JP2007046621A - 油圧制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】油圧制御装置内のスプールを移動させることによってバルブボデー内の異物の除去を行い、且つ油圧制御弁の出力圧のばらつきが抑制される油圧制御装置を提供することにある。
【解決手段】元圧供給ポート82に供給されるライン圧Pの大きさを制御するパイロット付リリーフ弁54およびパイロット圧P1の大きさを制御するソレノイドバルブSL1によってパイロット圧P1を増加させると共に、ライン圧Pを低下させることで、スプール60を強制的に移動させバルブボデー58のシリンダボア63に付着した異物を噛み切り、除去することができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車両用自動変速機内の油を制御する油圧制御装置の構造に関するものであり、特に、バルブボデー内の異物の噛み込みを解消する技術に関するものである。
自動変速機の油圧制御装置に用いられる油圧制御弁が、スプールおよびバルブボデー間の異物の噛み込み等によって摺動性を損ない動かなくなる、所謂バルブスティックが知られている。
この異物の噛み込みに対して、油圧制御弁内のスプールに働くスプリング荷重を大きくし、油圧制御回路が停止したときにスプールをスプリング荷重によって強制的に移動させてスプールとバルブボデーとの間に噛み込んだ異物を噛み切って除去する手法がよく用いられている。
また、特許文献1に開示されている油圧制御装置においては、油圧制御弁内のスプールに働くスプリングを、始動用摩擦係合要素を係合させる方向に付勢させることで、バルブスティックが生じてスプールが動かなくなった場合でも、始動用摩擦係合要素に油圧を供給して車両を始動させることを可能にしている。
特開2000−205407号公報 特開平7−54992号公報 特開2004−183715号公報 特開2001−123856号公報 特開2004−324704号公報
ところで、上記特許文献1の技術を、たとえば特許文献5の図3における出力側可変プーリ制御弁72のような油圧制御弁に適用しようとした場合には、スプリング荷重を大きくしている分をスプールにかかる力の釣り合いをとるために、油圧制御時にスプールにスプリングの推力とは反対方向の向きに油圧を作用させている。この油圧は、エンジンの出力トルクによって変動し、この油圧の付与のために、油圧制御弁の出力圧のばらつき大きくなる恐れがあった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、油圧制御装置内のスプールを強制的に移動させることによってバルブボデー内の異物の除去を行い、且つ油圧制御弁の出力圧のばらつきが抑制される油圧制御装置を提供することにある。
すなわち、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、元圧が供給される元圧油路に接続された元圧供給ポートと、その元圧の調圧による出力圧が出力される出力圧ポートと、パイロット圧が入力されるパイロット圧ポートと、前記元圧供給ポートと前記出力圧ポートとの間を開閉するスプールと、を備え、そのスプールが前記パイロット圧の大きさによって移動して前記元圧をそのパイロット圧に応じた前記出力圧に制御する油圧制御弁を、備える油圧制御装置であって、(a)前記元圧供給ポートに供給される前記元圧の大きさを制御する元圧制御弁装置と、(b)前記パイロット圧の大きさを制御するパイロット圧制御弁装置と、(c)そのパイロット圧を増加させると共にその元圧を低下させて前記スプールを強制移動させるスプール強制移動手段とを含むことを特徴とする。
このようにすれば、パイロット圧を前記パイロット圧制御弁装置によって増加させると共に元圧を前記元圧制御弁装置によって低下させることで、スプール間に生じる油圧による推力の差を大きくし、スプールをその油圧による推力の差によって強制的に移動させることによってスプールとバルブボデーに噛み込んだ異物を噛み切って除去することが可能となる。また、前記方法によって異物噛み込みを除去可能となるため、スプリング荷重を上げる必要がなく、スプリング荷重を大きくしたためにそのスプリング荷重の影響をなくす油圧をかけている場合には、その油圧をかける必要がなくなる。この油圧をかけることを止めることによって、出力圧のばらつきが抑制されると共に油圧回路が簡素化される。また、スプリング荷重低減により、油圧ばらつきの低減やスプリングのコスト削減が可能となる。
