JP2007044363A - 血圧脈波検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
カフの感度を個別に測定することが出来る血圧脈波検査装置の提供。
【解決手段】
血圧算出手段11と、メインカフ40と、所定の既知容量の圧力変動をカフ50に対して加える定容量脈波発生ユニット63と、定容量脈波発生ユニット63駆動時にカフ50で検出される脈波振幅値と既知容量値とに基づいてカフ40の感度Sを算出し、感度Sと脈波のピーク時における振幅値ΔPとに基づいて容積脈波ΔVを算出し、容積脈波ΔVと血管内圧変動分とに基づいて血管コンプライアンスKを算出するK算出手段12とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、血圧脈波検査装置に関し、特に、カフの感度を個別に測定する血圧脈波検査装置に関する。
従来より、動脈硬化の指標として血管コンプライアンスが用いられている。血管コンプライアンスKは、血管内圧がΔPだけ増加したときに血管の単位長さ当り増加する血管内容積を容積脈波ΔVとした時、血管の伸展性を表すパラメータとして定義されており、K=ΔV/ΔP[cm/(dyne/cm)]=2πR(1−σ)/E・h(R:血管径、σ:ポアソン比、h:血管径の厚み、E:弾性率)で表される。
血管コンプライアンスKは、動脈圧の測定と、超音波法を用いた血管径及びその脈動に基づく血管壁変位の測定により求めることが可能であるが(例えば、特許文献1,特許文献2を参照)、これらの場合、上腕や下肢に血圧測定用のカフを取付ける他に、手指等に別途センサ等の装置を取付けなければ測定することが出来ず、専門の医療機関でしか測定することが出来ないものであった。
上記の問題点を解決し、別途の装置を必要とせず簡単に動脈硬化の指標を測定可能としたのが、特許文献3に記載の血管弾性測定装置である。
しかし、このような血管弾性測定装置には、以下に説明する技術的な課題があった。
特許第3184349号公報 特開平8−66377号公報 特開2004−313605号公報
特許文献3に記載の血管弾性測定装置では、カフ圧を減圧または昇圧させる過程でセンサから検出される圧力脈波信号から、容積脈波ΔVを算出するようにしているが、その算出の際にカフの弾性特性(以下、カフの感度ともいう)を考慮した補正が必要となる。
その点、特許文献3においては、カフの感度は既知のものを使用し、どの被験者に対しても、またいつでも、同じ数値を採用している。
しかし、カフの感度は、加圧状態(加圧値)のみならず、被験者の状態、測定時間帯、カフの個体差等によっても変化するものであり、正確な血管コンプライアンスを測定する上での誤差要因となっていた。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、カフの感度を個別に測定することが出来る血圧脈波検査装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明にかかる血圧脈波検査装置は、被験者に巻回されるメインカフを備えた血圧脈波検査装置において、所定の既知容量の圧力変動を、前記メインカフに対して加える定容量脈波発生ユニットと、前記定容量脈波発生ユニットの駆動時に前記メインカフで検出される脈波の圧力変動量と前記既知容量値とに基づいて前記カフの感度Sを算出するカフ感度算出手段とを備えるようにした。
また、被験者に巻回されるメインカフを備えた血圧脈波検査装置において、前記メインカフの内周側に、前記被験者に当接するように設けられたサブカフと、所定の既知容量の圧力変動を、前記サブカフに対して加える定容量脈波発生ユニットと、前記定容量脈波発生ユニットの駆動時に前記サブカフで検出される脈波の圧力変動量と前記既知容量値とに基づいて前記カフの感度Sを算出するカフ感度算出手段とを備えるようにした。
これらの構成によれば、定容量脈波発生ユニットが既知容量の圧力変動を加え、その時に検出される脈波の圧力変動量と既知容量値とに基づいて、カフの感度を個別に算出することができるので、これを用いて、種々の動脈硬化特性、血管弾性特性を正確に測定できるようになる。
尚、本明細書において「個別」とは、1人の被験者による1回の測定毎、という広い意味と、1回の測定内で所定時間毎又は所定の脈波検出毎又は所定のカフ圧毎、という意味の両方を指している。
また、前記血圧脈波検査装置は、前記感度Sと脈波の振幅値ΔPとに基づいて、血管内圧が増加したときに血管の単位長さ当り増加する血管内容積を示す容積脈波ΔVを算出し、前記容積脈波ΔVから動脈硬化の指標である血管コンプライアンスKを算出するK算出手段を備えていてもよい。
この構成によれば、個別に算出されたカフの感度に基づいて、容積脈波を求めることが出来るので、精度良く血管コンプライアンスを求めることが出来る。
また、前記血圧脈波検査装置は、いずれかの前記カフから検出された脈波に基づいて、前記被験者の最高血圧値SBPと最低血圧値DBPとを測定する血圧算出手段を備えていてもよい。
これによれば、カフの感度や、血管コンプライアンスのみならず、血圧も同時に測定することが出来るようになる。
これらの構成によれば、定容量脈波発生ユニットが既知容量の圧力変動を加え、その時に検出される脈波の圧力変動量と既知容量値とに基づいて、個別にカフの感度を算出して、容積脈波を求めるので、血圧と同時に、精度良く血管コンプライアンスを求めることが出来る。
また、前記定容量脈波発生ユニットは、前記カフで前記所定の脈波のピークが検出されてから所定時間後に駆動するよう制御されてもよい。
カフからは、通常検出される脈波に、定容量脈波発生ユニットの給気に伴い発生する脈波が重畳して表れるため、ピークが過ぎて、脈波波形が下降している時に、定容量脈波発生ユニットを駆動させたほうが、カフ感度算出用の脈波の振幅を、通常の脈波から分離しやすく、測定精度が向上する。
また、前記定容量脈波発生ユニットは、前記カフに給気するための給気口と、前記給気口と連通した第1の閉塞空間を形成するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムを振動させて前記第1の閉塞空間内の所定の既知容量の空気を給気する可動フランジ部と、通電により前記可動フランジ部を上下移動させるコイルとを備えていてもよい。
この構成は、血圧計の排気構造としても採用されているものであり、部品の共通化、製造工程の共通化が図られる。
また、定容量脈波発生ユニットは、前記メインカフと接続された背圧吸気口を備え、前記背圧吸気口と連通した第2の閉塞空間が前記ダイヤフラムによって形成されており、前記定容量脈波発生ユニットの駆動直前まで、前記第1の閉塞空間は、前記第2の閉塞空間と同圧力に維持されるよう制御されてもよい。
この構成によれば、定容量脈波発生ユニットの背圧と給気圧を同一レベルにしておくことで、ダイヤフラムを挟んで形成されている第1の閉塞空間と第2の閉塞空間の圧力均衡が維持され、必要な容量の空気を給気口からカフに送り込むために、短時間で最低限の電流をコイルに通電することで済む。
また、前記K算出手段は、前記メインカフのカフ圧を変化させて、前記血管コンプライアンスKを、所定のTP値(血管内圧値−血管外圧値)毎に算出するとともに、前記TP値で積分することによって、血管断面積とTP値の関係を表す管法則曲線を求めてもよい。
これによれば、解剖学的・侵襲的な手法によらず、非侵襲的な測定方法で、血管コンプライアンスから被験者の血管断面積を求めることが出来る。
また、血圧脈波検査装置は、前記管法則曲線と、前記被験者の脈波伝搬速度PWVの圧力依存曲線とを比較して、前記血管コンプライアンスKと前記脈波伝搬速度PWVの相関性を求めるものであってもよい。
管法則曲線と脈波伝搬速度の圧力依存曲線は、比例関係にあるため、これらを比較することで、管法則曲線の元になっている血管コンプライアンスKと脈波伝搬速度PWVの整合性・妥当性の判断が可能となる。
また、前記血圧脈波検査装置は、前記サブカフを、2以上備え、いずれか2つの前記サブカフでそれぞれ検出される脈波間の伝搬遅延時間と、前記サブカフ間の所定距離とに基づいて、脈波伝搬速度PWVを算出するPWV算出手段を備えていてもよい。
このように、同一の装置で、血圧と血管コンプライアンスKのみならず、脈波伝搬速度PWVをも測定することが可能となり、両者を動脈硬化の指標として用いることが出来るようになる。
また、前記メインカフの外周側には、固定端となるようなアウターカバーのコアが設けられ、前記メインカフの膨らみが内側にのみ作用し、前記メインカフの外部環境に対して仕事をしないようになっていてもよい。
アウターカバーを設けることにより、メインカフ内が均一に加圧され、また、メインカフが測定肢からずれることが防止される。
