JP2008275481A - 生体分子機能構造解析装置およびこれを用いた生体分子機能構造解析方法 - Google Patents

生体分子機能構造解析装置およびこれを用いた生体分子機能構造解析方法 Download PDF

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弘二 住友
Kazuaki Furukawa
一暁 古川
Akiyoshi Shimada
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Keiichi Torimitsu
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Abstract

【課題】生体分子の機能発現に影響することなく生体分子の構造解析ができ、かつ生体分子の機能発現の識別が容易な生体分子機能構造解析装置および生体分子機能構造解析方法。
【解決手段】試料台基板10と、走査プローブ顕微鏡装置部20と、電気測定装置部30とを備えることを特徴とする生体分子機能構造解析装置。また、上記生体分子機能構造解析装置を用いた生体分子機能構造解析方法。これにより、生体分子の機能発現に影響することなく生体分子の構造解析ができ、かつ生体分子の機能発現の識別が容易となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば膜蛋白質をはじめとする生体分子の機能とそれに伴う構造変化を解析するための生体分子機能解析装置および生体分子機能構造解析方法に関する。
蛋白質をはじめとする生体分子の機能を理解する上で、その構造を知ることは不可欠である。生体分子が機能する際には、他の分子との反応や外界からの刺激に伴い、その構造を変化させることがよくある。
従来、生体分子の構造解析には、X線回析法、電子顕微鏡、電子線回析法が多く用いられてきている。しかし、これらの手法では、解析対象分子である生体分子の結晶化、或いは凍結が必要で、生体分子が機能する状態そのままで解析することはできなかった。核磁気共鳴法(NMR法)のように、溶液中での解析を可能にする手法もあるが、適用範囲は限られており、チャンネル蛋白質や受容体蛋白質のような大きくて複雑な生体分子に適用することは困難である。そのため、これら蛋白質を解析するためには、これら蛋白質を機能ドメイン毎に分断して解析することになる。
一方で、走査プローブ顕微鏡、特に原子間力顕微鏡(AFM)は、溶液中での解析が可能であり、生体分子を生きたまま、生体内の条件に近い状態で解析できる手法として、生体分子の解析に応用されてきている。近年、AFMの技術は進歩し、溶液中での分子または原子レベルでの分解能の解析が可能な測定装置および測定方法(非特許文献1参照)、さらに、ビデオレートで動的解析を可能にする測定装置(非特許文献2参照)も開発され、生体分子の解析への適用が期待されている。
T.Fukuma et al.:Appl.Phys.87,034101,2005. T.Ando et al.:ChemPhysChem4,1196,2003.
しかしながら、AFMをはじめとした走査プローブ顕微鏡による生体分子の構造解析のためには、生体分子を試料台基板に固定することが必要であり、生体分子の機能発現への影響が懸念されていた。さらに、生体分子が機能発現しているのかどうかの識別が困難であり、生体分子の機能解析の妨げとなっていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、生体分子の機能発現に影響することなく生体分子の構造解析ができ、かつ生体分子の機能発現の識別が容易な生体分子機能構造解析装置および生体分子機能構造解析方法を目的とする。
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
(1)サブミクロンスケールの微小穴とその穴底に電極を有する試料台基板と、走査プローブ顕微鏡装置部と、電気測定装置部とを備えることを特徴とする生体分子機能構造解析装置。
(2)少なくとも上記微小穴の開口部が脂質二分子膜で覆われていることを特徴とする(1)に記載の生体分子機能構造解析装置。
(3)上記脂質二分子膜に解析対象分子が含まれることを特徴とする(2)に記載の生体分子機能構造解析装置。
(4)上記解析対象分子がチャンネル蛋白質および/または受容体蛋白質を含む生体分子であることを特徴とする(3)に記載の生体分子機能構造解析装置。
(5)上記試料台基板の表面および/または上記脂質二分子膜が修飾されていることを特徴とする(2)〜(4)のいずれかに記載の生体分子機能構造解析装置。
(6)上記走査プローブ顕微鏡装置部のカンチレバーが導電性カンチレバーであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の生体分子機能構造解析装置。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の生体分子機能構造解析装置を用いた生体分子機能構造解析方法。
本発明によれば、生体分子の機能発現に影響することなく生体分子の構造解析ができ、かつ生体分子の機能発現の識別が容易な生体分子機能構造解析装置および生体分子機能構造解析方法を提供できる。
本発明の生体分子機能構造解析装置は、図1の構成図に示すように、試料台基板10と、走査プローブ顕微鏡装置部20と、電気測定装置部30とを備えることを特徴とした、生体分子などの解析対象分子の機能発現に関わる機能解析および構造解析を行うための生体分子機能構造解析装置である。
走査プローブ顕微鏡装置部20としては、公知の走査プローブ顕微鏡を用いることができるが、溶液中の解析対象分子の構造解析に向いたAFMが好ましく用いられる。
電気測定装置部30としては、電圧印加によって解析対象分子の周囲に電界を生じせしめ、かつ解析対象分子が発する電流の変動を測定することのできる装置であればよく、例えば、パッチクランプ装置などを挙げることができる。
試料台基板10は、図2の部分断面模式図に示すように、絶縁層11と、その上に積層された電極12と、さらにその上に積層された絶縁層13と、絶縁層13に設けられたサブミクロンスケールの微小穴14(以下、微小穴14と称する)とで構成されている。微小穴14の穴底には、電極12が露出している。なお、絶縁層11の下面には、試料台基板10を保持することを目的として、シリコンウエハなどからなる基材(不図示)が備えられていてもよい。ここで、サブミクロンスケールとは、1μmより1桁小さい、すなわち100nm単位の長さを表す。
絶縁層11は絶縁層を有する材質であれば特に限定されないが、例えば、シリコン酸化物などを挙げることができる。シリコン酸化物による絶縁層11を形成するには、シリコン酸化物を堆積してシリコン酸化膜を形成する、或いはシリコンウエハの表面を熱酸化処理してシリコン酸化膜を形成し、これを絶縁層11としてもよい。なお、絶縁層11の厚みは100nm〜1000nmが好ましい。
電極12は、絶縁層11上に電極パターンを作製することにより形成される。電極12の厚みは特に限定されないが、好ましくは50nm〜500nmである。また、電極12の材質としては、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、塩化銀、白金、クロム、ニッケルなどの金属、および導電性樹脂などの導電性物質が挙げられる。これら導電性物質の薄膜を蒸着、メッキなどにより絶縁性基板上に成膜し、さらにエッチング技術などの微細加工技術を用いて電極パターンを形成することにより、電極12が形成される。
なお、電極12は、電気測定装置部30と導電性の配線(不図示)で結線されており、この配線を通じて電気測定装置部30からの電圧を解析対象分子(不図示)に印加する、或いは解析対象分子の電気的な変動を感知して測定装置部30に伝える。
絶縁層13は絶縁層を有する材質で形成されていることが好ましく、例えば、絶縁層11と同様に、シリコン酸化物などを堆積することなどにより形成することができる。絶縁層13の厚みは特に限定されないが、100〜1000nmが好ましい。
絶縁層13には微小穴14が設けられる。微小穴14の開口部の形状は限定されないが、円形或いはそれに類似した形状を有するのが好ましい。微小穴14の開口部の大きさは、直径100nm〜500nmが好ましい。微小穴14の深さは、好ましくは100〜1000nmであり、これは微小穴14の穴底に電極12が露出する深さ、すなわち、絶縁層13の厚みと一致する。
微小穴14は微細加工技術を用いることにより形成することができる。微細加工技術としては、例えばフォトリソグラフィ技術、ドライエッチング技術などが挙げられる。これら微細加工技術を用いて絶縁層13を除去することにより、穴底に電極12を有する微小穴14が形成される。
微細加工技術により微小穴14を設けた作製例として、図3に微小穴14を形成したシリコンウエハの表面の電子顕微鏡写真(倍率:60000倍)を示す。この作製例における微小穴14は、直径100nm、深さ100nmであり、シリコンウエハにフォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いることにより形成されている。
次に、試料台基板10における電極12の電極パターンの作製例を撮影した光学顕微鏡写真を図4に示す。この写真における淡色の部分が電極12である。この作製例は、シリコンウエハ表面を熱酸化処理してシリコン酸化膜からなる絶縁層11を形成し、その上に、材質に金を用いた厚み60nmの層を成膜し、電極パターンをエッチングすることにより電極12を形成した。写真では透過されて確認できないが、これら積層物の上にはさらに厚み200nmのシリコン酸化膜からなる絶縁層13が覆っている。なお、電極12が細くなった先端部分(写真中央付近)を覆う絶縁層13に、微小穴14が設けられる。
さらに、図4の写真における電極12が細くなった先端部分に相当する拡大写真(撮影:AFM)を図5に示す。中心付近の矢印で示した黒点が、絶縁層13を除去することで設けられた微小穴14であり、微小穴14の周りの淡色となっている部分が電極12である。
また、図5の拡大写真における破線部分の断面を模した部分断面模式図を図6に示す。この作製例では、上述したように、シリコンウエハからなる基材50の表面を熱酸化処理してシリコン酸化膜による絶縁層11を形成し、金からなる厚み60nmの電極12を積層し、さらに厚み200nmのシリコン酸化膜からなる絶縁層13が覆っている。また、絶縁層13に設けられた微小穴14の開口部の直径は100nmであり、その深さは200nm、すなわち電極12を覆っている絶縁層13の厚さを有している。
このようにして作製される試料台基板10は、図7の部分断面模式図に示すように、その表面の少なくとも微小穴14の開口部が脂質二分子膜15で覆われていることが好ましい。また、微小穴14と脂質二分子膜15とで仕切られた微小穴14内は緩衝液17で満たされているのが好ましく、脂質二分子膜15の上側も緩衝液17で満たされているのが好ましい。
脂質二分子膜15は、両媒極性を有するリン脂質などの脂質分子が二層構造を形成した膜のことであり、生体膜の最も基本的な構造の一つである。この脂質分子の疎水性の末端基同士が膜の内側に向けて会合し、膜の表側に脂質分子の親水性を有した末端基が位置することで、脂質二分子膜15が形成されている。
微小穴14の開口部を脂質二分子膜15で覆うことにより、試料台基板10の表面に仮想的な細胞膜を実現できる。この仮想的な細胞膜において、脂質二分子膜15が細胞膜に相当し、緩衝液17が細胞内液および/または細胞外液に相当する。
緩衝液17としては、例えば、リン酸緩衝食塩水(PBS)などが挙げられる。また、緩衝液17には、解析に必要な各種成分を適宜添加してもよい。
微小穴14の開口部を脂質二分子膜15で覆うためには、例えば、試料台基板10を脂質分子のベシクル溶液(脂質二分子膜15が球状の粒子として水中に拡散した溶液)中に浸漬すればよい。(参照:J.T.Groves et al.,Langmuir 14,3347(1998))なお、ベシクル溶液中のベシクルの粒径は、微小穴14の開口部のサイズより大きいことが好ましく、具体的には100nm〜10000nmであることが好ましい。
次に、ベシクル溶液の調製方法について述べる。まず、ベシクルを形成する脂質分子には、細胞内のリン脂質、或いはそれに類似した脂質分子が好ましく用いられる。細胞内のリン脂質としては、例えばPhosphatidylcholine(PC)を挙げることができる。ベシクル溶液の溶媒としては、例えば、リン酸緩衝食塩水(PBS)などを用いることができる。なお、このベシクル溶液の溶媒が、微小穴14内を満たす緩衝液17となる。ベシクル溶液の溶媒と脂質分子との混合割合は、溶媒90〜99質量%に対して、脂質分子1〜10質量%が好ましい。このような該溶媒と脂質分子とを撹拌して混合することにより、ベシクル溶液が調製される。
このように調製されたベシクル溶液に、試料台基板10を数分程度浸漬することにより、ベシクルが試料台基板10の表面に平面状に展開し、試料台基板10の表面に脂質二分子膜15を形成する。なお、脂質二分子膜15で覆われた試料台基板10は、解析対象分子の測定を行うときまで、そのままベシクル溶液の中で保存されるのが好ましい。
脂質二分子膜15で覆われた試料台基板10の表面を、図8に示すように、生体分子16などの解析対象分子を含む緩衝液17で満たすと、生体分子16と脂質二分子膜15との間に静電相互作用、親水疎水相互作用などが働き、生体分子16は脂質二分子膜15に、好ましくは微小穴14の開口部分を覆う脂質二分子膜15に取り込まれ、生体分子16などの解析対象分子を含む脂質二分子膜15が形成される。なお、生体分子16を含む脂質二分子膜15を形成するには、予め生体分子16を含んだベシクル溶液に試料台基板10を浸漬することによって形成してもよい。
解析対象分子は、チャンネル蛋白質および/または受容体蛋白質などの生体分子16であるのが好ましい。これらの生体分子16が微小穴14の開口部を覆う脂質二分子膜15に配置されることにより、生体分子16は、その機能発現を損なうことなく、生体の細胞膜に存在しているのと同様の状態で試料台基板10に保持される。すなわち、微小穴14の開口部を覆う脂質二分子膜15は、生体分子16にとって仮想的な細胞膜とみなすことができる。
図9に、試料台基板10と、走査プローブ顕微鏡装置部20と、電気測定装置部30とを組み合わせた本発明の生体分子機能構造解析装置の一実施形態例を示す。
試料台基板10の表面に設けられた微小穴14の開口部は、脂質二分子膜15で覆われている。蛋白質および/または受容体蛋白質などといった生体分子16は、微小穴14開口部を覆う脂質二分子膜15に配置されている。また、微小穴14内には緩衝液17が満たされ、脂質二分子膜15上も緩衝液17で満たされている。
走査プローブ顕微鏡装置部20は、測定センサであるカンチレバー21を備え、生体分子16の構造解析の際には、カンチレバー21の先端に設けられた深針が生体分子16の直上数nmの位置に配置される。なお、カンチレバー21としては、例えば、シリコン或いはナイトライトなどの絶縁性素材で形成されたカンチレバーを挙げることができる。
電気測定装置部30は、生体分子16の電気測定と電圧印加を行うための電極31を備えており、この電極31は、少なくともその先端が緩衝液17中に位置している。また、電極31と電極12とを対向電極とするために、電極12は電気測定装置部30と結線されている。電気測定装置部30による生体分子16の機能解析は、電極12および/または電極31から電圧を印加して、生体分子16の周囲に電界を発生させることにより行われる。
生体分子16の機能発現を調べる方法としては、パッチクランプ法が従来から知られている。パッチクランプ法は、生体の細胞膜表面に電極を備えた微細なガラス管を押し当て、細胞膜にある生体分子16に電圧を印加し、これにより生体分子16から発せられる電流の変動、すなわちチャンネル電流の変動を電気測定する方法である。チャンネル電流の変動を読み取ることによって、生体分子16の機能発現の有無およびその度合いを判断または推測することができる。本発明では、電気測定装置部30を用いることによって、生体分子16の電気測定をパッチクランプ法と同様に行うことができる。
参考として、試料台基板10に配置された生体分子16を電気測定装置部30で電気測定した測定グラフの例を図10に示す。図10におけるグラフ(b)は、時間(横軸、単位:ms)に対する印加電圧(縦軸、単位:mV)を表すグラフである。図10におけるグラフ(a)は、時間(横軸、単位:ms)に対する生体分子16の発するチャンネル電流(縦軸、単位:pA)の変動を表すグラフである。このように、生体分子16が機能発現の際に発するチャンネル電流の変動を解析し、電気測定装置部30によって測定してグラフ化、或いは数値化することで、生体分子16の機能発現の有無およびその度合いを判断または推測することができる。
一般に、走査プローブ顕微鏡は、カンチレバーの先端に取り付けられた深針と解析対象分子との間に働く原子間力などの力により、解析対象分子の幾何学的構造や力学的特性などを解析することができる。しかしながら、解析対象分子が生体分子16のような柔らかくて弾力を有する場合、従来のような平坦な試料台基板に直接固定すると、生体分子16は形状を維持できずに変形してしまう。このため、生体分子16の形状を正確に構造解析するのは困難であった。
本発明では、開口部のサイズをサブミクロンスケールにまで縮小した微小穴14を試料台基板10に設け、この微小穴14の開口部を覆う脂質二分子膜15に生体分子16を保持することにより、生体分子16の形状を変形させることなく保持することができる。これにより、生体分子16の有する正確な形状を走査プローブ顕微鏡装置部20によって構造解析することができる。(参照:K.Sumitomo et al.,NTT Technical Review Vol.4,No.9 p40〜p47)
従来、AFMなどの走査プローブ顕微鏡を用いて、生体分子16が機能発現を生ずる際の構造の変化を解析する場合には、表面の平坦なマイカ(白雲母)などを試料台基板に用いて、その上に生体分子16を固定化、或いは半固定化することにより解析を行ってきた。しかし、生体分子16を平坦な基板上に固定してしまうと、生体分子16と試料台基板の表面との間に相互作用が働き、生体分子16が機能発現しない可能性があった。また、生体分子16が機能発現し得るように固定化できたとしても、生体分子16が機能発現しているかどうかを識別することは困難であった。
本発明では、微小穴14の開口部を覆う脂質二分子膜15に生体分子16を保持することにより、生体分子16を含んだ仮想的な細胞膜の状態を試料台基板10の表面に実現することができる。これにより、走査プローブ顕微鏡装置部20による生体分子16の構造解析を、生体分子16の機能発現を損なうことなく行うことができる。さらには、電気測定装置部30による生体分子16の機能解析を組み合わせることにより、生体分子16の機能発現の有無が容易に識別できるため、機能解析と構造解析とを関連付けた解析が可能となる。
次に、試料台基板10に設けた微小穴14の開口部とその周辺を、生体分子16を含む脂質二分子膜15で覆った作製例の表面を、AFMで解析したトポグラフィー像(原子間力の設定:100pN〜400pN)を図11に示す。この作製例は、数μg/mlの紫膜を混合した緩衝液(100nMol KCl,10nMol tris−HCl,pH8.0)中に試料台基板10を数分間浸漬して、生体分子16を含む脂質二分子膜15を吸着させることにより作製した。
このトポグラフィー像において、左上に淡色で映し出されている箇所が、バクテリオロドプシン(生体分子16に相当する膜蛋白質の一種)を含む紫膜(脂質二分子膜15に相当)で覆われた箇所である。濃く映し出されている4つの円それぞれが、微小穴14である。これら4つの微小穴14のうち、左上に位置する微小穴14の開口部が紫膜で覆われている。これら微小穴14は、開口部の直径100nm、深さ100nmである。
さらに、図11のトポグラフィー像における破線部分の表面をAFM測定したグラフを図12に示す。縦軸が断面の深さ方向、横軸が断面の平面方向を表す。このグラフの右側において、グラフが一旦急激に落ち込んでから急激に上がっている部分があるが、これは微小穴14の存在を示している。なお、この微小穴14は紫膜で覆われていない。また、このグラフにおける中央から左側半分が、紫膜で覆われた箇所に該当し、グラフが高い位置を示している。さらに、このグラフの左端において、グラフが低下して表示されている箇所が、微小穴14の開口部を覆っている紫膜の存在を示しており、その直下には微小穴14が存在する。なお、AFMのカンチレバー先端の深針と紫膜との間に働く斥力(原子間力)のため、微小穴14の開口部に位置する紫膜は撓んで観察されているが、紫膜は破壊されることなく、微小穴14の開口部を覆っている。また、この作製例において、試料台基板10とバクテリオロドプシン(生体分子16に相当)との間には、機能発現の妨げになるような相互作用は生じていないことが確認されている。(参照:K.Sumitomo et al.NTT Technical Review)
次に、生体分子16を微小穴14の開口部を覆う脂質二分子膜15に、選択的あるいは優先的に配置する方法について説明する。
例えば図8において、脂質二分子膜15を構成する脂質分子は、膜内の所定の位置に固定されて存在してはおらず、側方拡散と呼ばれる脂質分子の平行移動が頻繁に生じている。すなわち、脂質二分子膜15は高い流動性を有した膜である。
生体分子16などの解析対象分子は、構造解析および機能解析を円滑に行うために、微小穴14上の脂質二分子膜15に選択的あるいは優先的に配置されるのが好ましい。そのためには、脂質二分子膜15の流動性を制御するのが有効である。
脂質二分子膜15の流動性を制御するには、脂質二分子膜15と絶縁層13との結合力を強くすればよい。その方法としては、試料台基板10の表面および/または脂質二分子膜15を修飾する方法が好ましく、これにより、脂質二分子膜15と絶縁層13との結合力を強くすることができる。
試料台基板10の表面および/または脂質二分子膜15を修飾する方法について、図13の試料台基板10の部分断面模式図を用いて説明する。まず、絶縁層13の表面に、金原子を数層蒸着して金蒸着層18を形成する。このように金蒸着層18によって修飾された絶縁層13の表面を、さらに脂質分子の末端をチオール化修飾したチオール化脂質分子19を含む脂質二分子膜15で覆うことにより、絶縁層13と脂質二分子膜15との間に、強固な結合として広く知られている金原子−チオール基の結合を実現できる。このようにして、試料台基板10と脂質二分子膜15との結合力を強化することができる。
脂質分子のチオール化修飾は、例えばPhospatidylcholine(PC)脂質に数%のPhosphothioethanol(PTE)脂質を混合させることで行うことができる。なお、チオール基の代わりに、ジスルフィド基を用いたジスルフィド化脂質分子を含んだ脂質二分子膜15によっても、同様の結合力を得ることができる。
このように修飾が施された試料台基板10において、金原子−チオール基の強固な結合を有した絶縁層13上の脂質二分子膜15は、脂質分子の流動性が制限される。一方、微小穴14の開口部を覆う脂質二分子膜15は、絶縁層13との結合が無いために、高い流動性を維持している。
このようにして、脂質二分子膜15の流動性を局所的に制御した試料台基板10を用いれば、解析対象分子とする生体分子16は、絶縁層13上の脂質二分子膜15には取り込まれにくくなり、高い流動性を維持している微小穴14の開口部を覆う脂質二分子膜15に、選択的あるいは優先的に取り込まれる。生体分子16を選択的にあるいは優先的に微小穴14の開口部を覆う脂質二分子膜15に取り込むことができれば、供される生体分子16が少量であったとしても、供される生体分子16を無駄なく構造解析および機能解析に用いることができる。
また、本発明では、図14に示すように走査プローブ顕微鏡装置部20のカンチレバーに導電性カンチレバー22を用いることが好ましい。導電性カンチレバー22としては、シリコンやナイトライトなど素材に金などの導電性物質をコートした導電性カンチレバーを挙げることができる。
走査プローブ顕微鏡装置部20のカンチレバーに、導電性カンチレバー22を用いることにより、導電性カンチレバー22と電極12とを対向電極として、導電性カンチレバー22と電極12との間に局所的な電界を発生させることが可能となる。これにより、導電性カンチレバー22が図9に示した電極31を兼ねることができ、装置のシンプル化を図ることができる。また、生体分子16の走査プローブ顕微鏡装置部20による構造解析と、生体分子16の電気測定による機能解析とをより密接に行うことができる。
導電性カンチレバー22を用いた走査プローブ顕微鏡装置部20であれば、図15に示すように、1個の電極12に複数の微小穴14を有する試料台基板40であっても、生体分子の構造解析および機能解析を行うことができる。
導電性カンチレバー22は、その測定の際に電極12と極めて近接する位置に配置されるため、導電性カンチレバー22と電極12とこれらの間で発生する電界の範囲を、図9における電極31と電極12との間の電界の範囲より狭めることができる。ゆえに、導電性カンチレバー22を用いた図15の実施形態例では、解析対象とする生体分子16にのみに電界を集中させることができる。なお、解析対象以外の生体分子16には、測定に影響のない程度の微弱な電界しか関与しない。
従って、1個の電極12に複数個の微小穴14を有する試料台基板40を用いれば、複数の微小穴14上に配置された複数の生体分子16を選択的に解析することが可能となる。また、複数の生体分子16を連続して解析することも容易となる。さらには、各生体分子16を完全に同じ状況下で測定でき、試料台基板10の調製作業も容易になるなどの利点が挙げられる。
本発明の生体分子機能構造解析装置を用いた生体分子機能構造解析方法によると、生体分子16を含んだ仮想的な細胞膜の状態を試料台基板10の表面に実現することができるため、走査プローブ顕微鏡装置部20によって、生体分子16の機能発現に影響することなく生体分子16の構造解析ができる。さらには、上述した電気測定装置部30の電気測定による生体分子16の機能解析を組み合わせることによって、生体分子16の機能発現の識別が容易となり、機能解析と構造解析とを関連付けて解析することができる。
本発明によれば、生体分子が機能発現しうる状態のまま、その構造解析が可能であるだけでなく、電気測定による機能解析を組み合わせることにより、機能発現と構造解析とを関連付けて解析することができる。これにより、解析対象としている生体分子が機能発現している状態であるかどうかの識別を容易に行うことができる。すなわち、本発明によれば生体分子の機能発現に影響することなく生体分子の構造解析ができ、かつ生体分子の機能発現の識別が容易な生体分子機能構造解析装置および生体分子機能構造解析方法を提供できる。
本発明の生体分子機能構造解析装置の構成図。 試料台基板の部分断面模式図。 微小穴を形成したシリコンウエハの電子顕微鏡写真。 試料台基板の電極パターンの作製例を撮影した光学顕微鏡写真。 試料台基板に形成された微小穴周辺の拡大写真。 試料台基板の作製例の断面構造を模した部分断面模式図。 脂質二分子膜で覆われた試料台基板の部分断面模式図。 脂質二分子膜に生体分子が取り込まれる様子を示した概略模式図。 生体分子機能構造解析装置の一実施形態例を示した概略模式図。 電気測定装置による生体分子の測定結果を示したグラフ。 生体分子を含む脂質二分子膜で覆われた試料台基板のトポグラフィー像。 破線部分の表面の凹凸をAFM測定した断面測定グラフ。 試料台基板の表面と脂質二分子膜とが修飾された試料台基板の部分断面模式図。 本発明の生体分子機能構造解析装置の実施形態例の別形態を示す概略模式図。 本発明の生体分子機能構造解析装置の実施形態例の別形態を示す概略模式図。
符号の説明
10、40 試料台基板
11、13 絶縁層
12、31 電極
14 微小穴
15 脂質二分子膜
16 生体分子
17 緩衝液
18 金蒸着層
19 チオール化脂質
20 走査プローブ顕微鏡装置部
21 カンチレバー
22 導電性カンチレバー
30 電気測定装置部
50 基材

Claims (7)

  1. サブミクロンスケールの微小穴とその穴底に電極を有する試料台基板と、走査プローブ顕微鏡装置部と、電気測定装置部とを備えることを特徴とする生体分子機能構造解析装置。
  2. 少なくとも上記微小穴の開口部が脂質二分子膜で覆われていることを特徴とする請求項1に記載の生体分子機能構造解析装置。
  3. 上記脂質二分子膜に解析対象分子が含まれていることを特徴とする請求項2に記載の生体分子機能構造解析装置。
  4. 上記解析対象分子がチャンネル蛋白質および/または受容体蛋白質を含む生体分子であることを特徴とする請求項3に記載の生体分子機能構造解析装置。
  5. 上記試料台基板の表面および/または上記脂質二分子膜が修飾されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の生体分子機能構造解析装置。
  6. 上記走査プローブ顕微鏡装置部のカンチレバーが導電性カンチレバーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の生体分子機能構造解析装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の生体分子機能構造解析装置を用いた生体分子機能構造解析方法。
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