JP2007056564A - 床版構造および鋼床版の補強方法 - Google Patents

床版構造および鋼床版の補強方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007056564A
JP2007056564A JP2005244091A JP2005244091A JP2007056564A JP 2007056564 A JP2007056564 A JP 2007056564A JP 2005244091 A JP2005244091 A JP 2005244091A JP 2005244091 A JP2005244091 A JP 2005244091A JP 2007056564 A JP2007056564 A JP 2007056564A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
floor slab
reinforcing member
steel
cement
slab structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005244091A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3799053B1 (ja
Inventor
Yoshihiro Tanaka
良弘 田中
Yoshiaki Imai
義明 今井
Ikuo Iwasaki
郁夫 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP2005244091A priority Critical patent/JP3799053B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3799053B1 publication Critical patent/JP3799053B1/ja
Publication of JP2007056564A publication Critical patent/JP2007056564A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Bridges Or Land Bridges (AREA)

Abstract

【課題】デッキプレートの下面に複数条の縦リブを並設してなる鋼床版を含む床版構造であって、死荷重が小さく、かつ、荷重が作用する位置にかかわらずデッキプレートと縦リブとの溶接部分などに疲労亀裂が発生し難い床版構造を提供することを課題とする。
【解決手段】デッキプレート11の下面に複数条の縦リブ12,12,…を並設してなる鋼床版10と、隣り合う縦リブ12,12間にある空間を埋めるように配置された補強部材20,20,…と、を備える床版構造Sとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、床版構造および鋼床版の補強方法に関する。
例えば道路橋の床版は、コンクリート床版と鋼床版とに大別される。このうち、鋼床版については、厚さ12〜16mmのデッキプレート(表面鋼板)と、その下面に配置された複数条の縦リブと、この縦リブと交差するように配置された横リブ(あるいはダイヤフラム)とを溶接により互いに接合してなるものが一般的である。
ところで、主として過積載のトラック荷重に起因して、デッキプレートと縦リブとの溶接部分、縦リブと横リブとの溶接部分、縦リブ同士の突合せ溶接部分などに疲労亀裂が発生する虞がある場合には、鋼床版を補強して疲労亀裂の進展を防止する必要がある。
既設の鋼床版を供用後に補強する方法としては、例えば、非特許文献1に記載された方法が知られている。この鋼床版の補強方法は、デッキプレート上のグースアスファルト舗装を剥ぎ取り、デッキプレートの上面にサンドブラストを施して付着物を取り除いたうえで、鋼繊維が混入されたコンクリート(いわゆる鋼繊維補強コンクリート)を打設して既設の鋼床版と一体にするものである。このようにして形成された床版構造によれば、コンクリートによって既設の鋼床版の変形が低減されるので、鋼床版の溶接部分における疲労亀裂の進展を防止することが可能となる。
また、既設の鋼床版を供用後に補強する他の方法として、特許文献1に記載された方法も知られている。この鋼床版の補強方法は、デッキプレートの下面に断面溝形を呈する縦リブを複数条並設してなる鋼床版を補強する方法であって、縦リブの内部空間に充填材を充填するものである。
高森博之,「横浜ベイブリッジ鋼床版舗装検討」,JICE REPORT,財団法人国土技術研究センター,2004年11月,第6号,p.46−51 特開2001−248114号公報
ところが、非特許文献1の鋼床版の補強方法においては、鋼床版の上面の全域に75mmの厚さで鋼繊維補強コンクリートを打設する必要があるので、得られた床版構造の死荷重が増大するという問題がある。死荷重が増大すると、基礎に作用する荷重も増大するので、基礎に対する補強工事が必要になる場合もある。
なお、コンクリートを現場打ちすると、長期間に亘って乾燥収縮が発生するので、これに起因してひび割れが発生する虞もある。
また、非特許文献1の鋼床版の補強方法においては、鋼床版の上面にコンクリートを現場打ちする必要があることから、コンクリート表面の敷均し作業や養生の分だけ工期が長期化してしまう。工期が長期化すると、例えば道路橋の場合にあっては、全面通行止め等の大規模な交通規制が必要となるので、多大な経済損失を被ることとなる。加えて、コンクリートを現場打ちすると、乾燥収縮に起因するひび割れが発生することから、その耐久性に悪影響を及ぼす虞もある。
なお、コンクリートを現場打ちした場合に発生する上記の問題は、供用が開始された既設の鋼床版をコンクリートで補強する場合に限らず、鋼床版を含む床版構造を新設する場合にも共通して当てはまる問題でもある。
また、スタッド溶接によって鋼床版のデッキプレートにずれ止め部材を固着すると、デッキプレートの下面にまで達する溶接熱によって、デッキプレートの下面や縦リブ等に施した防錆塗装が損傷し、当該部分が腐食してしまうという問題がある。このような問題に対処するためには、スタッド溶接を行った後にデッキプレートの下面などに防錆塗装を施す必要があるが、作業に手間と時間とを費やすことからコストの増大を招来することとなる。なお、鋼床版の裏側に立ち入れない場合や縦リブの断面が閉断面である場合においては、そもそも防錆塗装を行うことができない。
