JP4103943B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐久性、操縦安定性を実質的に低下させることなくタイヤ質量の低減(軽量化)を可能にした空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気入りタイヤにおいてカーカス層のトレッド部外周にタイヤ1周に亘って配置されるベルト層としては、引き揃えられた複数本の補強コード(スチールコード、芳香族ポリアミド繊維コード等)をカレンダー工程に掛け、未加硫ゴムをゴム引きして帯材とし、このゴム引き帯材を長手方向に対し所定角度で所定幅に切断したものが使用されている。
【0003】
しかしながら、スチールコードからなるベルト層では、タイヤ質量の低減が困難であると共に、長期間に亘る走行の過程でスチールコードが錆びて耐久性が低下するという問題があった。
【0004】
また、芳香族ポリアミド繊維コードからなるベルト層では、タイヤ質量の低減および耐錆性の点では良好であるものの、スチールコードからなるベルト層に比して面内曲げ剛性が低いため十分なコーナリングパワーが得られないので操縦安定性に劣るといった問題があった。
【0005】
一方、特開平10−309908号公報には、最外カーカス層のコードと最内ベルト層のコードとの間に比較的高弾性率の単一ゴムを配したものが示されている。しかし、このように単一ゴムを配した場合、最低限のベルト部面内曲げ剛性を確保するために、相当量のゴム量が必要であるので軽量化は困難であるばかりでなく、補強材からなるベルト層を有するタイヤに比べてベルト部に相当する部分の面内曲げ剛性が低くなり、十分なコーナリングパワーが得られないので操縦安定性に劣ってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ベルト層の構成を工夫することにより、耐久性、操縦安定性を実質的に低下させることなくタイヤ質量を低減せしめた空気入りタイヤを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の空気入りタイヤは、左右一対のビード部にカーカス層を装架し、該カーカス層のトレッド部外周に、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドした熱可塑性エラストマーからなる複数の帯状の補強材をタイヤ周方向に対し傾斜させると共にタイヤ幅方向に互いに間隔を置いて並列させてなるベルト層を配置し、かつ前記補強材の幅Wを5〜30mmにし、該幅Wと該補強材の厚さTとの比W/Tを5〜10000にしたことを特徴とする。
【0008】
このように熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドした熱可塑性エラストマーからなる帯状の補強材でベルト層を構成したため、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーはスチールコードのように錆びることがないので耐久性の低下がもたらされることがない。また、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーは芳香族ポリアミド繊維コードやゴムに比してヤング率が大きいことと、補強材の幅Wを5〜30mmにし、幅Wと補強材の厚さTとの比W/Tを5〜10000にした断面形状がもたらす相乗効果によりベルト部の面内曲げ剛性が低くならないから、操縦安定性が低減することがない。さらに、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーからなる帯状の補強材は薄肉化できるので、ベルト層の厚さの低減が可能となるからタイヤ軽量化をはかることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の空気入りタイヤの一例の子午線方向半断面図を示す。図1において、左右一対のビード部にカーカス層2が装架され、カーカス層2の端部がビード部でビードコア4およびビードフィラー5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。トレッド部1では、カーカス層2の外側に、すなわちカーカス層2のトレッド部外周に、2枚のベルト層3がタイヤ周方向にタイヤ1周に亘って配置されている。
【0010】
ベルト層3は、図2に示されるように、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドした熱可塑性エラストマーからなる複数の帯状の補強材7をタイヤ周方向EE’に対し傾斜させると共にタイヤ幅方向FF’に互いに間隔を置いて並列させることにより構成される。補強材7のタイヤ周方向EE’に対する傾斜角度は、5°〜40°であるのがよい。これはベルト層3の面内曲げ剛性と面外曲げ剛性とのバランスをはかるためである。ベルト層3は、図1および図2では2層配置されているが、補強材7をバイアス状に配置してプライ間で交差させて複数層にするのがよい。
【0011】
補強材のヤング率は、1GPa〜30GPaであるとよい。1GPa未満では十分なコーナリングパワーを得ることができないため、操縦安定性が低下してしまう。一方、30GPa超では硬くなりすぎて乗心地が悪化してしまう。
【0012】
図3にベルト層3のタイヤ幅方向断面を示す。図3において、帯状の補強材7は周辺ゴム6によって囲繞されている。補強材7の幅Wは5〜30mmにし、また、幅Wと補強材7の厚さTとの比W/Tは5〜10000にする。補強材7の間隔Mは、幅Wの20〜200%が好ましい。
【0013】