ここで、請求項2にかかる発明では、前記パイロット圧制御弁装置から供給される前記パイロット圧は、電磁弁によって制御されるものであることを特徴とする。このようにすれば、パイロット圧がエンジン出力や入力軸回転数等の状況に応じて、高精度に制御することが可能になる。
また、請求項3にかかる発明では、前記元圧制御弁装置から供給される前記元圧は、電磁弁によって制御されるものであることを特徴とする。このようにすれば、元圧がエンジン出力や入力軸回転数等の状況に応じて、高精度に制御することが可能になる。
また、請求項4にかかる発明では、前記スプール強制移動手段は、エンジン始動後に、またはエンジン作動中の車両停車時に前記スプールを強制移動させることを特徴とする。このようにすれば、バルブボデー内のスプールを強制的に移動させても車両が停止中であれば出力圧が変動しても車両の走行には影響しないため、実用的な油圧制御装置として機能する。
また、請求項5にかかる発明では、前記油圧制御弁は、前記スプールを閉弁方向に付勢する推力を発生させるために前記出力圧を受け入れるフィードバック油室を備えたものであることを特徴とする。このようにすれば、スプールがそれぞれのポートに供給される油圧によって移動され、特にフィードバック油室に出力圧が供給されると、スプールが閉弁方向に付勢され、実用的な油圧制御装置となる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両用駆動力伝達装置10の骨子図である。この車両用駆動力伝達装置10は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に搭載されるものであり、走行用の駆動力源として燃料の燃焼により駆動力を発生させる内燃機関であるエンジン12を備えている。このエンジン12により発生させられた駆動力は、トルクコンバータ14、無段変速機(CVT)16、及び減速歯車18を介して差動歯車装置20に伝達され、左右一対の駆動輪22へ分配される。
上記トルクコンバータ14は、上記エンジン12のクランク軸に連結されたポンプ翼車24と、タービン軸26に連結されたタービン翼車28と、一方向クラッチ30によって一方向の回転が阻止されているステータ翼車32とを備えており、上記エンジン12により発生させられたトルクを増幅して上記無段変速機16へ伝達する。また、上記ポンプ翼車24とタービン翼車28との間には直結クラッチとして機能するロックアップクラッチ34が設けられており、それらポンプ翼車24及びタービン翼車28を一体的に連結して一体回転させることができるようになっている。
前記無段変速機16は、油圧式の摩擦係合装置であるクラッチC1及びブレーキB1を有する前後進切換装置36と、ベルト式の変速装置38とを備えて構成されている。この前後進切換装置36は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置であり、そのサンギヤSが上記タービン軸26に連結されると共に、そのキャリアCAが上記変速装置38の入力軸40に連結されている。そして、そのサンギヤSとキャリアCAとの間に配設されたクラッチC1が係合させられると、前記前後進切換装置36が一体回転させられて上記タービン軸26が上記変速装置38の入力軸40に直結され、前進方向の駆動力が前記一対の駆動輪22に伝達される。一方、リングギヤRとハウジング31との間に配設されたブレーキB1が係合させられて上記クラッチC1が開放させられると、上記変速装置38の入力軸40が上記タービン軸26に対して逆回転させられ、後進方向の駆動力が前記一対の駆動輪22に伝達される。
上記変速装置38は、上記入力軸40に設けられた有効径が可変の入力側可変プーリ33と、この入力側可変プーリ33の有効径すなわち溝幅を変化させるための入力側油圧アクチュエータA1と、出力軸35に設けられた有効径が可変の出力側可変プーリ39と、この出力側可変プーリ39の有効径すなわち溝幅を変化させるための出力側油圧アクチュエータA2と、上記入力側可変プーリ33及び出力側可変プーリ39に巻き掛けられた伝動ベルト43とを備えており、それら入力側可変プーリ33及び出力側可変プーリ39と伝動ベルト43との間の摩擦力を介して動力伝達が行われる。この入力側可変プーリ33及び出力側可変プーリ39は、それぞれV溝幅を変更するための油圧シリンダを備えて構成されており、上記入力側可変プーリ33の油圧シリンダへ供給される油圧が制御されることにより、入力側可変プーリ33及び出力側可変プーリ39のV溝幅が変化して上記伝動ベルト43の掛かり径(有効径)が変更され、延いては変速比γ(=入力側回転速度NIN/出力側回転速度NOUT )が無段階すなわち連続的に変化させられる。一方、上記出力側可変プーリ39の油圧シリンダへ供給される油圧が制御されることにより、上記入力側可変プーリ33及び出力側可変プーリ39による上記伝動ベルト43の挟圧力が変更され、延いてはそれらの間の摩擦力が変化させられる。
