JP2007042694A - フレキシブルプリント基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】自立膜として利用可能な機械的強度を有し、高い耐熱性を有し、優れたフレキシビリティーを有し、それ自身を重ね合わせて、積層化することが容易にでき、高い電気絶縁性を有する新しいフレキシブルプリント基板を提供する。
【解決手段】粘土を主成分とするフレキシブルプリント基板であり、単層又は多層の構造を有するフレキシブルプリント基板、粘土のみ、粘土と少量の添加物、粘土と少量の補強材、又は粘土と少量の添加物と少量の補強材から構成される上記フレキシブルプリント基板、及び上記フレキシブルプリント基板に導電体によって電子回路が形成されたことを特徴とする部材。
【効果】耐熱及び柔軟性を改善させた新規フレキシブルプリント基板等を提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、粘土を主成分とするフレキシブルプリント基板に関するものであり、更に詳しくは、高い耐熱性を有し、自立膜として利用可能な機械的強度、高い電気絶縁性を有し、かつ優れたフレキシビリティーを有し、それ自身を重ね合わせて厚膜化することが容易にできる単層又は多層構造のフレキシブルプリント基板に関するものである。フレキシブルプリント基板絶縁膜の技術分野においては、従来からグリーンシートが用いられてきたが、このグリーンシートには電子回路の焼付け等の加熱により硬化してしまうという問題点があった。本発明は、粘土を主成分とする特定の粘土薄膜の基材を用いることで、電子回路の焼付け処理に耐える耐熱性を有し、フレキシブルプリント基板としての実用レベルの柔軟性を有し、かつ高い電気絶縁性を有する新技術・新素材を利用した新規フレキシブルプリント基板を提供するものである。
多くの電子機器でコンパクト化が図られ電子基板の薄膜化が進められている。また、褶曲が繰り返されるために、基板に柔軟性が求められる用途がある。更に、基板は、製品に貼り付けて用いるために、基板の柔軟性が求められる用途がある。従来の回路描画プロセスを大幅に単純化させた印刷技術を用いた回路描画法が開発された。この描画法は、銀などの導電性元素を含むインクにより電子回路をフレキシブルプリント基板上に印刷し、加熱処理により回路の導電性を高めるものである。この加熱処理として、300℃から350℃の温度が用いられる。現在、柔軟なフレキシブルプリント基板として、グリーンセラミックスシートが用いられているが、グリーンセラミックスシートは加熱により柔軟性が低下するという問題点があった。
また、柔軟な有機高分子フィルムとして、イミドフィルムが用いられているが、有機高分子であるため、高温で燃焼するという問題点がある。また、イミドフィルムは、高分子材料の中でも特に高価であり、流通管理などの目的で製品に一つずつ取り付ける場合に、コストの面で問題点がある。また、イミド樹脂は、インクの溶媒の浸透が悪く印刷後にインクがダレてしまい、結果として配線の分解能を稼ぎにくい、また、焼成後に電子回路が剥離しやすいという問題点がある。
一方、粘土は、天然物製品が非常に安価に流通しており、耐熱性も一般に高い。また、粘土は、水やアルコールに分散し、その分散液をガラス板の上に広げ、静置乾燥することにより粒子の配向の揃った膜を形成することが知られており、例えば、この方法で、X線回折用の定方位試料が調製されてきた(非特許文献1)。しかしながら、ガラス板上に粘土の膜を形成した場合、ガラス板から剥がすことが困難であり、剥がす際に膜に亀裂が生じるなど、自立膜として得ることが難しいという問題があった。また、膜を剥がせたとしても、得られた膜が脆く、強度が不足であった。
最近、ラングミュアーブロジェット法(Langmuir−Blodgett Method)を応用した粘土薄膜の作製が行われている(非特許文献2)。しかし、この方法では、粘土薄膜は、ガラス等の材料でできた基板表面上に形成されるものであり、自立膜にはならない。更に、自立膜としての強度を有する粘土薄膜を得ることができなかった。更に、従来、例えば、機能性粘土薄膜等を調製する方法が種々報告されている。
先行技術として、例えば、ハイドロタルサイト系層間化合物の水分散液を膜状化して乾燥することからなる粘土薄膜の製造方法(特許文献5)、層状粘土鉱物と燐酸又は燐酸基との反応を促進させる熱処理を施すことによる層状粘土鉱物が持つ結合構造を配向固定した層状粘土鉱物薄膜の製造方法(特許文献6)、スメクタイト系粘土鉱物と2価以上の金属の錯化合物を含有する皮膜処理用水性組成物(特許文献7)、等をはじめ、多数の事例が存在する。しかしながら、当技術分野においては、これまで、自立膜として利用可能な機械的強度を有し、柔軟性に優れた粘土膜の開発例は本発明者らの研究例の他に事例がなく、また、粘土膜を用いたフレキシブルプリント基板の製造も検討されてこなかったのが実情である。
