JP2007041260A - 液晶表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フルカラー表示に有効である積層型液晶表示素子において、高精細、高速応答に有効であるトランジスタを用いたときに課題となる、開口率の低下に起因する表示性能の劣化を抑えた液晶素子を提供すること。
【解決手段】 基板上に、少なくとも1つの二色性色素とホスト液晶とを含む液晶層と、少なくとも1個の透明な薄膜トランジスタと、マトリクス状に配置された透明な画素電極と、透明な対向電極と、を有してなる構造単位を複数個積層してなることを特徴とする液晶表示素子。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液晶表示素子に関し、特にゲストホスト液晶方式に好適な液晶表示素子に関する。
デジタル情報の普及に伴い、デジタル情報を表示するためのディスプレイ(以下、電子ペーパーと呼ぶ)の重要性が増している。電子ペーパーに要求される性能としては、高い視認性と低消費電力が挙げられる。高い視認性とは、紙に近い白地のことを意味しており、紙と同様の散乱白地に基づく表示方式が適している。一方、消費電力は、反射型表示方式が、自発光型表示方式よりも低消費である。
これまで、電子ペーパーとして、多くの方式が提案されている。例えば、反射型液晶表示方式、電気泳動表示方式、磁気泳動表示方式、二色球回転方式、エレクトロクロミック表示方式、ロイコサーマル表示方式などである。いずれの方式についても、高い視認性という観点からは、満足できるレベルにはなく、その改善が求められていた。
一方、液晶素子(液晶表示素子)については、すでに多くの方式が提案されており、中でもゲストホスト方式の液晶素子は、明るい表示が可能であって、反射型に適した液晶素子として期待されている。ゲストホスト方式の液晶素子では、ネマチック液晶中に二色性色素を溶解させた液晶組成物をセル中に封入し、これに電場を与え、電場による液晶の動きに合わせて、二色性色素の配向を変化させ、セルの吸光状態を変化させることによって表示する方式である。このゲストホスト方式の液晶素子では、従来の液晶表示方式と比較して、偏光板を用いない駆動方式が可能であるため、より明るい表示が期待されている。
ゲストホスト方式でカラー表示させる場合には、RGB並列配置やRGB並列配置なども存在するが、これらの方法では、全面に同一色を表示することができないので色再現範囲は必然的に狭くなる。一方、シアン、マゼンダ、イエローの色素をそれぞれ含む3つのゲストホストセルを積層する構造の場合、色再現範囲の広いカラー表示が可能となるため、好適な方法である。
上記3層構造のゲストホストセルでドットマトリックス表示をする場合、一画素単位のマトリックス駆動の方法としては、単純マトリクス駆動、アクティブマトリクス駆動がある。単純マトリクス駆動は、V−T(電圧−透過率)特性において急峻性が必要であるので、色素が混合されていることにより液晶の含有率が少ないゲストホスト液晶の場合にはあまり適さない。アクティブマトリクス駆動には、アクティブ素子がダイオードであるMIM方式と、アクティブ素子がトランジスタであるTFT方式がある。
TFTの材質としては、a−Si(アモルファスシリコン)TFTや、p−Si(ポリシリコン)TFTが実用化されている。しかしながら、これらシリコンを用いたTFTは、可視光に対して不透明で透明回路を構成することができないため、ディスプレイ画素の開口比が小さくなる。
また、アモルファスシリコンTFTやポリシリコンTFTは、可視光照射により、伝導キャリアを発生させるために、高光照射下ではトランジスタ特性が劣化してしまう。つまり、バックライト照射により光誘起電流が発生し、スイッチング素子としてのスイッチング特性が劣化してしまう。こうした劣化を防ぐため、バックライト光をカットするための遮光膜(ブラックマトリックス)をTFT上に設ける必要がある。結局、ブラックマトリックスの敷設によって更に開口比が小さくなってしてしまうことによって、光利用効率が低くなり、反射輝度が低下し、画面が暗くなる。結果、表示性能が低下するという問題がある。
シリコン電界効果型トランジスタのこうした問題点は、シリコンに替わって、エネルギーバンド幅の大きな半導体材料を用いることにより、原理的に、解決することができる。実際に、透明酸化物半導体であるZnOを用いて、電界効果型トランジスタを作製する試みがなされ(例えば、特許文献1参照。)、反応性固相エピタキシャル法により作製した、ZnOを主たる構成成分として含有するホモロガス化合物単結晶薄膜又はZnOを主たる構成成分として含有するホモロガスアモルファス薄膜を活性層とした電界効果型トランジスタの開示がなされている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、透明酸化物半導体であるZnOを用いた電界効果型トランジスタの適用については詳細には明らかにされておらず、前記特許文献2では、コレステリック液晶等の場合について開示されているにすぎない。
そこで、明るい表示が可能であって、反射型に適した液晶素子として期待されているゲストホスト方式の液晶素子において、シリコンを用いたTFTを適用する際の課題、すなわち、開口比が小さくなることによる光利用効率の低下、反射輝度の低下を引き起こし、表示性能が低下するという問題を解決することが熱望されている。
特開2003−29293号公報 特開2004−103957号公報
本発明は、従来における前記問題点を解決し、以下の課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、フルカラー表示に有効である積層型液晶素子において、高精細、高速応答に有効であるトランジスタを用いたときに課題となる、開口率の低下に起因する表示性能の劣化を抑えた液晶素子の提供を目的とする。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
<1> 基板上に、少なくとも1つの二色性色素とホスト液晶とを含む液晶層と、少なくとも1つの透明な薄膜トランジスタと、マトリクス状に配置された透明な画素電極と、透明な対向電極と、を有してなる構造単位を複数個積層してなることを特徴とする液晶表示素子。
<1>の発明によれば、電極と薄膜トランジスタ(TFT)とが透明であるため、開口比が大きくなり、表示性能が向上する。特に、ゲストホスト方式の液晶では、ゲストとして二色性色素を含むため、ホストである液晶の含有率が少なくなるため、駆動速度を高めることが重要であり、積層構造における構成単位毎にTFTを備えることが極めて有効である。また、構成単位毎にTFTを備える液晶表示素子は、製造プロセスが簡単であることも有利である。しかしながら、このような構造とするとTFTの設置数が多くなるため、TFTを透明にすることによる開口比向上の効果が極めて大きい。
さらに、透明TFTと組み合わせることで、ブラックマトリックスがないために反射型表示の場合に散乱白地に基づいた目に優しい自然な白表示が可能となるため、視認性、読んだときの疲労度が少なくて済むというメリットがある。また、透明TFTを用いることで中間調表示が容易となり、高精細な画像表示が可能となる。さらに、透明TFTと組み合わせることで、応答速度が向上し、書き換えるときに違和感のない表示素子が実現できる。
<2> 前記構造単位を少なくとも3個積層してなり、3個の構造単位に含まれる液晶層が、各々独立にイエロー、シアン、又はマゼンタの二色性色素を含有する3種類から構成されていることを特徴とする前記<1>に記載の液晶表示素子。
<2>の発明によれば、フルカラー表示に有効である積層型の表示素子の構成であっても、これらの表示を駆動させるための薄膜トランジスタを透明であるため、開口比が小さくなるという問題が解消される。
<3> 前記二色性色素が、下記一般式(1)で表される置換基を有することを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の液晶表示素子。
一般式(1): −(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1
〔式中、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、(p+r)×nは3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。〕
<4> 前記二色性色素の少なくとも一種が、下記一般式(2)で表される化合物である前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
Figure 2007041260
〔式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも一つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に水素原子又は置換基である。Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、(p+r)×nは3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は同一でも異なっていてもよい。〕
<5> 前記二色性色素の少なくとも一種が、下記一般式(3)で表される化合物である前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
Figure 2007041260
