JP2007047660A - 光偏向器および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 主走査に加えて、それと直交する方向に微小な走査を行うことにより軌跡の微調整を行うことのできる、低コスト化、小型化に優れた、振動型スキャナを用いた光偏光器を提供すること。
【解決手段】 主走査方向の回転振動を共振駆動する駆動手段を利用して、主走査と直交する方向の微少な走査も共振駆動し、両振動の合成により、主走査方向の光線軌跡の傾斜やうねりを補正することにより、主走査に直交する方向の微少な走査の駆動手段を主走査と共通化することで、低コスト化、小型化に優れた光偏光器を提供することができ、かつ、主走査と直交する方向の微少な走査も共振駆動とすることで、周期毎の軌跡が安定し、振幅や位相の検出も容易な光偏向器を提供することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光偏向器および画像形成装置に関し、特に、発光源もしくは発光源からの光線の反射手段を、直交する二軸の周りに回転振動させるよう構成された光偏向器と、この光偏向器を搭載した画像形成装置に関する。
従来より、二次元の対象を走査する手法として、ベクタ走査と、ラスタ走査とが知られている。ベクタ走査は、必要な箇所のみを一筆書きのようになぞるものである。一方、ラスタ走査は、対象を等間隔の点の集合に分割し、平行な直線(以後、主走査と言う)の繰り返しにより全面を走査するものである。ベクタ走査が、主に文字などの線画像を扱う用途に適しているのに対して、ラスタ走査は、線画像だけでなく、写真など自然画像を扱う用途にも適している。
このような、光によるラスタ走査を実現する手段の一つに、単一のミラーを回転振動させる振動型スキャナが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは、図10(a)に模式的に示すように、軸SHに1枚のミラーMLを取り付け、軸SHのねじり振動を利用してミラーを回転振動させるものである。一般的には、軸SHとミラーMLを合わせた系の共振振動を利用するため、共振型スキャナとも呼ばれる。
しかしながら、振動型スキャナの走査は単振動であるため、図10(b)に模式的に示すように、有効な走査期間は、往動FSか復動BSのいずれか一方となり、最大でも周期の50%に留まる。これは、主走査(図10(b)の横方向の走査)に垂直な方向の走査(図10(b)の縦方向の走査:以後、副走査と言う)を等速度で行うと、往動FSと復動BSの軌跡が平行でなくなるために、復動BSを走査に利用できなくなるためである。
また、ミラーMLの振動角が時間に対して正弦波状に変化するため、図10(a)で、反射光L13を被走査平面H1上に投影すると、被走査平面H1の中心よりも周辺の走査速度が遅くなる。歪曲を有した補正レンズ(fsinθレンズ)LZを利用することにより、走査速度を一定に補正できるが、実際に走査速度を一定に補正できて、実用上問題なく主走査に利用できる期間は、周期の30%程度となる。
さらに、図10(c)に模式的に示すように、レーザ光軸L11がミラーの回転軸SHと垂直でないと、回転振動時の光線軌跡FSおよびBSが放物線状に湾曲するという課題も発生する。
主走査期間が短くなることで、種々の問題が生じる。例えば、電子写真の感光体や銀塩フィルムを露光するシステムや、レーザ光を走査してスクリーン上に映像を表示するシステムにおいては、主走査で対象にレーザ光を照射する期間が短くなるため、レーザ出力を大きくしたり、変調周波数を高める必要が生じる。システムを高速化する場合、この課題は特に重要となり、レーザ光源の大型化、駆動回路や制御回路の大出力化、これらの発熱や寿命の短縮などの課題が生じる。
このような課題を解決するため、ミラーを回転振動させる振動型スキャナで、往復の軌跡を平行にする手法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。これは、主走査方向の往復走査と同時に副走査方向に微小な回転を加えることにより、主走査の軌跡を調整するものである。また、同じ手段を用いて軌跡の湾曲を補正する手法も開示されている。