一方、特許文献1の鋼床版の補強方法によれば、前記した問題点は解決されるものの、縦リブだけを補強していることから、隣り合う縦リブ間に繰り返し荷重が作用する場合には、依然として疲労亀裂が発生する可能性がある。すなわち、この補強方法により鋼床版を補強すると、縦リブの剛性が向上するので、縦リブの直上に荷重が作用する場合には、デッキプレートに発生する変位・変形を抑制することができるが、縦リブからずれた位置に荷重が作用する場合には、あまり効果がない。
このような観点から、本発明は、デッキプレートの下面に複数条の縦リブを並設してなる鋼床版を含む床版構造であって、死荷重が小さく、かつ、荷重が作用する位置にかかわらずデッキプレートと縦リブとの溶接部分などに疲労亀裂が発生し難い床版構造を提供することを課題とし、加えて、死荷重の増加を抑えつつ既設の鋼床版を短期間で補強することが可能な鋼床版の補強方法であって、防錆塗装を損なうことがない鋼床版の補強方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決すべく創案された本発明に係る床版構造は、デッキプレートの下面に複数条の縦リブを並設してなる鋼床版と、隣り合う前記縦リブ間にある空間を埋めるように配置された補強部材と、を備えることを特徴とする。なお、鋼床版は、新設のものでも既設のものでもよい。
このようにすると、補強部材によって縦リブの面外方向への変位・変形が拘束されるので、デッキプレートに発生する変位・変形も小さくなり、その結果、縦リブからずれた位置に荷重が作用する場合であっても、デッキプレートと縦リブとの溶接部分などに疲労亀裂が発生する可能性が少なくなる。また、本発明に係る床版構造は、鋼床版の隣り合う縦リブ間に補強部材を配置するだけで構築することができる。つまり、本発明に係る床版構造においては、鋼床版の上面にコンクリートを現場打ちする必要がないので、コンクリート表面の敷均し作業や養生を省略することができ、その結果、工期を短縮することが可能となり、道路橋の場合にあっては交通規制を不要とすることが可能となる。
なお、補強部材は、隣り合う縦リブ間に嵌合してもよいし、隣り合う縦リブ間に遊嵌し、鋼床版との間に充填材を介在させてもよい。隣り合う縦リブ間に補強部材を遊嵌した場合であっても、鋼床版と補強部材との間に充填材を介在させることで、縦リブの面外方向への変位・変形を確実に拘束することが可能となる。
充填材は、補強部材の材質や現場の状況等に適合したものを選択すればよいが、例えば、アクリル系樹脂接着剤、エポキシ系樹脂接着剤、セメント系グラウト材、セメント系モルタル、繊維が混入されたセメント系モルタルなどを使用することができる。なお、縦リブが補強部材の「ずれ止め」として機能するので、充填材の付着強度が小さい場合であっても、鋼床版と補強部材とを一体にすることができる。
なお、前記充填材の漏出を防止するシール材を、前記補強部材の前記鋼床版と対向する面の外縁に沿って貼着してもよい。このようにすると、鋼床版と補強部材との間に充填材が確実に留まることになる。
前記補強部材は、その上面が前記鋼床版の下面の形状に沿うように成形されたものであれば、内部が密実なもの(すなわち、ブロック状のもの)であっても差し支えないが、死荷重の増加を防止するという観点からすると、内部が中空なもの(溝型・箱型のものを含む)であることが望ましい。例えば、前記デッキプレートの下面に対向する頂板部と、前記頂板部の両端部に形成され一対の側板部とを備えて構成された補強部材であれば、補強部材の内部を密実にした場合に比べて、死荷重の増加を抑えることが可能となる。なお、この補強部材においては、前記各側板部が前記縦リブの側面に対峙する。
なお、頂板部と一対の側板部とを備える補強部材において、側板部の剛性不足が懸念される場合には、当該一対の側板部を連結するように補強板部を配置すればよい。
前記補強部材は、鋼やアルミニウム合金からなるものでもよいが、コンクリートからなるものであってもよい。
補強部材をコンクリート製とする場合には、硬化体の圧縮強度が150〜200N/mmの範囲にあり、曲げ引張強度が25〜45N/mmの範囲にあり、かつ、割裂引張強度が10〜25N/mmの範囲にある繊維補強コンクリートを用いることが望ましい。このような超高強度の繊維補強コンクリートは、通常の繊維補強コンクリートよりも弾性係数が高く(例えばE=50〜55kN/mm程度)、引張力に対する抵抗力も期待できるので、補強部材の板厚を小さくしても、縦リブの面外方向への変位・変形を抑制することができる。したがって、例えば、供用を開始している既設の鋼床版を補強する場合にあっては、死荷重の増加を抑制しつつ鋼床版の剛性を向上させることが可能となる。
なお、前記したような強度を有する繊維補強コンクリートは、例えば、セメントとポゾラン系反応粒子と最大粒径2.5mm以下の骨材とを含む紛体に高性能減衰剤と水とを混入して得られるセメント系マトリックスに、直径が0.1〜0.3mmで長さが10〜30mmの形状を有する繊維を1〜4容積%混入することで得ることができる。
なお、補強部材を鋼製やアルミニウム合金製とする場合には、鋼板やアルミニウム合金板を加工して製作するか、鋳造により製作すればよい。
前記縦リブが、上面が開口する断面溝形の形材からなる場合には、前記デッキプレートの下面と前記縦リブの内面とで囲まれた空間にセメント系材料を充填する構造にするとよい。縦リブ内の閉塞された空間にセメント系材料を充填すれば、硬化したセメント系材料と縦リブとが一体的に結合して剛性が向上するので、デッキプレートに発生する変位・変形をより一層抑制することが可能となる。なお、「溝形」には、例えば、上辺が開口した長方形、逆さ台形、V字形、U字形、半円形などが含まれる。
なお、前記縦リブが、上面が開口する断面溝形の形材からなる場合には、前記デッキプレートの下面と前記縦リブの内面とで囲まれた空間の上側の領域に第一のセメント系材料を充填し、前記空間の下側の領域に前記第一のセメント系材料よりも単位体積重量の小さい第二のセメント系材料を充填する構造にしてもよい。このようにすると、死荷重の増大を抑えつつ鋼床版の剛性を向上させることが可能となる。
また、前記した場合においては、前記第一のセメント系材料の弾性係数を、前記第二のセメント系材料の弾性係数よりも大きくするとよい。すなわち、縦リブに発生する疲労亀裂は、デッキプレートに近接した部位に発生しやすいところ、前記した空間の上側の領域に充填される第一のセメント系材料の弾性係数を、下側の領域に充填される第二のセメント系材料の弾性係数よりも大きくしておけば、疲労亀裂の発生し易い部位の変位・変形を効果的に抑制することが可能となる。
前記縦リブの内部にセメント系材料を充填した場合には、前記セメント系材料に固着されたアンカーを利用して前記補強部材を前記鋼床版に固定するとよい。このようにすると、アンカーが補強部材のずれ止めとして機能するので、鋼床版に曲げ変形が発生した場合であっても、補強部材とデッキプレートとの間にずれが発生し難くなる。
