JP2007053319A - 波面収差測定装置、投影露光装置、及び投影光学系の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の波面収差測定装置は、被検光学系の測定対象物点に点光源群生成用の微小開口群を配置するマスク(20)と、前記マスクを照明光で照明する照明系(11)と、前記微小開口群から射出し前記被検光学系を通過した光束を複数にシアする回折格子(G)と、前記シアされた複数の光束同士が成す干渉縞を検出する検出部(17)とを備え、前記被検光学系の後側焦点面から前記回折格子までの変位Lg、前記回折格子の格子ピッチPg、前記照明光の波長λは、任意の整数Nに対し、(Pg2/λ)×(N−0.2)≦Lg≦(Pg2/λ)×(N+0.2)の式を満たすことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
この波面収差測定では、被検光学系の物体面にマスクが配置される。マスクには、微小開口(ピンホール)が設けられている。これを照明すると、理想球面波が発生する。それを測定光として被検光学系へ入射させると、被検光学系からは、被検光学系の波面収差により波面の歪んだ光が射出する。その光は、被検光学系の後側焦点面に置かれた回折格子でシア(横ずらし)され、CCD撮像素子上に干渉縞を形成する。この干渉縞を位相シフト法やフーリエ変換法(非特許文献1などを参照)で解析すれば、波面収差を知ることができる。
このため、ピンホールの代わりに、ピンホール径と同等の幅を持ち、かつ非シア方向に長いスリットを用いて光量を稼ぐことが考えられる。スリットにて発生する光の波面は、スリットの長手方向にかけては理想球面とならないが、スリット及び回折格子の配置方向を変えて少なくとも2つの干渉縞を検出すれば、波面収差の情報が得られるはずである。
この問題を回避するには、マスク上の照明シグマ値を1に設定すればよいが、シグマ値は照明系の設計上、0.8が限度である。また、マスクを照明する光の角度を振り、シグマ値を擬似的に向上させることも考えられるが、これでは照明系の設計負荷が大きくなる。
また、本発明は、投影光学系の波面収差の情報を確実に取得することのできる投影露光装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、高性能な投影光学系を確実に製造することのできる投影光学系の製造方法を提供することを目的とする。
また、前記複数の微小開口群のシア方向の配置ピッチPd、前記回折格子の格子ピッチPg、前記被検光学系の倍率Mは、Pd=(1/M)×Pgの式を満たすことが望ましい。
また、前記複数の微小開口群のシア方向の配置ピッチPd、前記微小開口群の前記シア方向の幅Wは、W/Pd<0.8の式を満たすことが望ましい。
また、前記照明光の波長λは、11nm<λ<14nmの式を満たしてもよい。
また、本発明の投影露光装置は、露光用マスクのパターンを被露光物へ転写する投影光学系と、前記露光用マスクを照明する露光用照明系と、前記投影光学系の波面収差を測定するための本発明の何れかの波面収差測定装置とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の投影光学系の製造方法は、本発明の何れかの波面収差測定装置を用いて投影光学系の波面収差を測定する手順と、前記測定の結果に応じて前記投影光学系を調整する手順とを含むことを特徴とする。
また、本発明によれば、投影光学系の波面収差の情報を確実に取得することのできる投影露光装置が実現する。
また、本発明によれば、高性能な投影光学系を確実に製造することのできる投影光学系の製造方法が実現する。
第1実施形態を説明する。本実施形態は、波面収差測定機能を搭載したEUVL用の投影露光装置の実施形態である。波面収差測定は、例えば、投影露光装置の稼働時の適当なタイミングで行われる。
図1は、本装置の概略構成図である。