ところが、このような課題を解決するために必要となる副走査方向の走査角度は、主走査と比較して非常に小さなものである。例えば、往復走査を平行にするためには、副走査方向は画素サイズ分だけ走査すればよく、例えば、副走査方向の解像度を10dot/mmとすると、副走査方向に必要な走査量は0.1mmである。それに対して、例えば、用紙サイズをA3縦とすると、主走査の走査幅は約300mmとなり、走査量に約3,000倍もの開きがある。
また、回転振動時の光線軌跡が放物線状に湾曲する課題に関しては、機械的に生じる光軸の角度誤差が、300mmのスパンで0.5mm程度と考えられるため、この角度誤差を補正するための走査量の比は約600倍となる。
このように、いずれの場合においても、副走査の走査角度は、主走査の数百から数千分の1と非常に小さい。しかし、走査角度は小さくても、この間の走査速度(各時刻の走査位置)には、主走査と同程度の精度が求められる。走査速度に変動が生じると、光線の軌跡がうねる原因となるからである。仮に、ミラーから投影面までの距離を500mmとすると、投影面上で0.1mmの誤差は、ミラー角度にして約40秒と小さい誤差となり、これが副走査方向に必要な走査角度となる。
特許文献2によれば、副走査方向は直流駆動であり、上述のような高精度な走査速度の制御を行うためには、位置センサによりミラーの角度を常時検出し、駆動電流をフィードバックして制御する必要がある。しかしながら、前述の通り、副走査方向は振幅が非常に小さいため、ミラーの軸で角度を検出するためには、非常に高い精度のセンサが必要となる。
また、光線の軌跡は、主走査と副走査の合成で決まるため、主走査の振動との同期も正確に取る必要がある。さらに、主走査は共振駆動、副走査は直流駆動と、駆動方式が異なるため、それぞれに設計された二系統の駆動手段を用意する必要がある。
このように、副走査を主走査と独立して直流制御するためには、高精度なセンサ、駆動手段、制御手段等、多くの構成手段を備える必要があり、コスト、サイズなどの面で大きな不都合が生じる。
特公平7−50261号公報 特開2002−296534号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、主走査に加えて、それと直交する方向に微小な走査を行うことにより主走査の光線軌跡の微調整を行う光偏向器において、単一の駆動手段で主走査とそれに直交する方向の微少な走査の両方を励振するものである。より具体的には、主走査方向の回転振動を共振駆動する駆動手段を利用して、主走査と直交する方向の微少な走査も共振駆動し、両振動の合成により、主走査方向の光線軌跡の傾斜やうねりを補正するものである。
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
(1) 発光源、もしくは発光源からの光線の反射手段を有し、
前記発光源もしくは前記反射手段を軸周りに回転振動させることにより、光線の進行方向を変化させる光偏向器において、
前記光偏向器は、直交する二方向の振動軸と、
前記直交する二方向の振動軸の周りの回転振動を駆動する単一の駆動手段と、
前記回転振動を制御する駆動制御手段とを備え、
前記駆動制御手段は、前記駆動手段に、異なる周波数の駆動信号を出力することを特徴とする光偏向器。
(2) 前記駆動信号は、前記駆動信号の異なる周波数の比が1:2で、位相差が90度であることを特徴とする(1)に記載の光偏向器。
(3) 前記駆動信号は、前記駆動信号の異なる周波数の比が1:2で、位相差が0度もしくは180度であることを特徴とする(1)に記載の光偏向器。
(4) (1)乃至(3)の何れか1項に記載の光偏向器を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
請求項1に記載の発明によれば、直交する二方向の振動軸を備えた光偏向器において、単一の駆動手段によって、直交する二方向の振動軸の周りの回転振動を、異なる周波数で共振駆動することで、主走査に直交する方向の微少な走査の駆動手段を主走査と共通化することにより、低コスト化、小型化に優れた光偏光器を提供することができ、かつ、主走査と直交する方向の微少な走査も共振駆動とすることにより、周期毎の軌跡が安定し、振幅や位相の検出も容易な光偏向器を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、直交する二方向の振動軸を備えた光偏向器において、共振駆動の周波数の比が1:2で、位相差が90度の駆動信号で駆動することで、主走査と副走査の光線の軌跡を平行にすることができ、低コスト化、小型化に優れ、周期毎の軌跡が安定