なお、前記アンカーは、前記セメント系材料に埋設される埋設部と、前記縦リブの下面から突出する突出部とを備えることになる。埋設部は、所望の引抜き抵抗力が得られるものであれば、その形状等に特に制限はないが、上下方向に伸びる第一定着部と、前記縦リブの長手方向に伸びる第二定着部とを有しているものであれば、簡易な構成でありながらも高い引抜き抵抗力を得ることができるので好適である。
また、前記アンカーの前記突出部に、前記補強部材を上側に押圧する支圧部材を取り付けてもよい。このようにすると、補強部材と鋼床版とが一体的に挙動することになるので、補強部材による補強効果を向上させることができる。
前記した課題を解決する本発明に係る鋼床版の補強方法は、デッキプレートの下面に断面溝形を呈する縦リブを複数条並設してなる鋼床版を補強する方法であって、前記縦リブの下面に透孔を形成し、当該透孔にアンカーの一端側を挿入する工程と、前記縦リブの内部にセメント系材料を充填し、前記セメント系材料を所定の強度まで硬化させる工程と、前記鋼床版の裏側の形状に沿うように成形された補強部材を隣り合う前記縦リブ間に配置する工程と、前記補強部材の下側に支圧部材を配置する工程と、前記アンカーの他端側に前記支圧部材を締着し、前記支圧部材を前記補強部材に押し付ける工程と、前記鋼床版と前記補強部材との間にある空間に充填材を充填する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る鋼床版の補強方法によれば、鋼床版の上面の全域にコンクリートを現場打ちする必要がないので、死荷重の増加量が小さく、さらに、コンクリート表面の敷均し作業を行う必要がないので、工期を短縮することが可能となり、道路橋の場合にあっては交通規制を不要とすることが可能となる。また、現場での溶接作業が不要となるので、鋼床版に施されていた防錆塗装が損なわれることがない。
本発明に係る床版構造によれば、荷重が作用する位置にかかわらず鋼床版に生じる変位・変形を抑制することができるので、デッキプレートと縦リブとの溶接部分などに疲労亀裂が発生し難くなる。しかも、本発明に係る床版構造は、デッキプレートの上面の全域にコンクリートを打設する従来の補強方法と比べて、死荷重が小さい。
また、本発明に係る鋼床版の補強方法によると、死荷重の増加を抑えつつ既設の鋼床版を短期間で補強することが可能となり、道路橋の場合にあっては交通規制を不要とすることが可能になる。また、鋼床版に施されていた防錆塗装が損なわれることもない。
以下、本発明に係る床版構造を実施するための最良の形態を、添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態に係る床版構造Sは、図1に示すように、既設の鋼床版10と、この鋼床版10を補強する補強部材20と、この補強部材20を鋼床版10に固定するための固定治具30(図2の(b)参照)と備えて構成されている。なお、鋼床版10は、橋軸方向に沿って配置された箱桁(主桁)Mと橋軸直角方向に沿って配置された横桁Cとで支持されている。鋼床版10、箱桁Mおよび横桁Cは、溶接により互いに接合されている。
鋼床版10は、鋼板からなるデッキプレート11と、このデッキプレート11の下面に並設された複数条の縦リブ12,12,…と、縦リブ12と交差するように並設された複数条の横リブ13,13,…とを備えて構成されている。なお、デッキプレート11、縦リブ12および横リブ13は、鋼製であり、溶接により互いに接合されている。
図2乃至図4を参照して、床版構造Sを構成する各部材を詳細に説明する。なお、図2の(a)は、補強前の鋼床版10を示す断面図であり、補強後に付加される補強部材20等は点線により図示している。また、図2の(b)は、鋼床版10に付加される部材を示す断面図であり、鋼床版10は点線により図示している。
縦リブ12は、図2の(a)に示すように、上面が開口する断面溝形の形材からなる。なお、図示した縦リブ12の断面形状は、逆さ台形を呈しているが、これに限定されることはなく、例えば、V字形、U字形、半円形を呈するものであってもよい。
本実施形態においては、図2の(b)に示すように、デッキプレート11の下面と縦リブ12の内面とで囲まれた空間にセメント系材料12aが充填される。セメント系材料12aの配合等に特に制限はなく、無収縮モルタル、普通コンクリート、軽量コンクリート、繊維補強コンクリートなどを使用することができるが、自己充填性の高いものを使用するのが望ましい。
補強部材20は、その鋼床版10側の面が鋼床版10の下面の形状に沿うように成形されており、隣り合う縦リブ12,12間にある空間を埋めるように配置されている。なお、本実施形態においては、鋼床版10と補強部材20との間に充填材40を介在させてある。
補強部材20は、デッキプレート11の下面に対向する頂板部21と、この頂板部21の両端部に形成され一対の側板部22,22と、縦リブ12の下面に沿って張り出す張出部23と、一対の側板部22,22を連結するように配置された補強板部24と、を備えて構成されている。
側板部22は、縦リブ12の側面に対峙する部位であって、頂板部21の側端部から縦リブ12の側面に沿って斜め下方に垂れ下がっていて、もう一方の側板部22とハ字状に対峙している。
張出部23は、側板部22の下端部から外側に向かって水平に張り出していて、縦リブ12の下面の略半分を覆っている。
補強板部24は、図3の(b)に示すように、側板部22の面外方向への変形を抑制する仕切板24aと、張出部23を補強する突出板24bとを備えている。仕切板24aは、頂板部21と側板部22,22とにより形成された下向きに開口する「溝」を仕切るように配置されていて、その下端部が張出部23よりも下方に突出している。突出板24bは、仕切板24aの下端部から側方に向かって張り出しており、その先端が張出部23の側縁まで延出している。
本実施形態においては、複数の補強板部24,24,…が縦リブ12の長手方向(本実施形態においては橋軸方向)に間隔をあけて並設されているが、補強板部24の数は、図示のものに限定されることはなく、増減させても差し支えない。また、側板部22の剛性が高い場合には、補強板部24を省略してもよい。
図3の(a)に示すように、補強部材20には、鋼床版10(図1参照)と対向する面の外縁に沿って、充填材40(図2の(b)参照)の漏出を防止するシール材25が貼着されている。なお、本実施形態においては、頂板部21の上面、側板部22の外側面および張出部23の上面が「鋼床版10と対向する面」に相当する。シール材25は、天然ゴム、合成ゴム(水膨張性のものを含む)などからなり、接着剤等を用いて補強部材20に接着されている。
