JP2007050835A - エアバッグシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両を軽量化できるエアバッグシステムの提供。
【解決手段】 自動車が衝突して衝撃を受けたとき、コントロールユニットからの作動信号を受け、ガス発生器103から膨張ガスが発生して、導管105からバルブ104に送られる。バルブ104では、導管106a(運転席側)と導管106b(助手席側)のいずれかの流路のみ開放されているため、ガス流は、モジュールケース102a、102bのいずれかに収容されたエアバッグのみ(側面衝突された方のエアバッグ)を膨張させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数のエアバッグの少なくとも1つを選択的に膨張展開させることができるエアバッグシステムに関する。
車両の側面などから衝撃を受けた際に、乗員をその衝撃から保護するために、車両の両側に側面衝突から乗員を保護する側面衝突用のエアバッグを展開させる技術が知られている。側面衝突用エアバッグは基本的には左右対称のエアバッグであるが、左右各々のエアバッグにそれぞれガス発生器が取り付けられるものである。例えば、特許文献1に記載の技術では、車両の両側に1つずつのエアバッグ14が取り付けられ、それを膨張させるためのインフレータ12が1つずつ配置されている。
US2002−0180194
特許文献1の技術の場合、複数のガス発生器を用いる必要があり、不要な席(空席)のエアバッグまで展開することになる。このため、必要なときに必要なエアバッグを展開するほうが効率的であり、システム全体を軽量化させることができる。
本発明は、単一のガス発生器に対して複数のエアバッグを取り付け、膨張が必要なエアバッグを選択し、それに対してガスを供給することで、乗員を保護すると共にシステム全体を軽量化できるエアバッグシステムを提供することを課題とする。
本発明は、課題の解決手段として、
衝撃を受けたときに膨張ガスを発生させる1つのガス発生器と、前記ガス発生器から発生した膨張ガスにより膨張される複数のエアバッグを有しており、前記複数のエアバッグの少なくとも1つに膨張ガスを供給して選択的に膨張させるエアバッグシステムを提供する。
単一のガス発生器により複数のエアバッグを選択的に膨張させることにより、乗員を保護すると共に、エアバッグシステム全体を簡素化・軽量化できる。
本発明は、課題の解決手段として、
衝撃を受けたときに膨張ガスを発生させる1つのガス発生器と、
前記ガス発生器から発生した膨張ガスにより膨張される複数のエアバッグと、
前記ガス発生器と前記エアバッグとを接続する2以上に分岐された導管と、
前記導管の分岐部に配置されたバルブを有しており、
前記バルブが、前記ガス発生器から発生した膨張ガスを、前記複数のエアバッグの少なくとも1つに選択的に流すものである、エアバッグシステムを提供する。
ガス発生器は、ガス発生剤の燃焼により発生するガスを膨張ガスとして利用するもの(パイロ式インフレータ)、アルゴン、ヘリウム等の加圧ガスを膨張ガスとして利用するもの(ストアード式インフレータ)、前記した両方を膨張ガスとして利用するもの(ハイブリッド式インフレータ)のいずれでもよい。
バルブは、ガス発生器から導管(例えば、アルミニウム製のパイプ)を通って供給される膨張ガスの流れ方向を選択するためのものであり、車両が衝突したとき、衝突部分に設置されたエアバッグにのみ膨張ガスを供給するように作用する。例えば、車両の右側面(通常は運転席側)に他の車両が衝突したり、右側面から建物等に衝突したりした場合、車両の右側面に設定されたエアバッグ(側面衝突用エアバッグ)のみを膨張させて、より強い衝撃を受ける乗員(車両右側に座っている乗員。以下、本発明では「運転席側」という。)を保護する。逆に左側面に衝撃を受けた場合には、左側面(車両左側に座っている乗員。以下、本発明では「助手席側」という。)のエアバッグのみを膨張させる。
本発明は、課題の他の解決手段として、
前記バルブが、少なくとも1つのガス入口と2以上のガス出口を有し、前記ガス入口から前記2以上のガス出口への複数のガス流経路を選択的に開閉して、前記複数のエアバッグの少なくとも1つに選択的にガスを流すことができるものであり、前記開閉操作の作動手段として電気式点火器を有している、請求項2記載のエアバッグシステムを提供する。
