JP2007040606A - 帰還オイル良否判定装置および冷凍サイクル装置 - Google Patents

帰還オイル良否判定装置および冷凍サイクル装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 冷凍サイクル装置の帰還オイル量の不足を適切に判定する。
【解決手段】 圧縮機吐出容量を変更するための仮制御電流Intを算出する(S96)。算出した仮制御電流Int(低圧側情報値)と、圧縮機吐出冷媒圧力Pd(高圧側情報値)に基づいて予め定めた制御電流しきい値Indとを比較することで、帰還オイル量の不足を適切に判定する(S97)。帰還オイル量の不足が判定された場合は、圧縮機吐出容量を変更する制御電流Inを制御電流しきい値Indに変更して帰還オイル量の不足を解消する(S99)。
【選択図】 図4

Description

本発明は、冷凍サイクルの圧縮機に帰還する帰還オイル量が不足するか否かを判定する帰還オイル良否判定装置、および、この帰還オイル良否判定装置を適用した冷凍サイクル装置に関するもので、車両用空調装置に用いて好適なものである。
従来、車両用空調装置では、蒸発器の冷房熱負荷が小さい場合に、通常運転時よりも圧縮機の吐出能力を低減させて車両用空調装置の省動力化を図っている。
ところで、冷凍サイクルを循環する冷媒には圧縮機摺動部潤滑用のオイルが混合されているので、圧縮機の吐出能力が減少すると、サイクル内循環冷媒流量が減少して圧縮機へ帰還する帰還オイル量も減少する。そして、帰還オイル量が減少すると、圧縮機摺動部の潤滑不足が発生して、圧縮機の耐久性に悪影響を与えてしまう。
そこで、特許文献1では、帰還オイル量が不足する場合には、圧縮機の吐出能力を強制的に増加させ、サイクル内循環冷媒流量を増加させることで帰還オイル量の不足を解消している。また、帰還オイル量が不足するか否かを判定する帰還オイル良否判定は、蒸発器吸込空気温度Taと目標蒸発器吹出温度TEOとの差に基づいて行っている。
具体的には、Ta−TEOが所定の判定値(例えば、2℃)以下の場合に、一律に、帰還オイル量が不足すると判定している。これは、Ta−TEOが所定の判定値以下になった場合は、蒸発器の冷房熱負荷低下→圧縮機の吐出能力低減→サイクル内循環冷媒流量減少となり、帰還オイル量が不足すると推定されるからである。
特開平11−123930号公報
ところで、本発明者の検討によると、帰還オイル良否判定には、サイクル内の低圧側物理量のみならず、高圧側物理量も大きく影響することがわかった。その理由は、例えば、サイクル内の高圧圧力が変化すれば、サイクル内循環冷媒流量が変化し、帰還オイル量も変化するからである。
しかし、従来技術では、低圧側物理量に関連する蒸発器吸込空気温度Taと目標蒸発器吹出温度TEOとに基づいて帰還オイル良否判定を行っており、高圧側物理量を考慮した判定を行っていない。
このため、従来技術の帰還オイル良否判定では、例えば、高圧圧力が低い場合の帰還オイル良否判定ができるように、Ta−TEOの判定値を大きめに設定すると、高圧圧力が上昇し帰還オイル量が増加して圧縮機を十分潤滑できる場合であっても帰還オイル量が不足するものと判定してしまう。その結果、帰還オイル量が良好であっても不必要に圧縮機の吐出能力を強制的に増加させ、冷凍サイクル装置の省動力化を妨げてしまう。
さらに、高圧圧力が高い場合の帰還オイル良否判定ができるように判定値を小さめに設定すると、高圧圧力が低下し帰還オイル量が減少して圧縮機が潤滑不良となる場合であっても帰還オイル量が良好であると判定してしまう。その結果、帰還オイル量が不足しても圧縮機の吐出能力を増加させることなく運転を継続し、圧縮機の耐久性に悪影響を与えてしまう点で問題となる。
本発明では、上記点に鑑み、適切な帰還オイル良否判定を行うことを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、予め冷凍サイクル装置の低圧側物理量に関連する低圧側情報値(Int、TEOt)と高圧側物理量に関連する高圧側情報値(Pd)とに基づいて定めた帰還オイル不足領域と帰還オイル良好領域とを区分けする帰還オイル良否しきい線を記憶しており、低圧側情報値(Int、TEOt)の実際の読込値と高圧側情報値(Pd)の実際の読込値とによって決定される点が、帰還オイル不足領域に属するか否かを判定する帰還オイル良否判定装置を第1の特徴とする。
ここで、低圧側情報値(Int、TEOt)とは、低圧冷媒の圧力や温度といった物理量のみならず、低圧冷媒の圧力や温度を推定するために算出された算出値や低圧冷媒の圧力や温度を制御するために算出された制御目標値などを含むものである。高圧側情報値(Pd)も同様である。
これによれば、低圧側情報値(Int、TEOt)と高圧側情報値(Pd)とに基づいて、サイクル内の高低圧差の変化などを考慮した帰還オイル良否判定を行っているので、適切な帰還オイル良否判定を行うことができる。
