JP2007050722A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2007050722A
JP2007050722A JP2005235665A JP2005235665A JP2007050722A JP 2007050722 A JP2007050722 A JP 2007050722A JP 2005235665 A JP2005235665 A JP 2005235665A JP 2005235665 A JP2005235665 A JP 2005235665A JP 2007050722 A JP2007050722 A JP 2007050722A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoplastic resin
pneumatic tire
tire
elastomer
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005235665A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4710480B2 (ja
Inventor
Takeo Mazaki
健雄 真崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2005235665A priority Critical patent/JP4710480B2/ja
Publication of JP2007050722A publication Critical patent/JP2007050722A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4710480B2 publication Critical patent/JP4710480B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】空気入りタイヤの全体重量の増加を抑えながら、ケーシング剛性を向上させることにより、操縦安定性が向上された空気入りタイヤ、特に、競技用の空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】カーカスプライを2枚以上有し、そのカーカスプライ間に、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドを含むヤング率が50〜500MPaのポリマー組成物のフィルムを左右一対のビードコア間に延在するように配設してなることを特徴とする空気入りタイヤ。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤ、特に、操縦安定性が向上された競技用として好適な空気入りタイヤに関するものである。
近年、空気入りタイヤ、特に競技用の空気入りタイヤにおいては、車両のハイパワー化、車両重量アップに伴い、規定のタイヤサイズにおいて、ケーシング剛性の不足により操縦安定性が低下するケースが見られるようになってきている。
この操縦安定性を向上させるための方策として、カーカスのプライ数を増加させることやタイヤ補強材を増加させること等が考えられたが、これらの方策では、空気入りタイヤの大幅な重量増加につながり、特に、競技用タイヤにとっては好ましくないものであった。
また、例えば、乗心地性と操縦安定性を両立させた、特に乗用車用または小型トラック用として好適な空気入りラジアルタイヤとして、左右一対のビードコアの外周側にそれぞれビードフィラーを配置するとともに、該ビードコア間に総繊度が4400dtex以下の有機繊維コードからなる少なくとも二層のカーカス層を装架し、該カーカス層の外周側にベルト層を配置した空気入りラジアルタイヤにおいて、少なくともベルト層の端部からビードフィラーの上端部に至る範囲におけるカーカス層間のコード側面間隔を、有機繊維コードの直径の0.9〜3.0倍にしたという空気入りラジアルタイヤの提案がされていて、特に、そのカーカス層間のコード側面間隔を上記の範囲内に維持するために、カーカス層間にゴムまたは熱可塑性樹脂からなるシートを挿入したという空気入りラジアルタイヤが提案されている(特許文献1)。
また、耐久性やタイヤ本来の特質を損なうことや、製法を複雑化することなく、タイヤサイドウォール部の剛性を高め、タイヤの操縦安定性の向上と、振動乗心地性の向上とを両立させた空気入りラジアルタイヤを提供することを目的として、空気入りラジアルタイヤにおいて、ジエン系ゴム成分100重量部に対して、主鎖中にアミド基を有する熱可塑性樹脂とオレフィン系樹脂とが重量比3/7〜7/3にて合計で5〜50重量部配合され、該オレフィン系樹脂の融点より3℃以上高い温度で混練分散されており、該熱可塑性樹脂が、平均長さLと平均径Dの比(L/D)が8以上の繊維状で配向し、該オレフィン系樹脂が100〜200℃の融点を有するゴム組成物より得られた短繊維補強部材層が、該カーカス層のタイヤ内面側および/または外面側に隣接してビード部からベルト部下位に至る領域に、あるいはカーカス層の内側に隣接して一方のビード部から踏面部を通り他方のビード部に至る範囲にわたり配設されているという空気入りラジアルタイヤが提案されている(特許文献2)。
しかしながら、これらの特許文献1、2に記載されている提案のものでは、いずれもいまだ、重量アップを抑えつつ十分に満足できる操縦安定性が実現されているといえるものではなかった。
特開2004−322782号公報 特開平10−315717号公報
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、空気入りタイヤの全体重量の増加を抑えながら、ケーシング剛性を向上させることにより、操縦安定性が向上された空気入りタイヤ、特に、競技用の空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した目的を達成する本発明の空気入りタイヤは、以下の構成からなる。
(1)カーカスプライを2枚以上有し、そのカーカスプライ間に、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドを含むヤング率が50〜500MPaのポリマー組成物のフィルムを左右一対のビードコア間に延在するように配設してなることを特徴とする空気入りタイヤ。
