JP2022512449A - 動脈コンプライアンスの尺度を導出するための制御ユニット - Google Patents

動脈コンプライアンスの尺度を導出するための制御ユニット Download PDF

Info

Publication number
JP2022512449A
JP2022512449A JP2021534229A JP2021534229A JP2022512449A JP 2022512449 A JP2022512449 A JP 2022512449A JP 2021534229 A JP2021534229 A JP 2021534229A JP 2021534229 A JP2021534229 A JP 2021534229A JP 2022512449 A JP2022512449 A JP 2022512449A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arterial
pressure
arrival time
volume
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021534229A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7138797B2 (ja
Inventor
ローラ イオアナ ボガツ
ジェンス ミュールステフ
マールテン ペトルス ヨセフ キューネン
エリック ブレシュ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koninklijke Philips NV
Original Assignee
Koninklijke Philips NV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koninklijke Philips NV filed Critical Koninklijke Philips NV
Publication of JP2022512449A publication Critical patent/JP2022512449A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7138797B2 publication Critical patent/JP7138797B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/02Detecting, measuring or recording pulse, heart rate, blood pressure or blood flow; Combined pulse/heart-rate/blood pressure determination; Evaluating a cardiovascular condition not otherwise provided for, e.g. using combinations of techniques provided for in this group with electrocardiography or electroauscultation; Heart catheters for measuring blood pressure
    • A61B5/02007Evaluating blood vessel condition, e.g. elasticity, compliance
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/02Detecting, measuring or recording pulse, heart rate, blood pressure or blood flow; Combined pulse/heart-rate/blood pressure determination; Evaluating a cardiovascular condition not otherwise provided for, e.g. using combinations of techniques provided for in this group with electrocardiography or electroauscultation; Heart catheters for measuring blood pressure
    • A61B5/021Measuring pressure in heart or blood vessels
    • A61B5/02108Measuring pressure in heart or blood vessels from analysis of pulse wave characteristics
    • A61B5/02125Measuring pressure in heart or blood vessels from analysis of pulse wave characteristics of pulse wave propagation time
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/02Detecting, measuring or recording pulse, heart rate, blood pressure or blood flow; Combined pulse/heart-rate/blood pressure determination; Evaluating a cardiovascular condition not otherwise provided for, e.g. using combinations of techniques provided for in this group with electrocardiography or electroauscultation; Heart catheters for measuring blood pressure
    • A61B5/021Measuring pressure in heart or blood vessels
    • A61B5/022Measuring pressure in heart or blood vessels by applying pressure to close blood vessels, e.g. against the skin; Ophthalmodynamometers
    • A61B5/02225Measuring pressure in heart or blood vessels by applying pressure to close blood vessels, e.g. against the skin; Ophthalmodynamometers using the oscillometric method
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/02Detecting, measuring or recording pulse, heart rate, blood pressure or blood flow; Combined pulse/heart-rate/blood pressure determination; Evaluating a cardiovascular condition not otherwise provided for, e.g. using combinations of techniques provided for in this group with electrocardiography or electroauscultation; Heart catheters for measuring blood pressure
    • A61B5/021Measuring pressure in heart or blood vessels
    • A61B5/022Measuring pressure in heart or blood vessels by applying pressure to close blood vessels, e.g. against the skin; Ophthalmodynamometers
    • A61B5/0225Measuring pressure in heart or blood vessels by applying pressure to close blood vessels, e.g. against the skin; Ophthalmodynamometers the pressure being controlled by electric signals, e.g. derived from Korotkoff sounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/02Detecting, measuring or recording pulse, heart rate, blood pressure or blood flow; Combined pulse/heart-rate/blood pressure determination; Evaluating a cardiovascular condition not otherwise provided for, e.g. using combinations of techniques provided for in this group with electrocardiography or electroauscultation; Heart catheters for measuring blood pressure
    • A61B5/024Detecting, measuring or recording pulse rate or heart rate
    • A61B5/02416Detecting, measuring or recording pulse rate or heart rate using photoplethysmograph signals, e.g. generated by infrared radiation
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/24Detecting, measuring or recording bioelectric or biomagnetic signals of the body or parts thereof
    • A61B5/316Modalities, i.e. specific diagnostic methods
    • A61B5/318Heart-related electrical modalities, e.g. electrocardiography [ECG]

Abstract

本発明は、獲得された動脈ボリューム変動信号と獲得されたパルス到達時間信号とに基づいて動脈コンプライアンスの尺度を導出するための制御ユニット12及び方法を提供する。オシロメトリック血圧測定デバイスが、動脈ボリューム変動信号を獲得するために使用される。動脈に対する印加される圧力がオシロメトリック血圧測定デバイスにより変えられている間に、動脈ボリュームとパルス到達時間の変動との両方が測定される。動脈ボリューム信号は、動脈ボリュームのピーク間振幅の変動を表す対応する信号に変換される。第1のモデルフィッティング工程が、このピーク間振幅信号を、壁内外圧差の関数として動脈ボリュームを示す信号に変換するために使用される。第2のモデルフィッティング工程が、導出された動脈ボリューム対壁内外圧差信号、及び導出されたパルス到達時間変動信号から、動脈コンプライアンスの最終的な出力尺度を生成するために使用される。