また、本発明では、潤滑用のオイルが混合された冷媒を吸入および吐出する圧縮機(11)と、圧縮機(11)の吐出能力を制御するための制御信号(In)を算出する制御信号算出手段(S9)と、予めサイクル内の低圧側物理量に関連する低圧側情報値(Int、TEOt)と高圧側物理量に関連する高圧側情報値(Pd)とに基づいて定めた帰還オイル不足領域と帰還オイル良好領域とを区分けする帰還オイル良否しきい線を記憶した帰還オイル良否判定手段(S97、S906)とを備え、帰還オイル良否判定手段(S97、S906)は、低圧側情報値(Int、TEOt)の実際の読込値と高圧側情報値(Pd)の実際の読込値とによって決定される点が、帰還オイル不足領域に属するか否かによって帰還オイル量の良否を判定するようになっており、制御信号算出手段(S9)は、帰還オイル良否判定手段(S97、S906)が帰還オイル量の不足を判定したときは、制御信号(In)を、点が帰還オイル不足領域に連続的に属することを回避する値に変更する冷凍サイクル装置を第2の特徴とする。
これは、第1の特徴の発明対象を、冷凍サイクル装置に適用したもので、帰還オイル良否判定手段(S97、S906)が帰還オイル量の不足を判定すると、制御信号算出手段(S9)が制御信号(In)を変更して点が帰還オイル不足領域に連続的に属することを回避するようになっているので、圧縮機の耐久性に悪影響を与えることを防止できる。
さらに、適切な帰還オイル良否判定を行っているので、不必要に制御信号(In)を変更して圧縮機の吐出能力を強制的に増加させてしまうことを防止し、空調装置の省動力化を図ることができる。また、帰還オイル量が不足した状態で圧縮機(11)が運転されることも回避できるので、圧縮機(11)の耐久性に悪影響を与えることも防止できる。
上記第1の特徴および第2の特徴の効果を発揮させるためには、具体的には、低圧側情報値(Int、TEOt)は、冷凍サイクルの低圧圧力に関連する物理量を用いればよい。さらに、高圧側情報値(Pd)は、冷凍サイクルの高圧圧力に関連する物理量を用いればよい。
第2の特徴の効果を発揮させるために、帰還オイル不足領域に連続的に属することを回避する手段として、具体的には、制御信号(In)を、点が帰還オイル良好領域に移行する値に変更すればよい。また、制御信号(In)を、圧縮機(11)が断続的に非作動状態となる値に変更してもよい。
また、第2の特徴の効果を発揮させるために、冷媒を蒸発させて冷却能力を発揮する蒸発器(9)と、蒸発器(9)の冷却度合の目標値(TEO)を算出する目標冷却度合算出手段(S91〜S95、S901〜S905)とを備える冷凍サイクル装置にあっては、圧縮機(11)は、吐出容量の変更を行うことができる可変容量型圧縮機とし、制御信号算出手段(S9)は、制御信号として、吐出容量を変更するための制御電流(In)を算出するようになっており、制御電流(In)は、実際の冷却度合(Te)が目標値(TEO)に近づくように算出されるようにしてもよい。
そして、低圧側情報値は、実際の冷却度合(Te)が目標値(TEO)に近づくように算出された前記制御電流(In)の仮算出値(Int)とすればよい。
これによれば、低圧側情報値を制御電流(In)の仮算出値(Int)としているので、低圧側情報値を検出する手段を新設することなく、低圧側情報値を容易に把握でき、上記第2の特徴の効果を容易に発揮できる。
また、低圧側情報値は、目標値(TEO)を決定するために算出された冷却度合の仮目標値(TEOt)としてもよい。
このようにしても、低圧側情報値を冷却度合の仮目標値(TEOt)としているので、低圧側情報値を検出する手段を新設することなく、低圧側情報値を容易に把握でき、上記第2の特徴の効果を容易に発揮できる。
また、高圧側情報値は、サイクル内の高圧圧力(Pd)としてもよい。
これによれば、一般的に冷凍サイクル内の圧力異常を検知するために設けられている高圧圧力センサの出力値によって高圧側情報値を把握できるので、高圧側情報値を検出するための専用検出手段を新設する必要がなく、上記第2の特徴を容易に発揮できる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
本実施形態は本発明の冷凍サイクル装置を車両用空調装置に適用したもので、図1は車両用空調装置の全体構成を示すものである。車両用空調装置は車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)内側部等に配設される室内空調ユニット1を備えている。この室内空調ユニット1はケース2を有し、このケース2内に車室内へ向かって空気が送風される空気通路を構成する。
このケース2の空気通路の最上流部に内気導入口3および外気導入口4を有する内外気切替箱5を配置している。この内外気切替箱5内に、内外気切替手段としての内外気切替ドア6を回転自在に配置している。
この内外気切替ドア6はサーボモータ7によって駆動されるもので、内気導入口3より内気(車室内空気)を導入する内気モードと、外気導入口4より外気(車室外空気)を導入する外気モードと、内気と外気を同時に導入する半内気モードとを切り替える。
内外気切替箱5の下流側には車室内に向かって空気を送風する電動式の送風機8を配置している。この送風機8は、遠心式の送風ファン8aをモータ8bにより駆動するようになっている。送風機8の下流側には送風空気を冷却する冷却用熱交換器をなす蒸発器9を配置している。
