JP2007041115A - 光偏向器および画像形成装置 - Google Patents

光偏向器および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】振動型スキャナを用いた光偏向器において、低騒音、低発熱、低電力、長寿命、高応答などの長所を活かした光偏向器を提供すること、及び、機器の小型化やコストダウンに寄与すること。
【解決手段】ミラー部の駆動信号は水晶発振子201等で作られた高周波に基準信号211を分周器で分周して各周波数の信号213を作り、アンプ205により各々の振幅を調整した信号215を作り、混合器207で振幅が調整された各周波数の信号を混合して駆動信号217を得る。基準信号211の周波数を高め、高次の三角関数を重ね合わせて理想に近い駆動波形を実現する。
【選択図】図6

Description

本発明は、光偏向器および画像形成装置に関し、特に、発光源もしくは発光源からの光線の反射手段を軸周りに回転振動させて光線の走査を行う光偏向器と、それを搭載した画像形成装置に関する。
従来より、二次元の対象を走査する手法として、ベクタ走査と、ラスタ走査とが知られている。ベクタ走査は、必要な箇所のみを一筆書きのようになぞるものである。一方、ラスタ走査は、対象を等間隔の点の集合に分割し、平行な直線(以後、主走査と言う)の繰り返しにより全面を走査するものである。ベクタ走査が、主に文字などの線画像を扱う用途に適しているのに対して、ラスタ走査は、線画像だけでなく、写真など自然画像を扱う用途にも適している。
このような、光によるラスタ走査を実現する手段の一つに、モータで多面鏡(ポリゴンミラー)を回転させるポリゴンスキャナが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ポリゴンスキャナでは、図11(a)に示すように、例えばレーザL1の光L11が、ポリゴンミラーPMのある鏡面に入射し、その反射光L12が被走査平面H1上に入射する。ポリゴンミラーPMは、モータにより図の矢印方向に一方向に回転するので、図11(a)で、図面の裏面から表面方向に被走査平面H1が等速度で送られる(以後、副走査と言う)とすると、光走査の軌跡は、図11(c)の主走査FSのみとなり、戻りの無効な走査はない。
しかしながら、モータによりポリゴンミラーPMを回転させるために、鏡面が当角速度運動をするので、鏡面による反射光L12が被走査平面H1上に投影されると、被走査平面H1の中心よりも周辺での走査速度が速くなるという課題が生じる。一般に、映像や画像信号等の光走査で被走査平面H1上に投影される光信号のデータは、等時間間隔で扱うように作成、記録されているため、光走査速度に変化が生じると、被走査平面H1上に形成される映像、画像に走査方向の伸び縮みが生じる。
このため、周辺に歪曲を有したfθレンズLZを利用して、被走査平面H1上での走査速度を一定に補正している。しかし、走査の開始、終了付近での補正を充分に行うことは難しいため、実際に走査速度を一定に補正できて、実用上問題のない期間は周期の70%程度とされている。
一方、ポリゴンスキャナを用いて高速な走査を行うと、モータの発熱や騒音、消費電力の増加、軸受けやブラシの磨耗による寿命の短縮など種々の課題が発生する。さらに、これ以外にも、モータやポリゴンミラーの慣性質量が大きく立ち上がりが遅い、質量が大きいため二次元の走査に適さない等、ポリゴンミラーを用いるが故の課題もある。
これらの課題を解決するために、単一のミラーを回転振動させる振動型スキャナが提案されている(例えば、特許文献2参照)。これは、図11(b)に示すように、金属製の軸SHに1枚のミラーMLを取り付け、軸SHのねじり振動を利用してミラーを回転振動させるものである。一般的には、軸SHとミラーMLを合わせた系の共振振動を利用するため、共振型スキャナとも呼ばれる。振動型スキャナは、可動部の質量が小さいために駆動に必要なエネルギーが少なくて応答性もよく、また軸受けなどの摺動部分がないために寿命が長い等、ポリゴンスキャナの高速化に伴う課題のほとんどを解決することができる。
特公平6−52196号公報 特公平7−50261号公報
しかしながら、振動型スキャナの走査は単振動であるため、図11(d)に示すように、有効な走査期間は、往動FS’か復動BSのいずれか一方となり、最大でも周期の50%に留まる。これは、前述の副走査を等速度で行うと、往動FS’と復動BSの軌跡が平行でなくなるために往復動作を走査に利用できなくなるためである。
また、ミラーMLの振動角が時間に対して正弦波状に変化するため、図11(b)で、反射光L13を被走査平面H1上に投影すると、ポリゴンミラーと反対に、被走査平面H1の中心よりも周辺の走査速度が遅くなる。ポリゴンスキャナと反対の歪曲を有したfsinθレンズLZ’を利用することにより、走査速度を一定に補正できるが、実際に走査速度を一定に補正できて、実用上問題なく主走査に利用できる期間は、周期の30%程度となる。
