以下に添付図面を参照して、この発明にかかる表示処理装置、表示処理方法及び表示処理プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態では、この発明を画像形成装置の1種類であるMFP(Multi Function Peripheral)に適用した場合について説明するが、本発明はこれに限らず、表示処理をおこなう各種装置に適用することができる。
(第1の実施の形態)
まず、図1は、本実施の形態に係る表示処理装置の機能を実行するMFP1を取り巻くネットワーク環境を説明するためのネットワーク図である。本図に示すように、近年のネットワーク化の進展により、オフィスなどに設けられたパーソナルコンピュータ(PC)などの機器は、LAN(Local Area Network)などのネットワークに接続され、相互に通信することが通常となった。たとえば、本図にかかるネットワークには、クライアントPC、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバ、FTP(File Transfer Protocol)サーバ、サーバPCなどが接続され、電子メールの送受信やファイル転送をすることができ、モデム接続された配信サーバは、オフィス外のファックス装置と通信することができる。
このようなネットワーク化の進展に伴い、MFP1もかかるネットワークに接続され、PC等の機器と相互に通信することが可能となり、ハードディスク等の記憶装置を内蔵することで、いわゆるネットワーク複合機へと進化し、ユーザの様々なニーズに応えることができることとなった。
そして、MFP1は、通常のコピー機能に加えて、クライアントPCからの印刷要求により文書データ等を印刷するプリンタ機能、クライアントPCからのファックス要求により文書データ等をサーバPCに接続されたモデムを経由して他のオフィスのファックス機器に送信するファックス機能、受信したファックス文書やコピー文書を内蔵したハードディスクに蓄積する蓄積機能などを有するようになった。
図2は、第1の実施の形態にかかるMFP1のハードウェア構成を示すブロック図である。本図に示すように、このMFP1は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、MFP1全体の制御と描画、通信、操作部20からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)18とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bとをさらに有する。
CPU11は、MFP1の全体制御をおこなうものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGP15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD18およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Fax Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース50が接続される。
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)18は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
図3は、MFP1の操作パネル300の一例を示した図である。本図に示したように、かかる操作パネル300は、初期設定キー301、コピーキー302、コピーサーバーキー303、プリンタキー304、送信キー305、テンキー306、クリア/ストップキー307、スタートキー308、予熱キー309、リセットキー310および液晶タッチパネル320を有する。そして、液晶タッチパネル320に本実施の形態の特徴となる画面が表示されることになるが、この画面については後述する。
図4は、第1の実施の形態にかかる表示処理装置の機能を実行することができるMFP1の機能ブロック図である。本図に示すようにMFP1は、構成としてオペレーティングシステム453と、サービス層452と、アプリケーション層451と、記憶部403を備えている。また、本実施の形態に係る表示処理装置として、上述した構成を備えたMFP以外の画像形成装置を用いても良い。
図4に示すようにMFP1の機能は階層関係となっており、オペレーティングシステム453の上層にサービス層452が構築され、サービス層452の上層に後述する本実施の形態の特徴部分が含まれたアプリケーション層451が構築されている。
オペレーティングシステム453は、ハードウェアリソースを含めたMFP1の資源を管理し、サービス層452やアプリケーション層451に対して当該資源を利用した機能を提供する。
サービス層452は、MFP1が備えているハードウェアリソースを制御するドライバーに相当する。後述するアプリケーション層451の実行処理部404からの出力処理の要求に応じて、このスキャナ制御部431、プロッタ制御部432、蓄積制御部433、配信/メール送受信制御部434、FAX送受信制御部435、通信制御部436等からMFP1が備えているハードウェアリソースを制御して、様々な機能が実行される。
記憶部403は、紙原稿から読み込まれた又は、メール若しくはFAXから受信した画像データを記憶する。また、記憶部403は、画像データ等のデータを記憶可能な記憶手段であり、例えばHDD、光ディスク、メモリカードなどの一般的に用いられるあらゆる記憶手段で構成することができる。
なお、MFP1は、記憶部403以外にもスキャナ、プロッタなどの様々なハードウェアリソースを備えているが、説明は省略する。
アプリケーション層451は、表示処理部401と、選択受付部402と、実行処理部404と、利用者認証部405を備え、液晶タッチパネル320上に仮想的な3次元形状モデルを表示する。本実施の形態において、仮想的な3次元形状モデルの形状を立方体とし、以下において表示する仮想的な3次元形状モデルを仮想立方体という。そして、アプリケーション層451は、当該仮想立方体上に機能毎の領域を表し、表された機能毎の領域の選択を受け付け、受け付けた領域に対応する機能を実行する。
また、仮想立方体は、液晶タッチパネル320に表示された場合に、利用者が立方体と認識できる図形であれば、MFP1の内部でどのような形式で保持していても良い。つまり、MFP1の内部で、仮想立方体を3次元形状モデルとして処理しているか否かは問わない。
利用者認証部405は、MFP1を使用する際に、利用者の認証を行う。利用者の認証方法としては、当業者で周知な技術であるか否かを問わず、どのような認証方法を用いても良い。利用者認証部405で利用者の認証が成功した場合、MFP1で所定の機能の使用が許可される。許可される機能としては、例えば、Eメールの送受信等がある。また、利用者認証部405による利用者の認証は最初に行うこととし、後述する機能を使用する場合、既に利用者の認証は済んでいるものとする。
表示処理部401は、立体表示処理部411と、詳細表示処理部412とから構成され、液晶タッチパネル320に表示する。
立体表示処理部411は、面毎に機能が表された仮想立方体を表示し、当該仮想立方体を所定の時間毎に所定の回転軸を中心に回転させる表示を行う。
本実施の形態では、立体表示処理部411内部で予め生成しておいた仮想立方体を保持し、液晶タッチパネル320上に当該仮想立方体を表示する。しかしながら、予め生成しておいた仮想立方体を保持することに制限するものではなく、液晶タッチパネル320上に表示が必要になる度に仮想立方体を生成しても良い。
また、本実施の形態では、MFP1で実行可能な機能毎に仮想立方体の面が割り当てられ、面毎に機能が表される。具体的には、立体表示処理部411が、面毎に割り当てられた機能を文字で示した標記を表示する。また、本実施の形態においては、当該機能の種類として、入力処理を行う機能(以下、入力機能とする)と、出力処理を行う機能(以下、出力機能)がある。これにより、立体表示処理部411は、面毎に1つの入力機能が表された面又は出力機能が表された面を表示する。
また、立体表示処理部411が、液晶タッチパネル320上に表示される仮想立方体を回転させることで、液晶タッチパネル320上に表示される仮想立方体の面が切り替えられる。また、立体表示処理部411は、仮想立方体の対向する2つの面のそれぞれに、所定の関係にある入力機能が表された面と出力機能が表された面を配置する。なお、これらの面の位置関係の詳細な説明については後述する。
図5は、立体表示処理部411が液晶タッチパネル320に表示する機能選択画面の一例を示した図である。本図に示すように、立体表示処理部411は、液晶タッチパネル320の機能選択画面として仮想立方体を表示する。そして、立体表示処理部411は、当該仮想立方体の面毎に1つの入力機能を示した標記又は出力機能を示した標記を表示する。なお、本実施の形態においては入力機能を示した標記又は出力機能を示した標記を文字列で表示したが、アイコン若しくはマークなどの図形又は記号等により機能を表示しても良い。
図6は立体表示処理部411が仮想立方体を回転制御する前後の状態を示した説明図である。本図に示すように、立体表示処理部411は、仮想立方体を回転させる度に、入力機能が表された複数の面と、出力機能が表された複数の面とが切り替えて表示する。
具体的には、立体表示処理部411は、入力機能が表された複数の面が液晶タッチパネル320で表示された位置で仮想立方体を静止させ、静止して3秒経過した後に半回転させて、出力機能が表された複数の面が液晶タッチパネル320に表示された位置で仮想立方体を静止する表示を行う。この後は同様の処理手順で半回転させて入力機能が表された複数の面を液晶タッチパネル320に表示された位置で仮想立方体を静止させる等の表示を行う。立体表示処理部411がこのような表示を繰り返し行うことで、入力機能が表された複数の面と出力機能が表された複数の面を交互に切り替えることができる。
また、立体表示処理部411は、仮想立方体で入力機能が表された面として、「Receive」601と、「Scan」602と、「Load」603を表示する。また、立体表示処理部411は、仮想立方体で出力機能が表された面として、「Send」604と、「Print」605と、「Save」606を表示する。
「Receive」601は、ネットワークから受信した画像データの入力処理を行う入力機能が表された面として、利用者が選択することを可能とする。また、「Scan」602は、MFP1に備えられたADF(Auto Document Feeder)から紙原稿をスキャンし、又はコンタクトガラスに配置された紙原稿をスキャンした画像データの入力処理する入力機能が表された面とし、「Load」603は、記憶部403に記憶されていた画像データを読み込むことで入力処理する入力機能が示された面とする。つまり、本実施の形態において、入力機能が表された面とは、換言すれば入力指示領域となる。