Description

本発明は、動脈コンプライアンスの尺度を導出するための制御ユニット及び方法に関する。
臨床現場において患者の症状を監視するとき、患者の重要な状態の早期の検出が重要である。患者の一般的な監視されたパラメータ、例えば心拍数又は血圧は、特定の疾患又は問題を示す特異性をもたず、多くの場合、患者の悪化とパラメータの変化との間のタイムラグに悩まされる。例えば、低血圧相は、相に入った後の血圧信号から明らかになるのみであり、したがって、任意の予防的行動を妨げる。
現在研究されている1つの有益な臨床情報源は、動脈(又は脈管)コンプライアンスのものである。これは、循環完全性に関連した様々なパラメータを示す。このパラメータの変動は、血圧、概日リズム、身体活動、及びストレスの変化、並びに、例えば年齢又は生活スタイルによりもたらされる他のより長い期間の変化に関連付けられる。したがって、動脈コンプライアンスは、健康ステータスに関連した大量の情報を明らかにし得る。
動脈コンプライアンスは、動脈(特に動脈壁)が動脈圧(すなわち流れる血液により動脈壁に加えられた圧力)の変化に応答して膨張する、及び収縮する能力に対応する。動脈コンプライアンスは、次式、すなわち、
Figure 2022512449000002
により規定され得、ここで、Vartは動脈ボリュームであり、tは時間であり、Partは動脈血圧であり、及び、Ptmは壁内外圧差(すなわち動脈壁をまたいだ正味の圧力)である。壁内外圧差Ptmは動脈血圧Partから外側から動脈壁への任意の印加される圧力を減算したものとして規定され、すなわち動脈内圧から外部から印加される圧力を減算したものである。
動脈血圧Partは各心臓サイクルに伴って振動し、各サイクルにおけるPartの最大値又はピーク値は収縮期血圧(SBP)に対応し、各サイクルにおけるPartの最小値は拡張期血圧(DBP)に対応する。SBP値は心臓サイクルの収縮相末期における血圧値である。DBP値は心臓サイクルの拡張相末期における血圧値である。
動脈コンプライアンスは多くの異なる因子による影響を受け、非常に人に特有である。動脈コンプライアンスは部分的に、動脈壁をまたいだ壁内外圧差(Ptm)に依存する。したがって、動脈コンプライアンスは、動脈壁をまたいだ正味の圧力に応じて異なる値をもつ。
複数の生理学的因子に対する動脈コンプライアンスの依存性に起因して、動脈コンプライアンスの監視は患者の悪化を検出するための多数の可能な用途をもつ。
1つの簡単なアプローチは、動脈コンプライアンス関数の変化を単に監視し、例えば、臨床医による分析のためにディスプレイにこれらを提示することである。
別のアプローチは、例えば心拍出量又は末梢抵抗(血流に対する動脈の抵抗)といった更なるパラメータを近似することを目的として、動脈コンプライアンス情報を1つ又は複数の生理学的モデル(例えばウインドケッセル効果を説明するもの)に組み込むことである。
更なる例において、動脈コンプライアンスの知識情報は、血圧推定のための手軽な(非侵襲性の)代用物として使用され得る。
更なる例示的な用途は、内皮機能(ホメオスタシスを維持するために管腔サイズを調節する動脈の能力)の評価のためのコンプライアンス情報の使用である。通常、これは、数分間の誘起された脈管閉塞の後に動脈寸法を測定することにより実施される(血流依存性血管拡張)。血流の短期間の変化は動脈管腔サイズの変化をもたらし、患者の安定性(例えば敗血症の存在)、又は心臓血管疾患の進行に関する情報を明らかにする。超音波、フォトプレチスモグラフィ(PPG)、又はパルス到達時間(PAT)をベースとする技術が動脈寸法を評価するために現在使用されている。
これらの現在の技術は、動脈サイズの検出可能な変化をもたらすために閉塞が数分間にわたって生じる必要があるということに起因して、(超音波の場合に)動脈をイメージングする場合の困難さに関連した欠点、及び/又は、患者にとっての不便さを伴う。これは患者にとって不快である。
コンプライアンスを監視することは、現在の実務に比べて動脈サイズの変化のより正確な、及び快適な測定を可能にすることにより、内皮反応のより長期的な、又は継続的な評価を可能にする。特に、内皮反応の測定のための動脈サイズの十分な変化を依然として実現しながら、動脈の誘起された閉塞の持続期間は短くされ得る。これは、患者に大幅な不快感をもたらすことなく、より長い又は継続的な期間にわたる内皮反応の監視を可能にする。
動脈コンプライアンス情報の更なる例示的な用途は流体反応性の評価である。動脈コンプライアンスは例えば平均全身充満圧の計算を可能にする。平均全身充満圧は、ストップフロー前腕動脈及び静脈平衡圧の測定により導出され得る。これらの圧力値はGuytonianモデルに入力される。このモデルは、平均全身充満圧と、更には、流体反応性の評価に寄与する有効脈管内ボリュームステータスとの推測を可能にする。コンプライアンスに関する情報は、このようなモデルにおいて使用されるパラメータの正確さの改善を可能にし、したがって、流体反応性のより良い定量化をもたらす。
同様のアプローチにおいて、動脈コンプライアンスの測定は、静脈閉塞プレチスモグラフィーにより測定される肢血流の評価に更に組み込まれ得る。この測定は、閉塞された肢の生理機能を説明するモデルを使用することに更に基づく。モデルのパラメータ(例えばコンプライアンス)の正確な推定結果は、この測定(例えば静脈血栓症の検出)中における肢ボリュームの変化を解釈することを支援し得る。
したがって、動脈コンプライアンスに対する多くの有用な用途が存在する。
原理的に、コンプライアンスは、動脈圧が収縮期値と拡張期値との間で変化するときの動脈径の変化を明らかにし得る高分解能イメージング(例えば超音波)により測定され得る。しかし、高分解能イメージングは非常に熟練したオペレーターが超音波スキャンを実施することを必要とするので、高分解能イメージングは非常にリソースに負荷がかかる。高分解能イメージングは更に、画像の、発生し得る誤った解釈による誤りをもたらす傾向がある。1回のスキャンは当然に一時点におけるコンプライアンスを表すのみであり得るので、高分解能イメージングは更に、動脈コンプライアンスの連続的な、又は長期的な監視を可能にしない。
更に、より広範囲の壁内外圧差にわたるコンプライアンスに関する情報が必要とされる場合、イメージング技術は動脈に外圧を印加するステップにより校正されることを必要とし、測定を更に複雑化する。
超音波イメージングに対する代替的なアプローチは、例えば心電図(ECG)、PPG、及び/又は血圧計(血圧測定カフ)といった、患者監視のために病院において使用される(典型的には)既に利用可能な生理学的信号を使用することである。これらの信号は、動脈ボリューム及び圧力の変化に関する情報を与え得、コンプライアンスの計算を可能にする。したがって、これらのアプローチは、コンプライアンスのより実用的な連続的な監視を可能にする。
血圧計は血圧監視デバイスの一形態である。血圧計は、内部膨張チャンバを含む膨張可能カフを備える。カフは患者の腕の周囲に巻かれ、カフの膨張によりカフ下の上腕動脈に圧力が印加される。印加される圧力が変えられている間にカフ下の動脈によりカフに加えられた圧力を監視することにより、動脈血圧の正確な尺度が導出され得る。
血圧監視デバイスの1つの形態は、オシロメトリック血圧測定デバイスである。これは印加される圧力が変えられているときの動脈壁における振動(すなわちオシロメトリック圧力信号)を検出することに基づく。これらは動脈壁をまたいだ壁内外圧差における振動に現れる。これらの振動性信号の振幅が、収縮期及び拡張期血圧の標示を導出するために使用され得る。
これらの振動は、異なる外部から印加される圧力の、ある範囲又はスペクトルにわたって測定される。デバイスが膨張可能カフを備える場合、膨張可能カフを徐々に膨張させることによりこれが達成され得る。しかし、別の形態の圧力印加手段が代替的に使用され得る。圧力変動速度は血圧振動の速度に比べて小さい。したがって、短い時間スケールにわたって、検出された壁内外圧差の変化が動脈圧の変化に等しいと仮定され得る。この手法により、動脈圧振動が導出され得る。
例えばデバイスが膨張可能カフを備える場合、壁内外圧差における振動の測定は、内部膨張チャンバ圧力における振動を測定するカフにおける内部空気圧センサーによる。これらは、動脈の振動する壁によりカフに印加された振動する圧力を示す。
オシロメトリック血圧測定デバイスから取得された血圧信号を使用して動脈ボリューム変動の尺度を導出することが更に知られている。例えば(例えば膨張可能カフが使用される場合の膨張可能カフといった)測定デバイスの皮膚接触部分の弾性の事前の知識情報は、対応する空間変位量、ひいては対応する動脈ボリューム変化を導出するために検出された圧力変化が処理されることを可能にする。
しかし、例えばオシロメトリック血圧測定結果といった二次的な監視されたパラメータを介して動脈コンプライアンスを測定する現在知られたアプローチは正確さに欠ける。これは、測定された信号が、元の信号がコンプライアンスを導出するために後で処理されるときに混入するノイズ源に影響されやすいからである。これは、最終的な導出されたコンプライアンス尺度をひずませる。
概して、知られたアプローチに比べて、より長期的な、又は継続的な監視を可能にすることと、更には測定結果の正確さを改善することとの両方をし得る動脈コンプライアンスの測定するための改善されたアプローチが必要とされている。
本発明は請求項により規定される。
本発明の一態様による例によると、
オシロメトリック血圧測定デバイスとパルス到達時間を測定する手段とに使用時に動作可能に結合可能な、動脈コンプライアンスの尺度を導出するための制御ユニットであって、制御ユニットが、
測定デバイスにより印加される圧力が圧力範囲にわたって変えられている間に、測定デバイスに接触していると想定される動脈の動脈ボリュームの変動を示す信号を、オシロメトリック測定デバイスを使用して獲得することと、
印加される圧力の範囲にわたる動脈ボリュームのピーク間振幅を示す信号を、動脈ボリューム信号から抽出することと、
印加される圧力が圧力範囲にわたって変えられている間に、動脈に沿った特定の位置におけるパルス到達時間の変動を示す信号を、パルス到達時間を測定する手段を使用して獲得することと、
事前に規定された動脈ボリュームモデルを使用した第1のモデルフィッティング工程に基づいて、動脈壁内外圧差の関数として動脈ボリュームを示す信号Va-oscを、抽出されたピーク間ボリューム振幅信号から導出することと、
パルス到達時間と動脈ボリュームと動脈コンプライアンスとの変動に関連した事前に規定されたパルス到達時間モデルを使用した更なるモデルフィッティング工程を使用して、導出されたVa-osc信号に基づいて、及び獲得されたパルス到達時間の変動を示す信号に基づいて、動脈コンプライアンスを示す出力尺度を導出することと、
を行うように適応された、
制御ユニットが提供される。
本発明の実施形態は、オシロメトリー血圧測定を使用して獲得された動脈ボリュームデータをパルス到達時間データと組み合わせることにより動脈コンプライアンスのよりロバストな尺度を導出することに基づく。オシロメトリー測定デバイスの下流の位置におけるパルス到達時間は、簡単な式関係を使用した動脈に沿った脈波伝播速度に関連し得る。脈波伝播速度は動脈コンプライアンスに対する代用物又は代替物として使用可能であることが知られており、知られたモデルを使用して動脈コンプライアンス及び動脈ボリュームに関連付けられ得る。
したがって、モデルフィッティングアプローチを使用して、動脈ボリューム、動脈コンプライアンス、及びパルス到達時間の様々な集められた情報が動脈コンプライアンスの尺度を導出するために組み合わされ得ることが確認され得る。
直接的なイメージングではなく二次的パラメータがコンプライアンス尺度を導出するために使用されるので、より長期的な、又は継続的な監視がはるかに簡単に実現される。
コンプライアンス尺度の改善されたロバスト性が2つの特徴を通して実現され、この両方が最終的なコンプライアンス尺度におけるノイズを減らす。
まず、コンプライアンス尺度の最終的な導出において動脈ボリューム波形全体を使用するのではなく、(ピーク間振幅を介して)最大値及び最小値のみが使用される。これは、連続信号の残りの部分にわたって存在する任意のノイズをコンプライアンス尺度に存続させることを回避する。
第2に、オシロメトリー及びパルス到達時間測定結果により表される非常に異なるモダリティに起因して、2つの測定結果は異なるノイズ源及びノイズタイプの影響を受けやすい。したがって、両方を使用して獲得されたデータを組み合わせることにより、2つが相補的手法により互いに補完して、両信号に存在する任意のノイズの影響を減らし得る。
コンプライアンスを特定することは、変化する壁内外圧差の関数としての動脈ボリュームの変動の知識情報を必要とする。第1のモデルフィッティング工程が、抽出されたボリューム振幅信号を対応する動脈ボリューム-壁内外圧差関数に変換するために使用される。
使用時、動脈はオシロメトリック血圧測定デバイス下にあると想定される。例えば使用時に、オシロメトリック測定デバイスが対象者の体の一部に搭載されて、所与の動脈をカバーする。例えば腕に搭載され、動脈は上腕動脈である。
使用時、パルス到達時間を測定する手段は、オシロメトリックデバイスによりボリューム変動が測定される同じ動脈に沿った特定の位置においてパルス到達時間の変動を測定するために、適切な構成及び位置において体に取り付けられると想定される。例えば、パルス到達時間を測定する手段は少なくともPPGセンサーを備え、PPGセンサーは使用時に、対象者の腕に取り付けられたオシロメトリック血圧測定デバイスより下流において、対象者の指に取り付けられる。
パルス到達時間(PAT)は、概して、心臓からPATが測定される点までの血液パルスの移動時間を意味する。
オシロメトリック血圧測定デバイスは膨張可能カフを備える。デバイスはカフの膨張(空気)チャンバの内部における圧力を測定するための内部圧力センサーを備える。
オシロメトリック血圧測定デバイスは、例えば血圧計である。
パルス到達時間(PAT)は、対象者の測定されたECG信号の、例えばピークといった特定の特徴に対して測定される。例えば、パルス到達時間は、ECG信号のRピークとPPGセンサーの信号ピークとの間の時間インターバルとして測定される。
獲得されたパルス到達時間の変動を示す信号は、印加される圧力の関数として、又は、例えば時間といった異なる変数の関数としてパルス到達時間を表す波形として表される。必要なことは単に、信号が印加される圧力が変えられている期間にわたるパルス到達時間の変動を表すことである。
測定デバイスにより動脈に印加される圧力が圧力範囲にわたって変えられている間に、動脈の動脈ボリュームの変動を示す信号が獲得される。獲得された信号は、印加される圧力の関数として、又は例えば時間といった異なる変数の関数として動脈ボリュームを表す波形として表される。必要なことは単に、信号が印加される圧力が変えられている期間にわたる動脈ボリュームの変動であることである。
動脈ボリュームが値という観点で各心臓サイクルに伴って上下に振動する。ピーク間ボリューム振幅は、信号に沿った各点における動脈ボリューム信号の最大値と最小値との間の差を意味する。これは、(振動する)動脈ボリューム信号の包絡線の高さとして理解され得る。
したがって、ピーク間振幅は所与のサイクルにおける動脈ボリュームの最大値と最小値との間の差を意味する。したがって、動脈ボリュームのピーク間振幅を示す信号は、印加される圧力の範囲にわたる、すなわち、印加される圧力の範囲にわたる各サイクルに対する最大動脈ボリュームと最小動脈ボリュームとの間のこの違いを示す信号を意味する。
ピーク間ボリューム振幅信号は、変化する印加される圧力の関数として、又は、例えば時間といった異なる変数の関数として動脈ボリュームのピーク間振幅の変動を表す波形により表される。必要なことは単に、信号が、印加される圧力が変えられているその期間にわたる動脈ボリュームのピーク間振幅の変動であることである。