補強材7を構成する熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂〔例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体〕、ポリアミド系樹脂〔例えばナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕、ポリエステル系樹脂〔例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリブチレンテレフタレート/テトラメチレングリコール共重合体、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂〔例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)、エチレンメチルアクリレート樹脂(EMA)〕、ポリビニル系樹脂〔例えば酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコー(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポエ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体〕、セルロース系樹脂〔例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)〕、イミド系樹脂〔例えば芳香族ポリイミドPI)〕などを挙げることができる。
【0014】
また、補強材7を構成する熱可塑性エラストマーは、熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドしてなるもので、上述の熱可塑性樹脂中にエラストマーが分散した形態のものである。この熱可塑性エラストマーには、エラストマーの分散性や耐熱性などの改善のために補強剤、充填剤、架橋剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤などの配合剤を添加してもよい。エラストマーの配合量は、熱可塑性エラストマー重量当り5重量%以上、好ましくは10〜80重量%である。
【0015】
そのようなエラストマーとしては、例えば、ジエン系ゴム及びその水添物〔例えばNR、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シスBR及び低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)〕、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー、含ハロゲンゴム〔例えばBr−IIR、Cl−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHC,CHR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM)〕、シリコンゴム(例えばメチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム)、含イオウゴム(例えばポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム(例えばビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム)などを挙げることができる。
【0016】
これら熱可塑性樹脂(A)とエラストマー(B)との組成比A/Bは、好ましくは10/90〜95/5、更に好ましくは20/80〜85/15である。熱可塑性樹脂とエラストマーとの化学的相溶性が異なる場合には、第3成分として適当な相溶化剤を用いて両者を相溶化させるのが好ましい。系に相溶化剤を混合することにより、熱可塑性樹脂とエラストマーとの界面張力が低下し、その結果、分散相を形成しているエラストマーの粒子径が微細になることから両者の特性はより有効に発現されることになる。この相溶化剤としては、一般的に熱可塑性樹脂、エラストマーの両方または片方の構造を有する共重合体、あるいは熱可塑性樹脂またはエラストマーと反応可能なエポキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、ハロゲン基、アミノ基、オキサゾリン基、水酸基等を有した共重合体の構造を有するものが挙げられる。これらは混合される熱可塑性樹脂とエラストマーの種類によって選定することができる。
【0017】
汎用のものとして、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン系ブロック共重合体(SEBS)およびそのマレイン酸変性物、EPDM、EPMおよびそれらのマレイン酸変性物、EPDM/スチレンまたはEPDM/アクリロニトリルグラフト共重合体およびそのマレイン酸変性物、スチレン/マレイン酸共重合体、反応性フェノキシン等を挙げることができる。
【0018】
熱可塑性エラストマーに相溶化剤を配合する場合、その配合量には特に限定はなく、好ましくはポリマー成分(熱可塑性樹脂とエラストマーとの総和)100重量部に対して0.5〜20重量部の割合となる量である。
【0019】
熱可塑性樹脂中にエラストマーを分散させるには、エラストマーを動的架橋すればよい。動的架橋に用いられる加硫剤、加硫助剤、加硫条件(温度、時間)等は、使用するエラストマーの組成に応じて適宜決定すればよく、特に限定されない。加硫剤としては、一般的なゴム加硫剤(架橋剤)を用いることができる。
【0020】