し、振幅や位相の検出も容易な光偏向器を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、直交する二方向の振動軸を備えた光偏向器において、共振駆動の周波数の比が1:2で、位相差が0度もしくは180度の駆動信号で駆動することで、主走査の光線の湾曲を直線に補正することができ、低コスト化、小型化に優れ、周期毎の軌跡が安定し、振幅や位相の検出も容易な光偏向器を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れか1項に記載の光偏向器を搭載することで、高精度なセンサ、駆動手段、制御手段等、多くの構成手段を備える必要がなく、低コスト化、小型化に優れた画像形成装置を提供することができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例である電子写真システム10における、光偏向器100周辺の光学系の構成を示す模式図である。
本発明における発光源であるレーザ光源151は、感光体171の感度波長に応じた光を発振する、ガスレーザや半導体レーザである。レーザ光141は、集光レンズ153により、感光体171上の画素サイズに相当する程度のビーム径に絞り込まれる。
光偏向器100により、感光体171の軸173方向(形成される画像の水平方向)である主走査MS方向にレーザ光143が走査される。本実施の形態においては、この主走査MS方向が、レーザ光143の作用方向となる。さらに、感光体171が軸173の周りに回転することにより、レーザ光が、感光体171の周方向(形成される画像の垂直方向)である副走査SS方向に走査される。
補正レンズ155は、上述したように、感光体171上でのレーザ光の主走査速度を一定にするものであり、一般的には、例えばfsinθレンズ等が用いられる。主走査速度を等速度にできれば、省略することも可能である。
主走査検出器161および副走査検出器163は、フォトダイオードなどの光電変換素子からなり、感光体171上でのレーザ光の有効な主走査範囲の外に、主走査方向に配置される。本実施の形態では、感光体171の主走査方向の両側に並べて置かれている。主走査検出器161および副走査検出器163によって主走査一回毎にレーザ光の到達が検出されて、レーザ光の走査速度や点滅開始タイミング等が制御される。
主走査検出器161は、例えば、前面に主走査MSと直交する方向に伸びたスリットが設けられており、レーザ光の副走査SS方向の変位によらず、主走査MS方向の検出ができるように構成されており、副走査検出器163も同様に、副走査SSと直交する方向に伸びたスリットにより、レーザ光の主走査MS方向の変位によらず、副走査SS方向の検出ができるように構成されている。主走査検出器161および副走査検出器163については、図8の説明で再度詳述する。
電子写真プロセスにおいては、感光体171は、不図示の帯電器で均一に帯電される。次に、感光体171上のレーザ光の走査によって、レーザ光の照射された部分は光導電性により抵抗値が減少し、電荷が消滅する。このようにして形成された電荷像に、トナーという着色粉を静電気力で付着させて顕像化し、これを紙に転写、定着することにより、プリントを得る。
図2は、振動型スキャナからなる光偏向器100の構成を示す模式図である。図2(a)に示すように、光偏向器100は、永久磁石110のN極111とS極112、ミラー部101、垂直ねじりバネ103、水平ねじりバネ107、垂直枠108および固定部102からなる。
ミラー部101は、本発明における反射手段として機能し、その一方の表面に光の反射面が形成され、本発明における振動軸として機能する垂直軸105および水平軸109の周りに対称の形状をしており、その上下端に垂直ねじりバネ103が備えられている。垂直ねじりバネ103の他端は垂直枠108に連結されており、垂直枠108は、その左右端に水平ねじりバネ107が備えられている。水平ねじりバネ107の他端は固定部102に連結されており、固定部102は不図示の筐体に固定されている。これらは、例えば、金属や樹脂製の板をプレスやエッチング加工することにより、製作することができる。
図2(b)に示すように、ミラー部101の裏面104には、コイル121が、例えば、マイクロマシン技術と呼ばれる、一般的なMEMS(Micro Electro−Mechanical System)製造プロセスを用いて、裏面104の周縁を取り囲む回路パターンとして形成されており、垂直軸105の左右で上下逆方向に、水平軸109の上下で左右逆方向に電流Iが流れる。
