JP2007042295A - リチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高電位で、サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】 LixMO2(Mは遷移金属の少なくとも一種であり、xは0<x≦1.2)で表される正極活物質Aと、LiyNO2(NはMと異なる遷移金属の少なくとも一種であり、yは0<y≦1.2)で表される正極活物質Bと、を有する正極と、負極活物質を有する負極と、を備えるリチウム二次電池において、前記正極活物質Aは、リチウム基準で4.3V以上の領域に電位平坦部を有し、前記正極活物質Bのリチウム基準での電位が、常に前記正極活物質Aの電位よりも高く、前記正極活物質Aの平均粒径が、正極活物質層の厚みの50〜100%であり、前記正極活物質Aの質量と前記正極活物質Bの質量との和を1とするとき、前記正極活物質Aの質量比が0.05〜0.15であり、前記正極のリチウム基準で4.3Vでの充電容量を1とするとき、負極の充電容量が1.00〜1.05であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電池の安全性の向上を目的とするリチウム二次電池の改良に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源としての電池にはさらなる高容量化、高エネルギー密度化が要求されている。リチウム二次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるので、上記のような移動情報端末の駆動電源として広く利用されている。
このようなリチウム二次電池は、可燃性の有機溶媒を使用している。このため、リチウム二次電池を上述の機器の駆動電源として用いる時には、過充電、過電流等に対する保護回路を付加して使用し、電池がダメージを受けないようにしている。また、万が一の保護回路の故障に対して、電池自体に過充電等の電池異常時において、発煙したりすることのない、高い安全性が求められている。ここで、電池に過充電等により発煙したりすることがない仕組みが備わっていれば、高い安全性を備えつつ、保護回路の機能が簡略化でき、コストダウンや機器の小型化が可能となると考えられる。
このような中、リチウム二次電池の安全性の向上に関する技術として、特許文献1〜7が提案されている。
特開2001-143705号公報 特開2001-15155号公報 特開平10-321258号公報 特開2004-63367号公報 特開2005-19149号公報 特開2000-260423号公報 特開平8-227708号公報
特許文献1は、安全性の向上を目的として、結晶格子の一部がMgまたはAlで置換されたスピネル型マンガン酸リチウムと、コバルト酸リチウムと混合添加した正極活物質を用いる技術である。
この技術によると、自己放電がなく、過充電時の安全性に優れた電池が得られるとされる。しかしながら、スピネル型マンガン酸リチウムは放電容量が小さいため、電池容量の低下を招くという問題がある。
特許文献2は、過充電時の電池安全性を高めるために、シクロアルキルベンゼンや、フェニル基に隣接する第3級炭素を有するアルキルベンゼン誘導体が添加された有機溶媒を電解質として用いるとともに、電池内部のガス圧力が高まると充電を遮断する電流遮断封口体を備えさせる技術である。
この技術によると、過充電時に上記添加物が重合して電池の内部抵抗を高めるとともに、且つ当該化合物が水素ガスを発生させて早期に充電を遮断するので、過充電時の安全性を高めることができるとされる。しかし、この技術によると、添加剤の使用によりコスト高になるという問題がある。
特許文献3は、モノマー添加剤を電解質に混合させる技術であり、この技術によると、過充電によって電池が最大動作電圧を超えると、モノマー添加剤が導電性の重合体を生成し、電池を内部短絡させるので、電池内部に蓄積されたエネルギーを安全に放電させることができるとされる。
しかし、この技術は、モノマー添加剤が通常の動作電圧においても重合反応するため、これにより電池容量が低下するという問題がある。