一方、「Send」604は画像データをメール又はFAX等によりネットワークに送信する処理を行う出力機能が表された面とし、「Print」605は画像データの印刷処理を行う出力機能が表された面とし、「Save」606は画像データを記憶部403に書き込んで記憶させる出力機能が表された面とする。つまり、本実施の形態において、出力機能が表された面とは、換言すれば出力指示領域となる。
また、仮想立方体で対向する面に配置される入力機能が表された面と出力機能が表された面との間に所定の関係を有している。所定の関係は、機能についての関係であればどのような関係でも良いが、本実施の形態では入力機能により入力処理される入力元の媒体と、出力機能により出力処理される出力先の媒体が同じ性質を有している関係とする。
例えば、コピーを行う際には、紙媒体から読み込んで紙媒体に印刷する関係であり、これは「Scan」602で表された紙原稿のスキャン機能と、「Print」605で表された紙原稿として印刷機能が、上述した所定の関係にあることを示している。
また、ネットワークによる送受信、つまり「Receive」601で表されたネットワークから受信した画像データの入力処理を行う入力機能と、「Send」604で表されたネットワークから画像データを送信する処理を行う出力機能も、同様に所定の関係にある。さらに、「Load」603で表された記憶部403に読み込んだ画像データの入力処理を行う入力機能と、「Save」606で表された記憶部403に記憶部403に画像データを書き込む処理を行う出力機能も、同様に所定の関係にある。
利用者が上述した所定の関係を把握することで、液晶タッチパネル320に仮想立方体が表示された際に、対向する面に表されていた機能に基づいて現在表示されている面に示された機能の内容を理解することが容易になると共に、表示されていない面に表された機能の予測性が向上する。
また、立体表示処理部411は、液晶タッチパネル320上で仮想立方体を、所定の位置に配置された回転軸に基づいて回転させる。図7は、本実施の形態に係る仮想立方体を回転させる回転軸の配置を示した説明図である。本図の左に、液晶タッチパネル320に表示される仮想立方体と、仮想立方体を回転させる回転軸を示した正面図を示し、本図の右に、回転軸と仮想立方体の位置関係を把握させるための側面図を示した。そして、立体表示処理部411は、本図に示した回転軸を中心に仮想立方体を回転させる。液晶タッチパネル320上で仮想立方体は当該回転軸による回転と静止とが繰り返され、静止した状態では、立体表示処理部411は、当該回転軸により、入力機能が表された複数の面又は出力機能が表された複数の面の各面の面積がほぼ等しくなるように表示する。また、この回転軸は、仮想立方体の角部の頂点を貫かず、仮想立方体の面を貫くことになる。立体表示処理部411がこのように表示することで、各機能を選択するために押下する対象となる各面の面積が等しくなるので、利用者が機能を選択することが容易となる。
なお、本実施の形態は、立体表示処理部411が、仮想立方体の各面のほぼ面積が等しく表示されるように回転軸及び仮想立方体を配置することに制限するものではない。つまり、回転軸を中心に仮想立方体を回転させて、仮想立方体に表された各面を液晶タッチパネル320に表示することが可能であれば、回転軸及び仮想立方体をどのように配置しても良い。そこで、本実施の形態と異なる実施の形態1及び異なる実施の形態2にかかる立体表示処理部が用いる回転軸の配置例を説明する。
図8は、本実施の形態と異なる実施の形態1にかかる立体表示処理部による、仮想立方体を回転させる回転軸の配置を示した説明図である。本図の左に、液晶タッチパネルに表示される仮想立方体を示している。本図に示した実施の形態では、仮想立方体の重心と頂点とを通るように回転軸を配置している。
図9は、本実施の形態と異なる実施の形態2にかかる立体表示処理部による、仮想立方体を回転させる回転軸の配置を示した説明図である。本図の下に、液晶タッチパネルに表示される仮想立方体を示している。本図に示した異なる実施の形態2では、仮想立方体の重心及び仮想立方体の対向する2つの面の重心を通るように回転軸を配置している。
このように、これら本実施の形態とは異なる実施の形態の回転軸を用いた場合でも、仮想立方体の各面を表示できるので、利用者が表示された各面を選択することは可能となる。
図4に戻り、詳細表示処理部412は、後述する選択受付部402が仮想立方体で機能が示された面の選択を受け付けた場合、面に対応する機能の詳細設定を行う画面を液晶タッチパネル320に表示する。具体的には、選択受付部402が利用者からの仮想立方体の面の選択を受け付けた場合、詳細表示処理部412は、押下された面を拡大させ、拡大された面に入力対象又は出力先を選択する画面を表示する。この画面で選択受付部402が利用者から入力対象又は出力先の選択を受け付けた場合、詳細表示処理部412は、選択を受け付けた機能で入力対象又は出力先に処理した場合の、プレビュー画面又はプレビューと詳細設定画面を表示する。なお、詳細表示処理部412が表示する画面は後述する。
選択受付部402は、立体表示処理部411が表示した機能選択画面で、仮想立方体の面の選択を受け付ける。具体的には、立体表示処理部411が液晶タッチパネル320に表示した仮想立方体の入力機能又は出力機能が表された面を利用者が押下した場合、選択受付部402は、押下された面が選択されたものとして受け付ける。
また、選択受付部402は、後述する入力対象又は出力先の選択を受け付ける画面で項目キーの選択、及びプレビュー及び詳細設定画面で利用者により設定された条件も受け付ける。
次に、利用者が仮想立方体に表示された入力機能が表された面を押下した場合、選択受付部402が、押下された面の選択を受け付け、詳細表示処理部412が押下された面を拡大させて表示する入力対象の選択を受け付ける画面を説明する。
図10は、仮想立方体の「Scan」602の選択を受け付けた後に、詳細表示処理部412が表示する入力対象の選択を受け付ける画面例を示した図である。この「Scan」602が押下された場合、選択受付部402が「Scan」602を選択されたとして受け付け、詳細表示処理部412は、受け付けた「Scan」602に対応する入力機能の入力対象の選択画面を液晶タッチパネル320に表示する。
図10に示すように、詳細表示処理部412は、仮想立方体の押下された面を拡大表示した後、この拡大された面に「Paper」と示された項目キーを表示する。利用者がこの項目キー「Paper」を押下すると、選択受付部402は、項目キー「Paper」が選択されたものとして受け付ける。これにより、後述する入力処理部421は、入力対象を紙原稿と判断し、紙原稿の入力処理を開始する。なお、本図に示すような項目キーが1つしかない場合、押下される項目キーは既に定められているので、この入力対象の選択を受け付ける画面を省略しても良い。そして、その後に詳細表示処理部412が、入力処理した結果の概略のプレビューを表示する。なお、このプレビューについては後述する。また、「Receive」601及び「Load」603等の他の入力機能を示す面が押下された場合も同様に入力対象の選択を受け付けて入力処理した後に、詳細表示処理部412は、入力処理した結果の概略のプレビューを表示する。
図11は、仮想立方体の「Receive」601の選択を受け付けた後に、詳細表示処理部412が表示する入力対象の選択を受け付ける画面例を示した図である。詳細表示処理部412は、上述した処理手順と同様の処理で、拡大された面に「Fax」及び「E_mail」と示された項目キーを表示する。利用者が項目キー「Fax」を押下することで、選択受付部402は、項目キー「Fax」が選択されたものとして受け付け、後述する入力処理部421は、入力対象がFax原稿と判断する。また、利用者が「E_mail」を押下した場合には、入力処理部421は、利用者認証部405で認証された利用者名義で受信したメールを入力対象と判断する。そして、これら判断された入力対象に対して、入力処理部421が入力処理を行う。
図12は、仮想立方体の「Load」603の選択を受け付けた後に、詳細表示処理部412が表示する入力対象の選択を受け付ける画面例を示した図である。そして、本図に示すように、詳細表示処理部412は、拡大された一面に「MFP」、「Desktop」、「Internet」、「Network」及び「Storage」と示された項目キーを表示する。利用者がこれらの項目キーのいずれかを押下することで、選択受付部402は、押下された項目キーの対応する媒体を入力対象として受け付ける。
次に、仮想立方体に表示された出力機能が表された面を押下した場合、詳細表示処理部412が押下された面を拡大させて表示する出力先の選択を受け付ける画面及びその後に表示される詳細な設定画面を説明する。
図13は、仮想立方体の「Print」605の選択を受け付けた後に、詳細表示処理部412が表示する出力先の選択を受け付ける画面例を示した図である。
図13に示すように、詳細表示処理部412は、仮想立方体の押下された面を拡大表示した後、この拡大された面に「Paper」と示された項目キーを表示する。利用者がこの項目キー「Paper」を押下すると、選択受付部402は、項目キー「Paper」が選択されたものとして受け付ける。なお、本図に示すような項目キーが1つしかない場合、押下される項目キーは既に定められているので、この出力先の選択を受け付ける画面を省略しても良い。そして、その後に詳細表示処理部412が、選択を受け付けた面に対応する機能で出力処理した結果の概略を示したプレビュー及び詳細な設定画面を表示する。また、下記に示す「Send」604及び「Save」606等の他の出力機能を示す面が押下された場合も同様に、詳細表示処理部412は、出力先に出力処理した結果の概略のプレビュー及び詳細設定画面を表示する。
図14は、「Print」605の選択を受け付けた後、出力先として項目キー「Paper」の選択を受け付けた場合に、詳細表示処理部412が表示するプレビュー及び詳細な設定画面の例を示した説明図である。本図に示すように、詳細表示処理部412は、入力処理された画像データに基づいて、出力処理した場合の結果の概略を示すプレビュー及び詳細な設定画面を表示する。この画面では、プレビューが示された領域の周囲に詳細な設定を行うための設定項目がブロック単位で配置されている。詳細表示処理部412は、これらブロックに項目毎に現在設定されている条件を表示する。そして、利用者が、任意のブロックを押下した場合、詳細表示処理部412は、ブロック毎に配置されていた仮想多面体を回転させて異なる条件が示された面を表示する。そして、選択受付部402は、仮想多面体の回転により表示された面に示された条件を新たに設定されたものとして受け付ける。