この蒸発器9は、冷凍サイクル10を構成する要素の一つである。蒸発器9に流入した低圧の冷媒は送風機8によって送風された送風空気から吸熱して蒸発し、送風空気を冷却することができる。なお、冷凍サイクル10は蒸発器9、圧縮機11、凝縮器12、気液分離器13、膨張弁14等によって構成される。
圧縮機11は、冷媒を吸入、圧縮および吐出するものであり、プーリおよびベルトVを介して車両エンジンEの回転動力が伝達されて回転駆動される。なお、圧縮機11の詳細については後述する。
凝縮器12は、圧縮機11から吐出された冷媒と外気とを熱交換させて、冷媒を冷却する放熱器である。凝縮器12に外気を送風する送風ファン12aはモータ12bにより駆動される。凝縮器12から流出した冷媒は、冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離する気液分離器13(レシーバ)に流入する。
膨張弁14は、気液分離器13で分離された液相冷媒を減圧膨張させるものである。本実施形態では、圧縮機11に吸入される冷媒の過熱度が所定値となるように絞り開度を制御する温度式膨張弁を採用している。
減圧膨張された冷媒は蒸発器9に流入して蒸発した後、再び圧縮機11に流入する。このように、圧縮機11→凝縮器12→気液分離器13→膨張弁14→蒸発器9→圧縮機11の順で冷媒が循環する周知の冷凍サイクルが構成されている。
一方、室内空調ユニット1において、蒸発器9の下流側にはケース2内を流れる空気を加熱するヒータコア15を配置している。このヒータコア15は車両エンジン冷却水を熱源として(エンジン冷却水回路は図示せず。)、蒸発器9通過後の空気(冷風)を加熱する加熱用熱交換器である。ヒータコア15の側方にはバイパス通路16が形成され、このバイパス通路16をヒータコア15のバイパス空気が流れる。
蒸発器9とヒータコア15との間に温度調整手段をなすエアミックスドア17を回転自在に配置してある。このエアミックスドア17はサーボモータ18により駆動されて、その回転位置(開度)が連続的に調整可能になっている。
このエアミックスドア17の開度によりヒータコア15を通る空気量(温風量)と、バイパス通路16を通過してヒータコア15をバイパスする空気量(冷風量)との割合を調節し、これにより、車室内に吹き出す空気の温度を調整するようになっている。
ケース2の空気通路の最下流部には、車両の前面窓ガラスWに向けて空調風を吹き出すためのデフロスタ吹出口19、乗員の顔部に向けて空調風を吹き出すためのフェイス吹出口20、および乗員の足元部に向けて空調風を吹き出すためのフット吹出口21の計3種類の吹出口が設けられている。
これら吹出口19〜21の上流部にはデフロスタドア22、フェイスドア23およびフットドア24が回転自在に配置されている。これらのドア22〜24は、図示しないリンク機構を介して共通のサーボモータ25によって開閉操作される。
次に、圧縮機11について説明すると、本実施形態の圧縮機11は、外部からの制御信号により吐出容量を連続的に可変制御できる斜板式可変容量型圧縮機である。
具体的には、吐出冷媒圧力Pdと吸入冷媒圧力Psを利用して斜板室(図示せず。)の圧力Pcを制御することにより、斜板の傾斜角度を可変してピストンのストロークを変化させ、これにより、吐出容量を略0%〜100%の範囲で連続的に変化させる。そして、この吐出容量の変化により吐出能力を調整するものである。
ここで、吐出容量は冷媒の吸入圧縮を行う作動空間の幾何学的な容積であり、具体的には、ピストンストロークの上死点と下死点との間のシリンダ容積である。
また、本実施形態では、斜板式の可変容量型圧縮機の中でも吐出容量の変更により圧縮機11の吸入冷媒圧力Psを制御する低圧制御タイプの斜板式可変容量型圧縮機を用いている。
ここで、低圧制御タイプの斜板式可変容量型圧縮機における斜板室の圧力Pcの制御について説明すると、圧縮機11は電磁式容量制御弁11aを備えており、この電磁式容量制御弁11aは、圧縮機11の吸入冷媒圧力Psによる力を発生する圧力応動機構(図示せず。)と、この吸入冷媒圧力Psによる力と対向する電磁力を発生する電磁機構(図示せず。)とを内蔵している。
この電磁機構の電磁力は、後述する空調制御装置30から出力される制御電流Inによって決定される。そして、この吸入冷媒圧力Psに応じた力と電磁力によって変位する弁体(図示せず。)により吐出冷媒圧力Pdを斜板室に導入する割合を変化させることで、斜板室の圧力Pcを変化させている。
そして、斜板式可変容量型圧縮機においては、周知のように制御室の圧力Pcの低下→斜板の傾斜角度の増加→ピストンストロークの増加→吐出容量の増加となり、逆に、制御圧Pcの上昇→斜板の傾斜角度の減少→ピストンストロークの減少→吐出容量の減少となるように吐出容量変更機構が構成されている。
また、上記電磁力は、吸入冷媒圧力Psに応じた力と対向する力なので、電磁力を増加させると、制御室の圧力Pcも低下して圧縮機11の吐出容量が増加する。よって、電磁力によって圧縮機11吸入冷媒の目標低圧Pstが決定されることになる。
さらに、電磁力は電磁式容量制御弁11aの電磁機構に供給される制御電流Inに応じて決定されるから、図2に示すように、制御電流Inの増加に応じて圧縮機11吸入冷媒の目標低圧Pstが低下する関係となる。
なお、制御電流Inは具体的には電流制御回路の構成上、デューティ制御により変化させる方式とするのが通常であるが、制御電流Inの値をデューティ制御によらず直接、連続的(アナログ的)に変化させてもよい。
また、圧縮機11では制御圧Pcの調整により吐出容量を100%から略0%付近まで連続的に変化させることができるので、吐出容量を略0%付近に減少することにより、圧縮機11が実質的に作動停止状態にすることができる。従って、本実施形態では、圧縮機11の回転軸をプーリ、ベルトVを介して車両エンジンに常時連結するクラッチレスの構成となっている。もちろん、電磁クラッチを介して車両エンジンから動力を伝達できるようにしてもよい。
次に、本実施形態の電気制御部の概要を説明すると、空調制御装置30は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。この空調制御装置30は、そのROM内に空調装置制御プログラムを記憶しており、その空調装置制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行う。
空調制御装置30の入力側には空調用センサ群31〜36からセンサ検出信号が入力され、また、車室内前部の計器盤付近に配置される空調操作パネル37に設けられた各種空調操作スイッチ38〜43から操作信号が入力される。
空調用センサ群としては、具体的には、外気温Tamを検出する外気センサ31、内気温Trを検出する内気センサ32、車室内に入射する日射量Tsを検出する日射センサ33、蒸発器9の空気吹出部に配置されて蒸発器吹出空気温度Teを検出する蒸発器温度センサ34、ヒータコア15に流入するエンジン冷却水温度Twを検出する水温センサ35、圧縮機11から吐出される吐出冷媒圧力Pdを検出する高圧圧力センサ36等が設けられる。
ここで、本実施形態では、蒸発器温度センサ34の検出値である蒸発器吹出空気温度Teは、蒸発器9の冷却度合を示す値である。なお、蒸発器9の冷却度合を示す値として、蒸発器9の熱交換部構成部品(例えば、熱交換部フィン)の温度を検出して用いてもよい。
また、高圧圧力センサ36の検出値である吐出冷媒圧力Pdは高圧側情報値となる。また、高圧圧力センサ36は、冷凍サイクル内の圧力異常を検知するために設けられており、高圧圧力センサ36の検出値Pdを高圧側情報値として利用すれば、高圧側情報値を検出するための専用検出手段を新設する必要がない。
また、空調操作パネル37には各種空調操作スイッチとして、吹出モードドア22〜24により切り替わる吹出モードをマニュアル設定する吹出モードスイッチ38、内外気切替ドア6による内外気吸込モードをマニュアル設定する内外気切替スイッチ39、圧縮機11の作動指令信号を出すエアコンスイッチ40、送風機8の風量をマニュアル設定する送風機作動スイッチ41、空調自動制御状態の指令信号を出すオートスイッチ42、および車室内温度を設定する温度設定手段をなす温度設定スイッチ43等が設けられる。
空調制御装置30の出力側には、圧縮機11の電磁式容量制御弁11a、各機器の電気駆動手段をなすサーボモータ7、18、25、送風機8のモータ8b、および凝縮器冷却ファン12aのモータ12bが接続され、これらの機器の作動が空調制御装置30の出力信号により制御される。
次に、本実施形態において、空調制御装置30が実行する制御処理を図3のフローチャートに基づいて説明する。この制御ルーチンは、図示しない車両エンジンのイグニッションスイッチの投入状態においてオートスイッチ42が投入されるとスタートする。
先ず、ステップS1ではフラグ、タイマ等の初期化がなされ、次のステップS2で空調操作パネル37の操作信号を読込む。そして、次のステップS3で、車両環境状態の信号、すなわち、センサ群31〜36により検出された検出信号を読込む。
次に、ステップS4にて、車室内吹出空気の目標吹出温度TAOを算出する。この目標吹出温度TAOは空調熱負荷変動、車室内温度(内気温)Trおよび温度設定スイッチ43により設定した設定温度Tsetに基づいて、下記数式E1により算出される。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C…(E1)
ここで、Trは内気センサ32により検出される内気温、Tamは外気センサ31により検出される外気温、Tsは日射センサ33により検出される日射量、Kset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインおよびCは補正用の定数である。
次に、ステップS5にて、送風機8により送風される空気の目標送風量を決定する。具体的にはモータ8bに印加するブロワモータ電圧をTAOに基づいて、あらかじめ空調用制御装置30に記憶された制御マップを参照して決定する。
