JP2006143067A - エアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガス発生器内に余分なガス源を必要とせずに、エアバッグの膨張状態(エアバッグの内圧)を長期的に維持することのできるエアバッグ装置の提供。
【解決手段】 作動時に膨張ガスを発生するガス発生器と、該膨張ガスによって膨張されるエアバッグと、自動車両における気体供給部分からの気体を、前記エアバッグ内部空間に導くための流路を備えて構成された、エアバッグ装置。
【選択図】図2
【解決手段】 作動時に膨張ガスを発生するガス発生器と、該膨張ガスによって膨張されるエアバッグと、自動車両における気体供給部分からの気体を、前記エアバッグ内部空間に導くための流路を備えて構成された、エアバッグ装置。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両に搭載される安全装置としてのエアバッグ装置に関する。また本発明は、歩行者など車両非乗員を保護するのに適したエアバッグ装置、及び自動車に関する。
従来、各種車両に搭載される安全装置として、衝突の際の衝撃から乗員を保護するためのエアバッグ装置や、衝突の際に被衝突者(歩行者等の車両非乗員)に対するダメージを軽減させるためのエアバッグ装置が提案されている。衝突の際の衝撃から乗員を保護するためのエアバッグ装置は、車両の搭乗室内に膨脹して搭乗者を衝撃から保護するものであり、その設置場所や機能に応じて、運転席用エアバッグ装置、助手席用エアバッグ装置、側突用エアバッグ装置、カーテン用エアバッグ装置等が提供されている。また、衝突の際に被衝突者(歩行者等の車両非乗員)に対するダメージを軽減させるためのエアバッグ装置は、車両と歩行者が衝突した際に、歩行者の頭部が車両のフロントガラスやAピラーに当たった時の衝撃を軽減するために、Aピラーを中心にフロントガラスを覆う様にエアバッグを展開させるものとして提供されている。そして、これら何れのエアバッグ装置も、ガス発生器から供給されるガスによって、エアバッグ(袋体)を膨脹させるものとして構成されている。
かかるエアバッグの中には、車両の衝突後、乗員や非乗員を確実に保護する為に、エアバッグの膨脹状態は長期的に維持されることが望ましいものもあり、依って従来では、エアバッグを製造する際の縫製の仕方を工夫したり、エアバッグの内部にコーティングを行ったりして、膨脹時に於けるエアバッグからのガスの漏洩を減じることが行われている。併しながら、この様なエアバッグにおける改良は多大な手間と時間を要することから、少なからずコストが増大するという問題を生じさせていた。
そこで現在では、エアバッグ用ガス発生器自体に、エアバッグ内のガス圧力を長期的に維持するための構成を組み込んだガス発生器が提案されている。このようなエアバッグ用ガス発生器として、次のようなものが知られている。
即ち、特許文献1(特開平6−227345号公報)には、衝突時にガス発生器から発生したガスの一部をリザーバタンクに蓄積して、その蓄積したガスをバッグへ送ることでエアバッグの内圧低下を遅らせて、膨張を維持するガス発生器が示されている。
また、特許文献2(特開2003−81050号公報)には、圧縮ガスと固形ガス発生剤とからなるガス発生器で、固形ガス発生剤は50ミリ秒以内の期間でエアバッグを膨張させることができる所定量のガスを生成することができる第1の火薬と、第1の火薬の燃焼後に数秒の期間に亘ってエアバッグを膨張させた状態に維持するのに十分な量のガスを生成することができる第2の火薬とを有し、これによりエアバッグ内部の圧力を維持するガス発生器が示されている。
更に、特許文献3(US2003/6178827号公報)には、2つの加圧タンクを有し、その間をガス流制限部材で仕切り、ガスの流れを制限して追加のガスを供給する構造のガス発生器が示されている。
特開平6−227345号公報
特開2003−81050号公報
US2003/6178827号公報
前記特許文献1〜3に示されたガス発生器は、いずれも、エアバッグの膨脹状態(膨脹時の内圧)を維持するために、ガス発生器内部に余分なガス源を必要とするものであることから、ガス発生器の大きさが大きくなり、設置スペースの点で問題が生じる。また、ガス発生器の内部構造も複雑になることから、製造上及びコスト上の不利益が生じ、また複雑な内部構造を伴う故に、ガス発生器の作動確実性を担保するのも難しくなる。
