JP2007047186A - 管理装置および精度管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ユーザが外部精度管理結果を従来に比べて実質的にリアルタイムで行うことができるようにすること。
【解決手段】 臨床検査における精度管理情報を提供する管理装置であって、精度管理物質を分析装置で測定して得られたサンプルデータを、ネットワークを介して受信する受信手段と、受信したサンプルデータを分析装置毎および精度管理物質毎に集計して精度管理結果を表示したウエブページを作成する処理手段と、精度管理結果を表示したウエブページを、ユーザ端末からWWWブラウザを用いてアクセス可能に提供する提供手段と、を備えた管理装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、臨床検査の精度管理を容易にするための技術に関する。
血液検査などの臨床検査では、血液や尿などを試料として様々な検査項目を分析することが求められている。それらの分析項目はその特性に合わせた測定方法がとられた分析装置によって測定されている。分析装置は、非常に低濃度の物質を高感度に測定したり、微量の試料から10項目以上の項目を測定したりできるように、高度な機構を備え、検査結果の精度を維持するために各機構部の動作が監視されている。
分析装置は、各機構部の動作にトラブルが発生した場合、その旨の警報を発して分析装置のトラブルをユーザに知らせる。その場合、ユーザは、取扱い説明書に従い、またはサポートセンターなどに電話して状況を説明して技術者の説明に従い、トラブルを解消させる。そして、ユーザが自力で解消できない場合は、サポートセンタから技術者を派遣してもらい、トラブルを解消してもらう。
しかし、臨床検査ではこのような生体成分の検査結果を精度良く管理するためには機構部の監視だけでは不充分で、その生体成分と同じ試料若しくはそれに類似した試料を精度管理物質として測定し、その測定結果を監視する精度管理が行われている。
この精度管理としては、同じ精度管理物質を毎日測定して安定した測定結果が得られるのかを監視する方法(内部精度管理)と、その施設以外で用いられている同じ分析装置で測定した結果と同じような測定結果が得られているのかを監視する方法(外部精度管理)とが用いられている。
ところが外部精度管理を行うためには、集計機関から各施設に同じ精度管理物質を送付し、各施設でその精度管理物質を測定し、各施設からその測定結果(以下、サンプルデータという)を集計機関に送付し、集計機関によりそれらのサンプルデータを集計しなくてはならない。各施設は、その集計結果が集計機関から返送されて初めて、外部精度管理の結果を知ることになる。この精度管理物質の送付から集計結果の返送までは、集計機関がサンプルデータの返送が一定数以上たまるまで待たなくてはならないこともあり、1〜2カ月かかるのが通常である。
外部精度管理は前述のように集計機関による集計結果を待って確認するしかなく、回数も通常は1年に1回、多くても1年に3〜4回位しか行われていない。
精度管理は、本来測定データの信頼性を高めるために、毎日の試料測定前に行ってその結果を確認する性格を有する。つまり精度管理のサンプルデータが所定の範囲から外れることは、エラーの発生とも言え、所定の範囲に入るように分析装置の調整してから、試料の測定を行うべきである。しかし、現状の外部精度管理では集計結果が帰ってくるのが測定後1〜2ヶ月後であり、測定当時の装置状態を事後的に確認するために用いているのに過ぎない。
また、血液など経時変化しやすい物質を分析対象とする場合、サンプルデータの測定に用いる精度管理物質の新鮮さは、外部精度管理に参加する各施設間で同程度でなければならない。しかし、各施設に精度管理物質を送付してサンプルデータを集める場合、どうしても測定日がまちまちになりがちである。これでは、収集されたサンプルデータの元となる精度管理物質の新鮮さがまちまちになるため、集計結果の信頼性が低下してしまう。
本発明は、分析装置の実効ある外部精度管理が可能な技術を提供することを目的とする。
本願発明の第1の局面による管理装置は、臨床検査における精度管理情報を提供する管理装置であって、精度管理物質を分析装置で測定して得られたサンプルデータを、ネットワークを介して受信する受信手段と、受信したサンプルデータを分析装置毎および精度管理物質毎に集計して精度管理結果を表示したウエブページを作成する処理手段と、精度管理結果を表示したウエブページを、ユーザ端末からWWWブラウザを用いてアクセス可能に提供する提供手段と、を備えることを特徴としている。
また、本願発明の第2の局面による精度管理方法は、臨床検査における精度管理方法であって、受信手段が、精度管理物質を分析装置で測定することにより得られたサンプルデータを、ネットワークを介して受信するステップ、処理手段が、サンプルデータを分析装置毎および精度管理物質毎に集計して精度管理結果を表示したウエブページを作成するステップ、および提供手段が、精度管理結果を表示したウエブページを、ユーザ端末からWWWブラウザを用いてアクセス可能に提供するステップ、からなることを特徴としている。
本発明の管理装置及び精度管理方法によれば、ユーザが外部精度管理を実質的にリアルタイムで行うことができるようになる。
次に本発明の精度管理方法について、実施形態例を挙げて具体的に説明する。
<第1実施形態例>
[概要]
本実施形態例では、本発明の方法を実現するリモートサポートシステムを例に挙げて説明する。リモートサポートシステムはユーザたる施設が所有する分析装置とシステム提供側の管理装置とが、専用ネットワークで接続されて構成される。
分析装置は、所定の履歴情報を所定のタイミングでネットワークを介して管理装置に送信する。履歴情報には、分析装置の可動状況を示す所定の動作情報と、サンプルデータとが含まれる。動作情報とは、各分析装置のエラー情報、動作回数、動作プログラム、設定条件などである。サンプルデータとは、精度管理物質の測定データである。
管理装置は、各分析装置から履歴情報を収集し、履歴情報を分析装置毎に内容に応じて編集して蓄積するサポート処理及びQC(Quality Control)処理を行う。
A.サポート処理