ゴム加硫剤として用いられるイオウ系加硫剤の具体例としては、粉末イオウ、沈降性イオウ、高分散性イオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノールサルファイド等が例示される。
【0021】
このイオウ系加硫剤を用いる場合には、その使用量は、例えば、0.5〜4phr(ゴム成分100重量部当りの重量部、以下、同じ)の割合となる量が好ましい。
【0022】
有機過酸化物系の加硫剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ(パーオキシルベンゾエート)等が例示される。
【0023】
この有機過酸化物系の加硫剤を用いる場合には、その使用量は、例えば、1〜15phrの割合となる量が好ましい。
【0024】
さらに、フェノール樹脂系の加硫剤としては、アルキルフェノール樹脂の臭素化物や、塩化スズ、クロロプレン等のハロゲンドナーとアルキルフェノール樹脂とを含有する混合架橋系等が例示される。
【0025】
このフェノール樹脂系の加硫剤を用いる場合には、その使用量は、例えば、1〜20phrの割合となる量が好ましい。
【0026】
その他の加硫剤として、亜鉛華(5phr程度)、酸化マグネシウム(4phr程度)、リサージ(10〜20phr程度)、p−キノンジオキシム、p−ジベンゾイルキノンジオキシム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、ポリ−p−ジニトロソベンゼン(2〜10phr程度)、メチリンジアニリン(0.2〜10phr程度)等が例示される。
【0027】
また、熱可塑性エラストマーには、必要に応じて、加硫促進剤を添加してもよい。用いられる加硫促進剤としては、アルデヒド・アンモニア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般的な加硫促進剤を、例えば、0.5〜2phr程度用いればよい。
【0028】
アルデヒド・アンモニア系加硫促進剤としては、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。
【0029】
グアニジン系加硫促進剤としては、ジフェニルグアニジン等が挙げられる。
【0030】
チアゾール系加硫促進剤としては、シベンゾチアジルジサルファイド(DM)、2−メルカプトベンゾチアゾールおよびそのZn塩、シクロヘキシルアミン塩等が挙げられる。
【0031】
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、シクロヘキシルベンゾチアジルスルフェンアマイド(CBS)、N−オキシジエチレンベンゾチアジル−2−スルフェンアマイド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアマイド、2−(チモルポリニルジチオ)ベンゾチアゾール等が挙げられる。
【0032】
チウラム系加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジサルファイド(TMTD)、テトラエチルウチラムジサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド(TMTM)、ジベンタメチレンチウラムテトラサルファイド等が挙げられる。
【0033】
ジチオ酸塩系加硫促進剤としては、Zn−ジメチルジチオカーバメート、Zn−ジエチルジチオカーバメート、Zn−ジ−n−ブチルジチオカーバメート、Zn−エチルフェニルジチオカーバメート、Tc−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメチルジチオカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバメート、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等が挙げられる。
【0034】
チオウレア系加硫促進剤としては、エチレンチオウレア、ジエチルチオウレア等が挙げられる。
【0035】
また、加硫促進剤として、一般的なゴム用助剤を併せて用いることができ、例えば、亜鉛華(5phr程度)、ステアリン酸やオレイン酸およびこれらのZn塩(2〜4phr程度)等を用いることができる。
【0036】
本発明で用いる熱可塑性エラストマーは、予め熱可塑性樹脂とエラストマー(ゴムの場合は未加硫物)とを2軸混練押出機等で溶融混練し、連続相を形成する熱可塑性樹脂中にエラストマーを分散させることにより得られる。エラストマーを加硫する場合には、混練下で加硫剤を添加し、エラストマーを動的に加硫させても良い。また、熱可塑性樹脂またはエラストマーへの各種配合剤(加硫剤を除く)は、上記混練中に添加しても良いが、混練の前に予め混合しておくことが好ましい。熱可塑性樹脂とエラストマーの混練に使用する混練機としては、特に限定はなく、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等が挙げられる。中でも熱可塑性樹脂とエラストマーの混練およびエラストマーの動的加硫には2軸混練押出機を使用するのが好ましい。さらに、2種類以上の混練機を使用し、順次混練してもよい。溶融混練の条件として、温度は熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であれば良い。また、混練時の剪断速度は500〜7500sec-1であるのが好ましい。混練全体の時間は30秒から10分、また加硫剤を添加した場合には、添加後の加硫時間は15秒から5分であるのが好ましい。上記方法で作製された熱可塑性エラストマーは、樹脂用押出機による成形またはカレンダー成形によって帯状の補強材化される。
