JP2004313605A - 血管弾性測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生体の一部を圧迫するカフ11の減圧過程で、検出手段110で検出される信号からカフ圧Poを差し引いて、脈波Δpを検出する脈波抽出手段17と、カフ11を所定の圧力に維持し、その時に検出手段110で検出される波形を基準波形piとして記憶する基準波形記憶手段25と、脈波Δpを検出する過程で検出される信号を、カフ11の弾性特性関数とボイルシャルルの法則の適用により圧力単位から体積単位に換算し、カフ11の体積変化ΔVを求めるΔV算出手段29と、基準波形piを前記最低血圧Pdと最高血圧Psとによって単位換算して血管内圧Piとし、血管内圧Piとカフ圧Poとの差分である内外圧差ΔPを求めるΔP算出手段27と、ΔVとΔPとを脈波Δp毎に比較することによって血管弾性率を得る比較手段31とを、有する血管弾性測定装置1である。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非観血式による血圧測定時に、血管の動脈硬化指標を得ることが出来る血管弾性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
日本人の死因の第2位である心疾患(心筋梗塞など)と、第3位である脳血管障害(脳卒中など)の原因は、血管の動脈硬化であることが知られており、今や動脈硬化は我々にとって身近な問題となっている。
【0003】
しかし、動脈硬化の指標を家庭で知ることは難しく、病院で専門検査を受ける必要があるので、健康な人や、自覚症状のない人は、まずそのような検査を自発的に受けようとは思わない。このことが種々の病気を潜在的に進行させ、最悪の場合には手遅れになる要因となっている。
【0004】
従って、病院の専門検査などで動脈硬化指標の詳細な数値を測定せずとも、家庭や外来受診時に手軽に、簡単に、動脈硬化の程度や傾向を知ることの有用性や、動脈硬化について知るきっかけの必要性が増している。
【0005】
従来、非観血式方法により血圧を測定する過程で、血圧と同時に、動脈硬化指標、すなわち血管の弾性特性を求めることが出来る装置があった(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特許第3184349号公報
【特許文献2】
特開平8−66377号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1や特許文献2に開示されている装置は、従来の血圧計の構成要素の他に、被測定者の手の指等に取り付ける装置を別途必要とし、このような専用の装置を開発する手間が発生していた。
【0008】
また、被測定者の立場からすると、家庭で、わざわざ血管の弾性特性のみを測定する習慣はなく、血圧を測定するために必要なカフ(腕帯)に加えて、指にも装置を取り付けなければならないという煩わしさから、このような装置は敬遠されがちであった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は上記問題に鑑み、カフを使用して脈波から血圧を求める既存の方式(以降、脈波検出方式という)の血圧計のハードウェア構成に何ら追加することなく、家庭内で、又は外来受診時に、血圧と同時に血管の動脈硬化の指標を手軽に、簡単に求めることが出来る血管弾性測定装置を実現している。
【0010】
請求項1の発明は、
生体の一部を圧迫するカフと、前記カフのカフ圧Poを制御するカフ圧制御手段と、前記カフ内の圧力信号を検出する検出手段と、前記カフ圧制御手段での前記カフの減圧又は加圧制御過程で、前記検出手段で検出される信号から前記カフ圧Poを差し引いて、脈波Δpを検出する脈波抽出手段と、前記カフ圧制御手段で、前記カフを所定の圧力に維持し、その時に前記検出手段で検出される信号の波形を基準波形piとして記憶する基準波形記憶手段と、最低血圧Pdと最高血圧Psとを算出する血圧算出手段と、前記基準波形piを前記最低血圧Pdと最高血圧Psとによって単位換算して血管内圧Piとし、前記血管内圧Piと前記カフ圧Poとの差分である内外圧差ΔPを求めるΔP算出手段と、前記脈波Δpを検出する過程で、前記検出手段で検出される信号を、カフの弾性特性関数とボイルシャルルの法則の適用により、圧力単位から体積単位に換算して前記カフの体積変化ΔVを求めるΔV算出手段と、前記内外圧差ΔPとを比較することによって、血管弾性率又は血管弾性率に相当する動脈硬化指標を得る比較手段とを有する血管弾性測定装置である。
【0011】
請求項1の発明により、被測定者にカフを取り付けるだけで、血圧のみならず、動脈硬化の指標も求めることが出来る。
【0012】
請求項2の発明は、
前記基準波形piは、前記脈波Δpを検出する過程の前後で、少なくとも3周期分記憶され、平均化される血管弾性測定装置である。
【0013】
請求項2の発明により、被測定者に意識させることなく、また、血圧測定とほぼ同じ時間で、動脈硬化の指標が求められる。