管理装置は、収集した履歴情報から動作情報を編集し、蓄積する。また、管理装置は、動作情報に基づいてエラー内容の分析を行い、重要なエラー発生があればその表示を行う。技術者は、エラーが発生した分析装置の履歴情報を管理装置上で確認できるので、ユーザに詳細な説明を求めなくても機器状態を充分に把握することができ、トラブルの原因を究明することができる。
また、管理装置は分析装置を遠隔操作する機能を備えている。従って、技術者は、その施設に訪問しなくても、管理装置から直接分析装置の処置をすることができる。さらに管理装置はエラー情報を分析して分析装置のトラブルを予測し、トラブルを未然に防ぐ処置をとることができる。
B.QC処理
管理装置1は、各分析装置2で測定された精度管理物質のサンプルデータを、分析装置2の機種毎、精度管理物質の種類毎に集計する。管理装置1は、サンプルデータを受信する度に、同機種における同種のサンプルデータの集計結果を更新し、最新の集計結果をウェブページ上に提供する。分析装置2は、ウェブページにアクセスすることにより、最新の集計結果を取得する。ウェブページへのアクセスにあたり、管理装置は、分析装置から入力された認証情報に基づいて認証処理を行う。このようにして、ユーザは精度管理物質を測定した後すぐに、外部精度管理の集計結果、それも最新の集計結果をリアルタイムに確認することができる。
[構成]
(1)全体構成
図1は、第1実施形態例に係るリモートサポートシステムの全体構成図の一例である。本実施形態例に係るリモートサポートシステムは、管理装置1と分析装置2とが専用ネットワーク3を介して接続されている。
分析装置2は、ネットワーク通信装置4を介して専用ネットワーク3に接続されている。分析装置2としては、例えば血液分析装置や尿分析装置などを挙げることが出来る。管理装置1としては、PC(Personal Computer)やWS(Work Station)などが用られる。ネットワーク通信装置4としては、ダイアルアップルータやモデムなどが用いられる。
専用ネットワーク3としては、例えば本システムの提供者が電話回線を提供している会社と契約することにより占有的に利用可能な専用電話回線を挙げることが出来る。専用ネットワーク以外に、インターネットやイントラネット、LANなど各種ネットワークを用いることも可能である。
(2)管理装置
図2は、管理装置及び分析装置の機能構成を示すブロック図である。
管理装置には、通信インターフェイス(I/F)11、処理部12、ユーザ管理DB14、電子メールサーバ15、WWWサーバ16及びリモートコントロール部(ホスト側)13が設けられている。
通信I/F11は、分析装置との間でコネクションの確立を行う。
処理部12は、サポート処理及びQC処理を、ユーザ管理DB14を用いて行う。サポート処理により、管理装置上で所定のエラー履歴を表示し、分析装置に発生したトラブルの原因究明を行うことが可能となる。図8〜11に、処理部により出力されるエラー履歴の表示例を示す。また、QC処理により、分析装置上で外部精度管理をリアルタイムに行うことが可能となる。図14及び15に、QC処理により作成された集計結果のウェブページの例を示す。これらの表示例についての詳細は後述する。
ユーザ管理DB14には、エラー履歴、動作回数、QCデータ、ログ情報などが、分析装置毎に蓄積されている。
電子メールサーバ15は、分析装置の履歴情報及びサンプルデータを、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)により受信する。通信プロトクルはSMTPに限定されないが、SMTPはファイアウォールなどによる制限を受けないため、将来本システムを各種のネットワーク上で拡張しやすい利点がある。
WWWサーバ16は、処理部12が作成するウェブページを、分析装置上のWWWブラウザに提供する。
リモートコントロール部(ホスト側)13は、分析装置2上のリモートコントロール部(ユーザ側)と連動することにより、分析装置2の遠隔操作を可能にする。両者が連動することにより、分析装置にリモートログインし、分析装置で表示されるウインドウをリモートコントロール部(ホスト側)13に表示したり、リモートコントロール部(ホスト側)13からの入力操作に従い分析装置を操作することが可能となる。
(3)分析装置
分析装置2上のユーザ端末22は、通信インターフェース(I/F)23、電子メール部24、リモートコントロール部(ユーザ側)25、WWWブラウザ26、患者マスキング部27及び制御部28を有している。
通信I/F23は、前記管理装置1における通信I/F11と同様、コネクションを確立する処理を行う。
電子メール部24は、分析部21の動作履歴を示す履歴情報及びサンプルデータを、SMTPにより管理装置に送信する。
リモートコントロール部(ユーザ側)25は、リモートコントロール部(ホスト側)13と共に動作することにより、管理装置1からの分析装置2の操作を可能にする。
WWWブラウザ26は、ユーザからの指示に基づいて管理装置上のウェブページを取得する。
患者マスキング部27は、管理装置1から分析装置2を操作する場合、患者情報が管理装置上で表示されないようにする。
制御部28は、分析部21及びユーザ端末22上の各構成要素の動作を制御する。
<処理の流れ>
次に、リモートサポートシステムにおいて、管理装置及び分析装置が行う処理について説明する。
(1)システム全体の処理の流れ
まず、リモートサポートシステム全体の処理の流れについて、具体的に説明する。図3は、リモートサポートシステムにおけるユーザサポートの流れの一例を示す説明図である。
分析装置2は、通常の試料測定を行い(#1)、その動作情報を所定のタイミングで管理装置1に送信する(#3)。送信のタイミングは、エラー情報など急性のある動作情報であればリアルタイム、動作回数や試料測定結果など緊急性がない動作情報であればシャットダウン時である。エラー情報は分析装置1にも表示され、ユーザは分析装置1のトラブルを発見する(#8)。
管理装置1は、分析装置2より送られてきた動作情報をその種類に分けて履歴DB13に蓄積する(#4)。管理装置1は、蓄積された動作情報に重要なエラー情報がある場合か、軽微なエラー情報ではあるが頻度が高い場合やエラー内容が悪化の傾向にある場合など所定の重要なエラー発生が予想される場合、設定に基づいて分析装置のトラブルを検出する(#7)。