本実施形態では、TAOの極低温域(最大冷房域)および極高温域(最大暖房域)でブロワモータ電圧を最大値付近の高電圧にして、送風機8の風量を最大風量付近に制御する。また、TAOが極低温域から中間温度域に向かって上昇すると、TAOの上昇に応じてブロワモータ電圧を減少して、送風機8の風量を減少させる。さらに、TAOが極高温域から中間温度域に向かって低下すると、TAOの低下に応じてブロワモータ電圧を減少して、送風機8の風量を減少させる。また、TAOが所定の中間温度域内に入ると、ブロワモータ電圧を最小値にして送風機8の風量を最小値にするようになっている。
次に、ステップS6にて、内外気モードを決定する。この内外気モードもTAOに基づいて、あらかじめ空調制御装置30に記憶された制御マップを参照して決定する。本実施形態では、設定温度Tsetに対して内気温Trが所定温度以上に高いとき(冷房高負荷時)に内気モードとし、TAOが低温側から高温側へ上昇するにつれて、全内気モード→内外気混入モード→全外気モードと切り替える。
次に、ステップS7にて、吹出モードを決定する。この吹出モードも、TAOに基づいて、あらかじめ空調用制御装置30に記憶された制御マップを参照して決定する。本実施形態では、TAOが低温域から高温域へと上昇するにつれて吹出モードをフットモード→バイレベル(B/L)モード→フェイスモードへと順次切り替える。
次に、ステップS8にて、エアミックスドア17の目標開度SWを上記TAO、蒸発器吹出空気温度Te(蒸発器温度センサ34の検出温度)、及びエンジン冷却水温度Tw(水温センサ35の検出温度)に基づいて次の数式E2により算出する。
SW=〔(TAO−Te)/(Tw−Te)〕×100(%)…(E2)
なお、SW=0(%)は、エアミックスドア17の最大冷房位置であり、バイパス通路16を全開し、ヒータコア15側の通風路を全閉する。これに対し、SW=100(%)は、エアミックスドア17の最大暖房位置であり、バイパス通路16を全閉し、ヒータコア15側の通風路を全開する。
次に、ステップS9にて、圧縮機11の吐出容量を決定する。具体的には電磁式容量制御弁11aへ供給する制御電流Inを算出する。ステップS9の詳細は図4により説明する。
まず、ステップS91〜S95は本実施形態における目標冷却度合算出手段であり、蒸発器9の冷却度合の目標値である目標蒸発器吹出温度TEOを算出する。この目標蒸発器吹出温度TEOは、蒸発器9にて冷却される車室内吹出空気の目標値であり、車室内吹出空気の温度調整を行うために必要な温度である。
まず、ステップS91にて、第1目標蒸発器吹出温度TEO1を決定する。具体的には、目標吹出温度TAOに基づいて、あらかじめ空調用制御装置30に記憶された図5に示す制御マップを参照して決定する。本実施形態では、前述の如くTAOの低下に伴ってTEO1が低下するようになっている。
次に、ステップS92で、第2目標蒸発器吹出温度TEO2を決定する。具体的には、外気温Tamに基づいて、あらかじめ空調用制御装置30に記憶された図6に示す制御マップを参照して決定する。本実施形態では、低温域では、窓ガラスW曇り防止のために除湿能力確保が必要となるので、TEO2を外気温Tamの低下とともに低下させる。また、中間温度域では冷房、除湿の必要性が低下するので、TEO2を上昇させる。さらに、高温域では冷房能力確保のため、TEO2を外気温度Tamの上昇とともに低下させている。
ここで、図5、6に示すTEOmnは、蒸発器9への着霜を防止するために設定された目標蒸発器吹出温度TEOの下限値であり、本実施形態では、TEOmnは3(℃)としている。
次に、ステップS93〜S95では、上記TEO1、TEO2のうち、低い温度の方を目標蒸発器吹出温度TEOと決定してステップS96へ進む。このように決定することで、車室内吹出空気の冷房および除湿を行うために必要なTEOが決定される。
次に、ステップS96にて、電磁式容量制御弁11aに供給する制御電流Inの仮算出値となる仮制御電流Intを算出する。この仮制御電流Intは本実施形態における低圧側情報値である。具体的には、Intは蒸発器吹出空気温度Teと目標蒸発器吹出温度TEOとの偏差En(En=Te−TEO)を算出し、この偏差Enに基づいてTeをTEOに近づけるようにIntを比例積分制御(PI制御)などによるフィードバック制御手法にて算出する。
次に、ステップS97にて、仮制御電流Intと高圧冷媒圧力Pdに基づいて帰還オイル良否判定を行う。具体的には、仮制御電流Intが帰還オイル良否しきい値を示す制御電流しきい値Ind以下であれば、帰還オイル量が不足すると判定する。
ここで、制御電流しきい値Indと帰還オイル良否判定について説明する。冷凍サイクル装置のサイクル内冷媒循環流量は圧縮機11に吸入される吸入冷媒圧力Psと、圧縮機11から吐出される吐出冷媒圧力Pdに基づいて、おおよそ把握することができる。また、サイクル内冷媒循環流量によって帰還オイル量が決定するので、サイクル内循環流量を把握することで、適切な帰還オイル良否判定を行うことができる。
そこで、吐出冷媒圧力Pdと吸入冷媒圧力Psの取りうる範囲において、帰還オイル不足領域を試験により予め調査しておく。本発明者の検討によれば、本実施形態の車両用空調装置では、この帰還オイル不足領域は図7の斜線部に示す範囲になることがわかっている。