特許文献4は、非水電解液にケトン化合物等の有機化合物を含有させる技術であり、この技術によると、ケトン化合物が過充電時に分解して、負極上に析出した活性なリチウム金属をコーティングするので、電池の安全性を確保できるとされる。
しかし、この技術もまた、有機化合物が通常の電圧での充放電時にも反応するため、これにより電池内部抵抗が高まり、電池性能を低下させるという問題がある。
特許文献5は、正極活物質として、マンガン含有リチウム・ニッケル複合酸化物Aと、リチウム・コバルト複合酸化物Bとを混合したものを用い、AとBの全質量に対しAを50質量%未満とし、Aの平均粒径をBの平均粒径の1/2以下とする技術である。この技術によると、負荷特性の低下を招くことなく、熱的安定性が高いリチウム二次電池を実現できるとされる。
しかし、この技術に係る電池を過充電した場合には、電池温度が85度以上の高温となることから(表2参照)、未だ安全性に問題がある。
特許文献6は、マンガン含有リチウム複合酸化物Aと、ニッケル含有リチウム複合酸化物Bとを混合した正極活物質を用い、活物質の最大粒径を8ミクロン以下、平均粒径を3ミクロン以下とし、活物質層の厚みを10〜30ミクロンとする技術である。この技術によると、良好な出力特性を有し、高温時の安定性が高いリチウム二次電池を実現できるとされる。
特許文献7は、平均粒径が大なる活物質Aと、平均粒径が活物質Aよりも小なる活物質Bとを混合してなる正極活物質を用いる技術である。この技術によると、エネルギー密度が高く、粒状電極活物質の粒子数の少ないリチウム二次電池を実現できるとされる。
しかし、これらの技術は、過充電時の安全性を考慮しておらず、この点で未だ改善の余地がある。
本発明は、以上に鑑みなされたものであって、通常の充放電には悪影響を与えずに、過充電時の安全性に優れたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、LixMO2(Mは遷移金属の少なくとも一種であり、xは、0<x≦1.2)で表される正極活物質Aと、LiyNO2(NはMと異なる遷移金属の少なくとも一種であり、yは、0<y≦1.2)で表される、正極活物質Bと、を有する正極と、負極活物質を有する負極と、を備えるリチウム二次電池において、前記正極活物質Aは、リチウム基準で4.3V以上の領域に電位平坦部を有し、前記正極活物質Bのリチウム基準での電位が、常に前記正極活物質Aの電位よりも高く、前記正極活物質Aの平均粒径が、正極活物質層の厚みの50〜100%であり、前記正極活物質Aの質量と前記正極活物質Bの質量との和を1とするとき、前記正極活物質Aの質量比が0.05〜0.15であり、前記正極のリチウム基準で4.3Vでの充電容量を1とするとき、負極の充電容量が1.00〜1.05であることを特徴とする。
ここで、電位平坦部とは、リチウム基準で4.3V以上の電位であって、図1に示すように、横軸にx、縦軸に電位(V)をとって充電を行ったグラフにおいて、傾きΔV/Δxが0.33以下である範囲(図1において、(b)で示す範囲)を意味する。
そして、正極活物質単独に対して過充電(リチウム基準で電位が4.3Vを超えて充電)を行った際に、リチウム基準で4.3V以上の領域に電位平坦部が存在することは、この平坦部における電位において反応(放出)するリチウム量が多いことを意味する。
上記本発明では、平坦部の電位が低く、少量の正極活物質Aを、正極活物質Aの電位よりも常に電位が高い正極活物質Bに混合しているが、この混合活物質に対して過充電を行うと、正極活物質Aの平坦部の電位に至ったとき、正極活物質Bに比べて正極活物質Aがより多くのリチウムを放出する。
そして、負極活物質がリチウムの全てを吸蔵できなくなり、余剰のリチウムが負極活物質粒子の表面に微小な金属リチウム(針状のリチウム)として析出する。この析出リチウムは、セパレータを突き破って正極と導通して内部短絡を引き起こすため、正極活物質全体が過充電される前に、内部短絡がおこる。よって、過充電反応の速度が低下し、または進行が停止する。また、微小な内部短絡であるため、内部短絡電流による発熱量が小さく、安全性を損なうことがない。
ただし、AとBとの質量和を1としたとき、正極活物質Aの混合比が0.05未満であると、析出リチウム量の減少により内部短絡が発生しなくなる。他方、混合比が0.15より大きいと、析出リチウムの形状が針状ではなく平板状となるので、この場合もまた内部短絡が発生しなくなる。よって、上記範囲内に規制されていることが好ましい。
