JP2007045960A - 透明熱可塑性樹脂組成物および透明樹脂成形品 - Google Patents
透明熱可塑性樹脂組成物および透明樹脂成形品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007045960A JP2007045960A JP2005232881A JP2005232881A JP2007045960A JP 2007045960 A JP2007045960 A JP 2007045960A JP 2005232881 A JP2005232881 A JP 2005232881A JP 2005232881 A JP2005232881 A JP 2005232881A JP 2007045960 A JP2007045960 A JP 2007045960A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- parts
- resin composition
- thermoplastic resin
- polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【解決手段】重量平均粒子径が0.05〜0.20μmであるブタジエン系および/またはアクリル系ゴム状重合体10〜50重量%の存在下に、芳香族ビニル系単量体90〜50重量%を重合して得られたグラフト率が50%以上であり、かつそのpHが7未満であるグラフト重合体(A)5〜50重量部とポリカーボネート樹脂(B)95〜50重量部およびポリスチレン樹脂(C)0〜45重量部からなる透明熱可塑性樹脂組成物((A)+(B)+(C)=100重量部)であり、該樹脂組成物100重量部中に占める上記ブタジエン系および/またはアクリル系ゴム状重合体が1〜10重量部含まれる透明熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
HIPS、ABSなどの名称にて製造・販売されているゴム強化スチレン系樹脂は、外観、機械的特性ならびに成形加工性に優れることから車両部品、電気製品など種々の分野にて利用されている。
このようなゴム強化スチレン系樹脂は一般的に不透明であるが、製品によってはPMMAやポリカーボネート樹脂のような透明性が要求される場合がある。この様な要求に対しては、例えば特許文献1(特開平4−180907号公報)に記載されているように、樹脂を構成する各構成成分の組成割合を調整することによりゴム強化スチレン系樹脂においても透明性を得ることが出来ることが一般に知られている。
一方、ゴム強化スチレン系樹脂の耐熱性を向上させるため、その成分としてα−メチルスチレンやN−フェニルマレイミド等を導入する、あるいはポリカーボネートとアロイ化させる等の手法が行われているが、前者の場合には耐熱性は向上するものの衝撃強度の低下が著しく、後者の場合は透明性が著しく低下するという欠点を有していた。
特許文献2(特開2004−521968号公報)には、ポリカーボネート樹脂と透明ABSからなる透明樹脂アロイが提案されているが、使用するグラフト共重合体のゴム粒子径やグラフト率については何ら検討されておらず、またその透明性といった観点からも十分とはいえないものであった。
すなわち、本発明は、
重量平均粒子径が0.05〜0.20μmであるブタジエン系および/またはアクリル系ゴム状重合体10〜50重量%の存在下に、芳香族ビニル系単量体90〜50重量%を重合して得られたグラフト率が50%以上であり、かつそのpHが7未満であるグラフト重合体(A)5〜50重量部とポリカーボネート樹脂(B)95〜50重量部およびポリスチレン樹脂(C)0〜45重量部からなる透明熱可塑性樹脂組成物((A)+(B)+(C)=100重量部)であり、該樹脂組成物100重量部中に占める上記ブタジエン系および/またはアクリル系ゴム状重合体が1〜10重量部含まれることを特徴とする透明熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
透明性および耐熱性に優れた透明熱可塑性樹脂組成物が得られるものであり、車両用オーディオ部品や各種レンズ類等、透明性と耐熱性が要求される部品に好適に使用することができる。
以下に、本発明につき詳細に説明する。
本発明において使用されるグラフト重合体(A)とは、ブタジエン系および/またはアクリル系ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系単量体を重合して得られるものである。具体的には、0.05〜0.20μmの粒子径を持つブタジエン系および/またはアクリル系ゴム状重合体10〜50重量%の存在下に、芳香族ビニル系単量体90〜50重量%を重合させて得られるものであり、その重合法は公知の乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法またはこれらを組み合わせることが可能である。
該グラフト重合体を構成するブタジエン系ゴム状重合体としては、ポリブタジエン、水添(部分)ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、水添(部分)ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水添(部分)スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−イソプレン−スチレン共重合体等が挙げられ、またアクリル系ゴム状重合体としては、ポリブチルアクリレートを主成分とするアクリル系ゴムが挙げられ、それぞれ目的に応じて1種又は2種以上用いることが可能である。
重量平均粒子径が0.05μm未満では十分な製品強度が得難く、0.20μmを越えると透明性が損なわれるため好ましくない。好ましくは0.05〜0.15μmである。
また、該グラフト重合体のグラフト率は50%以上、さらにそのpHは7未満であることが必要である。
グラフト率が50%未満では本発明の特徴である透明性が損なわれ、またそのpHが7以上ではポリカーボネート樹脂の分解を促進するため、製品強度の著しい低下あるいは外観不良が発生するため好ましくない。これらのうち、特にグラフト率は70〜200%であることが好ましい。
さらに、該グラフト重合体中のアセトン可溶部の重量平均分子量は15〜40万の範囲にあることが好ましく、15万未満では製品強度が、40万を越えると成形性が著しく低下する傾向にある。
なお、該グラフト重合体のグラフト率、そのpHおよび該グラフト重合体中のアセトン可溶部の重量平均分子量は、上記のグラフト重合体を重合するに際して、その重合方法、重合温度、また使用する重合開始剤や分子量調整剤、その他の助剤等の使用量を適宜設定することにより調整することが可能である。
この場合、ポリスチレン樹脂の製造方法には特に制限はなく、市販品を使用することが可能であるが、そのpHはグラフト重合体(A)と同様7未満であることが好ましい。