また、分析装置2は、精度管理物質を測定すると、通常の試料測定結果とは異なりリアルタイムにそのサンプルデータを管理装置1に送信する(#3)。分析装置2は、測定試料の容器に貼られたバーコードを読み取り、その試料が精度管理物質か否かを判断し、判断結果に基づいてサンプルデータの送信を行う。管理装置1は、新たなサンプルデータを元に集計結果を更新する(#5)。
ユーザは、サンプルデータを測定後、管理装置1が集計した集計結果を取得し(#6)、外部精度を確認する。管理装置1は、集計結果の更新に応じてウェブページを更新してゆく。分析装置2がウェブページにアクセスし、アクセスが認証されると、最新の集計結果がサンプルデータとともにウェブページに提供される。
このようにして、ユーザは内部精度管理結果だけではなく、外部精度管理結果もすぐに確認することができ、リアルタイムに分析装置の異常を発見することができる(#8)。
管理装置1は、精度管理データを分析し、精度管理の結果が所定の範囲からはずれた場合や、精度管理データの悪化が予想される場合、所定の設定に基づいて分析装置2のトラブルを検出する(#7)。例えば、データが中央値から離れてゆく傾向にある場合である。管理装置1で分析装置2のトラブルが検出されれば、ユーザにその旨の通知がされる(#8)。
分析装置のトラブルが発見されれば(#8)、ユーザは分析装置のトラブル解消の処置を行う(#10)。管理装置1は、その分析装置2の編集された動作情報からトラブル内容を分析し(#9)、ユーザにトラブル解消のための最適な情報を提供する。
ユーザが自力でトラブル解消することが困難な場合、ユーザは分析装置のリモートコントロール部を起動させる(#11)。サポートセンタの技術者は、管理装置側のリモートコントロール部により、分析装置2を遠隔操作してトラブル解消操作を行う(#12)。その際、分析装置の画面は管理装置側の画面と連動される。このようにして、分析装置の操作によって解消可能なトラブルについては、複雑なトラブルであっても、サポートセンターからの遠隔操作によって解消することができる(#14)。これでも処置できないトラブルについては、技術者が訪問して修理が行われる(#13,14)。
(2)管理装置における処理の流れ
次に、リモートサポートシステムにおいて管理装置1が行う処理の流れについて、具体的に説明する。
(2−1)収集処理
図4は、管理装置1が行うメイン処理の流れの一例を示すフローチャートである。メイン処理では、管理装置1は分析装置2から履歴情報を収集し、動作履歴であれば蓄積し、サンプルデータであればQC処理を行う。分析装置2からのダイヤルアップにより、以下の処理が開始される。
ステップS1では、通信I/F11が分析装置2とのコネクションを確立する接続処理を行う。
ステップS2では、処理部12は、所定の認証処理を行う。すなわち、分析装置2から送信される認証情報と、ユーザDB内のユーザ情報とが一致するか否かを判断する。
ステップS3では、処理部12は、認証結果に応じた処理を行う。認証情報が一致すると判断すると、ステップS4に移行する。一致しない場合、コネクションを切断するなどの処理を行う。
ステップS4では、電子メールサーバ15が分析装置2からデータを受信する。処理部12は、受信データが所定の動作情報であるか否かを判断する。動作情報とは、サンプルデータ以外の所定の情報であり、例えばエラー情報、動作回数、プログラム履歴、設定情報を挙げることが出来る。Yesと判断すると、ステップS5に移行する。Noと判断すると、ステップS6に移行する。
ステップS5では、処理12部は、受信した動作情報を、一時的に保存する。後述するサポート処理に用いるためである。サポート処理では、例えば日付が変わる0時0分まで各分析装置2からの動作情報を蓄積し、0時0分になるとその日に受信した動作情報に基づいて、動作履歴を作成する。
ステップS6では、通信I/F11は、分析装置2との接続を切断する処理を行う。
ステップS7では、処理部12は、受信データが精度管理物質を測定したサンプルデータであるか否かを判断する。Yesと判断するとステップS8に移行し、後述するQC処理に移行する。すなわち、受信したデータを含めてサンプルデータを集計し、各分析装置用ウェブページを更新する。Noと判断すると前記ステップS6に移行し、接続を切断する。
(2−2)サポート処理
図5は、管理装置1がメイン処理と独立に行うサポート処理の流れの一例を示すフローチャートである。管理装置1は、日付が変わる度にその日に受信した動作情報を編集して履歴DBに書き込む処理を行う。
ステップS21では、処理部12は、所定の時刻、例えば0時0分になるのを待機している。
ステップS22では、処理部12は、ユーザ管理DB14に登録されている分析装置2のうちいずれかの分析装置を対象ユーザに決定する。
ステップS23では、処理部12は、対象ユーザについてその日の稼働状況を示す動作情報を受信したか否かを判断する。Yesと判断すると、ステップS24に移行する。Noと判断すると、後述するステップS25に移行する。
ステップS24では、処理部12は、動作情報を、分析装置毎及び内容毎に編集し、履歴DBに書き込む。例えば、エラー情報、動作回数、動作プログラム、設定条件を、日時と共にそれぞれテーブル形式に編集し、履歴DBに書き込む。
ステップS25では、処理部12は、動作情報が取得できなかったことを示す所定のエラー情報を、ユーザ管理DB14に書き込む。エラー情報としては、例えば、分析装置名、日付、時刻、生じたエラーを示すエラー番号、エラー番号に対応するエラーメッセージを挙げることが出来る。
ステップS26では、処理部12は、対象ユーザのエラー情報に基づいて、所定のエラーを検索する。例えば、図12に示す判定方法に基づいて、エラー種別及び同一のエラーが生じる頻度から図13に例示するようなエラーレベルを決定する。
ステップS27では、処理部12は、検索結果に基づいて、対象ユーザの動作情報にエラーが含まれていたか否かを判断する。エラーレベルが0でなければ、Yesと判断される。Yesと判断すると、ステップS28に移行する。Noと判断すると、後述するステップS29に移行する。
ステップS28では、処理部12は、決定したエラーレベルをユーザ管理DB14に書き込む。
ステップS29では、処理部12は、登録されている全ての分析装置2について、ステップS23〜28の処理を行ったか否かを判断する。Yesと判断すると、前記ステップS21に戻る。すなわち、次に日付が変わるまで待機する。Noと判断すると前記ステップS22に戻り、別の分析装置を対象ユーザに決定する。