具体的には、本図に示すように、「画面集約」と示されたブロックを押下すると、詳細表示処理部412が、当該ブロックに配置されていた仮想多面体を回転しているように表示し、仮想多面体の「2面集約」と示された面が当該ブロックの領域に一致する位置にきた時に仮想多面体を静止するように表示する。そして、詳細表示処理部412は、プレビューの領域に表示されていた画像データを「2面集約」した場合の画像データに変更して表示する。これにより、利用者がブロック単位で配置された各種設定項目を押下して、表示された条件を変更した場合、選択受付部402が変更された条件を受け付け、詳細表示処理部412が新たに設定された条件による画像データをプレビューとして表示する。これにより、利用者は、変更した条件で出力処理した結果をプレビューとして容易に把握できる。また、利用者がブロックに示された機能を知らない場合でも、ブロックを押下することで、詳細表示処理部412が、ブロックに表された条件を変更して表示し、さらに変更された条件で出力処理した結果の概略のプレビューを表示する。これにより、利用者はブロックを押下することで、直感的にブロック毎の項目の内容を理解できる。また、各種設定項目をブロック単位で示したので、MFP毎に利用可能な設定項目の追加、変更又は削除等のカスタマイズを容易に行うことができる。つまり、利用者の要求などに応じて提供する設定項目を容易に変更することができる。
図15は、仮想立方体の「Send」604の選択を受け付けた後に、詳細表示処理部412が表示する出力先の選択を受け付ける画面例を示した図である。上述した処理手順と同様の処理により、詳細表示処理部412が、拡大された面に「Fax」及び「E_mail」と示された項目キーを表示する。利用者がこの項目キー「Fax」を押下すると、選択受付部402は項目キー「Fax」が選択されたものとして受け付ける。これにより、後述する出力処理部422は、出力先としてFax原稿が選択されたもの判断する。また、利用者が項目キー「E_mail」を押下した場合、出力処理部422は、利用者認証部405により認証された利用者名義でメールを送信することが選択されたものと判断する。
また、項目キーが選択された場合、さらに出力先について詳細設定画面に切り替えても良い。図16は、「Send」604の選択を受け付けた後、出力先として項目キー「Fax」の選択を受け付けた場合に、詳細表示処理部412が表示する画面例を示した図である。本図に示したように利用者が「Fax」を選択した後に、詳細表示処理部412は出力先に送信するための詳細設定を行う画面を表示する。本画面で、利用者がFaxの送信先や、送信する際の解像度等を詳細に選択した場合、選択受付部402が選択された設定を受け付ける。そして、詳細表示処理部412が、これらの受け付けられた選択を反映したプレビューを表示する。なお、本図に示した「送り先」及び詳細設定項目に、さらにプレビュー加えて同一画面上に表示しても良い。
図17は、仮想立方体の出力機能標記「Save」の選択を受け付けた後に、詳細表示処理部412が表示する出力先の選択を受け付ける画面例を示した図である。そして、本図に示すように、詳細表示処理部412は、拡大された面に項目キー「MFP」、「Desktop」、「Network」及び「Storage」を表示する。利用者がこれらの項目キーのいずれかを押下した場合、選択受付部402は、押下された項目キーの対応する媒体を出力先として受け付ける。
このように、機能を示す面が押下された後に、入力対象又は出力先を示す項目キーを表示して、選択を受け付けることで、利用者が入力処理及び出力処理について容易且つ詳細に設定することができる。
次に、実際に利用者が、液晶タッチパネル320を押下した場合に表示される画面の変移について説明する。図18は、本実施の形態にかかる液晶タッチパネル320に入力機能が表された面の選択を受け付けていない仮想立方体が示された機能選択画面から、入力機能が表された1つの面の選択を受け付けた後の機能選択画面を表示するまでの画面の遷移を示した説明図である。
まず、図18の上段で示すように、利用者が、液晶タッチパネル320上から仮想立方体の「Scan」602を押下した場合、選択受付部402が「Scan」602を選択されたものとして受け付け、詳細表示処理部412が、押下された面を拡大させ、拡大された面に入力対象の選択を受け付ける項目キーを表示する。なお、この画面は、図10と同様であるので図示しない。そして、利用者が項目キーを押下した場合、選択受付部402は、押下された項目キーが選択されたものとして受け付ける。
そして、後述する入力処理部421は、選択受付部402が受け付けた項目キーに対応する入力対象を判断する。入力処理部421が、入力対象として紙原稿が選択されたと判断した場合、紙原稿を読み込み、画像データとして入力処理を行う。そして、詳細表示処理部412は、当該拡大された画面に入力処理した結果の概略を示したプレビューを表示する。このプレビューを表示した画面例は、図18の中段に示した画面とする。これにより、利用者は、入力処理の結果を容易に認識することができる。
そして、利用者は、プレビューを確認して、問題ないと判断した場合は「OK」ボタン1801を押下し、自分の想定したものとは異なる画像データが表示された場合は「CANCEL」ボタン1802を押下する。選択受付部402が「CANCEL」ボタン1802の選択を受け付けた場合、入力処理した画像データを廃棄して、詳細表示処理部412が、再び図18の上段に示した画面を表示する。
選択受付部402が、「OK」ボタン1801の選択を受け付けた場合、「Scan」602に対応するスキャン機能で入力処理した結果に問題ないと利用者が判断したとして、立体表示処理部411は、図18の下段に示された画面を表示する。詳細表示処理部412は、「Scan」1803の色を変更すると共に、「Scan」1803内に入力処理された画像データの概略を示したプレビューを表示する。なお、概略とは、液晶タッチパネル320上に表示可能に変更したものを示し、本実施の形態では具体的に表示可能なサイズに縮小及び簡略化することをいう。これにより、選択された機能により行われる入力処理を利用者に理解させることが容易となると共に、入力処理した後にこれから出力処理対象となる画像データを把握することが容易となる。また、「Receive」601又は「Load」603の選択を受け付けた場合も同様の処理手順により入力処理を行うこととする。
また、図18の中段及び一番下で示したプレビューで表示された入力処理した画像の枚数は、実際に入力処理した画像の枚数と一致させても良いし、枚数を略しても良い。枚数を略した例としては、1、2枚であれば枚数を把握できるように表示させるが、3枚以上であれば複数枚あることだけ認識可能に表示するなどが考えられる。
図19は、本実施の形態にかかる液晶タッチパネル320に出力機能が表された面の選択を受け付けていない仮想立方体が示された機能選択画面から、1つの面の出力機能が表された1つの面の選択を受け付けた後の機能選択画面を表示するまでの画面の遷移を示した説明図である。本図に示すように、利用者が、液晶タッチパネル320上から仮想立方体の「Print」605を押下した場合、選択受付部402が「Print」605を選択されたものとして受け付け、詳細表示処理部412が、押下された面を拡大させ、拡大された面に出力先の選択を受け付ける項目キーを表示する。なお、この画面は、図13と同様であるので図示しない。そして、利用者が、項目キーを押下した場合、選択受付部402は、押下された項目キーが選択されたものとして受け付ける。
次に、選択受付部402が、項目キーの選択を受け付けた場合、詳細表示処理部412は、当該拡大された面に、選択を受け付けた項目キーに対応する出力先に出力処理した結果の概略を示したプレビュー及び詳細な設定画面を表示する。この画面例は、図19の中段に示した画面とする。この画面により、利用者による出力処理する際の詳細な設定を可能とする。なお、設定手順の詳細は後述する。
そして、利用者は、図19の中段で示した画面で必要に応じて項目毎に条件の設定等を行い、この設定された条件に従って出力処理された結果をプレビューで確認する。そして、利用者が、プレビューを確認して問題ないと判断した場合は「OK」ボタン1901を押下する。また、選択した機能を誤った場合「CANCEL」ボタン1902を押下する。「CANCEL」ボタン1902を押下した場合、図19の中段で示した画面で設定された条件等は放棄されて、立体表示処理部411が、再び図19の上段の画面を表示する。
選択受付部402が、「OK」ボタン1901の選択を受け付けた場合、「Print」605に対応する印刷機能の設定が終了したと判断して、立体表示処理部411は、図19の下段の画面を表示する。立体表示処理部411は、「Print」1903の色を変更すると共に、「Print」1903内に出力処理した場合の結果の画像データの概略のプレビューを表示する。これにより、選択された機能により行われる出力結果を利用者が容易に把握できる。つまり、従来用いられていた項目キーの色反転等、またはテキスト説明による機能の説明と比べて、選択された機能による処理結果を直感的に理解できる。また、「Send」604又は「Save」606が選択された場合についても同様の処理手順により出力処理を行うこととする。
また、この出力処理された結果の概略を示すプレビューで表示される画像の枚数も、同様に実際に出力処理される画像の枚数と一致させても良いし、枚数を略しても良い。
図20は、「Scan」1803及び「Print」1903の選択を受け付けた場合に、立体表示処理部411により表示される仮想立方体の例を示した説明図である。本図に示すように、立体表示処理部411は、仮想立方体で選択を受け付けた「Scan」1803及び「Print」1903の色を変更して表示すると共に、これらの面内に機能による処理結果の概略を示したプレビューを表示するので、利用者は選択された機能の認識と入力処理及び出力処理の結果を直感的に理解できる。
また、選択受付部402が1つの入力機能を表した面の選択を既に受け付けた後でも、さらに他の入力機能を表した面の選択を受け付けることができる。同様に、選択受付部402が1つの出力機能を表した面の選択を既に受け付けた後でも、さらに他の出力機能を表した面の選択を受け付けることができる。つまり、一回の処理で複数の入力機能、出力機能の選択を受け付けることができる。このように、入力機能及び出力機能のいずれか1つ以上を、複数個の選択を受け付けることを可能とすることで、利用者が所望する処理を実行することが可能となる。これにより、操作性及び利便性が向上する。
図21は、「Scan」2101及び「Load」2102の選択を受け付けた後に、「Print」2103の選択を受け付けた場合に、立体表示処理部411により表示される仮想立方体の例を示した図である。本図に示すように、選択受付部402が、入力機能を表した面又は出力機能を表した面の選択を複数個受け付けた場合、立体表示処理部411は、選択された面毎にプレビューを表示する。
そして、選択受付部402が入力機能を表した面の選択を複数個受け付けた場合、選択を受け付けた面に対応する入力機能により複数の画像データが生成され、この生成された複数個の画像データをに対して後述する出力処理部422が出力処理を行う。また、出力処理する前に、立体表示処理部411は、入力機能で生成された複数の画像データを用いて出力処理した結果の概略のプレビューを、選択を受け付けた出力機能を表した面に表示する。これにより、入力機能を表した面の複数選択を受け付けた場合に出力処理した結果を、利用者が容易に把握できる。