また、前記サブカフは、前記被験者の血流方向の上流端と下流端にそれぞれ設けられており、前記K算出手段は、前記下流端に設けられたサブカフで検出される脈波に基づいて前記血管コンプライアンスを算出してもよい。
下流端のカフを、血管コンプライアンス測定用と脈波伝搬速度測定用で兼用すれば、メインカフに設けられるカフは、合計2個で済むので、製造容易性、製造コストの面で有利である。
また、前記サブカフは、検出される脈波の相互干渉を防止する圧力ダンパーを介して、前記メインカフに固着されていてもよい。
また、前記サブカフは、圧力ダンパーを介して、前記メインカフに固着されており、前記メインカフとともにメインカフの圧力を測定肢に付加するものであってもよい。
この構成によれば、カフ間の相互干渉が防止され、カフから正しい脈波を検出することが出来るので測定精度が向上する。
また、前記K算出手段で血管コンプライアンスKの算出に用いられる脈波は、前記血圧算出手段で血圧値の算出に用いられる脈波の検出と同じ、前記メインカフのカフ圧の制御過程で検出されてもよい。
本発明の血圧脈波検査装置は、従来の血圧計の制御部に変更を加えて、定容量脈波発生ユニットを介して、カフを接続することでも実現されるので、従来の血圧計のハードウェア構成を変える必要がなく、血圧の測定と同時に血管コンプライアンスの測定が出来るようになる。
また、前記K算出手段で血管コンプライアンスKの算出に用いられる脈波は、前記血圧算出手段による血圧値の決定後に、TPが正(血管内圧>血管外圧)となるような前記メインカフのカフ圧の範囲で検出されてもよい。
これによれば、従来、TPが負の範囲でしか求められなかった血管コンプライアンスKが正の範囲でも求められるようになり、TPが正の範囲で求められる脈波伝搬速度PWVとの整合性の検証が行えるようになる。
本発明にかかる血圧脈波検査装置によれば、定容量脈波発生ユニットが既知容量の圧力変動を加えるので、その時に検出される脈波の圧力変動量と既知容量値とに基づいて、個別にカフの感度を算出することが出来、これを用いて種々の動脈硬化特性や血管弾性特性を求めることが出来るようになる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の血圧脈波検査装置の構成を示す図である。
本実施例の血圧脈波検査装置1aは、被験者の血圧に加え、動脈硬化の指標である血管コンプライアンスKを測定する装置である。血圧脈波検査装置1aはまず、一般的なオシロメトリック方式の血圧計が有する構成であるところの制御部10、表示/スイッチ部20、メモリ30、被験者の上腕又は下肢に巻回され動脈を一時的に阻血し、気密性の大容量可撓性袋体が帯状形成されたメインカフ40、メインカフ40内に給気するポンプ41、ポンプ駆動回路42、メインカフ40内の空気を排気する排気弁43、排気弁駆動回路44、メインカフ40内の圧力(カフ圧)を検出するメイン側センサ45、メイン側センサ45の検出値に基づいて被験者の脈波を抽出するメイン側脈波抽出回路46を少なくとも備えている。
尚、本実施例では、上記の一般的な血圧計の構成手段については、外見上、血圧計の形状をしてユニット化されている。
また、本実施例で使用されるセンサは、メイン側及び後述する上流側、下流側かによらず全て、カフ内の容積変動を検出するタイプの圧力センサであるが、この他のセンサであっても構わない。
また、メイン側脈波抽出回路46及び後述する下流側脈波抽出回路62、上流側脈波抽出回路82は、すべてまたはいずれかが、制御部10に内蔵されていてもよい。
上記の構成により、制御部10は、血圧測定開始とともに、カフ圧が被験者の体内の血管内圧より高くなるように、ポンプ駆動回路42及びポンプ41を介して、メインカフ40内に給気する。メインカフ40が測定部位を圧迫し、体内の血流を阻止したところで、制御部10は、給気を停止させ、排気弁駆動回路44及び排気弁43を介して、メインカフ40内の空気を排気して、カフ圧を徐々に低下させる。
測定部位がメインカフ40によって圧迫され、直下にある血管が押しつぶされている状態から、カフ圧を徐々に低下させていく過程で、血液は、最高血圧値付近で流れ始め、最低血圧値付近ではカフ圧による影響を受けることなくスムーズに流れ始めることが知られている。
制御部10の血圧算出手段11は、このカフ圧を変化させていく過程で、心臓の拍動に同期した血管壁の振動がメインカフ40の内部に及ぼす微小な空気変動であるところの脈波を、メイン側脈波抽出回路46においてメイン側センサ45から抽出し、この脈波に基づいて最高血圧値、最低血圧値、平均血圧値を判定する。尚、メイン側センサ45からは、ポンプ41で加圧しているカフ圧に、脈波分の圧力が重畳した圧力波形が得られるため、脈波成分を抽出するためには、この圧力波形から、カフ圧を差し引けばよい。
判定方法は、脈波の振幅(脈波毎の圧力の最大値−最小値。脈圧ともいう)が急激に増大するポイントにおけるカフ圧を最高血圧値SBPとし、脈波の振幅が急激に減少するポイントにおけるカフ圧を最低血圧値DBPとし、脈波の振幅が最も大きくなるポイントにおけるカフ圧を平均血圧値MBPとする方法が一般的であるが、その他の判定方法が血圧算出手段11で採用されても構わない。
判定結果としてのこれら血圧値はメモリ30に記憶され、また、表示/スイッチ部20の表示画面に表示される。これが一般的なオシロメトリック方式の血圧計の動作原理である。
さて、本実施例の血圧脈波検査装置1aは、上記の一般的な血圧計の構成手段の他、定容量脈波発生ユニット63と、脈波発生駆動回路65と、制御部10内に設けられ血管コンプライアンスKを算出するK算出手段12とを備える。
尚、本実施例のK算出手段12には、カフの感度Sを算出するカフ感度算出手段が含まれている。
定容量脈波発生ユニット63は、脈波発生駆動回路64からの制御指示に基づいて、メインカフ40内のカフ圧を変化させる過程でメインカフ40内に、所定のカフ圧毎又は所定の時間毎又は所定の脈波検出毎に所定の既知容量分の圧力変動を加える手段であり、いわゆる定容量ポンプ、ピストンである。
本実施例の定容量脈波発生ユニット63の断面図を図5に示す。図5の定容量脈波発生ユニット63は、下流側サブカフ50に接続されて給気する給気口63a、メインカフ40・ポンプ41・排気弁43に接続される背圧吸気口63bとを備えている。
これらの給気口63aと背圧吸気口63bは、カバー63kに設けられている。カバー63kは、カップ状に形成されたボデー63lの開口端にシール材63mを介在させて固設されており、カバー63kとボデー63lにより気密空間が設けられている。
この気密空間は、カバー63kの内面に外周縁が当接する可撓性のダイヤフラム63eにより、給気口63aと連通した第1の閉塞空間63cと、背圧吸気口63bと連通した第2の閉塞空間63dに区画されている。
ダイヤフラム63eは、パラボラアンテナ状に形成されたものであって、その中心部が可動フランジ部63fに支持されている。可動フランジ部63fの下方には、ホールピース63h、磁石63i、ヨーク63jが積層配置され、ホールピース63fの側面に設けられたコイル63gに通電すると、ダイヤフラム63eが屈曲振動をするようになっている。
ダイヤフラム63eを屈曲振動させると、給気口63aから下流側サブカフ50に第1の閉塞空間63c内の所定容量の空気が供給される。尚、このような定容量脈波発生ユニット63の構成は、血圧計の排気構造としても採用されているものであり、部品の共通化、製造工程の共通化が図られる。
尚、血圧脈波検査装置1aは、血圧計としての使用も可能であり、その場合には、定容量脈波発生ユニット63と、脈波発生駆動回路65を血圧脈波検査装置1aから除去するだけでよい。換言すれば、本発明の血圧脈波検査装置は、従来の制御部の内容を変更した血圧計に、定容量脈波発生ユニット63と、脈波発生駆動回路65を介して、カフを接続することでも実現されるので、従来の血圧計のハードウェア構成を変える必要がなく、血圧測定専用の血圧計とのハードウェアの兼用が可能となる。
ここでメインカフ40に所定の既知容量の空気を送り込む必要性について、本発明における血管コンプライアンスKの測定方法(K算出手段12の詳細)と合わせて説明する。
血管コンプライアンスKは、上述したように、血管内圧がΔPだけ増加したときに血管の単位長さ当り増加する血管内容積をΔV(以下、これを容積脈波という)とした時、K=ΔV/ΔPで求められる。尚、血管内では、体内に血液を循環させるために、心臓の鼓動と同期して、最低血圧値DBPと最高血圧値SBPを定期的に繰り返すようにして圧力が発生しており、この繰り返し周期が、拍と呼ばれるものであり、脈波の抽出単位でもある。
つまり、ΔPは、最低血圧値DBPと最高血圧値SBPの差分であり、K=ΔV/(SBP−DBP)で求められる。尚、ここでのΔPは、以降に登場する脈波振幅を表すΔPやΔPとは異なる。