【0014】
請求項3の発明は、
前記脈波Δpと、前記基準波形piとは、前記比較手段での比較のために、時間軸の相互規格化が行なわれる血管弾性測定装置である。
【0015】
請求項3の発明により、より精度の高い動脈硬化の指標を求めることが出来る。
【0016】
請求項4の発明は、
生体の一部を圧迫するカフと、前記カフのカフ圧Poを制御するカフ圧制御手段と、前記カフ内の圧力信号を検出する検出手段と、前記カフ圧制御手段での前記カフの減圧又は加圧制御過程で、前記検出手段で検出される信号から前記カフ圧Poを差し引いて、脈波Δpを検出する脈波抽出手段と、前記脈波Δpを検出する過程で、前記検出手段で検出される信号を、カフの弾性特性関数とボイルシャルルの法則の適用により、圧力単位から体積単位に換算して前記カフの体積変化ΔVを求めるΔV算出手段と、前記カフの体積変化ΔVと、前記カフ圧Poとを比較することによって、血管弾性率又は血管弾性率に相当する動脈硬化指標を得る比較手段とを有する血管弾性測定装置である。
【0017】
請求項4の発明により、基準波形piを記憶しなくとも、手軽にかつ高速に、動脈硬化の指標を求めることが出来る。
【0018】
請求項5の発明は、
生体の一部を圧迫するカフと、前記カフのカフ圧Poを制御するカフ圧制御手段と、前記カフ内の圧力信号を検出する検出手段と、前記カフ圧制御手段での前記カフの減圧又は加圧制御過程で、前記検出手段で検出される信号から前記カフ圧Poを差し引いて、脈波Δpを検出する脈波抽出手段と、前記脈波Δpと、前記カフ圧Poとを比較することによって、血管弾性率又は血管弾性率に相当する動脈硬化指標を得る比較手段とを有する血管弾性測定装置である。
【0019】
請求項5の発明により、最も高速かつ簡単に、動脈硬化の指標を求めることが出来る。
【0020】
請求項6の発明は、
前記比較手段で得られる血管弾性率又は血管弾性率に相当する動脈硬化指標を、2次元グラフ等の関連図、前記関連図の傾きの数値、前記傾きの数値に対応した動脈硬化の程度を示すランク、の少なくとも1以上によって表示する表示手段を有する血管弾性測定装置である。
【0021】
請求項6の発明により、血管弾性率や動脈硬化の指標を、グラフや、数値や、ランク等によって被測定者に分かりやすく示すことが出来る。
【0022】
請求項7の発明は、
前記表示手段は、前記血管弾性率又は血管弾性率に相当する動脈硬化指標、最低血圧Pd、最高血圧Psのいずれかの組合わせを、同時又は交互に表示する血管弾性測定装置である。
【0023】
請求項7の発明により、動脈硬化の指標に加え、最高血圧Psや最低血圧Pdも、同時又は交互に表示することによって、各種の診断に、より役立て易くなる。
【0024】
請求項8の発明は、
前記カフ、前記カフ圧制御手段、前記検出手段、前記脈波抽出手段は、脈波検出方式の血圧計と共用される血管弾性測定装置である。
【0025】
請求項8の発明により、従来の脈波検出方式の血圧計の表示部分と内部プログラムを変更するだけで、血圧計に動脈硬化の指標測定機能が追加されるので、開発コストの削減が図られる。更に、血圧測定用と、動脈硬化指標測定用に、別々に測定する必要がないので、測定時間は従来の血圧測定時間とほぼ同じで済み、効率的である。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施態様について詳細に説明する前に、参考として、脈波から血圧を算出する脈波検出方式の一態様であるオシロメトリック方式の血圧計の測定原理を説明する。
【0027】
脈波検出方式の血圧計の測定原理を説明する所以は、本発明による血管弾性の測定には、カフの使用と脈波の検出が必須であるため、脈波検出方式の血圧計を本発明に応用するのが、最もハードウェアの変更が少なく効率的であるからである。但し、本発明で必要となる最高血圧Ps、最低血圧Pdの算出は、必ずしも脈波検出方式による必要はない。
【0028】
尚、以下に説明するオシロメトリック方式の血圧計は、現在、家庭用、業務用を問わず最も普及しているが、脈波検出方式の血圧計には、オシロメトリック方式以外にも複数あり、オシロメトリック方式はあくまでその一態様に過ぎないものである。
【0029】
図1の血管弾性測定装置1の破線部分には、カフ11、検出手段110、カフ圧制御手段13、全波形記憶手段15、脈波抽出手段17、脈波振幅算出手段19、血圧算出手段21が含まれる。これらは脈波検出方式(オシロメトリック方式)の血圧計に一般的に含まれる手段である。
【0030】
カフ11は、従来より血圧測定等で利用されているもの同様、ゴム等の弾性材料で出来た袋が入った腕帯であり、被測定者の上腕又は下肢に巻き付けられる。
【0031】
検出手段110は、カフ11内の圧力を検出する手段である。検出手段110は、一般に圧力センサ等で構成され、カフ11内部に固定されるが、圧力を検出するものであれば圧力センサである必要はない。
【0032】