さらに、かかる本発明の空気入りタイヤにおいて、具体的により好ましくは、以下の(2) の構成からなる。
(2)フィルムが、厚さ20〜1000μmのものであることを特徴とする上記(1) 記載の空気入りタイヤ。
本発明によれば、空気入りタイヤの全体重量の増加を抑えながら、ケーシング剛性を向上させることにより、操縦安定性が向上された空気入りタイヤ、特に、競技用の空気入りタイヤを提供することができる。
以下、更に詳しく本発明の空気入りタイヤについて、説明する。
本発明の空気入りタイヤ1は、図1に本発明にかかる空気入りタイヤのタイヤ子午線方向の半断面概略モデル図を示したように、カーカスプライ5を2枚以上有し、そのカーカスプライ5間に、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドを含むヤング率が50〜500MPaのポリマー組成物のフィルム8を左右一対のビードコア2間に延在するように配設して形成されているものである。図1において、3はビードフィラー、4はビード部、6はトレッド部、7はベルト層である。
このような構造にしたことにより、2枚以上存在するカーカスプライ5がフィルム8の厚さ分だけ間隙をおいて存在していることとなり、カーカス層全体としての剛性が向上し、このことが空気入りタイヤ全体の剛性の向上をもたらすこととなる。
フィルム8は、空気入りタイヤ全体の剛性の向上を確実にもたらしめる上で、一方のビード部からタイヤ踏面部(トレッド部)を通り、他方のビード部に至る範囲に配置されていることが重要であり、少なくとも、左右一対のビードコア2間に延在しているように配設することが重要である。
ここで、「左右一対のビードコア2間に延在している」とは、タイヤ側面方向から見たときに、該フィルムの端部がビードコア部分に重なるまで延びて存在していることをいい、好ましくは、図1にモデルを示したように、ビードコアの外周を巻き回して反転するまで存在していることがよいものである。
該フィルム8は、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドを含んでなり、かつヤング率が50〜500MPaの範囲内のものであることが重要であり、ヤング率が50MPa未満の場合には、柔らかすぎて加工時の取り扱い性の点で好ましくなく、500MPaよりも高い場合には該フィルムが破断しやすくなり、2枚以上のカーカスが互いに剥離してしまうという耐久性の問題があり好ましくない。ヤング率のより好ましい範囲は、60〜100MPaの範囲である。
フィルム8の厚さは、その厚さ分だけ両カーカス間に間隙を設けることによって剛性の向上効果をもたらさしめる上で重要なものであり、本発明者らの各種知見によれば、厚さ20〜1000μmの範囲内が好ましく、さらに好ましくは厚さ0.05〜0.5mmの範囲内が特に好ましい。
本発明において、カーカスプライ5はフィルム8を挟んだサンドイッチ構造を実現するものなので、少なくとも2枚は用いられることは必要である。カーカスプライを3枚以上用いてタイヤを構成する場合には、それらカーカスプライの全ての間にフィルム8を配設した構造にしてもよく(例えば、カーカスプライが3枚ならば、各プライ間にてそれぞれ配設して、合計2枚を配設した構造)、あるいは、一部のプライ間だけにフィルム8を配設した構造にしてもよい(例えば、カーカスプライが3枚ならば、最も内側のプライと中間のプライスの間に配設して、合計1枚を配設した構造)。
カーカスプライは、従来から使用されているカーカスプライを使用すればよく、一般的には、本発明においては複数のカーカスプライを用いるものであるため、カーカスの厚さは0.70〜1.50mm、使用されるカーカスコードの直径は0.5〜2.0mm程度のものを用いるのがよい。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドを含むヤング率が50〜500MPaのポリマー組成物のフィルムを構成する材料は、まず、熱可塑性樹脂としては、例えば、以下のようなものを挙げることができる。
すなわち、ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体)、およびそれらのN−アルコキシアルキル化物、例えば、6−ナイロンのメトキシメチル化物、6−610−ナイロンのメトキシメチル化物、612−ナイロンのメトキシメチル化物、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミド酸/ポリブチレートテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル)、ポリニトリル系樹脂(例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体)、ポリメタクリレート系樹脂(例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル)、ポリビニル系樹脂(例えば、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PDVC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体)、セルロース系樹脂(例えば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース)、フッ素系樹脂(例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体)、イミド系樹脂(例えば、芳香族ポリイミド(PI))などを挙げることができる。
また、上記熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドを含むポリマー組成物は、上述の熱可塑性樹脂にエラストマーを混合して構成することができ、ヤング率が50〜500MPaの範囲内にあるものであれば、その材料の種類や混合比等には限定されないものである。
前記熱可塑性樹脂とブレンドすることができるエラストマーとしては、例えば、以下のようなものがある。