図2は、本発明が適用された油圧制御装置41の要部を示す図である。図示しない入力軸、出力軸を検出する回転速度センサ、無段変速機16内の油温を検出する油温センサ等の各種センサ42からの信号がエンジン12および車両用駆動力伝達装置10を制御する電子コントロールユニット44に入力される。この電子コントロールユニット44は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェイスなどを備えたマイクロコンピュータから構成されており、各種センサ42から得られた情報に基づいてROMに予め記憶されているプログラムにより信号処理を行い、ソレノイドバルブSL1およびSL2に好適に励磁電流を供給することによってこれらのソレノイドバルブを制御する。
ストレーナ50を介してオイルパン48から取り込まれた作動油は、オイルポンプ46によって加圧され、モジュレータバルブ52やパイロット付リリーフ弁54の元圧とされる。モジュレータ圧Pmは、モジュレータバルブ52によって一定の圧力に調圧されソレノイドバルブSL1、SL2およびモジュレータバルブ53に供給される。モジュレータ圧PmがソレノイドバルブSL1によって減圧されることでパイロット圧P1が出力され、一方、ソレノイドバルブSL2によって減圧されることでパイロット圧P2が出力される。ここでソレノイドバルブSL1が、本発明のパイロット圧制御弁装置に該当する。通常、このパイロット圧P1は、タービントルク、無段変速機16の変速比γ、トルクコンバータ14のトルク比、入力回転速度等に対応する大きさに調圧されている。また、モジュレータ圧Pmは、モジュレータバルブ53によって一定圧であるデューティソレノイドモジュレータ圧Pcに調圧され、変速用ソレノイドバルブS1、S2、ロックアップ用ソレノイドバルブSLU、入力側可変プーリ33の入力側アクチュエータA1を制御するソレノイドバルブS3、並びにパイロット付減圧弁56に供給される。なお、モジュレータ圧Pmは、エンジンによって回転駆動されるオイルポンプ46の回転状況にかかわらず常に一定圧に調圧されている。
油圧式係合装置の元圧として用いられるライン圧Pは、オイルポンプ46により加圧された油圧をパイロット圧P2によって制御されるリリーフ型調圧弁であるパイロット付リリーフ弁54により調圧される。すなわち、ライン圧Pはパイロット圧P2によってコントロール可能とされている。通常、このパイロット圧P2は、スロットル開度またはアクセル開度に対応する大きさに調圧されているため、ライン圧Pもそのスロットル開度またはアクセル開度に対応する大きさとされる。なお、本実施例では、このパイロット付リリーフ弁54およびパイロット圧P2を制御するソレノイドバルブSL2によって、本発明の元圧制御弁装置が構成される。
また、パイロット付減圧弁56は、ライン圧Pを元圧とし、パイロット圧P1に対応する大きさの、すなわちタービントルク、無段変速機16の変速比γ、トルクコンバータ14のトルク比、入力回転速度等に対応する大きさの出力圧Poutを調圧して出力する。この出力圧Poutは、伝動ベルト43の張力を必要且つ充分な値とするための圧力であり、たとえば前記出力側可変プーリ39の出力側油圧アクチュエータA2へ供給される。本実施例では、このパイロット付減圧弁56が本発明の油圧制御弁に該当する。
図3乃至図5は、自動変速機16内に設けられたバルブボデー58の一部であって、それぞれ図2のパイロット付減圧弁56の構成を示す要部断面図である。パイロット付減圧弁56は、バルブボデー58のシリンダボア63内に配置されたスプール60およびプラグ62を備えている。ここでスプール60はシリンダボア63内をスプール60の軸心方向に摺動が可能であり、一方、プラグ62はキー64よって摺動不能に固定され、Oリング65を介して油の漏洩を封止している。また、スプール60は、プラグ62と接近する方向から順番に第1ランド66、第2ランド68、および第3ランド70が設けられている。なお、第2ランド68と第1ランド66の断面積は同様であるが、第3ランド70の断面積に比べ第2ランド68の断面積の方が大きくなっている。