(2−3)QC処理
図6は、管理装置1が行うQC処理の流れを示すフローチャートである。前記メイン処理において、いずれかの分析装置2からサンプルデータを受信すると、管理装置1は以下のQC処理を行う。すなわち、新たに受信したサンプルデータを含めてサンプルデータの集計を行い、新たな集計結果に基づいて各分析装置用ウェブページを更新する。
ステップS31では、処理部12は、新たに受信したサンプルデータを含めたサンプルデータの集計を行う。精度管理物質は、同じ測定項目でも、値の高いものと低いもの、値が正常範囲のものと異常範囲のものなど複数種類用いられる場合が多い。また、精度管理物質が生体成分によるものの場合は、通常その製造ロット毎に、すなわち製造時期毎にロット番号が異なる。さらに、測定されたデータの補正値を決定するために、サンプルデータが測定された測定モードにも考慮する必要がある。精度管理物質の種類、ロット番号、測定モードなどは、後述するように分析装置から管理装置に通知される。
集計は分析装置の機種及び精度管理物質の種類等毎に行う。この精度管理物質には血液のように経時変化しやすい物質を用いる場合もあるため、測定日毎に集計して集計結果の信頼性を高める。
本発明では最新の集計結果をリアルタイムに提供するため、午前中の早い時間では測定当日のサンプルデータの総数がまだ十分でなく、集計結果の信頼性を保てないおそれが生じる。そこで測定当日の集計を、例えば過去24時間以内に受信したサンプルデータに基づいて行う。これにより、同じ経時変化での測定条件のサンプルデータを用いることができ、その総数が時間帯によって著しく変動することを防ぐことができる。日付が変わる時点で、過去24時間以内の集計結果がその日の集計結果として確定する。
同様に集計結果の信頼性を高めるために、3SD反復切断法を用い、極端な外れ値を集計の対象から除外することが好ましい。さらに、集計結果としてサンプルデータの平均値を用いる場合であって、24時間以内のサンプルデータが余りにも少ない場合には、平均値に代えて中央値を用いるとよい。
ステップS32では、処理部12は、各分析装置用ウェブページを、新たな集計結果に基づいて更新する。その後、前記メイン処理に戻りユーザ端末との接続を切断する。
なお、集計結果を更新するタイミングは、サンプルデータの受信時に限定されず、分析装置に対して最新の集計結果を提供可能なタイミングであればよい。例えば、分析装置からウェブページへのアクセスが生じたときに、集計結果を更新することも考えられる。また、管理装置の負担を考慮し、所定時間間隔で集計結果を更新するようにしても良い。
(2−4)他の処理
前記メイン処理、サポート処理及びQC処理に加え、管理装置1は他の処理も行う。
例えば、WWWサーバ16は、分析装置上のWWWブラウザからウェブページにアクセスがあった場合、ウェブページを提供する。この際、ライブラリまたはCGIなどのインターフェースプログラムの形態で、分析装置の認証処理を行うことが好ましい。
また、処理部12は、管理装置1の操作者からの指示に応じ、ユーザ管理DB14に蓄積されたエラー履歴の表示を行う。
(3)分析装置における処理の流れ
図7は、分析装置が行うメイン処理の流れの一例を示すフローチャートである。分析装置2は、エラー情報及びサンプルデータをリアルタイムに、エラー情報以外の動作情報を装置の動作終了時に送信する。なお、図7は、本発明による処理の流れのみ示している。分析装置が起動されることにより、以下の処理が開始される。
ステップS41では、制御部28は、分析部21の動作状況を監視しており、エラー情報が発生したか否かを判断する。Yesと判断すると、ステップS42に移行する。Noと判断すると、後述するステップS44に移行する。
ステップS42では、制御部28は、分析部21からエラー情報を取得し、電子メール用データに加工する。例えば、電子メールの本文に分析装置の認証情報及びエラー情報を書き込んだ電子メールを作成する。
ステップS43では、制御部28は、電子メール部24を起動し、作成した電子メールを送信する。その後、前記ステップS41に戻る。
ステップS44では、制御部28は、サンプルデータの測定が行われるか否かを判断する。Yesと判断すると、ステップS45に移行する。Noと判断すると、後述するステップS48に移行する。
ステップS45では、制御部28は、測定の終了を待機し、終了するとステップS46に移行する。
ステップS46では、制御部28は、分析部21からサンプルデータを取得し、電子メール用データに加工する。例えば、電子メールの本文に分析装置の認証情報を書き込み、サンプルデータを添付ファイルとして添付した電子メールを作成する。また、添付ファイルには、サンプルデータの集計の際に必要となる他のデータも書き込まれる。例えば、ロット番号、精度管理物質の種類、測定モード、装置IDが挙げられる。装置IDは、本システム上で分析装置を特定するための識別情報であり、サンプルデータを重複して集計しないようにするために用いられる。
ステップS47では、制御部28は、電子メール部24を起動し、作成した電子メールを送信する。
ステップS48では、制御部28は、分析部21の動作状況を示すエラー情報以外の動作情報を待機している。エラー情報以外の動作情報とは、動作回数、動作プログラム、設定条件などである。動作情報が発生すると、ステップS52に移行する。その他の場合は前記ステップS41に戻る。
ステップS49では、制御部28は、発生した動作情報を、ログに保存する。
ステップS50では、制御部28は、分析装置1の終了が指示されたか否かを判断し、Yesと判断するとステップS49に移行する。Noと判断すると、後述するステップS51に移行する。
ステップS51では、制御部28は、ログから動作情報を取得し、電子メール用データに加工する。例えば、電子メールの本文に分析装置の認証情報及び動作情報を書き込んだ電子メールを作成する。
ステップS52では、制御部28は、電子メール部24を起動し、作成した電子メールを送信する。その後、制御部28は処理を終了する。
[サポート処理により履歴DBに蓄積される動作情報の具体例]