すなわち、ジエン系ゴムおよびその水添物(例えば、NR、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シスBRおよび低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化SBR)、オレフィン系ゴム(例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、IIR、イソブチレンと芳香族ビニルまたはジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー)、含ハロゲンゴム(例えば、Br−IIR、C1−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM))、シリコンゴム(例えば、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム)、含イオウゴム(例えば、ポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム(例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム)、熱可塑性エラストマー(例えばスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー)などがある。
熱可塑性エラストマーを含むポリマー組成物の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、予め熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分(ゴムの場合は未加硫物)とを2軸混練押出機等で溶融混練し、連続相(マトリックス)を形成する熱可塑性樹脂中に分散相(ドメイン)としてエラストマー成分を分散させることによればよい。また、エラストマー成分を加硫する場合には、混練下で加硫剤を添加し、エラストマー成分を動的加硫させてもよい。
また、熱可塑性樹脂またはエラストマー成分への各種配合剤(加硫剤を除く)を添加する場合には、上記混練中に添加してもよいが、むしろ、混練の前に予め混合しておくことが好ましい。
熱可塑性樹脂とエラストマー成分の混練に使用する混練機としては、特に限定はされず、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、あるいは2軸混練押出機等が使用できる。中でも熱可塑性樹脂とエラストマー成分の混練およびエラストマー成分の動的加硫には、2軸混練押出機を使用するのが好ましい。さらに、2種類以上の混練機を使用し、順次混練してもよい。溶融混練の条件として、温度は熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であればよい。また、混練時の剪断速度は1000〜7500Sec-1であるのが好ましい。混練全体の時間は30秒から10分、また加硫剤を添加した場合には、添加後の加硫時間は15秒から5分であるのが好ましい。
前記した特定の熱可塑性樹脂とエラストマー成分との相溶性が異なる場合は、第3成分として適当な相溶化材を用いて両者を相溶化させるのが好ましい。系に相溶化剤を混合することにより、熱可塑性樹脂とエラストマー成分との界面張力が低下し、その結果、分散層を形成しているゴム粒子径が微細になることから両成分の特性はより有効に発現されることになる。そのような相溶化剤としては、一般的に熱可塑性樹脂およびエラストマー成分の両方または片方の構造を有する共重合体、あるいは熱可塑性樹脂間たはエラストマー成分と反応可能なエポキシ基、カルボニル基、ハロゲン基、アミノ基、オキサゾリン基、水酸基等を有した共重合体の構造をとるものとすることができる。これらは混合される熱可塑性樹脂とエラストマー成分の種類によって選定すればよいが、通常使用されるものには、スチレン/エチレン・ブチレンブロック共重合体(SEBS)およびそのマレイン酸変性物、EPDM、EPDM/スチレンまたはEPDM/アクリロニトリルグラフト共重合体およびそのマレイン酸変性物、スチレン/マレイン酸共重合体、反応性フェノキシン等を挙げることができる。かかる相溶化剤の配合量には、特に限定はされないが、好ましくはポリマー成分(熱可塑性樹脂とエラストマー成分の総和)100重量部に対して、0.5〜10重量部とするのが良い。
熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドする場合の特定の熱可塑性樹脂成分(A)とエラストマー成分(B)との組成比は、特に限定はなく、ヤング率、成形体の厚さにより適宜決めればよいが、好ましい範囲は重量比90/10〜30/70である。本発明に係るポリマー組成物には、上記必須ポリマー成分に加えて、本発明のタイヤ用ポリマー組成物の必要特性が損なわれない範囲で前記した相溶化剤ポリマーなどの他のポリマーを混合することができる。他のポリマーを混合する目的は、熱可塑性樹脂とエラストマー成分との相溶性を改良するため、材料の成形体の成型加工性をよくするため、耐熱性向上のため、コストダウンのため等があり、これに用いられる材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、SBS、ポリカーボネート(PC)等を例示することができる。
本発明にかかるポリマー組成物には、さらに、一般的にポリマー配合物に配合される充填剤(炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ等)、カーボンブラック、ホワイトカーボン等の補強剤、軟化剤、可塑剤、加工助剤、顔料、染料、あるいは老化防止剤等を、ヤング率値の要件が損なわれない限り適宜に配合することもできる。
また、該エラストマー成分は、熱可塑性樹脂との混合の際にエラストマー成分を動的に加硫することもできる。エラストマー成分を動的に加硫する場合の加硫剤、加硫助剤、加硫条件(温度、時間)等は、添加するエラストマー成分の組成に応じて適宜決定すればよく、特に限定されるものではない。
加硫剤としては、一般的なゴム加硫剤(架橋剤)を用いることができる。具体的には、イオン系加硫剤としては粉末イオウ、沈降性イオウ、高分散性イオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノールジサルファイド等を例示でき、例えば、0.5〜4phr 〔ゴム成分(ポリマー)100重量部あたりの重量部〕程度用いることができる。また、有機過酸化物系の加硫剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,4−ビクロロベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ(パーオキシルベンゾエート)等が例示され、例えば、1〜20phr程度用いることができる。更に、フェノール樹脂系の加硫剤としては、アルキルフェノール樹脂の臭素化物や、塩化スズ、クロロプレン等のハロゲンドナーとアルキルフェノール樹脂とを含有する混合架橋系等が例示でき、例えば、1〜20phr程度用いることができる。