次に、血管コンプライアンスKを求めるために必要な容積脈波ΔVは、血圧測定用のカフを用いた場合には直接測定することが出来ず、従来は、血圧測定装置以外の別途の装置を用いるか、特許文献3(特開2004−313605号公報)に記載されているように、血圧計のメイン側センサ45から検出された脈波の振幅値にメインカフ40の感度(メインカフ40の体積変化に対する圧力変化の割合)を適用して、圧力値から体積値へ単位変換することで求めていた。
しかし、カフの感度は、加圧状態(加圧値)のみならず、被験者の状態、測定時間帯、カフの個体差等によっても特性が異なってくるため、特許文献3においては正確な容積脈波ΔV、ひいては血管コンプライアンスKを求めることは出来なかった。
そこで本発明では、メインカフ40のカフ圧を変化させる過程で、定容量脈波発生ユニット63が、メインカフ40に、所定の既知容量の給気を行い、所定のカフ圧毎又は所定の時間毎又は所定の脈波検出毎にカフの感度(カフ内容積の単位容量変化当りのカフ圧の変動量)を実際に測定して、このカフの感度に基づいて容積脈波ΔVを算出することで、より正確な血管コンプライアンスKの圧力特性を求められるようにしたのである。
尚、本明細書において、「圧力特性」における圧力とは、測定時の被験者の血圧値や、血管外圧値(カフ圧)や、TP値(血管内圧値と血管外圧値の差分)を指す。
メインカフ40に加えられる所定の既知容量は、メインカフ40が、被験者である人間の血管壁の変動を検出するのに必要な容量であればよく、メインカフ40の大きさによっても、所定の既知容量の割合は変化するが、本実施例では、0.1〜0.5ccが好適である。また、メインカフ40のカフ圧を変化させる過程で、例えばカフ圧値に応じて、定容量脈波発生ユニット63が給気する容量値が変化するものであってもよい。
このように、血圧脈波検査装置1aによれば、従来の血圧計に定容量脈波発生ユニット63と脈波発生駆動回路64を追加しただけで、血管コンプライアンスKの圧力特性を測定することが可能となる。
血圧脈波検査装置1aの変形例について、図2を参照しながら以下説明する。図2に示す血圧脈波検査装置1は、基本的に、血圧脈波検査装置1aの構成要件を全て含んでいるが、定容量脈波発生ユニット64が、メインカフ40ではなく、メインカフ40の内周側に被験者の上腕または下肢と接するように取付けられた下流側サブカフ50・上流側サブカフ70のうちのいずれかに接続され、サブカフに対して所定の既知容量の給気が行なわれる点が相違している。また更に、下流側脈波検出部60と、上流側脈波検出部80と、PWV算出手段13とを備えている。
下流側サブカフ50と、上流側サブカフ70とが、メインカフ40に取付けられている状態の断面図、平面図、側面図を図3に示す。
図3の実施例において、メインカフ40の外周面一帯は、変形防止用のアウターカバー40aで覆われており、下流側サブカフ50と上流側サブカフ70は、メインカフ40よりも小容量の可撓性袋体が、被験者の上腕ないし下肢の外周面に当接するように、メインカフ40下の血流方向の下流端、上流端にそれぞれ、所定距離離間した位置に、合成樹脂製等の圧力ダンパー40bを介してメインカフ40に固着されている。
アウターカバー40aは、メインカフ40の固定端となるため、メインカフ40の加圧時の膨らみが内側にのみ作用し、メインカフ40の外部環境に対して仕事をしないという役割を担っている。
下流側サブカフ50は、血流方向に対して、指等の抹消神経に近いほうに配置され、上流側サブカフ70は、血液送出元(心臓)に近いほうに配置され、両カフ間の距離は本実施例では90mm(カフの中心から中心まで)である。
本実施例では、上流側サブカフ50と下流側サブカフ70とは同じ容量、同じ形状に作製され、血流方向に30mmの幅を有しているが、これらが必ずしも同じ容量、形状である必要はない。
また、図3中、40c,50c,70cは、それぞれのカフ40,50,70への給排気口である。
後述する通り、下流側サブカフ50及び上流側サブカフ70にも、メインカフ40同様、下流側センサ61及び上流側センサ81が接続され、それぞれ下流側脈波抽出回路62、上流側脈波抽出回路82によってセンサの検出信号から脈波が抽出される。圧力ダンパー40bは、それぞれのセンサで検出される脈波が相互に干渉することなく、正しい脈波を抽出出来るようにするためのものであり、本実施例の圧力ダンパー40bは、厚さ0.3mmのPPフィルムで形成されている。
圧力ダンパー40bは、動脈圧の脈動に伴うサブカフ50,70及びメインカフ40の動圧の固定端として作用し、サブカフ50,70及びメインカフ40内の圧力の脈動を互いにアイソレーションすることができ、サブカフ50,70下の動脈圧の圧脈波にともなう容積変動のみを検出することができる。
尚、本実施例の圧力ダンパー40bをメインカフ40と下流側サブカフ50間に介在させた状態で、メインカフ40のカフ圧を30,50,100,200,300mmHgのそれぞれに維持した時に、メインカフ40のみに所定振幅の信号を周波数を1Hz〜40Hzまで変化させて、その信号を下流側サブカフ50の下流側センサ61で検出した時の、減衰特性を図4に示す。図4から分かるように、下流側センサ61で検出される信号は、メインカフ40に実際に与えられた信号の1/1000以下の振幅に減衰されており、もはやノイズレベルと言える。
従って、この圧力ダンパー40bによってカフ間の相互干渉の影響がほとんどなくなったと言え、カフから正しい脈波を検出することが出来るので測定精度が向上する。
次に、下流側サブカフ50に接続される下流側脈波検出部60は、本実施例では、メインカフ40のカフ圧を変化させる過程において、K算出手段12で血管コンプライアンスKを、また、制御部10のPWV算出手段13で脈波伝搬速度PWVを、それぞれ算出するために必要な下流側脈波を、下流側サブカフ50から検出するための手段であり、図2に示すように、上述した下流側センサ61、下流側脈波抽出回路62の他、定容量脈波発生ユニット63、脈波発生駆動回路64、下流側電磁弁65a,b、エアー抵抗66を備えている。尚、K算出手段12、定容量脈波発生ユニット63、脈波発生駆動回路64については、先の実施例と同様である。
上流側サブカフ70に接続される上流側脈波検出部80は、本実施例では、制御部10のPWV算出手段13で脈波伝搬速度PWVを算出するために必要な上流側脈波を、メインカフ40のカフ圧を変化させる過程で上流側サブカフ70から検出するための手段であり、図2に示すように、上述した上流側センサ81、上流側脈波抽出回路82の他、電磁弁83を備えている。
尚、本実施例では、下流側脈波検出部60と上流側脈波検出部80とが合わせて、上下流脈波検出部(定容量脈波発生・検出装置)としてユニット化されており、血圧計(の形状をした血圧脈波検査装置1の構成手段)と、カフ40,50,70とは、この上下流脈波検出部を介して接続されている。
従って、血圧脈波検査装置1は、血圧計としての使用も可能であり、その場合には、下流脈波検出部60及び上流脈波検出部80を血圧脈波検査装置1から除去するだけでよい。換言すれば、本発明の血圧脈波検査装置は、従来の血圧計の制御部の内容を変更して、血圧計を、下流脈波検出部60及び上流脈波検出部80を介して、カフと接続することでも実現されるので、従来の血圧計のハードウェア構成を変える必要がなく、血圧測定専用の血圧計とのハードウェアの兼用が可能となる。
定容量脈波発生ユニット63の構成は、先述した通りであるが、給気口63aと背圧吸気口63bとは、図2に示した下流側電磁弁65aとエアー抵抗66、及び下流側電磁弁65bを介して相互に接続されている。尚、図2に示した上流側電磁弁83は、メインカフ40、ポンプ41、排気弁43、上流側サブカフ70との間で相互に接続され、更に、定容量脈波発生ユニット63の背圧吸気口63bとも接続されている。
つまり、本実施例では、ポンプ41によって給排気口を介して加圧されうるカフは、メインカフ40、下流側サブカフ50、上流側サブカフ70の全てであり、下流側サブカフ50のみが、定容量脈波発生ユニット63からも加圧されることになる。
より具体的に説明すると、電磁弁65a,65b、83がオープンしており、かつ、定容量脈波発生ユニット63が駆動停止している時は、給気口63aと背圧吸気口63bとが連通状態となり、全てのカフ40,50,70が、ポンプ41を介して連通状態となるので、同一圧力に維持される。
電磁弁65a,65b,83をクローズにすると、定容量脈波発生ユニット63の給気口63aとメインカフ40間、メインカフ40と下流側サブカフ50間が、それぞれ独立状態となるので、この時に、定容量脈波発生ユニット63から、第1の閉塞空間63c内の所定の既知容量の空気を確実に下流側サブカフ50に給気することが出来る。
本実施例では、所定の既知容量を0.15ccとしているが、カフの感度の精度を上げるためには、出来るだけ微小な容量変化における圧力変化分を検出することが望ましいことから、0.02cc〜0.15ccが好適である。