特定の例によると、パルス到達時間モデルは、パルス到達時間と脈波伝播速度との間の第1の関連性、及び、脈波伝播速度と動脈ボリュームと動脈コンプライアンスとの間の第2の関連性に基づく。
例において、Va-osc信号は、パルス到達時間モデルのフィッティングを特徴付けるために使用される。Va-osc信号は、例えばフィッティングに対する制約として、例えばフィッティングにおけるパラメータ対する制約として使用される。
有益な例の集合によると、更なるモデルフィッティング工程は、
壁内外圧差の関数としての動脈ボリュームの異なるサンプル関数と動脈圧の関数としての動脈コンプライアンスの異なるサンプル関数とを繰り返し生成することと、
各サンプル動脈ボリューム関数に対して、対応するモデル化されたパルス到達時間関数を、パルス到達時間モデルを使用して生成することと、
各場合において、結果として得られるモデル化されたパルス到達時間関数をパルス到達時間の獲得された変動と比較することと、
を有する。
この手法により、測定されたパルス到達時間情報は、パルス到達時間モデルのフィッティングを特徴付けるために、又はガイドするために使用され得る。モデルがフィッティングされた後、それは更にPATをコンプライアンスに関連付けるので、コンプライアンスの尺度が導出され得る。
動脈ボリュームの異なるサンプル関数が、動脈ボリュームと動脈壁内外圧差とに関連した動脈ボリュームモデルを使用して生成される。
動脈ボリュームモデルは、例えば、
Figure 2022512449000003
という一般形態をとり、V(Ptm)は動脈壁内外圧差の関数としての動脈ボリュームであり、a、c、及びdはモデルに対するフィッティングパラメータであり、Ptmは壁内外圧差であり、Lはオシロメトリック測定デバイスの体接触部分の長さである。
動脈コンプライアンスの異なるサンプル関数は、例において動脈壁内外圧差に関して動脈ボリュームの異なるサンプル関数の導関数を取得することにより生成される。
上述のように参照される更なるモデルフィッティング工程は、例の1つ又は複数の集合によると、
壁内外圧差に関して、導出されたVa-osc信号を微分することにより、動脈コンプライアンスを示す信号を導出することと、
導出されたVa-osc信号と動脈コンプライアンスを示す導出された信号とをパルス到達時間モデルに代入することにより、モデル化されたパルス到達時間関数ΔPAToscを生成することと、
請求項5に記載の生成されたモデルパルス到達時間関数の各々を、モデル化されたパルス到達時間関数ΔPAToscと比較することと、
を有する。
これは1つの手段を表し、本手段により、オシロメトリック測定デバイスを使用して導出された動脈ボリューム信号Va-oscが出力動脈コンプライアンス尺度の導出に組み込まれ得る。特に、パルス到達時間モデルはPATを動脈ボリューム及び動脈コンプライアンスに関連付けるので、オシロメトリックVa-osc信号(及び壁内外圧差に関して導関数を取得することにより生成された対応するコンプライアンス信号)から、PAT関数を導出するために使用され得る。これは、サンプルVartとコンプライアンス関数とを使用して生成された上述のサンプルモデルパルス到達時間関数の各々と比較され得る。
比較は、類似性評価を実施することを有してもよい。これは、類似性の尺度を導出することを有してもよい。これは、例えばベイジアンアプローチに基づく。これは、以下で更に詳細に説明される。
比較の結果は、モデルフィッティング工程をガイドする。例えば、モデルフィッティング工程は、モデルにおいて、動脈壁内外圧差の関数としての動脈ボリュームの異なるサンプル関数を生成すること及びサンプリングすることに基づいて、繰り返される。
パルス到達時間モデルは、有益な例において、
Figure 2022512449000004
という形態をもち、ここで、
Figure 2022512449000005
であり、PWV(Ptm)は壁内外圧差の関数としての脈波伝播速度であり、ΔPATはパルス到達時間の変動であり、V(Ptm)は壁内外圧差の関数としての動脈ボリュームであり、C(Ptm)は壁内外圧差の関数としての動脈コンプライアンスであり、ρは血液密度であり、Lはオシロメトリー測定デバイスの体接触部分の長さである。Lは、更には特に、使用時に動脈に変動する圧力を印加するように適応されたデバイスの部分の長さである。
PWVrefはPtm=MAPであるときの脈波伝播速度であり、MAPは平均動脈圧である。平均動脈圧は、カフが外圧を一切印加していないときの動脈内の平均(又はベースライン)動脈圧である。これは、測定工程中に内部カフ圧力測定結果から抽出された動脈圧信号Partから導出され得る。それは、例えばこの信号のベースライン値である。これは、以下で更に詳細に説明される。したがって、PWVrefは、
Figure 2022512449000006
により与えられる。
このモデルは、よく知られたBramwell-Hillモデル、
Figure 2022512449000007
を使用するが、PATとPWVとの間の関連性を更に使用する。PATは、多くのシナリオにおいてPWVより直接測定しやすい。PWVは、測定することが困難なパルスが伝播する長さ及び心臓駆出前期間の知識情報を必要とする。上述のモデルは、より簡単なPATが測定されることを可能にする。
パルス到達時間を測定する手段は、ECG検出デバイスとPPGセンサーとを備える。パルス到達時間は、ECG信号のRピークとPPG信号における特定の特性点(例えばピーク)との間の時間差として導出される。使用時、PPGセンサーは、血圧測定デバイスの膨張可能カフが搭載されている同じ腕に沿った対象者の指に装着される。この手法により、パルス到達時間は、好ましくは血圧測定デバイスにより加圧されている同じ動脈に沿って測定される。
動脈ボリューム変動を示す信号の獲得は、徐々に膨張するようにオシロメトリック測定デバイスの膨張可能カフを制御し、もって、圧力範囲にわたってカフ下の動脈に対する印加される圧力を変えることを有する。
したがって、動脈ボリューム測定信号は、測定デバイスを使用して同時に獲得される。
壁内外圧差の範囲にわたるパルス到達時間の変動は、カフが徐々に膨張させられている間に、パルス到達時間の変動を監視することを有する。
動脈ボリューム変動を示す信号の獲得は、オシロメトリック測定デバイスの膨張可能カフ内の圧力変動を検出することと、検出された圧力変動とカフの知られた弾性とに基づいて動脈ボリューム尺度を導出することとを有する。
カフの所与の固定の膨張レベル/ボリュームに対して、すなわち、圧力の変動がカフに印加される圧力を変えるカフ下の動脈の増加/減少するボリュームに完全に起因するように、圧力変動が発生すると想定される。
例において、第1のモデルフィッティング工程は、
動脈ボリュームモデルを使用して壁内外圧差の関数として動脈ボリュームの異なるサンプル関数を生成することと、
印加される圧力の範囲にわたる動脈ボリュームのピーク間振幅の変動を表す対応するサンプル信号を各サンプル関数から抽出することと、
各サンプルピーク間ボリューム振幅信号を、測定された動脈ボリューム信号から抽出された、抽出されたボリューム振幅信号と比較することと、
を有する。
第1のモデル化工程は、最初に抽出されたボリューム振幅信号が、壁内外圧差の関数として表された動脈ボリューム信号に変換されることを効果的に可能にする。これは、動脈ボリューム-壁内外圧差関数(Va-osc信号)をもたらす。ここから、(壁内外圧差に関する導関数として)コンプライアンス情報が導出可能である。
比較の結果は、モデルフィッティングをガイドするために使用される。特に比較の結果は、更なるサンプル動脈ボリューム関数の繰り返しの生成を繰り返しガイドするために使用される。例えば、モデルのパラメータは、比較結果に従って繰り返し調節され、したがって、動脈ボリュームの将来生成される関数は、獲得された測定された動脈ボリューム情報により密に一致した振幅信号をもつ。
この手法により、動脈ボリュームの新しいサンプル関数の各々の生成は、繰り返しアプローチにおいて以前の比較の結果によりガイドされる。この手法により、動脈ボリュームモデルのパラメータは繰り返し最適化される。
有益な例の1つの集合によると、事前に規定された動脈ボリュームモデルは、
Figure 2022512449000008
という形態をもつ関連性に基づき、ここで、V(Ptm)は動脈壁内外圧差の関数としての動脈ボリュームであり、a、b、及びcはモデルに対するフィッティングパラメータであり、Ptmは壁内外圧差であり、Lはオシロメトリック測定デバイスの体接触部分の長さである。Lは、更には特に、使用時に動脈に変動する圧力を印加するように適応されたデバイスの部分の長さである。
本発明の更なる態様による例は、
オシロメトリック測定デバイスによる動脈に対する印加される圧力が圧力範囲にわたって変えられている間に、測定デバイス下に位置する動脈の動脈ボリュームの変動を示す信号を、オシロメトリック測定デバイスを使用して獲得することと、
印加される圧力の範囲にわたる動脈ボリュームのピーク間振幅の変動を示す信号を、動脈ボリューム信号から抽出することと、
動脈壁内外圧差が圧力範囲にわたってオシロメトリック測定デバイスにより変えられている間に、動脈に沿った特定の位置におけるパルス到達時間の変動を示す信号を、パルス到達時間を測定する手段を使用して獲得することと、
事前に規定された動脈ボリュームモデルを使用したモデルフィッティング工程に基づいて、動脈壁内外圧差の関数として動脈ボリュームを示す信号Va-oscを、抽出されたピーク間ボリューム振幅信号から導出することと、
導出されたVa-osc信号に基づいて、及び、パルス到達時間の獲得された変動に基づいて、動脈コンプライアンスを示す出力尺度を導出することであって、導出することが、パルス到達時間と動脈ボリュームと動脈コンプライアンスとの変動に関連した事前に規定されたパルス到達時間モデルを使用した更なるモデルフィッティング工程に基づく、導出することと、
を有する、動脈コンプライアンスの尺度を導出する方法を包含する。
例において、本方法は、デバイスが動脈に可変圧力を印加するために動脈の上方に位置する状態で、対象者の体の一部にオシロメトリック測定デバイスを取り付ける予備的ステップを更に有する。
方法は、例において、オシロメトリックデバイスによりボリューム変動が測定される同じ動脈に沿った特定の位置においてパルス到達時間の変動を測定するための適切な構成及び位置において体にパルス到達時間を測定する手段を取り付ける予備的ステップを更に有する。例えば、パルス到達時間を測定する手段は少なくともPPGセンサーを備え、PPGセンサーは対象者の腕に取り付けられたオシロメトリーデバイスより下流において対象者の指に取り付けられる。
血圧測定デバイスが適用される動脈は、例において上腕動脈である。
本発明の更なる態様による例は、
上述の又は後述の任意の例又は実施形態による、又は本出願の任意の請求項による制御ユニットと、
制御ユニットに動作可能に結合されたオシロメトリック血圧測定デバイスと、
制御ユニットに動作可能に結合されたパルス到達時間を測定する手段と、
を備える、動脈コンプライアンスの尺度を導出するためのシステムを提供する。
システムは、好ましくは、制御ユニットに動作可能に結合されたディスプレイを更に備え、制御ユニットは、導出された動脈コンプライアンス尺度を表す視覚出力を生成するようにディスプレイを制御するように適応される。
制御ユニットは、例えばリアルタイムの手法によりコンプライアンス値を繰り返し導出する。値は、提供されたディスプレイにリアルタイムで表示される。
システムは、例えば更なる生理学的パラメータ検出ユニットといった更なる患者情報源と通信する、又は動作可能に結合するための、及び、例えば動脈コンプライアンス情報に加えて更なる患者情報を記憶する、処理する、及び/又は表示するための手段を含む。
実施形態の更なる集合によると、システムは患者監視ユニットを更に備え、患者監視ユニットは制御ユニットを備える。制御ユニットは、患者監視ユニット内に収容され、又は、制御ユニットの機能が患者監視ユニットにより実施されるように、代替的に患者監視ユニットと機能的に統合される。オシロメトリック血圧測定デバイスは、患者監視ユニットに動作可能に結合される。パルス到達時間を測定する手段は、患者監視ユニットに動作可能に結合される。
患者監視ユニットは、例えば更なる生理学的パラメータ検出ユニットといった更なる患者情報源と通信するように、又は動作可能に結合するように、及び、例えば動脈コンプライアンス情報に加えて更なる患者情報を記憶する、処理する、及び/又は表示するように適応される。患者監視ユニットは、更なる情報及び/又は導出されたコンプライアンス尺度を表示するためのディスプレイを含む。
本発明のこれらの態様及び他の態様が、以下で説明される実施形態から明らかとなり、以下で説明される実施形態を参照しながら説明される。
本発明をより良く理解するために、及び、本発明がどのように実現されるかをより明確に示すために、以下で単なる例示として添付図面が参照される。
本発明の1つ又は複数の実施形態による、例示的な制御ユニット及びシステムのブロック図である。 例示的なオシロメトリック血圧測定デバイスの例示的な膨張可能カフを示す図である。 使用時の例示的なオシロメトリック血圧測定デバイスを示す図である。 例示的な動脈及び適用された膨張可能血圧測定カフを通る断面を示す図である。 1つ又は複数の実施形態による制御ユニットの例示的な実施態様における、時間の関数としてカフの印加される圧力を示す図である。 1つ又は複数の実施形態による制御ユニットの例示的な実施態様における、時間の関数としての膨張可能カフの内部膨張チャンバ圧力における振動を示す図である。 1つ又は複数の実施形態による制御ユニットの例示的な実施態様における、時間の関数としての動脈圧振動を示す図である。 1つ又は複数の実施形態による制御ユニットの例示的な実施態様における、時間の関数としての壁内外圧差振動を示す図である。 1つ又は複数の実施形態による制御ユニットの例示的な実施態様における、時間の関数としての導出された動脈ボリューム振動を示す図である。 図9の動脈ボリューム信号のピーク間振幅の変動を示す抽出された信号を示す図である。 壁内外圧差の関数としての動脈ボリュームの例示的な導出された関数を示す図である。
本発明は図を参照しながら説明される。
詳細な説明及び特定の例が装置、システム、及び方法の例示的な実施形態を示すとともに、単なる例示を目的とすることを意図したものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではないことが理解されなければならない。本発明の装置、システム、及び方法のこれらの、及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付図面からより良く理解されるようになる。図は概略図にすぎず、一定の縮尺で描かれないことが理解されなければならない。同一又は類似の部分を示すために、複数の図にわたって同じ参照符号が使用されることも理解されなければならない。
本発明は、獲得された動脈ボリューム変動信号と獲得されたパルス到達時間信号とに基づいて、動脈コンプライアンスの尺度を導出するための制御ユニット及び方法を提供する。オシロメトリック血圧測定デバイスは、動脈ボリューム変動信号を獲得するために使用される。動脈に対する印加される圧力がオシロメトリック血圧測定デバイスにより変えられている間に、動脈ボリュームとパルス到達時間の変動との両方が測定される。動脈ボリューム信号は、動脈ボリュームのピーク間振幅の変動を表す対応する信号に変換される。第1のモデルフィッティング工程は、このピーク間振幅信号を、壁内外圧差の関数として動脈ボリュームを示す信号に変換するために使用される。第2のモデルフィッティング工程は、導出された動脈ボリューム対壁内外圧差信号と、導出されたパルス到達時間変動信号とから、動脈コンプライアンスの最終的な出力尺度を生成するために使用される。