更に、前記エアバッグ装置の内、特に歩行者等の車両非乗員保護用のエアバッグ装置は、エアバッグでカバーするエリアが広く、また歩行者が車体外部のどの部分にどのように衝突するかが予測しにくいことから、広範にエアバッグを展開させ、且つその展開状態を数秒間維持しておく必要がある。
依って、本発明は、ガス発生器内に余分なガス源を必要とせずに、エアバッグの膨張状態(エアバッグの内圧)を長期的に維持することのできるエアバッグ装置を提供する。
また本発明は、作動性能上、歩行者等の車両非乗員を保護するのに適したエアバッグ装置を提供する。
更に本発明は、ガス発生器における内部構造の複雑化をなくしながらも、エアバッグの膨張状態(エアバッグの内圧)を長期的に維持することのできる自動車を提供する。
上記課題を解決する為に、本発明は、ガス発生器内に余分なガス源を設けずに、車両において発生した気体、又は予め車両の構造部品に充填された気体を利用してエアバッグの膨脹状態(即ちエアバッグの内圧)を維持することのできるエアバッグ装置、及び自動車を提供する。
即ち本発明に係るエアバッグ装置は、作動時に膨張ガスを発生するガス発生器と、該膨張ガスによって膨張されるエアバッグと、自動車両における気体供給部分からの気体を、前記エアバッグ内部空間に導くための流路を備えて構成された、エアバッグ装置である。
上記本発明のエアバッグ装置によれば、通常エアバッグを膨張させる為に使用されるガス発生器からは、瞬時にエアバッグを膨張するためのガスを供給することができ、更にバッグ内部の圧力を維持するためのガスは、ガス発生器以外から供給できることから、ガス発生器の大型化や内部構造の複雑化を回避しながらも、エアバッグの膨脹状態(内部圧力)を長期的に維持することができる。
したがって本発明では、衝撃時に、着火信号によって作動して膨張ガスを発生するガス発生器と、該膨張ガスによって膨張する自動車両に装着されるエアバッグが接続されてなるエアバッグ装置であって、該エアバッグ装置にはさらに自動車両における気体供給部分に繋がる流路があり、該流路によってエアバッグと気体供給部分とが接続されているエアバッグ装置とすることもできる。
上記本発明のエアバッグ装置に使用されるガス発生器とは、エアバッグ装置において、エアバッグ膨張用のガスを生じさせる為に使用されているガス発生器を指し、加圧ガスのみからなる加圧ガス式ガス発生器、固形ガス発生剤の燃焼によって膨張ガスを発生するパイロ式ガス発生器、およびその両方を用いたハイブリッド式ガス発生器の何れをも用いることができる。但し、エアバッグ内圧の長期的な維持という観点からは、できるだけ温度の低いガスを排出する方が有利であり、依って本発明に於いては、主として加圧ガスを用いるガス発生器が好ましく、特に加圧ガスのみを用いるガス発生器を使用するのが好ましい。
上記本発明のエアバッグ装置において、気体供給部分とは、車両に設置される機器又は部品であり、後述の流路でエアバッグ内部空間に導かれる気体を供給するものである。かかる気体供給部分は、本来的には車両に設置される機器又は部品であり、車両の構成部分と判断することもできることから、本発明におけるエアバッグ装置の構成は、当該気体供給部分を除いたものを原則とする。併しながら、本発明のエアバッグ装置は、この気体供給部分から供給される気体を使用するものであることから、当該気体供給部分を含んだものを、本発明におけるエアバッグ装置の構成と判断することもできる。そしてこの気体供給部分としては、望ましくは、車両が動作又は稼働状態の時に、エアバッグに供給できる気体を有している部分であり、少なくとも、前記ガス発生器からのガスで一旦膨張したエアバッグの内圧を維持する程度の気体を供給できるものであれば良い。気体供給部分によって供給される気体の量は、膨脹したエアバッグの大きさ、その材質、コーティングの有無、或いは縫製方法等によっても異なるが、例えば膨脹時の内容積が100mL程度のエアバッグであれば、大凡2〜5モル程度の気体を供給し得ることが望ましい。かかる、自動車両における気体供給部分としては、特に、自動車両に搭載されるコンプレッサ、自動車両に搭載されるエアーコンディショナ装置、エンジン又はエンジンから排出される排気ガスの流路であることが好ましい。