その他として、亜鉛華(5phr程度)、酸化マグネシウム(4phr程度)、リサージ(10〜20phr程度)、p−キノンジオキシム、p−ジベンゾイルキノンジオキシム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、ポリ−p−ジニトロソベンゼン(2〜10phr 程度)、メチレンジアニリン(0.2〜10phr 程度)が例示できる。また、必要に応じて、加硫促進剤を添加してもよい。加硫促進剤としては、アルデヒド・アンモニア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般的な加硫促進剤を、例えば、0.5〜2phr程度用いることができる。
具体的には、アルデヒド・アンモニア系加硫促進剤としては、ヘキサメチレンテトラミン等、グアジニン系加硫促進剤としては、ジフェニルグアジニン等、チアゾール系加硫促進剤としては、ジベンゾチアジルジサルファイド(DM)、2−メルカプトベンゾチアゾール及びそのZn塩、シクロヘキシルアミン塩等、スルフェンアミド系加硫促進剤としては、シクロヘキシルベンゾチアジルスルフェンアマイド(CBS)、N−オキシジエチレンベンゾチアジル−2−スルフェンアマイド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアマイド、2−(チモルポリニルジチオ)ベンゾチアゾール等、チウラム系加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジサルファイド(TMTD)、テトラエチルチウラムジサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド(TMTM)、ジペンタメチレンチウラムテトラサルファイド等、ジチオ酸塩系加硫促進剤としては、Zn−ジメチルジチオカーバメート、Zn−ジエチルジチオカーバメート、Zn−ジ−n−ブチルジチオカーバメート、Zn−エチルフェニルジチオカーバメート、Te−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメチルジチオカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバメート、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等、チオウレア系加硫促進剤としては、エチレンチオウレア、ジエチルチオウレア等を挙げることができる。また、加硫促進助剤としては、一般的なゴム用助剤を併せて用いることができ、例えば、亜鉛華(5phr程度)、ステアリン酸やオレイン酸およびこれらのZn塩(2〜4phr程度)等が使用できる。
このようにして得られるフィルムは、熱可塑樹脂のマトリクス中にエラストマーが不連続相として分散した構造をとる。かかる構造をとることにより、フィルムに十分な柔軟性と、連続相の樹脂層の効果により十分な低空気透過性を併せ付与することができるとともに、エラストマーの多少によらず熱可塑性樹脂の成形加工性を得ることができる。
本発明にかかる空気入りタイヤを製造するに際しては、カーカスとして、2枚以上のカーカスから形成され、かつ該2枚のカーカスプライの間に、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドを含むヤング率が50〜500MPaのポリマー組成物のフィルムを挟んだ構造を有するカーカスをまず製造し、該カーカスを用いて、通常のタイヤの製造工程に供することにより製造することができる。
競技用ポルシェ車(排気量3500cc)に、本発明の実施例のタイヤ1種と比較例のタイヤ5種をそれぞれ装着して、操縦安定性や重量、生産性や加工性についてそれぞれ評価を行った。タイヤサイズは、F(前輪)250/650R18、R(後輪)280/680R18である。
フィルムは特許第3126321号公報の実施例に記載のポリマー組成のものを使用して、ヤング率が200MPa、20MPa、600MPaのそれぞれ厚さ0.10mmのものを準備した。
実施例1は、本発明にかかるものであり、2枚のカーカスプライの間にヤング率が200MPaのフィルムを配設したものである。
比較例1はフィルムを間に配設しせずに2枚のカーカスプライを接合して使用したもの、比較例2はフィルムを間に配設しせずに3枚のカーカスプライを接合して使用したもの(ただし、うち1枚はビードコアに至る手前までのみ存在しているもの)、比較例3はカーカスプライを1枚としてヤング率が200MPaのフィルムをタイヤの内周面に配設したもの、比較例4、比較例5は、それぞれ2枚のカーカスプライの間にヤング率が本発明を満足しないフィルムを配設したものである。
評価は、サーキット走行を行うことによりフィーリング評価(PI計測)とラップタイムの計測を行って、それらに基づいて操縦安定性について評価し、タイヤ加工性とカーカスプライセパレーション性については、各タイヤ製造工程での加工時の取扱い性、加工中のカーカスプライの層間剥がれの発生頻度に基づいて評価をした。
評価の基準は、「タイヤ加工性」と「カーカスプライセパレーション性」については、絶対評価で、問題発生のときを「×」、問題発生なしのときを「○」とした。
また、「操縦安定性」と「重量」については、比較例1のもの(カーカスプライ2枚使用。層間にはフィルムを使用せずに密着させたもの)を100としての指数評価とした。「操縦安定性」は値が大きいほど良好であることを示し、「重量」は小さいほど軽く良好であることを示している。
それぞ評価した結果は、表1に示したとおりである。
かかる表1からもわかるように、本発明によれば、空気入りタイヤ全体重量の増加を抑えながら、ケーシング剛性が向上していることにより操縦安定性が向上した空気入りタイヤが実現できている。
Figure 2007050722
図1は、本発明にかかる空気入りタイヤのタイヤ子午線方向の半断面概略モデル図である。
符号の説明
1:空気入りタイヤ
2:ビードコア
3:ビードフィラー
4:ビード部
5:カーカスプライ
6:トレッド部
7:ベルト層
8:フィルム