カフ圧制御手段13は、カフ11内の圧力を制御する手段である。尚、以降、カフ圧制御手段13が制御する圧力をカフ圧Poという。カフ圧制御手段13は、測定開始とともに、カフ圧Poが被測定者の体内の血管内圧より高くなるように、加圧ポンプ130を介してカフ11内のゴム袋に空気などを印加する。カフ11が測定部位を圧迫し、体内の血流を阻止したところで、カフ圧制御手段13は加圧を停止する。その後は、カフ11の中の空気を排気弁131に流す制御を行なうことにより、カフ圧Poを徐々に低下させる。尚、カフ圧Poを上昇させていく過程で、血圧を測定する方法もある。
【0033】
最初、測定部位がカフ11によって圧迫され、直下にある血管が押しつぶされている状態から、カフ圧Poを徐々に低下させていく過程で、血液は、最高血圧Ps付近で流れ始め、最低血圧Pd付近では、カフ圧Poによる影響を受けることなく流れることが知られている。
【0034】
オシロメトリック方式の血圧計は、このカフ圧Poを変化させていく過程で、心臓の拍動に同期した血管壁の振動がカフ11にもたらす微小な圧力変動(以降、これを脈波Δpという。)に基づいて、最高血圧Ps、最低血圧Pd、平均血圧Paを判定する。
【0035】
従って、検出手段110では、この微小な脈波Δpがカフ圧Poに重畳した信号(Po+Δp)が図2のグラフの上段のように得られる。
【0036】
全波形記憶手段15は、検出手段110で検出される信号を記憶する手段である。
【0037】
脈波抽出手段17は、カフ圧Poを低下又は上昇(つまり、カフ11を減圧又は加圧)させていく過程で、検出手段110で検出される信号からカフ圧Poを差し引いて、脈波Δpのみを検出する手段である。図2のグラフの下段は、脈波抽出手段17で検出された脈波Δpの縦軸を拡大した信号である。尚、検出された脈波Δpに対しては、後の処理を円滑に行なうため、適宜、増幅、波形整形、ノイズ除去等が施される。
【0038】
脈波振幅算出手段19は、脈波Δpの周期(拍と同義、以下同じ。)毎(以下、単に脈波Δp毎ともいう。)に、振幅を算出する手段である。振幅は通常、各周期毎に脈波Δpの最大値−最小値、又は最大値−最小値を2で割って得られる。
【0039】
血圧算出手段21は、脈波振幅算出手段19で算出された振幅から、最高血圧Ps、最低血圧Pd、平均血圧Paのいずれか1以上を求める手段である。
【0040】
すなわちオシロメトリック方式では、カフ11の減圧又は加圧過程で、脈波Δpの振幅が急激に増大するポイント(図2のA)でのカフ圧Poを最高血圧Psとし、脈波Δpの振幅が急激に減少するポイント(図2のB)でのカフ圧Poを最低血圧Pdとし、脈波Δpの振幅が最も大きくなるポイント(図2のC)でのカフ圧Poを平均血圧Paとしている。
【0041】
従って、血圧算出手段21では、脈波Δpの各振幅を微分して増減の程度を規定値と比較する等によって、最高血圧Ps、最低血圧Pdを算出し、また、各振幅相互の大小比較によって、平均血圧Paを算出する。
【0042】
尚、血圧の判定方法や判定基準は各社様々であり、また電子部品を用いて回路的に実現するか、CPUのプログラムにより実現するかは用途などに応じても様々である。また、カフ11の減圧過程ではなく、加圧過程でも同様に血圧測定を行なえることはよく知られている。従って、本発明の血管弾性測定に際しても、カフ11を加圧していくか減圧していくかは問わない。
【0043】
また、血管弾性測定装置1では、血管弾性を求めるため、血圧算出手段21で求められた最高血圧Psと最低血圧Pdを必要とするが、血圧算出手段21の実施態様は、ここで説明したオシロメトリック方式によるものに限定されるものではない。
【0044】
次に、本発明の血管弾性測定装置1を使用した血管弾性の測定原理を説明する。本発明では、詳細は後述するように、カフ11の減圧又は加圧過程で検出される脈波を利用している。
【0045】
つまり、脈波抽出手段17で検出される脈波Δpは、血圧測定用と、本発明の血管弾性測定用の両用途に、同時に使用することが出来るので、脈波検出方式の血圧計と本発明の血管弾性測定装置1との共用化を図ることが出来る。従って、脈波その他の信号を、血圧測定用と血管弾性測定用とに別々に測定したり、記憶する必要はない。もちろん、脈波Δpを検出するためのカフ11の加圧、減圧制御も1回でよく、全体としての測定時間は、従来の血圧計で血圧のみを測定する時間とほぼ同じで済み、効率的な測定が行なえる。
【0046】
血管内では、体内に血液を循環させるために、心臓の鼓動と同期して、最低血圧Pdと最高血圧Psを定期的に繰り返すようにして圧力が発生しており、この圧力を血管内圧Piという。つまりは血圧のことである。
【0047】
外から血管壁に対して加わる圧力であるカフ圧Poを、血管内圧Pi以上にすると、血管は押しつぶされ血流が阻止される。カフ圧Poを徐々に低下させていくと、血管内に血液を送り流そうとする血管内圧Piの力によって、血管は膨張する。
【0048】
