JP5328635B2 - 脈波解析装置および脈波解析プログラム - Google Patents

脈波解析装置および脈波解析プログラム Download PDF

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この発明は、生体の脈波に含まれている駆出波と反射波を高精度に同定する脈波解析装置および脈波解析プログラムに関する。
脈波は生体の循環器系の状態を把握する上で様々な重要な情報を有していることが知られている。例えば、AI(Augmentation Index)は、脈波に含まれている駆出波成分と反射波成分の比率を求めることで、全身の動脈硬化度の定量的な評価や、中心動脈圧の推定などに用いられている。
このAIを求めるためには、脈波が含んでいる駆出波成分と反射波成分のそれぞれを特定する必要があり、そのための技術が特許文献1(特開2004‐313468号公報)などで開示されている。この特許文献1では、脈波の微分による波形解析で駆出波成分と反射波成分を求めている。
また、2箇所の測定部位の脈波を測定することで求められる脈波伝播速度についても、駆出波と反射波を分離し、この駆出波と反射波の時間差から1箇所の測定部位での脈波から脈波伝播速度を同定する技術が特許文献2(特開2003‐010139号公報)に開示されている。
ところで、脈波を検出する方法として、波動による血管の容積変化を検出する容積脈波法があり、光を利用した光電式容積脈波が一般的である。この方式は、LED(発光ダイオード)とPD(フォトダイオード)により構成でき、比較的安価に脈波検出システムを構築することが可能である。
また、血管は、内膜,中膜,外膜の3層構造となっており、血管に作用する圧力の大きさにより、血管の弾性特性が変化することが知られている。すなわち、血管の圧‐容積特性は強い非線形性を示し、圧力の変化に比例した容積変化を示さない。例えば、特許文献3に示すように、血管の圧‐容積特性をシグモイド曲線でモデル化する方法が公開されている。
ところで、上述したように、特許文献1および特許文献2では、駆出波と反射波を分離する技術が開示されており、特に、特許文献1では、脈波の波形を分類して各々の波形に適切な波形解析を行うことで、駆出波と反射波を適切に分離できる技術が開示されている。
しかしながら、容積脈波において、駆出波と反射波のそれぞれについて、1拍の脈波の中の時間的な位置関係を正しく同定できたとしても、血管の圧‐容積変化の非線形性のために、駆出波と反射波のそれぞれの振幅を比較するに際して正確には比較できない。
特開2004‐313468号公報 特開2003‐10139号公報 特開2008‐228934号公報
そこで、この発明の課題は、血管の圧‐容積変化の非線形性に起因する脈波の検出の不正確さを抑制できて脈波の駆出波と反射波の振幅をより高精度に得ることができる脈波解析装置および脈波解析プログラムを提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の脈波解析装置は、生体の或る一部位における脈波を検出する脈波検出部と、
上記脈波検出部で検出した上記一部位における脈波からこの脈波の振幅を検出し、上記一部位の血管の内圧と外圧との差に対する上記脈波の振幅の関係が略線形と見なせる領域に入るように上記一部位の血管の内圧と外圧との差を制御する血管内外圧差制御部と、
上記脈波検出部で検出した上記一部位における脈波に含まれる駆出波成分を特定するための基準時間と上記脈波に含まれる反射波成分を特定するための基準時間とを検出する基準時間検出部と、
上記基準時間検出部で検出した上記駆出波成分の基準時間に対応する上記脈波の振幅を検出すると共に上記基準時間検出部で検出した上記反射波成分の基準時間に対応する上記脈波の振幅を検出する脈波振幅検出部とを備えることを特徴としている。
この発明の脈波解析装置によれば、上記血管内外圧差制御部によって、上記一部位の血管の内圧と外圧との差に対する上記脈波の振幅の関係が略線形と見なせる領域に入るように上記一部位の血管の内圧と外圧との差を調整する。これにより、上記血管の内圧の変化に対する上記脈波の振幅の変化をリニアにかつ大きくできて、上記脈波振幅検出部によって上記脈波の駆出波と反射波の振幅をより高精度に検出できる。
また、一実施形態の脈波解析装置では、上記一部位の血管の内圧と外圧との差に対する上記脈波の振幅の関係が略線形と見なせる領域は、上記一部位の血管の内圧と外圧との差の変化に対する上記脈波の振幅の変化が最大となる領域を含んでいる。
この実施形態の脈波解析装置によれば、上記血管内外圧差制御部によって、上記一部位の血管の内圧と外圧との差の変化に対する上記脈波の振幅の変化が最大となる領域を含んでいると共に上記一部位の血管の内圧と外圧との差に対する上記脈波の振幅の関係が略線形と見なせる領域に入るように上記一部位の血管の内圧と外圧との差を調整する。これにより、上記血管の内圧の変化に対する上記脈波の振幅の変化の最大化を図れて、上記脈波振幅検出部によって上記脈波の駆出波と反射波の振幅をより高精度に検出できる。