また、本発明においては、上記の透明性熱可塑性樹脂組成物100重量部((A)+(B)+(C)=100重量部)中に占めるブタジエン系および/またはアクリル系ゴム状重合体が1〜10重量部含まれることが必要である。ゴム状重合体が1重量部未満では衝撃強度の低下が著しく、10重量部を越えると透明性が損なわれるため好ましくない。
また、本発明の透明熱可塑性樹脂組成物は、通常の射出成形はもちろんのこと、カレンダー成形、押出成形、異型押出成形、シート成形や、さらに多層構造をもつシート押出機等の加工法により、目的とする成形品やシート、フィルムを作成することが可能である。
本発明をさらに具体的に説明するために以下に実施例及び比較例を挙げて説明する。しかし、これらによって本発明は何ら制限されるものではない。
グラフト重合体(A−1):窒素置換した反応器にスチレン−ブタジエンラテックス(スチレン10重量%、重量平均粒子径0.12μm、ゲル含有量85%)50部(固形分)、水150部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第2鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.1部を入れ、60℃に加熱後、スチレン50部およびキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物を3時間に亘り連続的に添加し、更に60℃で2時間重合した。その後、適量の硫酸を用いて塩析・脱水・乾燥後、グラフト重合体(A−1)を得た。得られた重合体のpHは4.5、グラフト率は62%であった。
B−1:カリバー 200−20 住友ダウ(株)製
C−1:日本ポリスチ G490K 日本ポリスチレン社製 GPPS
C−i:日本ポリスチ H640N 日本ポリスチレン社製 HIPS
上記各成分につき、表1に示された配合割合の混合品に滑剤としてステアリン酸を1部添加した後、30mm2軸押出機を用いて230℃で溶融混練してペレットを得た。得られたペレットにつき、以下の分析ならびに評価を実施した。結果を表1に示す。
グラフト率(%)=(アセトン不溶部の重量−仕込みゴム量)/仕込みゴム量×100
耐熱性:3.5オンス射出成形機(山城精機製)を使い、シリンダー温度235℃、金型温度60℃の条件で試験片を作成し、ISO 75に順じて荷重たわみ温度を測定した。
耐湿性:1オンス射出成形機(山城精機製)を使い、シリンダー温度240℃、金型温度50℃の条件で作成した厚さ1mmの試験片を、90℃、相対湿度95%の恒温恒湿槽内で1000時間放置した後、クラック発生の有無を目視により確認した。
クラックの発生なし:○
クラック発生 :×
上記のとおり、本発明の透明熱可塑性樹脂組成物は、透明性および耐熱性に優れるものであり、液晶TVやパソコン用モニター等の筐体や、アイロン等の家電製品、各種レンズ類、車両内装用部品等の各種成形品用部品として好適に使用することができる。
Claims (4)
- 重量平均粒子径が0.05〜0.20μmであるブタジエン系および/またはアクリル系ゴム状重合体10〜50重量%の存在下に、芳香族ビニル系単量体90〜50重量%を重合して得られたグラフト率が50%以上であり、かつそのpHが7未満であるグラフト重合体(A)5〜50重量部とポリカーボネート樹脂(B)95〜50重量部およびポリスチレン樹脂(C)0〜45重量部からなる透明熱可塑性樹脂組成物((A)+(B)+(C)=100重量部)であり、該樹脂組成物100重量部中に占める上記ブタジエン系および/またはアクリル系ゴム状重合体が1〜10重量部含まれることを特徴とする透明熱可塑性樹脂組成物。
- グラフト重合体(A)を構成するブタジエン系および/またはアクリル系ゴム状重合体の重量平均粒子径が0.05〜0.15μmである請求項1記載の透明熱可塑性樹脂組成物。
- グラフト重合体(A)のグラフト率が70〜200%である請求項1記載の透明熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜3記載の透明熱可塑性樹脂組成物からなる透明樹脂成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005232881A JP5059308B2 (ja) | 2005-08-11 | 2005-08-11 | 透明熱可塑性樹脂組成物および透明樹脂成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005232881A JP5059308B2 (ja) | 2005-08-11 | 2005-08-11 | 透明熱可塑性樹脂組成物および透明樹脂成形品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007045960A true JP2007045960A (ja) | 2007-02-22 |
JP5059308B2 JP5059308B2 (ja) | 2012-10-24 |
Family
ID=37849061
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005232881A Expired - Fee Related JP5059308B2 (ja) | 2005-08-11 | 2005-08-11 | 透明熱可塑性樹脂組成物および透明樹脂成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5059308B2 (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09100389A (ja) * | 1995-10-02 | 1997-04-15 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 熱安定性に優れた熱可塑性樹脂組成物 |
JPH11158365A (ja) * | 1997-09-04 | 1999-06-15 | General Electric Co <Ge> | 改善された劣化抵抗性および改善された熱安定性を有する耐衝撃性改良カーボネートポリマー組成物 |
JP2000026713A (ja) * | 1998-07-15 | 2000-01-25 | Techno Polymer Kk | 長期熱老化特性に優れた熱可塑性樹脂組成物 |
JP2000204236A (ja) * | 1999-01-18 | 2000-07-25 | Techno Polymer Kk | 熱可塑性樹脂組成物を使用したエアバッグ部を有する自動車内装部品 |
JP2002020611A (ja) * | 2000-05-01 | 2002-01-23 | Toray Ind Inc | 難燃性樹脂組成物およびそれからなる成形品 |