また、図2(b)に示すように、永久磁石110は、ミラー101の左右に、その磁界Hが水平軸109と所定の角度θだけ傾斜した方向に伸びるように配置されている。
駆動手段131は、コイル121に所定の周波数を持つ正弦波やパルス波等の交流の駆動信号を印加する。駆動手段131は、本発明における駆動制御手段としても機能する。
図3は、コイル121に流れる電流Iと磁界Hの相互作用による回転力の発生を示す模式図である。図3(a)に示すように、次回Hが図の左斜め下方から右斜め上方に印加されている時に、駆動手段131によって、コイル121に図上で反時計回りの電流Iが印加されると、フレミングの左手の法則により、コイル121の図の左辺には紙面裏面から表面方向の力が働き、同じくコイル121の右辺には紙面表面から裏面方向、下辺には紙面裏面から表面方向、上辺には紙面表面から裏面方向の力が働き、これによって、垂直軸105周りには、コイル121の左辺が紙面表面方向に、右辺が紙面裏面方向に回転する回転力301が発生し、水平軸109の周りには、下辺が紙面表面方向に、上辺が紙面裏面方向に回転する回転力303が発生し、これによって、コイル121が裏面に形成されているミラー部101が、垂直軸105と水平軸109の周りにねじり力を受けることになる。
同じく、図3(b)のように、駆動手段131によって、コイル121に時計回りの電流I’が印加されると、上記と反対方向の力が働き、ミラー部101も上記と逆方向のねじり力を受ける。従って、駆動手段131により交流の駆動波形が印加されると、回転方向は交流の駆動信号に同期して切り替わり、ミラー部101は、垂直および水平の二軸周りのねじり振動を行う。
このねじり振動は、バネのねじり角をφ、ねじり剛性をk、ミラーを含めた慣性モーメントをIとすると、次式で表される関係をもつ。
Figure 2007047660
従って、一般的に、ねじりバネは、共振周波数fが次式で表される単振動を行う。
Figure 2007047660
ここで、図4を用いて、本発明の課題、解決案および結果を整理する。図4は、本発明の課題、解決案および結果を整理した模式図である。図4(a)は、図10(b)に示したと同じ図で、往動FSと復動BSの軌跡が平行でなくなるために、復動BSを走査に利用できなくなるという課題がある。この課題は、図4(b)に示したように、主走査方向のねじり振動に加えて、副走査方向にも所望のねじり振動を加えることで、レーザ光の軌跡401を∞記号状にすることで、図4(c)のように、往動FSと復動BSの軌跡を平行にすることができ、課題が解決できる。
また、図4(d)は、図10(c)に示したと同じ図で、レーザ光軸がミラーの回転軸と垂直でないために、回転振動時の光線軌跡が放物線状に湾曲するという課題を示す図である。この課題は、図4(e)に示すように、主走査方向のねじり振動に加えて、副走査方向にも所望のねじり振動を加えることで、レーザ光の軌跡403を図4(d)の放物線と逆方向の放物線状にすることで、図4(f)のように、往動FSと復動BSの軌跡を図4(a)と同じ直線の軌跡にすることができ、課題が解決できる。
次に、上述したレーザ光の軌跡を実現するための方法について、図5を用いて説明する。一般に、振動方向が直交する二つの単振動を合成することにより、リサジューの図と呼ばれる曲線が得られる。二つの単振動の周波数、位相を変化させることにより、種々の軌跡が得られる。図5に、二つの単振動の周波数の比が1:1から1:3まで、位相差が0°から180°までの場合の軌跡を模式的に示す。
本実施の形態では、ミラー部101の主走査方向の軸103と副走査方向の軸107とが直交しているために、主走査方向と副走査方向の単振動は直交するので、単振動の周波数と位相とを適切に設定すると、ミラー部101は、図5に示したリサジューの図のような振動を行う。
ここで、図4(b)に示した∞記号状の振動は、周波数比1:2、位相差90°の二つの単振動を合成することにより実現することができる。また、図4(e)に示した放物線状の振動は、周波数比1:2で位相差0°もしくは180°の二つの単振動を合成することにより実現できる。
そこで、本実施の形態では、周波数比1:2、つまり、副走査方向の共振周波数fsが主走査方向の共振周波数fmの2倍となるように、ねじりバネ103(主走査方向)および107(副走査方向)の長さや幅を設定する。