〔式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17の少なくとも一つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に水素原子又は置換基である。Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、(p+r)×nは3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は同一でも異なっていてもよい。〕
<3>〜<5>の発明によれば、本発明にかかる特定の二色性色素を用いることで、ホスト液晶への高い溶解性と高いオーダーパラメーターが両立できるために、高い反射率とコントラスト比が両立できることとなる。さらに、本発明のニ色性色素は、光に対する安定性に優れているため、とくに透明TFTと組み合わせたときに耐久性に優れた素子を作製することが可能となる。
<6> 前記ホスト液晶が、ネマチック液晶又はスメクチック液晶であることを特徴とする前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
<7> 前記ホスト液晶がフッ素系液晶であることを特徴とする前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
<8> 前記ホスト液晶が、カイラル剤を含むことを特徴とする前記<1>〜<7>のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
<6>〜<8>の発明によれば、本発明にかかる特定のホスト液晶を用いることで、フッ素系液晶と透明TFTと組み合わせることで、電圧保持率が高くなり、高い表示性能を示すことが可能となり、また、カイラル剤と組み合わせることで、コントラスト比を高くすることが可能となる。
<9> 前記薄膜トランジスタが、ホモロガス化合物InMO3(ZnO)m(Mは、In,Fe,Ga,又はAlを表し、mは、1以上50未満のいずれかの整数を表す。)薄膜を有することを特徴とする前記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
本発明によれば、フルカラー表示に有効である積層型液晶素子において、高精細、高速応答に有効であるトランジスタを用いたときに課題となる、開口率の低下に起因する表示性能の劣化を抑えたゲストホスト液晶方式による画像表示装置を提供できる。
本発明のゲストホスト液晶方式による画像表示装置は、基板上に、少なくとも1つの二色性色素とホスト液晶とを含む液晶層と、少なくとも1つの透明な薄膜トランジスタと、マトリクス状に配置された透明な画素電極と、透明な対向電極と、を有してなる構造単位を複数個積層してなることを特徴とする。
以下、各組成について説明した後、ゲストホスト液晶方式による画像表示装置の構成について説明を行う。
<透明薄膜トランジスタ>
本発明に用いる透明薄膜トランジスタは、透明であれば特に制限はない。透明薄膜トランジスタは、代表的には、半導体活性層、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極及びゲート絶縁膜を有し、これらをいずれも透明とすることで、薄膜トランジスタ全体を透明にすることができる。
薄膜トランジスタの透明な構成要素の材料としては、従来より知られている透明材料を採用することができる。例えば、酸化亜鉛(ZnO)を母材とする材料により、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、ゲート絶縁膜及び半導体活性層を形成すればよい。ZnOはエネルギーバンドギャップが3eV以上と大きく、また、これに不純物をドープすることで導電性を制御することができる。
特に本発明に用いる透明薄膜トランジスタでは、ホモロガス化合物InMO3(ZnO)m薄膜を半導体活性層として用いることが好ましい。ここで、InMO3(ZnO)m中、Mは、In,Fe,Ga,又はAlを表し、mは、1以上50未満のいずれかの整数を表す。以下、化学式InMO3(ZnO)mにおいて同義である。
以下、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、ゲート絶縁膜及び半導体活性層について、詳細に説明する。
(ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極)
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の材料としては、可視光に対して透明であって、低抵抗率が得られるのであれば、どのような材料からなるものでもよい。例えば、酸化インジウム(In23)、酸化錫(SnO2)、ZnO等の酸化物材料や、この酸化物材料に不純物をドープしたものを透明導電膜材料として採用することができる。
具体的には、透明導電膜材料としては、例えば、In23に錫(Sn)をドープしたもの(一般的にITO(Indium Tin Oxide)と呼ばれる)、SnO2にアンチモン(Sb)又はフッ素(F)をドープしたもの、ZnOにInをドープしたもの、ZnOにガリウム(Ga)をドープしたもの(一般的にGZOと呼ばれる)、ZnOにAlをドープしたもの(一般的にAZOと呼ばれる)などを採用することができる。
(ゲート絶縁膜)
ゲート電極と半導体活性層の間に配置するゲート絶縁膜は、例えば、酸化シリコン(SiO2)、アルミナ(Al23)、窒化シリコン(SiN)、又は酸窒化シリコンを主成分とするもので形成されることができる。また、ゲート絶縁膜には、その目的を達成できる範囲で、不純物を含んでいてもよい。
ゲート絶縁膜は、上記組成を組み合わせて二層構造としてもよい。
(半導体活性層)
半導体活性層は、可視光に対して透明で、例えば、伝導帯と価電子帯の間のエネルギーバンドギャップが3eV以上であり、キャリア濃度が1018cm-3以下である材料により形成すればよい。
このような材料としては、例えば酸化亜鉛(ZnO)を主成分とするもの等が挙げられるが、本発明においては、特にホモロガス化合物InMO3(ZnO)m薄膜を半導体活性層として用いることが好ましい。ホモロガス化合物InMO3(ZnO)m薄膜を用いた場合の利点としては、以下の(1)〜(4)を挙げることができる。
(1)反応性固相エピタキシャル法により製造したホモロガス化合物単結晶InMO3(ZnO)m薄膜は、InO1.5層が原子レベルで平坦な薄膜表面を形成することから、ゲートと活性層の界面に欠陥が介在しにくく、ゲートリーク電流の少ない薄膜電界効果型トランジスタを作製できる。
なお、InMO3(ZnO)m中、mの値は1以上50未満の整数が好ましい。原理的には、mの値は、無限大まで可能であるが、実用上、mの値が大きくなりすぎると、膜内でのmのばらつきが大きくなり、酸素欠陥が生じやすくなる。その結果、膜の電気伝導度が大きくなり、ノーマリオフ型のFETが作り難くなる。
(2)ZnOを主たる構成成分として含有するホモロガス化合物InMO3(ZnO)mのバンドギャップエネルギーは、3.3eVより大きいため、波長が400nm以上の可視光に対して透明である。したがって、ホモロガス化合物単結晶InMO3(ZnO)m薄膜を活性層として用いることにより、可視光透過率が高く、可視光による光誘起電流の発生がない、薄膜電界効果型トランジスタを作製できる。
(3)反応性固相エピタキシャル法により製造したホモロガス化合物InMO3(ZnO)m単結晶薄膜は化学量論組成からのずれが極めて小さく、室温付近では良質な絶縁体であることから、ホモロガス化合物単結晶InMO3(ZnO)m薄膜を活性層として用いることにより、ノーマリーオフ作動で、スイッチング特性の良い透明薄膜電界効果型トランジスタを作製できる。
(4)ZnOを含むホモロガス化合物を反応性固相エピタキシャル法により室温で成膜したアモルファス状態は、1000℃程度の高温まで安定であり、その状態での電子キャリア移動度は、アモルファスシリコンに比較して、10倍以上大きい。したがって、ホモロガスアモルファス薄膜を活性層として用いた電界効果型トランジスタは、シリコンアモルファス電界効果型トランジスタに比較して、可視光透過率が高く、光照射に対して安定に動作し、さらに、高速動作することが期待できる。
なお、ホモロガス化合物InMO3(ZnO)m薄膜を半導体活性層として用いる場合には、上記ゲート絶縁膜はAl23であることが好適である。以下、ホモロガス化合物InMO3(ZnO)m薄膜の製造方法について詳細に説明する。
ホモロガス化合物InMO3(ZnO)m薄膜の形成方法としては、基板上に、MBE法、パルスレーザー蒸着法(PLD法)等により、ZnO単結晶薄膜をエピタキシャル成長させ、次に、該ZnO薄膜上に、InMO3(ZnO)mと記述されるホモロガス化合物薄膜を、ターゲットとして、該酸化物の多結晶焼結体を使用して、MBE法、パルスレーザー蒸着法(PLD法)等により成長させる方法が挙げられる。
得られたホモロガス化合物InMO3(ZnO)m薄膜は、単結晶膜である必要はなく、多結晶膜でも、アモルファス膜でも良い。最後に、薄膜全体を被覆できるように高融点化合物,例えばAl23を被せ、高温で、ZnO蒸気を含む大気圧中で加熱拡散処理を行なうことが好ましい。
InMO3(ZnO)mとZnO膜が相互に拡散・反応し、温度を適切に設定すれば、均一組成InMO3(ZnO)m'となる。m’は、InMO3(ZnO)mとZnO膜厚比から決まるが、ZnO膜厚が5nm未満で、InMO3(ZnO)m膜厚が100nmを越える場合には、m’はmと略同じになる。
適切な温度は800度以上,1600度以下,より好ましくは1200度以上、1500度以下である。800度未満では拡散が遅く,均一組成のInMO3(ZnO)mが得られない。また,1600度を越えるとZnOの蒸発が抑えられなくなり均一組成のInMO3(ZnO)mが得られない。
