JP5328635B2 - 脈波解析装置および脈波解析プログラム - Google Patents
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上記脈波検出部で検出した上記一部位における脈波からこの脈波の振幅を検出し、上記一部位の血管の内圧と外圧との差に対する上記脈波の振幅の関係が略線形と見なせる領域に入るように上記一部位の血管の内圧と外圧との差を制御する血管内外圧差制御部と、
上記脈波検出部で検出した上記一部位における脈波に含まれる駆出波成分を特定するための基準時間と上記脈波に含まれる反射波成分を特定するための基準時間とを検出する基準時間検出部と、
上記基準時間検出部で検出した上記駆出波成分の基準時間に対応する上記脈波の振幅を検出すると共に上記基準時間検出部で検出した上記反射波成分の基準時間に対応する上記脈波の振幅を検出する脈波振幅検出部とを備えることを特徴としている。
上記脈波振幅検出部は、
上記血管圧‐容積変化特性モデル化部で求めた上記血管の圧‐容積変化特性と、上記内外圧差制御部からの上記血管の内圧と外圧との差を表す情報と、上記脈波検出部で検出した脈波とに基づいて、上記基準時間に対応する脈波の振幅を求める。
上記一部位における脈波に含まれる駆出波成分を特定するための基準時間と上記脈波に含まれる反射波成分を特定するための基準時間とを求める基準時間導出機能と、
上記駆出波成分の基準時間に対応する上記脈波の振幅を求めると共に上記反射波成分の基準時間に対応する上記脈波の振幅を求める脈波振幅導出機能とをコンピュータに実行させる。
上記脈波振幅導出機能により、上記血管圧‐容積変化特性モデル化機能で求めた上記血管の圧‐容積変化特性と、上記内外圧差制御機能からの上記血管の内圧と外圧との差を表す情報とに基づいて、上記基準時間に対応する脈波の振幅を求める。
上記生体の或る一部位における脈波を検出する脈波検出部の上記生体の心臓に対する高さを制御して上記血管の内圧を制御することによって上記血管の内圧と外圧との差を制御する。
上記生体の或る一部位における脈波を検出する脈波検出部による上記一部位の血管に対する外圧を制御することで上記血管の内圧と外圧との差を制御する。
図1は、この発明の脈波解析装置の第1実施形態のブロック図である。この第1実施形態の脈波解析装置10は、人間の生体の或る一部位における脈波を検出する脈波検出部1と、血管内外圧差制御部2と、駆出波・反射波特徴情報抽出部3とを備える。
図6は、この発明の脈波解析装置の第2実施形態のブロック図である。この第2実施形態の脈波解析装置20は、人間の生体の或る一部位における脈波を検出する脈波検出部21と、血管内外圧差制御部22と、駆出波・反射波特徴情報抽出部23と、血管圧‐容積変化特性モデル化部29を備える。この第2実施形態の脈波解析装置20が備える脈波検出部21は、前述の第1実施形態が備える脈波検出部1と同様の構成である。
内圧制御部として昇降装置を用いて高さを制御しているが、より好適に高さを制御・検出できる手法があればそれを採用しても良い。例えば、脈波検出部に加速度センサを実装し、腕の長さと加速度センサの出力値から心臓の高さを推定できる。
ΔPin = ρ×g×Δh … (1)
ΔPin:血管の内圧変化量
ρ:血液の密度
g:重力加速度
Δh:心臓から測定部位までの高さ変化量
である。
図10に示すように、各内圧変化量Pv(ΔPin)の時の脈波波形の測定電圧値(V)から、脈波の極大値から極小値までの差分としての脈波振幅(V)を求める。次に、この脈波振幅(V)を、前述の予め得られた脈圧=(最高血圧−最低血圧)で除算する。これにより、或る内外圧差(mmHg)における1mmHg当たりの振幅(V/mmHg)が求まる。
こうして求めた内外圧差(mmHg)と1mmHg当たりの振幅(V/mmHg)との関係をグラフ化すると、図11に示すグラフが得られる。図11のグラフは、上記血管の圧‐容積変化特性のモデル式を微分したグラフとなる。例えば、次式(2)に示すようなシグモイド関数によるモデル式を微分することにより、次式(3)が得られる。そして、図11に示すグラフを次式(3)でカーブフィッティングを行うことにより、係数A、α、βを求める。これにより、血管の圧‐容積変化特性のモデル式(2)の係数A、α、βが導出される。次式(2)において、Pは内外圧差(mmHg)、V(P)は血管容積に対応する信号値である。