前記自動車両における気体供給部分が、自動車両に搭載されるコンプレッサである場合、前記流路によってエアバッグ内部空間に導かれる気体としては、当該コンプレッサーから供給された気体を使用することができる。例えば、エアーコンディショナ用のコンプレッサで圧縮される冷媒や、サスペンション用のコンプレッサで圧縮される圧縮空気等、車両に設置されるコンプレッサーで使用又は供給される圧縮気体を使用することができる。これらは、通常、エアバッグの膨張状態を維持するために設けられているものではないが、本発明に於いては、当該圧縮気体の存在部分に導管などの流路を設け、これをエアバッグの膨張状態維持のために転用又は流用して用いるもので、依ってエアバッグ膨張用のガス源を改めて配設する必要がない。但し、従来の車両の構成を利用するのではなく、別途、車両側にエアバッグ膨張維持用のガス源を改めて配設することも可能である。
また、前記自動車両における気体供給部分が、自動車両に搭載されるエアーコンディショナ装置である場合、前記流路によりエアバッグ内部空間に導かれる気体としては、気化された当該エアーコンディショナ装置用の液化ガスを用いることができる。液化ガスを使用することで、エアバッグ内に供給できるガス量(モル数)も多くなり、液体から気体へ状態変化する際に賄うことができるガス量を確保することが可能となる。特にエアーコンディショナ装置用の液化ガスを用いる場合には、エアーコンディショナ装置を作動させていないときであっても(コンプレッサで圧縮していない時であっても)ガス源として使用することが可能となる。
更に、前記自動車両における気体供給部分が、エンジン又はエンジンから排出される排気ガスの流路である場合、前記流路によりエアバッグ内部空間に導かれる気体としては、当該排気ガスの流路を流通する排気ガスを用いることができる。特に、排気ガスをエアバッグに導く場合、当該エアバッグは、自動車両におけるキャビン(即ち、一般に客室又は車内と称される空間)の外側に膨脹するものとして設置されている事が望ましい。これは、エアバッグがキャビンの外側に膨脹する場合には、ガスがエアバッグから漏れても大気中に拡散されることから、キャビンの内側に膨脹する場合に比べて、エアバッグ内部に供給されるガス成分に関する要件が緩和される為である。また、特に歩行者と衝突したとしても、自動車両のエンジンは停止しないため、バッグの展開時には常時追加分のガスを供給することが可能である。
上記、気体供給部分から供給される気体は、流路によって、前記エアバッグの内部空間に導かれる。かかる流路は、ガス発生器の作動時又は作動後において、エアバッグの膨脹状態を維持するための気体(気体供給部分から供給される気体)を、エアバッグの内部空間に導く為の部材であり、当該エアバッグの膨脹状態を維持するための気体は、気体供給部分から直接エアバッグ内に導かれる他、エアバッグに繋がる導管やガス発生器を介して、エアバッグ内に気体供給部分からの気体を案内するものでも良い。また、エアバッグの内部空間と気体供給部分とを連通させる導管を流路とする他、エアバッグの内部空間に繋がる部分に設けられた開口を流路とし、これに気体供給部に繋がる導管を接続させることもできる。特に、単なる開口を流路とし、これに気体供給部に繋がる導管を接続する場合には、以下に示す弁は、当該開口に形成する他、気体供給部に繋がる導管側に形成することができる。
そして、かかる流路は、常には弁で閉塞されていることが望ましい。このような流路を閉塞する弁は、ガス発生器の作動と同時に開放するか、或いはガス発生器の作動よりも僅かに遅れて当該流路を開放するように形成されてもよい。
つまり、エアバッグは、その作動時以外はモジュール等の内部に折りたたまれた状態で保持されていることから、エアバッグに対しては有用時以外はガスを連通させない方が好ましい。そして、自動車両の気体供給部からの気体の圧力は、ガス発生器から発生する気体の圧力に比べると低いため、それのみでエアバッグを展開させることは難しく、また装置の作動時に早期の内にエアバッグを展開させる上では、ガス発生器からのガスは全量エアバッグに導入し、不必要な部分への供給はカットしておくのが望ましい。従って、これらの点においても流路に弁を設けておき、ガス発生器の作動前においては、常時閉塞しておく方が好ましい。
このように所要時に流路を開放することのできる弁としては、例えば、任意に動作させ、流路を開放することのできる電磁弁を使用する他、流路を閉塞する弁を、所要時に作動電流で着火する点火器によって破壊し、流路を開放することができる。