血管の膨張により、血管壁はカフ11の体積(容積と同義、以下同じ。)を圧縮する。カフ11の体積の圧縮度合いは、内外圧差ΔP(=カフ圧Po−血管内圧Pi)と、その圧力時の血管壁の膨張度合い、すなわち血管の弾性特性との関係によって異なる。例えば、血管が硬い被測定者の血管壁は膨張性が乏しく、血管壁の振動がカフ11を十分に圧縮するに至らないが、血管が柔らかい被測定者の血管壁は、カフ11の体積変化ΔVに影響を与えるだけの柔軟性を持っている。
【0049】
従って、内外圧差ΔPと、カフ11の体積変化ΔVとの比率であるΔP/ΔV(又はΔV/ΔP)を血管弾性率といい、これを一般に動脈硬化の指標としている。これら内外圧差ΔPと、カフ11の体積変化ΔVを求めるため、本発明では以下の構成を採用している。
【0050】
すなわち図1の血管弾性測定装置1は、血圧測定原理で説明した構成手段の他に、基準波形記憶手段25、ΔP算出手段27、ΔV算出手段29、比較手段31、表示手段23を有している。これらの追加手段は、脈波検出方式の血圧計の電子回路の追加変更によっても対応出来るが、CPUのプログラム変更のみでも対応出来る。その場合は、表示手段23の表示部を変更する以外は従来の血圧計で使用している金型や基板等をそのまま使用することが出来るので、ハードウェア面のコストがかからないというメリットがある。
【0051】
基準波形記憶手段25は、カフ圧制御手段13でカフ圧Poを最低血圧Pd以下の一定値にした時に、検出手段110で検出される信号の波形を少なくとも1周期分、ないしは2〜3周期分記憶し、この波形そのもの又は、記憶しただけの波形を平均化した波形を血管内圧Piの基準波形piとする手段である。この基準波形piは後述のΔP算出手段27で使用する。
【0052】
基準波形piは、脈波抽出手段17で脈波Δpを検出する前後のほんのわずかな時間で記憶されるので、被測定者は特に血管弾性を測定していることを意識しないでよい。
【0053】
図2に検出手段110で検出された血管内圧Piの基準波形piの一例を示す。1周期分では安定していないこともあるので、出来れば図2のように数周期分記憶し、平均化するのが、測定精度の向上のためにも望ましい。
【0054】
ΔP算出手段27は、以下に示す手順により、内外圧差ΔPを算出する手段である。
【0055】
ΔP算出手段27の詳細構成図を図3に示す。ΔP算出手段27は、内圧値換算手段270と、繰り返し波形発生手段271と、演算手段272を有する。
【0056】
内圧値換算手段270は、基準波形記憶手段25で記憶された基準波形piの各時点での圧力値を、血圧算出手段21で測定された最高血圧Psと最低血圧Pdとを用いて、外圧に相当する値から血管内圧Piに相当する値へ換算する手段である。本来、血管内圧Piは、先に説明したとおり、最高血圧Psと最低血圧Pdを周期的に繰り返す信号であるのに対して、検出手段110で検出される基準波形piの圧力値は、あくまでも、カフ11内の圧力値、すなわち外圧に過ぎず、血管内圧Piではないからである。
【0057】
詳細には、図2のグラフに示すように、最高血圧Psを基準波形piの最大ピーク点(pimax)での基準波形piの最高値psに当てはめ、また最低血圧Pdを最小ピーク点(pimin)での基準波形piの最低値pdに当てはめる。そして、Ps−Pdとps−pdの比率は、波形のどの時点でも等しいという関係を利用して、基準波形piの各時点の圧力値を、血管内圧Piに相当する圧力値に換算する。
【0058】
例えば、検出手段110で検出されたもとの基準波形pi(t)が
pi(t)=((ps−pd)/2)・sin(t)・・・(1)
という関数で与えられるとすれば、血管内圧Piに相当する値に換算後の関数Pi(t)は、
Pi(t)=((Ps−Pd)/(ps−pd))・pi(t)・・・(2)
で表される。
【0059】
繰り返し波形発生手段271は、内圧値換算手段270で値が換算された1周期分の基準波形piを連続的に擬似発生させ、これを擬似的な血管内圧Piとする手段である。連続的に発生させる必要があるのは、後に比較手段31で、カフ11の体積変化ΔVの時系列信号と全時間比較をするためである。
【0060】
演算手段272は、カフ圧制御手段13から得られるカフ圧Poと、繰り返し波形発生手段271で発生させた血管内圧Piとの減算を行ない、内外圧差ΔP=Po−Piを算出する手段である。尚、図2の直線下降線がカフ圧Poに相当し、このカフ圧Poはカフ圧制御手段13の制御内容から知ることが出来る。
【0061】
ΔV算出手段29は、以下に示す手順により、脈波抽出手段17で脈波Δpを検出する過程で、検出手段110で検出される信号から、カフ11の体積変化ΔVを算出する手段である。
【0062】
ΔV算出手段29の詳細構成図を図4に示す。ΔV算出手段29は、時間軸規格化手段290、演算手段A291、演算手段B292、カフ特性補正手段293、演算手段C294、演算手段D295を有する。
【0063】