次に、前述のサポート処理により、ユーザ管理DB14に蓄積される動作情報について、具体的に説明する。図8〜11は、分析装置2として血液分析装置を用いた場合に、管理装置1上に表示される動作情報の一例である。図8は動作情報の選択画面、図9はエラー履歴、図10はプログラム履歴、図11は動作回数の表示例を、それぞれを示している。
図8の動作情報の選択画面は、エラー履歴、プログラム履歴、設定、動作回数のいずれかの動作情報の選択を受け付ける。また、操作者は、この画面において分析装置の指定及び分析装置の種別を指定可能である。
図9は、前記図8の画面において、「エラー履歴」が選択された場合に表示される画面例である。エラーが生じた日付、時刻、エラーの内容を示すエラーメッセージ、エラーを特定するエラーコード、詳細コード1及び2が表示されている。このエラー履歴には、例えば履歴DBに保存されているエラー履歴のうち、最新1月分が表示されている。各フィールド毎にソート及びフィルターを設定可能であると好ましい。また、トラブルへの発生原因となる可能性が高い異常レコードを、反転表示などにより区別可能に表示することが好ましい。異常レコードとは、例えば前述したエラーレベルが所定値以上のレコードである。
図10は、前記図8の画面において、「プログラム履歴」が選択された場合に表示される画面例である。この画面例では、指定された分析装置上で動作したプログラム名、そのバージョン、動作した日付及び時刻が表示されている。
図11は、前記図8の画面において、「動作回数」が選択された場合に表示される画面例である。この画面例では、分析装置の所定の部位の動作回数が、動作した日付及び時刻と共にそれぞれ表示されている。
また、図示していないが、図8の選択画面において「設定」が選択されると、分析装置の設定条件が表示される。
[QC処理により作成されるウェブページの具体例]
次に、前述のQC処理により管理装置1が作成するウェブページの具体例を説明する。図14及び図15は、処理部12が作成したウェブページの表示例の一例である。これらは、前記と同様、血液分析装置を用いて精度管理物質を集計した場合の集計結果の表示例である。
分析装置上のWWWブラウザで管理装置1にアクセスすると、図14の上半分に示すウインドウが表示される。このウインドウでは、集計結果の表示スタイルを選択できるようになっている。ここで、「Reporting style」としてSDIチャートを選択している場合、図15に例示するウインドウが表示される。
図15では、血液中の各成分毎に、所定のグラフが表示されている。このグラフは、分析装置の機種毎及び精度管理物質毎に作成される。このグラフは、毎日測定されるアクセス元ユーザのサンプルデータ及び基準器データを、過去1月分表示可能である。基準器データとは、リモートサポートシステムの提供者側の分析装置で所定の精度管理物質を測定したサンプルデータである。さらにグラフには、平均値からのずれ度合いが1SDごとに示されている。日単位の集計結果は、日付が変わるときに確定される。
内部精度管理としてみる場合は、それらの測定値をそのまま表示することによって、その分析装置におけるサンプルデータの変動を確認することができる。また、外部精度管理としてみる場合は、図15のようにサンプルデータ測定時における全体平均値を中心として、全体平均値に対するその分析装置におけるサンプルデータの変動を確認することができる。この表示を任意に切換えることによって、ユーザは、分析装置のサンプルデータが全体平均や基準器データからどの程度ずれているかを、ウェブページ上で視覚的に比較できる。しかも、図14及び図15のウェブページは、サンプルデータを提供した後、即座に更新される。従って、ユーザは、提供したサンプルデータについての外部精度管理を、タイムラグなくリアルタイムに行うことが可能となる。
図16は、精度管理物質の集計結果の別の表示例である。この例では、ユーザの分析装置での測定値と、全体平均値と、基準器データとが、直接表示される。ユーザは自身の分析装置での測定値と、全体平均値や基準器データとを直接比較したい場合もあるので、図15においてチャートとして表示されている各値を直接表示可能にしておくのも好ましい。
<他の実施形態例>
(A)図17及び18は、リモートサポートシステムの他の構成例を示す図である。ユーザ端末と管理装置とを結ぶネットワークは、必ずしも専用ネットワークである必要はなく、例えばインターネットやLANであってもよい。但し、インターネットを用いる場合には、送受信する情報のセキュリティーを高めるための暗号化やより厳しい認証システムが必要である。
システム上で管理装置が1つである必要はない。例えば、異なる専用ネットワーク同士を、インターネット及びルーターやゲートウェイと接続し、各専用ネットワーク毎に管理装置を設けてもよい。さらに、管理装置は、専用ネットワーク外の分析装置、例えば専用ネットワークとルーターを介して繋がれているインターネット上の分析装置や、このインターネットからファイアウォールを介してLANに接続されている分析装置から所定の情報を収集することも可能である。
(B)前記第1実施形態例では、QC処理を行う上で、管理装置1と分析装置2との間の時差や分析装置間の時差を考慮に入れていない。そこで、第2実施形態例として、管理装置及び分析装置が異なるタイムゾーンに存在するリモートサポートシステムにおけるQC処理について説明する。
(B−1)システムの運用
サンプルデータの集計は次のように行う。前記第1実施形態例と同様に、過去48時間の間に測定されたデータを集計し、その結果をリアルタイムな集計結果とする。また、各日にちの集計結果は、過去48時間以内のデータのうち、前日に測定されたデータを集計することにより算出する。
各タイムゾーンの分析装置の操作者が集計結果を確認しやすいように、集計結果はそのタイムゾーンでの時刻(ローカルタイム)に対応させて表記する。
しかし、集計の基準時間をローカルタイムに設定すると、基準時間がタイムゾーン毎に異なるため、各タイムゾーン毎に集計を行わなければならない。そのため、同じ日付の集計結果が世界中で24種類生じることになり、システムの運用が複雑となる。また、1つの国に複数のタイムゾーンがある場合や、複数のタイムゾーンにまたがってグループ病院が存在する場合はなおさらである。
一方、ローカルタイムにかかわらずに、いずれかのタイムゾーンの時間をもとに集計の基準時間を定めると、ローカルタイムと基準時間との差が問題となる。例えば、分析装置を測定している最中にQC処理の日にちが変わってしまい、混乱を招いてしまう。
