JP2007043931A - カカオ酵素処理物およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 焙焼処理したカカオ原料から旨味が強く、マイルドな風味を有するカカオ酵素処理物を製造する方法を提供すること。
【解決手段】 焙焼処理したカカオ原料をプロテアーゼ処理して得られるカカオ酵素処理物の製造方法であって、プロテアーゼ処理後の総遊離アミノ酸の含有率が処理前に比べて少なくとも1.5倍であり、且つプロテアーゼ処理後のグルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニンのそれぞれの含有率が処理前に比べて少なくとも1.8倍となるのに十分な時間及び温度でプロテアーゼ処理することを特徴とするカカオ酵素処理物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は香味が増強されたカカオ処理物を製造するための酵素処理法に関する。
カカオ豆は、カカオポッドの中に乳白色のパルプ質に覆われて30〜50個入っている。このカカオ豆を箱式発酵法や堆積発酵法により、1週間前後の細菌や酵母による発酵処理が行われ、多くの微生物の作用をうけて香味成分が生成され、さらにローストされカカオ特有の風味が生成される。カカオの品種や採取後の処理方法などにより様々なタイプのカカオ豆ができることが知られている。また、発酵中に生成されるアミノ酸の多くは、ロースト中のメイラード反応などで様々な香気成分に変換される。一般的にはロースト度合いが強いほどビターな味になることが知られているが、旨味の強いカカオ原料は少ない。
カカオ豆の酵素処理に関してはこれまで種々の方法が提案されている。例えば、ココア飲料の清澄化および食感を改善するためにアミラーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどで処理する方法(特許文献1〜4参照)、リパーゼ処理による香味の増大した濃厚チョコレート液の製法(特許文献5参照)、未発酵のココア豆をプロテアーゼで処理して、フレーバー前駆体を増大させ、ロースト後の香気を改善する方法(特許文献6および7参照)などが提案されている。
特公昭50−33137号公報 特公昭52−12269号公報 特開平7−79749号公報 特開平8−332063号公報 特公昭55−1781号公報 特開平9−156号公報 特表2004−517641号公報
しかしながら、前記したカカオ豆の酵素処理は、焙焼処理したカカオ豆中に含有されるタンパク質を積極的に分解して旨味の強いカカオ酵素処理物を得ようとするものではなかった。
したがって、本発明の目的は、焙焼処理したカカオ原料から旨味が強く、マイルドな風味を有するカカオ酵素処理物を製造する方法を提供することである。
本発明者らは、焙焼処理したカカオ豆から得られる各種原料について、全体的な香味の増強とともに、より一層、旨味が強くマイルドなカカオ原料を提供するため、原料中に含まれるタンパク質を有効利用することを目的として鋭意研究を行い、今回、総遊離アミノ酸の含有率がプロテアーゼ処理前後で特定以上とし、かつ特定のアミノ酸の含有率がプロテアーゼ処理前後において特定以上の範囲となるようにプロテアーゼ処理することにより、旨味が増強され、マイルドな香味を有するカカオ酵素処理物が得られることを見いだし本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、焙焼処理したカカオ原料をプロテアーゼ処理して得られるカカオ酵素処理物の製造方法であって、プロテアーゼ処理後の総遊離アミノ酸の含有率が処理前に比べて少なくとも1.5倍であり、且つプロテアーゼ処理後のグルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニンのそれぞれの含有率が処理前に比べて少なくとも1.8倍となるのに十分な時間及び温度でプロテアーゼ処理することを特徴とするカカオ酵素処理物の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、プロテアーゼで処理する際および/または処理後にリパーゼで処理することを特徴とする前記の製造方法を提供するものである。
本発明は、さらに、酵素で処理する際および/または処理後に糖類、糖アルコール、多価アルコール、界面活性剤および香料から選択される少なくとも1種を添加することを特徴とする前記の製造方法を提供するものである。
本発明は、また、前記の方法によって得られるカカオ酵素処理物および該カカオ酵素処理物を含有する飲食品を提供するものである。
本発明によれば、従来のカカオ原料に比べ、旨味が増強され、マイルドな香味を有するカカオ酵素処理物が得られる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の方法において原料として使用しうるカカオ原料としては、カカオ豆から得られるものであり、例えば、カカオニブ、カカオマス、ココアパウダーなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上の混合物として使用することができる。