時間軸規格化手段290は、脈波抽出手段17で検出される脈波Δpの時間軸を血管内圧Piの周期に合わせて規格化し、その分脈波Δpの波形を圧縮又は伸長する手段である。これは後に、脈波Δpをカフ11の体積変化ΔVに換算したものを、脈波Δp毎に内外圧差ΔP(すなわちPo−Pi)と比較するためである。
【0064】
通常、脈波Δpの周期は、心臓の鼓動に同期しており一定間隔であるので、血管内圧Piの周期ともほぼ同じであるが、不整脈などの場合には、脈波Δp毎に周期が若干ずれるため、血管内圧Pi(基準波形pi)の周期に時間軸を合わせこむ必要がある。
【0065】
尚、脈波Δpの時間軸を血管内圧Piの時間軸に合わせるのではなく、逆に、基準波形piを繰り返し波形発生手段271で、検出された脈波Δpの時間軸に合うように発生させても、時間軸規格化手段290と同じ役割を果たす。
【0066】
演算手段A291は、時間軸規格化手段290で規格化された脈波Δpとカフ圧Poとの加算を行なう手段である。尚、時間軸の規格化を行なわない場合には、演算手段A291で得られる結果は、脈波Δpを検出する過程で、検出手段110で検出される信号、すなわちPo+Δpそのものであるので、演算手段A291は省略可能である。
【0067】
演算手段B292は、演算手段A291の結果であるPo+Δpと、カフ圧Poの除算を行なう手段である。
【0068】
カフ特性補正手段293は、カフ11の弾性特性を考慮して、カフ圧Poを体積単位に換算する手段である。
【0069】
そもそも、検出手段110で検出される信号の単位はあくまでも圧力単位であるので、カフ11の体積変化ΔVを求めるためには、これを体積単位に換算する必要がある。
【0070】
カフ11は弾性材料で製作されるため、カフ圧Poとカフ11の体積Voには、図5の弾性特性に示されるようなカフ11の弾性係数を介した関係があり、カフ圧がPoの時のカフ11の体積は関数Vo(Po)で表される。尚、本実施の形態では、この関数は図5のように非線形であるが、用途や高速化などに応じて、線形近似したものをカフ11の弾性特性として利用してもよい。カフ11の弾性特性は、予め血管弾性測定装置1のプログラム内などに用意しておく。
【0071】
演算手段C294は、カフ特性補正手段293で算出されたカフ圧Poの体積単位換算値であるVo(Po)と、演算手段B292の結果である(Po+Δp)/Poの除算を行なう手段である。
【0072】
本発明では、カフ11の体積変化に伴って変化するカフ11内の圧力(検出手段110で検出される信号)と、カフ11の体積との間には、短期間ではボイルシャルルの法則が成立するものとする。ある時点での、カフ11の体積Voからの増加分ΔVによる、カフ圧Poの上昇分をΔpとすると、
Po・Vo=(Po+Δp)・(Vo−ΔV)・・・(3)
が成立する。Po+Δpは、検出手段110で検出される信号、すなわちカフ圧Poに脈波Δpが重畳した信号に等しい。
【0073】
更に、(3)式で、VoをVo(Po)とすれば、
Po・Vo(Po)=(Po+Δp)・(Vo(Po)−ΔV)・・・(4)
となる。
【0074】
そこで、演算手段C294の除算結果に、(4)式を適用すると、演算手段C294の結果は、Vo(Po)−ΔVとなる。
【0075】
演算手段D295は、Vo(Po)と、演算手段C294の結果であるVo(Po)−ΔVの減算を行なう手段である。結果はΔVとなり、つまりカフ11の体積変化が得られる。
【0076】
図1の構成図に戻ると、比較手段31は、ΔP算出手段27で算出された内外圧差ΔPと、ΔV算出手段29で算出されたカフ11の体積変化ΔVとの比較を行なう手段である。これにより、ΔPとΔVの比率である血管弾性率を求めることが出来る。ここでは、脈波抽出手段17での脈波検出過程で、最高血圧Psと判定されたポイントから、最低血圧Pdと判定されたポイントまでの区間の全脈波について、脈波Δp毎に各々比較を行なう。
【0077】
尚、本実施の形態では、内外圧差ΔPを求めるためには基準波形pi及び最低血圧Pd及び最高血圧Psが必要であり、カフ11の体積変化ΔVを求めるためには脈波Δpが必要であることはここまで説明したとおりである。従って、例えば、カフ11の制御を2回行なう場合で、1回目の制御時に、基準波形pi及び最低血圧Pd及び最高血圧Psを測定して、カフ圧Po毎に内外圧差ΔPを算出しておき、2回目の制御時に動脈硬化測定用の脈波Δpの検出を行なえば、2回目に脈波Δpの検出を行ないながら、逐次、カフ11の体積変化ΔVの算出や、比較手段31での比較を行なうことが出来るので、全波形記憶手段15により信号を記憶する必要は必ずしもない。またこの場合、1回目に既に最低血圧Pd及び最高血圧Psが測定されているので、2回目のカフ11の制御時には、その被測定者の最高血圧Psまでカフ圧11を加圧すればよいので被測定者に負担がかからない。
【0078】
更に、複数回のカフ11の制御が可能であれば、複数回分測定される基準波形piが平均化され、より精度の高い動脈硬化測定が可能となる。
【0079】