本発明でいう「ガス入口又は出口の開閉」は、ガス出入口そのものを閉塞したり開放したりする場合と、ガス出入口にガスが流れる経路を遮断したり開放したりする場合を含む。
電気式点火器としては、エアバッグ用ガス発生器にて汎用されている公知の電気式点火器を用いることができる。この電気式点火器は、エアバッグシステムのコントロールユニットからの作動信号を受けた場合、1msec程度で作動するため、瞬間的にガスの流れ方向を制御して、選択的にエアバッグを膨張させることができる。
例えば、1つのガス入口Aと2つのガス出口B、Cがある場合、入口A→出口Bの流れ(通常は、運転席方向へのガスの流れ。助手席には乗員がいない場合がある。)を開放しておき、運転席側に側面衝突した場合には運転席側のエアバッグを膨張させ、助手席側に側面衝突した場合には、入口A→出口Bの経路を閉塞して、入口A→出口Cの経路(助手席方向へのガスの流れ)を開放して、助手席側のエアバッグを膨張させる。
本発明は、課題の他の解決手段として、
前記バルブが、2又は3以上のガス出入口を有するシリンダと、前記シリンダ内を移動可能なように取り付けられたピストンと、前記シリンダ内に配置された1又は2以上の点火手段を有しており、
作動前において、前記2又は3以上のガス出入口の全てが開放されているか、又は少なくとも1つがピストンにより閉塞されており、
前記点火手段の作動に伴い、前記ピストンが前記シリンダ内を移動することにより、前記2又は3以上のガス出入口のうちの少なくとも1つが閉塞されるものである、請求項2又は3記載のエアバッグシステムを提供する。
このようなバルブ(パイロ式バルブ)は、ピストンの移動により、シリンダに設けられたガス出入口を開閉することにより、気体や液体等のガスの流量や流れ方向を瞬時に制御できるものである。パイロ式バルブでは、前記制御は1回に限りなされる。シリンダ及びピストンは、アルミニウム、ステンレス等の金属製であることが好ましい。
シリンダに設けられた2又は3以上のガス出入口は、それぞれがガス入口又はガス出口となり、ガス入口からガス出口に向かってガスが流れるようにされている。ガス入口又はガス出口の設定は、適用するエアバッグシステムに応じて適宜行われ、ガス発生器及びエアバッグに接続する導管に接続される。
点火手段は、作動により、主として衝撃波を生じたり、主としてガスを発生させたりする電気式点火器を用いる。電気式点火器を用いることにより、電磁バルブのようにソレノイドコイルを用いる必要がなくなるため、電磁バルブと比べると、バルブ全体を小型軽量化することができる。また、電気式点火器は、電流の印加後、1msec程度で作動するものであるため、ガスの流量や流れ方向を瞬時に制御する場合に好適である。
電子式点火器が主として衝撃波を発生させるものである場合、ピストンは前記衝撃波を受けて移動し、電子式点火器が主としてガスを発生させるものである場合、発生したガスによりシリンダ内の圧力を高め、この圧力を受けてピストンが移動する。
電子式点火器が主として衝撃波を発生させるものである場合は、ピストンに対向配置(好ましくは正対配置)して、衝撃波の進行方向にピストン表面が存在するようにすることが望ましい。電子式点火器が主としてガスを発生させるものである場合には対向配置する必要はなく、例えば、ピストンと電気式点火器が同一空間内に位置するようにすればよい。
シリンダが有する2又は3以上のガス出入口の少なくとも1つが閉塞されるとき、ガス出入口を完全に閉塞することより、ガスの流れを遮断したり、ガスの流れを遮断して流れ方向を制御したりすることができる。
例えば、A、B、Cの3つのガス出入口があり、ガス入口A→ガス出口Bの流れ及びガス入口A→ガス出口Cの流れの2つがあるとき、ガス出口Bを閉塞することにより、ガスの流れをA→Cのみにすることができる。
また、上記例において、作動前、ピストンによりガス出口Bが閉塞され、A→Cのみの流れが存在するとき、ピストンの移動により、ガス出口Cを閉塞し、ガス出口Bを開放することにより、ガスの流れをA→Bに変更することができる。
本発明は、課題の他の解決手段として、
衝撃を受けたときに膨張ガスを発生させるもので、分離して配置された複数箇所のガス排出口を有する1つのガス発生器と、
前記ガス発生器から発生した膨張ガスにより膨張される複数のエアバッグと、
前記ガス発生器と前記エアバッグとを接続する複数の導管を有しており、
前記ガス発生器の複数箇所のガス排出口が互いに等しい開口面積を有し、前記複数のエアバッグの少なくとも1つに選択的に膨張ガスを流すものである、エアバッグシステムを提供する。