そこで、ある一日の集計結果がどのタイムゾーンでも同じ結果となるように、各タイムゾーンにおけるサンプルデータの測定日(ローカルタイム)が同じものに基づいて、すなわち同一の測定日を有するサンプルデータに基づいて、その日の集計結果を算出する。
(B−2)基本
以上の点を考慮し、本実施形態例では、管理装置1の基準時間を、地球上で最も進んでいる時刻、すなわちGMT(Greenwich Mean Time)+12:00とする。以下の説明において、時刻の基準は管理装置1が位置するタイムゾーンの時刻、今の場合GMT+12:00である。各分析装置2は、それ自身が位置するタイムゾーンにおける測定日時を、サンプルデータとともに管理装置1に送信する。管理装置1は、サンプルデータの集計を、過去48時間以内の測定日時を有するサンプルデータに基づいて行う。サンプルデータの集計を、過去24時間以内ではなく48時間以内とする理由は、集計の基礎とするサンプルデータの総数Nをある程度確保するためである。
図19は、分析装置2から管理装置1に送信されるデータの概念構成図である。このデータには、ロット番号、精度管理物質の種類、測定モード、装置ID、タイムゾーン、時刻、サンプルデータが含まれている。このうち、タイムゾーン及び時刻以外のデータについては、前記第1実施形態例と同様である。タイムゾーンには、分析装置2が位置するタイムゾーンが記述される。時刻には、各分析装置が位置するタイムゾーンでの測定日時が記述される。管理装置1は、管理装置置が位置するタイムゾーンでの時刻から48時間以内の測定日時を有するサンプルデータに基づいて、後述するQC処理を行う。
図20(a)は、過去24時間以内のサンプルデータでは、データの総数Nを十分に確保できないことを示す説明図である。説明を容易にするため、異なるタイムゾーンに位置する分析装置A,B,C,D,Eが毎日00:00にサンプルデータを管理装置に送信すると仮定する。分析装置AはGMT+12:00の位置に、分析装置EはGMT−12:00の位置に、他の分析装置B、C、Dはその間の位置にある。管理装置はGMT+12:00の位置にある。
図20中、x日付のサンプルデータはA、Bとして表されている。例えば、A、A及びAは、それぞれ1日、2日及び3日付の分析装置Aのサンプルデータである。黒丸はすでに測定されたサンプルデータ、白丸はまだ測定されていないサンプルデータである。
今、管理装置の時間が3日の00:00(時刻T1)になった場合、過去24時間以内のサンプルデータには、A,B,C,D,Eが含まれる。しかし、少し時間が経過して時刻T2になった場合、過去24時間以内のサンプルデータに含まれるのは、図中斜線で示した三角形の領域にあるデータ、すなわちAだけになってしまう。これでは、タイムゾーンがGMT+12:00から離れるほどサンプルデータが集計されない可能性が高くなり、総数Nを十分に確保できず、信頼のある集計結果を常時提供することが難しい。
図20(b)は、過去48時間以内のサンプルデータを基に、総数Nを十分に確保することを示す説明図である。管理装置の時間が3日の00:00(時刻T1)になった時点では、過去48時間以内のサンプルデータには、分析装置A〜Eの1日付及び2日付のサンプルデータ(A,B,C,D,E;A,B,C,D,E)が含まれる。ついで、少し時間が経過して時刻T2になると、図中斜線で示す台形の領域にあるデータ、すなわちA,B,C,D,E,Aが集計のための母集団となる。実際には、各分析装置毎に測定時間は異なるものの、過去48時間以内のサンプルデータを集計の母集団とすることにより、システム内の全ての分析装置数に近い数のサンプルデータを、常に確保することが可能となる。母集団に同一分析装置のサンプルデータが複数あれば、測定時間が最新のサンプルデータ以外を除外すればよい。
なお、管理装置の基準時間は、GMT+12:00に限定されない。集計対象時間を48時間ではなくこれよりも長く、あるいはもう少し短くすることも可能であるが、システムの運用上48時間が簡便である。
(B−3)処理の流れ
本実施形態例に係る管理装置1が行う処理は、サンプルデータを受信した後に行うQC処理サブルーチン(前記図4のステップS8)をのぞき、第1実施形態例と同様である。そこで、以下では、本実施形態例におけるQC処理について詳細に説明する。本実施形態例のQC処理は,(1)本日集計処理と(2)前日集計処理とに大別される。
(B−3−1)本日集計処理の概念説明
図21(a)は、本日集計処理の概念説明図である。本日集計処理では、管理装置1の時間を基準に、過去48時間以内の日付を持つサンプルデータからなる第1仮母集団を、逐次作成する。さらに作成される第1仮母集団に基づいてサンプルデータの集計を行い、本日の集計結果を更新する。本実施形態例では、第1仮母集団の更新及び集計処理を、10分毎に行う。
図21(a−1)中、斜線で示した台形領域S0は、現在時刻T1(2日18:00)における第1仮母集団を示す。時間の経過とともに台形領域S0は図中右側に移動する。すなわち第1仮母集団が更新される。第1仮母集団の更新に従い、本日(2日)の集計結果も更新されていく。
時間が経過して日付が2日から3日に変わった時点T2(3日00:00)で、2日付の集計結果を確定するための前日集計処理が起動される。図(a−2)中、斜線で示した台形領域、すなわち領域S1と領域S2'との和は、時刻T2での第1仮母集団を表す。領域S1は1日付のサンプルデータの集合を、領域S2'はこの時点で得られる2日付のサンプルデータの集合を表している。
前日集計処理が起動されても、その一方で本日集計処理は前述と同様に引き続き行われる。引き続き行われる本日集計処理は、本日(3日)の集計結果を、所定のタイミングで更新する。
(B−3−2)前日集計処理の概念説明
図21(b)は、前日集計処理の概念説明図である。この処理が3日00:00に起動された場合、管理装置1は第2仮母集団を作成する。管理装置1は、第2仮母集団を10分ごとに更新し、更新された第2仮母集団に基づいて前日(2日)の集計結果を更新する。
第2仮母集団の作成及び更新は、次のように行う。管理装置1は、10分ごとに、過去48時間以内のサンプルデータからなる第2仮母集団を作成する。時刻がT2(3日00:00)から経過するにつれ、タイムゾーンの早い地域で測定される本日付け(3日付)のサンプルデータを、作成した第2仮母集団から削除する。