また、一実施形態の脈波解析装置では、上記内外圧差制御部によって上記血管の内圧と外圧との差を変化させて上記内外圧差制御部から得た上記脈波の振幅を表す情報と上記血管の内圧と外圧との差を表す情報とに基づいて、上記血管の圧‐容積変化特性を予め求める血管圧‐容積変化特性モデル化部を有し、
上記脈波振幅検出部は、
上記血管圧‐容積変化特性モデル化部で求めた上記血管の圧‐容積変化特性と、上記内外圧差制御部からの上記血管の内圧と外圧との差を表す情報と、上記脈波検出部で検出した脈波とに基づいて、上記基準時間に対応する脈波の振幅を求める。
この実施形態の脈波解析装置によれば、上記血管圧‐容積変化特性モデル化部が上記脈波の振幅を表す情報と上記血管の内圧と外圧との差を表す情報とに基づいて上記血管の圧‐容積変化特性を予め求める。したがって、上記脈波振幅検出部は、上記脈波検出部で検出した脈波と上記血管の圧‐容積変化特性と上記内外圧差制御部からの上記血管の内圧と外圧との差を表す情報とに基づいて、上記基準時間に対応する脈波の振幅をより正確に求めることができる。
また、一実施形態の脈波解析装置では、上記内外圧差制御部は、上記生体の心臓に対する上記脈波検出部の高さを制御して上記血管の内圧を制御することによって上記血管の内圧と外圧との差を制御する。
この実施形態の脈波解析装置によれば、上記内外圧差制御部は、上記生体の心臓に対する上記脈波検出部の高さを制御することによって上記血管の内圧を制御して上記血管の内圧と外圧との差を制御できる。
また、一実施形態の脈波解析装置では、上記内外圧差制御部は、上記脈波検出部による上記血管に対する外圧を制御することで上記血管の内圧と外圧との差を制御する。
この実施形態の脈波解析装置によれば、上記内外圧差制御部は、上記脈波検出部による上記血管に対する外圧を制御することによって上記血管の内圧と外圧との差を制御できる。
また、一実施形態の脈波解析プログラムでは、生体の或る一部位における脈波からこの脈波の振幅を検出し、上記一部位の血管の内圧と外圧との差の変化に対する上記脈波の振幅の変化が線形と見なせる領域に上記一部位の血管の内圧と外圧との差を制御する血管内外圧差制御機能と、
上記一部位における脈波に含まれる駆出波成分を特定するための基準時間と上記脈波に含まれる反射波成分を特定するための基準時間とを求める基準時間導出機能と、
上記駆出波成分の基準時間に対応する上記脈波の振幅を求めると共に上記反射波成分の基準時間に対応する上記脈波の振幅を求める脈波振幅導出機能とをコンピュータに実行させる。
この実施形態の脈波解析プログラムによれば、上記血管内外圧差制御機能によって、上記一部位の血管の内圧と外圧との差に対する上記脈波の振幅の関係が略線形と見なせる領域に入るように上記一部位の血管の内圧と外圧との差を調整する。これにより、上記血管の内圧の変化に対する上記脈波の振幅の変化の極大化を図れて、上記脈波振幅導出機能によって上記脈波の駆出波と反射波の振幅をより高精度に検出できる。
また、一実施形態の脈波解析プログラムでは、上記一部位の血管の内圧と外圧との差に対する上記脈波の振幅の関係が略線形と見なせる領域は、上記一部位の血管の内圧と外圧との差の変化に対する上記脈波の振幅の変化が最大となる領域を含んでいる。
この実施形態の脈波解析プログラムによれば、上記血管内外圧差制御機能によって、上記一部位の血管の内圧と外圧との差の変化に対する上記脈波の振幅の変化が最大となる領域を含んでいると共に上記一部位の血管の内圧と外圧との差の変化に対する上記脈波の振幅の関係が略線形と見なせる領域に入るように上記一部位の血管の内圧と外圧との差を調整する。これにより、上記血管の内圧の変化に対する上記脈波の振幅の変化の極大化を図れて、上記脈波振幅検出機能によって上記脈波の駆出波と反射波の振幅をより高精度に検出できる。
また、一実施形態の脈波解析プログラムでは、上記内外圧差制御機能によって上記血管の内圧と外圧との差を変化させて上記内外圧差制御機能から得た上記脈波の振幅を表す情報と上記血管の内圧と外圧との差を表す情報とに基づいて、上記血管の圧‐容積変化特性を予め求める血管圧‐容積変化特性モデル化機能をコンピュータに実行させ、
上記脈波振幅導出機能により、上記血管圧‐容積変化特性モデル化機能で求めた上記血管の圧‐容積変化特性と、上記内外圧差制御機能からの上記血管の内圧と外圧との差を表す情報とに基づいて、上記基準時間に対応する脈波の振幅を求める。
この実施形態の脈波解析プログラムによれば、上記血管圧‐容積変化特性モデル化機能で上記脈波の振幅を表す情報と上記血管の内圧と外圧との差を表す情報とに基づいて上記血管の圧‐容積変化特性を予め求め、上記脈波振幅検出機能で上記血管の圧‐容積変化特性と上記内外圧差制御部からの上記血管の内圧と外圧との差を表す情報と上記脈波検出部で検出した脈波とに基づいて、上記基準時間に対応する脈波の振幅をより正確に求めることができる。
また、一実施形態の脈波解析プログラムでは、上記内外圧差制御機能は、
上記生体の或る一部位における脈波を検出する脈波検出部の上記生体の心臓に対する高さを制御して上記血管の内圧を制御することによって上記血管の内圧と外圧との差を制御する。
この実施形態の脈波解析プログラムによれば、上記内外圧差制御機能で、上記生体の心臓に対する上記脈波検出部の高さを制御することによって上記血管の内圧を制御して上記血管の内圧と外圧との差を制御できる。
