JP2007040420A - 駆動軸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】所要の接合強度を小さなかしめ力で得ることのできるかしめを利用した駆動軸の製造方法を提供する。
【解決手段】本駆動軸の製造方法では、自在継手ヨーク11,13の嵌合孔11c,13cに第1および第2の軸部材5,6をセレーション嵌合してかしめ接合する。その後、スプライン嵌合工程で、各自在継手ヨーク11,13にそれぞれ嵌合固定された第1および第2の軸部材5,6を、互いにスプライン嵌合させる。かしめ接合が、一対の軸部材5,6のスプライン嵌合の前であるので、かしめ接合の作業の手間を軽減できる。かしめ接合する際に、第2の軸部材6の端面6cの周縁近傍に、かしめ治具33のかしめパンチ35を押し込み、第2の軸部材6の外周面6fの円周方向溝19よりも端面6c側にある余肉36を径方向外方へ拡げてかしめ、接合強度を高くできる。
【選択図】 図6

Description

この発明は、自動車のステアリング装置のインターミディエイトシャフト等の駆動軸の製造方法に関する。
上述のインターミディエイトシャフトは、例えば、一端同士が互いにスプライン嵌合された一対の軸部材と、これら一対の軸部材の他端にそれぞれ固定された一対の自在継手ヨークとを有している。
従来の駆動軸の製造方法として、自在継手ヨークと、対応する軸部材の他端とを、かしめにより互いに接合する製造方法がある(例えば、特許文献1,2参照。)。
特許文献1では、一方の軸部材は、中空軸からなる。この軸部材の他端の外周が、対応する自在継手ヨークの筒状の端部に嵌め込まれていて、軸部材の他端の内周に軸部材とは別体のプラグが嵌め込まれている。このプラグがかしめパンチでかしめられることにより、軸部材と自在継手ヨークとが接合される。
特許文献2では、一方の軸部材は、中実軸からなり、その他端の外周が円筒面に形成されている。この軸部材の他端の外周が、自在継手ヨークの筒状の端部に嵌め込まれている。軸部材の他端がかしめパンチでかしめられて拡径されることにより、軸部材と自在継手ヨークとが接合される。
特開平10−267040号公報 特開2002−295504号公報
しかし、特許文献1では、かしめ接合の際に、軸部材と自在継手ヨークとが、プラグを介してかしめられるので、かしめパンチからのかしめ力が、軸部材に伝わり難い。その結果、かしめによる接合強度を所要値で得るために、大きなかしめ力が必要とされている。大きなかしめ力が必要な場合には、利用可能な加工設備が限定されるので、生産数量の増加に柔軟に対応し難く、また、製造コストが高くなる傾向にある。
また、特許文献2では、一方の軸部材の他端の外周面が円筒面からなるので、軸部材がかしめパンチでかしめられたときに軸部材が変形し難い。その結果、かしめによる接合強度を所要値で得るために、大きなかしめ力が必要とされている。
そこで、この発明の目的は、所要の接合強度を小さなかしめ力で得ることのできるかしめを利用した駆動軸の製造方法を提供することである。
本発明は、一対の自在継手ヨークと、各自在継手ヨークの嵌合孔にそれぞれ嵌合固定され互いに軸方向に伸縮自在に嵌合された一対の軸部材とを備える駆動軸を製造する方法であって、各軸部材を対応する自在継手ヨークの嵌合孔にセレーション嵌合するセレーション嵌合工程と、対応する自在継手ヨークにセレーション嵌合された各軸部材を、対応する自在継手ヨークにかしめ接合するかしめ接合工程と、対応する自在継手ヨークにかしめ接合された一対の軸部材を、軸方向に相対移動自在に嵌合させる嵌合工程とを備え、上記かしめ接合工程において、少なくとも一方の軸部材の端面の周縁近傍に、対応するかしめ治具のかしめパンチを押し込み、当該軸部材の外周面の円周方向溝よりも端部側にある余肉を径方向外方へ拡げてかしめることを特徴とする。この発明によれば、かしめ接合工程では、かしめパンチを押し込んだときに、円周方向溝がない場合に比べて、例えば等しいかしめ力での余肉の変形量を大きくできるので、自在継手ヨークと軸部材とを確実に接合することができる。従って、自在継手ヨークと軸部材との所要の接合強度を小さなかしめ力で得ることができる。また、かしめ接合工程では、まだ一対の軸部材は互いに嵌合されていない。この状態であれば、例えば一方の自在継手ヨークと対応する軸部材とをかしめ接合する場合において、かしめ接合される端部とは反対側の当該軸部材の端部を受けて容易に保持することができ、かしめ接合の作業の手間を軽減することができる。