例えば、外形が筒状で、両端にガス排出口を有するガス発生器を用い、両端のガス排出口を別々のエアバッグ導入口に接続した場合、いずれか一方からのみガスが排出されるように設定すれば、いずれか一方のエアバッグのみが膨張される。
より具体的には、筒状のストアードガス式のインフレータを用い、内部の高圧ガス室と、両端のガス排出口との間を破裂板(それぞれ電気式点火器が正対配置されている)で閉塞しておき、いずれか一方の電気式点火器を作動させ、いずれか一方の破裂板を破壊すると、いずれか一方のエアバッグのみが膨張される。このとき、ガス発生器内に充填されるガス量は、いずれか一方のエアバッグを展開させるに充分な量が充填されていればよい。
なお、本発明では、ストアードガス式のインフレータを中心に説明するが、本発明が適用されるインフレータの種類は特に限定されず、パイロ式やハイブリッド式のインフレータでもよい。
本発明のエアバッグシステムは、車両に設置される各種エアバッグに適用することができるが、特に車両の両側面に膨張展開するように配置される側面衝突保護用のエアバッグとして適している。
本発明は、1つのガス発生器により、複数のエアバッグの内の少なくとも1つを選択的に膨張させることで、車両の衝突時において乗員を保護すると共に、エアバッグシステム全体として軽量化することにより、車両の軽量化にも寄与するものである。
本発明を図面に基づいて説明する。図1は、本発明のエアバッグシステム(側面衝突保護用のエアバッグシステム)の概略斜視図(なお、センサやコントロールユニット等は図示していない)である。
図1に示すように、エアバッグシステム100の一部は、車両の天井部101に車両内外からは視認できない状態にて設置されている。
1つのガス発生器103は天井部101の中央部付近に固定されており、ガス発生器103のガス排出口と導管(アルミニウム製のパイプ)105の一端部が接続されている。導管105は、途中から導管106a、106bの2方向に分岐しており、分岐部分にはバルブ104が配置されている。
導管105の他端部は、バルブ104のガス入口に接続され、導管106a、106bの一端部は、それぞれバルブの2つのガス出口に接続されている。
導管106a、106bの他端部は、天井部101の両側に設置されたモジュールケース102a、102b内に収容されたエアバッグのガス導入口に接続されている。
次に、図1により、エアバッグシステム100の動作について説明する。自動車が衝突して衝撃を受けたとき、コントロールユニットからの作動信号を受け、ガス発生器103から膨張ガスが発生して、導管105からバルブ104に送られる。このとき、コントロールユニットからの作動信号により、バルブ104では、導管106a(運転席側)と導管106b(助手席側)のいずれか一方のガス流路のみが開放されている。このため、ガス流は、モジュールケース102aとモジュールケース102bのいずれか一方に収容されたエアバッグのみ(側面衝突された方のエアバッグ)を膨張され、他方のエアバッグは膨張されない。
例えば、バルブ104内では、通常、ガスの流れが運転席側のモジュールケースのみに供給されるようにしておく。運転席側から衝突したときは、バルブ104は切り換えず、助手席側から衝突したときだけ、バルブ104を作動させ、助手席側のエアバッグへガスが供給されるようにする。よって、インフレータ103で発生するガス量(或いはインフレータ103に充填されるガス量)は、モジュールケース102aとモジュールケース102bのいずれか1つのエアバッグを展開できる量であればよい。
特に側面衝突では、衝突される側に位置する乗員は、車両の側面構造物に接触し易いため、このようにすることで、より強い衝撃を受ける乗員を保護すると共に、ガス発生器を1つにすることができるため、2つのガス発生器を用いた場合に比べると、エアバッグシステム全体を軽量化することができる。
ガス発生器103は公知のものを用いることができる。バルブ103は特に制限されないが、例えば、図2に示すパイロ式バルブ200又は図3に示すパイロ式バルブ300を用いることができる。
(1)図2のパイロ式バルブを用いたエアバッグシステム
図2は、本発明のエアバッグシステムに使用するバルブの縦断面図である。シリンダは、シリンダ201、202、203の3つの部分からなるもので、1つのガス入口208と、2つのガス出口209a、209bを有しており、作動前は、ガス入口208からガス出口209aへの流路が確保されている。エアバッグシステム100の導管105はガス入口208に接続され、導管106aはガス出口209aに接続され、導管106bはガス出口209bに接続される。