主走査期間が短くなることで、種々の問題が生じる。例えば、電子写真の感光体や銀塩フィルムを露光するシステムや、レーザ光を走査してスクリーン上に映像を表示するシステムにおいては、主走査で対象にレーザ光を照射する期間が短くなるため、レーザ出力を大きくしたり、変調周波数を高める必要が生じる。システムを高速化する場合、この課題は特に重要となり、レーザ光源の大型化、駆動回路や制御回路の大出力化、これらの発熱や寿命の短縮などの課題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、有効に利用できる期間が短いという振動型スキャナの欠点を克服することにより、低騒音、低発熱、低電力、長寿命、高応答などその長所を活かした光偏向器を提供することを目的とする。さらに、該期間の移動速度を所望の値に制御することにより、レンズなどの補正手段を不要とし、機器の小型化やコストダウンに寄与することを目的とする。
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
(1) 発光源、もしくは発光源からの光線の反射手段を有し、前記発光源もしくは前記反射手段を軸周りに回転振動させることにより、光線の進行方向を変化させる光偏向器において、
前記回転振動を制御する振動制御手段を有し、
前記振動制御手段は、前記回転振動の特定方向への回転時間を長くし、特定方向と逆方向への回転時間を短くする駆動波形を出力することを特徴とする光偏向器。
(2) 前記回転振動の特定方向は、前記発光源からの光線の作用方向であることを特徴とする(1)に記載の光偏向器。
(3) 前記回転振動の特定方向への回転時間が、前記回転振動の振動周期の60%以上、80%以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の光偏向器。
(4) 発光源、もしくは発光源からの光線の反射手段を有し、前記発光源もしくは前記反射手段を軸周りに回転振動させることにより、光線の進行方向を変化させて、前記光線の走査を行う光偏向器において、
前記回転振動を制御する振動制御手段を有し、
前記振動制御手段は、前記回転振動の特定方向への前記光線の走査の速度を、所定の速度に制御する駆動波形を出力することを特徴とする光偏向器。
(5) 前記回転振動の特定方向は、前記発光源からの光線の作用方向であることを特徴とする(4)に記載の光偏向器。
(6) 前記駆動波形は、前記光線が投影される投影面上の光線の走査の速度を一定に制御する波形であることを特徴とする(4)または(5)に記載の光偏向器。
(7) 前記駆動波形は、高次の単振動の合成により生成されることを特徴とする(1)乃至(6)の何れか1項に記載の光偏向器。
(8) (1)乃至(7)の何れか1項に記載の光偏向器を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
請求項1に記載の発明によれば、振動型スキャナにおける回転振動の特定方向への回転時間を長くすることで、有効に利用できる期間を長くでき、低騒音、低発熱、低電力、長寿命、高応答などの長所を活かした光偏向器を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、振動型スキャナにおける回転振動の光線の作用方向への回転時間を長くすることで、光線の強度や変調周波数を低く抑えることができ、低騒音、低発熱、低電力、長寿命、高応答などの長所を活かした光偏向器を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、振動型スキャナにおける回転振動の特定方向への回転時間を振動周期の60%以上、80%以下とすることで、有効に利用できる期間を長くでき、低騒音、低発熱、低電力、長寿命、高応答などの長所を活かした光偏向器を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、振動型スキャナにおける回転振動の特定方向への光線の走査速度を所定の速度に制御することで、被走査面上の光線の走査を安定したものにでき、レンズなどの補正手段を不要とし、小型化やコストダウンを達成した光偏向器を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、振動型スキャナにおける回転振動の光線の作用方向への光線の走査速度を所定の速度に制御することで、被走査面上の光線の走査を安定したものにでき、レンズなどの補正手段を不要とし、小型化やコストダウンを達成した光偏向器を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、振動型スキャナにおける投影面上の光線の走査速度を一定に制御することで、レンズなどの補正手段を不要とし、小型化やコストダウンを達成した光偏向器を提供することができる。