補強部材20は、繊維補強コンクリートからなり、頂板部21、側板部22,22、張出部23および補強板部24は、一体的に成形されている。
繊維補強コンクリートとしては、硬化体の圧縮強度が150〜200N/mmの範囲にあり、曲げ引張強度が25〜45N/mmの範囲にあり、かつ、割裂引張強度が10〜25N/mmの範囲にあるものを用いることが望ましい。このような超高強度の繊維補強コンクリートは、通常の繊維補強コンクリートよりも弾性係数が高く(例えばE=50〜55kN/mm程度)、引張力に対する抵抗力も期待できるので、補強部材20の板厚を小さくしても、縦リブ12の面外方向(図2においては左右方向)への変位・変形を抑制することができる。
なお、前記したような強度を有する繊維補強コンクリートは、例えば、セメントとポゾラン系反応粒子と最大粒径2.5mm以下の骨材とを含む紛体に高性能減衰剤と水とを混入して得られるセメント系マトリックスに、直径が0.1〜0.3mmで長さが10〜30mmの形状を有する繊維を1〜4容積%混入することで得ることができる。ここで、ポゾラン系反応粒子とは、例えば、シリカフューム、フライアッシュ、高炉スラグのほか、カオリンの誘導体から選定した化合物、沈降シリカ、火山灰、シリカゾル等からなる粒子のことである。
補強部材20は、前記した各種材料を混練してなるフレッシュなコンクリートを所定の寸法形状に成形された型枠に打設し、所定の強度が発現した後に、脱型した状態で熱養生を行うことにより製造される。熱養生を行うと、セメント中の遊離石灰とポゾラン系反応粒子のシリカやアルミナが結合して安定的で硬い物質が早期に形成され、セメント系マトリックスの組織が緻密になるので、乾燥収縮がなく、したがって、乾燥ひび割れ等もほとんど発生しない。
補強部材20の長さ寸法は、図4の(a)に示すように、横リブ13,13の間隔(あるいは、横桁Cと横リブ13の間隔)の整数分の1(本実施形態では3分の1)程度に設定されている。このようにすると、補強部材20の取り扱いが容易になるので、人力あるいは簡易な機械での施工が可能となる。なお、図示は省略するが、補強部材20の長さを、横リブ13,13の間隔(あるいは、横桁Cと横リブ13の間隔)と同等にしても差し支えない。
なお、図2の(b)に示すように、本実施形態においては、箱桁MのウェブM1と縦リブ12との間にある空間を埋めるように補強部材20’が配置されている。補強部材20’は、隣り合う縦リブ12,12間に配置される補強部材20と同様の構成を備えているが、ウェブM1に面する側の側板部22’が頂板部21の側端部からウェブM1に沿って垂直に垂れ下がっている点と、ウェブM1に面する側に張出部23がない点が異なっている。
図4の(a)に示すように、固定治具30は、セメント系材料12aに定着されたアンカー31と、補強部材20の下側に配置される支圧部材32と、この支圧部材32をアンカー31に固定するためのナット33とを備えて構成されている。
アンカー31は、L字状に折り曲げられた異径鉄筋からなり、セメント系材料12aに埋設される埋設部311と、縦リブ12の下面から突出する突出部312とを備えている。埋設部311は、図4の(b)に示すように、上下方向に伸びる第一定着部311aと、縦リブ12の長手方向(図4において左右方向)に伸びる第二定着部311bとを有している。第二定着部311bは、アンカー31の引抜耐力を向上させる目的で設けられたものである。なお、突出部312には、ねじ山が螺刻されている。
支圧部材32は、補強部材20を上側に押圧するものであり、アンカー31の突出部312に取り付けられている。本実施形態に係る支圧部材32は、前後左右に隣接する複数の補強部材20,20,…の端部(本実施形態では張出部23)に跨って配置され、これらを一括して鋼床版10側に押圧する。なお、補強部材20と支圧部材32をアクリル樹脂系接着剤やエポキシ系樹脂接着剤などの接着剤を介して接着してもよい。
図3の(c)を参照して支圧部材32の構成をより詳細に説明する。支圧部材32は、やや肉厚の平板状を呈していて、その中央部に挿通孔32aが形成されている。挿通孔32aには、アンカー31の突出部312(図3の(a)参照)が挿通される。また、支圧部材32の上面には、挿通孔32aを挟んで平行する二条の係合溝32b,32bが凹設されている。係合溝32bには、補強部材20の突出板24b(図3の(a)参照)が嵌め込まれる。
支圧部材32は、鋼板を利用して製作してもよいし、繊維補強コンクリートにより製作してもよい。繊維補強コンクリートを用いる場合には、例えば、硬化体の圧縮強度が150〜200N/mmの範囲にあり、曲げ引張強度が25〜45N/mmの範囲にあり、かつ、割裂引張強度が10〜25N/mmの範囲にある繊維補強コンクリートを用いることが望ましい。
図3の(a)に示すナット33は、アンカー31の突出部312に形成されたねじ山に螺合し、支圧部材32を補強部材20に押し付ける。
なお、図2の(b)に示すように、補強部材20’の側板部22’側を押圧する支圧部材32’は、ウェブM1に突設された板材(水平リブ)M2に支持されている。なお、支圧部材32’と板材M2との間には、スペーサ34が介設されている。
充填材40は、鋼床版10と補強部材20との間、より詳細には、デッキプレート11と頂板部21との間、縦リブ12の側面と側板部22との間および縦リブの下面と張出部23との間に充填される。充填材40は、補強部材20の材質や現場の状況等に適合するものであって、鋼床版10と補強部材20の間に充填可能な程度の流動性を有するものであれば、その材質等は問わないが、例えば、鋼床版10と補強部材20との隙間が小さい場合には、アクリル系樹脂接着剤やエポキシ系樹脂接着剤などの接着剤が好適であり、隙間が大きい場合には、流動性の高いセメント系グラウト材、セメント系モルタル材、鋼繊維などの繊維が混入されたセメント系モルタル材などが好適である。なお、前記したセメント系材料に膨張性物質を混入するとよい。このようにすると、実質的に無収縮な状態を長期間に亘って維持することが可能となる。また、前記したセメント系材料に、カルシウムアルミネートやシリカ質微粉末を主体とする結合材、凝結促進剤、膨張性物質等を混入するとよい。このようにすると、材齢1〜2時間程度で実用的な強度(30〜50N/mm)を発現させることが可能となる。
なお、縦リブ12が補強部材20の幅方向(図2の(b)においては左右方向)の「ずれ止め」として機能するので、充填材40の付着強度は、小さくても差し支えない。
次に、床版構造Sの構築方法(すなわち、鋼床版10の補強方法)を、図5および図6を参照して説明する。