尚、所定の既知容量とは、下流側サブカフ50が、被験者である人間の血管壁の変動を検出するのに必要な容量であればよく、下流側サブカフ50の大きさによっても、所定の既知容量の割合は変化する。また、メインカフ40のカフ圧を変化させる過程で、例えばカフ圧値に応じて、定容量脈波発生ユニット63が給気する容量値が変化するものであってもよい。
エアー抵抗66とシリーズ接続された電磁弁65aがオープンとなっている時は、エアー抵抗66を介しているので、メインカフ40と下流側サブカフ50間の静的圧力が維持されつつも、脈波的には独立状態が保たれる。従って、電磁弁65aはなくても構わない。また、電磁弁65a,65b,83の代わりに抵抗が用いられても構わない。また、電磁弁83とメインカフ40の間にもエアー抵抗が介装されていても構わない。
尚、所定の既知容量の空気を送り込む前に下流側電磁弁65aをオープンにしておく必要があるのは、定容量脈波発生ユニット63の背圧と給気圧を同一レベルにしておくことで、ダイヤフラム63eを挟んで形成されている第1の閉塞空間63cと第2の閉塞空間63dの圧力均衡が維持され、必要な容量の空気を給気口63aから下流側サブカフ50に送り込むために、短時間で最低限の電流をコイル63gに通電することで済むからである。
次に、脈波伝搬速度PWVの測定方法(PWV算出手段13の詳細)について説明する。
PWV算出手段13は、メインカフ40のカフ圧を変化させる過程で、所定のカフ圧毎又は所定の時間毎又は所定の脈波検出毎に上流側サブカフ70で検出された上流側脈波と、下流側サブカフ50で検出された下流側脈波とを、同じ拍同士で比較し、両脈波が上流から下流に伝搬するのにかかった時間(伝搬時間)を脈波波形から算出し、この伝搬時間の逆数を、上流−下流間の距離で除算して脈波伝搬速度PWVの圧力特性を算出する手段である。尚、本実施例では、上流側サブカフ70と下流側サブカフ50との間の距離は、それぞれのカフの中心から中心まで90mmである。
本実施例では、脈波伝搬速度PWVは、検出された上流側脈波と下流側脈波を同じ拍同士で、拍毎に比較し、両脈波が上流から下流に伝搬するのにかかった時間(伝搬時間)を脈波波形から算出し、この伝搬時間の逆数を、上流−下流間の距離で除算して得られる。尚、本実施例では、上流側サブカフ70と下流側サブカフ50との間の距離は、それぞれのカフの中心から中心まで90mmである。
従来は、脈波伝搬速度PWVを求めるため、例えば、上腕と足首に脈波検出センサを設け、脈波が上腕から足首まで伝搬する時間の計測を行い、上腕〜足首間の距離を実測していた。しかしこの場合、上腕〜足首間の距離は、個人差が非常に大きいため、一律に距離を決めてしまうと非常に誤差が大きくなるものであった。また個別に実測を行なったとしても、上腕〜足首間の距離は非常に長いため、このことも誤差要因となる。しかも、上腕と足首にそれぞれ、血圧測定用カフとは異なるセンサを取付けるという手間が発生していた。
更に、従来の脈波伝搬速度PWVは、被験者が横たわった状態で平常時に測定されるため、測定時の血圧が被験者によって異なる。脈波伝搬速度PWVには、図13に示す、動脈硬化度別のPWV−血圧特性を表すグラフからも分かるように、圧力依存性(測定時の被験者の血圧値やTP値(血管内圧値と血管外圧値の差分)によってその数値が変わること)があることが知られており、動脈硬化度によってのみならず、血圧値によっても脈波伝搬速度PWVが変化することから、動脈硬化度の評価を行なうためには、所定の血圧値におけるPWV値に換算する必要があった。
しかし、本発明では、メインカフ40下の上流側と下流側に所定距離離間して設けられたカフ50,70に接続されたセンサ61,81から脈波を検出して、これら脈波間の伝搬時間と、既知の距離に基づいて脈波伝搬速度PWVを求めるので、従来のように血圧測定用カフ以外の装置を被験者の体に取付ける必要がなく、センサ間の距離を実測する必要がない。
また、上腕−足首間の距離と比較しても、メインカフ40内の上流側と下流側の距離は短いため、脈波伝搬速度PWVの算出精度は向上することが期待される。
また、メインカフ40のカフ圧を変化させる過程で、脈波伝搬速度PWVを求めることが出来るので、脈波伝搬速度PWVの圧力特性を即座に求めることが出来る。従って、所定の血圧値における脈波伝搬速度PWVに換算することなく、脈波伝搬速度PWVと圧力値との関係を表すグラフをそのまま動脈硬化度の評価に用いることが出来るようになる。もちろん、このグラフから、特定の圧力値における脈波伝搬速度PWVを求めることも可能である。
上記説明した図2の構成の血圧脈波検査装置1を用いて、被験者の血圧、血管コンプライアンスK、脈波伝搬速度PWVを測定する実施例につき、図6〜図12のフローチャート及び、先に説明した図2の構成図を参照しながら説明する。
まず、本実施例の全体フローについて、図6を参照しながら説明する。尚、前提として、被験者の上腕または下肢に、本実施例の下流側サブカフ50と上流側サブカフ70が固着されたメインカフ40を巻き付けておく必要がある。
血圧脈波検査装置1は、まず、メインカフ40を十分に加圧して、被験者の血流を十分に阻止した状態から、カフ圧を徐々に減圧(排気)していく過程で、メインカフ40から検出される脈波に基づいて被験者の血圧を測定し、同じ過程において、下流側サブカフ50から検出される脈波に基づいて血管コンプライアンスKを測定する(S10)。
尚、本実施例では、TP(Transmural Pressure:血管内圧値Pa−血管外圧値Pe)が負の時のみならず正の時にも、血管コンプライアンスKを測定するようにしているが、S10で測定される血管コンプライアンスKは、血圧測定と同過程で測定されるようになっていることから、TPが主に負の時に測定される数値である。
所定時間経過後(S20)、血圧脈波検査装置1は、TPが主に正の時に測定される血管コンプライアンスKと、脈波伝搬速度PWVを測定する(S30)。この段階では既に血圧の測定と、TPが負の時の血管コンプライアンスKの測定を終えているので、メインカフ40は、血管コンプライアンスKを測定していないTPの状態になるまで加圧すればよい。
尚、S20の所定時間とは、S10でカフによって阻血されていた動脈流が、通常状態(血液がスムーズに流れる状態)に復帰し、S30で血管コンプライアンスK等を誤差なく測定開始できるようになる時間であり、数秒〜数十秒である。
血圧脈波検査装置1は、測定された血圧、血管コンプライアンスK、脈波伝搬速度PWVに基づいて解析を行い、総合的判断として動脈硬化パラメータを算出し、その結果を出力する(S40)。
以下、S10〜S40の各フローの詳細について説明する。まず、S10の血圧、血管コンプライアンスK測定のフローについて図7〜図9のフローチャートを参照しながら説明する。
制御部10は、表示/スイッチ部20のスイッチ部等からの指令に基づいて、血圧測定を開始する(S100)。
制御部10は、メインカフ40への加圧を制御するため、まず、排気弁駆動回路44に排気弁43の閉塞を指示する(S105)。そして、ポンプ駆動回路42にポンプ駆動を指示し、メインカフ40への加圧を開始する(S110)。ここでの加圧値は、表示/スイッチ部20の表示画面に表示される(S115)。
制御部10は、加圧値が設定値に達するまで、ポンプ駆動回路42にポンプ駆動を指示し(S120)、設定値に達した時点で、ポンプ駆動回路42にポンプ停止を指示する(S125)。尚、ここでの設定値とは、最高血圧値以上の圧力値を指すが、この時点で被験者の最高血圧値は測定されていないため、一般的な最高血圧値に対して余裕をもった圧力値(例えば、180mmHg)に設定される。
ポンプ41による加圧が停止したところで、制御部10は、電磁弁65bをクローズする(S130)。これにより、定容量脈波発生ユニット63の給気口63aと背圧吸気口63bは、電磁弁65aとエアー抵抗66を介して連通状態となり、メインカフ40と下流側サブカフ50間で静的な圧力が同一となるようになる。
制御部10は、排気弁駆動回路44に排気弁43の開閉制御を指示する(S135)。具体的には、1秒間に数mmHg(例えば4mmHg)の割合で、メインカフ40のカフ圧が減圧されるよう排気弁43の制御を行なう。
制御部10がS135でメインカフ40内のカフ圧を徐々に減圧させていく過程で、制御部10は、図8のフローチャートに示す容積脈波ΔVの測定を行なうことになる(S140)。
以下に、図8のフローチャートを参照しながら、S140の詳細について説明する。下流側脈波抽出回路62は、下流側センサ61から検出されるカフ圧を常時監視し、抽出された脈波の全波形をメモリ30に記憶する。メインカフ40のカフ圧は、カフ圧が所定値P(i=1〜n)になるまで減圧される(S145)。