本発明で使用し得るプロテアーゼとしては、特に制限はなく動植物由来または微生物由来のプロテアーゼを1種もしくは2種以上組み合わせて使用することができ、例えば、プロテアーゼM、プロテアーゼP、ウマミザイム、ペプチダーゼR、ニューラーゼA、ニューラーゼF(以上、アマノエンザイム社製の麹菌由来プロテアーゼ);スミチームAP、スミチームLP、スミチームMP、スミチームFP、スミチームLPL、スミチームOP(以上、新日本化学工業社製の麹菌由来プロテアーゼ);プロチンFN(大和化成社製の麹菌由来プロテアーゼ);デナプシン2P、デナチームAP、XP−415(以上、ナガセケムテックス社製の麹菌由来プロテアーゼ);オリエンターゼ20A、オリエンターゼONS、テトラーゼS(以上、エイチビィアイ社製の麹菌由来プロテアーゼ);モルシンF、PD酵素、IP酵素、AO−プロテアーゼ(以上、キッコーマン社製の麹菌由来プロテアーゼ);サカナーゼ(科研ファルマ社製の麹菌由来プロテアーゼ);パンチダーゼYP−SS、パンチダーゼNP−2、パンチダーゼP(以上、ヤクルト薬品工業社製の麹菌由来プロテアーゼ);フレーバザイム(ノボザイムズ社製の麹菌由来プロテアーゼ);コクラーゼSS、コクラーゼP(以上、三共ライフテック社製の麹菌由来プロテアーゼ);VERON PS、COROLASE PN−L(以上、ABエンザイム社製の麹菌由来プロテアーゼ);プロテアーゼN、プロテアーゼNL、プロテアーゼS、プロレザーFG−F(以上、アマノエンザイム社製の細菌由来プロテアーゼ);プロチンP、デスキン、デピレイス、プロチンA、サモアーゼ(以上、大和化成社製の細菌由来プロテアーゼ);ビオプラーゼXL−416F、ビオプラーゼSP−4FG、ビオプラーゼSP−15FG(以上、ナガセケムテックス社製の細菌由来プロテアーゼ);オリエンターゼ90N、ヌクレイシン、オリエンターゼ10NL、オリエンターゼ22BF(以上、エイチビィアイ社製の細菌由来プロテアーゼ);アロアーゼAP−10(ヤクルト薬品工業社製の細菌由来プロテアーゼ);プロタメックス、ニュートラーゼ、アルカラーゼ(以上、ノボザイムズ社製の細菌由来プロテアーゼ);COROLASE N、COROLASE7089、VERON W、VERON P(以上、ABエンザイム社製の細菌由来プロテアーゼ);エンチロンNBS(洛東化成工業社製の細菌由来プロテアーゼ);アルカリプロテアーゼGL440、ピュラフェクト4000L、プロテアーゼ899、プロテックス6L(以上、ジェネコン協和社製の細菌由来プロテアーゼ);アクチナーゼAS、アクチナーゼAF(以上、科研ファルマ社製の放線菌由来プロテアーゼ);タシナーゼ(ジェネコン協和社製の放線菌由来プロテアーゼ);パパインW−40(アマノエンザイム社製の植物由来プロテアーゼ);食品用精製パパイン(ナガセケムテックス社製の植物由来プロテアーゼ);その他動物由来のペプシン、トリプシンなどを挙げることができる。これらのプロテアーゼの使用量は、力価などにより異なり一概には言えないが、通常、カカオタンパク質に対して0.1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%の範囲内を例示することができる。
本発明は、上記の焙焼処理したカカオ原料を上記例示したプロテアーゼで処理することにより、プロテアーゼ処理後の総遊離アミノ酸の含有率が処理前に比べて少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも1.8倍であり、かつプロテアーゼ処理後のグルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニンのそれぞれの含有率が処理前に比べて少なくとも1.8倍、好ましくは少なくとも2.0倍となるのに十分な時間及び温度でプロテアーゼ処理することを特徴とする。かかるプロテアーゼ処理方法の一実施態様を例示すれば次の通りである。焙焼処理したカカオ原料1重量部に水を0.01〜10重量部を添加して、約60〜約121℃で約2秒〜約20分間殺菌した後冷却し、上記のプロテアーゼを添加して、約30〜約70℃、好ましくは約40〜約60℃で約2〜約48時間、好ましくは約4〜約30時間の範囲内で攪拌もしくは静置条件下で酵素処理を行う。酵素処理後、約60〜約121℃で約2秒〜約20分間加熱することにより酵素失活した後冷却しカカオ酵素処理物を得ることができる。このようにして得られる本発明のカカオ酵素処理物のpHを4.0〜7.0、好ましくは5.0〜6.0の範囲内に調整することによりカカオの旨味が増大して好適である。
本発明では、上記のプロテアーゼで処理する際および/または処理後にリパーゼで処理することによりプロテアーゼ単独の処理に比べ濃厚感が増大して好適である。本発明で使用されるリパーゼとしては、特に制限されるものではなく、例えば、アスペルギルス属、ムコール属、キャンディダ属、リゾープス属等の微生物由来リパーゼ、豚の膵臓から得られるリパーゼ、子山羊、子羊、子牛の咽頭分泌線から採取したオーラルリパーゼなどを適宜利用できるが、好ましくは、カカオ脂に構成されている脂肪酸組成からパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸を遊離するリパーゼを使用することが好ましい。リパーゼの使用量は力価などにより異なり一概には言えないが、通常、カカオ脂に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲内を例示することができる。