また、一実施形態の脈波解析プログラムでは、上記内外圧差制御機能は、
上記生体の或る一部位における脈波を検出する脈波検出部による上記一部位の血管に対する外圧を制御することで上記血管の内圧と外圧との差を制御する。
この実施形態の脈波解析プログラムによれば、上記内外圧差制御機能で、上記血管に対する上記脈波検出部の外圧を制御することによって上記血管の内圧と外圧との差を制御できる。
この発明の脈波解析装置によれば、血管内外圧差制御部によって、生体の或る一部位の血管の内圧と外圧との差に対する脈波の振幅の関係が略線形と見なせる領域に入るように上記一部位の血管の内圧と外圧との差を調整する。これにより、上記血管の内圧の変化に対する上記脈波の振幅の変化をリニアにかつ大きくできて、脈波振幅検出部によって脈波の駆出波と反射波の振幅をより高精度に検出できる。
この発明の脈波解析装置の第1実施形態を示すブロック図である。 上記実施形態の脈波検出部で検出した脈波の波形を(A)欄に示し、上記脈波の加速度波形を(B)欄に示す波形図である。 上記脈波検出部で検出した脈波の3回微分波形を(A)欄に示し、上記脈波の4回微分波形を(B)欄に示す波形図である。 上記脈波の波形および上記脈波の基準点Q1,Q2での脈波の振幅W1,W2を示す波形図である。 血管の内圧と外圧との差と血管容積との関係を示す特性図である。 脈波振幅最大点のサーチ時に圧力制御部8により上記脈波を測定する部位に加える圧力Pと脈波振幅Wと例示するグラフである。 この発明の脈波解析装置の第2実施形態を示すブロック図である。 この発明の脈波解析装置の第3実施形態を示すブロック図である。 上記第2実施形態の内圧制御部を説明する模式図である。 上記第1実施形態の血管内外圧差制御部が脈波振幅が最大となる点をサーチする動作を説明するフローチャートである。 上記第2実施形態で血管圧‐容積変化特性モデル化部29が上記血管の圧‐容積変化特性を作成する過程を説明するためのグラフである。 上記過程を説明するための、内外圧差(mmHg)と1mmHg当たりの振幅(V/mmHg)との関係を示すグラフである。 上記第2実施形態で上記脈波振幅検出部26が反射波成分の基準時間T2での脈波振幅を検出する過程を説明するためのグラフである。 上記過程を説明するための、脈波波形を模式的に示す図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、この発明の脈波解析装置の第1実施形態のブロック図である。この第1実施形態の脈波解析装置10は、人間の生体の或る一部位における脈波を検出する脈波検出部1と、血管内外圧差制御部2と、駆出波・反射波特徴情報抽出部3とを備える。
上記脈波検出部1としては、例えば、発光素子から出力される赤外光が血管内の血液量に応じて反射あるいは吸収される度合いを受光素子で測定する光電容積脈波法を用いるものなどがある。また、上記脈波検出部1で脈波を測定する生体部位は、特に大きな制限事項があるわけではないが、できるならば、非侵襲・非拘束の部位であることが望ましく、例えば、指尖・手首・耳朶などが好ましい。
また、上記駆出波・反射波特徴情報抽出部3は、基準時間検出部5と脈波振幅検出部6とを有する。この基準時間検出部5は、上記脈波検出部1で検出した上記一部位における脈波に含まれる駆出波成分を特定するための基準時間と上記脈波に含まれる反射波成分を特定するための基準時間とを検出する。この基準時間の検出については、後述する。また、上記脈波振幅検出部6は、上記基準時間検出部5で検出した上記駆出波成分の基準時間に対応する上記脈波の振幅を検出すると共に上記基準時間検出部5で検出した上記反射波成分の基準時間に対応する上記脈波の振幅を検出する。
また、血管内外圧差制御部2は、脈波検出部1で検出した上記一部位における脈波からこの脈波の振幅を検出する脈波振幅情報検出部7と、上記一部位の血管の内圧と外圧との差を制御する圧力制御部8とを有する。この圧力制御部8は、上記脈波振幅情報検出部7で検出した脈波の振幅を上記一部位の血管の内圧と外圧との差との関係が略線形と見なせる領域に入るように上記一部位の血管の内圧と外圧との差を制御する。この一部位の血管の内圧と外圧との差を制御する方法については、後述する。
上記構成の脈波解析装置10において、上記基準時間検出部5が上記基準時間を求める過程の一例を以下に説明する。
まず、図2Aの(A)欄に、上記脈波検出部1で検出した脈波の波形の一例を示す。図2Aの(A)欄における縦軸は脈波の振幅に対応する圧力(mmHg)に対応する測定電圧値(V)である。この実施形態の脈波伝搬速度測定装置10では、一例として、一般的なカフ式血圧計で測定される血圧(mmHg)でもって、脈波検出部1で測定した電圧値(V)が脈波の振幅に対応する圧力(mmHg)にどう対応するかの補正(キャリブレーション)を行っている。なお、この補正(キャリブレーション)は、後述するように、血管内外圧差制御部2が圧力制御部8を制御して、上記脈波検出部1が脈波を測定する部位に圧力制御部8が加える外圧を上記部位の血管の内圧に近くなるように設定した後に行えばよく、その後の測定では上記キャリブレーションの結果を用いればよい。
上記基準時間検出部5は、例えば、上記脈波が、Murgoらによる血圧波形分類のTypeCの場合は、図2Aの(A)欄に示される脈波の波形における収縮期の極大点Q1の時間T1を駆出波成分の基準時間T1として検出する。図2Aの(B)欄には、上記脈波の加速度波を示し、図2Bの(A)欄には、上記脈波の3回微分波を示している。そして、上記基準時間検出部5は、例えば、上記脈波が、Murgoらによる血圧波形分類のTypeCの場合は、図2Bの(B)欄に示される脈波の4次微分波の第3ゼロクロスポイントQ2を反射波成分の基準時間T2として検出する。なお、この第3ゼロクロスポイントQ2は、図2A(A)に示す脈波が極小値になった以降に、図2B(B)に示す4回微分波形が3回目に下向きにゼロクロスするポイントを意味する。
尚、上述の説明では、上記検出した脈波が上記血圧波形分類のTypeCである場合について説明したが、上記検出した脈波が上記血圧波形分類のTypeC以外の波形形状である場合には、より好適に脈波の駆出波成分の基準時間と反射波成分の基準時間を特定できる手法があればそれを採用してもよい。例えば、脈波は、大きな血圧変動がなければ、基本的にそれほど大きな波形変化を示すわけではないので、測定した複数の脈波を重ね合わせる(加算平均)ことで、脈波検出精度の改善を図ることが可能になる。
また、脈波は、ノイズレベル、年齢・性別・疾病の有無・体調などに応じて、様々な波形形状を示すことから、より好適に脈波の駆出波成分の基準時間と反射波成分の基準時間を特定できる手法があればそれを採用してもよい。例えば、検出した脈波を、その時点の被測定者の状態と合わせて履歴として残すことで、脈波の駆出波成分の基準時間と反射波成分の基準時間を特定する精度の改善を図れる。
また、この脈波解析装置10が備える上記脈波振幅検出部6は、図3の波形図に例示するように、上記基準時間検出部5で検出した上記駆出波成分の基準時間T1に対応する上記脈波Sの振幅W1を検出すると共に上記基準時間検出部5で検出した上記反射波成分の基準時間T2に対応する上記脈波Sの振幅W2を検出する。このようにして、脈波Sの駆出波成分,反射波成分の基準時間T1,T2に対応する脈波Sの振幅W1,W2を求める手法は、近年、循環器系の診断指標として利用されているAI(Augumentation Index)で採用されている手法である。
さらに、この脈波解析装置10において、上記血管内外圧差制御部2が有する圧力制御部8が、上記脈波振幅情報検出部7で検出した脈波の振幅を上記一部位の血管の内圧と外圧との差との関係が略線形と見なせる領域に入るように上記一部位の血管の内圧と外圧との差を制御する手法の一例を以下に説明する。
図4は、血管の内圧と外圧との差と血管容積との関係を示す特性図である。図4に示すように、血管の内圧と外圧との差と血管容積との関係は、全体として非線形な関係になる。上記外圧は、脈波検出部1が血管に加える圧力である。
図4において、例えば、領域(a)は、外圧が弱く、外圧が内圧よりも小さい場合に対応しており、領域(c)は、外圧が強く、外圧が内圧よりも大きい場合に対応している。また、領域(b)は、領域(a),領域(c)に比べて、外圧と内圧とが近い値の場合に対応している。また、符号Jで示す一点鎖線は、外圧と内圧とが等しい場合を示している。
外圧が弱い図4の領域(a)では、血管に加わる内圧変化に対して、血管の容積変化は非線形な特性を示すことがわかる。また、外圧が強い図4の領域(c)でも、血管に加わる内圧変化に対して、血管の容積変化は非線形な特性を示す。この外圧が大きい領域(c)は、血管がほとんどつぶれてしまい、血管の容積変化がほとんど起こらない領域である。
一方、図4の領域(b)では、外圧と内圧との差が小さく、この内外圧差が0mmHg付近のとき、内圧の変化に対する血管容積変化が最も大きくなる。つまり、この領域(b)は、血管が柔らかい領域となる。また、この内外圧差が0mmHg付近では、圧力変化に対する容積変化がほとんど線形な領域と仮定できる。したがって、上記脈波検出部1が脈波を測定する部位に上記圧力制御部8が加える外圧を予め調整して、この外圧が上記血管の内圧に近くなるように設定しておくことにより、血管の内圧と外圧との差と血管容積との関係を図4の領域(b)のように略線形と見なせる領域に入れることができる。
例えば、以下に、図9のフローチャートを参照して説明するようにして、上記圧力制御部8により上記脈波を測定する部位に加わる圧力(外圧)を変化させ、上記脈波振幅情報検出部7により脈波振幅が最大となる点をサーチする。また、このサーチ時に、圧力制御部8により上記脈波を測定する部位に加わる圧力(外圧)Pと上記脈波振幅Wを示す波形を図5に例示する。なお、上記圧力制御部8で上記外圧を変化させる方法としては、従来血圧値を測定するのに用いられているオシロメトリック法のようにカフ圧を制御することにより行う。