Claims (2)

  1. カーカスプライを2枚以上有し、そのカーカスプライ間に、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドを含むヤング率が50〜500MPaのポリマー組成物のフィルムを左右一対のビードコア間に延在するように配設してなることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. フィルムが、厚さ20〜1000μmのものであることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
JP2005235665A 2005-08-16 2005-08-16 空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP4710480B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005235665A JP4710480B2 (ja) 2005-08-16 2005-08-16 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005235665A JP4710480B2 (ja) 2005-08-16 2005-08-16 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007050722A true JP2007050722A (ja) 2007-03-01
JP4710480B2 JP4710480B2 (ja) 2011-06-29

Family

ID=37915468

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005235665A Expired - Fee Related JP4710480B2 (ja) 2005-08-16 2005-08-16 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4710480B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2123480A3 (en) * 2008-05-19 2010-06-16 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Pneumatic tire and method of manufacturing the same
JP2012250605A (ja) * 2011-06-02 2012-12-20 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50141003A (ja) * 1974-04-05 1975-11-12
JPH09300921A (ja) * 1996-05-13 1997-11-25 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
JP2000185514A (ja) * 1998-12-21 2000-07-04 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50141003A (ja) * 1974-04-05 1975-11-12
JPH09300921A (ja) * 1996-05-13 1997-11-25 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
JP2000185514A (ja) * 1998-12-21 2000-07-04 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2123480A3 (en) * 2008-05-19 2010-06-16 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Pneumatic tire and method of manufacturing the same
JP2012250605A (ja) * 2011-06-02 2012-12-20 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4710480B2 (ja) 2011-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3695840B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4346666B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4501326B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4442700B2 (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP4636194B2 (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP3848771B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2009269446A (ja) 空気入りタイヤおよびその製造方法
JP2003104008A (ja) 空気入りタイヤ
JP2010137820A (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JPH1035232A (ja) 空気入りタイヤ
JP2010125891A (ja) 空気入りタイヤ
JP2010111351A (ja) 空気入りタイヤ
JP6244649B2 (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
WO2015022720A1 (ja) 乗用車用空気入りタイヤ
US10850565B2 (en) Pneumatic tire
US10828938B2 (en) Pneumatic tire
JP3859338B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4710480B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2010125890A (ja) 空気入りタイヤ
JP4056155B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6265134B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5326604B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6428145B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4103943B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2009208734A (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080811

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110209

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110307

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140401

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees