JP2007045056A - タイヤトレッド加硫金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】設備コストの増加を有効に抑制するとともに、ゴム体積の大きな変動および変化を十分に吸収できるタイヤトレッド加硫金型を提供する。
【解決手段】拡縮径変位されて、全体として円環状をなす型締め姿勢で、生タイヤのトレッド部に加硫成形を施す複数個のセグメント1を具えるタイヤトレッド加硫金型であって、各セグメント1を、平面形状が円弧状をなすホルダ2の内周側に、各個が成形表面を有する複数個の成形ピース3、4、5を相互に整列させて配置して、周方向の両端部に位置する成形ピース3、4をホルダに固定する一方、それらの両固定成形ピース3、5間に位置する一個の成形ピース4を、半径方向に変位可能にホルダ2に配設し、この可動成形ピース4を半径方向内方側へ付勢する弾性手段6および、可動成形ピース4の、半径方向内方側への突出限位置を特定する拘束手段のそれぞれを設けることにより構成してなる。
【選択図】図2
【解決手段】拡縮径変位されて、全体として円環状をなす型締め姿勢で、生タイヤのトレッド部に加硫成形を施す複数個のセグメント1を具えるタイヤトレッド加硫金型であって、各セグメント1を、平面形状が円弧状をなすホルダ2の内周側に、各個が成形表面を有する複数個の成形ピース3、4、5を相互に整列させて配置して、周方向の両端部に位置する成形ピース3、4をホルダに固定する一方、それらの両固定成形ピース3、5間に位置する一個の成形ピース4を、半径方向に変位可能にホルダ2に配設し、この可動成形ピース4を半径方向内方側へ付勢する弾性手段6および、可動成形ピース4の、半径方向内方側への突出限位置を特定する拘束手段のそれぞれを設けることにより構成してなる。
【選択図】図2
Description
この発明は、とくに、剛性材料からなるコア上で成形した生タイヤを、そのコアとともに加硫モールド内に装入して、そこで加硫成形を行うに当っての、コアと加硫モールドとで区画されるキャビティからのゴム素材のはみ出し、加硫済みタイヤへのベアの発生等を防止するに用いて好適なタイヤトレッド加硫金型に関するものである。
生タイヤの加硫成形に当って、加硫モールド内のガスの排出を円滑なものとする一方で、ゴム素材のはみ出しを防止できるとする加硫モールドは、特許文献1に記載されたものの他、従来から各種のものが提案されているも、剛性材料にて構成されて、製品タイヤの内面形状と対応する外面形状を有する、分解および組立てが可能な、全体としてほぼドーナツ状の輪郭形状を有するコア上で成形した生タイヤを、そのコアとともに加硫モールド内に装入して加硫成形を行う場合には、生タイヤの内面が剛性のコアによって規制されているが故に、その内面を可撓膜体としてのブラダによって規制する場合に比し、コアと加硫モールドとで区画されるキャビティの容積変動に、コアおよび加硫モールドの少なくとも一方をもってより高精度に対処することが必要になる。
すなわち、剛性のコア上に成型した生タイヤは、たとえば、コア上に巻回積層等されるゴム素材を定容押出しによって成型してなお、生タイヤのゴム体積に幾分のばらつきを有することになり、また、生タイヤは、キャビティ内でのその加熱によって熱膨張されることになるので、これらのことに適正に対処して、ゴム素材のキャビティからのはみ出しを防止するとともに、コアの変形を防止し、併せて、ゴム体積の不足に起因する加硫済みタイヤへのベアの発生等を防止するためには、ともに剛性材料になる、コアおよび加硫モールドの少なくとも一方を、ゴム体積の不足または余剰から、ゴムの熱膨張による体積増加までの全てを過不足なく十分に吸収できるよう構成することが必要になる。
そこで、出願人は先に、特許文献2に開示されているように、剛性のコアと、加硫モールド成形面とで区画されるキャビティ内のタイヤ温度の上昇に伴って、そのコアを、キャビティ容積を増加させる方向に変形させる技術を提案している。
特開平7−186303号公報
特開2002−264134号公報
ところで、出願人の先の提案に係る従来技術は、キャビティ容積の増加を、コア幅の減少変形または、コア周長の減少変形によって実現するものであり、これによれば、生タイヤの成形開始から、加硫成形の終了に至るまでの各個のタイヤと不可分の関係をもつ、加硫モールドよりはるかに多数の剛性コアの全てに所定の加工を加えることが必須となるため、設備コストの増加が不可避となるという問題があり、この一方で、コア幅またはコア周長の減少変形によっては、ゴム体積の大きな変動および変化を十分に吸収することが難しいという問題があった。
この発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、設備コストの増加を有効に抑制するとともに、ゴム体積の大きな変動および変化を十分に吸収できるタイヤトレッド加硫金型を提供するにある。
この発明は、剛性材料からなり、製品タイヤの内面形状と対応する外面形状を有する、分解および組立てが可能なコアと、コアを囲繞する加硫モールド、とくにはそれの成形表面とで区画されるキャビティ内で生タイヤを加硫成形するに当って、加硫モールドの一部を構成するトレッド金型の、トレッド成形表面の一部を、たとえば、キャビティ内への生タイヤの封入および/または、キャビティ内でのタイヤ体積の増加に伴って、キャビティ容積の所要の変化に正確に対応させるものであり、これがため、この発明に係るタイヤトレッド加硫金型は、拡縮径変位されて、全体として円環状をなす型締め姿勢で、生タイヤのトレッド部に加硫成形を施す複数個のセグメントを具えるものであって、各セグメントを、平面形状が円弧状をなすホルダの内周側に、各個が成形表面を有する複数個の成形ピースを相互に整列させて配置して、周方向の両端部に位置する成形ピースをホルダに固定する一方、それらの両固定成形ピース間に位置する一個以上の成形ピースを、半径方向に進退変位可能にホルダに配設した可動成形ピースとし、この可動成形ピースを半径方向内方側、いいかえれば、進出方向に付勢する弾性手段および、可動成形ピースの、半径方向内方側への突出限位置を特定する拘束手段のそれぞれを設けることによって構成するにある。
ここにおいて好ましくは、周方向の両端部の固定成形ピースの間に位置する全ての成形ピースを、半径方向に進退変位可能な可動成形ピースとし、また好ましくは、各可動成形ピースを、それとホルダとの間に配設した複数個の弾性手段により、進出方向へ均等に付勢する。
なおここで、拘束手段は、ホルダに貫通させて先端部を可動成形ピースに螺合させる一方、頭部をそのホルダに掛合させた雄ねじ部材によって構成することが好ましい。
また好ましくは、可動成形ピースの突出限位置を、弾性手段による押圧力の作用下で、いいかえれば、可動成形ピースに進出方向の押圧力を作用させたプリロード状態で特定する。
ところで、各固定成形ピースの成形表面の、セグメント全体の成形表面の周方向長さに占める比率は、10〜25%の範囲とすることが好ましく、また、各成形ピースの材質は、ホルダと同一のものまたは、ホルダと同等の熱膨張係数を有するものとすることが好ましい。
なおここで、「ホルダと同等の熱膨張係数」とは、ホルダの熱膨張係数に対して、±10%の範囲にある場合をいうものとする。
なおここで、「ホルダと同等の熱膨張係数」とは、ホルダの熱膨張係数に対して、±10%の範囲にある場合をいうものとする。
そしてまた好ましくは、ホルダの周方向で、固定成形ピースの外縁を、ホルダそれ自身の外縁より、たとえば0.05mm前後周方向内側に位置させる。
この発明に係るタイヤトレッド加硫金型によれば、コアに比して絶対数がはるかに少ない加硫モールドの、トレッド加硫金型の一部としての可動成形ピースの変位によって、生タイヤのゴム体積の、タイヤ毎の変動および、温度変化に伴うゴム体積の増加等を吸収することで、設備コストの増加を有利に抑制することができ、また、トレッド加硫金型の一部をなす可動成形ピースを、半径方向の内外、ひいては、区画形成されるキャビティの内側方向および外側方向へ、ホルダの案内下で所要に応じた量だけ変位させることにより、ゴム体積の変動および変化を、それらの量の多小にかかわらず、十分にかつ正確に吸収することができる。
なお、この加硫金型において、たとえば、可動成形ピースの、半径方向内方側への突出限位置、すなわち初期位置を、ゴム体積が不足する最小のタイヤを想定して、それによってなおベアの発生を十分に防止し得るように、内方側へ大きく突出する位置に設定したときは、そのタイヤよりゴム体積の大きいタイヤの加硫成形に際しては、可動成形ピースを、キャビティ容積を増加させる向きに後退変位させることで、ゴム体積の変動等を吸収して、ゴム素材のはみ出し、コアの変形およびベアの発生等を十分に防止することができる。
またここでは、トレッドパターンの形成に寄与する、複雑な表面形状を有する成形ピースの一部を進退変位させてゴム素材のはみ出し、ベアの発生等を防止することにより、変位部分と否変位部分との境界位置に生じることのある不連続部等を、トレッドパターンの表面凹凸中に潜在化させて、目立たなくすることができる。
しかもここでは、トレッド加硫金型をいわゆる割りモールドとし、各セグメントを、円弧状のホルダと、ホルダの内周側に相互に整列させて配置されて、周方向の両端でそのホルダに固定される固定成形ピースおよび、両固定成形ピース間にあって、ホルダの案内下で半径方向に変位可能な可動成形ピースと、可動成形ピースを半径方向の内方側へ付勢する弾性手段および、その成形ピースの突出限位置を特定する拘束手段とで構成することで、簡単な構造の下で、可動成形ピースを、生タイヤのゴム体積の変動および変化等に応じて所要の方向へ円滑かつ確実に変位させることができ、この結果として、トレッド加硫金型に上述した機能を十分に発揮させることができ、ゴム体積の大きな変動および変化を効果的に吸収することができる。
またここでは、固定成形ピースの作用下で、相互に隣接するセグメント間からのゴム素材の不測のはみ出しのおそれを十分に取り除くことができる。
そして、このようなトレッド加硫金型において、周方向の両端部の固定成形ピースの間に位置する全ての成形ピースを、半径方向に進退変位可能な可動成形ピースとした場合には、ゴム体積のより大きな変動および変化にも十分に対応することができ、併せて、成形ピースの変位部分と否変位部分との境界位置に発生することのある不連続部等を有利に低減させることができる。
またここで、各可動成形ピースを、それとホルダとの間に配設した複数個の弾性手段によって付勢するときは、可動成形ピースの進出方向押圧力を、その可動成形ピースの全体にわたって十分均等なものとすることができ、可動成形ピースの、偏った後退変位等のおそれを十分に取り除くことができる。
このような加硫金型において、可動成形ピースの突出限位置を特定する拘束手段は、ホルダに貫通させて先端部を可動成形ピースに螺合させるとともに、頭部をホルダに掛合させた雄ねじ部材、たとえばボルトによって構成することができ、これによれば、簡単な構造にして、可動成形ピースを所期した通りの突出限位置に簡単かつ容易に特定することができるとともに、可動成形ピースの、ホルダに対する着脱操作を簡易なものとすることができる。
ここにおいて、可動成形ピースの突出限位置を、弾性手段、たとえば皿ばね、コイルばね等による押圧力の作用下で特定して、初期設定位置に存在するその可動成形ピースに、半径方向内向きの、いいかえれば、キャビティ容積を狭める向きのプリロードを付与することで、可動成形ピースのチャタリングその他の不安定作動を防止するとともに、キャビティ内のタイヤに対する所定の押圧力の作用を十分に担保しつつ、大きな体積に対する可動成形ピースの確実なる逃げ変位を行わせることができる。
そして、各セグメントにおいて、各固定成形ピースの成形表面の、セグメント全体の成形表面の周方向長さに占める比率を10〜25%の範囲としたときは、相互に隣接するセグメント間からのゴム素材のはみ出しを十分に防止する一方で、それぞれの成形ピースの組付けに支障のない範囲で可動成形ピースの配設域をできるだけ多く確保して、ゴム体積の補償能を有効に高めることができる。
また、これも各セグメントにおいて、各成形ピースの材質を、ホルダと同一のものまたは、ホルダと同等の熱膨張係数を有するものとしたときは、それらの加工および組立てを簡単かつ容易にするとともに、加硫中における、固定成形ピースおよびホルダと可動成形ピースとの間の所要のクリアランスの確保を容易ならしめることができ、そしてまた、ホルダの周方向で、固定成形ピースの外縁を、ホルダそれ自身の外縁より、たとえば0.05mm前後周方向の内側に位置させたときは、トレッド加硫金型の型締め力の、成形ピースへの作用を、加硫の進行状況のいかんにかかわらず十分に防止して、成形ピースを有効に保護することができる。
図1はこの発明に係るタイヤトレッド加硫金型の実施形態を、全体として円環形状をなす型締め姿勢で示す平面図であり、図示のこの加硫金型は、拡縮径変位される総計17個のセグメント1を具える。
ここで、各セグメント1は、図2に部分拡大横断図面および、成形表面の部分展開図で示すように、ホルダ2の内周側に、各個が成形表面を有する複数個、図では3個の成形ピース3、4、5のそれぞれを、好ましくは0.05mm以下の間隔をおいて相互に整列させて配置して、周方向の両端に位置する二個の成形ピース3、5を、ホルダ2に、ボルト等をもって固定した固定成形ピースとする一方で、これらの両固定成形ピース3、5間に位置する一の成形ピース4を、それらの固定成形ピース3、5およびホルダ2の案内下で、半径方向に変位可能に配設し、この可動成形ピース4を、図3に、図1のIII−III線に沿う拡大断面図で示すように、たとえば皿ばねの積層構造になる弾性手段6によって半径方向の内方側、いいかえれば、キャビティ容積を低減する側に付勢するとともに、その可動成形ピース4の、半径方向内側への突出限位置を拘束手段7によって特定することにより構成してなる。
この場合、可動成形ピース4と、ホルダ2との間にもまた、0.05mm以下の間隔をおくことが好ましく、これによれば、可動成形ピース4の半径方向の変位を円滑ならしめてなお、可動成形ピース4と、ホルダ2および固定成形ピース3、5との間へのゴムの入り込み、ひいては、それらの間へのゴムの入り込みに起因して可動成形ピース4の所要の変位が妨げられるのを有効に防止することができる。
この場合、可動成形ピース4と、ホルダ2との間にもまた、0.05mm以下の間隔をおくことが好ましく、これによれば、可動成形ピース4の半径方向の変位を円滑ならしめてなお、可動成形ピース4と、ホルダ2および固定成形ピース3、5との間へのゴムの入り込み、ひいては、それらの間へのゴムの入り込みに起因して可動成形ピース4の所要の変位が妨げられるのを有効に防止することができる。
なおここで、それぞれの成形ピース3、4、5の材質は、ホルダ2と同一のものまたは、ホルダ2の同等の熱膨張係数を有するものとすることが好ましく、たとえば鉄系の材質とすることができるそれらの成形ピース3、4、5の成形表面は、鋳造、マシジング加工、放電加工等によって形成することができる。
また好ましくは、各固定成形ピース3、5の成形表面の、セグメント全体の成形表面の周方向長さlに占める比率を10〜25%の範囲とする。
なお、図に示すところからは明らかではないが、ホルダ2の周方向で、固定成形ピース3、5の外縁を、ホルダそれ自身の外縁より、たとえば0.05mm前後周方向内側に位置させて、それらの固定成形ピース3、5を、トレッド加硫金型の型締め力の作用から保護することが好ましい。
なお、図に示すところからは明らかではないが、ホルダ2の周方向で、固定成形ピース3、5の外縁を、ホルダそれ自身の外縁より、たとえば0.05mm前後周方向内側に位置させて、それらの固定成形ピース3、5を、トレッド加硫金型の型締め力の作用から保護することが好ましい。
ところで、図に示すところでは、可動成形ピース4を、それとホルダ2との間に配設した3個の弾性手段6によって半径方向内方側へ付勢しているも、弾性手段6の配設数は所要に応じて適宜に増減することができ、また、図では皿ばねにて構成したその弾性手段6を、コイルスプリング、耐熱ゴム、プラスチック材料にて構成することもできる。
そして、可動成形ピース4の、半径方向内方側への突出限位置を特定する拘束手段7は、図3に示すように、ホルダ2に貫通させて先端部を可動成形ピース4に所要の深さにわたって螺合させるとともに、頭部をホルダ2に掛合させた雄ねじ部材、たとえばボルトにて構成することが好ましく、これによれば、拘束手段7の、可動成形ピース4への螺合量を選択することで、その成形ピース4の突出限位置を所要に応じて調整することができる。
ここで、可動成形ピース4の、このような突出限位置の調整は、弾性手段6による、その成形ピース4への、半径方向内向きの押圧力の作用下で行なうことが好ましい。
ところで、可動成形ピース4の突出限位置は、図1に仮想線で示す剛性コア8と、トレット加硫金型をも含む加硫モードとの間に区画されるキャビティ9内に配置される生タイヤのゴム体積が所定のものより小さくても、タイヤの加硫成形に当って、それに十分な押圧力を及ぼすことができるよう調整することが必要であり、そして、可動成形ピース4の後退限位置、いいかえれば、半径方向外方側への拡径限界位置は、キャビティ9内に配置される生タイヤのゴム体積が所定のものより大きくても、加硫成形に伴うそれの熱膨張を十分に許容できるよう調整することが必要である。
そしてこれらのいずれの場合にあっても、可動成形ピース4の最大拡径姿勢の下では、可動成形ピース4の成形表面と、固定成形ピース3、5の成形表面との間の半径方向の段差量を極力小さくすることが好ましい。
以上のように構成してなるタイヤトレッド加硫金型を具える加硫モードによって、コア8上で成型した生タイヤに加硫成形を施す場合には、そのコア8を生タイヤとともに加硫モールド内へ装入するともに、その加硫モールドを型締めして、タイヤトレッド加硫金型を図1に示すような円環状とし、これによってキャビティ9内に封入した生タイヤを、加硫モールド側から加熱するとともに、コア8内への熱風等の供給に基いてコア側からも加熱する。
これにより、キャビティ内の生タイヤは、たとえばそれの熱膨張に基いて、通常は、図4に部分拡大横断面図で示すように、ゼンメント1の突出限位置にあって、弾性手段6によってプリロードを付与されている可動成形ピース4を、弾性手段6のばね力に抗して半径方向外側、いいかえれば、キャビティ容積の増加をもたらす押込み方向に変位させて流動する。この結果として、生タイヤの、熱膨張に起因するゴム体積の増加は、弾性手段6による十分な押圧力の作用の下でのキャビティ容積の増加によって有効に吸収されることになり、ゴム素材の、キャビティ9からのはみ出し、コア8の変形等のおそれは十分に除去されることになる。
この一方で、生タイヤTのゴム物性、成型時のゴム体積等との関連において、その生タイヤTがキャビティ容積を、上述したようにして増加させるほどには体積増加されない場合には、可動成形ピース4は、図4に仮想線で示すような、予め調整されたそれの突出限位置で、熱膨張された生タイヤTを押圧支持することになる。
従ってここでは、加硫済みタイヤへのベアの発生が、プリロードを受けた可動成形ピース4によって十分に防止されることになる。
従ってここでは、加硫済みタイヤへのベアの発生が、プリロードを受けた可動成形ピース4によって十分に防止されることになる。
図5は、上述したようなそれぞれの場合における、加硫成形後の製品タイヤの、可動成形ピース4と対応する位置でのトレッド表面の形態を例示する拡大断面図であり、たとえば、生タイヤのゴム体積または、ゴムの熱膨張量が多すぎて、可動成形ピース4がそれの押込み限界位置もしくはその近傍まで後退変位したときは、製品タイヤのトレッド表面に、図5(a)に例示するように、可動成形ピース4との対応部分が凸となる成形が行なわれることになり、また、生タイヤ及びゴム体積または熱膨張量が適正であって、可動成形ピース4の押し込み変位もまた適正に行われるときは、トレッド表面は、図5(b)に示すように、可動成形ピース4と対応する部分と、固定成形ピース3、5と対応する部分とのそれぞれの段差部なしに滑らかに連続するように成形されることになる。
そして、ゴム体積または熱膨張量が少なすぎて、可動成形ピース4がほとんどもしくは全く押込み変位されることなく、初期の突出限位置または、わずかに押し込まれた位置に維持されるときは、図5(c)に示すように、可動成形ピース4との対応部分が凹となる成形が行なわれることになる。
1 セグメント
2 ホルダ
3、5 固定成形ピース
4 可動成形ピース
6 弾性手段
7 拘束手段
8 剛性コア
9 キャビティ
T 生タイヤ
2 ホルダ
3、5 固定成形ピース
4 可動成形ピース
6 弾性手段
7 拘束手段
8 剛性コア
9 キャビティ
T 生タイヤ
Claims (8)
- 拡縮径変位されて、全体として円環状をなす型締め姿勢で、生タイヤのトレッド部に加硫成形を施す複数個のセグメントを具えるタイヤトレッド加硫金型であって、
各セグメントを、平面形状が円弧状をなすホルダの内周側に、各個が成形表面を有する複数個の成形ピースを相互に整列させて配置して、周方向の両端部に位置する成形ピースをホルダに固定する一方、それらの両固定成形ピース間に位置する一個以上の成形ピースを、半径方向に変位可能にホルダに配設し、この可動成形ピースを半径方向内方側へ付勢する弾性手段および、可動成形ピースの、半径方向内方側への突出限位置を特定する拘束手段のそれぞれを設けることにより構成してなるタイヤトレッド加硫金型。 - 周方向の両端部の固定成形ピースの間に位置する全ての成形ピースを可動成形ピースとしてなる請求項1に記載のタイヤトレッド加硫金型。
- 各可動成形ピースを、それとホルダとの間に配設した複数個の弾性手段によって付勢してなる請求項1もしくは2に記載のタイヤトレッド加硫金型。
- 拘束手段を、ホルダに貫通させて先端部を可動成形ピースに螺合させるとともに、頭部をホルダに掛合させた雄ねじ部材により構成してなる請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤトレッド加硫金型。
- 可動成形ピースの突出限位置を、弾性手段による押圧力の作用下で特定してなる請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤトレッド加硫金型。
- 各固定成形ピースの成形表面の、セグメント全体の成形表面の周方向長さに占める比率を10〜25%の範囲としてなる請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤトレッド加硫金型。
- 各成形ピースの材質を、ホルダと同一のものまたは、ホルダと同等の熱膨張係数を有するものとしてなる請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤトレッド加硫金型。
- ホルダの周方向で、固定成形ピースの外縁を、ホルダそれ自身の外縁より周方向内側に位置させてなる請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤトレッド加硫金型。
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JP2010149401A (ja) * | 2008-12-25 | 2010-07-08 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | タイヤの加硫金型 |
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