JP2007040974A - 生体分子固定化基板、バイオチップ及びバイオセンサ - Google Patents

生体分子固定化基板、バイオチップ及びバイオセンサ Download PDF

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Abstract

【課題】親水性単分子膜と脂質二重層を用いて生体分子をチップ基板に固定化した新規な生体分子固定化基板やバイオチップを提供する。
【解決手段】 透明なチップ基板21の上にAu微粒子からなる金属層22を形成する。その上には、X−(CH−OH(Xはチオール基)からなる単分子膜23が自己組織化を利用して形成される。単分子膜23の上には、リン脂質からなる脂質二重層24が自己組織化を利用して形成される。単分子膜23と脂質二重層24とは水素結合により比較的柔軟に結合されている。この脂質二重層24の上には生体認識分子27を介して受容体28が固定化される。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体分子固定化基板、バイオチップ及びバイオセンサに関する。特に、本発明は、親水性単分子膜と脂質二重層を用いた、生体分子の基板への固定化に関するものである。
(バイオセンシングについて)
チップ基板上に生体分子を二次元配列させたバイオチップや量子チップは、医療・環境分野、エレクトロニクスその他の分野での応用が模索されている。特に、医療・診断分野、生体メカニズムの研究などにおいては、チップ基板上にタンパク質分子(プロテイン)を二次元状に数多く配列させたプロテインチップが、病気診断、健康診断、個人判別、生体システムの解析等の用途で必要とされている。
例えば、生体システムを理解するには、細胞内で発現しているタンパク質分子間の相互作用ネットワークや、そのネットワークの時間的変動を明らかにしなければならない。そのためには、発現しているタンパク質の相互作用を高いスループットで解析できるプロテインチップの構築が是非とも必要とされる。
プロテインチップは、チップ基板上にさまざまな種類のプローブ(プロテイン)を二次元状に配列させて固定化したものである。そこに試料を接触させると、プローブの特性によって決まる、試料中の特異的なターゲット(プロテイン)だけがプローブに結合する。従って、ターゲットとの結合によるプローブの特性変化を検出し、光や電気などの信号に変換して特性変化の有無やターゲット量などを読み取れば、ターゲットであるプロテインの種類を同定したり、プロテインの発現や相互作用を解明することができる。
例えば、ある抗体をチップ基板上に二次元状に固定させたプロテインチップを用い、このプロテインチップに血液等の試料を接触させれば、特定の抗原(例えば、炭疽菌、天然痘などの特定のウイルスの抗原)だけが当該抗体と反応してプロテインチップに吸着されるので、特定の抗原の有無をプロテインチップによって検出することができる。あるいは、プロテインチップの抗体に吸着された抗原の量または試料中の抗原の減少量を計測することができる。よって、このような手法により、特定の細菌の感染の有無や疾病の程度などを診断することができる。
また、プロテインチップは、難病の特効薬の開発や副作用のない医薬品の開発、予防医薬の実現などにも役立つことが期待されている。
なお、上記のようなバイオセンシング技術に用いられるプロテインチップとしては、(1)抗体、疑似抗体、アプタマー、ファージディスプレイを基板に固定したもの、(2)cDNAから発現させたタンパク質を基板に固定化したもの、(3)細胞あるいは組織から精製したタンパク質を基板に固定化したものなどがある。
(脂質二重層について)
このようなバイオチップ(プロテインチップ)において、チップ基板の上に抗体を固定するためには、まずチップ基板の表面に脂質二重層を形成し、その上に抗体などのタンパク質を固定する必要がある。脂質二重層は生体膜の基本構造であり、脂質二重層にタンパク質を埋め込んだり、結合させたりすることにより、生体膜の基本骨格が得られる。従って、チップ基板の上に人工の脂質二重層を形成し、脂質二重層の表面にタンパク質を固定し、あるいは脂質二重層にタンパク質を埋め込めば、タンパク質は本来の生理機能を発現することができる。そのため、従来より人工の脂質二重層をチップ基板の表面に形成するための方法が種々提案されている。
特開平6−90736号公報(特許文献1)に開示されているバイオセンサでは、チップ基板(テフロンブロック)内に記録電極が配置されており、当該電極の上にはバルク水層が存在するようにして脂質二重層が形成され、その上方に参照電極が形成されている。脂質二重層は、親水性のスペーサ分子からなる架橋係留分子を介して記録電極に付着させられている。
この架橋係留分子としては、末端にチオールまたはチオエーテル残基を有するポリオキシアルキレン鎖に結合するホスファチジルエタノールアミンが用いられる。あるいは、PE−NH−(CH−CH−O)−CH−CH−SH(n=約7〜約24。PE−NHは、ホスファチジルエタノールアミンの残基である。)が用いられる。架橋係留分子は、末端のチオールまたはチオエーテル残基が記録電極の表面に付着しており、架橋係留分子と脂質二重層とは共有結合で結合している。
特開平9−236571号公報(特許文献2)に開示されているバイオセンサでは、表面にAu膜を形成されたチップ基板の上にスペーサ分子を介して脂質二重層を形成し、脂質二重層中に受容体を埋め込んでいる。
このスペーサ分子としては、ペプチドを有する分子(詳細には、1分子のエタノールアミン、4〜20個のC−C10−α−アミノ酸から形成されるヘリックスまたはプリーツ化シート構造のオリゴペプチド、及びチップ基板との化学的または物理化学的結合に携わる反応性基からなる。)が用いられている。このスペーサ分子は、そのエタノールアミンが脂質二重層のリン酸基と共有結合(エステル結合)で結合されている。
しかし、特許文献1や特許文献2に記載されているバイオセンサでは、脂質二重層と架橋係留分子又はスペーサ分子(ペプチドを有する分子)が共有結合により強く結合しているため、脂質二重層とチップ基板とが架橋係留分子又はスペーサ分子を介して直接的に固定されており、脂質二重層の固定化に柔軟性がない。そのため、これらのバイオセンサでは、脂質二重層が失活する恐れがあり、さらには、脂質二重層の寿命が短くなる欠点がある。
また、生体分子は流動性のある媒質中で活動するのに対し、架橋係留分子又はスペーサ分子を用いた場合には、脂質二重層やそこに結合する生体分子の流動性がなくなるため、本来の生体分子の機能や活動が制限され、生体分子の本来の機能や活動を観察できなくなる心配がある。また、チップ基板は通常Au膜を用いているので高価につき、チップ基板の使い回しが望まれるが、架橋係留分子やスペーサ分子を用いた場合には、脂質二重層が強い結合力でチップ基板に結合されているため、チップ基板の使い回しが困難であった。
また、特許文献2に記載されているバイオセンサでは、リン脂質の親水性部位にエタノールアミン分子を結合させ、ついでエタノールアミンのN原子に4〜20個のα−アミノ酸を結合させてスペーサ分子とリン脂質の単分子膜を形成する。この後、スペーサ分子のHS部位を利用してスペーサ分子を有するジホスファチジル化合物をチップ基板に固定し、そこにリボソーム溶液を添加して脂質膜どうしを融合させ、チップ基板上に脂質二重層を形成する。
しかし、このような脂質二重層の形成方法では、スペーサ分子とリン脂質の単分子膜を形成する工程も、脂質二重層を形成する工程も、いずれも手間の掛かるプロセスとなっており、効率が悪かった。
特開平10−510277号公報(特許文献3)に開示されているバイオセンサでは、チップ基板の上に親水性となる水酸基を持つペプチドの分子を介して脂質二重層を形成し、ペプチド分子の水酸基と脂質二重層を水素結合で結合させている。ここで、ペプチドは、
R−A−B−C−D−E−OH
で表わされる。Aは、Ala、Gly及びLeuからなる群から選ばれるアミノ酸残基、Bは、Ala、Ser、Gly−Gly及びSer−Serからなる群から選ばれるアミノ酸またはジペプチド残基、Cは、Ala、Ala−Ala、Leu−Leu、Ala−Ala−Ala、Arg−Gly−Asp及びLeu−Leu−Leuからなる群から選ばれるアミノ酸、ジペプチド又はトリペプチド残基であり、Dは、Ala及びSerからなる群から選ばれるアミノ酸残基、Eは、Ala、Leu及びPro−Lysからなる群から選ばれるアミノ酸またはジペプチド基であり、Rは、H、HS−アルキル−CO、HS−アルキル−CO−NH−アルキル’−CO−、Trt−S−アルキル−CO−、Trt−S−アルキル−CO−NH−アルキル’−CO−、又は1,2−ジチオシクロペンタン−3−(CH−CO−(ここでRは、A、B、C、D又はEの少なくとも一つがAlaでない場合、Hであってもよい。アルキル及びアルキル’は、それぞれ他方に関係なく、C〜C11のアルキレン基であり、Trtは、トリフェニルメチルである。)及びそれらの塩である。
特許文献3に記載されているバイオセンサでは、脂質二重層とペプチド分子とが水素結合により結合しており、ペプチド分子を介して脂質二重層がチップ基板上に比較的弱い結合力で係留されているので、脂質二重層の上に固定した生体分子の失活を防ぐと共に、膜タンパク質を脂質二重層に固定化することも可能になる。なお、このバイオセンサでは、チップ基板と脂質二重層を結合させる手段として導電性を有するペプチドを用いているので、ペプチド分子を通じて電気信号を伝えることができ、バイオセンサの電気的変化によって生体分子の変化等を検出することができる。
しかし、このようなバイオセンサでは、ペプチドの分子構造上の理由からチップ基板上でペプチド分子を高密度化することができないので、脂質二重層をチップ基板上にしっかりと係留させておくことが困難であり、脂質二重層の剥がれが起き易かった。また、ペプチドは安定性が低く、しかも柔らかいため、ペプチドにより係留されている脂質二重層に経時変化が起き易かった。
さらに、ペプチド分子を用いたバイオセンサでは、ペプチド分子の膜厚が一定となるように制御することが困難であるため、チップ基板に形成されている電極と脂質二重層との間の距離を自由に設定することが難しく、光学的センシング方法、特にSPR(表面プラズモン共鳴)により脂質二重層に固定した生体分子を測定しようとすると、測定精度が不安定になる。また、ペプチド分子の膜厚を均一にすることが難しいので、SPRにより生体分子を測定しようとするとノイズが多く、測定精度が低くなる。
また、特許文献3に記載されているバイオセンサでは、まずペプチド分子(R−A−B−C−D−E−OH)を合成してそのR基を電極に結合させてペプチド分子の単分子膜を形成する。この後、ホスファチジルコリン又はホスファチジル酸・NH基を持つリン脂質からなるリボソームをペプチド分子に融合させて脂質二重層を電極に固定させる。しかし、このような脂質二重層の形成方法では、ペプチド分子の単分子膜を形成する工程も、脂質二重層を形成する工程も、いずれも手間の掛かるプロセスとなっており、効率が悪かった。
特開平6−90736号公報(特許第3213341号) 特開平9−236571号公報 特開平10−510277号公報
本発明は上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、親水性単分子膜と脂質二重層を用いて生体分子をチップ基板に固定化した新規な生体分子固定化基板やバイオチップ等を提供することにある。
本発明にかかる生体分子固定化基板は、基板の上に脂質二重層を係留された生体分子固定化基板であって、X−(CH−OH (但し、Xはチオール基)で表わされる分子が基板の上に配列した単分子膜と、水素結合で前記単分子膜とつながることにより、前記基板に係留された脂質二重層とを備えたものである。
本発明の生体分子固定化基板においては、脂質二重層が単分子膜と水素結合により比較的弱く結合して基板に柔軟に係留されているので、脂質二重層が失活しにくく、寿命も長く保たれる。また、脂質二重層が基板に柔軟に係留されているので、脂質二重層やそこに結合する生体分子の流動性が阻害されにくく、生体分子の本来の機能や活動を維持しながら観察することができる。
しかも、本発明の生体分子固定化基板では、単分子膜としてX−(CH−OHを用いているので、単分子膜の膜厚を均一に揃えることができ、その膜厚をÅ単位で制御することが可能である。さらに、その上に形成される脂質二重層の膜厚も均一になるので、脂質二重層の上に生体認識分子と受容体を整然と配向させ易くなり、受容体の結合部位を上方に向けて揃えることができる。また、この脂質二重層により、非特異的な検体が生体認識分子や受容体に吸着されるのを防止でき、検体の測定精度と信頼性を向上させることができる。
さらに、特許文献3のバイオチップでは、ペプチド分子の分子密度を1molecules/nmよりも大きくすることは困難であるのに対し、本発明の生体分子固定化基板では、単分子膜の分子密度を1molecules/nm以上にすることができる。よって、本発明の生体分子固定化基板によれば、単分子膜の分子密度を大きくでき、脂質二重層の基板への接着強度を強くできるので、脂質二重層を安定させることができ、脂質二重層の経時変化も小さくできる。
また、本発明の生体分子固定化基板では、例えば界面活性剤で単分子膜と脂質二重層との間の水素結合を解離させることができるので、使用後の脂質二重層を剥離させて新しい脂質二重層を形成することによって生体分子固定化基板を再生させることができ、生体分子固定化基板の再利用が可能になる。
本発明にかかるバイオチップは、X−(CH−OH (但し、Xはチオール基)で表わされる分子が基板の上に配列した単分子膜と、水素結合で前記単分子膜とつながることにより、前記基板に係留された脂質二重層と、前記脂質二重層に固定化した生体認識分子と、前記生体認識分子に固定化した、特定のタンパク質と特異的に結合する受容体とを備えたものである。例えば、生体認識分子は、脂質二重層に結合されたビオチンと当該ビオチンに結合したアビジンとからなり、受容体はビオチン化された抗体である。
本発明にかかるバイオセンサは、本発明にかかるバイオチップと、検査対象となる検体の有無、量、あるいは結合の特異性などの反応状態を検出するための測定装置とを備えたものである。特に、表面プラズモン共鳴を利用したバイオセンサである。特に、基板の表面に形成されたAu薄膜(金属層)の膜厚もしくはAu粒子の直径が40nm以上50nm以下で、単分子膜の膜厚が1nm以下で、脂質二重層の膜厚が5nm以上10nm以下で、表面プラズモン共鳴のために用いる光の波長が可視光であるものが望ましい。
本発明のバイオチップ及びバイオセンサは、本発明の生体分子固定化基板と同様な作用効果を奏する。さらに、本発明のバイオチップ及びバイオセンサにあっては、単分子膜や脂質二重層の膜厚を均一にすることができるので、受容体と金属層との距離を均一にすることができ、表面プラズモン共鳴等により検体を測定する際、ノイズが少なくて測定精度を向上させることができる。
本発明にかかる生体分子固定化基板の作製方法は、基板の上に脂質二重層を係留された生体分子固定化基板を作製するための方法であって、X−(CH−OH (但し、Xはチオール基)で表わされる分子をその自己組織化を利用して基板の上に配列させることにより、基板の上に単分子膜を形成する工程と、脂質をその自己組織化を利用して配列させることによって脂質二重層を形成し、当該脂質二重層を水素結合で前記単分子膜につなげることによって脂質二重層を前記基板に係留させる工程とを備えたものである。
本発明の生体分子固定化基板に用いられている単分子膜と脂質二重層はいずれも自己組織化の機能を有しているので、生体分子固定化基板を作製する際には、これらの自己組織化の機能を利用して単分子膜と脂質二重層を得るようにすれば、容易に生体分子固定化基板を作製することができる。
なお、本発明の以上説明した構成要素は、可能な限り任意に組み合わせることができる。
以下、本発明の実施例を図面に従って詳細に説明する。
図1は本発明にかかるバイオチップ11(すなわち、受容体を固定化した生体分子固定化基板12)の構成を模式的に表わした図である。生体分子固定化基板12は、以下に詳述するように表面に金属層22を形成されたチップ基板21の上に親水性の単分子膜23を介して脂質二重層24を係留させたものである。また、バイオチップ11は、この生体分子固定化基板12の脂質二重層24の上に生体認識分子27を固定化し、生体認識分子27に受容体28を固定化したものである。
チップ基板21は、ガラスや石英等の透光性を有する材料によって薄板状に形成されている。チップ基板21の上面には、多数の金属微粒子が固定されていて、金属層22が形成されている。
金属層22をなす金属微粒子は、直径数10nm(特に、直径40〜50nm)のAu、Ag等のナノレベルの無機金属微粒子であって、ほとんど凝縮することなく、互いに離れた状態で固定されている。金属微粒子の配置は、規則的である必要はなく、ランダムに分散していてよい。金属微粒子どうしの間隔(中間の隙間の大きさ)は、金属微粒子の直径の2倍以上4倍以下であることが望ましい。例えば、金属微粒子の密度は、1μmあたり約370個とすれば、被覆率に換算して約0.17となる。
金属層22の上には、自己組織化により分子が配列した親水性の単分子膜23が形成されており、その上には脂質二重層24が係留されている。この単分子膜23は、
X−(CH−OH
(但し、Xはチオール基)
で表わされる分子(スペーサ分子)が自己組織化により配列したものであり、各分子のチオール基Xが金属層22(又はチップ基板21)に固定されている。このような親水性の単分子膜23を構成する分子は、
チオアルカノール:HS(CHOH
と表わすこともできる。また、単分子膜23の膜厚は1nm以下のものが望ましく、薄ければ薄いほどよい。
脂質二重層24は、両親媒性のリン脂質25が疎水性部分25bを内側に向けて互いに向かい合うようにして2層に並んだものである。脂質二重層24は、単分子膜23と水素結合によりつながっていてチップ基板21の表面に係留されている。ただし、脂質二重層24は直接に単分子膜23と水素結合している訳ではなく、脂質二重層24と単分子膜23との間にある媒質26の水分子を介在させて互いに結合している。即ち、単分子膜23はチオール基Xを金属層22に付着させてチップ基板21に固定されており、単分子膜23の水酸基−OHと水分子とが水素結合し、また、水分子と脂質二重層24の親水性部分(リン脂質25の親水性部分25a)とが水素結合し、その結果脂質二重層24が単分子膜23を介してチップ基板21に係留されている。脂質二重層24の膜厚は5〜10nmが望ましく、薄いものが好ましい。
このように、脂質二重層24と単分子膜23とは水素結合により比較的弱く結合しているので、脂質二重層24はチップ基板21に柔軟に係留されている。そのため、このバイオチップ11では、脂質二重層24が失活しにくく、脂質二重層24の寿命も長く保たれる。また、脂質二重層24はチップ基板21に柔軟に係留されているので、脂質二重層やそこに結合する生体分子の流動性が阻害されにくく、生体分子の本来の機能や活動を維持しながら観察することができる。
上記単分子膜23の分子密度は、1平方nm当たり1モル(1molecules/nm)以上であることが望ましい。"pH-Dependent Behavior of Surface-immobilized Artificial Leucine Zipper Protains" (Molly M. Stevens et al.; Langmuir 2004, 20, 7747-7752 American Chemical Society)という論文の第7749ページには、Au膜上に708ng/cmの密度でペプチドを固定したことが記載されている。この値はモル密度に換算すると、0.5molecules/nmとなる。これはAu膜の上に形成されるペプチドのモル密度の最大値であると考えられる。これに対し、「チオアルカンアルコール自己組織化膜」(Deboirs, L.H. & Nuzzo, R.G. (1992) Annu. Rev. Phys. Chem. 43:437)という論文によれば、典型的なHS−(CH11−OH(Mw=204.37)では、その密度は157ng/cmとなっている。これをモル密度に換算すると、4.8molecules/nmとなる。
従って、水性の単分子膜23を用いれば、特許文献3におけるペプチド分子よりも高密度で分子を配列させることができ、特に1平方nm当たり1モル(1molecules/nm)以上の密度で配列させることができる。このように、本発明のバイオチップ11によれば、単分子膜23の分子密度を大きくすることができ、単分子膜23の分子密度を大きくすることにより脂質二重層24の金属層22への接着強度を強くすることができるので、脂質二重層24を安定させることができ、脂質二重層24の経時変化も小さくできる。あるいは、単分子膜23の分子密度を調整することによって脂質二重層24の接着強度を変調することも可能になる。
また、"Peptide-derived Self-assembled Monolayers: Adsorption of N-Stearoyl-Cysteine Methyl Ester on Gold" (Susan L. Dawson and David A. Tirrell: Journal of Molecular Recognition, VOL., 10, 18-25(1997))という論文には、Au膜上のペプチド集積膜ではペプチド分子が不揃い(disorder)になることが報告されている。このため、特許文献3に記載されているようなペプチド分子の単分子膜では、ペプチド分子の膜厚を一定にすることが困難である。
これに対し、単分子膜23の場合には、その膜厚を均一に揃えることができ、しかもその膜厚をÅ単位で制御することが可能である。図2は"Formation of Monolayer Films by the Spontaneous Assembly of Organic Thiols from Solution onto Gold" (Collin D. Bain et al.: J. Am. Chem. Soc. 1989, 111, 321-335)という論文から転載したグラフであり、HS(CHOHをAu薄膜に化学吸着させたときの単分子膜の膜厚をエリプソメータで計測した実験値を示している。図2においては、横軸は単分子膜におけるメチレン基の鎖の数nを示し、縦軸は単分子膜の膜厚を表わしている。図2から分かるように、メチレン基の鎖の数nと単分子膜の膜厚との間には、Åのオーダーにおいて線形性が認められる。よって、本発明のバイオチップ11によれば、単分子膜23を構成する
X−(CH−OH
のメチレン基の鎖の数nを制御することにより、均一な膜厚の単分子膜23を得ることができると共に、単分子膜23の膜厚を自由に調整することができる。
脂質二重層24の上に固定化している生体認識分子27は、ビオチン29とアビジン30からなる。ビオチン29は脂質二重層に固定化しており、アビジン30はビオチン29に結合されている。あるいは、ビオチン化リン脂質からなる脂質二重層を用いるようにすれば、アビジンを直接脂質二重層に固定化することができる。
受容体28は特定の検体31(タンパク質)と特異的に結合する抗体が選択されており、ビオチン化されている。この受容体28はそのビオチン部位32が生体認識分子27のアビジン30と結合することにより、生体認識分子27に固定化する。
本発明のバイオチップ11によれば、上記のように単分子膜23の膜厚を均一に揃えることができるので、その上に形成される脂質二重層24の膜厚も均一になる。そのため脂質二重層の上に生体認識分子27と受容体28を整然と配向させ易くなり、受容体28の結合部位を上方に向けて揃えることができる。その結果、非特異的な検体が生体認識分子27や受容体28に吸着されるのを防止でき、バイオチップ11による測定精度と信頼性を向上させることができる。
次に、上記バイオチップ11の作製方法の一例を図3〜図6に従って説明する。まず、図3(a)に示すように、100%エタノール溶液41中にチオアルカノール42〔HS(CH11OH〕を加え、図3(b)のようにチオアルカノール42をエタノール溶液41に溶解させる。
ついで、図3(c)に示すように、片面を金属層22(膜厚40〜50nmのAu薄膜)で覆われたチップ基板21を上記エタノール溶液41に1時間のあいだ浸漬する。チップ基板21をエタノール溶液41に浸漬すると、図3(d)に示すように、エタノール溶液41に溶解しているチオアルカノール42が金属層22の表面に自己組織化しながら析出する。そして、図3(e)のように金属層22の上にチオアルカノール42からなる単分子膜23が形成される。
この後、チップ基板21をエタノール溶液41から取り出してリンスした後に乾燥させると、図3(f)に示すように、チップ基板21上に目的とする単分子膜23が得られる。こうして得られた単分子膜23では、各チオアルカノール42のチオール基が金属層22に固定され、各チオアルカノール42が数10度傾いた状態で互いに平行に整列することが知られている。
ついで、リン脂質のベシクル43を作製する。ベシクルとは、リン脂質の疎水性部分どうしが会合し、親水性部分が水溶液層と接触する二重層を形成し、その二重層が図4に示すように球状に閉じたものである。
ベシクル43を作製するにあたっては、図5(a)に示すように、フラスコなどにリン脂質25を入れる。リン脂質としては、例えば純度の高い
1,2-Dioleoyl-sn-Glycero-3-Phosphocholine (DOPC)
を用いる。このリン脂質25を乾燥したArガス雰囲気中で乾燥させた後、さらに2時間真空乾燥させる。こうして図5(b)のようにリン脂質25が乾燥したら、水を加えてリン脂質25を懸濁させ、図5(c)のように超音波処理を行なってリン脂質25を充分に撹拌させてホモジナイズさせる。ついで、図5(d)に示すように、超遠心分離を行なって上澄み液を取り、この上澄み液を4℃で保存する。この上澄み液には、直径が数10nm以下のリン脂質25のベシクル43が含まれている。
次に、表面に単分子膜23が形成されたチップ基板21の所定領域に、図6(a)に示すように、ベシクル43を含んだ懸濁液を滴下するか、ベシクル43を含んだ懸濁液中にチップ基板21を浸漬する。そうすると、単分子膜23の上でベシクル43が破裂して開き、破裂した脂質二重層24どうしの融合が連鎖的に起こって自己組織化し、図6(b)に示すように、チップ基板21の単分子膜23の上に脂質二重層24が形成される。なお、図6(a)(b)では、チップ基板21の上にフォトレジストによって障壁44を形成している。これは、様々な異なった受容体を固定化し、複数の異なった受容体のアレイ化を実現させるためのものである。
このようにして生体分子固定化基板12を作製すれば、単分子膜23も脂質二重層24もいずれも自己組織化することによって容易にチップ基板21上に形成されるので、バイオチップ11を容易に作製することができる。
つぎに、本実施例のバイオチップ11を用いて検査対象となる検体31の有無、量、あるいは結合の特異性などの反応状態を表面プラズモン共鳴を利用して光学的に検出するためのバイオセンサ13を図7に従って説明する。
このバイオセンサ13は、上記バイオチップ11と測定装置とからなる。測定装置は、直角三角形状をしたプリズム51、発光装置52及び受光装置53によって構成されている。プリズム51は、バイオチップ11のチップ基板21の下面に密着している。発光装置52は可視光域(例えば波長635nm)のレーザー光を出射するものであり、プリズム51の斜め下方において、一方のプリズム斜面と対向するように配置されている。受光装置53は、プリズム51の斜め下方において、他方のプリズム斜面と対向するように配置されており、発光装置52から出射されてプリズム51及びチップ基板21を透過し、金属層22で反射された光を受光するように配置されている。また、発光装置52及び受光素子53はプリズムの回りで移動可能となっており、発光素子52を移動させることによりバイオチップ11に対する光の入射角度を変化させられるようになっている。
バイオチップ11は、受容体28が、分析試料液の流れる流路に直接接するように設置される。従って、この分析試料液に受容体28と特異的に結合する検体31が含まれている場合には、その検体31はバイオチップ11に固定化している受容体28に特異的に結合され、バイオチップ11の表面に固定される。検体31が受容体28に固定されると、固定された検体31の量に応じて金属層22の近傍の屈折率などが変化する。
このバイオセンサ13は、表面プラズモン共鳴により検体31の有無、受容体28に結合された検体31の量、あるいは結合の特異性などの反応状態を検出することができる。すなわち、発光装置52からは、チップ基板21と金属層22との界面における入射角が当該界面における全反射の臨界角よりも大きな角度となるようにして励起光が出射される。プリズム51及びチップ基板21を透過した励起光は、金属層22とチップ基板21の界面で全反射する。このとき金属層22の上面にはエバネッセント光が発生し、エバネッセント光の電界は金属層22や受容体28を透過して金属層22の上面に広がる。
エバネッセント光は金属層22の上方へ放射されず、金属層22の上面の極く狭い領域に局在しているので、エバネッセント光は受容体28に結合した検体31とは相互作用するが、受容体28に固定されていない検体31とは相互作用しない。
このため、受光装置53で受光される反射光は、受容体28に固定された検体31の量や密度などに応じて変調されることになる。よって、受光装置53で受光した光の反射率等を分析することにより受容体28に固定された特異的な検体の量や密度などを測定することができる。
例えば、発光装置52を移動させてバイオチップ11への光の入射角度を変化させながら受光装置53により反射光の強度を測定し、入射角度と反射率の変化を測定すれば、図8に示すような曲線が観察される。そして、この共鳴角(反射率が最小となるときの入射角度)や共鳴角における反射率の値などから検体31に関する情報を得ることができる。
このようなバイオセンサ13においては、前記のようにバイオチップ11の単分子膜23や脂質二重層24の膜厚を均一にすることができるので、受容体28と金属層22との距離を均一にすることができ、表面プラズモン共鳴により検体を測定する際、ノイズが少なくて測定精度を向上させることができる。また、単分子膜23の膜厚はÅ単位で制御することができるので、バイオセンサ13によるセンシング感度が高くなる位置に受容体や検体が位置するように単分子膜の膜厚を(特に、単分子膜の厚みが薄くなるように)調整することができ、S/N比の良好なバイオセンサ13を作製することができる。
よって、このようなバイオセンサを用いれば、例えば血液中における病原体の有無などを調べることができ、医療用や健康診断の用途に用いることができる。また、食品に含まれているタンパク質の種類などを検査することもでき、食品検査や環境計測などの用途にも用いることができる。さらには、個人の特異的な検体を照合することにより、セキュリティや個人認証の用途にも使用することが可能になる。
また、このバイオチップ11では、界面活性剤により単分子膜23と脂質二重層24との間の結合を解離させることができる。例えば、界面活性剤として
SDS: Sodium dodecyl sulfate HC-(CH10-CHOSO-Na
を用い、使用済のバイオチップ11をSDSの溶液中に浸漬することにより単分子膜23と脂質二重層24を解離させることができる。よって、使用済のバイオチップ11から容易に脂質二重層24を剥離させることができ、新たに単分子膜23の上に新しい脂質二重層24を形成することによってバイオチップ11を再生させることができ、バイオチップ11の再利用が可能になる。
最後に、本発明のバイオセンサの性能についてシミュレーションした結果を説明する。シミュレーションに用いたモデルを図9に示す。チップ基板21は、屈折率が1.52の透明な基板とした。金属層22は、膜厚50nmのAu層とした。単分子膜23は、屈折率が1.5で、膜厚が2nmとした。脂質二重層24は、屈折率が1.49で、膜厚が5nmとした。また、生体認識分子27は、屈折率が1.57で、膜厚が10nmとした。また、検体を含む試料溶液の屈折率は1.33とした。
このようなモデルを基本として、単分子膜23の膜厚を2nmと0.1nmの間で変化させて共鳴角及び反射率の変化を調べた。また、脂質二重層24の膜厚を10nmと5nmの間で変化させて共鳴角及び反射率の変化を調べた。また、金属層22の膜厚を80nmと30nmの間で変化させて共鳴角及び反射率の変化を調べた。ただし、入射光の波長は635nとし、入射光の入射角度は20°から90°まで変化させた。
図10は単分子膜23の膜厚を2nm、1nm、0.1nmと変化させて共鳴角及び反射率の変化を求めた結果を表わしている。図11は図10の値を用いて反射率の変化を表わしたものである。この結果から分かるように、単分子膜23の膜厚が薄くなると、共鳴角と反射率が次第に小さくなり、特に反射率は単分子膜23の膜厚に対して線形に変化している。反射率が小さくなるほうが測定精度が向上するので、単分子膜23の膜厚を薄くするのが望ましいことが分かる。
図12は脂質二重層24の膜厚を10nm、8nm、5nmと変化させて共鳴角及び反射率の変化を求めた結果を表わしている。図13は図12の値を用いて反射率の変化を表わしたものである。この結果から分かるように、脂質二重層24の膜厚が薄くなると、共鳴角と反射率が次第に小さくなり、特に反射率は脂質二重層24の膜厚に対して線形に変化している。反射率が小さくなるほうが測定精度が向上するので、脂質二重層24の膜厚を薄くするのが望ましいことが分かる。
図14は金属層22の膜厚を80nm、55nm、50nm、45nm、40nm、30nmと変化させて共鳴角及び反射率の変化を求めた結果を表わしている。図15は図14の値を用いて反射率の変化を表わしたものである。この結果から分かるように、金属層22の膜厚が薄くなると、共鳴角は次第に小さくなる。これに対し、図15から分かるように、反射率は金属層22の膜厚が80nmと30nmの間で最小値を示す。従って、金属層22の膜厚には最適値(このシミュレーションでは約45nm)が存在することが分かり、金属層22の膜厚はこの最適値に近づけることが望ましいことが分かる。
図1は、本発明にかかるバイオチップの構成を示す概略図である。 図2は、単分子膜に含まれるメチレン基の鎖の数と単分子膜の膜厚との関係を示す図である。 図3(a)〜図3(f)は、チップ基板の表面に単分子膜を形成する工程を説明する図である。 図4は、リン脂質のベシクルを模式的に表わした図である。 図5(a)〜図5(d)は、リン脂質のベシクルを作製する工程を説明する図である。 図6(a)及び図6(b)は、リン脂質のベシクルをチップ基板に付与して脂質二重層を作製する工程を説明する図である。 図7は、本発明にかかるバイオセンサの構造を示す概略図である。 図8は、入射光の入射角を変化させながらバイオセンサにより測定された、反射率の変化を表わした図である。 図9は、シミュレーションに用いたモデルを表わした図である。 図10は、単分子膜の膜厚を変化させたときの共鳴角と反射率の変化を表わした図である。 図11は、図10の値を用いて反射率の変化を表わした図である。 図12は、脂質二重層の膜厚を変化させたときの共鳴角と反射率の変化を表わした図である。 図13は、図12の値を用いて反射率の変化を表わした図である。 図14は、金属層の膜厚を変化させたときの共鳴角と反射率の変化を表わした図である。 図15は、図14の値を用いて反射率の変化を表わした図である。
符号の説明
11 バイオチップ
12 生体分子固定化基板
13 バイオセンサ
21 チップ基板
22 金属層
23 単分子膜
24 脂質二重層
25 リン脂質
25a 親水性部分
25b 疎水性部分
27 生体認識分子
28 受容体
29 ビオチン
30 アビジン
31 検体
32 ビオチン部位
51 プリズム
52 発光装置
53 受光装置

Claims (10)

  1. 基板の上に脂質二重層を係留された生体分子固定化基板であって、
    X−(CH−OH (但し、Xはチオール基)
    で表わされる分子が基板の上に配列した単分子膜と、
    水素結合で前記単分子膜とつながることにより、前記基板に係留された脂質二重層と、
    を備えた生体分子固定化基板。
  2. 前記単分子膜の分子密度が、1molecules/nm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の生体分子固定化基板。
  3. 前記基板は、AuやAgなどの無機材料からなる薄膜を有することを特徴とする、請求項1に記載の生体分子固定化基板。
  4. 前記単分子膜と脂質二重層との間の水素結合が解離可能となっていることを特徴とする、請求項1に記載の生体分子固定化基板。
  5. X−(CH−OH (但し、Xはチオール基)
    で表わされる分子が基板の上に配列した単分子膜と、
    水素結合で前記単分子膜とつながることにより、前記基板に係留された脂質二重層と、
    前記脂質二重層に固定化した生体認識分子と、
    前記生体認識分子に固定化した、特定のタンパク質と特異的に結合する受容体と、
    を備えたバイオチップ。
  6. 前記生体認識分子は、脂質二重層に結合されたビオチンと当該ビオチンに結合したアビジンとからなり、
    前記受容体はビオチン化された抗体である、
    ことを特徴とする、請求項5に記載のバイオチップ。
  7. 請求項5に記載のバイオチップと、
    検査対象となる検体の有無、量、あるいは結合の特異性などの反応状態を検出するための測定装置と、
    を備えたバイオセンサ。
  8. 前記測定装置は、表面プラズモン共鳴を用いたものであることを特徴とする、請求項7に記載のバイオセンサ。
  9. 前記基板の表面にAu薄膜が形成され、前記Au薄膜の膜厚もしくはAu粒子の直径が40nm以上50nm以下であり、
    単分子膜の膜厚が1nm以下であり、
    脂質二重層の膜厚が5nm以上10nm以下であり、
    表面プラズモン共鳴のために用いる光の波長が可視光であることを特徴とする、請求項7に記載のバイオセンサ。
  10. 基板の上に脂質二重層を係留された生体分子固定化基板を作製するための方法であって、
    X−(CH−OH (但し、Xはチオール基)
    で表わされる分子をその自己組織化を利用して基板の上に配列させることにより、基板の上に単分子膜を形成する工程と、
    脂質をその自己組織化を利用して配列させることによって脂質二重層を形成し、当該脂質二重層を水素結合で前記単分子膜につなげることによって脂質二重層を前記基板に係留させる工程と、
    を備えた生体分子固定化基板の作製方法。
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