また、本発明において、上記セレーション嵌合工程の前に、各軸部材を形成するための素材の端部の外周にプレス成形によりセレーションを形成する工程を含む場合がある。この場合、セレーションをコスト安価に形成することができる。例えば、軸部材の形成と、セレーションの形成とを単一の工程で行うことが可能となる。また、セレーションの歯が、歯筋の延びる方向について先細りになっているので、スムーズにセレーション嵌合することができる。
また、本発明において、上記一対の軸部材の少なくとも一方は、中空の軸部材を含み、上記かしめ接合工程において、中空の軸部材の端部へのかしめパンチの押し込みに先立って中空の軸部材の端部の内径を押し拡げるための拡径軸を含むかしめ治具が用いられる場合がある。この場合、拡径軸が軸部材の端部の内径を押し拡げると、軸部材の端部の外径が拡径し、自在継手ヨークと軸部材との嵌合隙間が小さくなる。その結果、かしめ接合による接合強度をより一層高めることができる。また、拡径軸による拡径加工とかしめパンチによるかしめ加工とを、かしめ治具を押し込みながら一括して単一工程で実施でき、かしめ接合の手間の増加を防止できる。
また、本発明において、上記セレーション嵌合工程の前に、各軸部材を形成するための素材の端部の外周にプレス成形によりセレーションを形成する工程を備え、この工程では、少なくとも一方の軸部材と対応する自在継手ヨークの嵌合孔のセレーションの歯数Nは、第1および第2の自在継手ヨーク間で許容される位相角の公差を第1の公差2Aとし、第1の自在継手ヨークおよびこれに接合される一方の軸部材の間に許容される位相角の公差、一対の軸部材間に許容される位相角の公差、並びに他方の軸部材および第2の自在継手ヨークの間に許容される位相角の公差の総和を第2の公差2Bとして、次式(1) を満足する整数に設定され、式(1) は、N≧360/(2A+2B)である場合がある。この場合、セレーションの歯数Nが上記の整数とされたセレーション嵌合において、互いに噛み合う歯同士を、例えば1歯ずらすことで、自在継手ヨークと軸部材との位相角をわずかな角度で微調整することができる。その結果、第1および第2の自在継手ヨークの位相角を、その公差範囲内に確実に調整することができる。従って、第1および第2の自在継手ヨークの位相角が互いに異なる複数の仕様の駆動軸を製造するのに、共通の部品にて対応することが可能となる。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態では、駆動軸の製造方法を、駆動軸が自動車のステアリング装置のインターミディエイトシャフトである場合に則して説明するが、本発明はこれに限らず、例えば、駆動軸が各種機械等の動力伝達軸である場合の駆動軸の製造方法に適用することもできる。
図1は、本発明の実施形態の製造方法が適用される駆動軸としてのインターミディエイトシャフトの斜視図である。
インターミディエイトシャフト1は、伸縮自在シャフト2と、第1の自在継手3と、第2の自在継手4とを有する。伸縮自在シャフト2の中心軸線2aに沿う方向である軸方向Sについて、伸縮自在シャフト2の一方の端部に第1の自在継手3が設けられ、伸縮自在シャフト2の他方の端部に第2の自在継手4が設けられている。
伸縮自在シャフト2は、互いに同心に嵌め合わされる外軸としての第1の軸部材5および内軸としての第2の軸部材6を有する。第1および第2の軸部材5,6は、伸縮自在シャフト2の軸方向に沿って延びている。