パイロット付減圧弁56は、第1ランド66の端面にパイロット圧を作用し且つスプール60をプラグ62から隔離する方向すなわち開弁方向に付勢するスプリング72を収容する第1油室94と、第2ランド68と第3ランド70との間に設けられて出力圧Poutとを受け入れるフィードバック油室91と、第3ランド70の端面に一定圧であるデューティソレノイドモジュレータ圧Pcを作用させるためにそのデューティソレノイドモジュレータ圧Pcを受け入れる第2油室96とを備えている。
ここで、一定圧供給ポート90にデューティソレノイドモジュレータ圧Pcが供給され、フィードバック油室91に連通するフィードバックポート88に出力圧Poutが供給され、元圧供給ポート82にライン圧Pが供給され、第1油室94に連通するパイロットポート86にパイロット圧P1が供給されると、出力圧ポート84から出力される出力圧Poutは力の釣り合いより(1)式で算出される。ここでA1乃至A3は、第1ランド66乃至第3ランド70の油圧を受ける受圧面積を示しており、A1=A2+A3とされている。なお、受圧面積A1およびA3は、第1ランド66および第3ランド70の断面積と等しくなる。また、Fはスプリング72による弾性力を表している。この(1)式より、弾性力Fおよびデューティソレノイドモジュレータ圧Pcは一定値であるため、出力圧Poutは、パイロット圧P1の値によって決定され、パイロット圧P1に比例する。すなわち、パイロット圧P1が大きくなると出力圧Poutの出力は大きくなり、パイロット圧P1が小さくなると出力圧Poutの出力も同様に小さくなる。
Pout=(A1×P1+F−A3×Pc)/A2‥‥‥(1)
図3は、スプール60がプラグ62と最も遠ざかっている状態を示しており、図4は、エンジンが作動しそれに伴う各油圧供給ポートの油圧によってスプール60が各油圧供給ポートの油圧につり合う位置に移動させられている状態を示しており、図5は、スプール60がプラグ62と最も接近しスプール60とプラグ62の互いに接近する側の端部が当接している状態を示している。
図3は、たとえばエンジンが停止している状態などそれぞれの油圧ポートに供給される油圧が略大気圧状態となっており、スプリング72の弾性力によってスプール60がプラグ62から最も遠ざかっている状態となっている。
図3の位置にスプール60が配置させられた状態でパイロット付リリーフ弁54に連結された元圧油路から元圧供給ポート82にライン圧Pが供給されると、元圧供給ポート82と出力圧ポート84とが最も連通した状態であるため、当初は出力圧Poutがライン圧Pと共に上昇するが、パイロット圧P1に対応した値に落ち着く。
図4は、一定圧供給ポート90、フィードバックポート88、元圧供給ポート82、出力圧ポート84、ドレーンポート92、およびパイロット圧ポート86に適宜油圧が供給され、パイロット圧P1に対応する出力圧Poutが発生させられるように、スプール60が(1)式に従って調圧作動させられている状態を示している。
一定圧供給ポート90には、エンジン出力などの状態に影響されない、たとえばデューティソレノイドモジュレータ圧Pcなどの一定圧が常に供給され、このデューティソレノイドモジュレータ圧Pcによって、スプール60をプラグ62に接近させる方向すなわち閉弁方向の一定の推力が生じる。
フィードバックポート88には、出力圧Poutが供給され、フィードバック油室91内に出力圧Poutが作用される。第3ランド70の断面積に比べ第2ランド68の断面積の方が大きいため、その断面積差によってスプール60を閉弁方向に付勢する推力が発生する。これより出力圧Poutが大きいとスプール60が閉弁方向に付勢する推力が大きくなり、出力圧Poutが小さいと推力は小さくなる。
パイロット圧ポート86には、前述のソレノイドバルブSL1によって制御されているパイロット圧P1が供給され、パイロット圧P1によって、スプール60をプラグ62から隔離させる方向に推力が生じる。
元圧供給ポート82には、パイロット付リリーフ弁54によって制御可能とされているライン圧Pが供給され、スプール60の位置によってライン圧Pが出力圧Poutに調圧され出力圧ポート84に出力される。
ドレーンポート92は、スプール60がプラグ62に接近させられると、出力圧ポート84と連通させられる。このドレーンポート92の油圧は略大気圧であり、出力圧ポート84と連通されると出力圧Poutの圧力が低下する。
ここで、たとえばスプール60が図4の位置に配置されている状態からスプール60が第1パイロット圧P1の油圧増加によって、プラグ62から隔離する方向に移動されられると、出力圧Poutより高いライン圧Pが供給される元圧供給ポート82と出力圧ポート84とが徐々に連通させられるため、出力圧Poutがより高まる。