また、本発明では、上記した酵素で処理する際および/または処理後に糖類、糖アルコール、多価アルコール、界面活性剤および香料から選択される少なくとも1種を添加することができる。糖類としては、例えば、砂糖、異性化糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖などの糖類;フラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖などのオリゴ糖類を挙げることができる。糖アルコールとしては、例えば、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール、パラチニット、還元澱粉糖化物などを挙げることができる。多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、プロピレングリコールなどを挙げることができる。また、界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられ、香料としては、例えば、カカオ香料、チョコレート香料、バニラ香料などの適宜な香料を挙げることができる。
上記した方法によって得られる本発明のカカオ酵素処理物は、そのまま使用することもできるが、一般には、適当な希釈剤もしくは担体との組成物の形態で用いることもできる。希釈剤もしくは担体としては、例えば、アラビアガム、デキストリン、グルコース、シュークロースなどの固体希釈剤もしくは担体、または水、プロピレングリコール、グリセリン、界面活性剤などの液体希釈剤もしくは担体を例示することができ、上記のカカオ酵素処理物はこれらの希釈剤もしくは担体を用いて任意の形態、例えば、ブロック状、粉末状、顆粒状、液状、乳液状、ペースト状、その他適宜の剤形に調製することができる。
かくして得られる本発明のカカオ酵素処理物は、例えば、清涼飲料、炭酸飲料、乳飲料、機能性飲料などの飲料類;チョコレート、キャンディー、クッキー、ケーキ、ゼリーなどの菓子類;冷菓類などの飲食品類に配合することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明する。
実施例1
カカオマス(コートジボアール産)450gを50℃で加温溶解し、水600gを加え、ホモジナイザー(特殊機化工業社製)による攪拌混合を行い、スミチームOP(新日本化学工業社製のプロテアーゼの商品名)1gを水10gに懸濁して添加し、内温55℃で24時間攪拌反応を行い、上白糖450gを添加後、85℃、10分間加熱して酵素を失活させ、ペースト状のカカオ酵素処理物(発明品1)を得た。
比較例1
実施例1において、酵素を使用しない以外は実施例1と同様に処理してカカオ酵素未処理物(比較品1)を得た。
比較例2
実施例1において、酵素反応時間を1時間とした以外は実施例1と同様に処理してカカオ酵素処理物(比較品2)を得た。
比較例3
実施例1において、スミチームOPの代わりにプロテアーゼA(アマノエンザイム社製のプロテアーゼの商品名)を使用した以外は実施例1と同様に処理してカカオ酵素処理物(比較品3)を得た。
(遊離アミノ酸分析)
発明品1および比較品1〜3のそれぞれのカカオ酵素処理物および未処理物を日立高速アミノ酸分析計 L−8800Aを使用して常法により遊離アミノ酸の分析を行った。結果を表1に示す。
Figure 2007043931
表1に示したアミノ酸分析結果より、酵素未処理品である比較品1に対する発明品1、比較品2および比較品3のそれぞれの総遊離アミノ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸およびアルギニンの増加率を示すと表2のようになる。
Figure 2007043931
表2から明らかなように、本発明品は比較品に比べ総遊離アミノ酸が増加しており、特に旨味に関与するアスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニンが顕著に増加していた。
(官能評価)
発明品1および比較品1〜3のそれぞれのカカオ酵素処理物および未処理物を2%添加して、常法によりプレーンタイプチョコレートを作製し、酵素未処理品である比較品1と風味比較した。風味評価のパネラーとしては、良く訓練された10名によって行った。風味評価は、ビター感、マイルド感、フレーバーリリース、旨味・濃厚感、テクスチャーの5項目で以下の基準によってそれぞれ評価し、その人数を表3に示す。
<評価基準>
酵素未処理品(比較品1)と比較して
A:大変好ましい
B:好ましい
C:大差なし
D:好ましくない
Figure 2007043931
表3の結果から明らかなように、本発明品は比較品に比べ、旨味・濃厚感の点で格段に優れていることが判る。
実施例2
カカオマス(ガーナ産)450gを50℃で加温溶解し、水600gを加え、ホモジナイザー(特殊機化工業社製)による攪拌混合を行い、ウマミザイム(天野エンザイム社製のプロテアーゼの商品名)1gおよびリパーゼA−10FG(ナガセケムテックス社製のリパーゼの商品名)0.4gを水100gに懸濁して添加し、内温45℃で24時間攪拌反応を行い、上白糖450gを添加後、85℃、10分間加熱して酵素を失活させ、ペースト状のカカオ酵素処理物(発明品2)を得た。