表示手段23は、比較手段31での比較結果である血管弾性、すなわち動脈硬化の指標を表示する手段である。比較結果は、ΔPとΔVの2次元グラフ等の関連図で表すことも出来るし、ΔPとΔVの傾きを算出し、その数値を表示してもよいし、又は、動脈硬化の程度をランク分けし、求められた数値に対応したランクを表示してもよい。
【0080】
【実施例1】
次に本発明の具体的実施例について、図1、図3、図4の構成図と図2のグラフを参照しながら、詳細に説明する。
【0081】
カフ11は、被測定者の上腕又は下肢に巻き付けられ、カフ圧制御手段13は、被測定者の血流を阻止する程度の圧力(最高血圧Ps以上)まで、カフ11を加圧する。その後、カフ圧Poは、カフ圧制御手段13の制御によって徐々に低下する。
【0082】
全波形記憶手段15は、カフ圧Poが低下する過程で、検出手段110で検出される信号を記憶する。脈波抽出手段17は、順次、この信号からカフ圧Poを差し引いて脈波Δpを検出する。更に、脈波振幅算出手段19は、検出された脈波Δpの振幅を算出する。
【0083】
血圧算出手段21は、算出された振幅をもとに、最高血圧Ps、最低血圧Pdの判定を行なう。ここで、平均血圧Paも算出されるようにしてもよい。
【0084】
カフ圧Poが最低血圧Pdに達したら、カフ圧制御手段13は、カフ圧Poの制御を終了するのではなく、カフ圧Poを最低血圧Pd以下の一定圧力に維持する。この時に検出手段110で検出される信号を、血管内圧Piの基準波形piとして、基準波形記憶手段25で記憶する。但し、基準波形piは1周期、ないしは、2〜3周期分記憶されればよいので、記憶は短時間で済み、血圧のみを測定する時と測定時間はほとんど変わらない。また、被測定者は、特に血管弾性を測定していると意識することがない。
【0085】
ΔP算出手段27は、測定された最高血圧Ps、最低血圧Pd、血管内圧Piの基準波形piと、カフ圧制御手段13から分かるカフ圧Poを用いて、内外圧差ΔPを算出する。
【0086】
ΔV算出手段29は、検出された脈波Δpと、カフ圧Poと、予め記憶されているカフ11の弾性特性を用いて、カフ11の体積変化ΔVを算出する。尚、ΔPとΔVの算出方法は、発明の実施の形態で説明したとおりであるので、説明を省略する。
【0087】
比較手段31は、内外圧差ΔPをX軸、カフ11の体積変化ΔVをY軸にとり、一般にリサージュ図形と呼ばれる関連図を、カフ圧Poが最高血圧Psから最低血圧Pdに至るまでの全脈波区間の全時間について記録する。これより、図6、図7のようなグラフが生成される。図6は血管が硬いとされる被測定者のグラフ、図7は血管が柔らかいとされる被測定者のグラフである。
【0088】
図6、図7によると、X軸の内外圧差ΔPが0付近で、それぞれのグラフの傾きが異なっていることからも、動脈硬化の程度が簡単に評価出来る。すなわちこれらの図で、傾きが緩やかな場合には血管が硬いと判断され、傾きが急な場合には血管が柔らかいと判断される。
【0089】
この傾きを血管弾性率とし、その数値を、表示手段23によって表示してもよいし、動脈硬化の程度をランク分けし、求められた数値に対応したランクを表示してもよい。また、表示スペースに余裕があれば、この図6や図7のリサージュ図形をそのまま表示してもよい。
【0090】
更には、測定された最高血圧Ps、最低血圧Pd、平均血圧Paについても、動脈硬化の指標と同時又は交互に表示させれば、被測定者は一度にいろいろな情報を知ることが出来るし、より診断に役立つ。
【0091】
ここで、装置の記憶容量の削減と、より高速な測定結果の表示を行なうための方法を以下に示す。基準波形記憶手段25で記憶された基準波形piと、脈波抽出手段17で検出された脈波Δpのそれぞれについて、脈波Δp毎に振幅を算出し、算出された個々の振幅について、図3及び図4で、ΔP及びΔVを算出し、これらを比較する。
【0092】
つまり、全脈波区間について全時間の比較を行なうのではなく、脈波Δp毎の代表点について比較を行なうので、高速な測定が可能となる。その結果を図8に示す。図8のグラフでは、上から順に、血管が硬い(Hard)、普通(Normal)、柔らかい(Soft)例が示されている。図8のグラフの傾きから、血管が硬い場合と、柔らかい場合との差は一目瞭然であり、簡易的な測定結果として動脈硬化の程度を知るには十分であり、しかも高速に測定される。
【0093】
尚、算出された振幅を脈波Δp毎の代表点とする以外にも、脈波Δp毎にピーク値(最低値、最高値)や、任意の点のサンプルを抽出し、基準波形piからも同様の点でサンプルを抽出し、各点のサンプル同士で比較を行なってもよい。抽出するサンプル数は、用途や高速化の度合いに合わせて、任意に変更可能である。また、複数のサンプルを抽出する場合には、基準波形pi又は脈波Δpの時間軸を、時間軸規格化手段290により、いずれかの時間軸に合わせて圧縮・伸長することが望ましい。
【0094】
【実施例2】
次に、実施例1を更に簡略化して、動脈硬化の指標を求める場合の一例を説明する。
【0095】
