JP2007046417A - 瓦固定用部材及び屋根の構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】頭部側に第1の抜け止め部13を形成し、先端側に第2の抜け止め部14を形成し、そして第1の抜け止め部13と第2の抜け止め部14との間にストレート部15を形成した軸部を有する瓦固定用部材10で、瓦20を瓦桟30及び野地板40に固定して、第1の抜け止め部13が瓦桟の内部に位置するように、第2の抜け止め部14が野地板の内部に位置するように、そしてストレート部15が、瓦桟と野地板との間にスペーサにて形成された間隙部31から野地板の内部にかけて位置するように、第1の抜け止め部13、第2の抜け止め部14及びストレート部15の位置と長さを設定する。
【選択図】図2
Description
そこで軸部の表面にスクリュー条を形成したスクリュー釘を用いて瓦を固定すれば、スクリュー条部の作用で釘が野地板や瓦桟から抜け難くなって、強固な固定を実現できる。しかし瓦の釘孔から雨水が浸水すると、この雨水は、瓦桟及び野地板に打ち込まれた釘のスクリュー条部の谷部に沿って、瓦桟から野地板へと浸水するため、スクリュー釘は、ストレート釘と比較して野地板に腐蝕を生じさせやすい。そのためその先端が野地板まで達しない軸長のスクリュー釘を使用して、野地板への浸水を防ぐことが考えられるが、瓦や瓦桟の厚さのばらつきからスクリュー釘の先端が、瓦桟から僅かに突出して、野地板上面に敷設された防水シートを突き破り、更には野地板に刺さり、結局野地板まで浸水してしまうおそれがある。
請求項3及び4にかかる瓦固定用部材は、請求項1及び2の瓦固定用部材が有する第2の抜け止め部をストレート部としたものであり、請求項6に記載の屋根の構造は、請求項3及び4にかかる瓦固定用部材を用いた屋根の構造である。したがって請求項3,4及び6にかかる発明では、瓦は、瓦固定用部材の抜け止め部で瓦桟に強固に固定され、次いでストレート部で野地板に固定されるから、瓦固定用部材の抜け止め防止は殆ど第1の抜け止め部に依存することになるが、ストレート部は、間隙部から野地板の内部にかけて位置して、雨水の野地板内部への浸水を防ぐことができる。
図1に示すように、瓦固定用釘10は頭部11及び軸部12を有し、軸部12は、軸部12の表面に形成されたスクリュー条部(第1の抜け止め部、長さL1)13、軸部12の表面に形成されたリング条部(第2の抜け止め部、長さL2)14、第1の抜け止め部13と第2の抜け止め部14との間に形成されたストレート部15(長さL3)、及び尖った先端部16を有している。ここでスクリュー条部13は、複数のスクリュー条を有して、これらスクリュー条の間に谷部を形成している。リング条部14は、先端部16に向かって縮径する多数のリング条(周条)を有し(図3)、その軸方向断面形状は鋸歯状である。ストレート部15は、軸部の表面に凹凸がなく断面円形である。なお、頭部11とスクリュー条部13との間の部分(図1の長さL4の部分)は、主に瓦の釘孔を遊貫する部分となるので、抜け止め作用を奏する必要がないから、コスト的な観点からストレート部15と同様な形状でもよい。また瓦固定用釘10のリング条部14は、野地板40に打ち込まれる部分だから、ほぼ先端部16の直近まで形成されていることが望ましい(なお瓦固定用釘10の先端からリング条部14までの長さをL5とする)。
上述した瓦固定用釘10を用いて瓦を固定する屋根の断面構造を図2に示す(右側が棟側であり左側が軒側である)。瓦20は、瓦固定用釘10にて、瓦桟30と、防水シート(ルーフィング)41を上面に敷設した野地板40とに固定される。瓦桟30と野地板40の上面に敷設された防水シート41との間には、スペーサ32が介在して間隙部31が形成される(図2(b))。瓦20が瓦固定用釘10にて瓦桟30と野地板40とに固定された状態では、瓦固定用釘10は、瓦20の釘孔21を貫通して、スクリュー条部(第1の抜け止め部)13が瓦桟30の内部に打ち込まれ、リング条部(第2の抜け止め部)14が野地板40の内部に打ち込まれ、そして間隙部31から野地板40の内部にかけて、ストレート部15が打ち込まれている。
図4は瓦桟30及びスペーサ32の一例を示す斜視図である。例えば瓦桟30は、長手方向が30mmそして短手方向が15mmの断面を有する合成樹脂あるいは木材などの角材であり、短手方向が瓦桟30の厚さ方向となって、瓦桟30の下面30aには、スペーサ32が接着等で強固に固着される。合成樹脂からなるスペーサ32は、2枚の長方形の平板32aを平行配置するとともに、それら平板32aの間に、平板32aと直行する方向に平板32bを等間隔で多数平行配置して、スペーサ32の幅方向に多数の通気路32cを形成している。
図6は本発明にかかる瓦固定用釘10(実施例1)の変形例であり、図7は本発明にかかる屋根の構造(実施例1)の変形例の断面構造を示す図である。なお実施例1と同様の機能を有する構成要素には、同一の符合を附してその説明を省略する。
図6に示すように、瓦固定用釘10aは、リング条部(第2の抜け止め部)を有しない点を除いて、瓦固定用釘10と同様の構成を有している。従って瓦固定用釘10aにおけるストレート部15(長さL3a)と先端部16(長さL5a)との合計長は、図1における瓦固定用釘10のストレート部15(長さL3)、リング条部(長さL2)及び先端部16を含む長さL5の合計長となって、野地板40に打ち込まれる部分は、すべてストレート部15となる。
