の説明
1 シリンダブロック
11 シリンダボア
13 サイアミーズシリンダバレル(シリンダボア壁)
3 スペーサ(容器、ウォータジャケットスペーサ)
32 位置決め機構
X 蓄熱材(作動流体)
m シリンダの軸線

Claims (6)

  1. 温度によって体積が変化するように作動する作動流体と、
    この作動流体が充填され、その温度による体積変化に応じて形状が変化する容器と
    を備え、
    この容器は、シリンダブロックのシリンダボアの周囲を冷却するウォータジャケット内に収容され、ウォータジャケットスペーサとして適用されていることを特徴とするシリンダブロックの冷却構造。
  2. 上記請求項1に記載のシリンダブロックの冷却構造において、
    容器は、作動流体の体積が変化する際にウォータジャケット内におけるシリンダボア周方向への伸縮性が大きくなるように設定されていることを特徴とするシリンダブロックの冷却構造。
  3. 上記請求項1または請求項2に記載のシリンダブロックの冷却構造において、
    容器は、作動流体の体積が変化する際にウォータジャケット内におけるシリンダの軸線方向への伸縮性が小さくなるように設定されていることを特徴とするシリンダブロックの冷却構造。
  4. 上記請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のシリンダブロックの冷却構造において、
    作動流体としては、その体積が冷間時に減少する一方、温間時に増大するように変化する特性を有するものが適用されており、
    容器は、冷間時に体積が減少する作動流体の体積変化に応じてウォータジャケット内のシリンダボア壁に対し接触するようになっている一方、温間時に体積が増大する作動流体の体積変化に応じてウォータジャケット内のシリンダボア壁から離間するようになっていることを特徴とするシリンダブロックの冷却構造。
  5. 上記請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載のシリンダブロックの冷却構造において、
    容器は、ウォータジャケット内におけるシリンダの軸線方向燃焼室側への位置決めを行う位置決め機構を備えていることを特徴とするシリンダブロックの冷却構造。
  6. 上記請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載のシリンダブロックの冷却構造において、
    作動流体としては、潜熱型の蓄熱材が適用されていることを特徴とするシリンダブロックの冷却構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017218970A (ja) * 2016-06-07 2017-12-14 トヨタ自動車株式会社 内燃機関

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