まず、図9のフローチャートに示すステップS1で、圧力制御部8が血管に加える初期圧力を設定し、次に、ステップS2で、この初期圧力時に脈波検出部1が検出した脈波から脈波振幅情報検出部7が振幅情報を算出する。次に、ステップS3で、血管内外圧差制御部2は、上記振幅情報と外圧情報とを記録する。次に、ステップS4で、圧力制御部8は、上記血管に加える外圧を予め定められた値だけ増加させる。次に、ステップS5で、血管内外圧差制御部2は、上記増加させた外圧における振幅情報と外圧情報とを記録する。次に、ステップS6で、血管内外圧差制御部2は、脈波検出部1からの現在の脈波情報による脈波振幅が1つ前の脈波情報による脈波振幅よりも小さいか否かを判断し、小さいと判断すると、次のステップS7に進み、小さくないと判断するとステップS4に戻る。ステップS7では、圧力制御部8が脈波を測定する部位に加える外圧を上記1つ前の脈波振幅に対応する圧力値に設定する。
このようにして、上記脈波振幅が最大となる点で、圧力制御部8が脈波測定部位に加える圧力(外圧)を保持することにより、圧‐容積変化特性を図4の領域(b)に示すような線形な領域に設定することが可能である。圧‐容積変化特性をこの線形な領域(b)に設定しておくことにより、AIなどの駆出波と反射波の振幅の大きさを比較する場合において、その比率を精度よく検出することが可能である。
尚、上述のように、上記血管内外圧差制御部2が、生体の或る一部位における脈波からこの脈波の振幅を検出し、上記一部位の血管の内圧と外圧との差に対する上記脈波の振幅の関係が略線形と見なせる領域に入るように上記一部位の血管の内圧と外圧との差を制御する血管内外圧差制御機能と、上記基準時間検出部5が上記基準時間T1とT2を求める基準時間導出機能と、上記脈波振幅検出部6が上記基準時間T1,T2に対応する脈波Sの振幅W1,W2を求める脈波振幅導出機能とを脈波解析プログラムによってコンピュータに実行させてもよい。
(第2の実施の形態)
図6は、この発明の脈波解析装置の第2実施形態のブロック図である。この第2実施形態の脈波解析装置20は、人間の生体の或る一部位における脈波を検出する脈波検出部21と、血管内外圧差制御部22と、駆出波・反射波特徴情報抽出部23と、血管圧‐容積変化特性モデル化部29を備える。この第2実施形態の脈波解析装置20が備える脈波検出部21は、前述の第1実施形態が備える脈波検出部1と同様の構成である。
また、この第2実施形態の脈波解析装置20が備える血管内外圧差制御部22は、脈波検出部21で検出した上記一部位における脈波からこの脈波の振幅を検出する脈波振幅情報検出部27と、上記生体の心臓に対する上記脈波検出部21の高さを制御して上記血管の内圧を制御する内圧制御部28とを有する。
この内圧制御部28は、例えば、図8に示すように、生体の腕80に装着された脈波検出部21を、昇降装置83で昇降させることで、生体の心臓81に対する高さhを制御できるようにしている。内圧制御部28は、上記昇降装置83で心臓81に対する脈波検出部21の高さhを変化させることによる静水圧変化を利用して、血管内圧を変化させる。なお、予め得られた最高血圧および最低血圧から、脈圧=(最高血圧−最低血圧)と平均血圧(最低血圧+脈圧/3)とを算出する。この算出した平均血圧と脈圧の情報を基に、内圧を変化させる。
内圧制御部として昇降装置を用いて高さを制御しているが、より好適に高さを制御・検出できる手法があればそれを採用しても良い。例えば、脈波検出部に加速度センサを実装し、腕の長さと加速度センサの出力値から心臓の高さを推定できる。
そして、血管圧‐容積変化特性モデル化部29は、上記内圧制御部28から上記脈波検出部21の心臓81からの高さhを表す情報を得て、この高さの変化量Δhから、次式(1)により、血管の内圧変化量ΔPinを算出する。
ΔPin = ρ×g×Δh … (1)
上式(1)において、
ΔPin:血管の内圧変化量
ρ:血液の密度
g:重力加速度
Δh:心臓から測定部位までの高さ変化量
である。
そして、この実施形態では、外圧(脈波検出部21が上記血管に加える圧力)を一定値としているので、上記血管圧‐容積変化特性モデル化部29が上式(1)により算出した内圧変化量ΔPinが、血管内外圧差の変化量となる。
よって、上記血管圧‐容積変化特性モデル化部29は、血管内外圧差の変化量と、上記血管内外圧差の変化に対応して上記脈波振幅情報検出部27が検出した脈波振幅の変化量の情報とから、血管内外圧差の変化量と脈波振幅の変化量との関係特性を作成する。そして、血管圧‐容積変化特性モデル化部29は、上記血管内外圧差の変化量と脈波振幅の変化量との関係特性から、上記血管の圧‐容積変化特性を作成する。
ここで、上記血管圧‐容積変化特性モデル化部29が、上記血管内外圧差の変化量と脈波振幅の変化量との関係特性から、上記血管の圧‐容積変化特性を求める過程を説明する。
図10に示すように、各内圧変化量Pv(ΔPin)の時の脈波波形の測定電圧値(V)から、脈波の極大値から極小値までの差分としての脈波振幅(V)を求める。次に、この脈波振幅(V)を、前述の予め得られた脈圧=(最高血圧−最低血圧)で除算する。これにより、或る内外圧差(mmHg)における1mmHg当たりの振幅(V/mmHg)が求まる。