V(P)=A/(1+exp(α・P+β)) … (2)
dV/dP=Aαexp(α・P+β)/(1+exp(α・P+β))2 … (3)
ここで、図12,図13を参照して、上記脈波振幅検出部26が、上記シグモイド関数による血管の圧‐容積変化特性のモデル式(2)を使用して、上記反射波成分基準時間T2での脈波振幅値を導出する過程を説明する。
(i) まず、予め得た最高血圧値Pmaxから、測定部位に加えている外圧Pexを差分することにより内外圧差(Pmax−Pex)を求める。次に、圧−容積変化特性モデル化部29によって求められた上記血管の圧‐容積変化特性のモデル式(2)に、内外圧差P(mmHg)として上記内外圧差(Pmax−Pex)を代入することにより、血管容積に対応する信号値Vfを求める(図12参照)。
(ii) 次に、図13に示すように、駆出波・反射波特徴情報抽出部23から得られた駆出波成分の測定電圧値mfから反射波成分の測定電圧値mrを差分した値ms(=mf−mr)を求める。この反射波成分の測定電圧値mrは、脈波検出部21が基準時間T2に検出した脈波振幅に相当している。また、上記駆出波成分の測定電圧値mfは、脈波検出部21が基準時間T1に検出した脈波振幅に相当している。
(iii) 次に、前項(i)で血管の圧‐容積変化特性のモデル式(2)から求めた血管容積に対応する信号値Vfから前項(ii)で求めた差分測定値msを減算した減算値(Vf−ms)を、上記血管の圧‐容積変化特性のモデル式(2)のV(P)に代入して、内外圧差Ptmrを求める。最後に、この内外圧差Ptmrから最低血圧を減算することにより、反射波の脈波振幅が何mmHgの血圧に対応するかを求めることができる。
図7は、この発明の脈波解析装置の第3実施形態のブロック図である。この第3実施形態の脈波解析装置70は、人間の生体の或る一部位における脈波を検出する脈波検出部71と、血管内外圧差制御部72と、駆出波・反射波特徴情報抽出部73と、血管圧‐容積変化特性モデル化部75を備える。この第3実施形態の脈波解析装置70が備える脈波検出部71は、前述の第1実施形態が備える脈波検出部1と同様の構成である。
ここで、上記血管圧‐容積変化特性モデル化部75が、上記血管内外圧差の変化量と脈波振幅の変化量との関係特性から、上記血管の圧‐容積変化特性を求める過程を説明する。
上記血管圧‐容積変化特性モデル化部75は、各外圧変化量の時の脈波波形の測定電圧値(V)から、脈波の極大値から極小値までの差分としての脈波振幅(mV)を求める。次に、この脈波振幅(mV)を、前述の予め得られた脈圧=(最高血圧−最低血圧)で除算する。これにより、或る内外圧差(mmHg)における1mmHg当たりの振幅(V/mmHg)が求まる。
こうして求めた内外圧差(mmHg)と1mmHg当たりの振幅(V/mmHg)との関係をグラフ化すると、前述の第2実施形態で説明したのと同様の図11に示す様なグラフが得られる。図11のグラフは、上記血管の圧‐容積変化特性のモデル式を微分したグラフとなる。例えば、次式(2)に示すようなシグモイド関数によるモデル式を微分することにより、次式(3)が得られる。そして、図11に示すグラフを次式(3)でカーブフィッティングを行うことにより、係数A、α、βを求める。これにより、血管の圧‐容積変化特性のモデル式(2)の係数A、α、βが導出される。次式(2)において、Pは内外圧差(mmHg)、V(P)は血管容積に対応する信号値である。
V(P)=A/(1+exp(α・P+β)) … (2)
dV/dP=Aαexp(α・P+β)/(1+exp(α・P+β))2 … (3)
2、22、72 血管内外圧差制御部
3、23、73 駆出波・反射波特徴情報抽出部
5、25、75 基準時間検出部
6、26、79 脈波振幅検出部
7、27、77 脈波振幅情報検出部
8、78 圧力制御部
10、20、70 脈波解析装置
28 血管内圧制御部
Claims (10)
- 生体の或る一部位における脈波を検出する脈波検出部と、
上記脈波検出部で検出した上記一部位における脈波からこの脈波の振幅を検出し、上記一部位の血管の内圧と外圧との差に対する上記脈波の振幅の関係が略線形と見なせる領域に入るように上記一部位の血管の内圧と外圧との差を制御する血管内外圧差制御部と、