シリンダの残余の開口部には、電気式点火器204が嵌め込まれている。電気式点火器204は、シリンダ201の開口部周縁211をかしめることで固定されている。
シリンダ内には、ガス入口208を開放状態に維持するため、一部が切り欠かれた厚みのある平板状のピストン207が図中の矢印方向に移動可能なように取り付けられている。ピストン207の端面207aは、電気式点火器204の着火部205に正対配置されている。
ピストン207の外径(最大部分の外径)は、シリンダ201の内径及びシリンダ201とシリンダ202間の内径よりも僅かに小さくなるように設定されている。シリンダ201の内壁面201aとピストン207の間には間隙が設けられている。
ピストン207には、棒状部の先端に球が形成された合成樹脂製のピン206が取り付けられている。ピン206の棒状部の一部と先端の球は、シリンダ201に形成された同形状の孔の中に嵌め込まれている。ピン206と孔の組み合わせが、作動前における移動防止手段となる。このようにピン206がシリンダ201の内部に嵌め込まれているため、電気式点火器204の作動前、ピストン207が軸方向に移動することがない。
シリンダ内壁面203a付近の内径は、ピストン207の外径よりも僅かに小さくなるように設定されている(作動後におけるシリンダの再移動防止手段)。
次に、図1、図2により、図1のエアバッグシステム100のバルブ104としてパイロ式バルブ200を用いた場合の動作を説明する。
自動車が助手席側から衝突して衝撃を受けたとき、コントロールユニットからの作動信号を受け、ガス発生器103から膨張ガスが発生して、導管105からバルブ200のガス入口208に送られる。
ガス発生器103の作動と同時にバルブ200では、コントロールユニットからの作動信号により、電気式点火器204が作動して着火部205から衝撃波が発生し、ピストン207の端面207aに衝突する。この衝撃を受けて、ピストン207が矢印方向に移動するが、このときピン206は、ピストン207の移動に伴う力を受けて容易に折れるため、ピストン207の移動を阻害することはない。
そして、ピストン207は、シリンダ内壁面203aに衝突して停止する(破線で示す207’の位置で停止する)。このとき、再移動防止手段の作用により、ピストン207はシリンダ203内に嵌り込んだ状態となり、再移動が防止される。
このようにしてピストン207が移動することにより、ガス出口209aが閉塞され、ガス出口209bが開放されるため、ガス入口208からガス出口209aへの流れが停止され、代わってガス入口208からガス出口209bへの流れが生じる。よって、ガス出口209bに接続された導管106bにのみにガスが流れ、モジュールケース102b内のエアバッグ(助手席側のエアバッグ)のみが膨張される。
なお、図2のバルブは、車両右側から衝撃を受けたときは、電気式点火器204は作動せず、ガス入口208からガス出口209aのガス流路は維持されたままである。
(2)図3のパイロ式バルブを用いたエアバッグシステム
図3は、本発明のエアバッグシステムに使用するバルブの縦断面図である。シリンダ301は筒状のもので、1つのガス入口308と、2つのガス出口309a、309bを有しており、作動前は、ガス入口308からガス出口309aへの流路が確保されている。エアバッグシステム100の導管105はガス入口308に接続され、導管106aはガス出口309aに接続され、導管106bはガス出口309bに接続される。
シリンダ301の残余の開口部には、電気式点火器304が嵌め込まれている。電気式点火器304は、シリンダ301の開口部周縁311をかしめることで固定されている。ピストン302の端面302aは、電気式点火器304の着火部305に正対配置されている。
シリンダ301内には、ピストン302と、ピストン302と一体となったピストンロッド303が軸方向に移動可能なように取り付けられている。ピストン302の外径は、シリンダ301の内径よりも僅かに小さくなるように設定されている。ピストンロッド303の外径は、ピストン302の外径よりも小さく、ピストンロッド303とシリンダ301との間には、環状空間306が形成されている。この環状空間306が、ガス入口308からガス出口309aへの流路を形成している。