こうして求めた内外圧差(mmHg)と1mmHg当たりの振幅(V/mmHg)との関係をグラフ化すると、図11に示すグラフが得られる。図11のグラフは、上記血管の圧‐容積変化特性のモデル式を微分したグラフとなる。例えば、次式(2)に示すようなシグモイド関数によるモデル式を微分することにより、次式(3)が得られる。そして、図11に示すグラフを次式(3)でカーブフィッティングを行うことにより、係数A、α、βを求める。これにより、血管の圧‐容積変化特性のモデル式(2)の係数A、α、βが導出される。次式(2)において、Pは内外圧差(mmHg)、V(P)は血管容積に対応する信号値である。
V(P)=A/(1+exp(α・P+β)) … (2)
dV/dP=Aαexp(α・P+β)/(1+exp(α・P+β)) … (3)
そして、血管圧‐容積特性モデル化部29によって特定された圧‐容積変化特性のモデル式(2)の情報は、上記血管圧‐容積特性モデル化部29から、駆出波・反射波特徴情報抽出部23の脈波振幅検出部26に入力される。
この駆出波・反射波特徴情報抽出部23では、基準時間検出部25は、前述の第1実施形態の基準時間検出部5と同様にして、上記脈波検出部21で検出した脈波の駆出波成分の基準時間T1と反射波成分の基準時間T2を検出する。そして、上記脈波振幅検出部26には、上記脈波検出部21で検出した脈波の振幅に対応する圧力を表す圧力信号が入力される。この脈波振幅検出部26は、上記脈波の駆出波成分の基準時間T1での上記圧力信号が表す圧力から血管内外圧差Pを算出する。さらに、上記脈波振幅検出部26は、駆出波成分の基準時間T1での脈波振幅値を脈圧(最高血圧−最低血圧)とする。この脈波振幅値は、前述したように、予め一般的なカフ式血圧計で測定された血圧(mmHg)により圧力信号への対応がキャリブレーションされている。
また、上記脈波振幅検出部26は、上記脈波の反射波成分の基準時間T2での上記圧力信号が表す圧力から、上記圧‐容積変化特性としての式(2)を使用して、反射波成分の基準時間T2での脈波振幅を検出する。
ここで、図12,図13を参照して、上記脈波振幅検出部26が、上記シグモイド関数による血管の圧‐容積変化特性のモデル式(2)を使用して、上記反射波成分基準時間T2での脈波振幅値を導出する過程を説明する。
(i) まず、予め得た最高血圧値Pmaxから、測定部位に加えている外圧Pexを差分することにより内外圧差(Pmax−Pex)を求める。次に、圧−容積変化特性モデル化部29によって求められた上記血管の圧‐容積変化特性のモデル式(2)に、内外圧差P(mmHg)として上記内外圧差(Pmax−Pex)を代入することにより、血管容積に対応する信号値Vfを求める(図12参照)。
(ii) 次に、図13に示すように、駆出波・反射波特徴情報抽出部23から得られた駆出波成分の測定電圧値mfから反射波成分の測定電圧値mrを差分した値ms(=mf−mr)を求める。この反射波成分の測定電圧値mrは、脈波検出部21が基準時間T2に検出した脈波振幅に相当している。また、上記駆出波成分の測定電圧値mfは、脈波検出部21が基準時間T1に検出した脈波振幅に相当している。
(iii) 次に、前項(i)で血管の圧‐容積変化特性のモデル式(2)から求めた血管容積に対応する信号値Vfから前項(ii)で求めた差分測定値msを減算した減算値(Vf−ms)を、上記血管の圧‐容積変化特性のモデル式(2)のV(P)に代入して、内外圧差Ptmrを求める。最後に、この内外圧差Ptmrから最低血圧を減算することにより、反射波の脈波振幅が何mmHgの血圧に対応するかを求めることができる。
このように、この第2実施形態の脈波解析装置20によれば、上記脈波振幅検出部26は、上記脈波検出部21で検出した脈波と上記血管の圧‐容積変化特性のモデル式(2)で表されるような上記血管の圧‐容積変化特性とに基づいて、各基準時間T1,T2に対応する脈波の振幅をより正確に求めることができる。
尚、上記血管内外圧差制御部22に対応する血管内外圧差制御機能と、上記血管圧‐容積変化特性モデル化部29に対応する血管圧‐容積変化特性モデル化機能とを脈波解析プログラムによってコンピュータに実行させてもよい。
(第3の実施の形態)
図7は、この発明の脈波解析装置の第3実施形態のブロック図である。この第3実施形態の脈波解析装置70は、人間の生体の或る一部位における脈波を検出する脈波検出部71と、血管内外圧差制御部72と、駆出波・反射波特徴情報抽出部73と、血管圧‐容積変化特性モデル化部75を備える。この第3実施形態の脈波解析装置70が備える脈波検出部71は、前述の第1実施形態が備える脈波検出部1と同様の構成である。
また、この第3実施形態が備える血管内外圧差制御部72は、脈波検出部71で検出した上記一部位における脈波からこの脈波の振幅を検出する脈波振幅情報検出部77と、上記一部位の血管の内圧と外圧との差を制御する圧力制御部78とを有する。この圧力制御部78は、前述の第1実施形態の圧力制御部8と同様の構成である。よって、この圧力制御部78は、前述の第1実施形態の圧力制御部8と同様にして、上記脈波振幅情報検出部77で検出した脈波の振幅を上記一部位の血管の内圧と外圧との差との関係が略線形と見なせる領域に入るように上記一部位の血管の内圧と外圧との差を制御する。
また、この第3実施形態では、上記圧力制御部78は、脈波振幅情報検出部77による制御によって、脈波検出部71が血管に対して加える圧力を徐々に増加させる。これにより、上記圧力制御部78は、血管内外圧差を血管がつぶれる領域(脈波振幅が最小になる領域)まで加圧する。この加圧の期間において、血管内外圧差制御部72は、血管内外圧差とそれに対応する脈波振幅を測定する。
上記圧力制御部78は、例えば、血管の測定部位に加えるカフ圧を変化させることにより、上記血管の測定部位に対する外圧を変化させる。この外圧の値は、カフの制御値を用いることにより検出できる。そして、血管内外圧差制御部72は、予め算出された血圧値からカフの制御値を用いて検出した外圧の値を差分することにより、血管内外圧差を算出する。この予め算出された血圧値とは、前述したように、予め一般的なカフ式血圧計で測定された血圧値(mmHg)である。
ここで、上記血管圧‐容積変化特性モデル化部75が、上記血管内外圧差の変化量と脈波振幅の変化量との関係特性から、上記血管の圧‐容積変化特性を求める過程を説明する。
上記血管圧‐容積変化特性モデル化部75は、各外圧変化量の時の脈波波形の測定電圧値(V)から、脈波の極大値から極小値までの差分としての脈波振幅(mV)を求める。次に、この脈波振幅(mV)を、前述の予め得られた脈圧=(最高血圧−最低血圧)で除算する。これにより、或る内外圧差(mmHg)における1mmHg当たりの振幅(V/mmHg)が求まる。
こうして求めた内外圧差(mmHg)と1mmHg当たりの振幅(V/mmHg)との関係をグラフ化すると、前述の第2実施形態で説明したのと同様の図11に示す様なグラフが得られる。図11のグラフは、上記血管の圧‐容積変化特性のモデル式を微分したグラフとなる。例えば、次式(2)に示すようなシグモイド関数によるモデル式を微分することにより、次式(3)が得られる。そして、図11に示すグラフを次式(3)でカーブフィッティングを行うことにより、係数A、α、βを求める。これにより、血管の圧‐容積変化特性のモデル式(2)の係数A、α、βが導出される。次式(2)において、Pは内外圧差(mmHg)、V(P)は血管容積に対応する信号値である。
V(P)=A/(1+exp(α・P+β)) … (2)
dV/dP=Aαexp(α・P+β)/(1+exp(α・P+β)) … (3)
そして、圧‐容積特性モデル化部75によって得られた圧‐容積変化特性のモデル式(2)の情報は、上記圧‐容積特性モデル化部75から、駆出波・反射波特徴情報抽出部73の脈波振幅検出部79に入力される。
この駆出波・反射波特徴情報抽出部73では、基準時間検出部76は、前述の第1実施形態の基準時間検出部5と同様にして、上記脈波検出部1で検出した脈波の駆出波成分の基準時間T1と反射波成分の基準時間T2を検出する。そして、脈波振幅検出部79には、脈波検出部71で検出した脈波の振幅に対応する圧力を表す圧力信号が入力される。上記脈波振幅検出部79は、上記脈波の駆出波成分の基準時間T1での上記圧力信号が表す圧力から血管内外圧差Pを算出する。さらに、上記脈波振幅検出部79は、駆出波成分の基準時間T1での脈波振幅値を脈圧(最高血圧−最低血圧)とする。この脈波振幅値は、前述したように、予め一般的なカフ式血圧計で測定された血圧(mmHg)により圧力信号への対応がキャリブレーションされている。
また、上記脈波振幅検出部79は、上記脈波の反射波成分の基準時間T2での上記圧力信号が表す圧力を上記圧‐容積変化特性のモデル式(2)を使用して、反射波成分の基準時間T2での脈波振幅を検出する。この脈波振幅検出部79が、上記シグモイド関数による血管の圧‐容積変化特性のモデル式(2)を使用して、上記反射波成分基準時間T2での脈波振幅値を導出する過程は、前述の第2実施形態において、図12,図13を参照して説明したのと同様であるので、説明を省略する。
このように、この第3実施形態の脈波解析装置70によれば、上記脈波振幅検出部79は、上記脈波検出部71で検出した脈波と上記圧‐容積変化特性のモデル式(2)で表されるような上記血管の圧‐容積変化特性とに基づいて、各基準時間T1,T2に対応する脈波の振幅をより正確に求めることができる。
尚、上記血管内外圧差制御部72に対応する血管内外圧差制御機能と、上記血管圧‐容積変化特性モデル化部75に対応する血管圧‐容積変化特性モデル化機能とを脈波解析プログラムによってコンピュータに実行させてもよい。また、上記第2、第3実施形態では、上記圧‐容積変化特性のモデルとして、次式(2)に示すようなシグモイド関数を採用したが、上記圧‐容積変化特性のモデルとする式がシグモイド関数に限られるものではなく、その他の好ましい所望のモデル式を採用できるのは勿論である。
この発明の脈波解析装置は、生体の脈波に含まれている駆出波と反射波を高精度に同定することが求められる用途に適しており、脈波の駆出波と反射波を利用した新たな生体指標を得るのに有用である。一例として、脈波に含まれている駆出波成分と反射波成分の比率を求めることで、全身の動脈硬化度の定量的な評価や、中心動脈圧の推定などに用いられているAI(Augmentation Index)等の、生体の状態を把握する上で有用となる生体指標を得るのにも利用可能である。
1、21、71 脈波検出部
2、22、72 血管内外圧差制御部
3、23、73 駆出波・反射波特徴情報抽出部
5、25、75 基準時間検出部
6、26、79 脈波振幅検出部
7、27、77 脈波振幅情報検出部
8、78 圧力制御部
10、20、70 脈波解析装置
28 血管内圧制御部

Claims (10)

  1. 生体の或る一部位における脈波を検出する脈波検出部と、
    上記脈波検出部で検出した上記一部位における脈波からこの脈波の振幅を検出し、上記一部位の血管の内圧と外圧との差に対する上記脈波の振幅の関係が略線形と見なせる領域に入るように上記一部位の血管の内圧と外圧との差を制御する血管内外圧差制御部と、
    上記脈波検出部で検出した上記一部位における脈波に含まれる駆出波成分を特定するための基準時間と上記脈波に含まれる反射波成分を特定するための基準時間とを検出する基準時間検出部と、
    上記基準時間検出部で検出した上記駆出波成分の基準時間に対応する上記脈波の振幅を検出すると共に上記基準時間検出部で検出した上記反射波成分の基準時間に対応する上記脈波の振幅を検出する脈波振幅検出部とを備えることを特徴とする脈波解析装置。
  2. 請求項1に記載の脈波解析装置において、
    上記一部位の血管の内圧と外圧との差に対する上記脈波の振幅の関係が略線形と見なせる領域は、上記一部位の血管の内圧と外圧との差の変化に対する上記脈波の振幅の変化が最大となる領域を含んでいることを特徴とする脈波解析装置。
  3. 請求項1または2に記載の脈波解析装置において、
    上記内外圧差制御部によって上記血管の内圧と外圧との差を変化させて上記内外圧差制御部から得た上記脈波の振幅を表す情報と上記血管の内圧と外圧との差を表す情報とに基づいて、上記血管の圧‐容積変化特性を予め求める血管圧‐容積変化特性モデル化部を有し、
    上記脈波振幅検出部は、
    上記脈波検出部で検出した脈波と、上記血管圧‐容積変化特性モデル化部で求めた上記血管の圧‐容積変化特性と、上記内外圧差制御部からの上記血管の内圧と外圧との差を表す情報とに基づいて、上記基準時間に対応する脈波の振幅を求めることを特徴とする脈波解析装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の脈波解析装置において、
    上記内外圧差制御部は、
    上記生体の心臓に対する上記脈波検出部の高さを制御して上記血管の内圧を制御することによって上記血管の内圧と外圧との差を制御することを特徴とする脈波解析装置。
  5. 請求項1から3のいずれか1つに記載の脈波解析装置において、
    上記内外圧差制御部は、
    上記脈波検出部による上記血管に対する外圧を制御することで上記血管の内圧と外圧との差を制御することを特徴とする脈波解析装置。
  6. 生体の或る一部位における脈波からこの脈波の振幅を検出し、上記一部位の血管の内圧と外圧との差に対する上記脈波の振幅の関係が略線形と見なせる領域に入るように上記一部位の血管の内圧と外圧との差を制御する血管内外圧差制御機能と、
    上記一部位における脈波に含まれる駆出波成分を特定するための基準時間と上記脈波に含まれる反射波成分を特定するための基準時間とを求める基準時間導出機能と、
    上記駆出波成分の基準時間に対応する上記脈波の振幅を求めると共に上記反射波成分の基準時間に対応する上記脈波の振幅を求める脈波振幅導出機能とをコンピュータに実行させることを特徴とする脈波解析プログラム。
  7. 請求項6に記載の脈波解析プログラムにおいて、
    上記一部位の血管の内圧と外圧との差に対する上記脈波の振幅の関係が略線形と見なせる領域は、上記一部位の血管の内圧と外圧との差の変化に対する上記脈波の振幅の変化が最大となる領域を含んでいることを特徴とする脈波解析プログラム。
  8. 請求項6または7に記載の脈波解析プログラムにおいて、
    上記内外圧差制御機能によって上記血管の内圧と外圧との差を変化させて上記内外圧差制御機能から得た上記脈波の振幅を表す情報と上記血管の内圧と外圧との差を表す情報とに基づいて、上記血管の圧‐容積変化特性を予め求める血管圧‐容積変化特性モデル化機能をコンピュータに実行させ、
    上記脈波振幅導出機能により、上記血管圧‐容積変化特性モデル化機能で求めた上記血管の圧‐容積変化特性と、上記内外圧差制御機能からの上記血管の内圧と外圧との差を表す情報とに基づいて、上記基準時間に対応する脈波の振幅を求めることを特徴とする脈波解析プログラム。
  9. 請求項6から8のいずれか1つに記載の脈波解析プログラムにおいて、
    上記内外圧差制御機能は、
    上記生体の或る一部位における脈波を検出する脈波検出部の上記生体の心臓に対する高さを制御して上記血管の内圧を制御することによって上記血管の内圧と外圧との差を制御することを特徴とする脈波解析プログラム。
  10. 請求項6から8のいずれか1つに記載の脈波解析プログラムにおいて、
    上記内外圧差制御機能は、
    上記生体の或る一部位における脈波を検出する脈波検出部による上記一部位の血管に対する外圧を制御することで上記血管の内圧と外圧との差を制御することを特徴とする脈波解析プログラム。
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