上記脈波検出部で検出した上記一部位における脈波に含まれる駆出波成分を特定するための基準時間と上記脈波に含まれる反射波成分を特定するための基準時間とを検出する基準時間検出部と、
上記基準時間検出部で検出した上記駆出波成分の基準時間に対応する上記脈波の振幅を検出すると共に上記基準時間検出部で検出した上記反射波成分の基準時間に対応する上記脈波の振幅を検出する脈波振幅検出部とを備えることを特徴とする脈波解析装置。 - 請求項1に記載の脈波解析装置において、
上記一部位の血管の内圧と外圧との差に対する上記脈波の振幅の関係が略線形と見なせる領域は、上記一部位の血管の内圧と外圧との差の変化に対する上記脈波の振幅の変化が最大となる領域を含んでいることを特徴とする脈波解析装置。 - 請求項1または2に記載の脈波解析装置において、
上記内外圧差制御部によって上記血管の内圧と外圧との差を変化させて上記内外圧差制御部から得た上記脈波の振幅を表す情報と上記血管の内圧と外圧との差を表す情報とに基づいて、上記血管の圧‐容積変化特性を予め求める血管圧‐容積変化特性モデル化部を有し、
上記脈波振幅検出部は、
上記脈波検出部で検出した脈波と、上記血管圧‐容積変化特性モデル化部で求めた上記血管の圧‐容積変化特性と、上記内外圧差制御部からの上記血管の内圧と外圧との差を表す情報とに基づいて、上記基準時間に対応する脈波の振幅を求めることを特徴とする脈波解析装置。 - 請求項1から3のいずれか1つに記載の脈波解析装置において、
上記内外圧差制御部は、
上記生体の心臓に対する上記脈波検出部の高さを制御して上記血管の内圧を制御することによって上記血管の内圧と外圧との差を制御することを特徴とする脈波解析装置。 - 請求項1から3のいずれか1つに記載の脈波解析装置において、
上記内外圧差制御部は、
上記脈波検出部による上記血管に対する外圧を制御することで上記血管の内圧と外圧との差を制御することを特徴とする脈波解析装置。 - 生体の或る一部位における脈波からこの脈波の振幅を検出し、上記一部位の血管の内圧と外圧との差に対する上記脈波の振幅の関係が略線形と見なせる領域に入るように上記一部位の血管の内圧と外圧との差を制御する血管内外圧差制御機能と、
上記一部位における脈波に含まれる駆出波成分を特定するための基準時間と上記脈波に含まれる反射波成分を特定するための基準時間とを求める基準時間導出機能と、
上記駆出波成分の基準時間に対応する上記脈波の振幅を求めると共に上記反射波成分の基準時間に対応する上記脈波の振幅を求める脈波振幅導出機能とをコンピュータに実行させることを特徴とする脈波解析プログラム。 - 請求項6に記載の脈波解析プログラムにおいて、
上記一部位の血管の内圧と外圧との差に対する上記脈波の振幅の関係が略線形と見なせる領域は、上記一部位の血管の内圧と外圧との差の変化に対する上記脈波の振幅の変化が最大となる領域を含んでいることを特徴とする脈波解析プログラム。 - 請求項6または7に記載の脈波解析プログラムにおいて、
上記内外圧差制御機能によって上記血管の内圧と外圧との差を変化させて上記内外圧差制御機能から得た上記脈波の振幅を表す情報と上記血管の内圧と外圧との差を表す情報とに基づいて、上記血管の圧‐容積変化特性を予め求める血管圧‐容積変化特性モデル化機能をコンピュータに実行させ、
上記脈波振幅導出機能により、上記血管圧‐容積変化特性モデル化機能で求めた上記血管の圧‐容積変化特性と、上記内外圧差制御機能からの上記血管の内圧と外圧との差を表す情報とに基づいて、上記基準時間に対応する脈波の振幅を求めることを特徴とする脈波解析プログラム。 - 請求項6から8のいずれか1つに記載の脈波解析プログラムにおいて、
上記内外圧差制御機能は、
上記生体の或る一部位における脈波を検出する脈波検出部の上記生体の心臓に対する高さを制御して上記血管の内圧を制御することによって上記血管の内圧と外圧との差を制御することを特徴とする脈波解析プログラム。 - 請求項6から8のいずれか1つに記載の脈波解析プログラムにおいて、
上記内外圧差制御機能は、
上記生体の或る一部位における脈波を検出する脈波検出部による上記一部位の血管に対する外圧を制御することで上記血管の内圧と外圧との差を制御することを特徴とする脈波解析プログラム。
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