JP2007048710A - 正極活物質の製造方法および電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 LiとCoとを含む複合酸化物粒子の少なくとも一部に、NiおよびMnのうちの少なくとも一方を含む水酸化物の前駆層を形成したのち(ステップS101)、加熱処理することにより前駆層の水酸化物を脱水し、Liと,NiおよびMnのうちの少なくとも一方とを含む酸化物の被覆層を形成する(ステップS102)。前駆層は、アンモニアを含む塩基性の分散媒中において形成する。アンモニアにより塩基性度の急激な変化を抑制することができ、均一性を向上させることができる。
【選択図】 図1
Description
(化1)
Li(1+x) Co(1-y) My O(2-z)
化1において、Mはマグネシウム,アルミニウム,ホウ素,チタン,バナジウム,クロム,マンガン,鉄,ニッケル,銅,亜鉛,モリブデン,スズ,タングステン,ジルコニウム,イットリウム,ニオブ,カルシウムおよびストロンチウムからなる群のうちの少なくとも1種である。
図2は本実施の形態に係る製造方法により得られた正極活物質を用いた第1の二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池は、電極反応物質としてリチウムを用い、負極の容量が、リチウムの吸蔵および放出による容量成分により表されるいわゆるリチウムイオン二次電池である。この二次電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、一対の帯状の正極21と帯状の負極22とがセパレータ23を介して巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11の内部には、液状の電解質である電解液が注入されており、セパレータ23に含浸されている。電池缶11は、例えばニッケルのめっきがされた鉄により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、また、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12,13がそれぞれ配置されている。
図4は本実施の形態に係る製造方法により得られた正極活物質を用いた第2の二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回電極体30をフィルム状の外装部材40の内部に収容したものであり、小型化,軽量化および薄型化が可能となっている。
まず、平均組成がLi1.03Co0.98Al0.01Mg0.01O2.02であり、レーザー散乱法により測定した平均粒子径が13μmの複合酸化物粒子1000質量部を、50℃の純水2000質量部に1時間撹拌して分散させた。次いで、市販試薬の硫酸ニッケル(NiSO4 ・6H2 O)130質量部と、市販試薬の硫酸マンガン(MnSO4 ・H2 O)85質量部とを混合し、これに純水を加えて1000質量部とした混合溶液を作製した。続いて、複合酸化物粒子を分散させた分散系に対して、作製した混合溶液のうち900質量部を添加すると同時に、市販試薬のアンモニア水溶液を希釈して添加した。更に、この分散系に、市販試薬の水酸化ナトリウム水溶液を添加して分散媒の水素イオン指数pHを11.0とし、1時間撹拌分散して複合酸化物粒子の表面にニッケルとマンガンとを含む水酸化物を被着させたのち、放冷した(ステップS101;図1参照)。実施例1において、被覆元素の化合物の添加速度は、複合酸化物粒子1000質量部に対して約0.75mol/hとし、アンモニアの含有量は、分散媒1000質量部に対して3.5質量部とした。
硫酸ニッケルと硫酸マンガンとを溶解させた混合溶液の添加量を450質量部としたことを除き、他は実施例1と同様にして正極活物質を作製した。前駆層を形成した複合酸化物粒子について金属元素のモル比を分析したところ、Li:Co:Ni:Mn:Al:Mg=1.00:0.94:0.02:0.02:0.01:0.01であった。
硫酸ニッケルと硫酸マンガンとを溶解させた混合溶液の添加量を220質量部としたことを除き、他は実施例1と同様にして正極活物質を作製した。前駆層を形成した複合酸化物粒子について金属元素のモル比を分析したところ、Li:Co:Ni:Mn:Al:Mg=1.00:0.955:0.013:0.013:0.01:0.01であった。