図5の(a)に示すように、縦リブ12の下面の幅方向の中央に透孔12bを形成し、透孔12bにアンカー31の一端側を挿入する。つまり、アンカー31の埋設部311を縦リブ12の内部に挿入し、適宜な方法により位置決めをする。
次に、図5の(b)に示すように、縦リブ12の内部にセメント系材料12aを充填し、セメント系材料12aを所定の強度まで硬化させる。なお、充填作業に先立って、縦リブ12の適所に注入孔となる図示せぬ透孔を形成するとともに、必要に応じて、空気抜き孔となる図示せぬ透孔を形成しておくとよい。
セメント系材料12aが所定の強度に達したら、図6の(a)に示すように、隣り合う縦リブ12,12間に補強部材20を配置する。具体的には、デッキプレート11と隣り合う縦リブ12,12とで形成される溝状の空間に、補強部材20の頂板部21と側板部22,22とを挿入し、頂板部21をデッキプレート11の下面に対向させ、各側板部22を縦リブ12の側面に対向させればよい。このとき、補強部材20に貼着したシール材25(図3の(a)参照)をデッキプレート11の下面、縦リブ12の側面および下面に当接させて、鋼床版10と補強部材20との間に隙間を形成する。なお、箱桁MのウェブM1と縦リブ12との間には、補強部材20’を配置する。
次に、補強部材20の下側に支圧部材32を配置する。本実施形態においては、互いに隣り合う複数の補強部材20,20…の境界部分の下側に支圧部材32を配置する。つまり、隣り合う張出部23,23…を跨ぐように支圧部材32を配置する。なお、支圧部材32を補強部材20の下側に配置する場合には、係合溝32b,32b(図3の(c)参照)を縦リブ12の長手方向に直交する方向(図6において左右方向)に合せつつ支圧部材32の挿通孔32aにアンカーの突出部312を挿通し、係合溝32bに補強部材20の突出板24bを嵌め込めばよい。
続いて、アンカー31を利用して鋼床版10に補強部材20を固定する。すなわち、アンカー31の他端側(すなわち、突出部312)に支圧部材32を締着し、支圧部材32を補強部材20に押し付ける。具体的には、ナット33をアンカー31の突出部312に螺合して締結すればよい。なお、支圧部材32を補強部材20に押し付けると、補強部材20に貼着したシール材25(図3の(a)参照)がデッキプレート11の下面等に密着し、鋼床版10と補強部材20との間に密閉された空間が形成されることになる。
その後、図6の(b)に示すように、鋼床版10と補強部材20との間にある空間に充填材40を充填すると、鋼床版10の補強が完了する。本実施形態においては、補強部材20にシール材25が貼着されているので、鋼床版10と補強部材20との間に充填材40が確実に留まることになる。なお、充填材40の充填は、前記した空間の最も低い部分に連通する図示せぬ注入管を介して行えばよいが、より好適には、前記した空間の最も高い部分に連通する図示せぬ空気抜き管から空気を排出しながら行うのがよい。なお、前記した空間が狭小である場合には、前記した空気抜き管を真空ポンプに接続し、当該真空ポンプで前記した空間内の空気を強制的に排出しながら充填材40を充填するとよい。
以上説明した本実施形態に係る床版構造Sによると、補強部材20によって縦リブ12の面外方向への変位・変形が拘束されるので、デッキプレート11に発生する変位・変形も小さくなり、その結果、縦リブ12からずれた位置に荷重が作用する場合であっても、デッキプレート11と縦リブ12との溶接部分などに疲労亀裂が発生する可能性が少なくなる。また、床版構造Sを構築する際に鋼床版10の上面にコンクリートを現場打ちする必要がないので、コンクリート表面の敷均し作業や養生を省略することができ、その結果、工期を短縮することが可能となり、道路橋の場合にあっては交通規制を不要とすることが可能となる。
また、本実施形態においては、内部が中空になった「箱型」の補強部材20を使用しているので、死荷重の増加を抑えつつ鋼床版10の剛性を向上させることが可能となる。
しかも、超高強度の繊維補強コンクリートで形成した補強部材20は、各部の肉厚が通常のコンクリートで形成した場合よりも小さい。つまり、本実施形態に係る補強部材20は、通常のコンクリートで形成されたものよりも軽量であり、したがって、死荷重の増加を抑えつつ鋼床版10の剛性を向上させることが可能となる。
さらに、本実施形態においては、縦リブ12内に充填されたセメント系材料12aによって縦リブ12の剛性を向上させたので、デッキプレート11に発生する変位・変形がより一層効果的に抑制されることになる。
また、支圧部材32を用いて補強部材20を鋼床版10に押し付けたので、鋼床版10と補強部材20とが一体的に挙動する。
また、本実施形態においては、アンカー31と支圧部材32とが補強部材20のずれ止めとして機能するので、鋼床版10に曲げ変形が発生した場合であっても、デッキプレート11と補強部材20との間にずれが発生し難くい。特に、本実施形態においては、支圧部材32に係合溝32bを設け、この係合溝32bに補強部材20の突出板24bを係合させたので、鋼床版10に橋軸方向(縦リブ12の長手方向)の曲げ変形が発生した場合であっても、デッキプレート11と補強部材20との間にずれが発生し難い。
さらに、本実施形態に係る鋼床版10の補強方法によると、現場での溶接作業が不要となるので、鋼床版10に施されていた防錆塗装が損なわれることがない。
図7乃至図10を参照して、本実施形態に係る床版構造Sの効果を具体的に説明する。図7乃至図10は、本実施形態に係る床版構造Sの補強効果を評価するために実施した三次元FEM弾性解析の結果である。各図において、(a)は、補強前の鋼床版10に輪荷重を作用させた場合の変位応答を示す図であり、(b)は、補強後の鋼床版10(すなわち、床版構造S)に輪荷重を作用させた場合の変位応答を示す図である。
解析モデルの数値データを以下に示す。
(1)鋼床版10は、シェルモデルでモデル化し、デッキプレート11の厚さを12mm、縦リブ12の厚さを8mmとした。
(2)補強部材20は、繊維補強コンクリート製とし、ソリッドモデルでモデル化した。頂板部21、側板部22および張出部23の厚さを20mm、補強板部24の厚さを30mmとした。
(3)セメント系材料12aは、軽量コンクリートとし、ソリッドモデルでモデル化した。単位体積重量を1.5N/m、弾性係数を17kN/mm、圧縮強度を45N/mmとした。
なお、解析モデルの側端部における境界条件は「固定」とした。
輪荷重は、道路橋示方書に従って100kNとし、載荷面の寸法は、幅500mm、奥行200mmとした。なお、図中の白抜き矢印は、載荷面の中心を示している。