fs=2・fm・・・(式3)
次に、共振振動の特性について、図6を用いて説明する。図6は、減衰のある振動系に、外部から周期的な励振力を加えたときの特性を示す模式図で、図6(a)は、横軸に励振力の周波数f、縦軸に振幅Dを、図6(b)は、横軸に励振力の周波数f、縦軸に励振力と振動の位相差φをとっている。
図6の波形601で示す通り、振動系の共振周波数f0近傍ではその振幅Dが急激に増大すると共に、波形603で示すように、位相差φが0°となる。共振時の振幅の拡大率は、振動系の粘性などにより定まるが、金属材料では、一般に数百〜数千倍の値となる。
本実施の形態では、(式3)で示すように、主走査方向と副走査方向の振動の共振周波数の比率を1:2に設定してあるため、一方の共振周波数と等しい駆動信号を入力しても、他方の振動系は励振されない。従って、主走査方向と副走査方向の振動は、それぞれを励振できる周波数の駆動信号により、独立して制御することができる。
従って、主走査方向の共振周波数fmの駆動信号の振幅、副走査方向の共振周波数fsの駆動信号の振幅、及び両者の位相差を調節することにより、図4(b)および図4(e)に示した波形が実現できる。つまり、図4(b)に示すレーザ光の∞記号状の軌跡401を実現するためには、位相差90°の駆動信号を、図4(e)に示すレーザ光の放物線状の軌跡403を実現するためには、位相差0°もしくは180°の駆動信号を入力すればよい。
例として、図7に上述した駆動信号の例を示す。図7では、横軸に時間tを、縦軸に振幅Dをとっている。波形701は主走査用の周波数fmのサイン波、波形703は副走査用の周波数fs(=2・fm)で位相差90°のサイン波、波形705は副走査用の周波数fs(=2・fm)で位相差0°もしくは180°のサイン波であり、波形707は、波形701と波形703を振幅1:1で合成したもの、つまり図4(b)に示すレーザ光の∞記号状の軌跡401を実現するための波形、波形709は、波形701と波形705を振幅1:1で合成したもの、つまり図4(e)に示すレーザ光の放物線状の軌跡403を実現するための波形の例である。合成する時の振幅の比を変えれば、波形は変化する。
次に、上述の振幅の調節方法について説明する。まず、図2で、光偏向器100に備えられた永久磁石110の磁界Hの大きさをH0とすると、その主走査方向成分はH0・cosθ、副走査方向成分はH0・sinθとなる。ここで、この磁界Hの主走査方向成分の大きさと副走査方向成分との比が、実現したい主走査方向の振幅と副走査方向の振幅の比率と、ほぼ同じとなるように角度θを決定する。
上述の通り、この比率が1,000倍の場合には、tanθ=0.001となり、θは約3分程度となる。この値はそれほど厳密でなくても良く、振幅の正確な調整は、駆動信号における各周波数成分の振幅で調節する。
実際の走査での振幅の検出は、検出器161および163により行う。主走査、副走査の周波数は、電子写真システム10に要求される描画の仕様により決まるため、周期は一定である。従って、検出器161および163に光が到達する時間間隔は、振動の振幅によってのみ変化する。
図8(a)に示すように、例えば、主走査検出器161は、レーザ光の軌跡の位置xが主走査方向のx0よりも図上で左に来た場合に検出信号を出力する。図8(b)に示すように、レーザ光の振幅が大きい場合は(曲線801)、振幅がx0よりも左にある時間tms1の間、検出信号を出力する。一方、レーザ光の振幅が小さい場合は(曲線803)、振幅がx0よりも左にある時間tms2の間、検出信号を出力する。従って、信号tms1乃至はtms2の長さを用いて振幅を検出することができ、これが常に一定時間値となるように印加する主走査方向の駆動信号の振幅を制御すればよい。
副走査方向の振幅についても、図8(c)に示すように、副走査検出器163を用いてレーザ光の軌跡の位置yが図上のy0よりも下側にある時間を検出することで、主走査方向と同様の考え方で検出することができる。
上述した振幅の検出方法は、図4(e)の放物線状のレーザ光の軌跡403の場合も同じである。
次に、上述した駆動信号を生成する駆動回路について、図9を用いて説明する。図9は、光偏向器100を駆動するための駆動信号を発生する駆動回路131の例を示すブロック図である。