ピストン302には、周方向に連続した環状溝312が形成されており、環状溝312にはシール部材(Oリング)313が嵌め込まれている。このシール部材313の作用により、ガス入口308からガス出口309aに流れるガスの一部がガス出口309bに漏れることが防止される。
ピストン302の端面302aは、シリンダ301の内表面に設けられた段差部307に当接されている。段差部307から電気式点火器304にかけての筒状空間314の内径はピストン302の外径よりも小さいため、作動前において、ピストン302が電気式点火器304側に移動することが防止される。
ピストンロッド303の先端部分は、シリンダ301の端面(電気式点火器304が設置された端面とは反対側の端面)に設けられた孔315に挿入されており、ロッド押さえ316により、先端面303aが押さえられることで、作動前の軸方向への移動が防止されている(作動前の移動防止手段)。なお、シール部材313は、摩擦力により、ロッド押さえ316によるピストン302及びピストンロッド303の移動防止作用を補助するようにも作用する。
ピストンロッド303の外径は均一ではなく、ピストン302に隣接するロッド基部(図3中の網掛け表示部分)303bは、ピストン302に向かって拡大するようなテーパーが付けられており、その最大外径は孔315の内径よりも僅かに大きくなるように設定されている(作動後におけるシリンダの再移動防止手段)。前記ロッド基部303bを除くピストンロッド303の外径は、孔315の内径よりも僅かに小さくなるように設定されている。
次に、図1、図3により、エアバッグシステム100のバルブ104としてパイロ式バルブ300を用いた場合の動作を説明する。
自動車が助手席側から衝突して衝撃を受けたとき、コントロールユニットからの作動信号を受け、ガス発生器103から膨張ガスが発生して、導管105からバルブ300のガス入口308に送られる。
ガス発生器103の作動と同時にバルブ300では、コントロールユニットからの作動信号により、電気式点火器304が作動して着火部305から衝撃波が発生し、ピストン302の端面302aに衝突する。この衝撃を受けて、ピストン302及びピストンロッド303が軸方向に移動するが、このときロッド押さえ316は、ピストンロッド303の移動に伴う力を受けて容易に破壊されるため、ピストン302及びピストンロッド303の移動を阻害することはない。
そして、ピストン302は、その肩部302bがシリンダ301の内壁面301aに衝突して停止する。このとき、ロッド基部303bが孔315内に位置するから、上記した再移動防止手段の作用により、ピストンロッド303は孔315に嵌り込んだ状態となり、ピストン302及びピストンロッド303再移動が防止される。
このようにしてピストン302及びピストンロッド303が移動するため、ガス出口309aが閉塞され、ガス出口309bが開放される。このため、ガス入口308からガス出口309aへの流れが停止され、代わってガス入口308からガス出口309bへの流れが生じる。よって、ガス出口309bに接続された導管106bにのみにガスが流れ、モジュールケース102b内のエアバッグ(助手席用エアバッグ)のみが膨張される。
なお、図3のバルブは、車両右側から衝撃を受けたときは、電気式点火器304は作動せず、ガス入口308からガス出口309aのガス流路は維持されたままである。
(3)図4のインフレータ10(特開2004−175335号公報に記載の図1、図2のインフレータと同一のものであるが、ガス排出口16a、16bの総開口面積は互いに同一である)を用いた図5のエアバッグシステム200
筒状ハウジング11の一端側の開口部12aには、ディフューザ部18aが溶接固定されており、ディフューザ部18aは複数のガス排出口16aを有している。開口部12aは、ステンレス板等からなる破裂板13aで閉塞されている。ディフューザ部18a内には、電気式点火器15aが破裂板13aと正対配置されている。
筒状ハウジング11の他端側の開口部12bには、ディフューザ部18bが溶接固定されており、ディフューザ部18bは複数のガス排出口16bを有している。開口部12bは、ステンレス板等からなる破裂板13bで閉塞されている。ディフューザ部18b内には、電気式点火器15bが破裂板13bと正対配置されている。
筒状ハウジング11内には、アルゴン、ヘリウム等のガスが高圧充填されているが、2つの破裂板13a、13bにより密封されているため、インフレータ10の作動前には外部に漏れることはない。
図5に示すようにエアバッグシステム200の一部は、車両の天井部201に車両内外からは視認できない状態にて設置されている。
1つのガス発生器10は天井部201の後部側の中央部付近に固定されており、ガス発生器10のガス排出口16aと導管(アルミニウム製のパイプ)206aの一端部が接続され、ガス排出口16bと導管(アルミニウム製のパイプ)206bの一端部が接続されている。
導管206a、206bの他端部は、天井部201の両側に設置されたモジュールケース202a、202b内に収容されたエアバッグのガス導入口に接続されている。
次に、図4、図5により、エアバッグシステム200の動作について説明する。自動車が衝突して衝撃を受けたとき、コントロールユニットからの作動信号を受け、2つの電気式点火器15a、15bの内の一方が作動する。このとき、電気式点火器15bが作動したとすると、この作動により、破裂板13bが破壊されるため、内部に高圧充填されたガスはガス排出口16bから排出される。
排出されたガスは、導管206bを通って、モジュールケース202bに収容されたエアバッグにのみ供給されるため、モジュールケース202bに収容されたエアバッグのみが膨張され、他方のエアバッグは膨張されない。
このようにすることで、側面衝突された側に位置する乗員を保護すると共に、ガス発生器を1つにすることができるため、2つのガス発生器を用いた場合に比べると、エアバッグシステム全体を軽量化することができる。
エアバッグシステムの概略図。 エアバッグシステムに用いるバルブの縦断面図。 エアバッグシステムに用いる別形態のバルブの縦断面図。 エアバッグシステムに用いるインフレータの縦断面図。 図4のインフレータを用いたエアバッグシステムの概略図。
符号の説明
100 エアバッグシステム
101 天井部
102a、102b モジュールケース
103 ガス発生器
104 バルブ
105、106a、106b 導管

Claims (6)

  1. 衝撃を受けたときに膨張ガスを発生させる1つのガス発生器と、前記ガス発生器から発生した膨張ガスにより膨張される複数のエアバッグを有しており、前記複数のエアバッグの少なくとも1つに膨張ガスを供給して選択的に膨張させるエアバッグシステム。
  2. 衝撃を受けたときに膨張ガスを発生させる1つのガス発生器と、
    前記ガス発生器から発生した膨張ガスにより膨張される複数のエアバッグと、
    前記ガス発生器と前記エアバッグとを接続する2以上に分岐された導管と、
    前記導管の分岐部に配置されたバルブを有しており、
    前記バルブが、前記ガス発生器から発生した膨張ガスを、前記複数のエアバッグの少なくとも1つに選択的に流すものである、エアバッグシステム。
  3. 前記バルブが、少なくとも1つのガス入口と2以上のガス出口を有し、前記ガス入口から前記2以上のガス出口への複数のガス流経路を選択的に開閉して、前記複数のエアバッグの少なくとも1つに選択的にガスを流すことができるものであり、前記開閉操作の作動手段として電気式点火器を有している、請求項2記載のエアバッグシステム。
  4. 前記バルブが、2又は3以上のガス出入口を有するシリンダと、前記シリンダ内を移動可能なように取り付けられたピストンと、前記シリンダ内に配置された1又は2以上の点火手段を有しており、
    作動前において、前記2又は3以上のガス出入口の全てが開放されているか、又は少なくとも1つがピストンにより閉塞されており、
    前記点火手段の作動に伴い、前記ピストンが前記シリンダ内を移動することにより、前記2又は3以上のガス出入口のうちの少なくとも1つが閉塞されるものである、請求項2又は3記載のエアバッグシステム。
  5. 衝撃を受けたときに膨張ガスを発生させるもので、分離して配置された複数箇所のガス排出口を有する1つのガス発生器と、
    前記ガス発生器から発生した膨張ガスにより膨張される複数のエアバッグと、
    前記ガス発生器と前記エアバッグとを接続する複数の導管を有しており、
    前記ガス発生器の複数箇所のガス排出口が互いに等しい開口面積を有し、前記複数のエアバッグの少なくとも1つに選択的に膨張ガスを流すものである、エアバッグシステム。
  6. 前記エアバッグが、車両の両側面に膨張展開するように配置された側面衝突保護用のエアバッグである、請求項1〜5のいずれかに記載のエアバッグシステム。


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