また、反応性固相エピタキシャル成長法で得られたZnOを含むホモロガス単結晶膜は、化学量論組成に近く、室温では、10W・cm以上の高い絶縁性を示し、ノーマリーオフ電界効果型トランジスタに適している。
次に、得られたZnOを主たる構成成分として含有するホモロガス単結晶薄膜を活性層とした、トップゲート型MIS電界効果型トランジスタの作製方法について説明する。
まず、基板上にエピタキシャル成長したZnOを主たる構成成分として含有するホモロガス単結晶薄膜上にゲート絶縁膜及びゲート電極用の金属膜を形成する。
ゲート絶縁膜には、Al23が最も適している。ゲート電極用金属膜は、Au,Ag,Al、又はCu等を用いることができる。光リゾグラフィー法及びドライエッチング、又はリフトオフ法により、ゲート電極を作製し、最後に、ソース電極及びドレイン電極を作製する。
(絶縁膜)
本発明の液晶素子において、薄膜トランジスタが下記電解質層に含まれるイオン性物質の影響により劣化しないよう、絶縁膜を設けることが好ましい。絶縁膜の組成としては、絶縁性を有すれば特に限定されないが、ポリイミドを用いることが好適である。
図1に、本発明にかかる透明薄膜トランジスタの一例として、その構成の概略図を示す。
図1では、トップゲート型MIS電界効果型トランジスタ(MIS−FET)10を示す。図1の透明薄膜トランジスタでは、本発明で用いるZnOを主たる構成成分として含有するホモロガス化合物単結晶薄膜(InMO3(ZnO)m)を半導体活性層12として設け、その上にドレイン電極14、ソース電極16、絶縁膜18、ゲート電極20を形成する。
ドレイン電極14、ソース電極16、ゲート電極20としては、可視光に対して透明であって、低抵抗率が得られるのであれば、どのような材料からなるものでもよい。例えば、酸化インジウム(In23)、酸化錫(SnO2)、ZnO等の酸化物材料や、この酸化物材料に不純物をドープしたものを透明導電膜材料として採用することができる。
具体的には、透明導電膜材料としては、例えば、In23に錫(Sn)をドープしたもの(一般的にITO(Indium Tin Oxide)と呼ばれる)、SnO2にアンチモン(Sb)又はフッ素(F)をドープしたもの、ZnOにInをドープしたもの、ZnOにガリウム(Ga)をドープしたもの(一般的にGZOと呼ばれる)、ZnOにAlをドープしたもの(一般的にAZOと呼ばれる)などを採用することができる。
ゲート絶縁膜18には、既述のように、Al23が最も適している。
本発明にかかる電界効果型トランジスタの形状は、トップゲート型MIS電界効果型トランジスタ(MIS−FET)、J−FET等も含まれる。
ZnOを主たる構成成分として含有するホモロガスアモルファス薄膜を用いた場合であっても、同様に、トップゲート型MIS電界効果型トランジスタを作製することができる。また、アモルファス薄膜の場合は、エピタキシャル成長させる必要はないので、ZnOエピタキシャル成長及び高温アニールプロセスを除くことができる。このために、ゲート電極を基板と膜の間に作製することが可能で、ボトムゲート型MIS電界効果型トランジスタも作製することができる。
本発明の液晶素子において、透明トランジスタの半導体活性層下面からゲート電極までの高さは、50nm〜500nmであることが好ましく、100nm〜200nmであることがより好ましい。50nmよりも薄いと安定して製造することが困難となり、500nmよりも厚いと駆動電圧が上がり、消費電力が高くなり、好ましくない。
また、チャネル長は、0.01mm〜0.1mmであることが好ましく、0.02mm〜0.08mmであることがより好ましい。チャネル幅は、0.1mm〜0.5mmであることが好ましく、0.1mm〜0.3mmであることがより好ましい。
<画素電極及び対向電極(透明電極)>
本発明で用いる画素電極及び対向電極は透明電極であり、対向するように配置される。画素電極と対向電極とは、同一の組成のものであってもよいし、異なるものであってもよい。なお、透明電極とは、少なくとも50%以上の光透過率を有する電極をいう。
透明電極としては、透明で電気を通すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化スズインジウム(ITO)、酸化スズ(NESA)、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、白金、金、銀、ロジウム、銅、クロム、炭素等が挙げられる。これらの中でも、酸化錫−酸化インジウム(ITO)、酸化錫、酸化亜鉛などに代表される金属酸化物が好ましく用いられ、更に、表面抵抗値が低い、耐熱性が良い、化学的な安定性がある、光透過率が高い、等の点からフッ素をドーピングした酸化スズ(FTO)、酸化スズインジウム(ITO)が好ましい。
特に本発明の液晶素子では、透明電極に隣接して下記に説明する電解質層や半導体ナノ多孔質層を備える場合があり、これらに接触しても化学的に安定である必要があることからも、酸化物たる酸化スズ(FTO)や酸化スズインジウム(ITO)は好適である。
画素電極及び対向電極の厚みは、特に制限がなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1μm以上、更に具体的には0.1μm〜20μmであるのが一般的である。
透明電極については、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第232〜239頁に記載のものが用いられる。透明電極は、スパッタ法、ゾルゲル法、印刷法により形成することができる。
また、反射型光学素子用途の場合には、目視方向から見て最も遠い方の電極としては、酸化錫−酸化インジウム(ITO)、酸化錫、酸化亜鉛などに代表される金属酸化物層の他に、導電性高分子や、カーボン、銅、アルミニウム、金、銀、ニッケル、プラチナなどに代表される金属層を用いることも可能である。
<液晶層>
本発明にかかる液晶層は、少なくとも二色性色素とホスト液晶を含む。以下では、液晶層の組成物について詳細に説明する。
(二色性色素の説明)
本発明において、二色性色素は、ホスト液晶中に溶解し、光を吸収する機能を有する化合物と定義される。本発明の二色性色素としては、吸収極大ならびに吸収帯に関しては、いかなるものであってもよいが、イエロー域(Y)、マゼンタ域(M)、あるいはシアン域(C)に吸収極大を有する場合が好ましい。また、二色性色素は2種類以上を用いてもよく、Y、M、Cに吸収極大を有する二色性色素の混合物を用いるのが好ましい。イエロー色素、マゼンタ色素ならびにシアン色素を混合することによるフルカラー化表示を行う方法については、「カラーケミストリー」(時田澄男著、丸善、1982年)に詳しい。ここでいう、イエロー域とは、430〜490nmの範囲、マゼンタ域とは、500〜580nmの範囲、シアン域とは600〜700nmの範囲である。
次に、本発明の二色性色素に用いられる発色団について説明する。
前記二色性色素の発色団はいかなるものであってもよいが、例えば、アゾ色素、アントラキノン色素、ペリレン色素、メロシアニン色素、アゾメチン色素、フタロペリレン色素、インジゴ色素、アズレン色素、ジオキサジン色素、ポリチオフェン色素、フェノキサジン色素などが挙げられる。好ましくはアゾ色素、アントラキノン色素、フェノキサジン色素であり、特に好ましくはアントラキノン色素、フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)である。
アゾ色素はモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、ペンタキスアゾ色素などいかなるものであってもよいが、好ましくはモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素である。
アゾ色素に含まれる環構造としては芳香族基(ベンゼン環、ナフタレン環など)のほかにも複素環(キノリン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリミジン環など)であってもよい。
アントラキノン色素の置換基としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ、アリーロキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、アリールアミノ基である。該置換基の置換数はいかなる数であってもよいが、ジ置換、トリ置換、テトラキス置換が好ましく、特に好ましくはジ置換、トリ置換である。該置換基の置換位置はいかなる場所であってもよいが、好ましくは1,4位ジ置換、1,5位ジ置換、1,4,5位トリ置換、1,2,4位トリ置換、1,2,5位トリ置換、1,2,4,5位テトラ置換、1,2,5,6位テトラ置換構造である。
フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)の置換基としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ、アリーロキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、アリールアミノ基である。
本発明に用いられる二色性色素は、下記一般式(1)で表される置換基を有することが好ましい。
一般式(1)
−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1
式中、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表す。jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、(p+r)×nは3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、特に好ましくは硫黄原子である。
1及びB2は、各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、いずれも置換基を有していてもいなくてもよい。
1及びB2で表されるアリーレン基としては、好ましくは炭素数6〜20のアリーレン基であり、より好ましくは炭素数6〜10のアリーレン基である。好ましいアリーレン基の具体例を挙げると、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環の基である。特に好ましくは、ベンゼン環、置換ベンゼン環の基であり、さらに好ましくは1、4−フェニレン基である。
1及びB2で表わされるヘテロアリーレン基としては、好ましくは炭素数1〜20のヘテロアリーレン基であり、より好ましくは炭素数2〜9のヘテロアリーレン基である。好ましいヘテロアリーレン基の具体例は、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環及びトリアゾール環からなる基、及びこれらが縮環して形成される縮環ヘテロアリーレン基である。
1及びB2の表す2価の環状脂肪族炭化水素基としては、好ましくは、炭素数3〜20、より好ましくは炭素数4〜10の2価の環状脂肪族炭化水素基である。好ましい2価の環状脂肪族炭化水素基としては、シクロヘキサンジイル、シクロペンタンジイルであり、より好ましくはシクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロペンタンー1,3−ジイル基であり、特に好ましくは、(E)−シクロヘキサン−1、4−ジイル基である。
1及びB2の表す2価のアリーレン基、ヘテロアリーレン基及び2価の環状脂肪族炭化水素基は、さらに置換基を有していてもよく、置換基としては、下記の置換基群Vが挙げられる。
(置換基群V)
ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素)、メルカプト基、シアノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、モルホリノカルボニル)、炭素数0〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5のスルファモイル基(例えばメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ピペリジノスルフォニル)、ニトロ基、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−フェニルエトキシ)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ、p−メチルフェノキシ、p−クロロフェノキシ、ナフトキシ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、トリクロロアセチル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルホニル基(例えばメタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルフィニル基(例えばメタンスルフィニル、エタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8の置換又は無置換のアミノ基(例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ベンジルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ、4−メチルフェニルアミノ、4−エチルフェニルアミノ、3−n−プロピルフェニルアミノ、4−n−プロピルフェニルアミノ、3−n−ブチルフェニルアミノ、4−n−ブチルフェニルアミノ、3−n−ペンチルフェニルアミノ、4−n−ペンチルフェニルアミノ、3−トリフルオロメチルフェニルアミノ、4−トリフルオロメチルフェニルアミノ、2−ピリジルアミノ、3−ピリジルアミノ、2−チアゾリルアミノ、2−オキサゾリルアミノ、N,N−メチルフェニルアミノ、N,N−エチルフェニルアミノ)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜6のアンモニウム基(例えばトリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のヒドラジノ基(例えばトリメチルヒドラジノ基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のウレイド基(例えばウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜6のイミド基(例えばスクシンイミド基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ)、炭素数6〜80、好ましくは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、2−ピリジルチオ、1−ナフチルチオ、2−ナフチルチオ、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ)、炭素数1〜80、好ましくは炭素数1〜40、更に好ましくは炭素数1〜30のヘテロアリールチオ基(例えば2−ピリジルチオ、3−ピリジルチオ、4−ピリジルチオ、2−キノリルチオ、2−フリルチオ、2−ピロリルチオ)、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−ベンジルオキシカルボニル)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10のアリーロキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の無置換アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5の置換アルキル基{例えばヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル、カルボキシエチル、エトキシカルボニルメチル、アセチルアミノメチル、またここでは炭素数2〜18、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素数3〜5の不飽和炭化水素基(例えばビニル基、エチニル基1−シクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含まれることにする}、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、更に好ましくは炭素数6〜10の置換又は無置換のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、p−カルボキシフェニル、p−ニトロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、p−シアノフェニル、m−フルオロフェニル、p−トリル、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニル)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜10、更に好ましくは炭素数4〜6の置換又は無置換のヘテロアリール基(例えばピリジル、5−メチルピリジル、チエニル、フリル、モルホリノ、テトラヒドロフルフリル)。
これら置換基群Vはベンゼン環やナフタレン環が縮合した構造もとることができる。さらに、これらの置換基上にさらに此処までに説明したVの説明で示した置換基が置換していてもよい。
置換基群Vとして好ましいものは、上述のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基、ヒドロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基であり、更に好ましくは、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子である。
1は2価の連結基を表す。好ましくは、炭素原子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる少なくとも1種の原子から構成される原子団からなる連結基である。Q1が表す2価の連結基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、シクロヘキシルー1,4−ジイル)、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルケニレン基(例えば、エテニレン)、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルキニレン基(例えば、エチニレン)、アミド基、エーテル基、エルテル基、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、カルボニル基、−NR−基(ここで、Rは水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、Rで表されるアルキル基としては、、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜10のアルキル基であり、Rで表されるアリール基としては、好ましくは炭素数6〜14、より好ましくは6〜10のアリール基である。)、アゾ基、アゾキシ基、複素環2価基(好ましくは、炭素数2〜20、より好ましくは炭素数4〜10の複素環2価基であり、例えば、ピペラジン−1,4−ジイル基である。)を1つ又はそれ以上組み合わせて構成される炭素数0〜60の2価の連結基が挙げられる。