デッキプレートの変形モードを見ると、補強前においては、局所的な変形が発生しているのに対し、補強後(床版構造S)においては、局所的な変形が減少し、平坦な変形になっていることが分かる。縦リブの変形モードをみても、補強後に局所的な変形が減少することが分かる。また、最大変形量も、補強前においては1.74mm〜2.37mmであるのに対し、補強後(床版構造S)においては0.19mm〜0.42mmとなり、補強前に比較して大幅(1/4〜1/12程度)に減少していることが分かる。なお、図示は省略するが、デッキプレート11や縦リブ12に発生する応力や、デッキプレート11と縦リブ12との接合部における応力も、補強前に比較して大幅(1/5〜1/15)に減少するという結果が得られている。
このように、本実施形態に係る床版構造Sによれば、デッキプレート11や縦リブ12に生じる変位・変形・発生応力が抑制される。
なお、床版構造Sの形態は、図示のものに限定されるものではなく、適宜変更しても差し支えない。
例えば、図11の(a)および(b)に示す補強部材20のように、張出部23の下面に、突出板24bと直交する第二の突出板23aを設けてもよい。このようにすると、張出部23の剛性が向上するので、補強部材20をしっかりと鋼床版10に固定することが可能となる。
なお、補強部材20を使用する場合には、図11の(c)に示す支圧部材32を使用するとよい。支圧部材32の上面には、平行する二条の係合溝32b,32bに加えて、係合溝32bと直交する第二の係合溝32c,32cが凹設されている。第二の係合溝32c,32cは、挿通孔32aを挟んで平行に並んでいて、各々に補強部材20の第二の突出板23aが嵌め込まれる。
このようにすると、アンカー31と支圧部材32とが橋軸直角方向のずれ止めとしても機能することになるので、鋼床版10に橋軸方向(縦リブ12の長手方向)の曲げ変形が発生した場合だけでなく、橋軸直角方向の曲げ変形が発生した場合であっても、デッキプレート11と補強部材20との間にずれが発生し難い。
なお、係合溝のない支圧部材を用いて補強部材20を鋼床版10に押し付けてもよいことは言うまでもない(図12参照)。
また、前記した本実施形態においては、補強部材20をコンクリート製としたが、鋼製やアルミニウム合金製としてもよい。この場合には、鋼板やアルミニウム合金板を加工して製作するか、鋳造により製作すればよい。鋼板を加工して製作する場合には、所定寸法の鋼板にプレス加工を施して頂板部21、側板部22,22および張出部23を一体的に成形した後に、別途形成した補強板部24を溶接により接合すればよい。
また、本実施形態では、補強部材20として、内部が中空になっている「箱型」のものを例示したが、この形態に限定されることはなく、内部が密実になっているブロック状のものであっても差し支えない。
また、前記した実施形態においては、補強部材20を、隣り合う二つの縦リブ12,12に跨るような幅寸法を有する補強部材20としたが、これに限定されることはなく、図示は省略するが、三つ以上の縦リブ12に跨るような幅寸法を有する補強部材としてもよい。つまり、図2の(b)に示す補強部材20を二つ以上連続させた形態の補強部材を用いて鋼床版10を補強してもよい。
また、前記した実施形態においては、縦リブ12の内部に一種類のセメント系材料12aを充填したが、図12に示すように、性質の異なる二種類のセメント系材料12c,12dを積層して充填してもよい。
なお、デッキプレート11の下面と縦リブ12の内面とで囲まれた空間の上側の領域に充填されるセメント系材料12cを「第一のセメント系材料12c」と称し、前記した空間の下側の領域に充填されるセメント系材料12dを「第二のセメント系材料12d」と称することとする。
第一のセメント系材料12cは、第二のセメント系材料12dよりも弾性係数が大きくなるように配合された無収縮モルタル、普通コンクリート、繊維補強コンクリートなどからなる。
第二のセメント系材料12dは、軽量骨材を用いたコンクリートや発泡モルタルなどからなり、第一のセメント系材料12cよりも単位体積重量が小さい。
このように第二のセメント系材料12dの単位体積重量を第一のセメント系材料12cの単位体積重量よりも小さくしておけば、死荷重の増加を抑制しつつ鋼床版10の剛性を向上させることが可能となり、その結果、疲労亀裂の発生を抑制することが可能となる。
縦リブ12に発生する疲労亀裂は、デッキプレート11に近接した部位に発生しやすいところ、本実施形態においては、当該部位に充填される第一のセメント系材料12cの弾性係数が、下側の領域に充填される第二のセメント系材料12dの弾性係数よりも大きくなっているので、疲労亀裂の発生し易い部位の変位・変形を効果的に抑制することが可能となる。
なお、前記した実施形態においては、鋼床版10と補強部材20との間に隙間を設け、この隙間に充填材40を介在させたが、これに限定されることはなく、図示は省略するが、鋼床版10と補強部材20との間に隙間を設けずに、補強部材20を隣り合う縦リブ12,12間に嵌め込んでもよい。
また、前記した実施形態においては、縦リブ12が「閉断面リブ」である場合を例示したが、断面逆T字形やL字形を呈する「開断面リブ」であっても、隣り合う縦リブ間に補強部材を配置すれば、鋼床版を補強することが可能となる。
本発明の実施形態に係る床版構造を示す破断斜視図である。 (a)は鋼床版を示す断面図、(b)は鋼床版に付加される部材を示す断面図である。 (a)は補強部材を示す拡大斜視図、(b)は(a)に示す補強部材を裏返した状態を示す斜視図、(c)は支圧部材を示す斜視図である。 (a)は図2の(b)のX−X断面図、(b)は(a)の拡大図である。 (a)(b)は、鋼床版の補強方法の各工程を説明するための断面図である。 (a)(b)は、図5の工程に続く工程を説明するための断面図である。 (a)は補強前の鋼床版の変形モードを示す模式図、(b)は補強後の鋼床版の変形モードを示す模式図である。 (a)は補強前の鋼床版の変形モードを示す模式図、(b)は補強後の鋼床版の変形モードを示す模式図である。 (a)は補強前の鋼床版の変形モードを示す模式図、(b)は補強後の鋼床版の変形モードを示す模式図である。 (a)は補強前の鋼床版の変形モードを示す模式図、(b)は補強後の鋼床版の変形モードを示す模式図である。 (a)は補強部材の変形例を示す拡大斜視図、(b)は(a)に示す補強部材を裏返した状態を示す斜視図、(c)は支圧部材の変形例を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態を示す断面図であって、縦リブ内に二種類のセメント系材料を充填した場合を示す図である。
符号の説明
S 床版構造
10 鋼床版
11 デッキプレート
12 縦リブ
20 補強部材
21 頂板部
22 側板部
23 張出部
24 補強板部
30 固定治具
31 アンカー
31a 埋設部
31b 突出部
32 支圧部材
40 充填材