尚、S140の容積脈波測定の詳細である、S145〜S195までのフローは、カフ圧の減圧過程で、後述するS210でカフ圧がK測定下限値以下になったかどうかの判断が行なわれた結果、K測定下限値以下でない場合には、再び、同じフローが繰り返されるようになっている。そのため、所定値Pのiは、1から順次、加算更新されることになる。
本実施例で、所定値Pは、被験者の1脈波毎に1の値が決定されるものである。つまり、脈波数だけ所定値Pが存在する。制御部10は、例えば、抽出された脈波を常時、時間微分し、微分値(波形の傾き)が負から正に変化したポイントにおけるカフ圧P=P1と定め、メモリ30に記憶する。微分値が負から正に変化するということは、新たな脈波が発生したということであり、これによって脈波が認識される(S150)。
脈波が認識されると、下流側脈波抽出回路62は、先に決定されたカフ圧P1からの圧力差である振幅が最大となる脈波ピーク点Pを認識し、その脈波ピーク点Pにおける脈波振幅値ΔP(P1)を脈波毎の振幅値としてメモリ30に記憶しておく(S155)。
尚、脈波ピーク点Pを認識するためには、脈波波形の時間微分を連続的に行い、微分値が正から負に変化する過程で0になるポイントを探す方法、カフ圧Pの圧力変化分を連続的に監視し、変化分が最大になるポイントを探す方法等、どのような方法が採用されてもよい。
制御部10は、脈波ピーク点Pを認識してから所定時間Δtが経過するのを待つ(S160)。Δt経過後、電磁弁65aをクローズする(S165)。これは、メインカフ40と下流側サブカフ50とを完全に絶縁し、定容量脈波発生ユニット63からの給気が確実に下流側サブカフ50に行なわれ、メインカフ50に漏れないようにするためである。尚、Δtの値は、次の脈動が開始するまでの期間ならいつでもよいが、本実施例では、Δt=200msとしている。また、脈波の振幅値が、脈波ピーク点Pにおける脈波振幅値ΔP(P)の50%になった時にΔtが設定されてもよい。
更にその直後、制御部10は、脈波発生駆動部に指令を出し、定容量脈波発生ユニット63のコイル63gにt2時間、既知容量ΔV(0.15cc)だけ下流側サブカフ50内の容積が増えるよう電流を供給する。この電流によってコイル63gと磁石63iの間に発生した起電力は、可動フランジ部63fを上下させる。可動フランジ部63fの上下に伴い、ダイヤフラム63eが振動し、第1の閉塞空間63c内の既知容量ΔV分の空気が下流側サブカフ50に給気される(S170)。尚、本実施例では、既知容量ΔV=0.15ccとしているが、脈波毎に異なっていてもよく、その場合、コイル63gに与える電流値を制御すればよい。
これにより、下流側サブカフ50のカフ圧は、既知容量ΔV分の容量増加に伴い増加する。下流側脈波抽出回路62は、この時の脈波の圧力変動量ΔP(P1)を下流側センサ61から検出し、メモリ30に記憶させる(S175)。
尚、定容量脈波発生ユニット63の駆動を、脈波のピークが過ぎてからΔt後としているのは、仮に脈波のピーク時等に駆動した場合に、既知容量ΔV分の容量増加に伴う脈波の圧力変動量ΔP(P1)が、ピーク波形に重畳して表れるため、変動分を正確に測定することが困難となるため、これを確実に防止するためである。
t2時間経過後、先の電磁弁65aをオープンする(S180)。これによって、再び、メインカフ40と下流側サブカフ50との静的圧力が同一にされる。
ここで図14に、S145〜S180の過程が繰り返し実行され、下流側センサ61で検出された脈波波形を、カフ圧PiがP1,P2,P3となった時の計3脈波分記録したものを示し、そのうちの1脈波(カフ圧PiがP1の時の脈波)の拡大波形を図15に示す。図15において、カフ圧PがP1となるポイントから脈波ピーク点Pを迎え、脈波ピーク点PからΔt経過したところで表れている略矩形状の波形が、所定の既知容量ΔVを給気した時の脈波の圧力変動量ΔP(P1)である。本実施例では、略矩形状の脈波波形が表れるような電流をコイル63gに供給しているが、必ずしも、略矩形状の波形を発生させる必要はない。
脈波の圧力変動量ΔP(P1)が下流側センサ61から検出された後、K算出手段12は、脈波の圧力変動量ΔP(P1)と既知容量ΔVの値に基づいて、カフの感度S(P1)を計算する(S185)。カフの感度S(P)とは、カフ圧がPの時の、カフ内容積の単位容量変化当りのカフ圧の変動量を表すものであり、S(P)=ΔP(P)/ΔVで求められる。
図16は、複数種類の異なるカフについて、本実施例で測定された脈波の圧力変動量ΔP(P)とカフ圧Pの関係を、示すグラフである。尚、本実施例では、既知容量ΔVの値は、カフ圧Pに関わらず一定である。つまり、図16のグラフの傾向は、そのままカフの感度S(P)を表していることになる。図16によれば、カフの種類及びカフ圧Pによってカフの感度は変化することが分かるので、このようにカフの感度を個別に求めて、正確な容積脈波ΔVや血管コンプライアンスKを求めることの重要性が理解できる。
K算出手段12は、脈波ピーク点Pにおける脈波振幅値ΔP(P1)と、カフの感度S(P1)に基づいて、容積脈波ΔV(P1)を計算する(S190)。容積脈波ΔV(P)は、圧力単位である、脈波ピーク点Pにおける脈波振幅値ΔP(P)をカフの感度S(P)に基づいて、容積単位に換算したものであるから、ΔV(P)=ΔP(P)/S(P)で求められる。
K算出手段12は、求められた容積脈波ΔV(P1)をメモリ30に記憶しておく(S195)。
一方、メイン側脈波抽出回路46は、S135で排気制御が開始された時から常時、メインカフ40側の脈波を抽出し、脈波毎の振幅値とともに、メモリ30に蓄積しておく。そして、血圧算出手段11は、カフ圧Pが予め定められた血圧判定可能値(例えば、低血圧の人の最低血圧値40mmHg)に達した時点(S200)で、メモリ30に蓄積された脈波の振幅値に基づき、最高血圧値SBP,最低血圧値DBP,平均血圧値MBPの判定を行い(S205)、メモリ30に記憶しておく。
本実施例では、S135〜S195の過程は、カフ圧Pが予め定められたK測定下限値以下になるまで、脈波毎に繰り返し行なわれる(S210)。つまり、カフ圧の減圧過程において、K測定下限値に達するまでに発生した脈波の数nだけ、容積脈波ΔV(P)が算出される。S210において、カフ圧がK測定下限値以下になっていない場合は、Pのiの値が1更新され、例えば、前回のS135〜S195のフローでP=P1の時の脈波について容積脈波ΔVが求められた場合には、次回はP=P2の時の脈波について容積脈波ΔVが求められる。
尚、このフローにおいては、血圧判定と血管コンプライアンス測定とを兼ねてカフ制御を行なっているため、K測定下限値は最低血圧値としているが、最低血圧値以下の数値であればこれに限らない。
また、本実施例では、脈波の数nだけ、容積脈波ΔV(P)が算出されるようにしているが、血管コンプライアンスの測定精度をそれ程要求されない場合や、制御部10の処理能力、メモリ30の記憶容量に限界があるような場合には、例えば、2脈波毎というように飛ばして容積脈波ΔV(P)が算出されてもよい。また、Pを予め決定しておいて(例えば、P=5mmHg毎)、カフ圧が決定したPに到達した時に発生した脈波に対する容積脈波を算出してもよい。
カフ圧PがこのフローにおけるK測定下限値以下になったら(S210)、容積脈波ΔV(P)の測定は終了し、制御部10は、排気弁43、電磁弁65bをそれぞれ開放する制御を行なう(S220)。
K算出手段12は、S140で脈波毎に求められた容積脈波ΔV(P)と、S205で求められた血圧値に基づいて、脈波毎の血管コンプライアンスK(P)を算出する(S220)。血管内圧の変化分は、SBP−DBPで求められるから、K(P)=ΔV(P)/(SBP−DBP)で求められる。求められた血管コンプライアンスK(P)は、メモリ30に記憶される(S225)。
次に、メインフローS30で、カフ圧Pが平均血圧値MBP以下における血管コンプライアンスKと、脈波伝搬速度PWVの測定を行なうフローの詳細について、図10、図11を参照しながら説明する。
尚、血管コンプライアンスKは先に、カフ圧Pが最低血圧値SBPの時までは少なくとも測定されているが、測定の精度向上のため、また、脈波伝搬速度PWVを同時に測定する都合により、カフ圧Pが平均血圧値MBPのポイントから測定を開始するものとする。従って、血管コンプライアンスKは、カフ圧Pによって、測定値が複数存在する場合もある。
まず、制御部10は、排気弁駆動回路44に、先のS215で開放された排気弁43を再び閉塞するよう指示する(S300)。続いて、ポンプ駆動回路42に、ポンプ加圧開始を指示する(S305)。ここで、加圧中ないし以降の減圧中のカフ圧Pが表示/スイッチ部20の表示画面に表示される(S310)。