図7に示すように、瓦20が瓦固定用釘10aにて瓦桟30と野地板40とに固定された状態では、瓦固定用釘10aは、瓦20の釘孔21を貫通して、スクリュー条部(抜け止め部)13が瓦桟30の内部に打ち込まれ、ストレート部15が間隙部31から野地板40の内部にかけて打ち込まれている。ここで瓦固定用釘10aのスクリュー条部13と、瓦桟30及び間隙部31との位置関係は、前述実施例1と同様である。また瓦固定用釘10aの先端部16を野地板40の下面から突出させることで、瓦固定用釘10aと野地板40との固定をより強固にできることも、前述実施例1と同様である。
図8に示すように、瓦桟30は、スペーサ32、及び防水シート41を敷設した野地板40とともに、釘10cにて垂木42に強固に固定され(垂木42の間隔は通常455mm前後である)、この瓦桟30に、瓦固定用木ねじ(瓦固定用部材)10bにて、瓦20が固定される(なお図8においては、瓦20を1枚だけ示す)。
10a 瓦固定用釘(瓦固定用部材)
10b 瓦固定用木ねじ(瓦固定用部材)
11 頭部
12 軸部
13 スクリュー条部(第1の抜け止め部、抜け止め部)
13a 雄ねじ部(抜け止め部)
14 リング条部(第2の抜け止め部)
15 ストレート部
16 先端部
20 瓦
30 瓦桟
31 間隙部
32 スペーサ
40 野地板
Claims (7)
- 軸部と該軸部の一端に設けた頭部と該軸部の他端に設けた先端部とを有して、
野地板と該野地板上にスペーサを介して取り付けられた瓦桟とに、瓦を固定する瓦固定用部材であって、
前記頭部側に形成された第1の抜け止め部と、前記先端部側に形成された第2の抜け止め部と、前記第1の抜け止め部と前記第2の抜け止め部との間に形成されたストレート部とを有し、
前記瓦桟及び前記野地板に前記瓦を固定した状態において、
前記第1の抜け止め部が前記瓦桟の内部に位置し、
前記第2の抜け止め部が前記野地板の内部に位置し、
かつ前記ストレート部が、前記瓦桟と前記野地板との間に前記スペーサにて形成された間隙部から前記野地板の内部にかけて位置することを特徴とする瓦固定用部材。 - 前記第1の抜け止め部がスクリュー条部であり、前記第2の抜け止め部がリング条部であることを特徴とする請求項1に記載の瓦固定用部材。
- 軸部と該軸部の一端に設けた頭部と該軸部の他端に設けた先端部とを有して、
野地板と該野地板上にスペーサを介して取り付けられた瓦桟とに、瓦を固定する瓦固定用部材であって、
前記頭部側に形成された抜け止め部と、該抜け止め部と前記先端部との間に形成されたストレート部とを有し、
前記瓦桟及び前記野地板に前記瓦を固定した状態において、
前記抜け止め部が前記瓦桟の内部に位置し、
かつ前記ストレート部が、前記瓦桟と前記野地板との間に前記スペーサにて形成された間隙部から前記野地板の内部にかけて位置することを特徴とする瓦固定用部材。 - 前記抜け止め部がスクリュー条部であることを特徴とする請求項3に記載の瓦固定用部材。
- 野地板と、該野地板上にスペーサを介して取り付けられた瓦桟と、該瓦桟に掛止された瓦と、軸部と該軸部の一端に設けた頭部と該軸部の他端に設けた先端部とを有して、前記瓦を前記瓦桟と前記野地板とに固定する瓦固定用部材とを有する屋根の構造であって、
前記瓦固定用部材が、前記頭部側に形成された第1の抜け止め部と、前記先端部側に形成された第2の抜け止め部と、前記第1の抜け止め部と前記第2の抜け止め部との間に形成されたストレート部とを有し、
前記瓦固定用部材が前記瓦を前記瓦桟及び前記野地板に固定した状態において、
前記第1の抜け止め部が前記瓦桟の内部に位置し、
前記第2の抜け止め部が前記野地板の内部に位置し、
前記ストレート部が、前記瓦桟と前記野地板との間に前記スペーサにて形成された間隙部から前記野地板の内部にかけて位置することを特徴とする屋根の構造。 - 野地板と、該野地板上にスペーサを介して取り付けられた瓦桟と、該瓦桟に掛止された瓦と、軸部と該軸部の一端に設けた頭部と該軸部の他端に設けた先端部とを有して、前記瓦を前記瓦桟と前記野地板とに固定する瓦固定用部材とを有する屋根の構造であって、
前記瓦固定用部材が、前記頭部側に形成された抜け止め部と、該抜け止め部と前記先端部との間に形成されたストレート部とを有し、
前記瓦固定用部材が前記瓦を前記瓦桟及び前記野地板に固定した状態において、
前記抜け止め部が前記瓦桟の内部に位置し、
前記ストレート部が、前記瓦桟と前記野地板との間に前記スペーサにて形成された間隙部から前記野地板の内部にかけて位置することを特徴とする屋根の構造。 - 野地板と、該野地板上にスペーサを介して取り付けられた瓦桟と、該瓦桟に掛止された瓦と、軸部と該軸部の一端に設けた頭部と該軸部の他端に設けた先端部とを有して前記瓦を前記瓦桟に固定する瓦固定用部材とを有する屋根の構造であって、
前記スペーサが前記瓦桟と前記野地板との間に間断なく配置され、
前記瓦固定用部材が抜け止め部を有して前記瓦を前記瓦桟に固定した状態において、
前記瓦固定用部材の先端部部が、前記瓦桟と前記野地板との間に前記スペーサで形成された間隙部に突出し、かつ前記野地板に接しないことを特徴とする屋根の構造。
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