【0037】
【実施例】
タイヤサイズ195/65R15 91Sおよび図1に示すタイヤ構造を共通にするが、ベルト層の構成材料が下記のように異なる空気入りタイヤをそれぞれ作製した(従来タイヤ1〜3、比較タイヤ1、本発明タイヤ1〜2)。
【0038】
従来タイヤ1
2+2(0.25)のコード構造のスチールコード。エンド数40本/50mm。タイヤ周方向に対するコード角度22°。プライ間でコードが交差。
【0039】
従来タイヤ2
1500D/2の芳香族ポリアミド繊維コード(アラミドコード)。エンド数50本/50mm。タイヤ周方向に対するコード角度22°。プライ間でコードが交差。
【0040】
従来タイヤ3
弾性率13MPaの単一ゴム。厚さ2.5mm。
【0041】
比較タイヤ1
変性IIRをゴム用ペレタイザーで100℃にてペレット化した後、表1に示す配合のPBTと変性IIRの比率でドライブレンドし、2軸混練機の第1投入口より投入した。
【0042】
熱可塑性樹脂とエラストマーを十分に混練した後、第3投入口から系内に加硫系を添加し、動的加硫を行った。
【0043】
この時の混練条件は、250℃でせん断速度を1000S-1に設定した。
【0044】
2軸混練機からストランド状に押出された熱可塑性エラストマー組成物は水冷し、冷却した後、樹脂用ペレタイザーでペレット化した。
【0045】
でき上がったペレットは、樹脂用単軸押出機にて、幅10mm、厚さ0.1mmの帯状材料に押出成形した。
【0046】
この帯状物を引張試験したところ、ヤング率は900MPa(0.9GPa)であった。
【0047】
本帯状物の両面に接着剤(ケムロック234B、ロード社製)を塗布し、乾燥後、本補強材を間隔M=5mmで角度±22°でバイアス状に配置することによりタイヤ構成した。
【0048】
本発明タイヤ1
表1に示す配合にて比較タイヤ1と同様の方法で熱可塑性エラストマー組成物を作製し、引張試験したところ、ヤング率は1000MPa(1GPa)であった。
【0049】
本材料を使い、比較タイヤ1と同様にタイヤを作製した。
【0050】
本発明タイヤ2
0.1mm厚さのポリイミドフィルム(ユーピレックスS、宇部興産社製)を10mm幅に切り出し、両面に接着剤を塗布し、比較タイヤ1と同様にタイヤを作製した。
【0051】
本ポリイミドフィルムのヤング率は9GPaであった。
【0052】
【表1】
これらのタイヤにつき、下記によりタイヤ質量および操縦安定性を評価した。この結果を表2に示す。
【0053】
タイヤ質量:
新品の各試験タイヤの質量を測定した。従来タイヤ1の質量を100とする指数で示す。指数値が小さい方が質量が小さく、軽量であることを表わす。
【0054】
操縦安定性:
各試験タイヤを1998年度のJATMAに規定の標準リムに装着し、空気圧を200kPaにして、排気量2000ccの乗用車に取り付け、平坦な周回路を有するテストコースを60km/h、100km/hで実車走行させ、レーンチェンジ時およびコーナリング時の操舵性と直進時の安定性について、専門パネラー3名による官能評価を行った。評価結果は従来タイヤ1の値を基準(100)とする指数で示した。この指数値が大きいほど操縦安定性が優れている。
【0055】
【表2】
【0056】
表2から明らかなように、本発明タイヤ1〜2は従来タイヤ1〜3に比し、操縦安定性を実質的に低下させることなくタイヤ質量を低減せしめている。また、本発明タイヤ1〜2では、ベルト層の構成材料として熱可塑性エラストマーを用いているため、スチールコードを用いる場合のように錆びの発生がないので耐久性の低下がもたらされることがない。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドした熱可塑性エラストマーからなる複数の帯状の補強材をタイヤ周方向に対し傾斜させると共にタイヤ幅方向に互いに間隔を置いて並列させることによりベルト層を構成したために、耐久性、操縦安定性を実質的に低下させることなくタイヤ質量を低減せしめることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの一例の子午線方向半断面図である。
【図2】本発明の空気入りタイヤにおけるベルト層の要部を示す平面視説明図である。
【図3】本発明の空気入りタイヤにおけるベルト層の要部を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 トレッド部
2 カーカス層
3 ベルト層
4 ビードコア
5 ビードフィラー
6 周辺ゴム
7 補強材
Claims (3)
- 左右一対のビード部にカーカス層を装架し、該カーカス層のトレッド部外周に、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドした熱可塑性エラストマーからなる複数の帯状の補強材をタイヤ周方向に対し傾斜させると共にタイヤ幅方向に互いに間隔を置いて並列させてなるベルト層を配置し、かつ前記補強材の幅Wを5〜30mmにし、該幅Wと該補強材の厚さTとの比W/Tを5〜10000にした空気入りタイヤ。
- 前記補強材をタイヤ周方向に対し5°〜40°の角度で傾斜させた請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記補強材のヤング率が1GPa〜30GPaである請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
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