また、正極活物質Aの平均粒径が、正極活物質層の厚みの50%未満であると、粒径が過小であるため、析出リチウムが十分に成長しないので、内部短絡が発生せず、過充電安全性の改善効果が得られない。他方、100%を超えると極板作製上の問題が生じる(例えば、圧延が困難になる)。このため、上記範囲内に規制されていることが好ましい。
また、負極の充電容量が正極の充電容量の1.05倍よりも大きいと、負極のリチウムイオン受け入れ能力が大きすぎて、リチウムが析出しにくくなるために、過充電時の安全性が低下する。また、1.0倍未満であると、通常の電池使用でリチウムが析出し易くなるので、電池容量低下などを招く。よって、上記範囲内に規制されていることが好ましい。
また、上記構成において、正極活物質Aとしてニッケル酸リチウム、正極活物質Bとしてコバルト酸リチウムを用いることが、放電容量等の電池特性を向上させる点で好ましい。
ここで、本明細書中で用いるニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウムとは、その結晶格子内に異種元素(Zr,Mg,Al,Ti等)が添加されているものも含む。
上記本発明によると、別途の安全装置や添加剤を用いなくても、過充電を自己規制しうる、安全性の高いリチウム二次電池を実現することができる。
本発明を実施するための最良の形態を、実施例を用いて詳細に説明する。なお、本発明は下記の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(実施例A1)
〈正極の作製〉
正極活物質としての平均粒径10μmのLiCoO2粉末85.5質量部と、平均粒径25μmのLiNiO2粉末4.5質量部と、導電剤としての人造黒鉛粉末5質量部とを混合して、正極合剤を調製した。この正極合剤と、ポリフッ化ビニリデンをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に5質量%溶かした結着剤溶液とを、固形分質量比95:5で混練して、正極スラリーを調製した。
なお、上記平均粒径は、レーザー回折式粒度分布計(島津製作所製 SALD2000J)を用いて測定した体積分布の中心粒径D50を意味している。
このスラリーを、正極集電体としてのアルミ箔(箔厚み:15μm)の両面に塗布した。この際、両面塗布部の乾燥後質量で500g/m2(片面塗布250g/m2、集電体除く)塗布した後、乾燥させてその極板を圧縮し,正極活物質の充填密度3.7g/ml、正極活物質層の厚みが50μmの正極板を作製した。その後、極板を電池幅に合うように裁断し、150℃で2時間真空乾燥した。
〈負極の作製〉
リン片状天然黒鉛(d002値:3.356Å,Lc値:1000Å、平均粒径:20μm)と、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)のディスパージョン(固形分:48%)を水に分散させ、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース(CMC)を添加してスラリーを調製した。なお、乾燥後の固形分質量組成比が,黒鉛:SBR:CMC=100:3: 2となるように調製した。
このスラリーを負極集電体としての銅箔(箔厚み:8μm)の両面に、乾燥後質量で200g/m2(片面塗布100g/m2、集電体除く)となるよう塗布した後、乾燥させてその極板を圧縮し、正極活物質の充填密度1.5g/mlの負極板を作製した。その後極板を電池幅に合うように裁断し、110℃で2時間真空乾燥した。
ここで、上記正負極の活物質量は、電池電圧(正極電位と負極電位との差)を4.2Vとしたときにおける、充電容量比が1:1.05(正極:負極)になるようにした。
〈電極体の作製〉
上記正極及び負極を、ポリプロピレン製微多孔膜からなるセパレータを介して巻回することにより、電極体を作製した。
〈電解液の調整〉
非水電解液として、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との体積比50:50(25℃)の混合溶媒に,LiPF6を1モル/リットルとなるように溶かして、電解液となした。
〈電池の組み立て〉