そして、上記流路を閉塞している弁の開放は、ガス発生器の作動を管理するコントロールユニットによって管理される事が望ましい。依って、流路を閉塞する弁が、ガス発生器の作動と同時に破壊されるようにするが、ガス発生器の作動よりも僅かに遅れて、作動電流で着火する点火器によって破壊されるように構成されていてもよい。この弁を破壊する点火器は、ガス発生器の作動を開始させるための電気式点火手段と共に、エアバッグ装置の作動を管理するコントロールユニットに接続されていることが望ましい。
流路を閉塞している弁の開放タイミングとしては、衝撃を受けた時は、まず最初にガス発生器から瞬時にエアバッグへガスを供給することになるが、その際には弁も開放させておき、ガス発生器からのガスがエアバッグに供給されている間に、余分な気体を自動車両の気体供給部分からエアバッグに供給するように調整することが望ましい。但し、弁を開放させるタイミングを、ガス発生器の作動よりも僅かに遅らせても良い。このようにすることで、ガス発生器からのガス全量をバッグに導入することができるため、瞬時の内にエアバッグの展開が可能となる。
ガス発生器からのガスの供給は、衝撃感知後約40〜60ミリ秒で完了するものであるから、弁の開裂のための点火器は衝撃感知後1〜10ミリ秒後に作動するのが好ましい。
そして、上記本発明に於いて、エアバッグは内部に気体が導入されることによって膨脹し、車両の乗員(又は非乗員)と、車両構造部(又は車両)との間でクッションとして機能する布帛製又は樹脂製の袋体であり、その内部の気密性(気体の保持能力)は、縫製の仕方やコーティングの有無によって異なる事になる。このエアバッグは、簡易な縫製としたり、コートを行わない場合には、安価に製造できる反面、縫製部分における隙間からガスが漏れるため、膨脹時の内圧を維持するのは難しくなる。この点、本発明のように、エアバッグの膨脹状態を維持するための気体を別途供給すれば、エアバッグの材質や製法を変える必要が無いにも拘わらず、エアバッグの膨張圧力を維持することができる。またガス発生器を特別なものにする必要が無く、構造の簡単なガス発生器を用いることができる。
なお本発明は、キャビンの外部に膨脹する歩行者保護用のエアバッグ装置とする他、車両の気体供給部分から発生する気体が空気の成分、あるいは空気の組成と同一のものである場合は、キャビン内部に取り付けられるエアバッグ装置(例えば、運転席用エアバッグ装置、助手席用エアバッグ装置、側面衝突用エアバッグ装置、カーテンエアバッグ装置)にも使用することができる。
以上のように構成された本発明のエアバッグ装置によれば、エアバッグ膨張維持に必要なガスは、ガス発生器以外から供給できることから、ガス発生器にはそれに対応したガス源を設ける必要が無くなる。このためガス発生器としては小型化が可能となり、また内部構造の複雑化を回避することができる。
また本発明は、上記のように車両における気体供給部分からの気体の供給を受けて、エアバッグの膨脹状態を長期的に維持することのできるエアバッグ装置を搭載した自動車により、前記課題を解決する。
即ち、衝突時に、車両の乗員及び非乗員の少なくとも一方を保護するためのエアバッグ装置と、気体が充填されているか、又は気体を発生させる気体供給部分とを備えた自動車であって、前記エアバッグ装置として、前記のエアバッグ装置が使用されている自動車である。
以下、図面に基づいて、本発明に係るエアバッグ装置及びこれを用いた自動車の一例を、具体的に説明する。
図1は、以下に具体的に示すエアバッグ装置を含んで構成された自動車100の一例を示すものであり、この図1に於いて、エアバッグ102は、車両におけるフロント側ピラー101(Aピラー)に沿って、車両の天井101に向かって膨脹し、フロント側ピラー101、ボンネット124のキャビン側後端、及びフロントガラス106の一部を覆ってクッションを形成する様に構成されている。この図1に示すエアバッグ装置は、その他に図2に示すように、ガス発生器や、車両における気体供給部分を伴って構成されており、これらは車両における適所に設置されている。
図2は、エアバッグ装置の一例を示しており、特に、サスペンションなどにガスを供給するためのコンプレッサーを気体供給部分として使用したエアバッグ用ガス発生器を示している。
即ち、この図2に示すエアバッグ装置は、ガスを発生させるガス発生器1、該ガス発生器からのガスで膨張するエアバッグ2を含むエアバッグ装置であって、更にエアバッグ2の内部に、追加のガスを供給する為の流路5を備えて形成されている。そしてこの流路5は、本実施の形態における気体供給部分であるコンプレッサ6からの気体をエアバッグに導くための導管5として形成されている。
ガス発生器1は、エアバッグを膨脹させるガス源として加圧ガスのみを使用したストアードガス式ガス発生器が使用されており、このガス発生器1は作動信号を受けて着火する第1点火器3を有している。このガス発生器1とエアバッグとは、導管4によって繋がっている。エアバッグは、前記図1に示したように、車両の前面ガラス、および該ガラスの支柱(Aピラー)を覆うように展開する歩行者保護用のエアバッグであり、例えば特開2003−252145の図1や図10(T/G)、特開2003−291756(タカタ)、特開2003−276537(タカタ)、特開2003−72494(タカタ)、特開平10−315908、特開2003−182485(TRW)等に開示のあるエアバッグを使用することができる。
エアバッグ2には、ガス発生器1からのガスを供給している間、あるいは供給後に更にエアバッグ2の膨張維持用(バッグ内圧維持用)のガスが管(流路)5を通って供給される。本実施の形態では、このガスの供給源(気体供給部分)として、車両のサスペンション(特にエアーサスペンション)に圧縮空気を送るためのコンプレッサ6を使用しており、このコンプレッサ6で圧縮された気体の一部を、エアバッグの膨脹維持用のガスとして使用している。コンプレッサ6は自動車両のエンジンの回転を利用して作動するものであり、歩行者との衝突後においてもエンジンは停止しないため、当該コンプレッサ6は、エアバッグ展開の際に於いて稼働状態となっている。
そして管(流路)5における、コンプレッサ6とエアバッグ2との間には弁7を配置している。弁7は、ガス発生器の作動前においては常時閉じられており、コンプレッサ6の圧縮空気がエアバッグに導入されないようにしている。そしてこの弁7には電気式の点火器8が配置されており、所要時に於いて、閉塞状態にある弁を開裂させ、圧縮空気の一部をエアバッグに導入できるようにしている。
ガス発生器1、および弁7に組み込まれた点火器3、8はそれぞれリードワイヤによってコントロールユニット11に接続されている。さらにコントロールユニット11には衝撃センサが接続されており、衝撃の感知により点火器3、8への着火電流の開始をコントロールする。コントロールユニット11の起動源は車両に搭載されているバッテリー12であり、イグニッションスイッチ13によりオン/オフすることができる。
次に、このエアバッグ装置の作動について説明する。
通常走行時、コンプレッサ6の作動によって、エアサスペンション機構内には、常時圧縮空気が蓄えられている。センサが歩行者との衝撃を感知すると、先ずガス発生器1の点火器3に作動信号を送り、これによってガス発生器1を作動させて、瞬時の内に膨張ガスを、流路4にからエアバッグ2内部に導入し、早期の内にエアバッグ2を展開させる。
また、点火器3の作動と同時に、今度は弁7の点火器8に対してコントロールユニットが作動電流を送り、弁7を開裂させる。これによってコンプレッサ6による圧縮空気の一部が管5を通ってエアバッグ2に供給さ、ガス発生器からのガスの供給と同時に、コンプレッサ6からの圧縮空気の供給が行われる。コンプレッサ6からは、連続して気体が供給されるため、ガス発生器1からのガスの供給が終了してもエアバッグ内には気体が供給されている。
即ちガス発生器1からのガスの供給の後(あるいは供給の途中)、さらに追加して圧縮空気をエアバッグに供給することになる。つまりガス発生器1からのガスはエアバッグ2展開用として用い、その後、エアバッグから漏れたガスは、追加の供給ガス(コンプレッサ6による圧縮ガス)で賄われる。したがってエアバッグの展開(エアバッグの内部圧力)が少なくとも数秒間維持されることになる。また弁7の開裂タイミングは、適宜調整することができ、更に管5内での流量を調整することで、エアバッグに追加的に供給するガスの供給量を変更することもできる。例えば、管5の何れかの部分、或いは弁7の部分などにチョークノズル等を用いたガス量調整手段を設けることができる。
以上のように構成されたエアバッグ装置は、特に歩行者などの非乗員を衝突時の衝撃から守るのに適したエアバッグ装置となる。即ち、歩行者保護用のエアバッグ装置では、衝突によって歩行者が車両のどの部分に衝突するか、どのような格好で衝突するか等、様々なパターンが考えられるため、エアバッグ展開後はその膨張を数秒間維持しておく必要がある。この点、本実施の形態に係るエアバッグ装置は、エアバッグの膨脹状態を長期的に維持することができるため、当該エアバッグ装置では、様々な衝突パターンをカバーすることができ、歩行者のダメージを確実に低減させることが可能となる。