請求項7に記載の発明によれば、振動型スキャナにおける回転振動の駆動波形を高次の単振動の合成により生成することで、有効に利用できる期間を長くでき、低騒音、低発熱、低電力、長寿命、高応答などの長所を活かし、かつ、レンズなどの補正手段を不要とし、小型化やコストダウンを達成した光偏向器を提供することができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項1乃至7の何れか1項に記載の光偏向器を搭載することで、振動型スキャナの長所を活かし、かつ、小型化やコストダウンを達成した画像形成装置を提供することができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
まず、本発明の第一の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置の一例である電子写真システム10における、光偏向器100周辺の光学系の構成を示す模式図である。
本発明における発光源として機能するレーザ光源151は、感光体171の感度波長に応じた光を発振する、ガスレーザや半導体レーザである。レーザ光141は、集光レンズ153により、感光体171上の画素サイズに相当する程度のビーム径に絞り込まれる。
光偏向器100により、感光体171の軸173方向(形成される画像の水平方向)である主走査MS方向にレーザ光143が走査される。本例においては、この主走査MS方向が、レーザ光143の作用方向となる。同時に、感光体171が軸173の周りに回転することにより、レーザ光が、感光体171の周方向(形成される画像の垂直方向)である副走査方向に走査される。
補正レンズ155は、上述したように、感光体171上でのレーザ光の主走査速度を一定にするものであり、一般的には、例えばfsinθレンズ等が用いられる。主走査速度を等速度にできれば、省略することも可能である。検出器161は、フォトダイオードなどの光電変換素子からなり、感光体171上でのレーザ光の有効な主走査範囲の外に置かれ、検出器161によって主走査一回毎にレーザ光の到達が検出されて、レーザ光の点滅開始タイミング等が制御される。
電子写真プロセスにおいては、感光体171は、不図示の帯電器で均一に帯電される。次に、感光体171上のレーザ光の走査によってレーザ光の照射された部分は、光導電性により抵抗値が減少し、電荷が消滅する。このようにして形成された電荷像に、トナーという着色粉を静電気力で付着させて顕像化し、これを紙に転写、定着することによりプリントを得る。
図2は、振動型スキャナからなる光偏向器100の構成を示す模式図である。
図2(a)に示すように、光偏向器100は、永久磁石110のN極111とS極112の間に置かれた、ミラー部101、ねじりバネ103および固定部102からなる。本発明における反射手段として機能するミラー部101は、その一方の表面に光の反射面が形成され、垂直軸105の周りに対称の形状をしており、その上下端にねじりバネ103が備えられている。ねじりバネ103の他端は固定部102に連結されており、固定部102は不図示の筐体に固定されている。これらは、例えば、金属や樹脂製の板をプレスやエッチング加工することにより、製作することができる。
図2(b)に示すように、ミラー部101の裏面104には、コイル121が、例えば、マイクロマシン技術と呼ばれる、一般的なMEMS(Micro Electro−Mechanical System)製造プロセスを用いて、裏面104の周縁を取り囲む回路パターンとして形成されており、垂直軸105の左右で上下逆方向に電流Iが流れる。
永久磁石110は、垂直軸105と平行にミラー101の左右に備えられており、その磁界Hは垂直軸105に直交している。
駆動回路131は、コイル121に正弦波やパルス状等の交流電圧を印加する。その周波数はミラーの共振周波数と一致させてある。その電圧振幅は検出器からのタイミングを測定して周期が一定になるように制御される。駆動回路131は、本発明における振動制御手段として機能する。
駆動回路131によってコイル121に交流電圧が印加されることで、フレミングの左手の法則により、ミラー101に垂直軸105の周りの回転力123が発生し、これが駆動力となる。交流の駆動信号によりコイル121に流れる電流Iの方向が切り替わるため、回転方向は交流の駆動信号に同期して切り替わり、回転力123により、ミラー101は垂直軸105の周りに、ねじり振動を行う。
次に、このねじり振動について説明する。バネのねじり角をφ、ねじり剛性をk、ミラーを含めた慣性モーメントをIとすると、これらの関係は次式で表される。