測定用反射型マスク20は、例えば、露光用反射型マスク20Eと共にマスクステージ12によって支持されており、測定時にのみ本装置の光路(投影光学系TOの物体面)へ挿入される。図1では、測定時の様子を示した。
CCD撮像素子17は、例えば、ウエハ18と共にウエハステージ19によって支持されており、測定時にのみ本装置の光路(像面及び回折格子Gよりも後側)へ挿入される。
不図示のコンピュータは、シア方向をX方向に設定して検出した干渉縞Fの画像データに基づき、その干渉縞Fに対応する波面(X方向のシア波面)の形状を求める。それには、位相シフト法やフーリエ変換法などが適用される。因みに、位相シフト法を適用する場合は、回折格子Gをシア方向(X方向)へ微動させるなどして干渉縞Fの位相をシフトさせつつ、干渉縞Fの画像データを複数フレーム分取得しておけばよい。
さらに、X方向のシア波面とY方向のシア波面とに基づき、コンピュータは、投影光学系TOの波面収差を求める。その際には、差分ツェルニケフィッティングや積分法などが適用される。
Lg=(Pg2/λ)×N …(1)
この式(1)は、Talbot条件とも呼ばれており、回折格子Gのフーリエ像をCCD撮像素子17上に形成するための条件式である。なお、式(1)では、回折格子GからCCD撮像素子17までの距離は、Lgと比較して十分に長いと見なした。このTalbot条件の詳細は、「応用光学1(鶴田)」(p178-181,培風館,1990年)に記載されている。
仮に、この式(1)が満たされず、回折格子Gの配置面が像面に一致していた場合(Lg=0)には、干渉縞Fのパターンがぼんやりしたワンカラーになってしまうので、上述したフーリエ変換法の適用は不可能となり、位相シフト法しか適用できない。
したがって、実際は、式(1)の代わりに、以下の式(2)が満たされていれば十分である。
なお、式(1),(2)中の整数Nは、正数、負数の何れをもとりうる。つまり、回折格子Gは、像面よりも後側(CCD撮像素子17の側)に配置されてもよいし、像面よりも前側(投影光学系TOの側)に配置されてもよい。
次に、測定用反射型マスク20の開口パターンを説明する。
図2(a)に示すとおり、開口パターンは、非シア方向(Y方向)へ向けて線状に並ぶドット群Dからなる。なお、図2(a)では、実際よりもドット数を少なく表している。
また、この開口パターンと共に使用される格子線パターン(シア方向をX方向にするための格子線パターン)は、図2(b)の左側に示すとおり、その格子線を非シア方向(Y方向)に一致させている。なお、図2では、実際よりも格子線数を少なく表している。
しかも、ドット群Dは、スリットとは異なり、非シア方向(Y方向)にも光を回折するするので、たとえマスク上の照明シグマ値が小さくとも、投影光学系TOの瞳全体を測定光束で満たすことができる。よって、必要な情報の全てが干渉縞Fに反映される。
以上、本装置によれば、光源がLPPやDPPなどの低輝度光源であるにも拘わらず、投影光学系TOの波面収差の情報を確実に取得することができる。
第2実施形態を説明する。ここでは、第1実施形態との相違点のみ説明する。相違点は、測定用反射型マスク20の開口パターンにある。シア方向がX方向であるときの開口パターンと、シア方向がY方向であるときの開口パターンとは配置方向が90°異なるだけなので、ここでは、前者のみを説明する。
図3に示すように、この開口パターンは、非シア方向(Y方向)へ向けて線状に並ぶドット群Dを、複数個、シア方向(X方向)へ間隙をおいて周期配置したものである。
ドット群Dの配置ピッチPdは、マスク上の可干渉距離よりも十分に大きい。よって、複数のドット群Dが個別に形成する各干渉縞は、CCD撮像素子17上でインコヒーレントに重なり合う。
Pd=(1/M)×Pg…(3)
例えば、回折格子Gの格子ピッチPg=1μm,投影光学系TOの倍率M=1/4であるとき、配置ピッチPd=4μmに設定すればよい。
但し、正確には、複数のドット群Dが個別に形成する各干渉縞の位相は、若干だけずれている。その若干のずれを完全に抑えるためには、式(3)に代えて以下の式(4)を用いればよい。
但し、Lgは、図4に示すとおり、投影光学系TOの像面から回折格子Gまでの変位であり、Lcは、投影光学系TOの像面からCCD撮像素子17までの変位である。因みに、回折格子Gが像面よりも後側に配置されたときには、(Lg/Lc)は正の値となり、回折格子Gが像面よりも前側に配置されたときには、(Lg/Lc)は負の値となる。
ここで、本実施形態では、式(3)又は式(4)が満たされるので、複数のドット群Dの像の配置ピッチは、格子ピッチPgと略一致する。
このため、仮に、本実施形態において式(2)が満たされずに、回折格子Gの配置面が像面に一致していた(つまりLg=0であった)場合には、ドット群Dの像の明部暗部に回折格子Gの格子が略同周期で重なってしまう。その場合、干渉縞Fのパターンがワンカラーになるだけでなく、微小な像変位に伴い干渉縞Fのカラー(明るさ)が大きく変化するので、干渉縞Fのパターンが不安定になってしまう。
[第3実施形態]
第3実施形態を説明する。ここでは、第2実施形態との相違点のみ説明する。相違点は、測定用反射型マスク20の開口パターンにある。シア方向がX方向であるときの開口パターンと、シア方向がY方向であるときの開口パターンとは、配置方向が90°異なるだけなので、ここでは、前者のみを説明する。
図5に示すように、本実施形態の開口パターンは、非シア方向(Y方向)に長い帯状に並ぶドット群Dを、複数個、シア方向(X方向)へ間隙をおいて周期配置したものである。ドット群Dの配置ピッチPdは、式(3)又は式(4)を満たす。
例えば、ドット群Dの配置ピッチPd=4μm、ドット径φ=100nm、ドット群D内で隣接するドット同士の中心間隔200nm、ドット群Dのシア方向の幅W=2μmに設定する。このとき、ドット群D内のシア方向(X方向)のドット数を、約10個に増やすことができる。仮に、領域Eの幅を200μmとすると、領域E内に、10×1000=10000個のドットからなるドット群Dを、50周期配置することができる。このとき、領域E内のドットの総数は、50万個となる。
ここで、本実施形態で干渉縞Fのコントラストが低下する理由は、次のとおりである。すなわち、式(3)又は式(4)を満たすような配置ピッチPdで配置された複数ドットが成す干渉縞同士は、位相が一致するが、その配置ピッチPdからずれた配置ピッチで配置された複数ドットが成す干渉縞同士は、位相はずれる。しかも、配置ピッチのずれが大きいほど、位相のずれも大きくなる。
図6は、配置ピッチPdに対する幅Wの比(デューティー比R=W/Pd)と、干渉縞強度との関係を示す図である。図6には、デューティー比R=0%,25%,50%,75%の4つの場合の干渉縞強度を示した。なお、ここでは、回折格子Gで発生した2次以降の次数の回折光を無視した。
したがって、ドット群Dのシア方向の幅Wは、デューティー比R=W/Pdが0%〜80%の範囲に収まるように選定されればよい。つまり、ドット群Dのシア方向の幅W、配置ピッチPdは、少なくとも以下の式(5)を満たす。
[第4実施形態]
第4実施形態を説明する。ここでは、第3実施形態(図5参照)との相違点のみ説明する。相違点は、シア方向をX方向に設定したときの干渉縞と、シア方向をY方向に設定したときの干渉縞とを同時に検出する点にある。そのため、本実施形態では、測定用反射型マスク20の開口パターンと、回折格子Gの格子線パターンとが、それぞれ二次元のパターンとなっている。
図7に示すとおり、本実施形態の開口パターンは、方形状に並ぶドット群Dを、複数個、2つのシア方向(X方向及びY方向)へ間隙をおいて周期配置したものである。
この開口パターンと共に使用される格子線パターン(シア方向をX方向及びY方向にするための格子線パターンである。)は、図8に示すとおり、その格子線を2つのシア方向(X方向及びY方向)に一致させたグリッド状のパターンである。
また、ドット群Dの他方のシア方向(Y方向)の配置ピッチPdYと、格子パターンの同方向(Y方向)の格子ピッチPgYとは、第3実施形態におけるPd,Pgと同様の条件を満たす。
また、ドット群Dの他方のシア方向(Y方向)の幅WYと、配置ピッチPdYとは、第3実施形態におけるW,Pdと同様の条件を満たす。
因みに、X方向のシア比とY方向のシア比とを同じにした方がコンピュータの演算負荷を抑えることができるので、PgX=PgYであることが望ましい。このとき、PdX=PdY,WX=WYである。
なお、図9に示すとおり、各ドット群Dの配置方向を45°回転させて、ドット群Dの形成領域を市松状にしてもよい。その場合、例えば、図10に示すようにドット数を増やすこともできるので、光量の増大に有利である。
上述した各実施形態において、ドット群内で隣接するドット同士の中心間隔について説明する。
先ず、ドット群内で隣接するドット同士の中心間隔は、なるべく狭い方が多数配置することができるので光量的に有利だが、狭すぎると、隣接するドット同士が干渉して、スペックルや低周波数の濃淡(ノイズ)が干渉縞に重畳する可能性がある。
したがって、ドット群内で非シア方向に隣接するドット同士の中心間隔は、なるべく狭い(つまりドット径に近い)ことが望ましく、ドット群内でシア方向に隣接するドット同士の中心間隔は、可干渉性が低くなるような適切な距離に設定されることが望ましい。
図11の曲線を大まかに見ると、2点間距離が広くなるに従って可干渉度は低下するが、曲線を詳細に見ると、たとえ2点間距離が狭くとも可干渉度がゼロとなる可能性のあることがわかる。図11では、距離が164nm,302nmであるときに、可干渉度が極小となっている。
さて、一般の条件下では、この曲線は、1次第1種ベッセル関数と、測定波長λ、照明光学系の開口数NA’、照明シグマ値σとによって表される。1次第1種ベッセル関数J1(X)の零点を、X0(=3.732,7.06,10.174,…)とおくと、この曲線が極小をとるのは、距離=X0/(2π)×λ/σNA’のときである。
L={X0/(2π)}×{λ/(σ×NA’)}…(6)
特に、小さい方の零点(X0=3.732,又はX0=7.06)によって与えられる値にLを設定すれば、スペックルや低周波数のノイズを防ぎながら、ドットの配置密度を高めることができる。
先ず、第1実施形態(図2)、第2実施形態(図3)は、シア方向をX方向に設定したときの干渉縞と、シア方向をY方向に設定したときの干渉縞とを別々に検出するものであり、ドット群Dは、複数のドットを非シア方向にしか配列していなかった。
したがって、第1実施形態(図2)、第2実施形態(図3)では、ドット群内で隣接するドット同士の中心間隔Lを、ドット径φと同程度の狭い距離(100nm〜150nm)に設定してもよい。但し、現実には、ドット同士が接触すると、互いに隣接するドット間において光の漏れ込みが生じ、独立に回折波を生起させることができないので、ドット群内で隣接するドット同士の中心間隔Lは、ドット径φよりも若干大きめの120〜150nmとするのが望ましい。
したがって、第3実施形態(図5)では、ドット群内でシア方向に隣接するドット同士の中心間隔Lを、干渉度がゼロとなるような距離(164nm)に設定し、ドット群内で非シア方向に隣接するドット同士の中心間隔Lを、ドット径φと同程度の狭い距離(100nm〜150nm)に設定すればよい(但し、現実には、ドット径φよりも若干大きめの120〜150nmとするのが望ましい。)。このようなドットの配列の一例を、図12に示した。
したがって、第4実施形態(図7,図9,図10)では、ドット群内で2つのシア方向(X方向及びY方向)に隣接するドット同士の中心間隔Lを、それぞれ干渉度がゼロとなる距離164nmに設定すればよい。このようなドット配列の一例を、図13に示した。因みに、図13では、ドットの配列を三角格子状にしてある。この配列によると、設計を容易にし、かつドット数を稼ぐことができる。
上述した各実施形態におけるドット径について補足する。
説明では、ドット径φがφ<λ/(2NA)/Mの式を満たしたが、被検光学系TOの瞳全体が測定光束で満たされる範囲であれば、大きめに設定することもできる。
例えば、投影光学系TOの物体側開口数NA=0.0625、照明シグマ値σ=0.8の場合、0.0625×0.2=0.0125程度に波面が広がっていれば瞳全体が満たされるので、ドット径φを或る程度大きくすることも可能である。
よって、瞳全体を満たし、かつ波面の乱れを防ぐためには、ドット径φは、φ=150〜200nm程度であることが望ましい。例えば、図13に示した配置パターンを採用し、φ=100nm→φ=150nmにすれば、波面の乱れを抑えつつ干渉縞Fの光量を2倍にすることができる。
なお、以上の各図では、ドット群D内のドット配列を規則的にしたが、ランダムであっても構わない。
また、以上の各実施形態では、反射型マスクを用いたが、同様の開口パターンを有した透過型マスクを利用することもできる(反射型マスクの開口は、光を反射する反射面からなるのに対し、透過型マスクの開口は、光を透過する透過面からなる。)。
また、以上の各実施形態では、EUVL用の投影露光装置を説明したが、露光波長の異なる他の投影露光装置に変形することもできる。
図14には、空間コヒーレンスの低い光源X0と、集光ミラーM1と、透過型マスクM’とを用いた波面収差測定装置を示した。光源X0には、被検光学系TOの使用波長に応じて適切な光源が用いられる。例えば、使用光がEUV光の場合、LPPやDPPを用いることが可能であり、使用波長が可視域〜紫外域である場合、ハロゲンランプを用いることも可能である。
また、第2実施形態(図3)、第3実施形態(図5)、第4実施形態(図7,図9,図10)では、配置ピッチPdに対する条件式として、式(3)を用いたが、式(3)の代わりに、以下の式(7)を用いてもよい。
因みに、その場合、CCD撮像素子17上では、0次回折光と+1次回折光とによる干渉縞と、0次回折光と−1次回折光とによる干渉縞とは打ち消され、+1次回折光と−1次回折光とによる干渉縞が現れる。
また、以上の各実施形態では、波面収差の情報を含む光同士が成す干渉縞(シアリング干渉縞)を検出する波面収差測定を説明したが、波面収差の情報を含む光と、波面収差の情報を含まない光とが成す干渉縞(点回折干渉縞)を検出する波面収差測定にも、本発明は適用可能である。その場合、回折格子とCCD撮像素子との間に、一部の回折光を理想球面波へ変換するマスク(ドットマスク)を挿入すればよい。
第5実施形態を説明する。本実施形態は、投影光学系の製造方法の実施形態である。
図15は、投影光学系の製造方法の手順を示すフローチャートである。
先ず、投影光学系の光学設計をする(ステップS101)。ここで設計されるのは、例えば、図1中に符号TOで示すようなEUVL用の投影光学系である。このステップS101において、投影光学系内の各光学部材(ミラー)の各面形状が決定される。
その後、全ての光学部材の面精度誤差が許容範囲内に収まると(ステップS104OK)光学部材を完成させ、それら光学部材によって投影光学系を組み立てる(ステップS105)。
このように、ステップS106における測定で上述した波面収差測定装置を利用すれば、投影光学系の波面収差を確実に測定することができるので、高性能な投影光学系を確実に製造することができる。
測定波長λ=13.5nm,
照明光学系の開口数NA’=0.0625,
投影光学系の開口数NA=0.25,
投影光学系の倍率M=1/4,
照明シグマ値σ=0.8,
領域Eの幅=400μm,
回折格子の格子ピッチPg=1μm,
シア比=(λ/Pg)/(2NA)=1/37,
ドット径φ=100nm,
ドット群の配置ピッチPd=4μm,
ドット群内でシア方向に隣接するドット同士の中心間隔L=164nm,
ドット群内で非シア方向に隣接するドット同士の中心間隔L=120nm,
このうち、ドット径φは、φ<λ/(2NA)/Mの式を満たしているので、個々のドットは理想球面波を生成することが可能である。
また、ドット群の配置ピッチPd,回折格子の格子ピッチPgは、式(3)を満たすので、干渉縞のコントラストを高く保つことができる。
なお、図16において、
Nzone=ドット群の数,
Nd=ドット群内のドット数,
Ntot=ドット総数=Nzone×Nd,
である。因みに、図3,図5ではNzone=領域Eの幅/Pdであり、図7,図9ではNzone=(領域Eの幅/Pd)2である。この図16から明らかなとおり、単一開口を使用した場合の33万〜340万倍もの光量増大が可能である。
Claims (11)
- 被検光学系の測定対象物点に点光源群生成用の微小開口群を配置するマスクと、
前記マスクを照明光で照明する照明系と、
前記微小開口群から射出し前記被検光学系を通過した光束を、複数にシアする回折格子と、
前記シアされた複数の光束同士が成す干渉縞を検出する検出部とを備え、
前記被検光学系の後側焦点面から前記回折格子までの変位Lg、前記回折格子の格子ピッチPg、前記照明光の波長λは、任意の整数Nに対し、
(Pg2/λ)×(N−0.2)≦Lg≦(Pg2/λ)×(N+0.2)
の式を満たすことを特徴とする波面収差測定装置。 - 請求項1に記載の波面収差測定装置において、
前記マスクは、
前記測定対象物点に、複数の前記微小開口群を周期配置する
ことを特徴とする波面収差測定装置。 - 請求項2に記載の波面収差測定装置において、
前記複数の微小開口群のシア方向の配置ピッチPd、前記回折格子の格子ピッチPg、前記被検光学系の倍率Mは、
Pd=(1/M)×Pg
の式を満たすことを特徴とする波面収差測定装置。 - 請求項2に記載の波面収差測定装置において、
前記複数の微小開口群のシア方向の配置ピッチPd、前記回折格子の格子ピッチPg、前記被検光学系の倍率M、前記後側焦点面から前記回折格子までの変位Lg、前記後側焦点面から前記検出部までの変位Lcは、
Pd=(1/M)×{Pg/(1−Lg/Lc)}
の式を満たすことを特徴とする波面収差測定装置。 - 請求項2〜請求項4の何れか一項に記載の波面収差測定装置において、
前記複数の微小開口群のシア方向の配置ピッチPd、前記微小開口群の前記シア方向の幅Wは、
W/Pd<0.8
の式を満たすことを特徴とする波面収差測定装置。 - 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の波面収差測定装置において、
前記微小開口群内でシア方向に隣接する微小開口同士の中心間隔L、前記照明系の開口数NA’、前記マスクの照明シグマ値σ、前記照明光の波長λは、1次第1種ベッセル関数の零点X0に対し、
L={X0/(2π)}×{λ/(σ×NA’)}
の式を満たすことを特徴とする波面収差測定装置。 - 請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の波面収差測定装置において、
前記照明光の波長λは、
11nm<λ<14nm
の式を満たすことを特徴とする波面収差測定装置。 - 請求項7に記載の波面収差測定装置において、
前記照明系の光源は、
レーザプラズマ光源又は放電プラズマ光源である
ことを特徴とする波面収差測定装置。 - 露光用マスクのパターンを被露光物へ転写する投影光学系と、
前記露光用マスクを照明する露光用照明系と、
前記投影光学系の波面収差を測定するための請求項1〜請求項8の何れか一項に記載の波面収差測定装置と
を備えたことを特徴とする投影露光装置。 - 請求項9に記載の投影露光装置において、
前記露光用照明系の少なくとも一部は、
前記波面収差測定装置の前記照明系に兼用される
ことを特徴とする投影露光装置。 - 請求項1〜請求項8の何れか一項に記載の波面収差測定装置を用いて投影光学系の波面収差を測定する手順と、
前記測定の結果に応じて前記投影光学系を調整する手順と
を含むことを特徴とする投影光学系の製造方法。
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