一方、パイロット圧P1が減少し、スプール60がプラグ62に接近させられると、元圧供給ポート82と出力圧ポート84との連通が閉じられると共に、出力圧ポート84とドレーンポート92とが徐々に連通させられるため、出力圧Poutの圧力が低くなる。
このようにライン圧Pはパイロット付リリーフ弁54によって制御され、出力圧Poutは、パイロット圧P1で制御され、ライン圧Pと出力圧Poutとが別々に制御可能とされている。
スプール60の第1ランド66とバルブボデー58との間に異物が挟まると、最悪の場合、図5の位置にスプール60が位置させられる。この状態では、元圧供給ポート82と出力圧ポート84との間は第2ランド68によって遮断され、出力圧ポート84とドレーンポート92との間が連通させられることによって出力圧Poutは最悪の場合、最小値(略大気圧)状態となる。
次に、本発明のスプール強制移動手段について説明する。このスプール強制移動手段はバルブボデー58のに付着した切り粉、鉄粉等の上記異物をスプール60を強制的に移動させることによって、その異物を噛み切り除去するためのものである。
図6は、電子コントロールユニット44の制御作動の要部、すなわち異物を強制的に噛み切るためにスプール60を強制的にプラグ62と隔離した状態に移動させる作動を説明するフローチャートである。
図6のステップS1(以下ステップを省略する)では、車両が停止中であるかを判断し、車両停止中であれば、S2において、前回のスプール強制移動から所定の時間T1が経過したかを判断する。ここで前回のスプール強制移動から所定の時間T1が経過したと判断されるとスプール60の強制移動が実行される。一方、車両が走行中であれば、スプール強制移動は出力圧Poutが変動するため実行されず、前回のスプール強制移動から所定の時間T1内であれば実行されない。なお、S1の車両停止状態はエンジンが作動している状態を前提としており、エンジンが作動していない状態ではオイルポンプ46が作動せずライン圧Pが供給されないので、このスプール強制移動は実行されない。
S3では、パイロット圧P2を最小値にすることによって、パイロット付リリーフ弁54により、ライン圧Pが最小値になるように調圧される。これによりフィードバックポート88に供給される出力圧Poutも同様に最小値となり、スプール60をプラグ62に接近させる方向の推力が最も小さくなる。
また、S4では、パイロット圧P1を最大値に変化させる。このパイロット圧P1によってスプール60がプラグ62から隔離させる力が最も大きくなり、(1)式を成立させる力の釣り合いからスプール60にはプラグ62から隔離させる非常に強い力が生じる。これによりスプール60は強制的にプラグ62から隔離する方向に移動させられ、その力によってシリンダボア63に付着している異物が噛み切られることで除去される。
S5では、スプール60の強制移動がなされたことによってそれまでの経過した時間がゼロにリセットされる。本実施例では、上記S1乃至S5がスプール強制移動手段に対応している。なお、このスプール60の強制移動は、エンジン始動時のみに実施することもできる。
上述のように、本実施例によれば、元圧供給ポート82に供給されるライン圧Pの大きさを制御するパイロット付リリーフ弁54およびパイロット圧P1の大きさを制御するソレノイドバルブSL1によってパイロット圧P1を増加させると共に、ライン圧Pを低下させることで、スプール60を強制的に移動させバルブボデー58のシリンダボア63に付着した異物を噛み切り、除去することができる。
また、本実施例では、スプール60の強制移動に際して、スプリングの弾性力ではなく油圧の力を利用して異物を噛み切ることが可能なため、エンジン停止中に異物を噛み切るためにスプリング荷重を上げる必要がなく、スプリング荷重を大きくするためにスプールに油圧をかけている場合には、その油圧をかけるのを止め、スプリング荷重を下げることもできる。また、スプリング荷重の低減は、スプリングのコスト低減や油圧のばらつき低減にもつながる。
また、本実施例によれば、パイロット圧P1は、電磁弁によって制御されるものであるため、パイロット圧P1がタービントルク、変速比、入力回転速度等の状況に応じて、高精度に制御することが可能になる。
また、本実施例によれば、ライン圧Pは、電磁弁によって制御されるものであるため、ライン圧Pがエンジン出力や入力軸回転数等の状況に応じて、高精度に制御することが可能になる。
また、本実施例によれば、前記スプール60の強制移動は、エンジン始動後に、またはエンジン作動中の車両停車時にスプール60を強制移動させるため、バルブボデー58内のスプール60を強制的に移動させても車両が停止中であれば出力圧Poutが変動しても車両の走行には影響しないため、実用的な油圧制御装置として機能する。