Figure 2007041115
従って、ねじりバネは共振周波数fが次式で表される単振動を行う。
Figure 2007041115
図3に示すように、固有振動には、バネの中点が節となり、両端の変位が最大となる基本の1次モード(図3(a))に加え、それが2つ、3つ、4つと連結された2次(図3(b))、3次(図3(c))、4次(図3(d))等の高次の振動モードが存在する。ねじりバネ103の断面形状が一定で、ミラー101、及び固定部102と連結される端部の影響を無視すれば、これら高次の振動モードは、(式2)に示す基本の1次モードの共振周波数の整数倍の共振周波数となる。
次に、上述のねじり振動を用いた光偏向器に求められる理想的な走査角度の時間特性について、図4を用いて説明する。
図4は、光偏向器100のミラー部101で反射されるレーザ光線401と、感光体171上のレーザ照射位置との関係を示す模式図である。感光体171の軸173に垂直な光軸xからのミラー部101で反射されるレーザ光線401の角度、すなわちミラー部101の回転角度をθ、ミラー部101の中心から感光体171の表面までの距離をr、感光体171の中心からレーザ照射位置までの距離をyとすると、これらの関係は次式で表される。
y=r・tanθ ・・・(式3)
前述したように、主走査方向のレーザ照射位置は時間に比例することが望ましいので、感光体171上での走査速度をv、時間をtとすると、両者の理想的な関係は次式で表される。
y=r・tanθ=vt ・・・(式4)
従って、ミラー部101の主走査1ライン分の理想的な角度・時間特性は次式のようになる。
θ=arctan(vt/r) ・・・(式5)
これを、図4(b)に示した。横軸は時間t、縦軸は走査角度θで、1ライン分の主走査時間t0の間に、主走査角度が−θ0からθ0まで変化する。t0およびθ0は、システムの設計によって決まる定数である。
1ライン分の主走査が終了すると、光偏向器100は次のラインの主走査に移る。そのためには、ミラー部101の回転方向を反転し、その角度を主走査開始の状態に戻す必要がある。この期間はレーザを照射して画像を書き込むことができないため、できるだけ短い方が望ましい。
従って、主走査の繰り返しを含めた理想的な角度・時間特性は、図4(c)の理想特性MSIのようになる。
続いて、上述した理想特性MSIにできるだけ近い角度・時間特性を得る方法について説明する。
一般に、任意の周期関数は、三角関数の重ね合わせで表すことができる(フーリエ展開)。ここで、(式5)から、ミラー部101の理想的な角度・時間特性の関数である、
y=arctan(x) ・・・(式6)
をフーリエ展開して三角関数の重ね合わせで表現する。(式6)は奇関数であるため、フーリエ展開の式は次式で示される。
Figure 2007041115
コンピュータ演算により係数:anを求めると以下のようになる。
a1=1
a2=−0.284
a3=0.240
a4=−0.166
図5に、区間(−π<x<π)の(式6)と、(式7)の1次の項のみ、1次+2次の項、1次から4次の項までを重ね合わせた各々のグラフを示す。(式7)の高次の項まで重ね合わせるほど、(式6)の理想の角度・時間特性に近づくと共に、有効な主走査期間が増加することが分かる。(式6)の理想特性に対して問題のない許容量は±20°程度と考えられ、この許容量以内になるのは、1次と2次の重ね合わせで、主走査期間が周期の約60%、1次から4次まで重ね合わせると、主走査期間が周期の約80%である。また、(式6)の理想特性に近づけるために、電気的な補正を行ってもよい。
このようにミラー部101の角度・時間特性を理想的に設計できれば、有効な主走査期間の比率が増加してレーザ出力や変調周波数を低減できると共に、感光体171の表面上でのレーザ走査速度が一定となるため、補正のためのレンズを不要、もしくは簡略化することができる。
次に、上述の(式7)で示した角度・時間特性を得るための、ミラー部101の駆動信号について説明する。ミラー部101の駆動信号は、(式7)のようにフーリエ展開された三角関数と同じ周波数の信号を、その振幅を制御して重ね合わせることにより生成される。上述の通り、ねじりバネを備えた振動系には、基本の一次モードに加え、その整数倍の共振周波数を持つ高次の振動モードが存在する。これらの振動モードと同じ周波数を持つ駆動信号を与えると、各次数の振動モードを独立に励振することができる。また、各振動モードの強弱は駆動信号の振幅で調節できる。
具体的には、駆動信号は、図6に示すように、例えば水晶発振子201等で作られた高周波の基準信号211を分周器203で分周して各周波数の信号213を作り、アンプ205により各々の振幅を調整した信号215を作り、混合器207で振幅が調整された各周波数の信号を混合して駆動信号217を得る。基準信号211の周波数を高めれば、高次項まで生成することができ、より理想的な波形に近づけることができる。