2つの異なるモダリティ源から取得された情報(動脈ボリューム及びPAT)を融合することにより、動脈コンプライアンスのより信頼性の高い推定結果が取得される。これは、とりわけ、以下の用途、すなわち、
- 患者の悪化のより早期の検出:動脈コンプライアンスの変化は多くの場合、血圧の大きい変化及び血行動態の不安定状態の前に発生する。
- 心臓血管疾患の診断及び処置:動脈コンプライアンスの測定は、心臓血管疾患の進行の評価及び処置に対する患者の反応性の評価において役割を果たし得る。
- 例えばパルス到達時間及びパルス形態特徴といった血圧代用尺度の校正の改善された正確さ
における改善を可能にする。
動脈コンプライアンスは例えば薬剤反応の観点から区別される群といった異なる患者群をより良く識別することにおける1つの有用な因子であるので、動脈コンプライアンスの正確な、及び、例えば、長期的な、継続的な、又は連続的な測定は、更に、パーソナライズされた医療工程の策定を少なくとも部分的に補助する。
図1は、本発明の1つ又は複数の実施形態による例示的な制御ユニット12を示す。制御ユニットは動脈コンプライアンスの尺度を導出するように構成される。制御ユニットはオシロメトリック血圧測定デバイス14とパルス到達時間を測定する手段16とに使用時に動作可能に結合可能である。
例示のために、オシロメトリック血圧測定デバイス14とパルス到達時間を測定する手段16とに結合された使用時の制御ユニットが図1に示される。パルス到達時間を測定する手段16は、この例ではECG検出デバイス22とPPGセンサー20とを備える。
したがって、図1は、動脈コンプライアンスの尺度を導出するための完成したシステム10を示す。本発明の1つの態様によると、制御ユニット12は単独で提供される。別の一態様では、制御ユニットと血圧測定デバイス14とパルス到達時間を測定する手段16とを含むシステム10が提供される。
制御ユニット12は、実施されたときに動脈コンプライアンスを示す出力尺度の導出をもたらす一連のステップを実施するように適応される。
制御ユニット12により実施される一連のステップが以下で要約して概説された後、更なる図を参照しながらステップの例示的な実施態様のより詳細な説明が続く。
制御ユニット12は、測定デバイスにより動脈に印加される圧力が圧力範囲にわたって変えられている間に、測定デバイスに接触していると想定される動脈の動脈ボリュームの変動を示す信号を、オシロメトリック血圧測定デバイス14を使用して獲得するように適応される。本出願に関する文脈において、動脈が測定デバイスとの間ですると想定される接触は、測定デバイスの特性のうちの幾つかが動脈のボリューム変動による影響を受けるような非直接的(非侵襲的)手法を包含した、より広い意味をもつ。
制御ユニット12は、圧力範囲にわたって印加される圧力を変えるようにオシロメトリック測定デバイス14を制御する。代替的に、オシロメトリック血圧測定デバイス14は、適用される圧力変動を制御するためのローカル制御装置を組み込んでいてもよく、又は、更なる補助制御装置が例えば圧力を制御するために提供されてもよい。
端的に言えば、測定デバイスは膨張可能カフを含む。カフは使用時に、継続的上昇圧力範囲にわたって動脈に印加される圧力を上げるために、徐々に膨張させられる。代替的に、カフは使用時に、低下印加圧力範囲にわたって印加される圧力が徐々に下げられる前に、問題となっている動脈を完全に閉塞するように膨張させられる。
いずれの場合も、カフは、印加される圧力が変えられている間に動脈の動脈ボリューム振動を検出するように適応される。これらのボリューム振動は、当然に、動脈コンプライアンス(壁内外圧差変化に応答した動脈壁の膨張)に依存する。
特に、これは、カフにおける膨張チャンバ内の内圧の変化、例えば振動を測定することにより実行される。所与の(固定の)カフ膨張に対して、このような振動は、下方の動脈が血液とともに脈動するときに下方の動脈によりカフに印加される圧力の変動を表すように取得され得る。カフのコンプライアンス(弾性)が知られている場合、これは、異なる印加される圧力の範囲の各々における動脈内の血液のボリューム変動を示す信号に変換され得る。例えば単にカフの表面に印加された圧力を検出するように構成された接触圧力センサー又はトランスデューサーといった他の圧力検出手段が更なる例において使用され得る。
制御ユニットは、印加される圧力の範囲にわたる動脈ボリュームのピーク間振幅を示す信号を、動脈ボリューム信号から抽出するように更に適応される。ピーク間ボリューム振幅信号は、上述の第1のステップにおいて獲得された動脈ボリューム信号の包絡線の全「高」の変動を表す信号を意味する。本例における包絡線は、信号に適用される場合のその通常の意味で使用され、例えばボリューム信号の極値の輪郭を描く滑らかな曲線のペアに対応する。
したがって、ボリューム振幅信号は、印加される圧力の範囲にわたる収縮相と拡張相との間の動脈ボリュームの全変化の変動に効果的に対応する。
制御ユニット12は、印加される圧力が圧力範囲にわたって変えられている間に、動脈に沿った特定の位置におけるパルス到達時間の変動を、パルス到達時間(PAT)を測定する手段16を使用して獲得するように更に適応される。例えば、パルス到達時間は、血圧測定デバイスが適用される同じ腕に沿った患者の指において測定される。パルス到達時間は、心臓から到達時間が測定される点までの血液パルスの移動時間を意味する。パルス到達時間は、例えば、獲得されたECG信号波形のRピークと獲得されたPPG信号における特定のピーク点との間の時間差から導出される。
したがって、オシロメトリック測定中に印加される圧力が変えられている間に、PATが測定される。印加される圧力が高くなるのに伴って、測定デバイス(例えばカフ)の長さ方向に沿った壁内外圧差が変えられ、PATが変動する。パルス到達時間の変動は壁内外圧差の範囲にわたる動脈の弾性特性を示し、したがって、本情報は動脈コンプライアンス情報を導出するために使用され得る。これは、以下で更に詳細に説明される。
制御ユニット12は、更に、事前に規定された動脈ボリュームモデルを使用した第1のモデルフィッティング工程に基づいて、動脈壁内外圧差の関数として動脈ボリュームを示す信号Va-oscを、抽出されたピーク間ボリューム振幅信号から導出するように適応される。これは以下で更に詳細に説明される。
制御ユニット12は、更にパルス到達時間と動脈ボリュームと動脈コンプライアンスとの変動に関連した事前に規定されたパルス到達時間モデルを使用する更なるモデルフィッティング工程を使用して、導出されたVa-osc信号に基づいて、及び、パルス到達時間の導出された変動に基づいて、動脈コンプライアンスを示す出力尺度を導出する。
したがって、この第2の動脈モデルは、獲得された情報のすべてを一緒に結び付けることを可能にし、獲得されたパラメータのすべてを使用した動脈コンプライアンスの出力尺度の導出を可能にする。
動脈コンプライアンスの導出された尺度を表す出力情報が生成される。この出力情報は、例えば、出力情報を表すデータメッセージの送信により、外部デバイス又はコンピュータ又はプロセッサに、制御ユニットにより通信される。
図2は、例において、動脈コンプライアンスの尺度を導出するために使用時に制御ユニットとともに使用される例示的なオシロメトリック血圧測定デバイス14を通る断面図を示す。
オシロメトリック測定デバイス14は、この例では血圧計の形態をとる。
例示的なオシロメトリック測定デバイス14は、膨張レベルを変えるために変えられ得るボリュームをもつ内部空気チャンバ34を含む膨張可能カフ32を備える。空気チャンバは、他の例において任意の流体チャンバであり得る。内部空気チャンバは、内部カフ圧力を検出する空気圧センサー36を収容している。
使用時に、膨張可能カフが対象者の体の一部、最も典型的には上腕の周囲に巻かれることにより、カフが体の一部に含まれる動脈に重なり、体の一部に含まれる動脈に圧力を印加するように構成される。
これは、上腕38に適用されたカフ32を示す図3に示される。この場合において、カフは上腕動脈に重なる。
使用時に、動脈が完全に閉塞されるまでカフが膨張させられる。次に、カフにより印加された圧力は、低下印加圧力範囲にわたって徐々に下げられ、内部カフ圧力が同時に(及び好ましくは連続的に)測定される。以下で更に詳細に説明されるように、この情報は動脈ボリューム変動を示す信号を導出するために使用される。代替的に、カフが代替的に徐々に膨張させられることにより、カフにより動脈に印加される圧力が上昇印加圧力範囲にわたって徐々に上げられる。いずれの場合も、印加される圧力は変化印加圧力範囲にわたって遷移させられ、これらは上昇していく圧力であるか、又は低下していく圧力である。
上記の例では、オシロメトリック血圧測定デバイスが膨張可能カフを備える血圧計タイプのデバイスであるが、これは1つの有益な例を表すにすぎない。オシロメトリック血圧測定デバイスの任意の代替的な形態が代替的に使用されてもよい。測定デバイスは、好ましくは、使用時に対象者の動脈に変動する印加される圧力を印加することが可能である。これは、任意の圧力印加手段を通したものであってもよい。
パルス到達時間を測定する手段16は、この例において心電図(ECG)検出デバイス22とフォトプレチスモグラム(PPG)センサー20とを備える。ECG検出デバイスは、使用時に患者の皮膚に互いに離隔して取り付けられる(図示されていない)電極のペアを備える。典型的には、電極は患者の心臓の両側に配置される。ECGセンサーの電極は心臓が拍動する度に心臓により生成される電気信号を検出する。これらの信号を監視することにより、心臓の活動を示す信号が導出される。
ECGセンサーの基礎となる理論及び動作は本分野においてよく知られており、詳細には説明されない。当業者はECG電気信号を獲得するためのECGを提供する手段、及び、ECG電気信号を獲得するためのECGを動作させる手段を理解する。
PPGセンサー20は使用時に皮膚に光を照射する光源(例えばLED光源)を備え、光吸収の変化を測定する。この形態のPPGは脈波型酸素飽和度計として知られている。他のタイプのPPGが当業者に知られることとなり、代替的に使用されてもよい。
フォトプレチスモグラフィ(PPG)は、照射されたエリアの光の反射率又は透過率の時間変化を評価する光学的測定技術である。PPGは、血液が周辺組織より多く光を吸収し、したがって、(例えば心拍ごとの)血液ボリューム又は血圧の変動が透過率又は反射率に相応に影響を与える原理に基づいている。検出された血液に関連した信号の変化を検出することにより、パルスに対応した周期的信号が取得され得る。
ECG検出デバイス22とPPGセンサーとがパルス到達時間を測定する手段を一緒に提供する。パルス到達時間は、例えば、2つの特徴的なピーク間の時間差、又はECGとPPGとにより出力された信号の信号特徴に基づいて導出される。
例えば、使用時に、PPGセンサー20は、血圧測定デバイスが配置されている同じ腕に沿って対象者の指(例えば、例示にすぎないが、矢印40により示されている指)に搭載される。次に、ECG及びPPG信号における基準点が、動脈に沿ったパルス移動時間の測定結果を導出するために使用され得る。
例えば、PPG信号におけるピークは、指における血液パルスの到達を示す。ECG信号のピーク(例えばRピーク)は収縮末期を示し、したがって、指において後で検出されるパルスの発生時点を示す。これらの信号ピーク間の差は、パルス到達時間の尺度として使用される。
制御ユニット12は、使用時に、動脈の動脈ボリュームの変動及びパルス到達時間の変動を示す信号を獲得ために、オシロメトリック血圧測定デバイス及びパルス到達時間を測定する手段を制御するように適応され、例えばオシロメトリック血圧測定デバイス及びパルス到達時間を測定する手段に制御コマンドを発するように適応される。代替的に、オシロメトリック血圧測定デバイス14及び/又はECG検出デバイスの各々が、それぞれの信号獲得を制御するためのローカル制御装置を組み込んでいてもよく、又は、検出デバイス間においてシェアされた、又は各々に対して1つの制御装置となるように、更なる補助制御装置がこの目的のために提供されてもよい。
しかし、上記の例では、例示的な血圧カフ32は動脈によりカフにもたらされる圧力振動を検出するための空気圧センサー36を組み込んでおり、他の例では、動脈48によりカフに印加された圧力の変化を検出するために他の手段が使用され得ることに留意されたい。これらは、例えば、動脈が拡張及び収縮するときに動脈により壁に印加される変化する圧力を直接検出するためにカフの壁52と機械的につながる接触圧力センサーを含む。他の例において、マイクロホンなどのトランスデューサーが、加えられた圧力によりもたらされる壁における振動を検出するために使用される。
動脈ボリューム変動情報、パルス到達時間、及び出力動脈コンプライアンス情報を獲得するためにここまでに簡単に説明されているステップが以下でより詳細に説明される。これらは、以下で説明されるステップにおける特定の例示的な実施態様を参照することにより説明される。これは本発明の概念を例示することを目的として単なる例示として提示され、概して本発明概念の限定ではない。
図4は、対象者の上腕38の例示的なセクションへの(膨張可能カフ32の形態をとる)例示的なオシロメトリック血圧測定デバイスの適用例の断面図を示す。特に、(例示としての)上腕動脈48と腕組織46の重なった層とを含む、対象者の腕の最上層部のみが示される。
カフの外壁52が腕の上面に装着されていることが示されている。カフの内部空気チャンバ34が示されており、圧力センサー36が空気チャンバの内部のカフ空気圧Pを測定するように適応されたカフ空気チャンバ内に収容されている。チャンバの内部のこの圧力は簡潔に「カフ圧力」Pと呼ばれる。
カフ圧力Pは、カフ空気チャンバ34内においてカフチャンバ34の壁52の内面に対して内側から加えられる圧力である。
動作中、膨張可能カフ32は腕の周囲に密に巻き付けることにより対象者に(例えば上腕に)取り付けられる。
次に、カフ膨張チャンバ34の内部のボリュームを徐々に大きくし、以て内部カフ圧力Pを徐々に高めることにより、カフが徐々に膨張させられる。
カフが膨張させられるにつれて、カフが上組織層46を介して動脈48に上昇する印加される圧力Pappを加える。カフにより動脈48の壁に印加されるこの圧力は、簡潔に印加される圧力Pappと呼ばれる。
印加される圧力Pappは、動脈48の境界壁56にカフにより印加される圧力である。
印加される圧力Pappは、多くの場合、内部カフ圧力P(又は、例えば、内部カフ圧力のベースライン値)、すなわち、カフの膨張チャンバの内部の圧力におおむね等しいと想定される。したがって、内部カフ圧力は、幾つかの例において、印加される圧力の尺度として使用される。
動脈48の内部では、血液が管腔に沿って流れ、心臓からポンプ搬送される。内部を流れる血液が動脈48の境界壁56の内面に外向きに圧力を加える。この圧力は動脈圧Partと呼ばれ、図4において矢印により示される。
動脈圧Partは、各心臓サイクルごとに値という観点で上下に振動する。圧力が収縮末期に最大レベルに到達し、拡張末期に最小値まで低下する。心臓の異なる相に関連したこれらの最大動脈圧値及び最小動脈圧値は、それぞれ、収縮期動脈血圧Psys及び拡張期動脈血圧Pdiaとして知られる。
動脈壁56をまたいだ壁内外圧差Ptmは、動脈圧Partと印加される圧力Pappとの間の差に等しい。これは、
tm=Part-Papp
と表され得る。
動作中、カフ膨張チャンバ34の内部のボリュームを徐々に大きくし、以て内部カフ圧力Pを徐々に高めることにより、カフが徐々に膨張させられる。これは、動脈48に対する徐々に上昇する印加される圧力Pappをもたらす。
図5は、1つの例示的な実施態様に対する、時間の関数としての印加される圧力Pappの変動を示す。y軸は印加される圧力Papp(単位:mmHg)を示し、x軸は測定工程の開始に対する、秒を単位とした時間を示す。