第1の軸部材5は、筒状をなす中空軸であり、軸方向Sの第1および第2の端部5a,5bを有する。
第2の軸部材6は、内部が詰まった中実軸であり、軸方向Sの第1および第2の端部6a,6bを有する。ただし、第2の軸部材6としては、中空軸を用いてもよい。
第1の軸部材5と、第2の軸部材6とは、互いに同心にスプライン嵌合されていて、トルク伝達可能に且つ伸縮自在シャフト2の軸方向に互いに相対移動自在に接続されている。これにより、伸縮自在シャフト2が全体として伸縮自在である。
具体的には、第1および第2の軸部材5,6は、ボールスプライン継手を介して接続されている。第1の軸部材5の内周には、第1の軸部材5の軸方向に延びるスプライン係合部としての2つの第1の軌道溝7(一部のみ図示。)が互いに中心軸線2aを挟んだ反対側に設けられている。第2の軸部材6の外周には、第2の軸部材6の軸方向に延びるスプライン係合部としての2つの第2の軌道溝8(一部のみ図示。)が互いに中心軸線2aを挟んだ反対側に設けられている。
2つの第1の軌道溝7と2つの第2の軌道溝8とは、対応するもの同士が、互いに対向して配置されている。互いに対応する軌道溝7,8の間に、転動可能な複数の転動体としてのボール9が介在している。なお、図1には、2つの第1の軌道溝7のうちの一方と、2つの第2の軌道溝8のうちの一方と、その間のボール9とが図示されている。
第1の自在継手3は、自在継手ヨーク10と、自在継手ヨーク11と、十字軸12とを有する。十字軸12は、4つの軸部を有し、自在継手ヨーク10と、自在継手ヨーク11とを揺動可能に連結している。
第2の自在継手4は、自在継手ヨーク13と、自在継手ヨーク14と、十字軸15とを有する。十字軸15は、4つの軸部を有し、自在継手ヨーク13と、自在継手ヨーク14とを揺動可能に連結している。
自在継手ヨーク10は、互いに対向する一対のアーム10aと、一対のアーム10aを接続した接続部10bとを有していて、プレス成形されてなる。各アーム10aには、軸受孔(図示せず)が形成されている。軸受孔に、十字軸12の軸部が回動自在に嵌め入れられている。接続部10bは、嵌合孔(図示せず)を有する。この嵌合孔には、例えばステアリングシャフト(図示せず)が接続される。
図2は、図1に示すインターミディエイトシャフト1の要部を模式的に図示した分解図である。
自在継手ヨーク11は、互いに対向する一対のアーム11aと、一対のアーム11aを接続した接続部11bとを有していて、プレス成形されてなる。各アーム11aには、軸受孔(図示せず)が形成されている。軸受孔に、十字軸12(図1参照)の軸部が回動自在に嵌め入れられている。
図2を参照して、接続部11bは、筒形状に形成されている。接続部11bには、嵌合孔11cが形成されている。嵌合孔11cは、接続部11bの筒形状の中心軸線が延びる方向に沿って延びていて、接続部11bを貫通している。嵌合孔11cの内周面に、セレーション16が形成されている。セレーション16は、アーム11aとは反対側にある開口端から軸方向に所定長さで延びる複数のセレーション歯を有している。セレーション歯の歯数は、後述する歯数Nである。自在継手ヨーク11の接続部11bの嵌合孔11cに、第1の軸部材5の第1の端部5aが同心に嵌め込まれて、セレーション嵌合されて、固定状態で接続されている。
第1の軸部材5の第1の端部5a側の部分は、円筒形状に形成され、第1の軸部材5の第2の端部5b側から所定距離の部分は、断面矩形の筒形状に形成されている。第1の軸部材5は、プレス成形されてなる。第1の軸部材5は、S45C等の高炭素鋼により形成され、軌道溝7は高周波焼き入れ処理を施されてなる。焼き入れ処理には、高炭素鋼が必要であるが、この高炭素鋼は、溶接には適していない。そこで、本実施形態では、第1の軸部材5と自在継手ヨーク11とは、かしめにより接合されている。