図21(b−1)は、時刻T2から10時間経過後の時刻T3(3日10:00)における第2仮母集団を表す。領域S1'は、1日付サンプルデータの集合のうち、時刻T3から48時間以内の測定時刻を有するデータの集合である。領域S2'は、測定日が2日のサンプルデータであって、すでに測定されたデータの集合である。領域S3'は、時刻T3から過去48時間以内のサンプルデータのうち、第2仮母集団から削除される3日付のサンプルデータである。時刻T3では、管理装置は、領域S1'及び領域S2'のサンプルデータに基づいて、前日(2日)の集計結果を算出する。
図21(b−2)は、時刻T2から24時間経過した時刻T4(4日00:00)の時点での第2仮母集団である。斜線で示す領域S2は、この時点での第2仮母集団を表す。この時点の第2仮母集団は、リモートサポートシステムに参加している全ての分析装置からの2日付サンプルデータの集合となる。この時点で、管理装置1は、前々日(2日)の集計のための母集団を確定する。そして、この母集団から得られる集計結果を、前々日(2日)の最終的な集計結果とする。
(B−4)フローチャート
本実施形態例では、管理装置1は、QC処理として、収集処理、本日集計処理及び前日集計処理の3つをそれぞれ独立に行う。
(B−4−1)収集処理
図22は、管理装置1が行うサンプルデータの収集処理である。この処理は、管理装置1が行うメイン処理(図4)において、ステップS8(QC処理サブルーチン)に移行することにより開始される。すなわち、本実施形態例においては、管理装置1はサンプルデータを受信するたびに、そのデータをベースDB(図示せず)に蓄積する。このベースDBには、管理装置1が受信するサンプルデータが削除されることなく蓄積されていく。
(B−4−2)本日集計処理
図23は、管理装置1が行う本日集計処理の流れを示すフローチャートである。以下の説明において、本日集計処理の基礎となる第1仮母集団を形成するための作業領域をバッファ1とする。
ステップS101、S102:管理装置1は、日付が変わったか否かを判断し(S101)、変わっている場合には前日集計処理を起動する(S102)(図21(a−2)参照)。
ステップS103、S104、S105、S106:管理装置1は、所定時間、すなわち10分が前回の集計から経過したか否かを判断する(S103)。経過していない場合は、集計を行うことなく、再び前記ステップS101に戻る。経過している場合、第1仮母集団を更新し、本日の集計を更新する。
具体的には、まずベースDBから過去48時間以内の日時を持つサンプルデータを取得し、バッファ1に格納する(S104)。ついで、バッファ1に格納したデータの中に、同一の分析装置からのデータが重複して存在するか否かを判断し(S105)、あれば最新のデータ以外をバッファ1から除外する(S106)(図21(a−1)参照)。
ステップS107:管理装置1は、更新された第1仮母集団に基づいて集計を行う。この集計結果はこの時点での本日の集計結果となる。
以上の処理をサンプルデータの収集処理とは独立に行い、過去48時間以内の日時を持つサンプルデータを基に、本日の集計結果を10分ごとに更新する。
(B−4−2)前日集計処理
図24は、管理装置1が行う前日集計処理の流れを示すフローチャートである。以下の説明において、前日集計処理の基礎となる第2仮母集団を形成するための作業領域をバッファ2とする。前記本日集計処理のステップS102に移行することにより、以下の処理が起動される。いま、前記図21と同様に、時刻T2(3日00:00)において本処理が起動されたとする。
ステップS111:管理装置1は、再び日付が変更されているか否かを判断し、日付が変わっていなければステップS112以降の処理を行う。すなわち、時刻が3日00:00から4日00:00になるまで、第2仮母集団の更新及び集計の更新が行われる(後述するS112〜S117)。時刻が4日00:00になると、前々日、すなわち2日の集計結果を確定する(後述するステップS118〜S120)。
ステップS112:管理装置1は、前回の集計から10分が経過したか否かを判断する。Yesと判断すると、ステップS113に移行し、第2仮母集団を更新する。Noと判断すると、仮母集団を更新することなく、再びステップS111に戻る。
ステップS113、S114、S115、S116:管理装置1は、ベースDBから過去48時間以内の時刻を持つサンプルデータを取得し、バッファ2に格納する(S113)。ついで、管理装置1は、取得したサンプルデータの中から、本日付け(3日付)のデータを削除する(S114)。ついで、バッファ2に格納したデータの中に、同一の分析装置からのデータが重複して存在する否かを判断し(S115)、あれば最新のデータ以外をバッファ1から除外する(S116)。これにより、第2仮母集団が更新される(図21(b−1)参照)。
ステップS117:管理装置1は、更新された第2仮母集団に基づいて、前日、すなわち2日の集計結果を新たに算出する。以上のようにして、10分ごとに2日(前日)の集計結果が更新される(S112〜S117)。
ステップS118:前記ステップS111で日付が変わったと判断されると、すなわち時刻が4日00:00になると、管理装置1は2日の集計結果の基礎となる母集団を確定する。すなわち、この時点での第2仮母集団を、前々日(2日)の集計結果のための母集団とする。確定された母集団には2日付のサンプルデータのみが含まれている(前記図21(b−2)参照)。
ステップS119:管理装置1は、確定した母集団に基づいて、前々日(2日)の集計結果を算出する(S119)。
前記集計結果が掲載されたウェブページの表示は、分析装置から入力された認証情報に基づいて実行される。さらに、ウェブページを表示する場合、管理装置1は、分析装置のタイムゾーンを認識する。なぜなら、そのタイムゾーンでのローカルタイムがGMT+12:00と異なる日付、すなわちローカルタイムがまだその日付になっていない場合も考えられる。この場合、管理装置1は、GMT+12:00での本日の集計結果の表示を行わず、前日集計処理の集計結果のみを表示する。