最小の印加される圧力において、動脈48は例えば完全に開く。最大の印加される圧力において、例えば動脈は完全に閉塞される。
印加される圧力Pappが高められるにつれて、動脈がカフにより益々圧縮されるようになり、以て、動脈48の管腔の局所的内径を小さくする。したがって、動脈、完全に開いた状態から完全に閉塞された状態まで徐々に遷移させられる。
圧縮される動脈壁56の部分における局所的な動脈圧は所与の時点における壁内外圧差に応じて、及び、一切の閉塞が存在しない状態における収縮期動脈血圧値及び拡張期動脈血圧値に応じて、特定の振幅を伴って振動する。
動脈圧Partの振動がカフ膨張チャンバ34の壁52に振動する圧力を加えるので、動脈圧Partの振動が血圧測定デバイスの膨張可能カフ32において検出され得る。この振動する圧力は、内部カフ圧力Pの小さい局所的な振動をもたらす。これらの振動は背景又はベースライン内部カフ圧力に重ね合わされ、カフ圧力センサー36により検出される。
カフ圧力Pの振動の振幅を検出することにより、時間の関数としての動脈圧Partの振動が抽出され得る。これが、以下で図6を参照しながら更に説明される。
図6は、局所的に振動する動脈圧Partの結果として膨張可能カフ32の膨張チャンバ34の内部において検出されるカフ圧力Pの例示的なトレンド除去された振動(y軸;mmHg)を表す波形を示す。振動はトレンド除去され、つまり、カフの漸次的な膨張に起因した変動するカフチャンバの内部の全体的な変動する広域的(又はベースライン)圧力から抽出される。したがって、示される波形において0のカフ圧力振動値は、膨張レベルにかかわらずベースライン総カフ圧力に等しくなるように校正される。カフ圧力ΔP(y軸)の振動はカフの印加される圧力Papp(x軸;mmHg)の関数として示される。
カフ圧力ΔPのこれらの検出された内部振動から、局所的な動脈圧Partの振動が導出され得る。示される例示的なP振動に対する対応する動脈圧振動の1つの部分集合が図7における波形により示される(y軸:動脈圧、単位はmmHg。x軸:時間、単位は秒)。振動の上側ピークが収縮期動脈圧Psysに対応しているのに対し、振動の下側の谷は拡張期動脈圧Pdiaに対応する。
カフ圧力ΔPの測定された内部振動から動脈圧Partの振動を導出することは、例えば変換アルゴリズム、又は例えば適切な経験的モデル又は数学モデルを使用して実施される。カフ圧力振動から動脈圧振動を導出するための1つの適切な技術は、F Babbs、Charles、(2012)、Oscillometric measurement of systolic and diastolic blood pressures validated in a physiologic mathematical model.、Biomedical engineering online.、11.56.10.1186/1475-925X-11-56の論文において詳細に説明されている。このモデルは、より以前からの侵襲性測定手段を使用して導出された測定されたPart値に密接に対応したPart測定結果を導出することが示されている。
この技術は単なる1つの例を表し、内部オシロメトリックカフ圧力からPartの変動を導出するために開発された多くの他の適切なアルゴリズムが存在し、当業者に知られている。
図7のこれらの導出された動脈血圧Partの振動、及び時間の関数としての知られた印加される圧力Pappの変動(図5に示される)から、動脈48の壁をまたいだ局所的な壁内外圧差Ptmの振動が導出され得る。
カフの印加される圧力Pappの関数として振動する対応する壁内外圧差Ptmを表す結果として得られる例示的な波形が図8に示されている。
カフ32のコンプライアンス、すなわち弾性が予め知られている場合、(図6に示される)検出されたカフ圧力Pの振動は、対応する動脈ボリュームVart振動に更に変換され得る。時間の関数としての局所的な動脈血圧振動は、動脈の圧縮されたセクションにおける局所的に振動する血液ボリュームを反映したものにすぎない。これらの動脈圧振動は、(上述のように、カフに対する動脈の加圧を介して)内部カフ圧力Pの振動として直接反映される。したがって、カフ弾性が知られている場合、検出された内部カフ圧力振動Pは、動脈ボリューム振動へと容易に処理され得る。
この例の場合、動脈ボリュームVart(y軸;単位:ml)の変動を示す結果として得られる信号が図9に示されている。この信号は、時間(x軸;単位:mmHg)の関数として示されている。しかし、他の例において、それは、例えば印加される圧力Pappといった異なる変数の関数としての信号により表されてもよい。必要なことは、信号が、印加される圧力が血圧測定カフ32により変えられているその期間にわたる動脈ボリューム変動又は振動を表すということだけである。
見てわかるように、信号は、カフの印加される圧力Pappが上げられ(図5参照)、及び局所的な動脈48の直径が小さくされるときの、心収縮相と心拡張相との間のボリュームの局所的な振動と、更には動脈ボリュームVartの広域的な減少傾向との両方を具現化する。
説明されるように、図9に示される動脈ボリュームVartの変動を示す信号は、減少傾向のベースラインの周りでの急激な局所的な振動を包含する。図9では、局所的な振動の包絡線が強調表示されている。特に信号の上側包絡線72と下側包絡線74とが示されている。
ボリューム波形全体を処理することは、結果として得られる計算結果を、特に信号においてノイズの影響を受けやすいまま放置する。結果として得られるコンプライアンス測定結果の正確さ又はロバスト性は、動脈ボリューム振動の上側ピーク及び下側ピーク、すなわち収縮期ボリューム及び拡張期ボリューム、又は、図9に示される信号の上側包絡線及び下側包絡線のみを考慮することにより高められ得る。
したがって、制御ユニット12は、使用時に、動脈ボリュームの変動を示す信号(この例では図9の信号)から、印加される圧力の範囲にわたる動脈ボリュームのピーク間振幅を示す信号を抽出するように適応される。これは、図9の信号の包絡線の「高さ」、すなわち(この例では)時間の関数として上側包絡線から上側包絡線を減算したものに対応する。ピーク間ボリューム振幅信号は、印加される圧力Pappの範囲にわたる動脈ボリュームのピーク間振幅の変動を表す。
図9における例示的な動脈ボリューム信号に対する結果として得られる抽出されたピーク間振幅信号(Vamp)が図10に示される。これは、時間(x軸;単位:秒)の関数としてピーク間動脈ボリューム振幅信号Vamp(y軸;単位:ml)を示す。しかし、他の例において、信号は、異なる変数の関数として、例えば印加される圧力Pappの関数として表現されてもよい。必要なことは、信号が印加される圧力が血圧測定カフ32により変えられている期間にわたる動脈ボリュームのピーク間振幅の変動であることだけである。
ピーク間動脈ボリューム振幅信号の抽出の後に、制御ユニット12は、動脈壁内外圧差Ptmの関数として動脈ボリュームVartを示す信号Va-oscを、抽出されたピーク間ボリューム振幅信号から導出するように適応される。
これは、数値的アプローチにより行われ得る。特にボリューム-壁内外圧差の関連性は事前に規定されたモデルにより表され、モデルのパラメータはフィッティング技術を通して導出される。好ましい例では、ベイジアンタイプモデルフィッティングアプローチが使用される。
したがって、Va-oscの導出は事前に規定された動脈ボリュームモデルを使用したモデルフィッティング工程に基づいて実施される。
動脈ボリュームに対する1つの例示的なモデルは、次のように、すなわち、
Figure 2022512449000009
と表され、V(Ptm)は動脈壁内外圧差の関数としての動脈ボリュームであり、a、c、及びdはモデルに対するフィッティングパラメータであり、Ptmは壁内外圧差であり、Lはオシロメトリック測定デバイスの体接触部分の長さである。この例において、Lはカフが装着された腕に平行な方向に沿ったカフの長さである。例えば図3に示される例示的なカフの長さは矢印「L」によりラベル付けされている。
カフの長さは事実上、カフ32が圧力を印加するように配置された動脈のセクションの長さを意味する。概して、カフが装着されているとき、カフの長さはカフの軸方向長さに対応する。カフが平面構成をとるようにほどかれたとき、カフの長さはほどかれたカフの寸法のうち短い方、例えばほどかれたカフの幅に対応する。これは図3に示された長さの寸法「L」から明確である。
上述の動脈ボリュームモデルは、Drzewiecki Gら、(1994)、Theory of the oscillometric maximum and the systolic and diastolic detection ratios.、Annals of Biomedical Engineering、22、88~96頁の論文において概説されているモデル関連性に基づいている。
これは、適用される単なる1つの例示的な動脈ボリュームモデルを表すことに留意されたい。当業者に明らかとなるように、多くの他の例示的なモデル及び対応する式が更に存在する。例えば、1つの更なる適切な例示的なモデル式が、F Babbs、Charles、(2012)、Oscillometric measurement of systolic and diastolic blood pressures validated in a physiologic mathematical model.、Biomedical engineering online.、11.56.10.1186/1475-925X-11-56の論文の6頁(式4a及び式4b)において概説されている。
上記の式(2)に戻ると、3つのフィッティングパラメータ、a、c、及びdは、例えばマルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)サンプリングを介してフィッティングされる。このようなフィッティング工程の実施態様は当業者により十分に理解可能であり、本開示では詳細には説明されない。
MCMCサンプリング及びデータフィッティングの詳細な説明は、例えば、Hogg、D.Wら、Data analysis recipes:Fitting a model to data、arXiv:1008.468の論文から理解される。MCMCサンプリングを包含するベイジアンタイプモデルフィッティングの基礎となる理論のより全般的な詳細な概観は、「Doing Bayesian Data Analysis」、John K.Kruschke著の書籍から理解される。
端的に言えば、モデルフィッティング工程は、上述の動脈ボリュームモデル(2)のためのパラメータの一連の異なる集合を繰り返しサンプリングすることと、結果として得られるサンプルボリューム関数の抽出されたピーク間振幅信号を、上述のように導出された真のピーク間ボリューム振幅信号と比較することと、各比較結果に基づいて、十分に近いマッチング結果が導出されるまで、新しい関数を繰り返し再サンプリングすることとを有する。
コンプライアンス関数の生理学的特性に関連した以前の全体的知識情報が、フィッティング工程を特徴付けるために、又は制約するために使用されてもよい。この事前の知識情報又は情報は、制御パラメータの選択において表される。事前情報は、例えばフィッティングのために制御パラメータが変えられる範囲を制約する。
より詳細には、本工程は、まず、上記の動脈ボリュームモデル式(2)を使用して壁内外圧差の関数として動脈ボリュームの異なるサンプル関数を生成することを有する。これは、パラメータa、c、及びdのサンプル集合を生成することと、結果として得られるサンプル動脈ボリューム関数を導出するためにこれらを式(2)に代入することとを伴う。
サンプル関数は、好ましくは1回に1つ繰り返し生成される。
1つの例示的な動脈ボリューム-壁内外圧差関数が図11に示されている。y軸は動脈ボリュームVart(単位:ml)を表し、x軸は壁内外圧差Ptmを表す。
変化する印加される圧力の関数として、又は時間の関数として考えられる場合のボリュームのピーク間振幅の変動、すなわち、時間又は印加される圧力の関数として考えられる場合のボリューム変動信号の包絡線の高さを表す対応するサンプル信号を、生成されたサンプルボリューム関数の各々から抽出することが必要とされる。
このボリューム振幅信号は、既に導出された壁内外圧差Ptm関数(図8)を使用して振動により実質的に構成された振動である。壁内外圧差関数は、印加される圧力の範囲にわたって壁内外圧差がどのように振動するかを示す。この信号における各振動に対して、上側壁内外圧差値及び下側壁内外圧差値が読み取られる。次に、生成されたサンプルモデルVart関数が参照され、及びこれらの上側壁内外圧差及び下側壁内外圧差の各々に対する対応するモデル化されたVart値が識別される。次に、その振動に対する対応するピーク間動脈ボリューム振幅を導出するために、これらが互いに減算される。そして次に、これが適切な時点で、又は波形に沿った印加される圧力点で、新しい構成されたボリューム振幅信号へとプロットされる。
次に、この手順が壁内外圧差関数(図8)における振動の各々に対して繰り返され、以て、印加される圧力Pappの範囲にわたるピーク間ボリューム振幅(y軸)を表す完全な波形を生成する。ピーク間振幅信号は、壁内外圧差関数において使用される変数に応じて、カフの印加される圧力の関数として、又は例えば時間といった異なる変数の関数として表される。必要なことは、信号が、印加される圧力が血圧測定カフ32により変えられるその期間にわたる動脈ボリュームのピーク間振幅の変動であることだけである。
動脈ボリュームのピーク間振幅の変動を表す信号を生成するための上述の工程は、生成されたサンプル(モデル)動脈ボリューム関数の各々に対して実施される。
各サンプルモデルVart関数に対して、対応するボリューム振幅信号が、真の測定結果から導出されたボリューム振幅信号(図10)と比較される。
十分に近くマッチングしたボリューム振幅信号が導出されるまで、本工程(すなわち、ボリューム振幅信号の生成、及び真のボリューム振幅信号との比較)が繰り返し反復される。
次に、対応する生成されたサンプル動脈ボリューム関数が、(動脈コンプライアンスの出力尺度を生成するための後続のステップにおける使用のための)動脈壁内外圧差の関数として動脈ボリュームを示す信号Va-oscとして選択される。
幾つかの例において、動脈コンプライアンスの初期の又は近似の尺度が、壁内外圧差に関して、選択されたサンプル動脈ボリューム関数を微分することにより、この時点においてすぐに生成される。次に、これは壁内外圧差の関数として動脈コンプライアンスを示す信号をもたらす。
壁内外圧差の関数として動脈ボリューム変動を表す信号を導出するための上述の工程に加えて、カフの印加される圧力Pappの範囲にわたるパルス到達時間を示す情報が更に獲得される。したがって、カフが徐々に膨張する(又は代替的な例において収縮する)間に、パルス到達時間(PAT)が更に測定される。
パルス到達時間は、コンプライアンスと知られた関連性をもつ脈波伝播速度(PWV)に関連付けられ得る。
脈波伝播速度、すなわち、圧力波が心臓から動脈に沿って伝播する速度は、動脈硬化度を示し、したがって黙示的に動脈コンプライアンスを示す。
しかし、PWV自体は、測定することが困難であり得る。したがって、パルス到達時間(PAT)は代替的に直接測定され、次に後から戻ってPWVに関連付けられ得る。
PATを測定する1つの例示的な手段は、ECG検出デバイス22の信号のR波のRピークとPPGセンサー20の信号における何らかの特徴的なピーク又は他の点との間の時間差(すなわちインターバル)を特定することである。したがって、これは、心臓からPPGセンサーが装着された点(例えば(例えば図3に示される)対象者の指40)までの各血液パルスの移動時間の尺度を効果的に与える。
PATを測定した後、次の式、すなわち、
Figure 2022512449000010