また、選択受付部402が出力機能を表した面の選択を複数個受け付けた場合、入力機能を表した面の選択を複数個受け付けた場合と同様に、立体表示処理部411は、選択を受け付けた面の色を変更すると共に各面に出力処理の結果の概略を示すプレビューを表示する。
また、本実施の形態のMFP1において、利用者は、さらに1つの入力機能を表した面から複数の入力対象の選択を受け付けることができる。また、1つの出力機能を表した面からも複数の出力先の選択を受け付けることができる。
図22は、選択受付部402が「Load」2201の選択を受け付け、項目キー「PC」及び「MFP」の選択を受け付け、さらに「Print」2202の選択を受け付けた場合に、立体表示処理部411が液晶タッチパネル320に表示する画面例を示した図である。本図で示した画面は、まず利用者が「Load」603を押下した後に項目キー「PC」を押下し、さらに利用者が再度、「Load」603を押下した後に項目キー「MFP」を押下した後に、立体表示処理部411が仮想立方体に「Load」2201を表示する。その後、利用者が「Print」605を押下して、項目キー「Paper」を押下した後に、立体表示処理部411が図22で示した仮想立方体を表示する。
また、図22で示した例で、選択受付部402が「Print」605の選択を受け付け、プレビュー及び詳細の設定画面で条件を設定した後、立体表示処理部411は、既に選択を受け付けた項目キー「PC」及び項目キー「MFP」に対応する入力対象に入力処理して複数の画像データを生成し、この複数の画像データに基づいて生成された出力処理結果の概略を示すプレビューを「Print」2202内に表示する。この後に、利用者がスタートキー308を押下することで、出力処理部422による出力処理が行われる。このように、選択受付部402が、1つの入力機能から複数の入力対象の選択を受け付けた場合、入力処理部421は、同一の入力機能で選択された複数の入力対象の画像データを入力処理する。さらに、出力処理部422は、入力処理された複数の画像データから生成された1つ又は複数の画像データを出力処理することができる。
図4に戻り、実行処理部404は、入力処理部421及び出力処理部422を備え、MFP1が有する機能を用いて入、出力処理する。そして、実行処理部404で処理した内容に基づいて、サービス層452がハードウェアリソースを制御することで、ハードウェアを用いた処理が行われる。
入力処理部421は、選択受付部402が選択を受け付けた入力機能が表された面に対応する入力機能を判断し、判断した入力機能を用いて画像データを入力処理する。具体的な例としては、「Scan」602の選択を受け付けた場合、入力処理部421は、紙原稿の読み込み機能と判断して、スキャナ制御部431により図示しないスキャナを制御することで、紙原稿の読み込み処理を行う。また、「Receive」601の選択を受け付けた場合、入力処理部421は、受信機能と判断して、通信制御部436により図示しないネットワーク通信機能を制御することで、画像データの受信処理を行う。また、「Load」603の選択を受け付けた場合、入力処理部421は、HDD(Hard Disk Drive)からの読み込み機能と判断して、蓄積制御部433を制御してMFP1に備えられた記憶部403、又は通信制御部436を制御してネットワークを介して接続されたPCに備えられたHDDから画像データの読み込み処理を行う。
出力処理部422は、選択受付部402が選択を受け付けた出力機能の表した面に対応する出力機能を判断し、判断した出力機能を用いて画像データを出力処理する。具体的な例としては、「Print」605の選択を受け付けた場合、出力処理部422は、紙原稿の印刷機能と判断して、プロッタ制御部432から図示しないプロッタを制御することで、紙原稿を印刷処理する。また、「Send」604の選択を受け付けた場合、出力処理部422は、送信機能と判断して、通信制御部436により図示しないネットワーク通信機能を制御することで、画像データの送信処理を行う。また、「Save」606の選択を受け付けた場合、出力処理部422は、HDDへの保存機能と判断して、蓄積制御部433を制御してMFP1に備えられた記憶部403、又は通信制御部436を制御してネットワークを介して接続されたPC等に備えられたHDDに画像データの書き込み処理を行う。
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかるMFP1における仮想立方体の入力機能が表された面の表示処理から、入力機能及び出力機能が表された面の選択を受け付けて出力処理するまでの処理を説明する。図23は、本実施の形態にかかるMFP1における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、立体表示処理部411は、液晶タッチパネル320から入力機能が表された複数の面を利用者が参照できる状態で仮想立方体を表示する(ステップS2301)。次に、選択受付部402は、利用者の液晶タッチパネル320へのタッチにより入力機能が表された面の選択を受け付ける(ステップS2302)。
また、選択受付部402は、入力機能が表された面の選択を受け付けた否か判断する(ステップS2303)。選択の受け付けたと判断した場合(ステップS2303:Yes)、入力処理部421は、選択を受け付けた面に対応する入力機能を用いて入力処理する(ステップS2304)。そして、入力処理した後に、立体表示処理部411は、入力処理した結果の概要を示したプレビューを、仮想立方体の面に表示する(ステップS2305)。
また、選択受付部402により面の選択を受け付けなかったと判断した場合(ステップS2303:No)、特に処理は行わない。
次に、立体表示処理部411は、入力機能が表された複数の面を表示してから3秒経過したか否か判断する(ステップS2306)。
そして、立体表示処理部411は入力機能が表された複数の面を表示してから3秒経過していないと判断した場合(ステップS2306:No)、立体表示処理部411は、このまま仮想立方体の入力機能が表された複数の面を表示する(ステップS2301)。
また、立体表示処理部411は、入力機能が表された複数の面を表示してから3秒経過したと判断した場合(ステップS2306:Yes)、立体表示処理部411は、仮想立方体を回転軸に従って半回転させて表示する(ステップS2307)。
次に、立体表示処理部411は、仮想立方体を半回転させた後に、液晶タッチパネル320から出力機能が表された複数の面を利用者が参照できる状態で仮想立方体を表示する(ステップS2308)。
そして、選択受付部402は、利用者の液晶タッチパネル320へのタッチにより出力機能が表された面の選択を受け付ける(ステップS2309)。次に、選択受付部402は、出力機能が表された面の選択を受け付けたか否か判断する(ステップS2310)。選択を受け付けたと判断した場合(ステップS2310:Yes)、立体表示処理部411は、入力処理した画像データに基づいて、選択を受け付けた面に対応する出力機能を用いて出力処理された結果のプレビューを、仮想立方体の選択を受け付けた面に表示する(ステップS2311)。
また、選択受付部402が選択を受け付けていないと判断した場合(ステップS2310:No)、特に処理は行わない。
次に、選択受付部402は、利用者からの面の選択の受け付けが終了したか否か判断する(ステップS2312)。具体的には、利用者がスタートキー308を押下したか否かにより、選択受付部402は、利用者が面の選択の受け付けを終了したか否か判断する。但し、選択受付部402は、ステップS2304による入力処理及びステップS2310による出力処理を行う機能の選択があった場合にのみ、選択の受け付けが終了したと判断する。なお、図示していないが、これらの条件が満たされていない場合、面が選択されていない旨の警告を液晶タッチパネル320に表示する。
そして、選択受付部402が、利用者からの面の選択の受け付けが終了していないと判断した場合(ステップS2312:No)、さらに、立体表示処理部411が、出力機能が表された複数の面が表示されてから3秒経過したか否か判断する(ステップS2313)。
そして、立体表示処理部411は出力機能が表された複数の面が表示されてから3秒経過していないと判断した場合(ステップS2313:No)、このまま立体表示処理部411は、出力機能が表された複数の面の表示する(ステップS2308)。
また、立体表示処理部411は、出力機能が表された複数の面が表示されてから3秒経過したと判断した場合(ステップS2313:Yes)、立体表示処理部411は、仮想立方体を回転軸に従って半回転させて表示する(ステップS2314)。
また、選択受付部402が、利用者からの面の選択の受け付けを終了したと判断した場合(ステップS2312:Yes)、出力処理部422は、すでにステップS2304で入力処理された画像データに対して、ステップS2310で選択を受け付けた出力機能が表された面に対応する出力機能による出力処理を行う(ステップS2315)。
上述した処理手順により、利用者から選択を受け付けた面に対応する入出力機能を用いた処理が可能になる。また、具体的に機能が表された面を押下するだけで良いので、利用者が入力処理及び出力処理に用いられる機能の選択を容易になる。また、なお、上述した処理手順は、本実施の形態による入力機能が表された面の有する仮想立方体の表示から利用者による選択を受け付けて出力処理するまでの処理までの処理手順の例を示したものであり、このような処理手順に制限するものではない。
また、本実施の形態においては、立体表示処理部411は液晶タッチパネル320に、機能を表示する3次元形状モデルに立方体を用いたが、表示する3次元形状モデルを立方体に制限するものではない。下記に示すように様々な3次元形状モデルが考えられる。また、下記に示した3次元形状モデル以外にも入力機能及び出力機能を3次元形状モデルの表面に表示できれば、どのような3次元形状モデルを用いても良い。
図24は、面毎に機能が表された正8面体を用いた場合の一例を示した図である。本図に示した3次元形状モデルを用いた場合、対向する面に所定の関係を有する機能を表した面を配置することで、対向する面に配置された機能を利用者が直感的に機能を把握することができる。また、本図に示した3次元形状モデルを液晶タッチパネル320に表示した場合でも、MFPは上述した実施の形態と同様に機能の表された面の選択の受け付け、及び選択された面に対応する機能による処理を実行できる。なお、後述する図25、図26、図27及び図28についても同様とする。
図25は、側面の各面に機能が表された6角柱を用いた場合の一例を示した図である。また、図26は、側面の各面に機能が表された8角柱を用いた場合の一例を示した図である。図25及び図26で示したように多角柱の側面にある面毎に機能を表しても良い。また、多角柱の面をさらに多くする場合に導出できる円柱の側面に複数の所定の領域を設けて、当該領域毎に機能を表しても良い。
また、上述した実施の形態は、仮想多面体の対向する面に所定の関係を有する入力機能が表された面及び出力機能が表された面を配置したが、このような配置に制限するものではない。図27は、面毎に機能が表された正4面体を用いた場合の一例を示した図である。正4面体では、対向する面を備えていないため、所定の関係を有する入力機能が表された面及び出力機能が表された面を対向する位置に配置できない。しかしながら、正4面体を回転させて、液晶タッチパネルに表示される面を切り替えることで、利用者に提供できる機能を立体的に把握させることは可能である。
また、上述した実施の形態は、面毎に入力機能及び出力機能が表された3次元形状モデルを表示することに制限するものではない。例えば、円柱の側面等に複数の機能を表しても良い。図28は、側面の所定の領域毎に入力機能及び出力機能が表された円柱を用いた場合の一例を示した図である。本図に示すように、液晶タッチパネル上における円柱の表示で、入力機能が所定の領域毎に表されている状態が、上述した実施の形態と同様に円柱を回転させて、円柱の表示される領域を切り替えることで、出力機能が所定の領域毎に表されている状態になる。また、このような円柱を液晶タッチパネルに表示する表示処理部は、上述した実施の形態と同様に、所定の関係を有する入力機能が表された領域及び出力機能が表された領域を円柱の対向する位置に配置しても良い。
また、上述した実施の形態では静止した状態では、表示処理部は、3次元形状モデル上で、入力機能が表された複数の面及び出力機能が表された複数の面のうちいずれか一方のみを表示していたが、3次元形状モデルの表示をこのような表示に制限するものではなく、静止した状態で入力機能が表された面と出力機能が表された面を同時に表示してもよい。例としては、所定の関係を有する入力機能「Scan」と出力機能「Print」が静止した状態で同時に表示されるように3次元形状モデル上の各面に入力機能及び出力機能を表すこと等が考えられる。
また、本実施の形態において、立体表示処理部411は、選択を受け付けた入力機能が表された面の色と、選択を受け付けた出力機能が表された面の色とが異なる。具体的な例としては、入力機能が表された面は、選択を受け付けた場合青色に変更され、出力機能が表された面は選択を受け付けた場合に赤色に変更する。これにより、利用者は面の色で出力機能か入力機能か判断することができるので、利便性が向上する。なお、選択を受け付けた面の色を入力機能が表された面と出力機能が表された面の違いにより異ならせることに制限するものではなく、例えば、選択を受け付けた面毎に全て異なる色で表示しても良いし、どの面の選択を受け付けても同じ色で表示しても良い。
また、本実施の形態の立体表示処理部411は、入力機能が表された面又は出力機能が表された面の選択を受け付けた際に、面の色を変更したが、選択を受け付けたことを表すものを色の変更に制限するものではない。つまり、利用者が、機能が表された面の選択を受け付けたことを、視認可能な態様で表示するものであれば、どのような態様で表示しても良い。例えば、選択された面に記載された文字のフォント数の変更や、文字の色の変更等を行っても良い。
また、本実施の形態では、仮想立方体の入力機能が表された面の入力機能標記として、入力機能を示す文字列を配置した。同様に仮想立方体の出力機能が表された面の出力機能標記として、出力機能を示す文字列を配置した。しかしながら、入力機能標記及び出力機能標記を、このような文字列に制限するものではなく、どのような標記を用いても良い。例えば、入力機能及び出力機能を示したアイコン又はマークなどの図形でも良いし、記号等を用いても良い。
また、本実施の形態は、入力機能が表された面及び出力機能が表された面の選択の受け付け順序を制限するものではない。また、本実施の形態では、入力機能が表された面及び出力機能が表された面のうちどちらから先に選択を受け付けても良い。つまり、実際に出力処理を行う前に入力機能を表した面及び出力機能を表した面の選択を受け付けていればよい。
なお、出力機能が表された面の選択を受け付けた後に入力機能が表された面の選択の受け付けた場合、表示処理部401は、出力機能が表された面の選択を受け付けた段階ではプレビューを表示せず、後に入力機能が表された面の選択を受け付けた段階で、選択を受け付けた入力機能が表された面及び出力機能が表された面に対応するプレビューを表示する。
なお、本実施の形態と異なる例としては、出力機能が表された面の選択の受け付けに制限を設けることが考えられる。具体的な例としては、選択受付部は、入力機能が表された面の選択を受け付けていないうちは、出力機能が表された面の選択を受け付ける対応する制御を行わず、入力機能が表された面の選択を受け付けた後に、出力機能が表された面の選択を受け付けた場合に対応する制御を行うことが考えられる。
また、本実施の形態ではMFP1は、仮想立方体を3秒毎に半回転させた後に停止という処理を繰り返すこととした。しかしながら、本実施の形態は、仮想立方体の回転の表示を、半回転毎に静止するという処理手順に制限するものではない。そこで、本実施の形態と異なる変形例による仮想立方体の回転の表示処理について説明する。
まず、第1の変形例として、仮想立方体を所定速度で常に自動的に回転させて表示する場合がある。このように仮想立方体を回転中であっても、仮想立方体のされた入力機能が表された面及び出力機能が表された面の選択を受け付けることを可能とする。
また、第2の変形例として、仮想立方体を所定時間毎に一回転させて静止する処理を繰り返すことも考えられる。通常は回転前後共に同じ面が表示され、当該これらの面から選択を受け付けた場合に半回転する等が考えられる。また、一回転又は半回転以外の回転でも良く、例えば1/4回転等でも良い。
また、所定の時間毎に回転又は所定速度により回転するものに制限するものではなく、利用者からの入力が所定の条件を満たした場合に回転することにしてもよい。第3の変形例として、仮想立方体の入力機能が表された複数の面を表示し、利用者から入力機能が表された面の選択を受け付けた場合に、立体表示処理部が仮想立方体を半回転させることとする。
また、立体表示処理部が仮想立方体の回転を常に制御していることに制限するものではない。例えば、利用者の操作により仮想立方体の回転を制御可能としても良い。第4の変形例として、利用者が液晶タッチパネルに表示されている仮想立方体の端等を指などで接した場合に仮想立方体を回転されることとする。これにより利用者は参照したい面を表示することができる。また、この回転させた仮想立方体を停止させる制御としてはどのような制御を用いても良く、例えば利用者が再度指等で接した場合に停止させても良いし、また回転、半回転させた後に自動的に停止するようにしても良い。
また、この利用者が回転を制御させる場合、仮想立方体を常に一方向に回転させることにしても良いし、利用者の操作に応じて異なる方向又は速度で回転させることにしても良い。
なお、本実施の形態は、領域毎に表される機能を、入力機能又は出力機能のみに制限するものではなく、利用者に提供する実行可能な機能であればどのような機能でも良い。
また、上述した実施の形態及び変形例において、仮想立方体の面に示された入力機能の標記及び出力機能の標記と、仮想立方体の回転方向について対応関係を特に設けなかった。しかしながら、特に制限を設けるものではないが、入力機能の標記及び出力機能の標記を考慮して仮想立方体の回転方向を設定しても良い。具体的には、標記が左から右方向への文字列として配置されている場合、仮想立方体を右から左方向に回転させる。これにより、利用者が回転している最中においても仮想立方体の外面に標記を読むことが容易となる。
また、利用者の音声を用いて操作を行っても良い。例えば、回転、及び各入出力機能に対応した所定のキーワードを予め設定しておき、利用者がキーワードを言った場合に、回転、又は入出力機能の選択又は選択の解除が行われる等が考えられる。
本実施の形態においては、MFP1は、入力機能が表された面と、出力機能が表された面と、を有した3次元形状モデルを3秒毎に回転させて表示することで、解像度及び表示する画面のサイズが制限されている液晶タッチパネル320であっても、選択を受け付けることが可能な入力機能及び出力機能を利用者に把握させることができる。また、機能を選択する際に利用者は、入力機能が表された面及び出力機能が表された面を選択するだけであり、実行可能な入力機能及び出力機能が多くとも選択が容易になるので、操作性が向上する。
また、MFP1が実行可能な全ての機能を一括表示せずに、入力機能が表された面と出力機能が表された面を備えた仮想立方体を回転させて、入力機能が表された状態と出力機能が表された状態を切り替えることとした。つまり、機能をカテゴリ別に分けて表示したので、利用者はカテゴリ毎に選択可能な機能を理解するのが容易になる。また、カテゴリ毎に分けて表示するので、液晶タッチパネル320のサイズと関係なく、多くの機能を表示することができる。また、一度に表示される機能の数が制限されるので、液晶タッチパネル320上の表示が煩雑になるのを防止する。これにより、利用者が視覚で表示された内容を確認することが容易になり、表示されている入力機能が表された面及び出力機能が表された面から処理に用いる機能が表された面の特定が容易となる。
また、利用者が選択可能な入力機能が表された面及び出力機能が表された面を3次元形状モデル上で、立体的に把握できる。これにより、処理を行う際に利用者の要求に応じた機能の選択の受け付けが容易になる。また、静止した状態では、入力機能が表された複数の面及び出力機能が表された複数の面のうちいずれか一方のみ表示されるので、液晶タッチパネル320に表示された状態で、利用者が入出力機能を区別できる。
さらに、入力機能が表された面及び出力機能が表された面を対になるように表された3次元形状モデルを回転させるので、利用者は、入力機能が表された面及び出力機能が表された面の位置関係を容易に把握できる。本実施の形態では、対向する位置に所定の関係を有する面を配置しているので、液晶タッチパネル320に表示されているか否かを問わず、各面で表されている機能を、利用者が直感的に把握できる。
(第1の実施の形態の変形例1)
上述した第1の実施の形態においては、液晶タッチパネル320に仮想立方体の面の選択を受け付けてから後に、選択を受け付けた面に対応する入力対象又は出力先を示す項目キーを表示した。つまり、表示処理部が、予め選択の受け付け可能な複数の機能が表された面を表示し、機能が表された面の選択を受け付けた場合に当該機能に対応する項目を表示するという、いわゆる階層構造を形成していた。しかしながら、上述した実施の形態は、階層構造的に表示する項目を制御することに制限するものではない。そこで、本変形例では、最初から全ての項目が表示されている、つまり面毎に対応する項目キーが予め表示されている場合の例を説明するものである。
図29は、立体表示処理部により液晶タッチパネル320に表示される画面の一例を示した図である。本図に示すように、本変形例の立体表示処理部は、面毎に予め全ての項目キーを表示している。つまり、機能毎の入力対象及び出力先を一覧表示している。
また、本変形例では、選択された面又は項目キーの色を変更するのみで、プレビューの表示は行わない。本変形例のように表示処理部は、処理結果を示すプレビューを表示せずに、選択された機能及び項目の表示のみ行っても良い。
また、本変形例とは異なるが、面毎に予め項目キーを一覧表示しておき、利用者により項目キーが選択された場合に限り、選択された項目キーに対応したプレビューを表示してもよい。
さらに異なる例としては、最初は仮想立方体の面毎に項目キーを表示せず、仮想立方体の面の選択を受け付けた時に面に含まれている項目キーを表示する。そして、利用者が表示された項目キーを押下した場合に、押下されなかった項目キーは再び非表示とし、押下された項目キーは当該面上に、色を変更して表示された状態を保持する。この例の場合、上述した本実施の形態のように面の選択後に詳細表示処理部による拡大表示した後のプレビューを行わない。このように、上述した構成を、様々な構成と組み合わせて表示することができる。
(第1の実施の形態の変形例2)
上述した第1の実施の形態においては、液晶タッチパネル320に出力機能が表された面の選択を受け付け、出力先の選択を受け付けた場合、詳細表示処理部412が、選択を受け付けた機能及び条件で出力処理した結果の概略をプレビューとして表示する。この表示の際に、出力処理した結果のプレビューのみ表示することに制限するものではなく、例えば、入力処理した結果の概略のプレビューも同時に表示しても良い。そこで、本変形例は、出力機能が表された面の選択を受け付け、出力先の選択を受け付けた後、出力処理した結果の概略のプレビュー、及び入力処理した概略のプレビューを、出力機能の条件を設定する設定画面を表示する場合について説明する。なお、他の画面及び処理手順については第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。
図30は、「Print」の選択を受け付け、出力先として「Paper」の選択を受け付けた場合に表示するプレビュー及び設定項目を示した設定画面の例を示した図である。本図に示すように、詳細表示処理部は、入力処理した結果の概略を示した入力処理プレビュー2801を画面の左上領域に表示し、出力処理した結果の概略を示した出力処理プレビュー2802を画面の右下領域に表示する。そして、上述した実施の形態で示したものと同様に、詳細表示処理部は、プレビュー画面の周囲に詳細な設定を行うための各種設定項目がブロック単位で表示する。
そして、利用者がこのブロックを押下して、詳細表示処理部が、ブロックに配置されていた仮想多面体を回転させて異なる条件が示された面を表示した場合、選択受付部402は、当該ブロックで表示された条件を新たに設定されたものとして受け付ける。これにより、利用者が当該ブロックを押下することで、当該ブロックに対応する設定項目で新たな条件を設定することを可能とする。そして、設定項目で新たに設定された条件を用いた出力処理結果を出力処理プレビュー2802に表示する。これにより、出力処理した結果を出力前に把握することができる。また、この際に、入力処理プレビュー2801を対比して確認することができるので、出力処理を行うためにどのような設定がなされたのか視覚的に把握することができる。このようにブロック単位で条件を設定できるので、操作性が向上する。また、プレビューで入力処理結果と出力処理結果を対比できるので利便性が向上する。
(第2の実施の形態)
上述した第1の実施の形態においては、液晶タッチパネル320に表示される3次元形状モデルは1つの場合について説明した。しかしながら、液晶タッチパネル320に表示する3次元形状モデルを1つに制限するものではない。そこで、第2の実施の形態は、液晶タッチパネル320に仮想立方体を複数個表示する場合を説明する。
図31は、第2の実施の形態にかかるMFP2900の構成を示すブロック図である。上述した第1の実施の形態にかかるMFP1とは、アプリケーション層451とは処理が異なるアプリケーション層2951に変更され、記憶部403が記憶部2902に変更されている点で異なる。以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同様の構成要件には同一の符号を付してその説明を省略している。
なお、本実施の形態にかかるMFP2900は、図1で示した第1の実施の形態にかかるMFP1と同様のネットワーク環境を備え、図3で示すような操作パネル300を備えているものとする。
アプリケーション層2951は、第1の実施の形態にかかるアプリケーション層451と、表示処理部401とは処理が異なる表示処理部2901に変更され、選択受付部402が選択受付部2904に変更され、保存部2903が追加された構成を有している点で異なる。
まず、記憶部2902は、第1の実施の形態に係る記憶部403と同様に画像データを保持している以外に、利用者が仮想立方体より設定された入力機能、出力機能及びこれらの機能についての機能設定データを記憶している。
また、記憶部2902に記憶された機能設定データは、利用者が利用者認証部405で認証された後に、後述する選択受付部2904が、記憶部2902から読み出す。そして、選択受付部2904は、機能設定データに含まれていた機能に対応する面の選択を受け付ける。そして、立体表示処理部2911は、選択を受け付けた面の色を変更して仮想立方体を表示する。また、このような機能設定データに従って面の選択を既に受け付けている仮想立方体は、立体表示処理部2911が、液晶タッチパネル320のショートカット集と示された欄に表示する。これにより、以前設定した機能を用いた処理を行うことができるので、利便性が向上する。
また、機能設定データは、詳細設定の際に変更された項目をも保持している。つまり、詳細表示処理部412は、ショートカットとして示された欄に表示された仮想立方体に表された面の選択を受け付けた場合、機能設定データの情報から読み込まれたデータが反映されたプレビュー及び詳細設定画面が表示される。これにより、以前設定した詳細の設定を利用して処理ができる。これにより、利用者は、以前設定した内容を覚えていなくとも同一内容で処理することができ、利便性が向上する。また、同じ設定を繰り返さずに済むので、操作性が向上する。
また、利用者から当該仮想立方体を選択して処理を行う旨の入力があった場合、実行処理部404は、機能設定データに含まれていた情報から特定される入力機能及び出力機能を用い、且つ機能設定データが詳細設定画面で設定された情報が含まれていた場合これらの設定を用いて処理を行う。
選択受付部2904は、第1の実施の形態と同様に機能が表された面の選択の受け付け、及び機能に対応する条件の設定を受け付ける他に、ショートカット集や短縮に表示されている仮想立方体に対して、例えば仮想立方体の複製が行われた場合に複製元の仮想立方体で選択を受け付けていた面及び設定されていた条件を複製先の仮想立方体に設定し、当該設定を受け付ける。詳細な手順については後述する。
表示処理部2901は、立体表示処理部2911と、詳細表示処理部412とから構成され、液晶タッチパネル320に表示する。
立体表示処理部2911は、液晶タッチパネル320に面毎に機能が表された仮想立方体を複数個表示する。そして、立体表示処理部2911は、第1の実施の形態と同様に、仮想立方体毎に配置された所定の回転軸を中心に回転させる表示を行う。なお、仮想立方体毎の回転軸の配置方法は、第1の実施の形態と同様とし、この説明を省略する。
図32は、本実施の形態の立体表示処理部2911により液晶タッチパネル320に表示される画面例を示した図である。本図で示された各仮想立方体は、第1の実施の形態の仮想立方体と同様に半回転した後に、3秒間静止するという処理が繰り返し行われている。このような処理により各仮想立方体の入力機能が表された複数の面と、出力機能が表された複数の面の表示を切り替える。これにより、各仮想立方体は第1の実施の形態で示した仮想立方体の表示と同様の効果が得られる。また、本図では、各仮想立方体に「Scan」、「Receive」、「Load」が表された面しか見えないが、第1の実施の形態と同様に、反対側の面には「Send」、「Print」、「Save」と表された面を保持している。
また、図32に示すように、液晶タッチパネル320には、従来からMFPが備えていた「コピー」、「FAX」及び「データ印刷」等の処理に対応した仮想立方体が表示されている。これらの仮想立方体は、下に記載された処理を行うための入力機能が表された面が表された面及び出力機能が表された面の選択を予め受けている。具体的には、「コピー」を示す仮想立方体の場合、「Scan」が表されている面及び「Print」が表されている面の選択を予め受け付けているものとして、これらの面の色を変更して表示されている。なお、これらの仮想立方体は、選択を受け付けている機能が表された面で、最初は入力処理結果及び出力処理結果を示すプレビューは表示されていない。
このように、立体表示処理部2911は、従来から利用されていた処理に対応して、予め面の選択を受け付けた仮想立方体を表示する。これにより、例えば、利用者は、従来から利用されている「コピー」が入力機能である‘スキャン’と出力機能である‘印刷’の組合せであることを認識できる。つまり、利用者は、これらの仮想立方体を参照することで、既存の処理が各機能の組合せであることを理解する。これにより、利用者は、面に表された各機能で、実際に行われる機能の内容を直感的に理解できる。従って、利用者は各機能を理解することで、所望する処理を入力機能が表された面及び出力機能が表された面の組合せで直感的に作り出すことができる。
また、これら仮想立方体の下の「コピー」等の処理名を押下することで、実行処理部404が、仮想立方体で選択を受け付けていた面に対応する機能を用いて処理を実行する。具体的には、本実施の形態のMFP2900では、これら「コピー」等の処理名が押下された後に、押下された仮想立方体で既に選択を受け付けていた面に対応する入力機能を用いて、入力処理部421が入力処理する。そして、立体表示処理部2911は、第1の実施の形態と同様に、押下された仮想立方体の選択を受け付けていた面に入力処理結果及び出力処理結果のプレビューを表示する。具体的には、「コピー」の記載を利用者が押下した場合、入力処理部421がADFに搭載されていた紙原稿を読み込む。そして、立体表示処理部2911が、読み込んだ紙原稿の入力処理結果を示すプレビューを「Scan」が表された面に表示し、出力処理結果を示すプレビューを「Print」が表された面に表示する。なお、このような「コピー」等が記載されている仮想立方体は、予め入力対象及び出力先は既に設定されているため、第1の実施の形態で示した手順に従って設定を行う必要がないことはいうまでもない。
また、利用者が仮想立方体の面に表示されたプレビューを参照した後で、出力機能を詳細に設定したい場合、当該プレビューが表示されている「Print」が表された面を押下する。そして、選択受付部2904が押下された面の選択を受け付け、詳細表示処理部412が、選択を受け付けた面に対応するプレビュー及び詳細な設定画面を表示する。また、このプレビュー及び詳細な設定画面は第1の実施の形態の図19で示した画面と同様とし、詳細な設定方法も同様なので説明を省略する。これにより、利用者は出力結果を詳細に設定することができる。
図32に示されたショートカット集に記載された仮想立方体は、第1の実施の形態と同様の手順により入力機能が表された面及び出力機能が表された面の選択を受け付けることができる。同様に各面に対応する詳細設定画面で詳細な条件を設定することができる。そして、後述する保存部2903が、選択を受け付けた面及び詳細な条件を記憶部2902の機能設定データに保存する。
そして、利用者が後にMFP2900に再ログインをした場合に、保存した機能設定データを読み込んで、立体表示処理部2911が、前回選択を受け付けた面及び詳細な条件を保持している仮想立方体を再現して表示する。この再現された仮想立方体を押下することで、以前設定した機能及び詳細な条件を用いて処理を実行する。このようにショートカット集に表示された仮想立方体が保持している機能及び詳細な設定を保存して、後に実行することができるので利便性が向上する。
また、利用者が「コピー」等の既存の処理を示す仮想立方体が備えた各面を押下することで、選択受付部2904が押下された面に対応する機能及び当該機能の詳細な条件を受け付ける。これにより、押下された面に対応する入力機能及び出力機能の追加、変更又は削除、そして機能毎の詳細な設定を行うことができる。このように既存の処理を示す仮想多面体に対し、利用者が実行したい処理に合わせてカスタマイズすることを可能とする。また、カスタマイズした当該仮想多面体をショートカット集に複製することで、変更した設定を保存することができる。これにより、変更した設定を用いた処理を後で実行することが可能となり、利便性が向上する。なお、当然ながら、ショートカット集に複写された後の仮想立方体に対しても上述したように面の選択の受け付け及び詳細な条件の設定等を行うこともできる。
図33は、液晶タッチパネル320上に、「コピー」に対応する仮想立方体をドラッグして、ショートカット集に複製し、複製された仮想立方体の機能又は機能毎の設定条件を変更した例を示した説明図である。本図に示すように、利用者が、液晶タッチパネル320上に表示されている、予め入力機能が表された面及び出力機能が表されている面の選択を受け付けている仮想立方体をドラッグして、ショートカット集に複製する。つまり、利用者が仮想立方体のドラッグを行った場合、選択受付部2904が、ドラッグ元の仮想多面体で既に選択を受け付けていた面の選択、及び面毎の機能に設定された詳細な条件を、ショートカット集に表示されていた仮想立方体に設定し、この設定を受け付ける。これにより仮想立方体の複製が行われたこととなる。この後、利用者は、複製された当該仮想立方体の各面に表された機能及び機能毎の設定を変更することができる。また、このようにカスタマイズされた仮想立方体が保持している機能及び詳細な設定を、保存部2903により保存することができる。
また、利用者は、このカスタマイズされた仮想立方体に対して名前を付けることができる。そして、仮想立方体に付けられた名前を、当該仮想立方体が保持している機能及び詳細な設定と共に、保存部2903が保存することができる。つまり、再ログイン等した後に、利用者は液晶タッチパネル320に表示された仮想立方体の名前を参照することで、当該仮想立方体に保存された機能及び詳細な条件を思い出すことができる。これにより、利用者は、以前実行した処理で再び実行したい場合に、該当する処理の機能及び詳細な条件が設定されている仮想立方体を特定できる。これにより、利便性が向上する。
また、ショートカット集の欄に表示された1つの仮想立方体に対して、他の機能が表された面の選択を既に受け付けている複数の複数の仮想立方体を組み合わせることもできる。
図34は、「コピー」に対応する仮想立方体及び「データ印刷」に対応する仮想立方体を組み合わせて1つの仮想立方体を生成した例を示した説明図である。つまり、上述した処置と同様に、利用者が、「コピー」に対応する仮想立方体を、ショートカット集に表示されている仮想立方体にドラッグして、「コピー」対応する仮想立方体を複製する。そして、複製した後、「データ印刷」に対応する仮想立方体をショートカット集に表示されている先ほどの仮想立方体にドラッグする。これにより、選択受付部2904は、「データ印刷」で既に選択を受け付けていた面に対応する面の選択、及び選択された面に限り対応する機能の詳細な条件を、複製されたショートカット集の「コピー」の複製である仮想立方体に設定して、この設定を受け付ける。これで、2つの仮想立方体で選択を受け付けた面を組み合わせた仮想立方体を生成することができる。つまり、「コピー」に対応する入力機能であるスキャンと、「データ印刷」に対応する入力機能である読み込みを行った後で、「コピー」及び「データ印刷」に対応する出力機能である印刷を行うことを可能とする仮想立方体が生成されたことになる。
また、仮想立方体の内部にさらに仮想立方体を表示してもよい。このような内部に仮想立方体を保持した仮想立方体を用いた例として、複数の仮想立方体による複数の処理を順番に行う仮想立方体等が考えられる。
図35は、「コピー」に対応する仮想立方体及び「ショートカット1」に対応する仮想立方体をドラッグして、短縮の欄の短縮仮想立方体の各面に複写して、複数の処理を順番に行う短縮仮想立方体を生成した場合の例を説明した説明図である。本図に示すように、短縮の欄に表示された短縮仮想立方体は、各面毎に番号が付されており、この各面毎に仮想立方体を割り当てることができる。そして、利用者が、入力機能が表された面及び出力機能が表されている面の選択を既に受け付けている仮想立方体及び、利用者が面を選択したショートカット欄に表示されている仮想立方体をドラッグして、短縮仮想立方体の番号が付された各面に割り当てる。これにより、短縮仮想立方体の各面に、ドラッグ元の仮想多面体を複製したこととなる。そして、この短縮仮想立方体を選択してスタートキー308を押下することで、実行処理部404が短縮仮想立方体の各面に割り当てられた仮想立方体の処理を番号の順に実行する。
つまり、短縮仮想立方体は、入力機能及び出力機能及びこれらの機能に対応する詳細な条件の組合せを面と対応付けて最大で6つ保持する。そして、利用者がドラッグして仮想多面体を、短縮仮想立方体の面に複製した場合、選択受付部2904が、短縮仮想立方体の面に表示する仮想立方体に、ドラッグ元の仮想立方体で既に選択を受け付けた面及び面に対応する機能に対応する条件を設定し、設定を受け付ける。これにより、立体表示処理部2911が、短縮仮想多面体の面内に、複製された当該仮想多面体を表示する。そして、利用者から短縮仮想多面体が押下された場合に、実行処理部404は面の順に、各毎に示された仮想多面体で選択を受け付けている面に対応する入力機能及び出力機能を用いて処理を実行する。これにより、順番に複数の処理を実行することができるので、利便性が向上する。
図36は、立体表示処理部2911が短縮仮想立方体を回転させた場合の例を示した説明図である。本図に示すように、立体表示処理部2911が短縮仮想立方体を回転させる度に、番号1、2、3が付された面と、番号4、5、6が付された面とが切り替えられる。そして、短縮仮想立方体の各面には、利用者が複製した実行する処理に対応する仮想立方体を表示する。そして、実行処理部404は、各面に表示された仮想立方体で選択を受け付けている面に対応する機能を用いた処理を、各面の番号順に行う。
このような複数の処理を1つの短縮仮想立方体にまとめて登録可能とすることで、利用者は複数の処理を容易に且つ誤り無く実施することが可能となる。
図31に戻り、保存部2903は、ショートカット集に表示されている仮想立方体の面の選択を選択受付部2904が受け付けた後、操作部20から、利用者が当該仮想立方体を特定して保存する旨を入力した場合、当該仮想立方体で選択を受け付けた面に対応する入出力機能及び設定された条件の情報を、記憶部2902に機能設定データとして保存する。
そして、利用者が再ログイン等した場合に、選択受付部2904が、記憶部2902に記憶されている機能設定データを読み込んで、機能設定データで保持している入出力機能に対応する面の選択を、該当するショートカット集の仮想立方体から受け付け、立体表示処理部2911が、選択を受け付けた面の色を変更して該当する仮想立方体を表示する。このように一度選択を受け付けた面及び設定された条件が反映された仮想立方体を表示して、利用者が利用することを可能としたことで、処理を行う度に煩雑な設定を行う必要が無くなり、利便性が向上する。
また、本実施の形態にかかるMFP2900で、ショートカット集に表示される仮想立方体毎の入出力機能が表された面の選択を受け付けて、入力処理した画像データに基づいて出力処理するまでの処理手順は、第1の実施の形態で示した表示処理と同様なので説明を省略する。また、本実施の形態では、この処理手順を、表示された仮想立方体毎に行うことを可能とする。つまり、仮想多面体毎に異なる複数の処理を設定できる。これにより、利便性が向上する。
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかるMFP2900において、仮想立方体を表示処理してから、仮想立方体を保存するまでの処理について説明する。図37は、本実施の形態にかかる2900における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、立体表示処理部2911が液晶タッチパネル320に複数の仮想立方体を表示する(ステップS3501)。次に、選択受付部2904利用者が液晶タッチパネル320から仮想立方体の入力機能が表された面及び出力機能が表された面を押下した場合、選択受付部2904が、押下された面の選択を受け付ける(ステップS3502)。
そして、立体表示処理部2911は、ステップS3502で選択を受け付けた面の色を変更して仮想立方体を表示する(ステップS3503)。
次に、上記の設定が行われた仮想立方体を利用者が選択して保存する旨の入力を行った場合、保存部2903は、選択を受け付けた面に対応する入力機能及び出力機能の情報を含んだ機能設定データを記憶部2902に保存する(ステップS3504)。
上述した処理手順により、利用者から選択を受け付けた面に対応する入力機能及び出力機能の情報等を含んだ機能設定データが保存される。これにより、後で選択受付部2904が、保存された機能設定データを読み込んで、前回選択を受け付けた面の選択を受け付ける。そして、立体表示処理部2911は、前回保存部2903が保存した時の状態を再現して仮想立方体を表示する。この再現された仮想立方体を選択することで、利用者は、以前行った処理又は以前設定した処理と、同一の処理を実行することができる。なお、上述した処理手順は、本実施の形態による仮想立方体を表示処理してから、仮想立方体を保存する処理までの処理手順の例を示したものであり、このような処理手順に制限するものではない。