硫酸ニッケルと硫酸マンガンとを溶解させた混合溶液の添加量を450質量部、被覆元素の化合物の添加速度を複合酸化物粒子1000質量部に対して約0.75mol/h、アンモニアの含有量を分散媒1000質量部に対して1.7質量部、分散媒の水素イオン指数pHを10.8としたことを除き、他は実施例1と同様にして正極活物質を作製した。前駆層を形成した複合酸化物粒子について金属元素のモル比を分析したところ、Li:Co:Ni:Mn:Al:Mg=1.00:0.94:0.02:0.02:0.01:0.01であった。
硫酸ニッケルと硫酸マンガンとを溶解させた混合溶液の添加量を450質量部、被覆元素の化合物の添加速度を複合酸化物粒子1000質量部に対して約0.75mol/h、アンモニアの含有量を分散媒1000質量部に対して7質量部、分散媒の水素イオン指数pHを11.4としたことを除き、他は実施例1と同様にして正極活物質を作製した。前駆層を形成した複合酸化物粒子について金属元素のモル比を分析したところ、Li:Co:Ni:Mn:Al:Mg=1.00:0.94:0.02:0.02:0.01:0.01であった。
実施例1〜5と同一ロットの複合酸化物粒子を、そのまま正極活物質とした。
硫酸ニッケルと硫酸マンガンとを溶解させた混合溶液の添加量を450質量部、被覆元素の化合物の添加速度を複合酸化物粒子1000質量部に対して約0.75mol/hとし、アンモニアを添加せずに、水酸化ナトリウム水溶液を添加して分散媒の水素イオン指数pHを11.0としたことを除き、他は実施例1と同様にして正極活物質を作製した。前駆層を形成した複合酸化物粒子について金属元素のモル比を分析したところ、Li:Co:Ni:Mn:Al:Mg=1.00:0.94:0.02:0.02:0.01:0.01であった。
Claims (6)
- リチウム(Li)とコバルト(Co)とを含む複合酸化物粒子の少なくとも一部に、リチウムと、ニッケル(Ni)およびマンガン(Mn)のうちの少なくとも一方の被覆元素とを含む酸化物の被覆層を形成した正極活物質の製造方法であって、
前記複合酸化物粒子の少なくとも一部に、前記被覆元素の化合物を溶解させたアンモニアを含む塩基性の分散媒中において、前記被覆元素を含む水酸化物の前駆層を形成する工程と、
この前駆層を加熱処理することにより、前記被覆層を形成する工程と
を含むことを特徴とする正極活物質の製造方法。 - 前記複合酸化物粒子として、平均組成が化1で表されるものを用いることを特徴とする請求項1記載の正極活物質の製造方法。
(化1)
Li(1+x) Co(1-y) My O(2-z)
(化1において、Mはマグネシウム(Mg),アルミニウム(Al),ホウ素(B),チタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),マンガン,鉄(Fe),ニッケル,銅(Cu),亜鉛(Zn),モリブデン(Mo),スズ(Sn),タングステン(W),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y),ニオブ(Nb),カルシウム(Ca)およびストロンチウム(Sr)からなる群のうちの少なくとも1種であり、x,yおよびzは、それぞれ−0.10≦x≦0.10、0≦y<0.50、−0.10≦z≦0.20の範囲内の値である。) - 前記分散媒の水素イオン指数pHを10以上12以下とすることを特徴とする請求項1記載の正極活物質の製造方法。
- 前記分散媒におけるアンモニアの含有量は、前記分散媒1000質量部に対して、1質量部以上10質量部以下とすることを特徴とする請求項1記載の正極活物質の製造方法。
- 前記分散媒に対する前記複合酸化物粒子の分散量は、前記分散媒100質量部に対して、30質量部以上70質量部以下とすることを特徴とする請求項1記載の正極活物質の製造方法。
- 正極および負極と共に、電解質を備えた電池であって、
前記正極は、リチウム(Li)とコバルト(Co)とを含む複合酸化物粒子の少なくとも一部に、リチウムと、ニッケル(Ni)およびマンガン(Mn)のうちの少なくとも一方の被覆元素とを含む酸化物の被覆層を形成した正極活物質を含有し、
この正極活物質は、前記複合酸化物粒子の少なくとも一部に、前記被覆元素の化合物を溶解させたアンモニアを含む塩基性の分散媒中において、前記被覆元素を含む水酸化物の前駆層を形成したのち、加熱処理することにより前記被覆層を形成したものである
ことを特徴とする電池。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002231227A (ja) * | 2000-12-15 | 2002-08-16 | Korea Advanced Inst Of Sci Technol | リチウム二次電池の正極用層相構造酸化物の表面処理方法 |
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