制御部10は、先のS205で血圧判定手段が判定した平均血圧値MBPに基づき、ポンプ駆動回路42にカフ圧PがMBPに達するまでポンプ加圧を指示する(S315)。カフ圧PがMBPに達したところで、ポンプ駆動回路42にポンプ加圧停止を指示する(S320)。
その後、制御部10は、排気弁駆動回路44に排気弁43の開閉制御を指示し、排気制御を行なう(S325)。
ここで、カフ圧がK測定下限値以下かどうかが判断され(S330)、K測定下限値以下でなければ、予め定められた脈波伝搬速度PWVの測定ポイント数に基づき、カフ圧Pが所定の測定圧力に達するまで(S340)、排気制御を行い(S325)、所定の測定圧力に達したら、制御部10は、排気弁駆動回路44に排気制御を停止させるとともに、電磁弁65a,65b,83をクローズする(S345)。
このように、所定の測定圧力毎(例えば、10mmHg毎)に、カフ圧を維持させた状態で、K算出手段12は、その間に発生した脈波分だけ、S145〜S195のフローが繰り返され、下流側センサ61の検出値から、容積脈波ΔV(P)を算出し(S350)、この容積脈波ΔV(P)と、先に求めたSBP−DBPとに基づいて、脈波毎に血管コンプライアンスKを算出する(S355)。
更にこの間に、制御部10は、下流側サブカフ50から下流側脈波抽出回路62によって抽出された脈波波形と、上流側サブカフ70から上流側脈波抽出回路82によって抽出された脈波波形を、同時に(時間と圧力値の対応関係が分かるように)メモリ30に記憶する(S360)。
メモリ30への記憶が終わったら、制御部10は、電磁弁65a,65b,83をオープンにし(S365)、カフ圧Pが次の測定ポイントに達するまで(S340)、排気制御を行ない(S325)、S345〜S365のフローを繰り返し実行する。そして、測定ポイントが、K測定下限値に達したら(S330)、最後に排気弁43を開放して、カフを用いた測定が終了する(S335)。尚、本実施例において、K測定下限値は、測定精度の都合により、25〜30mmHgに設定しているが、センサから、ノイズや誤差要因の少ない脈波検出が可能な限り、出来るだけ低い数値に設定されることが望ましい。
次にメインフローS40で、動脈硬化パラメータを算出するフローの詳細について、図12を参照しながら説明する。
まず、制御部10は、メモリ30に記憶されているデータ(例えば、血管コンプライアンスK(P)や、測定ポイント毎の上流脈波波形、下流脈波波形)をロードする(S400)。
ロードしたデータのうち、まず、血管コンプライアンスK(P)については、カフ圧Pが少なくとも最高血圧値からK測定下限値に至るまで、脈波毎に算出されているが、S10とS30の2回のフローに分けて算出されているため、これらを1つの圧力依存特性としてまとめる必要がある(S415,S420)。こうしてまとめて、測定された全ての血管コンプライアンスK(P)と圧力の関係をグラフ表示したものを図17に示す(S425)。
尚、図17では、グラフの横軸がTP(=Pa−Pe)となっているが、P=Pe(血管外圧)であり、Pa=SBP−DBPであるから、この関係に基づいてPをそれぞれTPに換算している。また、測定ポイントは当然のことながら連続的ではないため、図17には、統計処理が施され(S415)、測定値に基づいて近似された2次線形近似曲線が付加されている。
次に、S360で記憶された脈波波形に基づいて、制御部10のPWV算出手段13は、脈波伝搬速度PWVを算出する(S410)。具体的にはまず、上流側と下流側の脈波波形の時間軸を揃えた上で、同じカフ圧P時に検出された脈波の相互遅延時間Δt1(P)を算出する。
図18(a)は、Piからの換算により求められたTP=10mmHgの時の、上流側脈波波形Aと下流側脈波波形Bを、4〜5脈波分、同時間軸上に表示したグラフであり、図18(b)は、図18(a)中、1脈波分の波形を拡大表示したグラフであり、また、図18(c)は図18(b)中、丸印で囲んだ部分の拡大グラフである。
図18(b)の丸印で囲んだ部分の頂点は、同じ脈波のそれぞれの開始ポイントを示している。従って、PWV算出手段13は、これらの上流側脈波と下流側脈波の開始ポイントのズレを時間で求めることにより、脈波伝搬時間Δt1(P)を求める。
本実施例では、図18(c)に示すように、Δt1(P)=10.25msecと求められる。脈波伝搬時間の求め方は、両方の脈波波形の時間微分値が0になるポイントを探し、そのポイント間の時間差を計算すればよい。またこの他の方法により脈波伝搬時間を求めてもよい。
上流側サブカフ70と下流側サブカフ50との距離は、本実施例では、中心−中心間でL=90mmであるから、本実施例では、TPが10mmHgの時の脈波伝搬速度PWV=L/Δt1(TP=10)=90[mm]/10.25[msec]=878[cm/sec]となる。
このようにして、脈波伝搬速度PWVを、カフ圧Pが平均血圧値MBPからK測定下限値の時まで、所定の測定ポイント毎(例えば、10mmHg毎)に求め(S415,S420)、グラフ表示した結果が図19である(S425)。尚、図19についても、グラフの横軸は、カフ圧PからTPに換算されたものである。また、本実施例では、10mmHg毎に脈波伝搬速度PWVの測定を行なっているため、統計処理を行い(S415)、測定値に基づき近似された1次線形近似直線が付加されている。
図19に示した被験者のPWV特性の数値や傾きを、先に示した図13と比較し、図13のどの直線に近いかを判定することによって、被験者の動脈硬化度を判定することが可能である。尚、図13の複数のPWV直線は、直線の傾きが大きく、PWVの絶対値が全体的に高い程、動脈硬化度が高いことを示している。図19の被験者のPWV特性を図13のPWV直線に重ね合わせると、この被験者の動脈硬化度は比較的高い、ということが一目瞭然にして把握出来る。
尚、図19に示されているように、1次線形近似を行ない、PWV直線を圧力の関数に数式化することで、所定の圧力時のPWV値を容易に算出することが出来るので、従来の動脈硬化度判定に用いられているPWV(80)を算出することも可能となる(S430)。尚、本実施例においては、血管コンプライアンスKも測定され、近似された状態でグラフ表示されているから、図17のグラフからK(80)を求めることも可能であり、先のPWV(80)との比較評価が可能となる。
更に本実施例では、PWV(80)、K(80)に加え、スティフネスパラメータβを求めることが出来る(S430)。
ここで、図20の管法則のグラフにおいて、血管断面積をAとし、任意の地点におけるTPと血管断面積AをそれぞれP、Aとし、血管断面積AとTP(P)との間には、次式の非線形管法則が成立する。
ln(P/P)=β{A−A)/A}1/2
P=P*exp{β(ΔA/A1/2}
SYS=PDIA*exp{β(ΔA/AP=DIA1/2}
ここで、PSYS=最高血圧値であり、PDIA=最低血圧値である。上式より、βを算出することが出来る。
以上のように求められた脈波伝搬速度PWVの圧力依存特性、血管コンプライアンスKの圧力依存特性のグラフ、PWV(80)、K(80)、βと、これらの結果に基づいて解析を行い得られた動脈硬化度(例えば、硬い・普通・柔らかいの複数段階表示等)を、表示/スイッチ部20の表示画面に表示したり、プリントアウトする(S435)。
最後に、本実施例で血管コンプライアンスと、脈波伝搬速度とを、同じ血圧脈波検査装置1を使って、同時に測定出来ることのメリットについて説明する。
血管コンプライアンスKと脈波伝搬速度PWVとの間には、PWV=√A/ρK(A:血管断面積、ρ:血液密度)の関係が成立することが知られている。また、血管コンプライアンスKの圧力依存特性と、管法則(血管断面積Aの圧力依存特性)との間には、相互に微分積分の関係が成立することが知られている。
そこで、図17のように求められた血管コンプライアンスKの近似曲線を積分すると、図20に示すような、血管断面積とTPの関係を表すいわゆる管法則曲線が得られる。このように、解剖学的・侵襲的な手法によらず、非侵襲的な測定方法で、血管コンプライアンスから被験者の血管断面積を求めることが出来るのも、本発明の特徴の1つであるが、更に、この図20から求められた血管断面積Aを用いて、上記√A/ρKを計算することで、血管コンプライアンスKからも脈波伝搬速度PWVを求めることが出来るようになる。
一方、あるTP値で血管コンプライアンスKと脈波伝搬速度PWVが同時に測定されると上述の血管断面積Aとの関係式から、そのTP値における血管断面積を求めることが出来る。このことにより、TPが正(血管内圧>血管外圧)の圧力領域のみでも管法則の曲線を求めることができる。
つまり、血管コンプライアンスKから求められた脈波伝搬速度PWVと、純粋にカフ間の距離を脈波伝搬時間で除算して求められた脈波伝搬速度PWVとを、比較することで、血管コンプライアンスKと脈波伝搬速度PWV間の整合性の検証を行なうことが出来、測定精度の向上につなげることが出来る。