以上の処理により、世界各地に存在する分析装置から収集されるサンプルデータに基づいて、本日集計処理では本日の集計結果を、前日集計処理では前日の集計結果を、逐次更新する。また、各一日の集計結果は、前日集計処理により最終的に確定する。集計はある程度以上のサンプルデータ数を基に行われるので、集計結果の信頼性を向上することができる。また、各タイムゾーンで測定されたサンプルデータはその日の集計結果に反映されるので、ユーザは時差を感じることがなく本システムを使うことができる。
(C)上述したような本発明のプログラムを記録した記録媒体は、本発明に含まれる。ここで記録媒体とは、コンピュータが読み書き可能なフレキシブルディスク、ハードディスク、半導体メモリ、CD−ROM、DVD、光磁気ディスク(MO)、その他のものが想定できる。
(D)また、上述したような本発明のプログラムを伝送する伝送媒体についても本発明に含まれる。ここで伝送媒体とは、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワーク(LAN、インターネット、無線通信ネットワーク)システムにおける通信媒体(光ファイバ、無線回線、その他)を含む。
第1実施形態例に係るリモートサポートシステムの全体構成図の一例。 機能構成を示すブロック図。 リモートサポートシステムにおける処理の流れの一例。 管理装置が行うメイン処理の流れの一例を示すフローチャート。 管理装置が行うサポート処理の流れの一例を示すフローチャート。 管理装置が行うQC処理の流れの一例を示すフローチャート。 分析装置が行うメイン処理の流れの一例を示すフローチャート。 エラー情報の選択画面の一例。 エラー履歴の表示例。 プログラム履歴の表示例。 動作回数の表示例。 エラー判定パターンの例。 エラー判定テーブルの一例。 QC処理により作成されるウェブページの表示例(メニュー画面)。 QC処理により作成されるウェブページの表示例(集計結果)。 QC処理により作成されるウェブページの別の表示例(集計結果)。 他の実施形態例に係るリモートサポートシステムの全体構成例。 他の実施形態例に係るリモートサポートシステムの全体構成例。 分析装置から管理装置に送られるデータの概念構成図。 (a)過去24時間を集計対象とする場合。(b)過去48時間を集計対象とする場合。 (a)本日集計処理の概念説明図。(b)前日集計処理の概念説明図。 収集処理の流れの一例を示すフローチャート。 本日集計処理の流れの一例を示すフローチャート。 前日集計処理の流れの一例を示すフローチャート。
符号の説明
1;管理装置
2;分析装置
3;ネットワーク

Claims (16)

  1. 臨床検査における精度管理情報を提供する管理装置であって、
    精度管理物質を分析装置で測定して得られたサンプルデータを、ネットワークを介して受信する受信手段と、
    受信したサンプルデータを分析装置毎および精度管理物質毎に集計して精度管理結果を表示したウエブページを作成する処理手段と、
    精度管理結果を表示したウエブページを、ユーザ端末からWWWブラウザを用いてアクセス可能に提供する提供手段と、を備えた管理装置。
  2. 処理手段は、受信手段がサンプルデータを受信する度にウエブページの精度管理結果の更新処理を行い、提供手段は処理手段によって更新されたウエブページを提供する、請求項1に記載の管理装置。
  3. 処理手段は、所定時間毎にウエブページの精度管理結果の更新処理を行い、提供手段は処理手段によって更新されたウエブページを提供する、請求項1に記載の管理装置。
  4. 処理手段は、サンプルデータをその測定日毎に集計する、請求項1に記載の管理装置。
  5. 前記処理手段は、日付が変わるときに日単位の精度管理結果を確定する、請求項1に記載の管理装置。
  6. 処理手段はウエブページにWWWブラウザを用いてアクセスが生じたときにユーザの認証処理を行い、認証が確立すると、提供手段が最新の精度管理結果を表示したウエブページを提供する、請求項1に記載の管理装置。
  7. 処理手段は、精度管理結果を複数の表示スタイルで作成し、ウエブページにWWWブラウザを用いてアクセスしたときに、複数の表示スタイルのいずれかを選択可能としたウエブページを提供する、請求項1〜6の何れか1項に記載の管理装置。
  8. 処理手段は、ウエブページにおいて、サンプルデータの経時変化をグラフとして表示する、請求項1〜7の何れか1項に記載の管理装置。
  9. 処理手段は、ウエブページにおいて、サンプルデータの経時変化を、血液中の成分毎にグラフ化して表示する、請求項1〜8の何れか1項に記載の管理装置。
  10. 処理手段は、ウエブページにおいて、サンプルデータの全体平均値の経時変化をグラフとして表示する、請求項8または請求項9に記載の管理装置。
  11. 臨床検査における精度管理方法であって、
    受信手段が、精度管理物質を分析装置で測定することにより得られたサンプルデータを、ネットワークを介して受信するステップ、
    処理手段が、サンプルデータを分析装置毎および精度管理物質毎に集計して精度管理結果を表示したウエブページを作成するステップ、および
    提供手段が、精度管理結果を表示したウエブページを、ユーザ端末からWWWブラウザを用いてアクセス可能に提供するステップ、からなることを特徴とする臨床検査における精度管理方法。
  12. 処理手段はウエブページにWWWブラウザを用いてアクセスが生じたときにユーザの認証処理を行い、認証が確立すると、提供手段が最新の精度管理結果を表示したウエブページを提供する、請求項11に記載の精度管理方法。
  13. 処理手段は、精度管理結果を複数の表示スタイルで作成し、ウエブページにWWWブラウザを用いてアクセスしたときに、複数の表示スタイルのいずれかを選択可能としたウエブページを提供する、請求項11または請求項12に記載の精度管理方法。
  14. 処理手段は、ウエブページにおいて、サンプルデータの経時変化をグラフとして表示する、請求項11〜13の何れか1項に記載の精度管理方法。
  15. 処理手段は、ウエブページにおいて、サンプルデータの経時変化を、血液中の成分毎にグラフ化して表示する、請求項11〜14の何れか1項に記載の精度管理方法。
  16. 処理手段は、ウエブページにおいて、サンプルデータの全体平均値の経時変化をグラフとして表示する、請求項14または請求項15に記載の精度管理方法。
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