Claims (14)

  1. デッキプレートの下面に複数条の縦リブを並設してなる鋼床版と、
    隣り合う前記縦リブ間にある空間を埋めるように配置された補強部材と、を備えることを特徴とする床版構造。
  2. 前記鋼床版と前記補強部材との間に充填材が介在していることを特徴とする請求項1に記載の床版構造。
  3. 前記補強部材の前記鋼床版と対向する面に、その外縁に沿って前記充填材の漏出を防止するシール材が貼着されていることを特徴とする請求項2に記載の床版構造。
  4. 前記補強部材は、前記デッキプレートの下面に対向する頂板部と、前記頂板部の両端部に形成された一対の側板部とを備えて構成されており、
    前記各側板部が、前記縦リブの側面に対峙していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の床版構造。
  5. 前記補強部材は、前記一対の側板部を連結するように配置された補強板部を備えて構成されていることを特徴とする請求項4に記載の床版構造。
  6. 前記補強部材が、繊維補強コンクリートからなり、
    前記繊維補強コンクリートは、その硬化体の圧縮強度が150〜200N/mmの範囲にあり、曲げ引張強度が25〜45N/mmの範囲にあり、かつ、割裂引張強度が10〜25N/mmの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の床版構造。
  7. 前記繊維補強コンクリートは、セメントとポゾラン系反応粒子と最大粒径2.5mm以下の骨材とを含む紛体に高性能減衰剤と水とを混入して得られるセメント系マトリックスに、直径が0.1〜0.3mmで長さが10〜30mmの形状を有する繊維を1〜4容積%混入してなることを特徴とする請求項6に記載の床版構造。
  8. 前記縦リブは、上面が開口する断面溝形の形材からなり、
    前記デッキプレートの下面と前記縦リブの内面とで囲まれた空間にセメント系材料が充填されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の床版構造。
  9. 前記縦リブは、上面が開口する断面溝形の形材からなり、
    前記デッキプレートの下面と前記縦リブの内面とで囲まれた空間の上側の領域に第一のセメント系材料が充填されており、前記空間の下側の領域に前記第一のセメント系材料よりも単位体積重量の小さい第二のセメント系材料が充填されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の床版構造。
  10. 前記第一のセメント系材料の弾性係数が、前記第二のセメント系材料の弾性係数よりも大きいことを特徴とする請求項9に記載の床版構造。
  11. 前記補強部材は、前記セメント系材料に固着されたアンカーを利用して前記鋼床版に固定されていることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の床版構造。
  12. 前記アンカーは、前記セメント系材料に埋設される埋設部と、前記縦リブの下面から突出する突出部とを有しており、
    前記埋設部は、上下方向に伸びる第一定着部と、前記縦リブの長手方向に伸びる第二定着部とを有していることを特徴とする請求項11に記載の床版構造。
  13. 前記アンカーの前記突出部には、前記補強部材を上側に押圧する支圧部材が取り付けられていることを特徴とする請求項12に記載の床版構造。
  14. デッキプレートの下面に断面溝形を呈する縦リブを複数条並設してなる鋼床版を補強する方法であって、
    前記縦リブの下面に透孔を形成し、当該透孔にアンカーの一端側を挿入する工程と、
    前記縦リブの内部にセメント系材料を充填し、前記セメント系材料を所定の強度まで硬化させる工程と、
    前記鋼床版の裏側の形状に沿うように成形された補強部材を隣り合う前記縦リブ間に配置する工程と、
    前記補強部材の下側に支圧部材を配置する工程と、
    前記アンカーの他端側に前記支圧部材を締着し、前記支圧部材を前記補強部材に押し付ける工程と、
    前記鋼床版と前記補強部材との間にある空間に充填材を充填する工程と、を備えることを特徴とする鋼床版の補強方法。
JP2005244091A 2005-08-25 2005-08-25 床版構造および鋼床版の補強方法 Active JP3799053B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005244091A JP3799053B1 (ja) 2005-08-25 2005-08-25 床版構造および鋼床版の補強方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005244091A JP3799053B1 (ja) 2005-08-25 2005-08-25 床版構造および鋼床版の補強方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3799053B1 JP3799053B1 (ja) 2006-07-19
JP2007056564A true JP2007056564A (ja) 2007-03-08