但し、駆動回路131やねじりバネ103の損失などにより、駆動信号217の振幅と、ミラー部101の振幅とは必ずしも線形な関係になるとは限らない。従って、各次数の振幅は、上記で計算された係数:anの値に一義的に決まるものではなく、実際に設計されたシステムに依存して調整されるべきものである。
また、回路側の制約などで、低次の振動までしか生成できない場合には、感光体171上の走査速度vに不均一な部分が残る。この場合、従来例と同様に、周辺に歪曲を有したレンズを利用することにより補正することになるが、仮に補正レンズが必要となっても、従来と比較して補正量が減少するため、補正レンズに要求される性能は従来例に比べて緩いものになり、有効な主走査期間が増大する利点も残る。
また、従来と比較して補正量が減少するため、補正レンズではなく、電子的に補正することも可能である。これを、図7を用いて説明する。図7は、感光体171上で走査されるレーザ光の位置yと時間tの関係を示す模式図である。理想状態として、レーザ光の走査速度vが一定であれば、レーザ光の位置yは時間tに比例するので、その関係は直線701のようになる。そのため、レーザ光で画像を書き込むタイミングも等間隔となる。図7のST0からST8のタイミングがそれである。
しかし、レーザ光の走査速度の不均一が残っている場合、例えば、タイミングST5以降の部分の走査速度が遅くなって図7の曲線702のようになった場合には、ST6からST8のタイミングで画像を書き込むと、画像が歪むことになる。この場合には、書込のタイミングを、ST6ではなくST6Dに、ST7をST7Dに、ST8をST8Dに遅らせると感光体171上の正しい位置に画像を書き込むことができる。
本例のように、速度変動の幅があまり大きくなく、変動の値が既知であれば、速度の遅い区間では画像データの書込タイミング間隔を広く、逆に、速い区間では間隔を狭くすることにより、画像の歪みを解消することができる。
次に、本発明の第二の実施の形態について図8を用いて説明する。図8は、二次元の光偏向器とRGBのレーザ光源を用いて平板上に映像を投影する画像形成装置に、本発明を適用した例である。
図8(a)に示したように、二次元の光偏向器800は、図2の一次元の光偏向器100の外側に、水平軸805の周りに回転振動するねじりバネ803と永久磁石のN極811、S極812を追加し、固定部802で全周を図示しない筐体に固定する形式となっている。
図8(b)に、二次元の光偏向器800を用いた画像形成装置の模式図を示す。RGBレーザ光源851は、RGB三原色を発光するレーザである。レーザ光831は、集光レンズ853により、画面871上の画素サイズに相当する程度のビーム径に絞り込まれる。
二次元光偏向器800によりレーザ光841が反射されて、補正レンズ855を介して、レーザ光843が画面871の左右方向である主走査MS方向に走査されるとともに、画面871の上下方向である副走査SS方向にも走査される。
本例においても、主走査MSおよび副走査SSのどちらも定速走査が理想であるため、第一の実施の形態と同様に、三角関数の重ね合わせによって理想に近い駆動波形を実現することができる。
また、本発明の第一の実施の形態においては、光偏向器100は、レーザ光131を集光レンズ153で絞り込み、ミラー部101で反射させて走査を行う構成であったが、図9に示すように、ミラー部101の代わりに、光偏向器100上に面発光レーザなど半導体チップ上に形成された光源999を搭載することも可能である。こうすることによって、ミラー部や集光レンズを省略できると共に、レーザ光源151から光偏向器までのスペースも省略でき、小型化とコストダウンに寄与することができる。この場合でも、本発明で提案した高次の三角関数の重ね合わせで理想に近い駆動波形を実現することができる。
さらに、本発明の第一の実施の形態においては、理想の走査波形は、レーザ光の主走査時には低速の定速で走査を行い、戻り時には高速で戻すものであったが、バーコードスキャナや光切断式の形状測定器など、高速な走査が望ましい用途も多くある。このような場合には、第一の実施の形態とは反対に、主走査時には高速の定速で走査を行い、戻り時には低速で戻して、その間に、光源の発光準備や冷却、計測結果の演算などを行うことにより、一周期を有効に利用することができる。
この場合にも、図10に示したように、図6と同様に、発信子201の高周波の基準信号211を分周器203で分周して各周波数の信号213を作り、アンプ205により各々の振幅を調整した信号215を作り、混合器207で振幅が調整された各周波数の信号を混合して駆動信号297を得ることによって、所望の駆動特性を実現することができる。