また、本実施例によれば、スプール60を閉弁方向に付勢する推力を発生させるために出力圧Poutを受け入れるフィードバック油室91を備えているため、出力圧Poutを小さくするとスプール60の推力は弱くなり、スプールの強制移動に対する抵抗力が小さくなるため実用的な油圧制御装置として機能する。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、本実施例では、異物除去にはスプール60をプラグ62から隔離するだけであったが、スプール60を数回往復運動させて異物を除去したり、油圧の変化に強弱をつけて異物を除去することもできる。
また、本実施例では、スプール60に閉弁方向の推力を発生させるためにモジュレータバルブ53から調圧されたデューティソレノイドモジュレータ圧Pcをパイロット付減圧弁56に供給しているが、このデューティソレノイドモジュレータ圧Pcの代わりにスプリングを介在させることもできる。この閉弁方向の推力はスプリング72の開弁方向の推力と相殺されるものであるから、スプリング72の推力との関係において、上記デューティソレノイドモジュレータ圧Pcの作用やそれに替わるスプリングが省略されてもよい。
また、本実施例では、スプール60の強制移動は、エンジン始動後または車両停車時のどちらかに実施しているが、エンジン始動後および車両停車時の両方の場合に実施することもできる。
また、本実施例では、モジュレータバルブ53によってモジュレータ圧Pmがデューティソレノイドモジュレータ圧Pcに調圧されているが、モジュレータ圧Pmは一定圧であるため、モジュレータバルブ53を省略し、モジュレータ圧Pmを直接パイロット付減圧弁56に供給することもできる。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明に適用された駆動力伝達装置の骨子図である。 本発明が適用された油圧制御装置の要部のみを抜き出した概要図である。 図2のパイロット付減圧弁の要部断面図である。 図2のパイロット付減圧弁の他の状態の要部断面図である。 図2のパイロット付減圧弁の他の状態の要部断面図である。 スプール強制移動手段のためのフローチャートである。
符号の説明
41:油圧制御装置 54:パイロット付リリーフ弁(元圧制御弁装置) 56:パイロット付減圧弁(油圧制御弁) 60:スプール 82:元圧供給ポート 84:出力圧ポート 86:パイロット圧ポート P:ライン圧 Pout:出力圧 P1:パイロット圧 SL1:ソレノイドバルブ(パイロット圧制御弁装置) SL2:ソレノイドバルブ(元圧制御弁装置)

Claims (5)

  1. 元圧が供給される元圧油路に接続された元圧供給ポートと、該元圧の調圧による出力圧が出力される出力圧ポートと、パイロット圧が入力されるパイロット圧ポートと、前記元圧供給ポートと前記出力圧ポートとの間を開閉するスプールとを備え、該スプールが前記パイロット圧の大きさによって移動して前記元圧を該パイロット圧に応じた前記出力圧に制御する油圧制御弁を、備える油圧制御装置であって、
    前記元圧供給ポートに供給される前記元圧の大きさを制御する元圧制御弁装置と、
    前記パイロット圧の大きさを制御するパイロット圧制御弁装置と、
    該パイロット圧を増加させると共に前記元圧を低下させて前記スプールを強制移動させるスプール強制移動手段と
    を、含むことを特徴とする油圧制御装置。
  2. 前記パイロット圧制御弁装置から供給される前記パイロット圧は、電磁弁によって制御されるものであることを特徴とする請求項1に記載の油圧制御装置。
  3. 前記元圧制御弁装置から供給される前記元圧は、電磁弁によって制御されるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の油圧制御装置。
  4. 前記スプール強制移動手段は、エンジン始動後に、またはエンジン作動中の車両停車時に前記スプールを強制移動させることを特徴とする請求項2および3に記載の油圧制御装置。
  5. 前記油圧制御弁は、前記スプールを閉弁方向に付勢する推力を発生させるために前記出力圧を受け入れるフィードバック油室を備えたものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の油圧制御装置。
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