しかも、血管コンプライアンスKと脈波伝搬速度PWVは、ともに同じ血圧脈波検査装置1で測定されたものであるので、相互の相関性は基本的に保証されており、万一相関性がないと分かった場合には、測定ミスや装置の不具合の可能性を辿り、検証することで、測定精度、装置完成度を向上することが出来る。また、別途装置を必要とせず、1台の装置で、血管コンプライアンスKと脈波伝搬速度PWVを測定出来るから、被験者の煩わしさもない。
従来、脈波伝搬速度PWVは、特定の圧力値1点においての算出しかされなかったし、血管コンプライアンスKについても、特定の圧力値1点においてしか算出されないか、もしくは、カフ圧Pが最低血圧値〜最高血圧値の範囲のみでしか測定出来なかったので、血管コンプライアンスKと脈波伝搬速度PWVとを相互に比較することがそもそも出来ず、整合性や相関性を検証することが出来なかった。
しかし、本発明では、脈波伝搬速度PWVと血管コンプライアンスKの両方につき、圧力依存特性が求められるだけでなく、血管コンプライアンスKが脈波伝搬速度PWVの圧力範囲と同じ範囲でも測定されるので、相互の比較、検証が行えるようになる。
例えば、図21は、血管コンプライアンスKと、血管コンプライアンスKから算出された脈波伝搬速度PWVの、TPとの関係を同時にグラフに表示したものである。実際、動脈硬化度の指標として重要なのは、TP>0の範囲であり、この範囲で、脈波伝搬速度PWVのみならず血管コンプライアンスKも測定できるということには大変意義があるものである。
また、今までTP<0でしか測定できなかった血管コンプライアンスKをTP>0で測定出来るようになっただけでなく、今までTP>0でしか測定できなかった脈波伝搬速度PWVをTP<0でも求められるようになったので、今後、TP<0における脈波伝搬速度PWVの検証・解析が行なわれ、動脈硬化の解明につながることが期待される。
以上、血圧脈波検査装置1,1aの実施例につき説明したが、本発明の血圧脈波検査装置は、上記実施例で説明した構成要件の全てを備えた血圧脈波検査装置1,1aに限定されるものではなく、各種の変更及び修正が可能である。また、かかる変更及び修正についても本発明の特許請求の範囲に属することは言うまでもない。
本実施例では、血管コンプライアンスKに加えて、脈波伝搬速度PWVをも測定する場合について説明したが、脈波伝搬速度PWVの測定は任意であってもよい。脈波伝搬速度PWVを測定しない場合には、少なくとも、上流側サブカフ70及び上流側脈波検出部80は不要である。また、メインカフ40で検出される脈波に基づいて血管コンプライアンスKを測定する場合には、サブカフ50,70とも不要となる。
また、本実施例では、メインカフ40から検出される脈波に基づいて血圧を測定し、下流側サブカフ50から検出される脈波に基づいて血管コンプライアンスKと脈波伝搬速度PWVの両方を測定するようにしたが、下流側サブカフ50で血圧も測定されてもよい。但しメインカフ40は、十分な圧力で被験者の血流を阻止する役割を基本的に担っているため、メインカフ40を含み、血圧測定に必要な構成手段は、血圧脈波検査装置には必須である。
また、血管コンプライアンスKは、必ずしも血流方向の下流側で測定される必要はなく、下流側サブカフ50は、血管コンプライアンスKと脈波伝搬速度PWVの測定を兼用している必要もない。
例えば、下流側サブカフ50と上流側サブカフ70の略中間地点に血管コンプライアンスKを専用に測定するカフが設けられ、当該カフが定容量脈波発生ユニット63に接続されていてもよい。この場合で、脈波伝搬速度PWVの測定も行なうのであれば、下流側サブカフ50と上流側サブカフ70も必要となるため、メインカフ40の内周側に3つのカフが並んで固着されることとなる。尚、上述した実施例の場合は、メインカフ40に設けられるカフは、合計2個で済むので、製造容易性、製造コストの面では有利である。
制御部10は、血圧を算出する血圧算出手段11の他、K算出手段12やPWV算出手段13を備えるが、その他、血管コンプライアンスK、脈波伝搬速度PWVを算出するために必要な制御や、これらの測定に伴う電磁弁開閉制御等も行なうことは言うまでもない。
本明細書で説明した定容量脈波発生ユニット63の構成は、あくまで一実施例であり、カフに所定の既知容量の空気を給気する役割を果たす定容量ポンプであれば、その構成は実施例に記載したものに限らない。
実施例では、上流側脈波と下流側脈波の波形データの記憶後、図12のS410で、脈波伝搬速度PWVの算出が行なわれたが、波形データ記憶と同時に脈波伝搬速度PWVの算出が行なわれてもよい。また、血管コンプライアンスKの算出は、容積脈波ΔVの算出のみ先に行なっておいて、下流側脈波波形と脈波振幅値とともにメモリ30に記憶しておき、S410の前後のフローで、脈波伝搬速度PWVとともに血管コンプライアンスKが算出されてもよい。
実施例では、カフ圧Pが最高血圧値からK測定下限値に至るまでの期間で、血管コンプライアンスKを求めるために、2段階のフローに分け、脈波伝搬速度PWVの測定範囲と血管コンプライアンスKの測定範囲が重複する部分については、脈波伝搬速度PWVと血管コンプライアンスKを同時に測定するようにしたが、カフ圧Pを変化させる1回の過程で、全範囲の血管コンプライアンスKが測定されてもよい。
また、その時に、脈波伝搬速度PWVも、予め定められたカフ圧値から測定が開始されてもよい(予め定められたカフ圧値は、例えば、一般的な被験者の平均血圧値を採用して決められてもよい)。そうすれば、カフ圧Pを変化させる1回の過程で、測定可能な脈波伝搬速度PWVと血管コンプライアンスKが全て測定されることになり、測定時間の短縮につながる。
実施例では、カフを最高血圧値まで加圧してから、徐々に減圧する過程で測定を行なったが、徐々に加圧する過程で測定が行なわれてもよい。
また、実施例では、脈波抽出回路が脈波を抽出する毎に、定容量脈波発生ユニット63を駆動させたり、血管コンプライアンスKや脈波伝搬速度PWVの測定を行なったが、必ずしも全ての脈波を抽出する毎に、もしくは所定間隔で脈波を抽出する毎に、これらの動作が行なわれる必要はない。つまり、定容量脈波発生ユニット63の駆動や、血管コンプライアンスKや脈波伝搬速度PWVの測定が、脈波抽出に同期している必要はなく、所定のカフ圧P毎(例えば10mmHg毎)や所定の時間毎(例えば、0.5ms経過毎)に行なわれ、それに伴い血管コンプライアンスKや脈波伝搬速度PWVの圧力特性が求められればよい。
例えば、定容量脈波発生ユニット63は、脈波の抽出とは関係なく、脈波抽出とは非同期で生成された一定周期のクロック信号等により、所定時間毎に既知容量の圧力変動をカフに加え、圧力変動が加えられた際に、血管コンプライアンスKが測定されてもよい。このようにしても、メインカフ40内の圧力を変化させる過程であれば、血管コンプライアンスKの圧力特性を求めることが出来る。もちろん、より高精度に血管コンプライアンスKを測定したい場合には、本実施例のように、抽出された全脈波について、脈波毎に血管コンプライアンスKを求めてもよい。
また、定容量脈波発生ユニット63の駆動は、血圧測定時にメインカフ40のカフ圧を変化させる過程と同時期である必要はなく、別途のカフ圧変化過程で、定容量脈波発生ユニット63を駆動させて、カフの感度を測定してもよい。
また、定容量脈波発生ユニット63が加える所定の既知容量は、実施例では、図14,図15に示したように、1パルスの矩形波が出力されるような値としたが、所定の脈波抽出毎に、例えば振幅値の異なる階段状の既知容量を複数段に渡りカフに加え、段毎にカフの感度を計算して所定の脈波毎に平均化処理を行なう等することによって、カフの感度の精度が向上する。
K算出手段12は、特定の脈波において、カフの感度と脈波の振幅値が算出される度に、リアルタイムで血管コンプライアンスKを算出することが可能であるから、メインカフ40のカフ圧を変化させる過程で、リアルタイムに血管コンプライアンスKの値を表示/スイッチ部20に表示させることも出来、測定の迅速性、簡便性が要求される家庭用の血圧脈波検査装置に好適である。
また同様に、PWV算出手段13も、サブカフ50,70から特定の脈波を検出する度に、リアルタイムで脈波伝搬速度PWVを算出することが可能であるから、メインカフ40のカフ圧を変化させる過程で、リアルタイムに、脈波伝搬速度PWVの値を表示/スイッチ部20に表示させることも出来る。
特に家庭用血圧脈波検査装置において、更なる迅速性、簡便性が要求されるような場合には、定容量脈波発生ユニット63の駆動を、特定のカフ圧P1点ないし数点において行なうようにし、求められたカフの感度S(P)を(数点測定された場合には平均化等して)その測定時における一律の値として使用し、血管コンプライアンスKの圧力特性を求めてもよい。