1の表す2価の連結基として、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミド基、エルテル基、カルボニル基、及びそれらを組み合わせた基である。
1はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Vが挙げられる。
1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表す。C1が表すアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基には、置換基を有するそれぞれの基も含むものとする。
1は好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキル及びシクロアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、ペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、4−エチルシクロヘキシル、4−プロピルシクロヘキシル、4−ブチルシクロヘキシル、4−ペンチルシクロヘキシル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル)、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−フェニルエトキシ)、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアシル基(例えばアセチル、ホルミル基、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル)、又は炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−ベンジルオキシカルボニル)を表す。
1は特に好ましくは、アルキル基又はアルコキシ基であり、さらに好ましくは、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基又はトリフルオロメトキシ基である。
1はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Vが挙げられる。
1で表されるアルキル基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
1で表されるシクロアルキル基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキル基であることが好ましい。
1で表されるアルコキシ基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
1で表されるアルコキシカルボニル基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
1で表されるアシル基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
1で表されるアシルオキシ基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基であることが好ましい。
jは0又は1を表し、好ましくは0である。
p、q及びrは各々0〜5の数を表し、nは1〜3の数を表し、B1及びB2で表される基の総数、すなわち(p+r)×nは、3〜10の整数であり、より好ましくは3〜5の整数である。なお、p、q、又はrが2以上のとき、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、nが2以上のとき、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
好ましいp、q、r及びnの組合せを以下に記す。
(i) p=3、q=0、r=0、n=1
(ii) p=4、q=0、r=0、n=1
(iii) p=5、q=0、r=0、n=1
(iv) p=2、q=0、r=1、n=1
(v) p=2、q=1、r=1、n=1
(vi) p=1、q=1、r=2、n=1
(vii) p=3、q=1、r=1、n=1
(viii) p=2、q=0、r=2、n=1
(ix) p=1、q=1、r=1、n=2
(x) p=2、q=1、r=1、n=2
特に好ましくは、(i)p=3、q=0、r=0、n=1;(iv)p=2、q=0、r=1、n=1;及び(v)p=2、q=1、r=1、n=1;の組合せである。
なお、−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1としては、液晶性を示す部分構造を含むことが好ましい。ここでいう液晶とは、いかなるフェーズであってもよいが、好ましくはネマチック液晶、スメクチック液晶、ディスコティック液晶であり、特に好ましくは、ネマチック液晶である。
−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない(下記化学式中、波線は連結位置を表す)。
Figure 2007041260
Figure 2007041260
本発明に用いられる二色性色素は、−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1で表される置換基を1以上有しているのが好ましく、1〜8個有しているのがより好ましく、1〜4個有しているのがさらに好ましく、特に好ましくは1又は2個有している場合である。
前記一般式(1)で表される置換基の好ましい構造は、下記の組み合わせである。
〔1〕 Hetが硫黄原子であり、B1がアリール基又はヘテロアリール基を表し、B2がシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基を表し、j=1、p=2、q=0、r=1及びn=1を表す構造。
〔2〕 Hetが硫黄原子であり、B1がアリール基又はヘテロアリール基を表し、B2がシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基を表し、j=1、p=1、q=0、r=2及びn=1を表す構造。
特に好ましい構造は、
〔I〕 Hetが硫黄原子を表し、B1が1,4−フェニレン基を表し、B2がトランス−シクロヘキシル基を表し、C1がアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基)を表し、j=1、p=2、q=0、r=1及びn=1である下記一般式(a−1)で表される構造、
〔2〕 Hetが硫黄原子を表し、B1が1,4−フェニレン基を表し、B2がトランス−シクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基)を表し、j=1、p=1、q=0、r=2及びn=1である下記一般式(a−2)で表される構造、
である。
Figure 2007041260
前記一般式(a−1)及び(a−2)中、Ra1〜Ra12は各々独立に、水素原子又は置換基を表す。該置換基としては、前述の置換基群Vから選ばれる置換基が挙げられる。
a1〜Ra12は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、アルキル基、アリール基、アルコキシ基であるのが好ましい。Ra1〜Ra12で表わされるアルキル基、アリール基、及びアルコキシ基のうち、好ましいものは、前述の置換基群Vに記載のアルキル基、アリール基、及びアルコキシ基と同義である。
前記一般式(a−1)及び(a−2)中、Ca1及びCa2は各々独立してアルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。特に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基を表す。
アゾ色素はモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、ペンタキスアゾ色素などいかなるものであってもよいが、好ましくはモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素である。
アゾ色素に含まれる環構造としては芳香族環(ベンゼン環、ナフタレン環など)のほかヘテロ環(キノリン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリミジン環など)であってもよい。
アントラキノン色素の置換基としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基である。
該置換基の置換数はいかなる数であってもよいが、ジ置換、トリ置換、テトラキス置換が好ましく、特に好ましくはジ置換、トリ置換である。該置換基の置換位置はいかなる場所であってもよいが、好ましくは1,4位ジ置換、1,5位ジ置換、1,4,5位トリ置換、1,2,4位トリ置換、1,2,5位トリ置換、1,2,4,5位テトラ置換、1,2,5,6位テトラ置換構造である。
アントラキノン系色素としては、より好ましくは、下記一般式(2)で表される化合物であり、フェノキサゾン色素として、より好ましくは、下記一般式(3)で表される化合物である。
Figure 2007041260
一般式(2)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも一つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に、水素原子又は置換基である。
Figure 2007041260
一般式(3)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17の少なくとも一つ以上は、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他はそれぞれ水素原子又は置換基である。
ここで、Het、B1、B2、Q1、p、q、r、n、及びC1は、一般式(1)におけるHet、B1、B2、Q1、p、q、r、n、及びC1と同定義である。
一般式(2)中、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8で表される前記置換基としては、上記置換基群Vが挙げられるが、好ましくは、炭素数6〜80、より好ましくは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、p−メチルフェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、4−メチルフェニルチオ、4−エチルフェニルチオ、4−n−プロピルフェニルチオ、2−n−ブチルフェニルチオ、3−n−ブチルフェニルチオ、4−n−ブチルフェニルチオ、2−t−ブチルフェニルチオ、3−t−ブチルフェニルチオ、4−t−ブチルフェニルチオ、3−n−ペンチルフェニルチオ、4−n−ペンチルフェニルチオ、4−アミルペンチルフェニルチオ、4−ヘキシルフェニルチオ、4−ヘプチルフェニルチオ、4−オクチルフェニルチオ、4−トリフルオロメチルフェニルチオ、3−トリフルオロメチルフェニルチオ、2−ピリジルチオ、1−ナフチルチオ、2−ナフチルチオ、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ)、炭素数1〜80、より好ましくは炭素数1〜40、更に好ましくは炭素数1〜30のヘテロアリールチオ基(例えば2−ピリジルチオ、3−ピリジルチオ、4−ピリジルチオ、2−キノリルチオ、2−フリルチオ、2−ピロリルチオ)、置換若しくは無置換のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ、フェネチルチオ)、置換若しくは無置換のアミノ基(例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ベンジルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ、4−メチルフェニルアミノ、4−エチルフェニルアミノ、3−n−プロピルフェニルアミノ、4−n−プロピルフェニルアミノ、3−n−ブチルフェニルアミノ、4−n−ブチルフェニルアミノ、3−n−ペンチルフェニルアミノ、4−n−ペンチルフェニルアミノ、3−トリフルオロメチルフェニルアミノ、4−トリフルオロメチルフェニルアミノ、2−ピリジルアミノ、3−ピリジルアミノ、2−チアゾリルアミノ、2−オキサゾリルアミノ、N,N−メチルフェニルアミノ、N,N−エチルフェニルアミノ)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子)、置換若しくは無置換のアルキル基(例えば、メチル、トリフルオロメチル)、置換若しくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ、トリフルオロメトキシ)、置換若しくは無置換のアリール基(例えば、フェニル)、置換若しくは無置換のヘテロアリール基(例えば、2−ピリジル)、置換若しくは無置換のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ)、置換若しくは無置換のヘテロアリールオキシ基(例えば、3−チエニルオキシ)などである。
2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8として好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、置換若しくは無置換の、アリールチオ基、アルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基又はアリーロキシ基であり、特に好ましくは水素原子、フッ素原子、置換若しくは無置換の、アリールチオ基、アルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基又はアリールアミノ基である。
また、更に好ましくは、一般式(2)において、R1、R4、R5、及びR8の少なくとも一つが、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1の場合である。
一般式(3)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17で表される置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルバモイル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アミド基であり、特に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリールチオ基、アミド基である。
16として、好ましくはアミノ基(アルキルアミノ、アリールアミノ基を含む)、ヒドロキシル基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基又はアリールオキシ基であり、特に好ましくはアミノ基である。
以下に、本発明に使用可能な二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2007041260
Figure 2007041260
Figure 2007041260
Figure 2007041260
以下に、本発明に使用可能なアゾ系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2007041260
以下に本発明に使用可能なジオキサジン系二色性色素ならびにメロシアニン系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2007041260
前記一般式(1)で表される置換基を有する二色性色素は、公知の方法を組み合わせて合成することができる。例えば、特開2003−192664号公報等の記載の方法に従い合成することができる。
(ホスト液晶)
本発明の液晶表示素子に使用可能なホスト液晶は、本発明の化合物と共存し得るものであれば特に制限はないが、例えば、ネマチック相あるいはスメクチック相を示す液晶化合物が利用できる。その具体例としては、アゾメチン化合物、シアノビフェニル化合物、シアノフェニルエステル、フッ素置換フェニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、フッ素置換シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、シアノフェニルシクロヘキサン、フッ素置換フェニルシクロヘキサン、シアノ置換フェニルピリミジン、フッ素置換フェニルピリミジン、アルコキシ置換フェニルピリミジン、フッ素置換アルコキシ置換フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、トラン系化合物、フッ素置換トラン系化合物、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリルなどが挙げられる。「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第154〜192頁及び第715〜722頁に記載の液晶化合物を用いることができる。
本発明の液晶表示素子には、好適にフッ素置換されたホスト液晶を使用することができる。例えば、Merck社の液晶(ZLI−4692、MLC−6267、6284、6287、6288、6406、6422、6423、6425、6435、6437、7700、7800、9000、9100、9200、9300、10000など)、チッソ社の液晶(LIXON5036xx、5037xx、5039xx、5040xx、5041xxなど)が挙げられる。
本発明に使用するホスト液晶の誘電率異方性は、正であっても負であってもよい。誘電率異方性が正のホスト液晶を水平配向させた場合には、電圧無印加時には液晶は水平に配向しているために二色性色素も水平となり光を吸収する。一方、電圧印加時に液晶分子が垂直に傾いてくるため二色性色素も垂直に傾き、その結果光を透過するようになる。誘電率異方性が負のホスト液晶を垂直配向させる場合には、電圧無印加時には液晶は垂直に配向しているために二色性色素も垂直となり光を吸収することなく透過する。一方、電圧印加時に液晶分子が水平に傾いてくるため二色性色素も水平に傾き、その結果光を吸収するようになる。誘電率異方性が負の液晶となるためには、液晶分子の短軸に誘電率異方性が大きななるような構造にする必要があるが、例えば、「月刊デイスプレイ」(2000年、4月号)の第4頁〜9頁に記載のもの、Synlett., 第4巻、第389頁〜396頁、1999年に記載のものが挙げられる。なかでも、電圧保持率の観点から、フッ素系置換基を有する誘電率異方性が負の液晶が好ましい。例えば、Merck社の液晶(MLC−6608、6609、6610など)が挙げられる。
また、本発明のゲストホスト方式液晶には、二周波駆動液晶を用いることができる。本発明の画像表示装置において、二波長駆動液晶を用いることにより、応答速度が速くできるという効果が認められる。二周波駆動液晶とは、該液晶に印加される電場の周波数が低周波数領域の場合に正の誘電率異方性を示し、高周波数領域の場合に誘電率異方性の符号が負に逆転する液晶である。日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第189〜192頁に詳しい。その具体例として、イーストマン・コダック社の二周波駆動液晶を示す。
Figure 2007041260
この他にも、市販の二周波駆動液晶材料として、チッソ社製DF−02XX、DF−05XX、FX−1001、FX−1002、メルク社製MLC−2048などを挙げることができる。
本発明で用いられる二周波駆動液晶は、複数の液晶化合物の混合物であってもよい。さらに、印加される電場の低周波数領域と高周波数領域で誘電率異方性の符号が逆転しない液晶化合物を含んでもよい。
液晶層に印加される電圧の周波数領域の好ましい範囲は、用いる液晶組成物の種類、該液晶組成物のクロスオーバー周波数等によって異なるが、一般的には該液晶組成物に印加される電場の周波数領域は、0.1Hz〜10MHzであるのが好ましく、1Hz〜1MHzであるのがより好ましい。
二周波駆動液晶の場合には、低周波領域及び高周波領域の電圧が用いられる。低周波数領域として用いられるのは、一般的には0.1Hz〜100kHzであることが好ましく、1Hz〜10kHzであることがより好ましく、10Hz〜10kHzであることがさらに好ましい。また、高周波数領域としては、一般的には100Hz〜10MHzであることが好ましく、100Hz〜1MHzであることがより好ましく、1kHz〜1MHzであることがさらに好ましい。
本発明では、ホスト液晶の物性を所望の範囲に変化させることを目的として(例えば、液晶相の温度範囲を所望の範囲にすることを目的として)、液晶性を示さない化合物を添加してもよい。また、カイラル化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの化合物を含有させてもよい。そのような添加剤は、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第199〜202頁に記載のTN、STN用カイラル剤が挙げられる。
本発明として、好ましい形態のひとつは、カイラル化合物を添加したカイラルネマチック液晶相を利用したモードである。カイラル化合物としては、たとえば、メルク社製のR−811、S−811、R−1082、S−1082などが利用できる。カイラル化合物の比率は、0.01〜15質量%が好ましく、0.5〜6質量%が特に好ましい。
本発明の液晶素子における、ホスト液晶及び二色性色素の含有量については特に制限はないが、二色性色素の含有量はホスト液晶の含有量に対して0.1〜15質量%であることが好ましく、0.5〜6質量%であることが特に好ましい。
また、ホスト液晶及び二色性色素の含有量は、双方を含む液晶組成物を調整し、その液晶組成物を封入した液晶セルの吸収スペクトルをそれぞれ測定して、液晶セルとして所望の光学濃度を示すのに必要な色素濃度を決定することが望ましい。
<基板>
本発明に用いられる基板としては、プラスチック基板、ガラス基板、紙、金属基板などが用いられるが、構成単位を積層してなるため透明基板であることが好ましく、透明なプラスチック基板又はガラス基板が好適であるが、基板上にTFTを作製するため、耐熱の観点からガラス基板がより好適である。
前記プラスチック基板としては、たとえば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレンン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエステルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ポリイミド(PI)などが挙げられる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。
本発明における基板の厚みは、特に規定されないが30μm〜700μmが好ましく、より好ましくは40μm〜200μm、さらに好ましくは50μm〜150μmである。
さらにいずれの場合もヘイズが3%以下であることが好ましく、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下、全光透過率は70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。ヘイズは、ヘイズメーター(例えば、日本電色工業製)によって測定され、全光透過率は、可視・紫外吸収スペクトロスコピーによって測定される。
なお、反射型光学素子用途の場合には、目視方向から最も遠い側の基板には、透明でない非光透過性基板を用いることもできる。非光透過性基板としては、光反射性を有する白色の支持体を用いることができる。白色支持体としては、酸化チタン、酸化亜鉛などの無機顔料を添加したプラスチック基板が挙げられる。
<液晶表示素子>
以下では、本発明の液晶表示素子の構成について説明する。
本発明の液晶表示素子は、基板上に、少なくとも1つの二色性色素とホスト液晶とを含む液晶層と、少なくとも1つの透明な薄膜トランジスタと、マトリクス状に配置された透明な画素電極と、透明な対向電極と、を有してなる構造単位を複数個積層してなる。本発明の液晶表示素子は、少なくとも上記構成単位を2つ以上有していれば、それ以外の構成単位を含んでいても良い。例えば、反射型光学素子用途の場合には、目視方向から最も遠い側に配される構成単位において、既述のように非光透過性の電極を用いても良いし、基板も非光透過性のものであってもよい。
本発明の液晶表示素子は、1つの液晶組成物中に複数の二色性色素を混合してもよい。液晶組成物の二色性色素についても、いかなるものであってもよく、特に、前記構造単位を少なくとも3個積層してなり、かかる3個の構造単位に含まれる液晶層が、各々独立にイエロー、シアン、又はマゼンタの二色性色素を含有してなるカラー画像を表示するものであることが好ましい。このように構造単位を垂直方向に積層してなる表示素子の場合、カラー画像を表現する方法は印刷物の網点と同様の原理である。イエロー、シアン、又はマゼンタの積層順は、目視方向手前から、マゼンタ、イエロー、シアンであることが好ましい。
本発明の液晶表示素子の一例を、図2に示す。図2は、本発明の液晶表示素子の構成を示す断面概略図である。
図2の液晶表示素子では、基板301表面に対向電極(透明電極)321が設けられる。一方、基板303表面に、画素電極(透明電極)361と薄膜トランジスタ(TFT)10とが画素毎に、配置され、画素電極(透明電極)361は、マトリックス状に配置される。画素電極(透明電極)361又は薄膜トランジスタ(TFT)10と、対向電極(透明電極)321との間に、液晶層381を介在させる。
液晶層381には、液晶層の厚みを制御するため、スペーサーや支柱(樹脂構造物)を設けてもよい。スペーサーや樹脂構造物は公知のものを適宜選択して適用することができる。スペーサーについては、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第257〜262頁に記載のものを用いることができる。
対向電極(透明電極)321と画素電極(透明電極)361との間の距離、すなわち液晶層381の厚みは、1μm〜50μmであることが好ましく、2μm〜20μmであることがより好ましい。2μmよりも狭いと、通電しやすくなり低コストでの製造が困難 となり、50μmよりも広いと、駆動電圧が上がってしまう
図2の液晶表示素子では、このような構造単位を3個積層し、構造単位401、403、405を有する。最も目視側から遠い構成単位405の外側には、散乱白色反射層50を設け、更にその外側に基板307を設ける。
本発明の液晶表示素子は、構成単位ごとにTFTを有するため、垂直方向に対してコンタクトホール等での電気的な接続を行う必要が無く、製造が簡易である。
図2の液晶表示素子では、同一画素における薄膜トランジスタの位置が、目視方向から見て重なるような位置で示しているが、薄膜トランジスタの位置はそれぞれずらしてもよい。前述のように薄膜トランジスタは透明ではあるが、薄膜トランジスタが形成されていない部分に比べて、薄膜トランジスタが形成されている部分における光の透過率は低くなりやすく、また薄膜トランジスタの高さの分だけ液晶層の厚さが薄くなるため、発色した濃度も低くなりやすい。そこで、同一画素の薄膜トランジスタの位置をずらすことで、同じ画素の薄膜トランジスタが互いに重なる位置に配置されている場合に比べて、表示画面の明るさのむらを抑制することができる。
また、図2では散乱白色反射層50を設けているが、散乱白色反射層50を設けず、目視側から最も遠い基板307を光反射性を有する白色基板としてもよい。また、散乱白色反射層50を設けた上で、基板307を光反射性を有する白色基板としてもよい。
図3は、本発明の液晶表示素子の平面概略図を示す。
液晶素子には、アクティブマトリクス駆動を行うために、各画素に対してそれぞれ画素電極(透明電極)36がマトリクス状に配置されている。また、各画素電極36に電圧印加するために、薄膜トランジスタTFT10と、薄膜トランジスタ10を駆動するためのゲート線72とソース線74とが形成されている。
図2、図3の液晶表示素子は、対向電極(透明電極)32と画素電極(透明電極)36との間に電圧を印加して、ホスト液晶の配向状態を変化させ、ゲストとして溶解されている二色性色素の配向状態を制御する機能を有するものである。積層型液晶表示素子においては、液晶層に基板面に略垂直な縦電界が印加される。駆動対象画素の画素電極には、それに接続された薄膜トランジスタ16を介して電圧が印加される。画像を形成するための電圧としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、好ましくは1V〜200V程度が好ましく、1〜50V程度がより好ましい。
以上説明した本発明の液晶表示素子では、用いる薄膜トランジスタ10が透明であり、開口比を大きくすることができる。
更に、薄膜トランジスタ10の半導体活性層として、ホモロガス化合物単結晶InMO3(ZnO)m薄膜を用いると、ゲートと活性層の界面に欠陥が介在しにくく、ゲートリーク電流が少なくなり、安定したアクティブマトリクス駆動を行うことができる。また、ホモロガス化合物単結晶InMO3(ZnO)mのバンドギャップエネルギーは3.3eVより大きいので、400nm以上の波長である可視光に対して透明であり、可視光による光誘起電流の発生がなくなる。その結果、可視光が入射しても薄膜トランジスタ10は誤動作しないため、ブラックマトリクスマスク等の遮光層を薄膜トランジスタ10上に設ける必要がなくなり、開口率の向上を達成でき、明るい表示を行うことができる。さらに、ホモロガス化合物単結晶InMO3(ZnO)m薄膜は、室温付近では良質な絶縁体であることから、ノーマリーオフ作動で、スイッチング特性が良好となり、1000℃程度の高温まで安定であり、電子キャリア移動度はアモルファスシリコンに比較して10倍以上大きいため、高速動作することが期待できる。
<用途>
本発明の液晶表示素子は、各種分野において好適に使用することができ、例えば、大型表示板、防眩ミラー、調光ガラス等の調光素子、タッチパネル式キースイッチ等の低電圧駆動素子、電子ペーパー、電子アルバムなどに好適に使用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
[実施例1]
図2に示す反射型表示素子を作製した。作製方法の詳細を述べる。
<二色性色素及び液晶の調製>
二色性色素(1−2)及び(1−8)は、特開2003−192664号記載の方法に従い合成した。二色性色素(1−13)は、特開2005−120334号記載の方法に従い、合成した。ホスト液晶としてフッ素系ネマチック液晶MLC−6608(メルク社製)を用いた。カイラル剤R−811は市販品(メルク社製)を用いた。
<透明トランジスタの作製>
(単結晶InGaO3(ZnO)5薄膜の作製)
ガラス基板上にマスクを通してPLD法により厚み2nmのパターン化されたZnO薄膜を基板温度700度でエピタキシャル成長させた。次に、基板温度を室温まで冷却し、該ZnOエピタキシャル薄膜上にPLD法により、厚み150nmの多結晶InGaO3(ZnO)5薄膜を堆積させた。こうして作製した二層膜を大気中に取り出し、電気炉を用いて、大気中、1400度、30min加熱拡散処理した後、室温まで冷却した。
(MISFET素子の作製)
フォトリソグラフィー法により、トップゲート型MISFET素子を作製した。ソースとドレイン電極及びゲート絶縁膜にはITO及びアモルファスAl23をそれぞれ用いた。チャネル長及びチャネル幅はそれぞれ0.05mm及び0.2mmとした。
<液晶表示素子の作製>
下記表1に示した組合せの二色性色素及びカイラル剤R−811(1.2質量%)12mgとをホスト液晶(MLC−6608)1.0g中に加熱して溶解させた後、室温下1日放置させた。各々の二色性色素の添加量は、8μmのセルギャップの液晶評価用セルに注入した場合における吸光度が0.8となるように調整した。
得られた液晶組成物を図2に示した層構成となるように注入した。各液晶層は8μmのセルギャップとした。各基板表面には、ポリイミド垂直配向膜(日産化学製)を付設した。
散乱白色層としては、表面処理により表面活性をなくした酸化チタンからなる白色顔料を、5質量%のカルボキシセルロースとともに分散して調整した塗布液を塗布して作製した。
得られた液晶表示素子における一対の電極をリード線で結線(陽極に色素結合電極、陰極に透明トランジスタ電極基板)して表示装置を作製した。
Figure 2007041260
得られた液晶表示素子における一対の電極をリード線で結線(陽極に色素結合電極、陰極に透明トランジスタ電極基板)して表示装置を作製した。
<表示素子の評価>
信号発生器を用いて、100Hz交流電圧10Vを各液晶層に印加させたところ、電圧印加時に黒色に、電圧無印加時に白色と変化した。その応答速度は30msecであった。
また、イエロー液晶層のみに電圧を印加させるとイエローに、マゼンタ液晶層のみに電圧を印加させるとマゼンタに、シアン液晶層のみに電圧を印加させるとシアンに着色した。
更に、イエロー液晶層とマゼンタ液晶層に電圧を印加させると赤に、シアン液晶層とマゼンタ液晶層に電圧を印加させると青に、シアン液晶層とイエロー液晶層に電圧を印加させると緑に着色した。
なお、得られた素子の開口率は95%、反射率は60%であり、非常に明るい表示を行うことが可能であった。
[比較例1]
実施例1において、InGaO3(ZnO)5薄膜を有する透明な薄膜トランジスタを用いたところを、以下のトランジスタに変更した以外は同様にして比較の液晶表示素子を作製した。
(比較のトランジスタの作製)
半導体活性層はモルファスシリコンを蒸着させることで作製し、薄膜トランジスタの上部にはカーボンブラックを用いたブラックマトリックスを付設した。
得られた比較の表示素子は、実施例1の本発明の液晶表示素子に比べ、開口率が小さいため素子の反射率が低下した。
本発明にかかる透明薄膜トランジスタの構成を示す断面概略図である。 本発明の液晶表示素子の一例の構成を示す断面概略図である。 本発明の液晶表示素子の一例の構成を示す平面概略図である。
符号の説明
10 薄膜トランジスタ
12 半導体活性層
301,303,305,307 基板
36,361,363,365 画素電極
38,381,383,385 液晶層
40,401,403,405 構成単位

Claims (9)

  1. 基板上に、少なくとも1つの二色性色素とホスト液晶とを含む液晶層と、少なくとも1個の透明な薄膜トランジスタと、マトリクス状に配置された透明な画素電極と、透明な対向電極と、を有してなる構造単位を複数個積層してなることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記構造単位を少なくとも3個積層してなり、3個の構造単位に含まれる液晶層が、各々独立にイエロー、シアン、又はマゼンタの二色性色素を含有する3種類から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 前記二色性色素が、下記一般式(1)で表される置換基を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液晶表示素子。
    一般式(1): −(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1
    〔式中、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、(p+r)×nは3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。〕
  4. 前記二色性色素の少なくとも一種が、下記一般式(2)で表される化合物である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
    Figure 2007041260
    〔式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも一つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に水素原子又は置換基である。Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、(p+r)×nは3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は同一でも異なっていてもよい。〕
  5. 前記二色性色素の少なくとも一種が、下記一般式(3)で表される化合物である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
    Figure 2007041260
    〔式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17の少なくとも一つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に水素原子又は置換基である。Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、(p+r)×nは3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は同一でも異なっていてもよい。〕
  6. 前記ホスト液晶が、ネマチック液晶又はスメクチック液晶であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  7. 前記ホスト液晶がフッ素系液晶であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  8. 前記ホスト液晶が、カイラル剤を含むことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  9. 前記薄膜トランジスタが、ホモロガス化合物InMO3(ZnO)m(Mは、In,Fe,Ga,又はAlを表し、mは、1以上50未満のいずれかの整数を表す。)薄膜を有することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
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