駆動信号919は、水晶発振子等からなる発振子901で作られた高周波の基準信号を、分周器903で分周して、fs(=2・fm)とfmの2種類の周波数の信号913および923を作り、位相器905で、信号913に所定の位相差(例えば、0°、90°、180°等)を与えて信号915を作った後、増幅器907によって振幅を調整して、信号917および927を得、最後に、これらの信号を混合器909で合成することにより、駆動信号919を生成する。
従って、位相器905で信号913に与える所定の位相差と、増幅器907で信号915および923に与える各々の振幅を制御することによって、図4(b)又は図4(e)の駆動信号を得ることができる。
以上に述べたように、本発明によれば、主走査方向の共振駆動を行う駆動手段を共用して、主走査と直交する方向の副走査方向の共振駆動も行い、両方向の共振振動を励振する駆動信号の振幅と位相差を制御することで、低コストで小型化に適した光偏向器を提供することができるとともに、主走査と同様に副走査も共振駆動することにより、周期毎の軌跡を安定させ、振幅や位相の検出も容易な光偏向器を提供することができる。さらに、上述した光偏向器を搭載することで、高精度なセンサ、駆動手段、制御手段等、多くの構成手段を備える必要がなく、低コスト化、小型化に優れた画像形成装置を提供することができる。
尚、本発明に係る光偏向器および画像形成装置を構成する各構成の細部構成および細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
本発明に係る画像形成装置の一例である電子写真システムにおける、光偏向器周辺の光学系の構成を示す模式図である。 振動型スキャナからなる光偏向器の構成を示す模式図である。 コイルに流れる電流と磁界の相互作用による回転力の発生を示す模式図である。 本発明の課題、解決案および結果を整理した模式図である。 振動方向が直交する二つの単振動を合成することによって得られるリサジューの図を示す模式図である。 減衰のある振動系に、外部から周期的な励振力を加えたときの特性を示す模式図である。 光偏向器の駆動信号の例を示す模式図である。 主走査検出器および副走査検出器動作を示す模式図である。 光偏向器を駆動するための駆動信号を発生する回路の例を示すブロック図である。 振動型スキャナの原理とその課題を示す模式図である。
符号の説明
10 電子写真システム
100 光偏向器
101 ミラー部
102 固定部
103 垂直ねじりバネ
104 ミラー部裏面
105 垂直軸
107 水平ねじりバネ
108 垂直枠
109 水平軸
110 永久磁石
111 永久磁石のN極
112 永久磁石のS極
121 コイル
131 駆動手段
151 レーザ光源
153 集光レンズ
155 補正レンズ
161 主走査検出器
163 副走査検出器
171 感光体
173 感光体の軸
201 発振子
203 分周器
205 アンプ
207 混合器

Claims (4)

  1. 発光源、もしくは発光源からの光線の反射手段を有し、
    前記発光源もしくは前記反射手段を軸周りに回転振動させることにより、光線の進行方向を変化させる光偏向器において、
    前記光偏向器は、直交する二方向の振動軸と、
    前記直交する二方向の振動軸の周りの回転振動を駆動する単一の駆動手段と、
    前記回転振動を制御する駆動制御手段とを備え、
    前記駆動制御手段は、前記駆動手段に、異なる周波数の駆動信号を出力することを特徴とする光偏向器。
  2. 前記駆動信号は、前記駆動信号の異なる周波数の比が1:2で、位相差が90度であることを特徴とする請求項1に記載の光偏向器。
  3. 前記駆動信号は、前記駆動信号の異なる周波数の比が1:2で、位相差が0度もしくは180度であることを特徴とする請求項1に記載の光偏向器。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の光偏向器を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008233449A (ja) * 2007-03-20 2008-10-02 Hoya Corp 光ビーム走査装置および画像形成装置
JP2013037324A (ja) * 2011-08-11 2013-02-21 Nippon Signal Co Ltd:The 光走査装置

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