つまり、本明細書において「カフの感度を個別に測定する」の「個別」とは、1人の被験者による1回の測定毎、という広い意味と、1回の測定内で所定時間毎又は所定の脈波検出毎又は所定のカフ圧毎、という意味の両方を指している。
本発明の血圧脈波検査装置の構成を示す図である。 本発明の血圧脈波検査装置の別の構成を示す図である。 カフの断面、平面、側面構造を示す図である。 圧力ダンパーによる減衰特性を示すグラフである。 定容量脈波発生ユニットの機械的構造を示す図である。 本発明の血圧脈波検査装置を用いて動脈硬化を測定する際のメインフローを示す図である。 血圧、血管コンプライアンスを測定するフローを示す図である。 容積脈波を測定するフローを示す図である。 血圧、血管コンプライアンスを測定するフローを示す図である。 血管コンプライアンス、脈波伝搬速度を測定するフローを示す図である。 血管コンプライアンス、脈波伝搬速度を測定するフローを示す図である。 動脈硬化パラメータを算出するフローを示す図である。 脈波伝搬速度と血圧の関係を、動脈硬化度別に示すグラフである。 下流側サブカフのセンサで検出された脈波波形を3脈波分記録したグラフである。 図14のグラフ中、1脈波を拡大したグラフである。 定容量脈波発生ユニット駆動時の脈波の圧力変動量とカフ圧の関係を示すグラフである。 血管コンプライアンスとTPの関係を示すグラフである。 TP=10mmHgの時の、上流側脈波波形と下流側脈波波形を同時間軸上に表示したグラフである。 脈波伝搬速度をとTPの関係を示すグラフである。 図17のグラフを積分して得られた血管断面積と、TPの関係を示す管法則曲線である。 2通りの算出方法で算出された脈波伝搬速度と、TPの関係を同時に示すグラフである。
符号の説明
1,1a:血圧脈波検査装置
10:制御部
11:血圧算出手段
12:K算出手段
13:PWV算出手段
20:表示/スイッチ部
30;メモリ
40:メインカフ
40a:アウターカバー
40b:圧力ダンパー
41:ポンプ
42:ポンプ駆動回路
43:排気弁
44:排気弁駆動回路
45:メイン側センサ
46:メイン側脈波抽出回路
50:下流側サブカフ
60:下流側脈波検出部
61:下流側センサ
62:下流側脈波抽出回路
63:定容量脈波発生ユニット
63a:給気口
63b:背圧吸気口
63c:第1の閉塞空間
63d:第2の閉塞空間
63e:ダイヤフラム
63f:可動フランジ部
63g:コイル
63h:ホールピース
63i:磁石
63j:ヨーク
64:脈波発生駆動回路
65:下流側電磁弁
66:エアー抵抗
70:上流側サブカフ
80:上流側脈波検出部
81:上流側センサ
82:上流側脈波抽出回路
83:上流側電磁弁

Claims (16)

  1. 被験者に巻回されるメインカフを備えた血圧脈波検査装置において、
    所定の既知容量の圧力変動を、前記メインカフに対して加える定容量脈波発生ユニットと、
    前記定容量脈波発生ユニットの駆動時に前記メインカフで検出される脈波の圧力変動量と前記既知容量値とに基づいて前記カフの感度Sを算出するカフ感度算出手段と、
    を備えることを特徴とする血圧脈波検査装置。
  2. 被験者に巻回されるメインカフを備えた血圧脈波検査装置において、
    前記メインカフの内周側に、前記被験者に当接するように設けられたサブカフと、
    所定の既知容量の圧力変動を、前記サブカフに対して加える定容量脈波発生ユニットと、
    前記定容量脈波発生ユニットの駆動時に前記サブカフで検出される脈波の圧力変動量と前記既知容量値とに基づいて前記カフの感度Sを算出するカフ感度算出手段と、
    を備えることを特徴とする血圧脈波検査装置。
  3. 前記血圧脈波検査装置は、
    前記感度Sと脈波の振幅値ΔPとに基づいて、血管内圧が増加したときに血管の単位長さ当り増加する血管内容積を示す容積脈波ΔVを算出し、前記容積脈波ΔVから動脈硬化の指標である血管コンプライアンスKを算出するK算出手段を備える
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の血圧脈波検査装置。
  4. 前記血圧脈波検査装置は、
    いずれかの前記カフから検出された脈波に基づいて、前記被験者の最高血圧値SBPと最低血圧値DBPとを測定する血圧算出手段を備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の血圧脈波検査装置。
  5. 前記定容量脈波発生ユニットは、
    前記カフで前記所定の脈波のピークが検出されてから所定時間後に駆動するよう制御される
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の血圧脈波検査装置。
  6. 前記定容量脈波発生ユニットは、
    前記カフに給気するための給気口と、
    前記給気口と連通した第1の閉塞空間を形成するダイヤフラムと、
    前記ダイヤフラムを振動させて前記第1の閉塞空間内の所定の既知容量の空気を給気する可動フランジ部と、
    通電により前記可動フランジ部を上下移動させるコイルと、
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の血圧脈波検査装置。
  7. 請求項6に記載の定容量脈波発生ユニットは、
    前記メインカフと接続された背圧吸気口を備え、
    前記背圧吸気口と連通した第2の閉塞空間が前記ダイヤフラムによって形成されており、
    前記定容量脈波発生ユニットの駆動直前まで、前記第1の閉塞空間は、前記第2の閉塞空間と同圧力に維持されるよう制御される
    ことを特徴とする請求項6に記載の血圧脈波検査装置。
  8. 前記K算出手段は、
    前記メインカフのカフ圧を変化させて、前記血管コンプライアンスKを、所定のTP値(血管内圧値−血管外圧値)毎に算出するとともに、
    前記TP値で積分することによって、血管断面積とTP値の関係を表す管法則曲線を求める
    ことを特徴とする請求項3から請求項7のいずれかに記載の血圧脈波検査装置。
  9. 請求項8に記載の血圧脈波検査装置は、
    前記管法則曲線と、前記被験者の脈波伝搬速度PWVの圧力依存曲線とを比較して、前記血管コンプライアンスKと前記脈波伝搬速度PWVの相関性を求める
    ことを特徴とする請求項8に記載の血圧脈波検査装置。
  10. 前記血圧脈波検査装置は、
    前記サブカフを、2以上備え、
    いずれか2つの前記サブカフでそれぞれ検出される脈波間の伝搬遅延時間と、前記サブカフ間の所定距離とに基づいて、脈波伝搬速度PWVを算出するPWV算出手段を備える
    ことを特徴とする請求項2から請求項9のいずれかに記載の血圧脈波検査装置。
  11. 前記メインカフの外周側には、
    固定端となるようなアウターカバーのコアが設けられ、
    前記メインカフの膨らみが内側にのみ作用し、前記メインカフの外部環境に対して仕事をしない
    ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の血圧脈波検査装置。
  12. 前記サブカフは、
    前記被験者の血流方向の上流端と下流端にそれぞれ設けられており、
    前記K算出手段は、前記下流端に設けられたサブカフで検出される脈波に基づいて前記血管コンプライアンスを算出する
    ことを特徴とする請求項3から請求項11のいずれかに記載の血圧脈波検査装置。
  13. 前記サブカフは、
    検出される脈波の相互干渉を防止する圧力ダンパーを介して、前記メインカフに固着されている
    ことを特徴とする請求項2から請求項12のいずれかに記載の血圧脈波検査装置。
  14. 前記サブカフは、
    圧力ダンパーを介して、前記メインカフに固着されており、
    前記メインカフとともにメインカフの圧力を測定肢に付加する
    ことを特徴とする請求項2から請求項13のいずれかに記載の血圧脈波検査装置。
  15. 前記K算出手段で血管コンプライアンスKの算出に用いられる脈波は、
    前記血圧算出手段で血圧値の算出に用いられる脈波の検出と同じ、前記メインカフのカフ圧の制御過程で検出される
    ことを特徴とする請求項4から請求項14のいずれかに記載の血圧脈波検査装置。
  16. 前記K算出手段で血管コンプライアンスKの算出に用いられる脈波は、
    前記血圧算出手段による血圧値の決定後に、TPが正(血管内圧>血管外圧)となるような前記メインカフのカフ圧の範囲で検出される
    ことを特徴とする請求項4から請求項15のいずれかに記載の血圧脈波検査装置。
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