JP2004182827A (ja) * | 2002-12-02 | 2004-07-02 | Techno Polymer Co Ltd | 熱可塑性樹脂組成物及び成形品 |
-
2005
- 2005-08-11 JP JP2005232881A patent/JP5059308B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09100389A (ja) * | 1995-10-02 | 1997-04-15 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 熱安定性に優れた熱可塑性樹脂組成物 |
JPH11158365A (ja) * | 1997-09-04 | 1999-06-15 | General Electric Co <Ge> | 改善された劣化抵抗性および改善された熱安定性を有する耐衝撃性改良カーボネートポリマー組成物 |
JP2000026713A (ja) * | 1998-07-15 | 2000-01-25 | Techno Polymer Kk | 長期熱老化特性に優れた熱可塑性樹脂組成物 |
JP2000204236A (ja) * | 1999-01-18 | 2000-07-25 | Techno Polymer Kk | 熱可塑性樹脂組成物を使用したエアバッグ部を有する自動車内装部品 |
JP2002020611A (ja) * | 2000-05-01 | 2002-01-23 | Toray Ind Inc | 難燃性樹脂組成物およびそれからなる成形品 |
JP2004182827A (ja) * | 2002-12-02 | 2004-07-02 | Techno Polymer Co Ltd | 熱可塑性樹脂組成物及び成形品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5059308B2 (ja) | 2012-10-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5303027B2 (ja) | 相溶性が改善された難燃性−耐スクラッチ性熱可塑性樹脂組成物 | |
EP2796506B1 (en) | Thermoplastic resin composition and molded products thereof | |
US8232342B2 (en) | Transparent ABS resin composition having excellent impact strength and flowability | |
KR20080063052A (ko) | 폴리카보네이트계 수지 조성물 및 플라스틱 성형품 | |
JP4907438B2 (ja) | 機械的物性に優れた光拡散性樹脂組成物 | |
JP4054042B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物ならびにその成形品 | |
JP2001164105A (ja) | ガラス強化難燃性ポリカーボネート樹脂組成物 | |
EP2610306A1 (en) | Thermoplastic resin composition with flowability, transparency, and impact strength | |
KR101003346B1 (ko) | 상용성이 향상된 고충격 폴리카보네이트계 수지 조성물, 그성형품 및 폴리카보네이트 수지와 방향족 비닐 공중합체 수지의 상용성을 개선시키는 방법 | |
KR20150068313A (ko) | 스티렌계 내화학성 내열 수지 조성물 및 이로부터 제조된 성형품 | |
WO2019176763A1 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物およびその成形品 | |
KR20110077805A (ko) | 코어-쉘 구조를 포함하는 그라프트 공중합체를 포함하는 열가소성 조성물 | |
JP2002020628A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
KR100639043B1 (ko) | 가교형 유기 마이크로 입자를 이용한 저광택, 내스크래치성폴리카보네이트계 얼로이 열가소성 수지 조성물 | |
JPWO2006004058A1 (ja) | ゴム強化樹脂及びその製造方法並びにゴム強化樹脂組成物 | |
JP5059308B2 (ja) | 透明熱可塑性樹脂組成物および透明樹脂成形品 | |
JP7509750B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及び成形体 | |
KR100966050B1 (ko) | 상용성이 우수한 열가소성 수지 조성물 | |
KR20090020850A (ko) | 광확산성 열가소성 수지 조성물 및 이의 제조방법 | |
JPH1112454A (ja) | 難燃性熱可塑性樹脂組成物 | |
KR101651719B1 (ko) | 광확산 조성물 및 이를 포함하는 광확산 수지 조성물 | |
KR20130070415A (ko) | 내스크래치성 폴리카보네이트계 수지 조성물 및 그 성형품 | |
JP5016199B2 (ja) | 表面硬度に優れる透明樹脂組成物および該樹脂組成物を成形してなる透明樹脂成形品 | |
JPH0848844A (ja) | 離型性に優れた難燃性樹脂組成物 | |
JP2003138122A (ja) | 車両用外装材料および車両用外装部品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080804 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110824 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110830 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111031 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120731 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120802 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150810 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5059308 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |