JP2007044163A - 塗布ブラシおよび塗布ブラシの製造方法 - Google Patents

塗布ブラシおよび塗布ブラシの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
爪甲や唇等の塗付体にマニキュアや口紅等の化粧料を塗布する際、広い面を斑なく塗布できる小幅の塗布ブラシおよび塗布ブラシの製造方法である。
平ブラシを構成するブラシの横幅を爪甲への塗付圧で大きく広げられ塗布を容易にする。またこのような塗布ブラシを容易に製造する方法を提供する。
【解決手段】
化学繊維製のブラシ毛が楕円、トラック形状等縦横寸法比の大きい平形の横断面形状にされると共に縦横を揃えられることで、ブラシの爪甲等の塗布面への塗付圧によりブラシを大きく広げられるようにする。
また化学繊維製のブラシ毛を圧潰することにより、ブラシ毛の横断面形状の縦横を容易に揃える。

【選択図】 図1

Description

本発明は液状化粧料、固形化粧料等を塗布する塗布用ブラシに関する。詳しくは爪甲や唇等にマニキュアや口紅等の化粧料を塗布する際、広い面を斑なく塗布できる塗布ブラシに関する。またこのような塗布ブラシの製造方法に関する。
爪甲や唇等にマニキュアや口紅等の化粧料を塗布しようとする場合、広い面積を一度に塗布した方が斑なく塗れることが知られている。そこで従来から広い面を一度に塗れるよう、ブラシの保持金具を平らに潰した平ブラシが多く使用されている。
しかし、従来の平ブラシは単にブラシ毛の長さを揃えるのみで組まれていることから、塗布に際して平ブラシの広がりを大きくするには限度があった。そのため塗付体の面積、形状に応じ多種類のブラシを用意しなければならなかった。そこで近年では特許文献1、特許文献2に記載されているように、1本の塗布ブラシでもって使用する向きを変える事によってブラシの長さを変化できるものが提供されている。
特開2000−253927号公報 特開2005−21215号公報
特許文献1はブラシの毛先を揃え、開口縁を傾斜した凹穴部に保持固定している。そのためブラシに作用する力の方向、すなわち塗布ブラシの使用向きによって毛先でのコシの強さが異なる。そこで塗布面上でブラシの使用向きを変えることにより広い領域への塗布と狭い領域へ塗布とを1本の塗布ブラシで使い分けられるようにしている。しかし、特許文献1におけるブラシと爪甲との接触面積はブラシの長さ方向に接触領域を伸ばし、そのまま左右に摺動することにより得られるものである。しかし、塗布ブラシをブラシの伸び方向に対し横に動かすことはブラシをさらに横方向に屈曲することであり、塗布操作を不安定にしていた。
また特許文献2は略方形の開口縁を有し、対向するように軸長方向に延出する円弧状の開口縁に保持固定している。そのためブラシは先端に作用する力を開口縁に沿って左右に方向を変えられ、中央付近のブラシが左右に移動する分がブラシの広がりに寄与できるようにしていた。 特許文献2の場合、外側に配されたブラシは中央側に配されたブラシより長いことから屈曲しやすくなっている。そのため左右対称に湾曲した爪甲の表面にマニキュアを塗布するような場合には適するものの、繊細な塗布で幅広外側に配された屈曲しやすいブラシを用いることになり塗布操作を不安定にしていた。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところはブラシの横幅を爪甲や唇などへの塗付圧で大きく広げられる塗布ブラシを提供するものである。またこのような塗布ブラシを製造する方法を提供するものである。
本発明塗布ブラシは上記目的を達成せんとするもので、その第1の態様は化学繊維製のブラシ毛の横断面形状が、縦横の寸法比の大きい楕円、トラック形状等の平形であり、ブラシ毛の縦横を揃えることで、化粧料等を塗布する際の塗付圧でブラシ毛が横方向に大きく広げられるようしたものである。
本発明の第2の態様は化学繊維製のブラシ毛の元の横断面形状が円形であり、該円形のブラシ毛で構成されたブラシを押し潰すとともにブラシ毛の横断面形状の縦横を揃える方法である。すなわち、ブラシ毛の元の横断面形状が円形であり、円形のブラシ毛で構成されたブラシを押し潰して縦横の寸法比の大きい楕円、トラック形状等の平形に成形しブラシ毛の横断面形状の縦横を揃える方法である。
さらに、ブラシ毛の元の横断面形状が円形であり、円形のブラシ毛で構成されたブラシを円形の口金の先端に挿入すると同時にブラシ毛をカシメ固定する。そうして口金の先端をブラシ毛と共に一方向に押し潰して縦横の寸法比の大きい楕円、トラック形状等の平形に成形し、ブラシ毛の横断面形状の縦横を揃える方法も良い。また、ブラシを押し潰し、ブラシ毛を平形に成形する手段がプレス加工、ローラ潰し加工等の塑性加工である事も良い。
本発明塗布ブラシにあっては次に記載する効果を奏する。ブラシを爪甲や唇等に塗布するために塗布圧をかけると、ブラシは隣接するブラシ毛の縦横に添う形で弾性変形する。そこでブラシを横向き、例えば平ブラシの面を腹にして使用すると、塗付圧の増大に従いブラシ毛は隣接するブラシ毛の左右側面側にずれる。ブラシ毛は横に広い平形である事から、同面積の円形のブラシ毛を使用した場合に比べ大きく広がることができる。したがって、同じ幅を持つ従来の平ブラシ等に比し、塗布圧加減により大きなブラシの広がりをもたせることで使い勝手の良い塗布ブラシを得ることができる。
また以上のように使い勝手の良い塗布ブラシを、横断面形状が円形であるブラシ毛の束を崩れなどに多くの注意を払うことなく口金の開口部に装着した後、プレス機やロール機など簡単な機械装置でブラシ毛を圧潰することで加工工数を大きく増さずに横断面形状が平形のブラシを成形できる。
次に本発明を具体化した実施例について説明する。図1は、本発明塗布ブラシの一実施例説明図である。図1において塗布ブラシを構成する口金1は一端が塗布棒に固定する軸端部13として円筒形に、他端がブラシ5を固定する口金先端部11としてトラック形状に形成されている。トラック形状に形成された口金先端部11はブラシ毛57の端部を束ね保持している。ブラシ5を構成するブラシ毛57の各々は、楕円やトラック形状等平形の縦横寸法比の大きい横断面形状をしている。またブラシ5を構成するブラシ毛57は先端と縦横を揃えて口金1に保持固定されている。
尚、口金1はブラシ5を固定するものであれば良く材料を限定するものではない。すなわち塑性変形可能な金属やプラスチック製の口金1でブラシ5を圧潰あるいは熱溶着できるものでも良い。さらにマニキュアブラシ等にあるようにブラシ5を保持固定する口金1と容器蓋とを一体に構成することも良いものである。
図2は本発明塗布ブラシの使用説明図で、上方に湾曲する爪甲7に液状マニキュア等の化粧料9を塗布している状態を示す。図においてブラシ5を構成するブラシ毛57は塗布面である爪甲7に対し横向きで使用されている。ブラシ5が爪甲7上に塗付圧がかかることで図2(A)のごとくブラシ5は片持ち梁のように屈曲され、化粧料9を爪甲7上に塗布する。また図2(B)は図2(A)のXX断面図を示すものであり塗布ブラシを横向きに使用する例を示す。
爪甲7に対するブラシ5への塗付圧は個々のブラシ毛57を矢印A1方向に押す。しかしブラシ毛57は柔軟性のある合成繊維で形成されることから図2(B)に示されるように矢印B1方向にずれて移動し隣接するブラシ毛57の間に互いに割り込む。そのためブラシ5は横方向に広がり、幅広く塗布できる。
次に本発明塗布ブラシの製造方法につき説明を加える。図3はブラシ毛の潰し加工前の口金取り付け説明図で、図3(A)はブラシ毛57の横断面形状が楕円、トラック形状等の平形である場合の口金取り付け状態斜視図、図3(B)は同正面図を示す。横断面形状が楕円、トラック形等平形のブラシ毛57は合成繊維が用いられる。平形のブラシ毛57は縦横を揃えて口金1の開口部に装着される。口金1の開口部に装着された平形のブラシ毛57は熱溶着やカシメなどで固定される。尚、図3において口金1の開口部は円形で示されているが、使用時には図2における説明のとおりブラシ毛57を塗布面に対し横向きに使用する。また口金1の形状は円形に限定されるものではない。
図4は潰し加工前のブラシ毛の口金取り付け説明図で、図4(A)は横断面形状が円形であるブラシ毛の口金取り付け状態斜視図、図4(B)は同正面図を示す。横断面形状が円形のブラシ毛59は方向性がないことから、毛先を整えるのみで所定量を口金1の開口部に装着できる。この場合、ブラシ毛59は口金1とともに平形に圧潰することでブラシ毛59の平形成形とブラシ毛59の口金1への固定を同時に行うことで図1に示されるような塗布ブラシを得ることができる。
図5は塗布ブラシの製造方法説明図で、図5(A)はプレス加工、図5(B)はローラ潰し加工による製造方法を示す。図5(A)、図5(B)において、記号111は口金1に装着したブラシ毛59を加工する加工台である。口金1に装着したブラシ毛59には、図3、図4と同様円形のブラシ毛59が保持されている。ブラシ毛59には縦横がないことから口金1に表裏あるいは正面位置がない限りブラシ毛59は冶具113上に載置され圧潰される。図5(A)では位置決めされたブラシ毛59に対し上型115が下降し口金およびブラシ毛をプレスする。
また図5(B)では位置決めされたブラシ毛59に対しロール117が加工台111の左方から矢印D方向に移動され、口金1及びブラシ毛59を冶具113とロール117との間で圧潰する。この時、丸形のブラシ毛59は楕円あるいはトラック形状に塑性変形される。
尚、図5では上記プレス加工、ローラ潰し加工はブラシ毛59のみの圧潰について説明を進めたが、口金1とブラシ毛59を同時に圧潰することも良い。
この場合ブラシ毛の固定と変形を同時に行える。またブラシ毛59の先端部分のみを部分的に圧潰することも良い。以上説明のとおり、本発明塗布ブラシにあっては発明の効果の欄に記載する効果を奏する。
また図面に基づき、特定の実施の形態をもって説明を加えてきたが、本発明は図面に限定するものではなく、既に知られている本発明の効果を奏するどのような構成も採用されることができることは言うまでもないことである。
本発明塗布ブラシの一実施例説明図である。 本発明塗布ブラシの使用説明図である。 ブラシ毛の口金取り付け説明図である。 潰し加工前のブラシ毛の口金取り付け説明図である。 塗布ブラシの製造方法説明図である。
符号の説明
1・・・・口金
11・・・口金先端部分
13・・・軸端部
5・・・・ブラシ
57・・・ブラシ毛
59・・・ブラシ毛
7・・・・爪甲
9・・・・化粧料
111・・加工台
113・・冶具
115・・上型
117・・ロール

Claims (4)

  1. 塗布棒の先端に、化学繊維製のブラシ毛を束ねて構成されるブラシを保持する塗布ブラシにおいて、
    該ブラシ毛の横断面形状が、縦横の寸法比の大きい楕円、トラック形状等の平形であり、該ブラシ毛の縦横を揃えることで、化粧料等を塗布する際にブラシ毛が横方向に大きく広がるようしたことを特徴とする塗布ブラシ。
  2. 塗布棒の先端に、化学繊維製のブラシ毛を束ねて構成されたブラシを保持する塗布ブラシにおいて、
    該ブラシ毛の元の横断面形状が円形であり、該円形のブラシ毛で構成されたブラシを押し潰して縦横の寸法比の大きい楕円、トラック形状等の平形に成形しブラシ毛の横断面形状の縦横を揃えることを特徴とする塗布ブラシの製造方法。
  3. 塗布棒の先端に、化学繊維製のブラシ毛を束ねて構成されたブラシを保持する塗布ブラシにおいて、
    該ブラシ毛の元の横断面形状が円形であり、該円形のブラシ毛で構成されたブラシを円形の口金の先端に固定し、該口金の先端をブラシ毛と共に一方向に押し潰して縦横の寸法比の大きい楕円、トラック形状等の平形に成形すると同時に口金にブラシ毛をカシメ固定し、ブラシ毛の横断面形状の縦横を揃えることを特徴とする塗布ブラシの製造方法。
  4. 前記化学繊維製のブラシ毛を押し潰して成形する手段がプレス加工、ローラ潰し加工等の塑性加工であることを特徴とする請求項2、請求項3記載の塗布ブラシの製造方法。
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