外装缶に上記電極体を挿入した後、上記電解液を注液し、外装缶の開口部を封口することにより、理論容量が800mAhである実施例1に係るリチウム二次電池を作製した。
(実施例A2〜A6、比較例T1〜T9)
ニッケル酸リチウムの配合比、ニッケル酸リチウムの平均粒径を、下記表1に示すように変化させたこと以外は、上記実施例A1と同様にして、実施例A2〜A6、比較例T1〜T9に係る電池を作製した。
(実施例B1〜B6、比較例U1〜U9)
下記表2に示すように、コバルト酸リチウムの平均粒径を10μmとしたこと以外は、上記実施例A1〜A6、比較例T1〜T9と同様にして、実施例B1〜B6、比較例U1〜U9に係る電池を作製した。
(実施例C1〜C6、比較例V1〜V9)
下記表3に示すように、コバルト酸リチウムの平均粒径を20μmとしたこと以外は、上記実施例A1〜A6、比較例T1〜T9と同様にして、実施例C1〜C6、比較例C1〜C9に係る電池を作製した。
(実施例D1〜D3、比較例W1〜W7)
下記表4に示すように、正極活物質層厚みを60μmとし、コバルト酸リチウムの平均粒径とニッケル酸リチウムの平均粒径とを変化させたこと以外は、上記実施例A1と同様にして、実施例D1〜D3、比較例W1〜W7に係る電池を作製した。
(実施例E1〜E3、比較例X1〜X7)
下記表5に示すように、正極活物質層厚みを70μmとし、コバルト酸リチウムの平均粒径とニッケル酸リチウムの平均粒径とを変化させたこと以外は、上記実施例A1と同様にして、実施例E1〜E3、比較例X1〜X7に係る電池を作製した。
(実施例F1,F2、比較例Y1〜Y6)
下記表6に示すように、正極充電容量と負極充電容量との比を変化させたこと以外は、上記実施例A2と同様にして、実施例F1,F2、比較例Y1〜Y6に係る電池を作製した。
(比較例Z1〜Z10)
下記表7に示すように、コバルト酸リチウムとニッケル酸リチウムの配合比を逆にしたこと以外は、上記実施例A1〜A3、比較例T1〜T7と同様にして、比較例Z1〜Z10に係る電池を作製した。
〈過充電試験〉
上記各電池に対し、25℃条件下、定電流1.0It(800mA)にて、12.0Vとなるまで充電を行い、この後、定電圧12.0Vで1時間充電した。この試験において、電池が発煙したものを不良(×)、発煙にいたらなかったものを良(○)と評価したこの結果を下記表1に示す。
Figure 2007042295
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上記表1〜3から、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)の質量が5%未満又は20%以上では、過充電安全性が不良であり、一方、ニッケル酸リチウムの質量が5〜15質量%では、過充電安全性が良であることがわかる。
このことは、次のように考えられる。図1に示すように、ニッケル酸リチウムは、コバルト酸リチウム(LiCoO2)よりも平坦部の電位が低いため、過充電を行うと、コバルト酸リチウムよりもニッケル酸リチウムの平坦部(b)において、優先的に充電反応(リチウムの放出反応)が生じる。その結果、正極内でコバルト酸リチウムが過充電される前に、ニッケル酸リチウム粒子の存在する部分と対向する負極上に金属リチウムが析出し、析出リチウムがセパレータを突き破って負極と導通する。この微小な内部短絡により微小短絡が生じるので、過充電反応の速度が低下し、または進行が停止する。この結果、更なる過充電が進行しない。その一方、短絡の程度は微小であるため、内部短絡電流による発熱によって安全性が損なわれることがない。
しかし、ニッケル酸リチウムの混合量が過小である場合には、析出リチウム量が過小となり内部短絡が生じない。他方、過大であると、リチウムの析出が針状ではなく平板状となり、内部短絡が発生しにくくなる。よって、いずれの場合も過充電安全性を向上させることができない。
また、ニッケル酸リチウムの平均粒径が、正極活物質層の厚みの40%以下であると、ニッケル酸リチウムの質量が5〜15質量%であっても、過充電安全性が不良であることがわかる。
このことは、次のように考えられる。ニッケル酸リチウムの平均粒径が正極活物質層の厚みの40%以下であると、局所的なリチウムの析出量が小さくなるため、内部短絡が生じなくなる。他方、100%を超えると極板の圧延が困難になる等の極板作製上の問題が生じるので、好ましくない。