ここで、図7に示す帰還オイル良否しきい線は、帰還オイル不足領域と帰還オイル良好領域とを区分けするもので、近似関数f1を用いて式E3の如く表すことができる。
Ps=f1(Pd)…(E3)
一方、前述の如く、低圧制御タイプの圧縮機11においては、制御電流Inと目標低圧Pstには図2に示す関係がある。そして、制御電流Inによって決定される目標低圧Pstに近づくように実際の吸入冷媒圧力Psが変化するので、目標低圧Pstは吸入冷媒圧力Psとほぼ等しい値をとなる。よって、吸入冷媒圧力Psと制御電流Inも図2に示す関係となる。
ここで、帰還オイル良否しきい線上の吸入冷媒圧力Psに対する制御電流Inを制御電流しきい値Indとすると、PsとIndは近似関数f2を用いて式E4のように表すことができる。
Ps=f2(Ind)…(E4)
そして、式E3と式E4を解くことによって、図8に示すように、制御電流しきい値Indと吐出冷媒圧力Pdに基づいて帰還オイル良否しきい線を式E5に示す関数g1を用いて決定することができる。
Ind=g1(Pd)…(E5)
さらに、空調制御装置30には予め式E5が記憶されており、ステップS3で読込んだ吐出冷媒圧力Pdに基づいて制御電流しきい値Indを決定することができる。そして、制御電流しきい値IndとステップS96で決定した仮制御電流Intとを比較することで、帰還オイル量が不足するか否かを判定ができる。つまり、Int≧Indであれば、帰還オイル良好領域であり、Int<Indであれば、帰還オイル不足領域である。
従って、ステップS97では、予め定めた帰還オイル不足領域と帰還オイル良好領域とを区分けする帰還オイル良否しきい線である式E5に基づいて、低圧側情報値Intと高圧側情報値Pdとによって決定される点が、帰還オイル不足領域に属するか否かを判定することになる。
ステップS97で帰還オイル良好領域に属する判定された場合は、ステップS98に進み最終的に電磁式容量制御弁11aに出力する制御電流InをIntとして、ステップS10へ進む。また、ステップS97で帰還オイル不足領域に属すると判定された場合は、ステップS99に進み、制御電流InをIndとする。
次に、ステップS10に進み、上記ステップS5〜S9で決定された制御状態が得られるように、空調制御装置30より各種アクチュエータの駆動装置(11a、7、18、25、8b、12b)に対して出力信号が出力される。次のステップS11で制御周期τの間待機し、制御周期τの経過を判定するとステップS2に戻るようになっている。
以上のような制御によって、低圧側情報値(Int)と高圧側情報値(Pd)とに基づいて、適切な帰還オイル良否判定を行うことができ、帰還オイル量の不足する場合は、制御電流Inを、帰還オイル量が良好なるように変更しているので、圧縮機11の耐久性に悪影響を与えることがない。
さらに、適切な帰還オイル良否判定を行っているので、不必要に制御電流Inを増加させて圧縮機11の吐出流量を増加させることがなく、空調装置の省動力化を図ることもできる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、低圧側情報値として仮制御電流Intを用いて帰還オイル良否判定を行ったが、本実施形態では、低圧側情報値として仮目標蒸発器吹出温度TEOtを用いて帰還オイル良否判定を行う。このTEOtは、蒸発器9の冷却度合の目標値となる目標蒸発器吹出温度TEOを決定するための仮目標値である。
このため、図3のステップS9(圧縮機吐出容量決定)の制御処理内容が図9に示すように変更されている。その他の構成および空調制御装置30の制御は第1実施形態と同様である。
本実施形態における、空調制御装置30が実行するステップS9の制御処理について図9により説明する。まず、ステップS901〜S905において、蒸発器9の冷却度合の仮目標値TEOtが算出される。ステップS901〜S905は本実施形態における目標冷却度合算出手段であり、第1実施形態のステップS91〜S95の制御処理によってTEOtが算出される。
次に、ステップS906にて、TEOtと高圧冷媒圧力Pdに基づいて帰還オイル良否の判定を行う。具体的には、TEOtが帰還オイル良否しきい値を示す目標蒸発器吹出温度しきい値TEOd以上であれば、帰還オイル不足状態と判定される。
ここで、目標蒸発器吹出温度しきい値TEOdと帰還オイル良否判定について説明する。第1実施形態と同様に、帰還オイル良否しきい線は吐出冷媒圧力Pdと吸入冷媒圧力Psによって前述の式E3の如く表わすことができる。
ところで、蒸発器9における冷媒蒸発温度Tevと冷媒圧力は冷媒の飽和蒸気圧特性に基づいて決定され、蒸発器9における冷媒圧力は圧縮機11の吸入圧である吸入冷媒圧力Psに等しいので、冷媒蒸発温度Tevと吸入冷媒圧力Psは図10に示すような関係がある。よって、冷媒蒸発温度Tevと吸入冷媒圧力Psは近似関数f3を用いて式E6のように表すことができる。
Tev=f3(Ps)…(E6)