特開昭50−2699号公報 特開昭53−39318号公報 特開昭55−142539号公報 特開平5−262514号公報 特開平6−95290号公報 特開平5−254824号公報 特開2002−30255号公報 白水晴雄「粘土鉱物学−粘土科学の基礎−」、朝倉書店、p.57(1988) 梅沢泰史、粘土科学、第42巻、第4号、p.218−222(2003)
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、自立膜として利用可能な機械的強度を有し、しかも、優れた耐熱性、電気絶縁性、及びフレキシビリティーを有する粘土膜によるフレキシブルプリント基板を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねる過程で、粘土を主成分とし、十分な耐熱性と柔軟性を有し、自立膜として利用可能である膜が作製できることを見出した。また、この膜は、電子回路を作製する際の加熱処理後もその柔軟性が保たれることを見出した。本発明者らは、これらの事実に注目し、粘土膜への電子回路の形成のさせ方などに関し更に研究を重ねて、粘土を主成分とするフレキシブルプリント基板を得ることに成功して、本発明を完成するに至った。
本発明は、優れた耐熱性と柔軟性を有する安価な粘土膜からなるフレキシブルプリント基板を提供することを目的とするものである。また、本発明は、自立膜として利用可能な機械的強度と靭性を有し、しかも、優れた耐熱性、電気絶縁性、及び柔軟性を併せ持つフレキシブルプリント基板、それらを積層した多層基板等の新技術・新素材を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)粘土を主成分とし、柔軟性を有し、自立膜として利用可能であることを特徴とするフレキシブルプリント基板。
(2)粘土のみ、粘土と少量の添加物、粘土と少量の補強材、又は粘土と少量の添加物と少量の補強材から構成される前記(1)に記載のフレキシブルプリント基板。
(3)主要構成成分が、天然粘土又は合成粘土である前記(1)に記載のフレキシブルプリント基板。
(4)前記天然粘土又は合成粘土が、雲母、タルク、カオリナイト、イライト、バーミキュライト、モンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、及びノントロナイトからなる群のうちの一種以上である前記(3)に記載のフレキシブルプリント基板。
(5)添加物が、エチレングリコール、グリセリン、イプシロンカプロラクタム、デキストリン、澱粉、セルロース系樹脂、ゼラチン、寒天、小麦粉、グルテン、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニル樹脂、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアマイド、ポリエチレンオキサイド、タンパク質、デオキシリボヌクレイン酸、リボヌクレイン酸及びポリアミノ酸、フェノール類、安息香酸類化合物、及びシリコン樹脂からなる群のうちから選択される一種以上である前記(2)に記載のフレキシブルプリント基板。
(6)補強材が鉱物繊維、グラスウール、セラミックス繊維、植物繊維及び有機高分子繊維の群のうちの一種以上である前記(2)に記載のフレキシブルプリント基板。
(7)添加物の、全固体に対する重量割合が、30パーセント以下である前記(2)に記載のフレキシブルプリント基板。
(8)補強材の、全固体に対する重量割合が、30パーセント以下である前記(2)に記載のフレキシブルプリント基板。
(9)厚さが、1mmよりも薄く、フレキシブルプリント基板の面積が、1cmよりも大きい前記(1)に記載のフレキシブルプリント基板。
(10)加熱、光照射等の任意の手段により、付加反応、縮合反応、重合反応等の化学反応を行わせ、粘土、添加物、及び接着層の成分同士、又は成分間において、新たな化学結合を生じさせて、耐水性、電気絶縁性、及び/又は機械的強度を改善させた前記(1)から(9)のいずれかに記載のフレキシブルプリント基板。
(11)300℃で24時間加熱処理後の剛軟度が、曲げ反発性試験の値として8.0(mN)以下である前記(1)に記載のフレキシブルプリント基板。
(12)300℃で72時間加熱後も外観に異状が観察されない前記(1)に記載のフレキシブルプリント基板。
(13)表面処理を施して、撥水、防水、補強、表面性状改質、及び/又は表面平坦化をした前記(1)に記載のフレキシブルプリント基板。
(14)前記表面処理が、フッ素系膜、シリコン系膜、ポリシロキサン膜、フッ素含有オルガノポリシロキサン膜、アクリル樹脂膜、塩化ビニル樹脂膜、ポリウレタン樹脂膜、高撥水メッキ膜、金属蒸着膜、又はカーボン蒸着膜を表面に形成することである前記(13)に記載のフレキシブルプリント基板。
(15)膜に対して垂直方向の直流電気抵抗が、1メガΩ以上である前記(1)に記載のフレキシブルプリント基板。
(16)プリントの方法がディスペンサーを用いる方法、インクジェット印刷もしくはスクリーン印刷である前記(1)に記載のフレキシブルプリント基板。