比較例4
実施例2において、酵素を使用しない以外は実施例2と同様に処理してカカオ酵素未処理物(比較品4)を得た。
(遊離アミノ酸分析)
発明品2および比較品4のそれぞれのカカオ酵素処理物および未処理物を日立高速アミノ酸分析計 L−8800Aを使用して常法により遊離アミノ酸の分析を行った。発明品2の総遊離アミノ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸およびアルギニンの比較品4に対する増加率を表4に示す。
Figure 2007043931
表4から明らかなように、本発明品は比較品に比べ総遊離アミノ酸が増加しており、特に旨味に関与するアスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニンが顕著に増加していた。
(官能評価)
発明品2および比較品4のそれぞれのカカオ酵素処理物および未処理物を0.2%添加して、常法によりチョコレート味のラクトアイスを作製し、酵素未処理品と風味比較した。風味評価のパネラーとしては、良く訓練された10名によって行った。風味評価は、ビター感、マイルド感、フレーバーリリース、旨味・濃厚感、テクスチャーの5項目で以下の基準によってそれぞれ評価し、その人数を表5に示す。
<評価基準>
酵素未処理品(比較品4)と比較して
A:大変好ましい
B:好ましい
C:大差なし
D:好ましくない
Figure 2007043931
表5の結果から明らかなように、本発明品は比較品に比べ、旨味・濃厚感の点で格段に優れていることが判る。
実施例3
水800gを50℃に加温し、ココアパウダー100gを加え攪拌溶解し、プロテアーゼM(アマノエンザイム社製のプロテアーゼの商品名)0.5gを水50gに懸濁して添加し、内温50℃で6時間の攪拌反応を行い、85℃、10分間加熱して酵素を失活させ、噴霧乾燥して、粉末状のカカオ酵素処理物(発明品3)を得た。
比較例5
実施例3において、酵素を使用しない以外は実施例3と同様に処理してカカオ酵素未処理物(比較品5)を得た。
(遊離アミノ酸分析)
発明品3および比較品5のそれぞれのカカオ酵素処理物および未処理物を日立高速アミノ酸分析計 L−8800Aを使用して常法により遊離アミノ酸の分析を行った。発明品3の総遊離アミノ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸およびアルギニンの比較品5に対する増加率を表6に示す。
Figure 2007043931
表6から明らかなように、本発明品は比較品に比べ総遊離アミノ酸が増加しており、特に旨味に関与するアスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニンが顕著に増加していた。
(官能評価)
発明品3および比較品5のそれぞれのカカオ酵素処理物および未処理物を0.2%添加して、常法によりチョコレート味のラクトアイスを作製し、酵素未処理品と風味比較した。風味評価のパネラーとしては、良く訓練された10名によって行った。風味評価は、ビター感、マイルド感、フレーバーリリース、旨味・濃厚感、テクスチャーの5項目で以下の基準によってそれぞれ評価し、その人数を表7に示す。
<評価基準>
酵素未処理品(比較品5)と比較して
A:大変好ましい
B:好ましい
C:大差なし
D:好ましくない
Figure 2007043931
表7の結果から明らかなように、本発明品は比較品に比べ、旨味・濃厚感の点で格段に優れていることが判る。

Claims (7)

  1. 焙焼処理したカカオ原料をプロテアーゼ処理して得られるカカオ酵素処理物の製造方法であって、プロテアーゼ処理後の総遊離アミノ酸の含有率が処理前に比べて少なくとも1.5倍であり、且つプロテアーゼ処理後のグルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニンのそれぞれの含有率が処理前に比べて少なくとも1.8倍となるのに十分な時間及び温度でプロテアーゼ処理することを特徴とするカカオ酵素処理物の製造方法。
  2. プロテアーゼで処理する際および/または処理後にリパーゼで処理することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 酵素で処理する際および/または処理後に糖類、糖アルコール、多価アルコール、界面活性剤および香料から選択される少なくとも1種を添加することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の製造方法。
  4. カカオ原料がカカオニブ、カカオマスおよびココアパウダーから選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法によって得られるカカオ酵素処理物。
  6. pHが4.0〜7.0の範囲内である請求項5に記載のカカオ酵素処理物。
  7. 請求項5または6のいずれかに記載のカカオ酵素処理物を含有する飲食品。
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