また、後述するステップS908にて蒸発器吹出空気温度Teが目標蒸発器吹出温度TEOに近づくように制御電流Inを決定するので、冷媒蒸発温度Tevと目標蒸発器吹出温度TEOはほぼ等しい値となる。よって、式E3と式E6を解くことによって、図11に示すように、目標蒸発器吹出温度しきい値TEOdと吐出冷媒圧力Pdとの関係は近似関数g2を用いて式E7のように表すことができる。
TEOd≒Tev=g2(Pd)…(E7)
さらに、空調制御装置30には予め式E7が記憶されており、ステップS3で読込んだ吐出冷媒圧力Pdに基づいて目標蒸発器吹出温度しきい値TEOdを決定することができる。そして、TEOdとステップS901〜905で決定した仮目標蒸発器吹出温度TEOtとを比較することで、帰還オイル量が不足するか否かを判定することができる。つまり、TEOt≦TEOdであれば、帰還オイル良好領域であり、TEOt>TEOdであれば、帰還オイル不足領域である。
従って、ステップS906では、予め定めた帰還オイル不足領域と帰還オイル良好領域とを区分けする帰還オイル良否しきい線である式E7に基づいて、低圧側情報値TEOtと高圧側情報値Pdとによって決定される点が、帰還オイル不足領域に属するか否かを判定することになる。
ステップS906で帰還オイル良好領域に属すると判定された場合は、ステップS907に進み最終目標値として目標蒸発器吹出温度TEOをTEOtとし、ステップS908へ進む。ステップS908では、第1実施形態のステップS96と同様に、蒸発器吹出空気温度TeをTEOに近づけるように制御電流Inを決定する。
また、ステップS906で帰還オイル不足状態であると判定された場合は、ステップS909に進む。ここで、帰還オイル不足状態を回避するためには、最終目標値である目標蒸発器吹出温度TEOを目標蒸発器吹出温度しきい値TEOd以下にすればよいが、前述の如く、TEOには着霜を防止するために下限値TEOmnが設定されているため、帰還オイル不良領域であって、TEOd<TEOmnとなる領域(図11の細斜線部)に該当するとTEOをTEOdに変更することができない。
そこで、本実施形態では、ステップS909にて、圧縮機11の擬似的な断続運転を実行する。具体的には、図12に示すように、オイル帰還不足状態であると判定されると、制御電流Inが0(A)になるように制御し、冷媒吐出容量を略0%として圧縮機11を非作動状態とする。
そして、蒸発器吹出空気温度Teが仮目標蒸発器吹出温度TEOt+αまで上昇した場合は、TEOをTEOtに変更して、ステップS908と同様に制御電流Inを算出して圧縮機11を作動状態にする。圧縮機11が作動状態となりTeがTEOまで低下した場合には再びTEOを制御電流Inが0(A)となるように制御する。ここで、αはハンチング防止のためのヒステリシス幅で、本実施形態では1℃としている。
このように圧縮機11の擬似的な断続運転を実行することにより、断続的に圧縮機11を非作動状態として帰還オイル良好領域に移行させ、さらに、帰還オイル不足領域での圧縮機11の連続運転を回避することができるので、圧縮機11の耐久性に悪影響を与えないようにすることができる。もちろん、圧縮機11に電磁クラッチを介して、エンジン動力を伝達する場合は、電磁クラッチの通電状態と非通電状態を切替えて同様の断続制御を行っても良い。
上記のような制御によっても、低圧側情報値(TEOt)と高圧側情報値(Pd)とに基づいて、帰還オイル良否判定を精度良く行うことができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(その他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、圧縮機11として斜板式可変容量型圧縮機を用いているが、外部からの信号によりサイクル内冷媒循環流量を変更できる他の形式の圧縮機を用いてもよい。例えば、電動式圧縮機を用いて、回転数を変更することでサイクル内冷媒循環流量を変更できるようにしてもよい。
(2)上述の実施形態では、低圧側情報値として圧縮機11の電磁式容量制御弁11aの仮制御電流Intおよび仮目標蒸発器吹出温度TEOtを用いているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、圧縮機11の吸入冷媒圧力Psを直接検出して用いても良い。さらに、蒸発器吹出空気温度Te、蒸発器熱交換用フィン温度などを用いても良い。
例えば、圧縮機11の吸入冷媒圧力Psを直接検出して低圧側情報値とし、高圧冷媒圧力Pdを高圧側情報値とし、帰還オイル良否しきい線として式E3を用いても、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(3)上述の実施形態では、高圧側情報値として圧縮機11の吐出冷媒圧力Pdを直接検出して用いているが、圧縮機11の回転数を検出して、吐出容量と圧縮機11吸入圧力から吐出冷媒圧力Pdを推定して用いてもよい。
(4)上記の実施形態では、空調制御装置30に帰還オイル良否判定手段を構成しているが、空調制御装置30とは別体に同様の判定を行う帰還オイル良否判定装置を設けても良い。
この場合は、帰還オイル良否判定装置の入力側には、空調制御装置30から制御電流Inと吐出冷媒圧力Pdが入力される。もちろん、空調制御装置30を介さずに、吐出冷媒圧力Pdを直接入力してもよい。さらに、出力側には、電磁式容量制御弁11aが接続され、電磁式容量制御弁11aはオイル良否判定装置の出力する制御電流In2により制御される。