本実施例の血管弾性測定装置5の構成図を図9に示す。実施例1の構成図である図1との相違点は、図9には、内外圧差ΔPの算出に関わる手段、つまり血圧算出手段21、基準波形記憶手段25、ΔP算出手段27がないことである。
【0096】
すなわち実施例1では、内外圧差ΔPは、カフ圧Po−血管内圧Piであるとして、内外圧差ΔPとカフ11の体積変化ΔVとを比較して、動脈硬化の指標を求めたが、本実施例では、比較手段51で、カフ圧Poそのものとカフ11の体積変化ΔVとを比較することにより、動脈硬化の傾向を把握することが出来る。
【0097】
通常、血圧や本発明の血管弾性の測定過程で、カフ圧Poは、カフ圧制御手段13の制御により、最高血圧Psから最低血圧Pdへとほぼ一定の傾きで低下する(又は、最低血圧Pdから最高血圧Psへとほぼ一定の傾きで上昇する)。これに対し、血管内圧Piは、最高血圧Psと最低血圧Pdの間を周期的に繰り返す波形であるので、内外圧差ΔPの値は、図6や図7のリサージュ図形のように、脈波Δpの1周期毎に、X軸を行き来するようになっており、この部分は、簡単に動脈硬化の程度を知りたい場合には特に必要とはされなかった。
【0098】
この行き来が発生する要因である、周期波形の血管内圧Piを無視して内外圧差ΔPを、カフ圧Poと近似してしまっても、動脈硬化の程度を知るには支障がないと判断したのが本実施例である。
【0099】
従って、本実施例では、カフ11の体積変化ΔVとカフ圧Poが分かればよく、実施例1の内外圧差ΔPの算出に必要であった基準波形piの記憶は不要であり、更に、脈波Δpの波形と基準波形piとの比較が不要となるので、時間軸の規格化も不要である。
【0100】
カフ11の体積変化ΔVの算出方法は、実施例1で説明した図4の詳細構成図から時間軸規格化手段290を削除したものと同様である。各演算手段での演算方法、カフ特性補正手段293での補正方法は、発明の実施の形態及び実施例1で説明したのと同様であるので、説明を省略する。
【0101】
脈波振幅算出手段19で各脈波Δpの振幅を算出し、この振幅毎に算出されたカフ11の体積変化ΔVを縦軸にとり、その時のカフ圧Poを横軸にとったものが、図10のグラフである。このグラフからでも、動脈硬化の傾向の差異は、それぞれの傾きの差から一目瞭然である。
【0102】
本実施例では、基準波形piの記憶や、最高血圧Ps、最低血圧Pdの算出が不要であるため、血圧の測定過程で、脈波Δpを検出するのとほぼ同時に、リアルタイムで、図10のグラフや数値を表示させることが出来、表示の高速化が図られる。
【0103】
尚、図9の血管弾性測定装置5では、脈波振幅算出手段19で、各脈波Δpの振幅を算出して、各々に対応するカフの体積変化ΔVを求めたが、振幅以外にも、任意の点をサンプル抽出してもよい。更に、記憶容量に余裕があれば、全脈波の全時間について、後段の演算処理を行なってもよい。
【0104】
図9の血管弾性測定装置5でΔP算出手段27を有する場合には、基準波形記憶手段25で検出されるはずの基準波形piを固定値として、最低血圧Pdと最高血圧Psによって内圧値換算を行ない、カフ圧Poとの差である内外圧差ΔPを算出してもよい。これにより基準波形piの記憶が不要となる。
【0105】
更に、カフ11の弾性特性を線形(カフ圧Poとカフ11の体積Voが比例関係にある)とみなせば、各脈波Δpの圧力値をカフ11の体積変化ΔVに換算するまでもなく、各脈波Δpの振幅又は任意の点の値と、その時のカフ圧Poとの比較を行なっても図10と同様のグラフは得られる。この時、基準波形piと最低血圧Pdと最高血圧Psが測定されていれば、内外圧差ΔPを求め、脈波Δpと内外圧差ΔPとの比較を行なってもよい。
【0106】
また、カフ11の体積変化ΔVの代わりに、脈波Δpの振幅の時間変化分である微分値を算出し、カフ圧Poとの比較を行なってもよい。この方法は、最も簡単で、かつ高速に動脈硬化の指標を得るのに適している。
【0107】
【発明の効果】
本発明により、血圧を測定する時に必要となるカフ以外は、被測定者の身体に装着することなく、簡単に、手軽に、高速に、動脈硬化の指標を求めることが出来る。
【0108】
脈波検出方式による血圧の測定と同時に、血管弾性を測定することが出来るので効率的である。被測定者は血管弾性を測定していることを意識せずに、血圧と、動脈硬化の指標の両方を知ることが出来、総合的な診断に役立つ。健康な人も、日頃から、血圧を測定する習慣さえ身につければ、同時に、動脈硬化の早期発見、予防につながる。
【0109】
従来のカフを使用する脈波検出方式の血圧計の表示部以外のハードウェア構成を変更することなく、CPUのプログラム変更のみで、動脈硬化の指標をも表示させるような仕様変更対応が可能となるので、開発コストが削減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の血管弾性測定装置の一例を示す構成図である。
【図2】カフ圧Poと、脈波Δpの波形と、血管内圧Piの基準波形piを示すグラフである。
【図3】ΔP算出手段の一例を示す構成図である。