を使用して、対応するPWVを直接導出することが可能であり、ここで、長さは、心臓と測定点との間の血液パルスが伝播する(それぞれの動脈に沿った)距離を表し、PEPは、心臓駆出前期間である。駆出前期間は当技術分野の用語であり、心室収縮(及び半月弁の開放)の発生と大動脈への血液排出の開始との間の期間を意味する。
上述のように、カフが膨張する間に、したがって印加される圧力Pappが上昇圧力範囲にわたって変えられている間にPATが測定される。印加される圧力が高くなるのに伴って、カフの長さに沿った壁内外圧差が変えられ、これがPAT値を変える。
上述のように、PWVは動脈の弾性特性を示す情報を具現化する。測定されたPATをPWVに関連付けることは、これらの弾性特性を定量化することを可能にする。しかし、PEP及びパルスが伝播する長さは測定することが困難であるので、PATは、下記の式(4)により記述された異なる関連性を介してPWVに関連付けられ得る。この式は、PATの変化が測定カフ下の領域において主に生成されるという知識情報に基づいている。
Figure 2022512449000011
ここで、PWV(Ptm)は壁内外圧差の関数としての脈波伝播速度であり、ΔPATは壁内外圧差の関数としてのパルス到達時間の変動であり、及びLはオシロメトリー測定デバイスの体接触部分の長さである。
PWV自体は、次のBramwell-Hill方程式、すなわち、
Figure 2022512449000012
により動脈コンプライアンスに関連付けられ得、ここで、V(Ptm)は壁内外圧差の関数としての動脈ボリュームであり、C(Ptm)は壁内外圧差の関数としての動脈コンプライアンスであり、ρは血液密度であり、PWV(Ptm)は壁内外圧差の関数としての脈波伝播速度である。
PWVrefはPtm=MAPであるときの脈波伝播速度であり、MAPは平均動脈圧である。平均動脈圧は、カフが外圧を一切印加していないときの動脈内の平均(又はベースライン)動脈圧Partである。これは、上述の工程において内部カフ圧力Pから抽出された(図7に示される)動脈圧信号Partから導出され得る。それは、例えばこの信号のベースライン値になるように取得される。それは、印加される圧力がゼロであるとき、すなわち図7(及び図5)の例における時点t=0において、この信号のベースライン値として取得される。したがって、PWVrefは、
Figure 2022512449000013
により与えられ、ここで、シンボルC、ρ、及びVは、上記の式(5)に対して概説されたものと同じ意味をもつ。
上記の式(4)及び式(5)は、次のように、パルス到達時間の変動ΔPAT、動脈ボリュームV(Ptm)、及び動脈コンプライアンスC(Ptm)を関連付けるパルス到達時間のモデルを提供するために組み合わされてもよい。
Figure 2022512449000014
例の1つの集合によると、獲得された(測定された)パルス到達時間信号に対してモデルにフィッティングして、したがって、測定されたパルス到達時間信号を特徴付けるV(Ptm)及びC(Ptm)パラメータを導出するために、モデルフィッティング工程が実施され得る。例示的なこのような工程が以下で説明される。
例の1つの集合によると、動作中、血圧測定カフが徐々に膨張し、したがって動脈48に対する印加される圧力が圧力範囲にわたって徐々に大きくなる間に(図5参照)、印加される圧力が圧力範囲にわたって変えられている間に、動脈に沿った特定の位置におけるパルス到達時間の変動ΔPATを示す信号を、制御ユニット12がECG検出デバイス22とPPGセンサー20とを使用して獲得する。これは、ΔPATmeasと呼ばれる。
次に(本例によると)、制御ユニットが壁内外圧差の関数としての動脈ボリュームの異なるサンプル関数と壁内外圧差の関数としての動脈コンプライアンスの異なるサンプル関数とを繰り返し生成するように適応される。
これは、パラメータa、c、及びdの異なる集合をサンプリングすることにより、上記の式(2)を使用して行われ得る。これは、異なるサンプルVart(Ptm)関数をもたらす。これらの各々が、壁内外圧差Ptmに関して微分され、壁内外圧差C(Ptm)の関数として動脈コンプライアンスの対応する関数をもたらし得る。
各サンプル動脈ボリューム関数と対応する動脈コンプライアンス関数とのペアに対して、対応するモデル化されたパルス到達時間関数ΔPAT(Ptm)が、上記のパルス到達時間モデル式(6)を使用して、すなわち、サンプルV(Ptm)関数とサンプルC(Ptm)関数とを(他のパラメータとともに)式(6)に代入することにより生成される。
次に、パルス到達時間の、結果として得られるサンプルのモデル化された関数の各々が、パルス到達時間の変動ΔPATtrueを示す上述の獲得された信号と比較される。したがって、サンプリングされた関数が、真の測定されたパルス到達時間変動信号と比較される。
十分に近くフィッティングしたΔPAT(Ptm)関数が導出されるまで、異なる試行的なV(Ptm)関数と対応するC(Ptm)関数とのサンプリングが繰り返し継続される。
上述のモデルフィッティング工程は、上述の同じマルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)サンプリングアプローチを使用して実施される。同様に、このようなフィッティング工程の実施態様は当業者により十分に理解可能であり、本開示では詳細には説明されない。
要約すると、上述のモデルフィッティング工程は、上述の動脈ボリュームモデル(2)に対する一連の異なるパラメータの集合を繰り返しサンプリングすることを有し、次に、各集合に対して、結果として得られるサンプルVartモデル関数が対応するコンプライアンス関数を導出するために微分される。Vart及びコンプライアンス関数は、対応するサンプルΔPAT(Ptm)関数(式(6))を生成するために使用される。これが真のΔPATtrue関数と比較され、比較結果に基づいて、十分に近くマッチングしたΔPAT(Ptm)関数が導出されるまで、新しい関数が繰り返し再サンプリングされる。
この工程の最後に、対応するV(Ptm)関数とC(Ptm)関数とが、結果的に直接取得される。したがって、コンプライアンス情報が取得される。
PAT導出コンプライアンス情報と(ボリューム変動に基づく)上述のオシロメトリー導出コンプライアンス情報との組み合わせが異なる手法により達成される。
例の1つの集合によると、オシロメトリック血圧測定結果から導出された、動脈壁内外圧差の関数として動脈ボリュームを示す最終的な導出された信号Va-oscが(これがまだ行われていない場合)、まず、動脈コンプライアンスを示す対応する信号を導出するために壁内外圧差に関して微分される。
このオシロメトリック動脈ボリューム信号Va-oscと対応するコンプライアンス信号とが、次に、Va-osc信号と対応するコンプライアンス信号とに対する対応するモデル化されたパルス到達時間関数を生成するために、上記のパルス到達時間モデル信号(5)に代入される。
この生成されたモデルパルス到達時間関数は、測定されたPAT信号に対するΔPAT(Ptm)関数を識別するために上述のように参照されるモデルフィッティング工程において事前情報として使用される。例えば、サンプルの生成されたV(Ptm)関数とC(Ptm)関数とから導出された生成されたサンプルΔPAT(Ptm)関数の各々が、真の測定されたΔPATtrue信号と、更にはオシロメトリック情報から生成された、生成されたモデルΔPAT(Ptm)関数との両方と比較される。各々に関連した類似性が、最終的なサンプルΔPAT(Ptm)関数を選択することにおいて考慮される。例えば、最小類似性閾値、又は両方に関連した制約が与えられる。
したがって、最終的なサンプルの生成されたΔPAT(Ptm)関数は、オシロメトリック導出情報と測定されたΔPATtrue情報との両方に関連して最小レベルの類似性を満たす。
したがって、両方の情報入力源が組み合わさって、最終的なモデル化されたΔPAT(Ptm)関数を生成する。
ここから、対応する動脈コンプライアンス関数C(Ptm)の関数パラメータが直接取得され得る(上記の式(6)を参照されたい)。このコンプライアンス関数は動脈コンプライアンスの出力尺度を提供する。
制御ユニット12は、例えば、動脈コンプライアンスのこの最終的な尺度を表す出力データ信号を生成する。
PAT導出コンプライアンス情報及び(ボリューム変動に基づく)オシロメトリー導出コンプライアンス情報は、他の手法により組み合わされ得る。
例えば、PAT情報が比較される事前情報としてオシロメトリックコンプライアンス情報を使用して最終的なモデル化されたΔPAT(Ptm)を導出するのではなく、独立したコンプライアンス尺度が、オシロメトリー情報とPAT情報との各々をそれぞれ使用して(例えば同時に)生成される。次に、これらの尺度は、例えば平均化工程、又は任意の他の組み合わせ工程により組み合わされる。
1つの尺度は、例えば、尺度の各々を導出するために使用される信号におけるノイズの推定された相対的な程度に基づいて、この組み合わせにおいて他のものより重く重み付けされる。
他の例において、オシロメトリックコンプライアンス情報が以前情報として使用される代わりに、PAT情報がオシロメトリー測定結果からのコンプライアンスの導出を特徴付ける事前情報として使用される。
更なる例において、PAT情報もオシロメトリー情報も事前情報として使用されない。代替的に、各繰り返しにおいて、1つのシミュレーションによるコンプライアンス値(又は動脈ボリューム尺度)が、PAT導出情報(例えばPAT導出コンプライアンス)とオシロメトリック情報(例えばオシロメトリック導出コンプライアンス)との両方と比較される。
損失関数が、情報の2つの集合に関連して差異又は差を考慮するために使用される。これは、例えば、例えば別の臨床パラメータ、又は、特定のパラメータ間の別の事前に規定された関連性といった、モデルフィッティングのための事前情報としての異なる尺度又は情報源を使用する可能性を可能にする。
システムを実現するとき、それは典型的には、特定の臨床現場における初期試行期間を経る。臨床試験は、異なる臨床シナリオにおいて、最終的な導出されたコンプライアンス尺度に、及び更に、オシロメトリック導出コンプライアンス尺度とPAT導出コンプライアンス尺度との間に現れる差を明らかにし得る。理想的な場合には、臨床試験は病院自体の測定デバイスを使用して(例えば特定の選択された血圧カフを使用して)行われる。利用可能な測定デバイスに応じて、コンプライアンス測定における特定の程度の正確さが達成される。この正確さは、例えば、特定の測定システムの知られたサンプルレート、PPG信号における標準誤差、カフ膨張の持続期間(測定において記録された心拍数)、呼吸アーティファクトの任意の効果、及び実際の臨床シナリオにおいて測定に影響する任意の他の関連因子に基づいて決定される。
これらの因子の評価は、例えば、コンプライアンス尺度導出工程におけるオシロメトリック情報及びPAT情報に対する適切な重みの選択を特徴付ける。
上述のモデルフィッティング工程は、最終的なモデル化されたΔPAT(Ptm)関数(ひいては最終的な対応する推定されたコンプライアンス値)として、測定されたPAT関数及び/又はオシロメトリーベースのモデル化されたΔPAT関数との最高の比較又は類似性スコアをもつそのモデルを選択することを有する。
更なる例において、測定されたデータ又は測定されたPAT関数に対して最大未満の類似性をもった、取り得るコンプライアンス測定値の分布が考慮される。例えば、試行されたモデル関数(例えばPAT関数)の集合全体が、幾つかの例において、それらの相対的な類似性スコアとともに考慮され、ここから、最終的な導出されたコンプライアンス尺度値における不確かさの尺度が特定される。例えば、正確さのそれらの相対的な確率を考慮した、取り得るコンプライアンス値における広がり又はばらつきが考慮され、不確かさの尺度がここから導出される。
このアプローチは標準的なベイジアン技法の一部であり、当業者に十分に理解される。この理由により、それは本例において詳細には説明されない。当業者はこのような手法をどのように実施するかを理解する。
不確かさの導出された尺度は、例えば、システムのディスプレイパネル、例えば患者モニターデバイスのディスプレイパネルに表示される。
不確かさの定量化は、幾つかの例において、追加的な測定を自動的にトリガーするために使用され、又は、単に、例えばより侵襲性のタイプの監視といった更なる調査について決断する場合に臨床医を補助することに使用される。
本発明の更なる態様による例は、上述の例又は実施形態のうちの任意のものによる、又は、本出願の任意の請求項による制御ユニット(12)と、制御ユニットに動作可能に結合されたオシロメトリック血圧測定デバイスと、制御ユニットに動作可能に結合されたパルス到達時間を測定する手段とを備える、動脈コンプライアンスの尺度を導出するためのシステム(10)を提供する。
1つ又は複数の例によると、システムは患者監視ユニットを更に備える。患者監視ユニットは、例えば制御ユニットを備える。
ここまでに説明されているように、実施形態は制御ユニットを使用する。制御ユニットは、制御装置である。制御装置は、必要とされる様々な機能を実施するために、ソフトウェア及び/又はハードウェアを使用して多くの手法により実現され得る。プロセッサは、要求される機能を実施するようにソフトウェア(例えばマイクロコード)を使用してプログラムされる1つ又は複数のマイクロプロセッサを使用する制御装置の一例である。しかし、制御装置はプロセッサを使用して実現されてもよく、又は使用せずに実現されてもよく、幾つかの機能を実施する専用ハードウェア、及び、他の機能を実施するプロセッサ(例えば、1つ又は複数のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連する回路)の組み合わせとして実現されてもよい。
本開示の様々な実施形態において使用される制御装置コンポーネントの例は従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を包含するが、これらに限定されない。
様々な実施態様において、プロセッサ又は制御装置は、1つ又は複数の記憶媒体、例えば揮発性及び不揮発性コンピュータメモリ、例えば、RAM、PROM、EPROM、及びEEPROMと関連付けられてもよい。記憶媒体は、1つ又は複数のプロセッサ及び/又は制御装置において実行されたときに要求される機能を実施する1つ又は複数のプログラムを使用して符号化されてもよい。様々な記憶媒体は、プロセッサ又は制御装置内に固定されてもよく、又は様々な記憶媒体に記憶された1つ又は複数のプログラムがプロセッサ又は制御装置にロードされ得るように、移動可能であってもよい。
開示されている実施形態の変形例が、図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲の考察により、請求項に記載された発明を実施する当業者により理解及び実現され得る。特許請求の範囲において、「備える(含む、有する、もつ)」という表現は、他の要素もステップも排除せず、単数形の表現は複数を排除しない。1つのプロセッサ又は他のユニットが、特許請求の範囲に記載されている幾つかの項目の機能を実現してもよい。単に特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているということが、利点を得るためにこれらの手段の組み合わせが使用不可能なことを示すわけではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一体的に、又は他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な媒体に記憶されてもよい/適切な媒体に格納して配布されてもよいが、例えばインターネット又は他の有線又は無線電気通信システムを介して他の形態で配布されてもよい。特許請求の範囲における参照符号は、いずれも特許請求の範囲を限定するように解釈されてはならない。