また、表1〜3から、コバルト酸リチウムの粒径を大きくしても、過充電安全性に影響を与えないことがわかる。しかし、本発明の効果を確実に得るためには、正極活物質A(ニッケル酸リチウム)と、正極活物質B(コバルト酸リチウム)とが均一に混合されていることが必要である。よって、コバルト酸リチウムの平均粒径は、ニッケル酸リチウムの平均粒径の10〜80%の範囲内であることが好ましく、20〜40%の範囲内であることがより好ましい。
また、表1,4,5から、ニッケル酸リチウムの平均粒径を同一とし、正極活物質層の厚みを大きくした場合には、ニッケル酸リチウムの平均粒径÷正極活物質層厚みが0.5以上である場合には過充電安全性が良であることがわかる。また、ニッケル酸リチウムの平均粒径の絶対値が同一であっても、上記範囲外であれば過充電安全性が不良であることがわかる。
このことは、上述したものと同様の理由によるものと考えられる。
また、表6から、負極充電容量が、正極充電容量の1.10倍以上であると、過充電安全性が低下していることがわかる。これは、負極の充電容量が正極の充電容量の1.05倍よりも大きいと、負極のリチウムイオン受け入れ能力が大きすぎて、リチウムが析出しにくくなるために、過充電時の安全性が低下するものと考えられる。なお、1.0倍未満とすると、電池容量の低下を招く。これは1.0倍未満であると、通常の電池使用でリチウムが析出し易くなるので、電池容量低下などを招くと考えられる。
また、表7から、ニッケル酸リチウムとコバルト酸リチウムの配合比を逆にした場合には、上記の安全性を良好とするその他の条件を満たしていても、過充電安全性が不良となることがわかる。
このことは、次のように考えられる。平坦部の電位が低いニッケル酸リチウムが過剰に含まれていると、過充電による局所的なリチウム析出が生じないので、内部短絡が生じない。よって、過充電安全性が向上しない。
(その他の事項)
なお、上記実施例では、ニッケル酸リチウム及びコバルト酸リチウムを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、電位の関係を満たす材料であれば適宜変更して実施できる。
また、LixMO2とLiyNO2とにおいて、MとNは実質的に異なっていればよく、例えばMがNi0.9Co0.1で、NがNi0.1Co0.9のように、同一の金属を用い、その組成が異なるものであってもよい。
以上に説明したように、本発明によれば、電池自体が過充電を自己規制できる。よって、過充電時の安全性の高い電池を低コストで提供できるので、その産業上の意義は大きい。
図1は、ニッケル酸リチウム,コバルト酸リチウムをそれぞれ単独で充電した場合の、リチウム量とリチウム基準での電位との関係を示すグラフである。

Claims (2)

  1. LixMO2(Mは遷移金属の少なくとも一種であり、xは、0<x≦1.2)で表される正極活物質Aと、LiyNO2(NはMと異なる遷移金属の少なくとも一種であり、yは、0<y≦1.2)で表される正極活物質Bと、を有する正極と、
    負極活物質を有する負極と、
    を備えるリチウム二次電池において、
    前記正極活物質Aは、リチウム基準で4.3V以上の領域に電位平坦部を有し、
    前記正極活物質Bのリチウム基準での電位が、常に前記正極活物質Aの電位よりも高く、
    前記正極活物質Aの平均粒径が、正極活物質層の厚みの50〜100%であり、
    前記正極活物質Aの質量と前記正極活物質Bの質量との和を1とするとき、この和に対する前記正極活物質Aの質量比が0.05〜0.15であり、
    前記正極のリチウム基準で4.3Vでの充電容量を1とするとき、負極の充電容量が1.00〜1.05である、
    ことを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 請求項1に記載のリチウム二次電池において、
    前記正極活物質Aがニッケル酸リチウムであり、
    前記正極活物質Bがコバルト酸リチウムである、
    ことを特徴とするリチウム二次電池。


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