帰還オイル良否判定装置は、入力された制御電流Inを低圧側情報値として用い、吐出冷媒圧力Pdを高圧側情報値として用いて第1実施形態と同様に、圧縮機11の帰還オイル量が不足するか否かを判定する。
そして、帰還オイル不足状態になっていることを判定した時は、最終算出値である制御電流In2を第1実施形態と同様に制御電流しきい値Indに変更して、電磁式容量制御弁11aに出力すればよい。さらに、帰還オイル良好状態であれば制御電流In2をInと同じ値にして出力すればよい。
第1実施形態の全体構成図である。 第1実施形態の制御電流と目標低圧との関係を示す特性図である。 第1実施形態の空調制御装置の制御を示すフローチャートである。 第1実施形態の空調制御装置の制御の要部を示すフローチャートである。 第1実施形態の第1冷却目標温度を決定するための特性図である。 第1実施形態の第2冷却目標温度を決定するための特性図である。 吐出冷媒圧力と吸入冷媒圧力により帰還オイル良否しきい線を示す説明図である。 吐出冷媒圧力と仮制御電流により帰還オイル良否しきい線を示す説明図である。 第2実施形態の空調制御装置の制御の要部を示すフローチャートである。 吸入冷媒圧力と冷媒蒸発温度との関係を示す特性図である。 吐出冷媒圧力と仮目標蒸発器吹出温度により帰還オイル良否しきい線を示す説明図である。 第2実施形態の圧縮機擬似断続運転を説明する説明図である。
符号の説明
9…蒸発器、11…圧縮機、11a…電磁式容量制御弁、30…空調制御装置。

Claims (6)

  1. 潤滑用オイルが混合された冷媒を循環させる冷凍サイクル装置に用いられ、前記冷凍サイクル装置の圧縮機(11)に帰還する帰還オイル量の良否を判定する帰還オイル良否判定装置であって、
    予め前記冷凍サイクル装置の低圧側物理量に関連する低圧側情報値(Int、TEOt)と高圧側物理量に関連する高圧側情報値(Pd)とに基づいて定めた帰還オイル不足領域と帰還オイル良好領域とを区分けする帰還オイル良否しきい線を記憶しており、
    前記低圧側情報値(Int、TEOt)の実際の読込値と前記高圧側情報値(Pd)の実際の読込値とによって決定される点が、前記帰還オイル不足領域に属するか否かを判定することを特徴とする帰還オイル良否判定装置。
  2. 潤滑用のオイルが混合された冷媒を吸入および吐出する圧縮機(11)と、
    前記圧縮機(11)の吐出能力を制御するための制御信号(In)を算出する制御信号算出手段(S9)と、
    予めサイクル内の低圧側物理量に関連する低圧側情報値(Int、TEOt)と高圧側物理量に関連する高圧側情報値(Pd)とに基づいて定めた帰還オイル不足領域と帰還オイル良好領域とを区分けする帰還オイル良否しきい線を記憶した帰還オイル良否判定手段(S97、S906)とを備え、
    前記帰還オイル良否判定手段(S97、S906)は、前記低圧側情報値(Int、TEOt)の実際の読込値と前記高圧側情報値(Pd)の実際の読込値とによって決定される点が、前記帰還オイル不足領域に属するか否かによって帰還オイル量の良否を判定するようになっており、
    前記制御信号算出手段(S9)は、前記帰還オイル良否判定手段(S97、S906)が帰還オイル量の不足を判定したときは、前記制御信号(In)を、前記点が帰還オイル不足領域に連続的に属することを回避する値に変更することを特徴とする冷凍サイクル装置。
  3. 冷媒を蒸発させて冷却能力を発揮する蒸発器(9)と、
    前記蒸発器(9)の冷却度合の目標値(TEO)を算出する目標冷却度合算出手段(S91〜S95、S901〜S905)とを備え、
    前記圧縮機(11)は、吐出容量の変更を行うことができる可変容量型圧縮機であって、
    前記制御信号算出手段(S9)は、前記制御信号として、前記吐出容量を変更するための制御電流(In)を算出するようになっており、
    前記制御電流(In)は、実際の冷却度合(Te)が前記目標値(TEO)に近づくように算出されることを特徴とする請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記低圧側情報値は、前記実際の冷却度合(Te)が前記目標値(TEO)に近づくように算出された前記制御電流(In)の仮算出値(Int)であることを特徴とする請求項3に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記低圧側情報値は、前記目標値(TEO)を決定するために算出された前記冷却度合の仮目標値(TEOt)であることを特徴とする請求項3に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記高圧側情報値は、前記サイクル内の高圧圧力(Pd)であることを特徴とする請求項2ないし5のいずれ1つに記載の冷凍サイクル装置。

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