なお本実施例で述べたエアバッグ装置の作動モードは、単にその一例を示しただけであり、これに限定されるものではない。またガス発生器も固形ガス発生剤を使用したパイロ式のガス発生器や、加圧ガスと組み合わせたハイブリッドガス発生器を使用することも可能である。更に歩行者保護だけでなく、自動車両のキャビン内で、エアバッグ膨張後のバッグ内圧維持が必要なエアバッグ装置にも使用することができる。
図2は本発明の別の実施の形態におけるエアバッグ装置を示している。この図2に示すエアバッグ装置では、図1のコンプレッサ6に代わって、車両に搭載されるエンジン、特にエンジンから排出される排気ガスの流路を気体供給部分として使用している。即ちエンジンからの排気ガスの一部を、歩行者保護用エアバッグの展開維持のために追加して供給されるガスに使用する例である。この場合エアバッグは歩行者保護用として、車両の外部に取り付けられることが望ましい。
排気ガスは、通常マフラーを通って大気中へ排出されるが、そのうちの一部を管5によってエアバッグ内部へ導入する。図1の実施例と同じように途中に弁7を設けると共に、この弁により、ガス発生器の作動前には、当該管5を常時閉塞しておく。バッグ内に供給された排気ガスはバッグから漏れても大気中に拡散されるため、歩行者への影響は無視できるほど小さいが、可能な限り触媒を通した後のガスを導入することが好ましい。
この他、車両の気体供給部分として使用できるものとして、エアーコンディショナの冷媒に使用する液化ガスがある。この液化ガスを用いた場合、液体から気体に変化する事により大量のガスを確保することができ、さらにはエアーコンディショナが作動していないときであっても液体から気体への状態変化に伴うガスを利用できるとの利点が得られる。
1 ガス発生器
2 エアバッグ
3 点火器
4 流路
5 管
6 コンプレッサ
7 弁
8 点火器
11 コントロールユニット
2 エアバッグ
3 点火器
4 流路
5 管
6 コンプレッサ
7 弁
8 点火器
11 コントロールユニット
Claims (7)
- 作動時に膨張ガスを発生するガス発生器と、
該膨張ガスによって膨張されるエアバッグと、
自動車両における気体供給部分からの気体を、前記エアバッグ内部空間に導くための流路を備えて構成された、エアバッグ装置。 - 前記流路は、常には弁で閉塞されており、
当該弁は、ガス発生器の作動と同時か、或いはガス発生器の作動よりも僅かに遅れて当該流路を開放する、請求項1記載のエアバッグ装置。 - 前記流路は、常には弁で閉塞されており、当該弁は、ガス発生器の作動と同時か、或いはガス発生器の作動よりも僅かに遅れて、作動電流で着火する点火器によって破壊され、且つ、
前記ガス発生器には、作動信号で作動する電気式点火手段が配設され、前記弁を破壊する点火器と共に、エアバッグ装置の作動を管理するコントロールユニットに接続されている請求項1または2に記載のエアバッグ装置。 - 前記自動車両における気体供給部分は、自動車両に搭載されるコンプレッサであり、前記流路によりエアバッグ内部空間に導かれる気体は、当該コンプレッサーから供給された気体である、請求項1〜3の何れか一項記載のエアバッグ装置。
- 前記自動車両における気体供給部分は、自動車両に搭載されるエアーコンディショナ装置であり、前記流路によりエアバッグ内部空間に導かれる気体は、気化された当該エアーコンディショナ装置用の液化ガスである、請求項1〜3の何れか一項記載のエアバッグ装置。
- 前記エアバッグは自動車両におけるキャビンの外部に膨脹するものとして設置されており、
前記自動車両における気体供給部分は、エンジン又はエンジンから排出される排気ガスの流路であり、前記流路によりエアバッグ内部空間に導かれる気体は、当該排気ガスの流路を流通する排気ガスである、請求項1〜3の何れか一項記載のエアバッグ装置。 - 衝突時に、車両の乗員及び非乗員の少なくとも一方を保護するためのエアバッグ装置と、
気体が充填されているか、又は気体を発生させる気体供給部分とを備えた自動車であって、
前記エアバッグ装置として、請求項1〜6の何れか一項記載のエアバッグ装置が使用されている自動車。
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