本実施の形態では、選択を受け付けた面に対応する機能の情報を含んだ機能設定データを保存した。これは、本実施の形態のような仮想立方体を複数表示する場合にのみ利用可能な機能とするのではなく、例えば、第1の実施の形態のように仮想立方体を1つのみ表示する場合にも適用することができる。また、このような例に限らず、あらゆる実施の形態で用いることができる。
本実施の形態では、仮想立方体を複数表示することで、仮想立方体毎に入力機能及び出力機能を組み合わせた処理を設定することができるので利便性が向上する。また、予め処理に該当する入力機能が表された面及び出力機能が表された面の選択を受け付けていることとしたため、利用者が仮想立方体を選択することで、選択された仮想立方体で既に選択を受け付けている機能を用いた処理を実行することができる。これにより、操作性及び利便性が向上する。また、MFP2900は、仮想立方体毎に異なる処理に対応する機能の選択を保持できる。つまり、仮想立方体を選択するだけで機能を組み合わせた処理を特定できる。したがって、利便性及び操作性が向上する。
つまり、従来から存在するMFPと同様に仮想立方体を選択するだけで処理を実行できると共に、各仮想立方体に対して機能が表された面の選択を受け付けること及び面に対応する機能の条件を設定することを可能としたので、従来通りの操作性を保持しつつ、機能の設定に高い柔軟性を持たせることを可能とした。また、この設定を保持することで、何度も実行することを可能とした。
(第3の実施の形態)
上述した実施の形態では表示処理装置を実行するMFPの場合について説明したが、表示処理装置をMFPに制限するものではない。そこで第3の実施の形態では表示処理装置3700を用いた場合について説明する。
図38は、本実施の形態にかかる表示処理装置3700の機能ブロック図である。本図に示すように表示処理装置3700は、第1の実施の形態にかかるMFP1のアプリケーション層451の内部とほぼ同様の構成を備えることとし、異なる点としては、表示処理部401が表示処理部3703に変更され、さらに表示部3701と操作部3702が追加されている。また、アプリケーション層451の外部にあった記憶部404を備えている。
表示処理部3703は、立体表示処理部3711及び詳細表示処理部3712を備えている。
立体表示処理部3711は、上述した実施の形態の立体表示処理部411と異なる点として、MFP1と表示処理装置3700の実行可能な機能の違いに応じて、異なる機能が表された面を仮想立方体に表示する。それ以外については、立体表示処理部411と同様なので説明を省略する。また、立体表示処理部3711は、上述した実施の形態と同様に、複数の入力機能及び複数の出力機能を面毎に表しても良いし、入出力に関係ない機能を面毎に表しても良い。また、立体表示処理部3711は、第2の実施の形態のように複数の仮想立方体を表示しても良いし、仮想立方体を1つ表示しても良い。
詳細表示処理部3712は、上述した立体表示処理部2911により表示された仮想立方体の面を選択受付部402が受け付けた場合に、面に対応する機能を設定するための設定画面を表示する。それ以外は、詳細表示処理部412と同様とし、説明を省略する。
表示部3701は、立体表示処理部3711により機能が表された複数の面が配置された仮想立方体又は設定画面等が表示される。
また、表示部3701は、例えば携帯可能な表示処理装置3700に組み込まれた液晶パネル等が考えられる。この液晶パネルでは、上述した実施の形態のように利用者が触接することで入力可能な液晶タッチパネルである必要はない。そして、液晶タッチパネルと別に備えられた後述する操作部3702からの入力で選択受付部402が選択を受け付けても良い。また、表示部3701は、表示処理装置3700内に予め備え付けられたものとし、所定のサイズの表示領域を有することとする。
また、本実施の形態とは異なるが、表示部は、上述した実施の形態のように液晶タッチパネルとして、表示部と操作部の機能を一体化したものでも良い。
また、表示部3701の表示領域の所定のサイズを制限するものではないが、表示処理装置3700に備え付けられる以上、表示処理装置3700より小さいサイズが好ましい。また、本実施の形態において表示部3701の表示領域のサイズは、利用者に対して実行可能な機能を認識させることを目的として設計されたサイズとする。
また、利用者に対して実行可能な機能を認識させることを目的として設計されたサイズを有する表示部を備えた表示処理装置は、機能を表示できる必要十分の表示部を備え、且つ表示部のサイズより携帯性、省スペース性又は他の機能を優先して設計された各種装置とする。例えば、画像形成装置、上述したAV機器や、携帯型の端末又は携帯電話等が考えられる。
また、利用者に対して実行可能な機能を認識させることを目的として設計されたサイズを有する表示部は、具体的には同一機能を認識させるにも係わらず複数の異なるサイズが存在する、つまり、具体的に機能が表示された状態を想定せずに設計される汎用性の高いPC(Personal Computer)等のディスプレイを除くことを意味する。というのは、これらPC等で機能を表示するための画面レイアウトを設計する際、通常は一般に既に販売されているディスプレイの表示領域を考慮して設計される。つまり、ディスプレイが判断材料の主となり、表示する機能に応じてディスプレイのサイズ等を変更しない点で、上述した装置とは異なる。
操作部3702は、利用者が表示処理装置3700に対して操作を行うために設けられたインターフェースとする。この操作部3702は、利用者が、機能が表された面の選択する場合に、当該選択を入力可能なインターフェースであればどの様な機構でも良い。
また、本実施の形態の表示処理装置3700を組み込まれた装置としては、例えば音楽データを保存して他の機器への出力又は再生等が可能なAV(Audio Visual)機器などが考えられる。つまり、複数の機能を備えた装置であり、装置が備えた液晶パネル等の表示部に表示が可能な装置であり、機能を選択するための液晶タッチパネル又は複数のボタン等を有するインターフェースを備えた装置であれば、どのような装置でも良い。
他の例としては、カーナビゲーション装置に、本実施の形態の表示処理装置3700を組み込んでも良い。
また、本実施の形態にかかる表示処理装置3700を、機能の利用者に認識させるために必要十分なサイズの表示部とインターフェースを備えた、利用者が携帯する装置等にも組み込むことができる。例えば、PDAのような液晶タッチパネル等を備えた携帯型の端末等が考えられる。
また、携帯電話等にも適用することができる。携帯電話を用いた例としては、組み込みプログラム等を起動して、何らかの処理を行うための機能が表された複数の面を保持する仮想多面体を表示し、当該面の選択を受け付ける場合などが考えられる。この場合、上述した実施の形態と同様に、携帯電話の表示画面に機能が表された複数の面を保持する仮想多面体を回転させて、表示される面を時間毎に切り替える。これにより、機能を表示するために利用できる面積が小さくとも、切り替えることでより多くの入力機能が表された面又は出力機能が表された面を表示することができる。これにより複数の機能を備えている場合でも適切に機能が表された面の選択を受け付けることができる。
なお、携帯電話の場合の機能が表された面の選択の受け付けの例は、“上下左右”及び“決定”が割り当られたダイヤルボタンの押下することで、これらの面を選択し、選択を受け付けることができる。このように、携帯電話が備えている標準的なインターフェースでも利用者が所望する入力機能及び出力機能の選択を受け付けることが可能になる。
また、所定の時間毎に回転させることに制限するものではなく、所定の条件を満たした場合であれば3次元形状モデルを回転させてよい。また、仮想立方体の面に機能を表すので、選択可能な機能を利用者は3次元的に把握することができる。
また、表示処理装置3700は、他の装置に組み込むものに制限するものではなく、例えば携帯電話等でプログラムを起動することで、表示処理装置3700の機能を実現するものでもよい。このような携帯電話でも、仮想立方体を表示して、機能が表された面の選択を受け付けることで、上述した実施の形態と同様の効果を得られる。
また、携帯型ゲーム端末等においても同様のことがいえる。このように表示部及びインターフェースが十分でない装置においても、機能の設定が容易となり、操作性が向上する。
また、表示処理装置の操作部にタッチパネル等を用いても良い。例えば、タッチパネルを備えた装置で、表示部に回転する仮想立方体が表示され、利用者がタッチパネルを押下することで表示された入力機能が表された面及び出力機能が表された面の選択を受け付ける。このように、入力インターフェースが制限されている装置で機能が表された面を保持する仮想多面体を表示し、当該仮想立方体を回転させて、表示される面を切り替えて表示することで、選択可能な機能の認識及び機能の選択の受け付けが容易となり、操作性が向上する。
また、本実施の形態とは異なるが、液晶タッチパネル又はタブレット等の座標入力形式の入力部を備えた装置に適用することができる。例えば、タブレット及びモニタと接続された装置において、モニタに機能が表された機能指示領域を保持する3次元形状モデルを表示し、所定の条件を満たした場合に回転させることとする。そして、スタイラスペンで利用者がタブレットから3次元形状モデルの機能指示領域を指示することで、選択受付部は機能指示領域の選択を受け付ける。このように、入力インターフェースが制限されている場合に3次元形状モデルの外面に機能が表された領域を表示し、当該3次元形状モデルを所定の条件に応じて回転させて表示することで、機能の選択が容易となり、操作性が向上する。
なお、上述した実施の形態及び変形例で示したMFPで実行される表示処理プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
また、上述した実施形態及び変形例で示したMFPで実行される表示処理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施形態のMFPで実行される表示処理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のMFPで実行される表示処理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
本実施の形態のMFPで実行される表示処理プログラムは、上述した各部(表示処理部、選択受付部、実行処理部及び利用者認証部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから表示処理プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、表示処理部、選択受付部、実行処理部及び利用者認証部が主記憶装置上に生成されるようになっている。