Family

ID=36803411

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005244091A Active JP3799053B1 (ja) 2005-08-25 2005-08-25 床版構造および鋼床版の補強方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3799053B1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008247620A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Kajima Road Co Ltd 鋼床版補修用モルタル複合材料
KR101058906B1 (ko) 2011-05-17 2011-08-24 김윤환 유지관리용 합성 데크플레이트와 이를 이용한 합성바닥판 시공방법
JP2012224987A (ja) * 2011-04-15 2012-11-15 Ihi Infrastructure Systems Co Ltd 鋼コンクリート複合構造体の施工方法及び鋼コンクリート複合構造体並びに鋼コンクリート複合橋梁

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7244225B2 (ja) * 2018-07-02 2023-03-22 清水建設株式会社 繊維補強コンクリート部材の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008247620A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Kajima Road Co Ltd 鋼床版補修用モルタル複合材料
JP2012224987A (ja) * 2011-04-15 2012-11-15 Ihi Infrastructure Systems Co Ltd 鋼コンクリート複合構造体の施工方法及び鋼コンクリート複合構造体並びに鋼コンクリート複合橋梁
KR101058906B1 (ko) 2011-05-17 2011-08-24 김윤환 유지관리용 합성 데크플레이트와 이를 이용한 합성바닥판 시공방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP3799053B1 (ja) 2006-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5363930B2 (ja) プレキャスト部材の接合構造及びその構築方法
Shim et al. Design of shear connection in composite steel and concrete bridges with precast decks
Al-Mahmoud et al. Anchorage and tension-stiffening effect between near-surface-mounted CFRP rods and concrete
Tanaka et al. Reexamination of dowel behavior of steel bars embedded in concrete
US10196832B2 (en) High performing protective shell for concrete structures
JP3762782B1 (ja) 床版および既設床版の補強方法
JP2009209600A (ja) プレキャスト部材の接合構造
JP6652754B2 (ja) 急速施工用プレキャストコンクリート床版の接合構造およびその施工方法
JP4891665B2 (ja) 床版構造および鋼床版の補強方法
JP3799053B1 (ja) 床版構造および鋼床版の補強方法
JP5525489B2 (ja) コンクリート床版の接合構造
JP4795852B2 (ja) トンネル用セグメント及びその製作方法
JP5307682B2 (ja) 桁部材とプレキャスト床版の接合構造及び床版の架設方法
JP6988188B2 (ja) プレキャストコンクリート床版の接続構造及び接続方法
JP2019002251A (ja) プレキャストコンクリート床版の接続構造及び接続方法
JP3762787B1 (ja) 既設床版の補強構造および既設床版の補強方法
Jawdhari Behavior of RC beams strengthened in flexure with spliced CFRP rod panels
Duchesneau et al. Monolithic and hybrid precast bridge parapets in high and ultra-high performance fibre reinforced concretes
JP6752120B2 (ja) 連結構造及び連結方法
JP5920774B2 (ja) 新旧コンクリートの接合方法及び接合構造
JP6752121B2 (ja) 連結構造及び連結方法
Zhang et al. Second remediation of long-term deflection and cracking of PT box-girder bridge using external post-tensioning
JP6642884B2 (ja) 橋梁鋼床版の補強構造、及び橋梁鋼床版の補強方法
JP2007077746A (ja) 鋼床版の補強構造及び補強工法
JP4035075B2 (ja) 既設壁状構造物の補強構造及び方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060421

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3799053

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090428

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100428

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110428

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110428

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120428

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120428

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130428

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250