(17)プリントに用いるインクが導電性物質を含む前記(1)に記載のフレキシブルプリント基板
(18)前記導電性物質が銀あるいは銀化合物を含む前記(17)に記載のフレキシブルプリント基板。
(19)電子回路の描画リゾルーションが20マイクロメーター以下である前記(1)に記載のフレキシブルプリント基板。
(20)前記(1)から(19)のいずれかに記載のフレキシブルプリント基板に導電体によって電子回路が形成されたことを特徴とする部材。
(21)電子回路に表面処理が施された前記(20)に記載の部材。
(22)前記表面処理が、フッ素系膜、シリコン系膜、ポリシロキサン膜、フッ素含有オルガノポリシロキサン膜、アクリル樹脂膜、塩化ビニル樹脂膜、ポリウレタン樹脂膜を表面に形成することである前記(21)に記載の部材。
(23)積層により、電子回路を複数含む前記(20)から(22)のいずれかに記載の部材。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、粘土を主成分とするフレキシブルプリント基板であり、粘土を主成分とし、耐熱性と柔軟性を有し、自立膜として利用可能であり、電気絶縁性を有し、粘土表面に電子回路が形成可能であることを特徴とするものである。本発明のフレキシブルプリント基板は、室温における、面に垂直方向の体積抵抗率は一メガΩ以上であり、300℃の加熱で72時間後も外観に異状がなく、300℃で24時間加熱処理後の剛軟度が、曲げ反発性試験の値として8.0(mN)以下であることを特徴とする。
本発明のフレキシブルプリント基板は、粘土のみ、あるいは粘土と少量の添加物、あるいは粘土と少量の添加物、あるいは粘土と少量の添加物と少量の補強材から構成される。本発明のフレキシブルプリント基板を構成する粘土層の主要構成成分は、天然粘土、あるいは合成粘土である。前記粘土層の主要構成成分としては、例えば、雲母、タルク、カオリナイト、イライト、バーミキュライト、モンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト及びノントロナイトが例示される。
前記添加物としては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、イプシロンカプロラクタム、デキストリン、澱粉、セルロース系樹脂、ゼラチン、寒天、小麦粉、グルテン、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニル樹脂、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアマイド、ポリエチレンオキサイド、タンパク質、デオキシリボヌクレイン酸、リボヌクレイン酸及びポリアミノ酸、フェノール類、安息香酸類化合物、シリコン樹脂が例示される。
前記補強材としては、鉱物繊維、グラスウール、セラミックス繊維、植物繊維、有機高分子繊維、のうちの1種以上が例示される。本発明では、好適には、例えば、粘土を主成分とする膜に接着層が形成されているものが例示される。この接着層としては、接着剤、あるいは接着剤とベース層から構成されるものが例示される。本発明では、例えば、加熱、光照射等の任意の方法、手段により、付加反応、縮合反応、重合反応等の化学反応を行わせ、粘土、添加物、及び補強材の成分同士、あるいはそれらの成分間において、新たな化学結合を生じさせて、耐水性、電気絶縁性、あるいは機械的強度を改善させたフレキシブルプリント基板も対象とされる。
本発明では、例えば、300℃で24時間加熱処理後の剛軟度が、曲げ反発性試験の値として8.0(mN)以下であるフレキシブルプリント基板を提供できる。また、本発明では、例えば、300℃で72時間加熱後も外観に異状が観察されないフレキシブルプリント基板を提供できる。また、本発明では、例えば、円、正方形、長方形等に代表される任意の二次元平面形状を有し、自立膜として用いることが可能であり、厚さは1mmよりも薄く、面積は1cmよりも大きいフレキシブルプリント基板を提供できる。
本発明では、例えば、撥水、防水、表面性状改質、補強、表面平坦化を目的として、表面処理を行うことが可能であり、表面処理により、フッ素系膜、シリコン系膜、ポリシロキサン膜、フッ素含有オルガノポリシロキサン膜、アクリル樹脂膜、塩化ビニル樹脂膜、ポリウレタン樹脂膜、高撥水メッキ膜、金属蒸着膜、カーボン蒸着膜を表面に形成することが可能である。前記添加物の、全固体に対する重量割合は、好適には、30パーセント以下であり、前記補強材の、全固体に対する重量割合も、好適には、30パーセント以下である。
本発明のフレキシブルプリント基板は、自立膜、高耐熱性、柔軟、加工容易であり、厚さは、例えば、3〜100μm、粘土結晶の配向性は、マイクロメートル、ナノオーダーで高配向、であるという特徴を有する。本発明のフレキシブルプリント基板は、JIS K7127による引っ張り強度は、10MPa以上という特徴を有する。本発明のフレキシブルプリント基板の基本性能については、柔軟性は300℃で24時間加熱処理後の剛軟度が、曲げ反発性試験の値として8.0(mN)以下である。本発明のフレキシブルプリント基板では、特に、主要成分の粘土の割合を高め、耐熱性が高い材料を接着層として選ぶことで高い耐熱性が得られる。
本発明のフレキシブルプリント基板を構成する粘土層は、粘土を主原料(90重量%以上)として用い、基本構成として、好適には、例えば,層厚約1nm、粒子径約1μm、アスペクト比約300程度の天然又は合成の膨潤性粘土が90重量%以上と、分子の大きさ数nm以下の天然又は合成の低分子・高分子の添加物が10重量%以下の構成、が例示される。このフレキシブルプリント基板は、例えば、厚さ約1nmの層状結晶を同じ向きに配向させて重ねて緻密に積層することで作製される。
得られたフレキシブルプリント基板は、粘土層の膜厚が3〜100μmであり、ガスバリア性能は、粘土層の厚さ30μmで酸素透過度0.00008cc/m/24hr/atm未満、水素透過度0.002cc/m/24hr/atm未満であり、面積は100×40cm以上に大面積化することが可能であり、膜に対して、垂直方向の直流電気抵抗は1メガΩ以上である。難燃性については、酸素指数が94%以上である。
本発明は、自立膜として利用可能な機械的強度と靭性を有し、しかも、優れた電気絶縁性、柔軟性を併せ持つフレキシブルプリント基板を提供するものである。また、本発明では、フレキシブルプリント基板と粘着層を介して貼り付けることにより、フレキシブルプリント基板を容易に多層化することが可能であり、また、容易にプラスチック・ゴム・金属などの表面に貼り付けることが可能である。
本発明では、粘土として、天然、あるいは合成物、好ましくは、天然粘土及び合成粘土の何れか、あるいはそれらの混合物を用い、これを、水あるいは水を主成分とする液体に加え、分散液を調製する。粘土として、雲母、タルク、カオリナイト、イライト、バーミキュライト、モンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト及びノントロナイトからなる群のうちの一種以上を用いることができる。粘土分散液の濃度は、好適には0.5から15重量パーセント、より好ましくは、1から10重量パーセントである。このとき、粘土分散液の濃度が薄すぎる場合、乾燥に時間がかかりすぎる可能性がある。また、粘土分散液の濃度が濃すぎる場合、よく粘土が分散しないため、また、気泡が抜けないため、均一な膜ができ難い可能性がある。
次に、本発明では、必要に応じて、秤量した固体状、あるいは液体状の添加物を、粘土分散液に加え、均一な分散液を調製する。添加物としては、フレキシブルプリント基板の柔軟性、あるいは機械的強度を向上させる、粘土と均一に混合するものであれば、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、グリセリン、イプシロンカプロラクタム、デキストリン、澱粉、セルロース系樹脂、ゼラチン、寒天、小麦粉、グルテン、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニル樹脂、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアマイド、ポリエチレンオキサイド、タンパク質、デオキシリボヌクレイン酸、リボヌクレイン酸及びポリアミノ酸、フェノール類、安息香酸類化合物、シリコン樹脂のうちの1種以上を用いることができる。
添加物の全固体に対する重量割合は、30パーセント以下であり、好ましくは1パーセントから10パーセントである。このとき、添加物の割合が低過ぎる場合、添加の効果が現れず、添加物の割合が高すぎる場合、調製した膜中で添加物と粘土の分布が不均一になり、結果として得られるフレキシブルプリント基板の均一性が低下し、やはり添加効果が薄れる。また、添加物の割合が高すぎる場合、フレキシブルプリント基板の耐熱性が低下する。
次に、秤量した補強材を、粘土分散液に加え、均一な分散液を調製する。補強材として、好適には、例えば、鉱物繊維、グラスウール、炭素繊維、セラミックス繊維、植物繊維、有機高分子繊維樹脂、のうちの1種以上を用いることができる。補強材の全固体に対する重量割合は、30パーセント以下であり、好ましくは1パーセントから10パーセントである。このとき、補強材の割合が低過ぎる場合、添加の効果が現れず、補強材の割合が高すぎる場合、調製した膜中で補強材と粘土の分布が不均一になり、結果として得られる粘土膜の均一性が低下し、やはり添加効果が薄れる。なお、補強材と添加物の添加順序はどちらが先と決まっているわけではなく、どちらを先に加えてもよい。
本発明のフレキシブルプリント基板の作製方法としては、例えば、粘土を主成分とする原料の分散液である液体をゆっくりと蒸発させ、膜状に成形する、分散液を支持体表面に塗布し、分散媒である液体を乾燥除去する、などの方法が例示される。分散媒である液体の乾燥除去法としては、例えば、種々の固液分離方法、例えば、遠心分離、ろ過、真空乾燥、凍結真空乾燥、加熱蒸発法の何れか、あるいはこれらの方法の組み合わせが可能である。これらの方法のうち、例えば、分散液を容器に流し込み加熱蒸発法を用いる場合、平坦なトレイ、好ましくはプラスチック製あるいは金属製のトレイを水平に置き、粘土の濃度を0.5〜3重量パーセントに調整し、事前に脱気処理した分散液を注ぎ、水平を保った状態で、強制送風式オーブン中で30℃から70℃の温度条件下、好ましくは30℃から50℃の温度条件下で、1時間から半日間程度、好ましくは1時間から5時間、乾燥して粘土層を得る。
また、別の例として、固液比の比較的高いゲル状分散液を支持体となる物体に塗布し、加熱蒸発法を用いる場合、粘土の濃度を4〜7重量パーセントに調整し、事前に脱気処理した分散液を金属板などの物体の上に1から4mmの厚さに塗布し、強制送風式オーブン中で30℃から100℃の温度条件下、好ましくは30℃から80℃の温度条件下で、10分間から2時間程度、好ましくは20分間から1時間、乾燥してフレキシブルプリント基板を得る。
粘土を主成分とする原料の分散液を事前に脱気処理しない場合、粘土層に気泡に由来する孔ができ易くなるという問題がある場合がある。また、乾燥条件は、液体分を乾燥除去するのに十分であるように設定される。このとき、乾燥速度が遅すぎると、乾燥に時間がかかるという問題がある。また、乾燥速度が速すぎると、分散液の対流が起こり、粘土層の均一性が低下するという問題がある。フレキシブルプリント基板の厚さは、分散液に用いる固体量を調整することによって、任意の厚さに調整することができる。フレキシブルプリント基板が厚すぎると乾燥時間が非常に長くなる傾向がある。また、基板が厚くなることによって柔軟性が低減する。そのため、好適には、フレキシブルプリント基板の厚さは1mmよりも薄く作製される。前記粘土膜を形成する際に、粘土粒子の隙間を極力少なくし、緻密な構造にすることが重要である。本発明のフレキシブルプリント基板を構成する基材の粘土薄膜のX線回折チャートを図1に示す。シャープな一連の底面反射ピーク(001),(002),(003),(004),(005)が、それぞれ1.24、0.62、0.42、0.31、0.21nmの位置に観察され、粘土薄膜の粒子の配向がよく揃っていることが示された。本発明のフレキシブルプリント基板を構成する基材は、粘土粒子の隙間を極力少なくし、緻密な構造としたこと及びピンホールがないことで高ガスバリアー性及び柔軟性を300℃の高温まで保持することを特徴としている。
次に、フレキシブルプリント基板を容器あるいは物体表面から剥離する。フレキシブルプリント基板が容器等の支持体から自然に剥離しない場合は、好適には、真空引きにより剥離を促進させる。また、剥離の別の方法として、好適には、約110℃から200℃の温度条件下で乾燥し、剥離を容易にして自立膜を得る。このとき、温度が低すぎる場合には、剥離が起こりにくいという問題がある。温度が高すぎる場合には、添加物が劣化しやすくなるという問題がある。添加物を含まない場合には、更に高温の処理により剥離を促進させることができる。このときの高温の処理は、フレキシブルプリント基板の組成にもよるが、最高で700℃までの温度条件が可能である。
以上のようにして得られた本発明のフレキシブルプリント基板は、基本的には、親水性であり、そのため、プラスチックフィルムや金属箔に比較して耐水性に劣る。そのため、このフレキシブルプリント基板は、結露する条件下、あるいは水に接する条件下では、膨潤し、脆弱になるという問題点がある。また、高い遮湿性を持たせることが困難である。そこで、この基板の粘土層の表面を処理することにより、親水性から疎水性に変え、耐水性・高遮湿性を付与することが可能である。表面処理としては、フレキシブルプリント基板表面を疎水化するものであれば、特に限定されるものではないが、例えば被覆層作製法がある。
被覆層作製による方法としては、例えば、フッ素系膜、シリコン系膜、ポリシロキサン膜、フッ素含有オルガノポリシロキサン膜、アクリル樹脂膜、塩化ビニル樹脂膜、ポリウレタン樹脂膜、高撥水メッキ膜、金属蒸着膜、カーボン蒸着膜などを表面に形成するものがある。この場合、膜作成法として、湿式法、乾式法、蒸着法、噴霧法等の方法が例示される。表面に作製された被覆層は疎水性であり、そのため、結果としてフレキシブルプリント基板表面の撥水性が実現する。表面処理法としては、他に、シリル化、イオン交換などの化学処理、等によって表面改質を行う方法が例示される。
この表面処理により、以上述べた撥水性、防水性の付与の他に、膜強度を高める補強効果、表面における光散乱を押さえ、光沢を与え、外見を美麗にする効果、印刷時のインクののりを良くする効果、加熱時の電子回路の剥がれを抑制する効果、が期待できる。一方、被覆層を有機高分子とする場合、粘土膜の常用温度範囲が被覆層の材料の常用温度範囲によって規定される場合がある。そのため、用途によって、表面処理に用いる材料の選定や膜厚が注意深く選択されることになる。
次に、本発明では、必要に応じてフレキシブルプリント基板に接着層を形成させる。接着層形成前に、必要に応じてフレキシブルプリント基板の清浄化を行う。また、必要に応じてプライマーによる前処理を行う。プライマーの塗布目的としては、フレキシブルプリント基板と接着層の親和性改良、被着体表面の補強、接着界面の保護などがあり、プライマーとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル樹脂系接着剤などがあげられる。本発明のフレキシブルプリント基板は、高いガスバリア性を有し、接着剤の乾燥を遅くすることから、無用剤タイプの接着剤を用いることが推奨される。
本発明のフレキシブルプリント基板への接着層の形成法としては、塗布、噴霧、ディップコーティングなどがある。接着剤としては、天然物接着剤、無機接着剤、熱可塑性接着剤、熱硬化性接着剤、ゴム系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、耐熱性接着剤などが例示される。また、接着層がフィルム状になっており、熱プレスで粘土層へコートする方法も使用可能である。更に、これらの接着層を基材両面に塗布した、両面粘着シートを用いることも可能である。両面粘着シートの片側の離型シートを剥がしてフレキシブルプリント基板に接着することで、フレキシブルプリント基板の片側に簡便に接着面を形成することができる。
また、基材を有する両面粘着シートを用いた場合、基材がフレキシブルプリント基板を補強する役割を果たすという効果をもたらす。このとき、基材は、例えば、有機ポリマーフィルムや、不織布が例示される。フレキシブルプリント基板の耐熱性を高めるためには、接着層の耐熱性を高める必要がある。そのためには、アクリル製材料をベースにするなどで耐熱性を確保することができる。また、本発明では、熱硬化性接着層を熱ラミネーションで仮着後、オーブンキュアで本硬化させるタイプの接着層をコートする方法を採用することで耐熱性を確保することができる。
本発明のフレキシブルプリント基板は、例えば、はさみ、カッター等で容易に円、正方形、長方形などの任意の大きさ、形状に切り取ることができる。また、金型を使うなどの方法で容易に穴を開けることができる。本発明のフレキシブルプリント基板は、好適には、厚さは1mmよりも薄く、面積は1cmよりも大きい。また、本発明のフレキシブルプリント基板は、自立膜として利用可能な機械的強度を有し、柔軟性が高く、耐熱性が高く、電気絶縁体であり、容易に、均一に、かつ確実に粘土膜フレキシブルプリント基板同士あるいは他材料との複合部材を形成可能である、といった特徴を有する。
耐熱性の高いフレキシブルプリント基板を作製する場合に、粘土に比較して耐熱性に劣る添加物の添加量を少なくすることは重要である。この場合、添加物の総固体に対する重量比は10%以下であることが好適である。特に、耐熱性を要求されない場合は、この限りではない。本発明のフレキシブルプリント基板は、粘土が主成分であることから、電気絶縁性に優れ、絶縁膜として広範に使用することができる。
本発明では、フレキシブルプリント基板に導電体を含むインクで配線パターンを印刷することによって電子回路を形成することができる。印刷方法としては、例えば、ディスペンサーを用いる方法、スクリーン印刷、インクジェット印刷等を使用することが可能である。フレキシブルプリント基板を重ねて貼り付けることにより、厚いフレキシブルプリント基板を容易に、かつ確実に作製することができる。これにより、電子回路を多層化したパッケージング部材を提供できる。本発明において、フレキシブルプリント基板とは、上記印刷方法により電子回路を形成するためのプリント基板を意味する。
次に、本発明の材料(基材)の特性値について説明する。
(1)密度
従来材料は、下表に示されるように、プラスチック・フィラーナノコンポジット製品において、その密度が最も高いものでも1.51である。これに対して、本発明の材料は、1.51を上回る密度を有し、2.0以上、例えば、2.10程度の密度の測定値を示す。このように、本発明の材料は、1.51を上回る密度、特に、1.60から2.50程度の高密度を有する。
(2)柔軟性
従来材料で最も柔らかいものは、粘土とパルプ繊維からできている市販のシートであり、その剛軟度は、曲げ反発性試験の値として、JIS L1096:1999「一般織物試験方法」A法に準拠して測定された値は、8.0(mN)である。一方、粘土膜で最も硬いものは、HR50/5−80Hであり、表面が5.3(mN)、裏面が17.1(mN)である。これに対して、本発明の材料は、曲げ反発性試験の値が2.0mN程度であり、少なくとも、8.0mNを下回る値を有するものである。従来材料と本発明の材料の剛軟度の閾値は8.0mNであると言えることから、この値をもって、本発明の材料を従来材料と区別(識別)することができる。
(3)原料粘土の特性
本発明では、原料粘土として、好適には、例えば、1次粒子のアスペクト比(粒子数基準)が320程度のもので、特に、メチレンブルー吸着量、陽イオン交換容量が高いものが使用される。具体例として、例えば、メチレンブルー吸着量が130mmol/100g、陽イオン交換容量が110meq/100g、2%水分散液pHが10.2、4%水分散液粘度が350mPa・s、水分散メジアン径が1.13μmの諸物性を有するものが例示される。しかし、これらに制限されるものではなく、これらを標準値として、これらと同等もしくは均等の物性を有するものであれば同様に使用することができる。これの原料粘土として、例えば、山形県月布産粘土及びこれを主原料とする材料が好適に用いられる。
(4)その他の特性
本発明の材料は、例えば、以下のような特性値を有する。熱サイクルテスト(100−600℃、30サイクル)で外観に異状がなく(高耐熱性)、電気抵抗は、体積抵抗率(500V)が2.3×10Ωm(JIS K6911:1995)であり(高絶縁性)、例えば、フレキシブルプリント基板材料として使用される。本発明の材料は、他の特性として、例えば、以下のような特性値を有する。
酸素透過度:<0.00008cm/20μm・m day・atm、水素透過度:0.002cm/20μm・m day・atm、破断延び:2.2%、引裂試験(JISK6252:2001):33.4N/mm、酸素指数(JIS K7201:1995):>94.0、比熱:1.19J/g・K、熱拡散率:1.12×10−7/s、熱伝導率:0.27W/m・K、熱膨張係数(−100〜100℃):0.1×10−4−1、熱膨張係数(100〜200℃):−0.06×10−4−1、耐ガス腐食試験:外観に異状なし。これらの値は、本発明の材料の好適な特性値を示すものであり、本発明は、これらに制限されるものではなく、これらを標準値として、これらと同等もしくは均等のものであれば、本発明の範囲に含まれる。
本発明により、自立膜として利用可能な機械的強度と靭性を有し、しかも、優れた柔軟性、熱安定性、優れたガスバリア性、優れた水蒸気バリア性を併せ持つ新規フレキシブルプリント基板及びその新技術・新素材を提供できる、という効果が奏される。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(1)フレキシブルプリント基板の製造
粘土として、2グラムの天然モンモリロナイト(クニピアP、クニミネ工業株式会社製)を、60cmの蒸留水に加え、プラスチック製密封容器に、回転子とともに入れ、激しく振とうし、均一な分散液を得た。この分散液を、長さ約30cm、幅20cmの真鍮製板の上に、厚さ約2ミリメートル塗布し、これを水平に静置し、強制送風式オーブン中で60℃の温度条件下で30分乾燥して、剥離し、厚さ約0.04ミリメートルの粘土層を得た。
(2)電子回路の製造
上記(1)で作製したフレキシブルプリント基板に、インキとして銀の微粒子を含んだものを用い、スクリーン印刷機によって、フレキシブルプリント基板表面に電子回路を形成させた部材を作製した。更に、電子回路の電気伝導性を高める目的で、上記部材を300℃で60分加熱処理した。
(3)多層膜の特性
本製法によって膜上に電子回路が形成されたフレキシブルプリント膜が作製された。電子回路の描画リゾルーションは20マイクロメートルであり、従来材料であるグリーンセラミックスシートによる結果と同程度であった。
粘土として3.456グラムの天然モンモリロナイト(クニピアP、クニミネ工業株式会社製)を、100cmの蒸留水に加え、プラスチック製密封容器に、テフロン(登録商標)回転子とともに入れ、25℃で2時間激しく振とうし、均一な分散液を得た。この分散液に、添加物として、イプシロンカプロラクタム(和光純薬工業株式会社製)を0.144グラム加え、激しく振とうし、天然モンモリロナイト及びイプシロンカプロラクタムを含む均一な分散液を得た。次に、真空脱泡装置により、この粘土ペーストの脱気を行った。
次に、この粘土ペーストを、真鍮製トレイに塗布した。塗布には、ステンレス製地べらを用いた。スペーサーをガイドとして利用し、均一厚の粘土ペースト膜を成型した。ここで、ペーストの厚みを2ミリメートルとした。このトレイを強制送風式オーブン中において、60℃の温度条件下で1時間乾燥することにより、厚さ約40マイクロメートルの均一な添加物複合粘土薄膜を得た。生成した粘土膜をトレイから剥離して、自立した、フレキシビリティーに優れた粘土膜を得た。
この膜を電気炉で加熱した。室温から700℃まで毎時100℃の速度で加熱した。次に、700℃で24時間保持した。その後、電気炉内で放冷した。この加熱処理の結果、膜には黒化及びスポット的に膨れ形状が観察された。しかし、持ち上げた際に、スポット的に破壊を生じ、肉眼で観察できるピンホールは発生しなかった。本実施例及び他の試験結果から、本発明では、粘土の重量比95%を超える膜の場合、より高耐熱性を有する粘土膜が得られることが分かった。
以上詳述したように、本発明は、フレキシブルプリント基板に係るものであり、本発明により、自立膜として利用可能な機械的強度を有し、高い耐熱性を有し、優れたフレキシビリティーを有し、それ自身を重ね合わせて、厚膜化することができ、他材料表面との接着ができる新しいフレキシブルプリント基板を提供することができる。本発明は、上述の新技術・新素材を利用することで、電気絶縁性に優れた粘土薄膜の基材からなるフレキシブルプリント基板を提供することを可能とするものとして有用である。
本発明のフレキシブルプリント基板を構成する基材の粘土薄膜のX線回折チャートを示す。

Claims (23)

  1. 粘土を主成分とし、柔軟性を有し、自立膜として利用可能であることを特徴とするフレキシブルプリント基板。
  2. 粘土のみ、粘土と少量の添加物、粘土と少量の補強材、又は粘土と少量の添加物と少量の補強材から構成される請求項1に記載のフレキシブルプリント基板。
  3. 主要構成成分が、天然粘土又は合成粘土である請求項1に記載のフレキシブルプリント基板。
  4. 前記天然粘土又は合成粘土が、雲母、タルク、カオリナイト、イライト、バーミキュライト、モンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、及びノントロナイトからなる群のうちの一種以上である請求項3に記載のフレキシブルプリント基板。
  5. 添加物が、エチレングリコール、グリセリン、イプシロンカプロラクタム、デキストリン、澱粉、セルロース系樹脂、ゼラチン、寒天、小麦粉、グルテン、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニル樹脂、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアマイド、ポリエチレンオキサイド、タンパク質、デオキシリボヌクレイン酸、リボヌクレイン酸及びポリアミノ酸、フェノール類、安息香酸類化合物、及びシリコン樹脂からなる群のうちから選択される一種以上である請求項2に記載のフレキシブルプリント基板。
  6. 補強材が鉱物繊維、グラスウール、セラミックス繊維、植物繊維及び有機高分子繊維の群のうちの一種以上である請求項2に記載のフレキシブルプリント基板。
  7. 添加物の、全固体に対する重量割合が、30パーセント以下である請求項2に記載のフレキシブルプリント基板。
  8. 補強材の、全固体に対する重量割合が、30パーセント以下である請求項2に記載のフレキシブルプリント基板。
  9. 厚さが、1mmよりも薄く、フレキシブルプリント基板の面積が、1cmよりも大きい請求項1に記載のフレキシブルプリント基板。
  10. 加熱、光照射等の任意の手段により、付加反応、縮合反応、重合反応等の化学反応を行わせ、粘土、添加物、及び接着層の成分同士、又は成分間において、新たな化学結合を生じさせて、耐水性、電気絶縁性、及び/又は機械的強度を改善させた請求項1から9のいずれかに記載のフレキシブルプリント基板。
  11. 300℃で24時間加熱処理後の剛軟度が、曲げ反発性試験の値として8.0(mN)以下である請求項1に記載のフレキシブルプリント基板。
  12. 300℃で72時間加熱後も外観に異状が観察されない請求項1に記載のフレキシブルプリント基板。
  13. 表面処理を施して、撥水、防水、補強、表面性状改質、及び/又は表面平坦化をした請求項1に記載のフレキシブルプリント基板。
  14. 前記表面処理が、フッ素系膜、シリコン系膜、ポリシロキサン膜、フッ素含有オルガノポリシロキサン膜、アクリル樹脂膜、塩化ビニル樹脂膜、ポリウレタン樹脂膜、高撥水メッキ膜、金属蒸着膜、又はカーボン蒸着膜を表面に形成することである請求項13に記載のフレキシブルプリント基板。
  15. 膜に対して垂直方向の直流電気抵抗が、1メガΩ以上である請求項1に記載のフレキシブルプリント基板。
  16. プリントの方法がディスペンサーを用いる方法、インクジェット印刷もしくはスクリーン印刷である請求項1に記載のフレキシブルプリント基板。
  17. プリントに用いるインクが導電性物質を含む請求項1に記載のフレキシブルプリント基板
  18. 前記導電性物質が銀あるいは銀化合物を含む請求項17に記載のフレキシブルプリント基板。
  19. 電子回路の描画リゾルーションが20マイクロメーター以下である請求項1に記載のフレキシブルプリント基板。
  20. 請求項1から19のいずれかに記載のフレキシブルプリント基板に導電体によって電子回路が形成されたことを特徴とする部材。
  21. 電子回路に表面処理が施された請求項20に記載の部材。
  22. 前記表面処理が、フッ素系膜、シリコン系膜、ポリシロキサン膜、フッ素含有オルガノポリシロキサン膜、アクリル樹脂膜、塩化ビニル樹脂膜、ポリウレタン樹脂膜を表面に形成することである請求項21に記載の部材。
  23. 積層により、電子回路を複数含む請求項20から22のいずれかに記載の部材。
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