以上に述べたように、本発明によれば、高次の三角関数を重ね合わせて理想に近い駆動波形を実現することで、振動型スキャナの欠点である走査の有効期間の短さを克服することにより、低騒音、低発熱、低電力、長寿命、高応答などその長所を活かした光偏向器を提供することができるとともに、走査速度を所望の値に制御することにより、レンズなどの補正手段を不要とし、機器の小型化やコストダウンに寄与することができる。
尚、本発明に係る光偏向器および画像形成装置を構成する各構成の細部構成および細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
本発明に係る画像形成装置の一例である電子写真システムにおける、光偏向器周辺の光学系の構成を示す模式図である。 光偏向器の構成を示す模式図である。 ねじりバネの固有振動モードを示す模式図である。 光偏向器のミラー部の回転角度と、感光体上のレーザ照射位置との理想的な関係を示す模式図である。 三角関数の重ね合わせによる角度・時間特性の形成方法を示すグラフである。 ミラー部の駆動信号を生成する回路の一例を示すブロック図である。 感光体上で走査されるレーザ光の位置と時間の関係を示す模式図である。 二次元の光偏向器とRGBのレーザ光源を用いて平板上に映像を投影する画像形成装置に、本発明を適用した例を示す模式図である。 光偏向器上に面発光レーザなどの光源を搭載する例を示す模式図である。 高速な走査を実現する場合のミラー部の駆動信号を生成する回路の一例を示すブロック図である。 ポリゴンスキャナと振動型スキャナの比較を示す模式図である。
符号の説明
100 光偏向器
101 ミラー部
102 固定部
103 ねじりバネ
104 ミラー部裏面
105 垂直軸
110 永久磁石
111 永久磁石のN極
112 永久磁石のS極
121 コイル
131 駆動回路
151 レーザ光源
153 集光レンズ
155 補正レンズ
161 検出器
171 感光体
173 感光体の軸
201 発振子
203 分周器
205 アンプ
207 混合器

Claims (8)

  1. 発光源、もしくは発光源からの光線の反射手段を有し、前記発光源もしくは前記反射手段を軸周りに回転振動させることにより、光線の進行方向を変化させる光偏向器において、
    前記回転振動を制御する振動制御手段を有し、
    前記振動制御手段は、前記回転振動の特定方向への回転時間を長くし、特定方向と逆方向への回転時間を短くする駆動波形を出力することを特徴とする光偏向器。
  2. 前記回転振動の特定方向は、前記発光源からの光線の作用方向であることを特徴とする請求項1に記載の光偏向器。
  3. 前記回転振動の特定方向への回転時間が、前記回転振動の振動周期の60%以上、80%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の光偏向器。
  4. 発光源、もしくは発光源からの光線の反射手段を有し、前記発光源もしくは前記反射手段を軸周りに回転振動させることにより、光線の進行方向を変化させて、前記光線の走査を行う光偏向器において、
    前記回転振動を制御する振動制御手段を有し、
    前記振動制御手段は、前記回転振動の特定方向への前記光線の走査の速度を、所定の速度に制御する駆動波形を出力することを特徴とする光偏向器。
  5. 前記回転振動の特定方向は、前記発光源からの光線の作用方向であることを特徴とする請求項4に記載の光偏向器。
  6. 前記駆動波形は、前記光線が投影される投影面上の光線の走査の速度を一定に制御する波形であることを特徴とする請求項4または5に記載の光偏向器。
  7. 前記駆動波形は、高次の単振動の合成により生成されることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の光偏向器。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項に記載の光偏向器を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
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JP2008249797A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Konica Minolta Opto Inc 画像投影装置
JP2012530264A (ja) * 2009-06-15 2012-11-29 マイクロビジョン,インク. 非同期走査型ディスプレイの投影

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