【図4】ΔV算出手段の一例を示す構成図である。
【図5】カフ弾性特性を示すグラフである。
【図6】血管が硬い被測定者の血管弾性を示すグラフの一例である。
【図7】血管が柔らかい被測定者の血管弾性を示すグラフの一例である。
【図8】血管弾性を示すグラフの他の一例である。
【図9】本発明の血管弾性測定装置の他の一例を示す構成図である。
【図10】血管弾性を示すグラフの他の一例である。
【符号の説明】
1:血管弾性測定装置
11:カフ
110:検出手段
13:カフ圧制御手段
130:加圧ポンプ
131:排気弁
15:全波形記憶手段
17:脈波抽出手段
19:脈波振幅算出手段
21:血圧算出手段
23:表示手段
25:基準波形記憶手段
27:ΔP算出手段
270:内圧値換算手段
271:繰り返し波形発生手段
272:演算手段
29:ΔV算出手段
290:時間軸規格化手段
291:演算手段A
292:演算手段B
293:カフ特性補正手段
294:演算手段C
295:演算手段D
31:比較手段
5:血管弾性測定装置
51:比較手段
Claims (8)
- 生体の一部を圧迫するカフと、
前記カフのカフ圧Poを制御するカフ圧制御手段と、
前記カフ内の圧力信号を検出する検出手段と、
前記カフ圧制御手段での前記カフの減圧又は加圧制御過程で、前記検出手段で検出される信号から前記カフ圧Poを差し引いて、脈波Δpを検出する脈波抽出手段と、
前記カフ圧制御手段で前記カフ圧Poを所定の圧力に維持し、その時に前記検出手段で検出される信号の波形を基準波形piとして記憶する基準波形記憶手段と、
最低血圧Pdと最高血圧Psとを算出する血圧算出手段と、
前記基準波形piを前記最低血圧Pdと最高血圧Psとによって単位換算して血管内圧Piとし、前記血管内圧Piと前記カフ圧Poとの差分である内外圧差ΔPを求めるΔP算出手段と、
前記脈波Δpを検出する過程で、前記検出手段で検出される信号を、カフの弾性特性関数とボイルシャルルの法則の適用により、圧力単位から体積単位に換算して前記カフの体積変化ΔVを求めるΔV算出手段と、
前記カフの体積変化ΔVと、前記内外圧差ΔPとを比較することによって、血管弾性率又は血管弾性率に相当する動脈硬化指標を得る比較手段とを、
有することを特徴とする血管弾性測定装置。 - 前記基準波形piは、
前記脈波Δpを検出する過程の前後で、少なくとも3周期分記憶され、平均化される
ことを特徴とする請求項1に記載の血管弾性測定装置。 - 前記脈波Δpと、前記基準波形piとは、
前記比較手段での比較のために、時間軸の相互規格化が行なわれる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の血管弾性測定装置。 - 生体の一部を圧迫するカフと、
前記カフのカフ圧Poを制御するカフ圧制御手段と、
前記カフ内の圧力信号を検出する検出手段と、
前記カフ圧制御手段での前記カフの減圧又は加圧制御過程で、前記検出手段で検出される信号から前記カフ圧Poを差し引いて、脈波Δpを検出する脈波抽出手段と、
前記脈波Δpを検出する過程で、前記検出手段で検出される信号を、カフの弾性特性関数とボイルシャルルの法則の適用により、圧力単位から体積単位に換算して前記カフの体積変化ΔVを求めるΔV算出手段と、
前記カフの体積変化ΔVと、前記カフ圧Poとを比較することによって、血管弾性率又は血管弾性率に相当する動脈硬化指標を得る比較手段とを、
有することを特徴とする血管弾性測定装置。 - 生体の一部を圧迫するカフと、
前記カフのカフ圧Poを制御するカフ圧制御手段と、
前記カフ内の圧力信号を検出する検出手段と、
前記カフ圧制御手段での前記カフの減圧又は加圧制御過程で、前記検出手段で検出される信号から前記カフ圧Poを差し引いて、脈波Δpを検出する脈波抽出手段と、
前記脈波Δpと、前記カフ圧Poとを比較することによって、血管弾性率又は血管弾性率に相当する動脈硬化指標を得る比較手段とを、
有することを特徴とする血管弾性測定装置。 - 前記比較手段で得られる血管弾性率又は血管弾性率に相当する動脈硬化指標を、2次元グラフ等の関連図、前記関連図の傾きの数値、前記傾きの数値に対応した動脈硬化の程度を示すランク、の少なくとも1以上によって表示する表示手段を
有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の血管弾性測定装置。 - 前記表示手段は、
前記血管弾性率又は血管弾性率に相当する動脈硬化指標、最低血圧Pd、最高血圧Psのいずれかの組合わせを、同時又は交互に表示する
ことを特徴とする請求項6に記載の血管弾性測定装置。 - 前記カフ、前記カフ圧制御手段、前記検出手段、前記脈波抽出手段は、
脈波検出方式の血圧計と共用される
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の血管弾性測定装置。
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