Claims (15)

  1. オシロメトリック血圧測定デバイスとパルス到達時間を測定する手段とに使用時に動作可能に結合可能な、動脈コンプライアンスの尺度を導出するための制御ユニットであって、前記制御ユニットが、
    前記オシロメトリック血圧測定デバイスにより動脈に印加される圧力が圧力範囲にわたって変えられている間に、前記オシロメトリック血圧測定デバイスに接触していると想定される前記動脈の動脈ボリュームの変動を示す動脈ボリューム信号を、前記オシロメトリック血圧測定デバイスを使用して獲得することと、
    前記印加される圧力の前記圧力範囲にわたる前記動脈ボリュームのピーク間振幅を示すピーク間ボリューム振幅信号を、前記動脈ボリューム信号から抽出することと、
    前記印加される圧力が前記圧力範囲にわたって変えられている間に、前記動脈に沿った特定の位置におけるパルス到達時間の変動を示す信号を、前記パルス到達時間を測定する手段を使用して獲得することと、
    事前に規定された動脈ボリュームモデルを使用した第1のモデルフィッティング工程に基づいて、動脈壁内外圧差の関数として前記動脈ボリュームを示すVa-osc信号を、抽出された前記ピーク間ボリューム振幅信号から導出することと、
    前記パルス到達時間と前記動脈ボリュームと前記動脈コンプライアンスとの変動に関連した事前に規定されたパルス到達時間モデルを使用した更なるモデルフィッティング工程を使用して、導出された前記Va-osc信号に基づいて、及び、獲得された前記パルス到達時間の変動を示す信号に基づいて、前記動脈コンプライアンスを示す出力尺度を導出することと、
    を行う、
    制御ユニット。
  2. 前記パルス到達時間モデルが、前記パルス到達時間と脈波伝播速度との間の関連性、及び、前記脈波伝播速度と前記動脈ボリュームと前記動脈コンプライアンスとの間の関連性に基づく、
    請求項1に記載の制御ユニット。
  3. 前記Va-osc信号が、前記パルス到達時間モデルのフィッティングを特徴付けるために使用される、
    請求項1又は2に記載の制御ユニット。
  4. 前記更なるモデルフィッティング工程が、
    前記動脈壁内外圧差の関数としての前記動脈ボリュームの異なるサンプル関数と動脈圧の関数としての前記動脈コンプライアンスの異なるサンプル関数とを繰り返し生成することと、
    前記動脈ボリュームの各前記サンプル関数に対して対応するモデル化されたパルス到達時間関数を、前記パルス到達時間モデルを使用して生成すること、及び、各場合において、結果として得られる前記モデル化されたパルス到達時間関数を、獲得された前記パルス到達時間の変動を示す信号と比較することと、
    を有する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の制御ユニット。
  5. 前記動脈コンプライアンスの異なる前記サンプル関数が、前記動脈壁内外圧差に関して前記動脈ボリュームの各前記サンプル関数の導関数を取得することにより生成される、
    請求項4に記載の制御ユニット。
  6. 前記更なるモデルフィッティング工程が、前記動脈壁内外圧差に関して、導出された前記Va-osc信号を微分することにより、前記動脈コンプライアンスを示す信号を導出することと、
    導出された前記Va-osc信号と前記動脈コンプライアンスを示す導出された前記信号とを前記パルス到達時間モデルに代入することにより、モデル化されたパルス到達時間関数ΔPAToscを生成することと、
    請求項4に記載の制御ユニットにおいて生成された前記モデル化されたパルス到達時間関数の各々を、前記モデル化されたパルス到達時間関数ΔPAToscと比較することと、
    を有する、
    請求項4又は5に記載の制御ユニット。
  7. 前記パルス到達時間モデルが、
    Figure 2022512449000015
    の形態をもち、ここで、
    Figure 2022512449000016
    であり、ここで、PWV(Ptm)が前記動脈壁内外圧差の関数としての脈波伝播速度であり、ΔPATが前記パルス到達時間の前記変動であり、V(Ptm)が前記動脈壁内外圧差の関数としての前記動脈ボリュームであり、C(Ptm)が前記動脈壁内外圧差の関数としての前記動脈コンプライアンスであり、ρが血液密度であり、Lが前記オシロメトリック血圧測定デバイスの体接触部分の長さであり、PWVrefがPtm=MAPであるときの前記脈波伝播速度であり、MAPが平均動脈圧である、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の制御ユニット。
  8. 前記パルス到達時間を測定する手段が、ECG検出デバイスとPPGセンサーとを備える、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の制御ユニット。
  9. 前記動脈ボリュームの前記変動を示す前記動脈ボリューム信号を獲得することが、徐々に膨張するように前記オシロメトリック血圧測定デバイスの膨張可能カフを制御することにより、前記印加される圧力の前記圧力範囲にわたって前記膨張可能カフ下の前記動脈に前記印加される圧力を変えることを有する、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の制御ユニット。
  10. 前記第1のモデルフィッティング工程が、
    前記動脈ボリュームモデルを使用して前記動脈壁内外圧差の関数として前記動脈ボリュームの異なるサンプル関数を生成することと、
    前記印加される圧力の前記圧力範囲にわたる前記動脈ボリュームの前記ピーク間振幅の変動を表す対応するサンプルピーク間ボリューム振幅信号を、各前記サンプル関数から抽出することと、
    各前記サンプルピーク間ボリューム振幅信号を、請求項1の抽出された前記ピーク間ボリューム振幅信号と比較することとを有する、
    請求項1から9のいずれか一項に記載の制御ユニット。
  11. 事前に規定された前記動脈ボリュームモデルが、
    Figure 2022512449000017
    の形態をもつ関連性に基づき、ここで、V(Ptm)が前記動脈壁内外圧差の関数としての前記動脈ボリュームであり、a、c、及びdがモデルに対するフィッティングパラメータであり、Ptmが前記動脈壁内外圧差であり、Lが前記オシロメトリック血圧測定デバイスの体接触部分の長さである、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の制御ユニット。
  12. オシロメトリック血圧測定デバイスによる動脈に対する印加される圧力が圧力範囲にわたって変えられている間に、前記オシロメトリック血圧測定デバイスに接触していると想定される前記動脈の動脈ボリュームの変動を示す動脈ボリューム信号を、前記オシロメトリック血圧測定デバイスを使用して獲得するステップと、
    前記印加される圧力の前記圧力範囲にわたる前記動脈ボリュームのピーク間振幅の変動を示すピーク間ボリューム振幅信号を、前記動脈ボリューム信号から抽出するステップと、
    動脈壁内外圧差が前記圧力範囲にわたって変えられている間に、前記動脈に沿った特定の位置におけるパルス到達時間の変動を示す信号を、パルス到達時間を測定する手段を使用して獲得するステップと、
    事前に規定された動脈ボリュームモデルを使用したモデルフィッティング工程に基づいて、前記動脈壁内外圧差の関数として前記動脈ボリュームを示すVa-osc信号を、抽出された前記ピーク間ボリューム振幅信号から導出するステップと、
    導出された前記Va-osc信号に基づいて、及び獲得された前記パルス到達時間の前記変動を示す前記信号に基づいて、動脈コンプライアンスを示す出力尺度を導出するステップであって、前記導出するステップが、前記パルス到達時間と前記動脈ボリュームと前記動脈コンプライアンスとの変動に関連した事前に規定されたパルス到達時間モデルを使用した前記更なるモデルフィッティング工程に基づく、導出するステップと、
    を有する、動脈コンプライアンスの尺度を導出する方法。
  13. 前記オシロメトリック血圧測定デバイスが前記動脈に可変圧力を印加するために前記動脈の上方に位置する状態で、対象者の体の一部に前記オシロメトリック血圧測定デバイスを取り付ける予備的ステップを更に有する、
    請求項12に記載の方法。
  14. 請求項1から11のいずれか一項に記載の制御ユニットと、
    前記制御ユニットに動作可能に結合されたオシロメトリック血圧測定デバイスと、
    前記制御ユニットに動作可能に結合されたパルス到達時間を測定する手段と、
    を備える、動脈コンプライアンスの尺度を導出するためのシステム。
  15. 患者監視ユニットを更に備え、前記患者監視ユニットが、前記制御ユニットを備える、
    請求項14に記載のシステム。
JP2021534229A 2018-12-18 2019-12-09 動脈コンプライアンスの尺度を導出するための制御ユニット Active JP7138797B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP18213276.1A EP3669762A1 (en) 2018-12-18 2018-12-18 Control unit for deriving a measure of arterial compliance
EP18213276.1 2018-12-18
PCT/EP2019/084118 WO2020126576A1 (en) 2018-12-18 2019-12-09 Control unit for deriving a measure of arterial compliance

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022512449A true JP2022512449A (ja) 2022-02-03
JP7138797B2 JP7138797B2 (ja) 2022-09-16

Family

ID=65003098

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021534229A Active JP7138797B2 (ja) 2018-12-18 2019-12-09 動脈コンプライアンスの尺度を導出するための制御ユニット

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20220071496A1 (ja)
EP (2) EP3669762A1 (ja)
JP (1) JP7138797B2 (ja)
CN (1) CN113226161A (ja)
WO (1) WO2020126576A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3964124A1 (en) * 2020-09-02 2022-03-09 Koninklijke Philips N.V. Method and apparatus for estimating the reliability of cardiac output measurements
EP4011284A1 (en) 2020-12-10 2022-06-15 Koninklijke Philips N.V. Method and apparatus for determining information about an arterial property of a subject
CN116712051A (zh) * 2023-06-08 2023-09-08 合肥中科博谐科技有限公司 一种无创血压测量方法、装置、计算机设备和存储介质

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006141849A (ja) * 2004-11-24 2006-06-08 Matsushita Electric Works Ltd 動脈壁硬化度測定装置
JP2018525106A (ja) * 2015-08-14 2018-09-06 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア 血圧計カフを使用して内皮機能を評価し較正済みuFMDデータを提供すること

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6027452A (en) * 1996-06-26 2000-02-22 Vital Insite, Inc. Rapid non-invasive blood pressure measuring device
JP2002541894A (ja) * 1999-04-21 2002-12-10 捷 ▲かん▼ 無侵襲血圧測定方法と装置
US6120459A (en) * 1999-06-09 2000-09-19 Nitzan; Meir Method and device for arterial blood pressure measurement
US6648828B2 (en) * 2002-03-01 2003-11-18 Ge Medical Systems Information Technologies, Inc. Continuous, non-invasive technique for measuring blood pressure using impedance plethysmography
JP2003284696A (ja) * 2002-03-28 2003-10-07 Omron Corp 電子血圧計および電子血圧計の血圧測定方法
US20060247538A1 (en) * 2005-04-27 2006-11-02 Davis Charles L Noninvasive method of determining arterial wall tension and arterial segmentation by pulse transit time and pulse wave velocity
JP5328635B2 (ja) * 2009-12-28 2013-10-30 シャープ株式会社 脈波解析装置および脈波解析プログラム
JP5418352B2 (ja) * 2010-03-25 2014-02-19 オムロンヘルスケア株式会社 電子血圧計
US20140135634A1 (en) * 2012-11-14 2014-05-15 Osvaldas Pranevicius Noninvasive method and apparatus to measure central blood pressure using extrinsic perturbation
MX2016011715A (es) * 2014-03-11 2017-04-27 Cordex Systems Inc Metodo y dispostivo para detectar y valorar hiperemia reactiva utilizando plestimografia segmentaria.
WO2017216268A1 (en) * 2016-06-14 2017-12-21 Koninklijke Philips N.V. Device and method for non-invasive assessment of maximum arterial compliance
JP6176693B1 (ja) * 2016-11-07 2017-08-09 株式会社ケーアンドエス 血圧測定装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006141849A (ja) * 2004-11-24 2006-06-08 Matsushita Electric Works Ltd 動脈壁硬化度測定装置
JP2018525106A (ja) * 2015-08-14 2018-09-06 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア 血圧計カフを使用して内皮機能を評価し較正済みuFMDデータを提供すること

Also Published As

Publication number Publication date
JP7138797B2 (ja) 2022-09-16
CN113226161A (zh) 2021-08-06
EP3669762A1 (en) 2020-06-24
EP3897363A1 (en) 2021-10-27
WO2020126576A1 (en) 2020-06-25
US20220071496A1 (en) 2022-03-10
EP3897363B1 (en) 2022-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5756244B2 (ja) 肢部分の動脈容積における変化の計測システムおよび記憶媒体
US9414755B2 (en) Method for estimating a central pressure waveform obtained with a blood pressure cuff
US20060224070A1 (en) System and method for non-invasive cardiovascular assessment from supra-systolic signals obtained with a wideband external pulse transducer in a blood pressure cuff
JP6789280B2 (ja) 内皮機能を評価するシステムおよび方法
WO2001095798A2 (en) Method and system for detecting vascular conditions using an occlusive arm cuff plethysmograph
Kumar et al. Past, present and future of blood pressure measuring instruments and their calibration
JP7138797B2 (ja) 動脈コンプライアンスの尺度を導出するための制御ユニット
US11154208B2 (en) System and method of measurement of average blood pressure
EP3648664A1 (en) Self-calibrating systems and methods for blood pressure wave form analysis and diagnostic support
US20220395183A1 (en) Control unit for deriving a measure of arterial compliance
US9339196B2 (en) Non-invasive method and device of measuring the real-time continuous pressure of fluid in elastic tube and the dynamic compliance of elastic tube
EP4011284A1 (en) Method and apparatus for determining information about an arterial property of a subject
JP7308519B2 (ja) 脈圧推定装置、脈圧推定システム、脈圧推定方法、及び制御プログラム
GB2456947A (en) Non invasive determination of stroke volume based on incident wave suprasystolic blood pressure amplitude
Sidhu et al. Comparison of artificial intelligence based oscillometric blood pressure estimation techniques: a review paper
Koohi Methods for Non-invasive trustworthy estimation of arterial blood pressure
US20240108303A1 (en) Method for cardiac auscultation using blood pressure cuff
WO2024057482A1 (ja) 血管機能測定システム及び方法
EP4173556A1 (en) Device, system and method for calibrating a blood pressure surrogate for use in monitoring a subject's blood pressure
EP2778643A1 (en) Non-invasive method and device of measuring the real-time continuous pressure of fluid in elastic tube and the dynamic compliance of elastic tube
Dubey Non Invasive Blood Pressure Measurement Techniques: A Survey
CSORDÁS Accurate Blood Pressure Measurement FOR Home Health Monitoring

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220331

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20220331

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220517

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220701

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7138797

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150