第1の軸部材5の第1の端部5aの外周には、セレーション17が形成されている。セレーション17は、端面5cから軸方向に所定長さで延びる複数のセレーション歯を有している。このセレーション17の歯数は、自在継手ヨーク11のセレーション16と同じ歯数Nである。セレーション17は、セレーション16と圧入状態で噛み合っていて、第1の軸部材5は、自在継手ヨーク11とかしめにより抜け止めされている。
また、本実施形態では、第1の軸部材5の第1の端部5aの外周には、円周方向溝50が形成されている。円周方向溝50は、セレーション17のセレーション歯を横切って、無端状に周方向に延びている。円周方向溝50は、端面5cから軸方向に所定距離を離れて位置している。円周方向溝50よりも端部としての端面5c寄りにある先端部分51の一部が、余肉52(図4D参照。)としてかしめられることより、抜け止めかしめ部として機能する。ここで、円周方向溝50の位置は、以下のように設定されている。例えば、中空軸(第1の軸部材5の第1の端部5aに相当する。)の肉厚が5mm以下の場合には、先端部分51の軸方向長さが、先端部分51の外径の直径の5%の値以上であり且つ20%の値以下の範囲内の値とされている。また、上述の中空軸の肉厚が5mmを越えて厚い場合には、先端部分51の軸方向長さは、後述する中実軸の場合と同様の関係とされ、先端部分51の直径の5%の値以上であり且つ25%の値以下の範囲内の値とされている。
第2の軸部材6の第1の端部6aから所定距離の部分は、断面四角の柱形状に形成され、第2の軸部材6の第2の端部6b側の部分は、断面略円形の柱形状に形成されている。第2の軸部材6は、プレス成形されてなる。第2の軸部材6は、S45C等の高炭素鋼により形成され、軌道溝8は高周波焼き入れ処理を施されてなる。
第2の軸部材6の第2の端部6bの外周には、セレーション18が形成されている。セレーション18は、端面6cから軸方向に所定長さで延びる複数のセレーション歯を有している。また、第2の軸部材6の第2の端部6bの外周には、円周方向溝19が形成されている。円周方向溝19は、セレーション18のセレーション歯を横切って、無端状に周方向に延びている。円周方向溝19は、端面6cから軸方向に所定距離を離れて位置している。円周方向溝19よりも端部としての端面6c寄りにある先端部分20の一部が、余肉36(図7参照)としてかしめられることより、抜け止めかしめ部として機能する。ここで、円周方向溝19の位置は、以下のように設定されている。例えば、先端部分20の軸方向長さが、先端部分20の直径の5%の値以上であり且つ25%の値以下の範囲内の値とされている。
第2の軸部材6の第2の端部6bは、自在継手ヨーク13の接続部13bの嵌合孔13cに同心に嵌め込まれてセレーション嵌合され、固定状態で接続されている。
自在継手ヨーク13は、互いに対向する一対のアーム13aと、一対のアーム13aを接続した接続部13bとを有していて、プレス成形されてなる。各アーム13aには、軸受孔(図示せず)が形成されている。軸受孔に、十字軸15(図1参照。)の軸部が回動自在に嵌め入れられている。
図2を参照して、接続部13bは、筒形状に形成されている。接続部13bには、嵌合孔13cが形成されている。嵌合孔13cは、接続部13bの筒形状の中心軸線が延びる方向に沿って延びて、接続部13bを貫通している。嵌合孔13cの内周面にセレーション21が形成されている。セレーション21は、アーム13aとは反対側にある開口端から軸方向に所定長さで延びる複数のセレーション歯を有している。このセレーション21の歯数は、第2の軸部材6のセレーション18と同じ歯数Nである。セレーション18,21は、互いに圧入状態で噛み合っていて、第2の軸部材6は、自在継手ヨーク13にかしめにより抜け止めされている。
図1を参照して、自在継手ヨーク14は、互いに対向する一対のアーム14aと、一対のアーム14aを接続した接続部14bとを有していて、プレス成形されてなる。各アーム14aには、軸受孔(図示せず)が形成されている。軸受孔に、十字軸15の軸部が回動自在に嵌め入れられている。接続部14bは、嵌合孔(図示せず)を有している。この嵌合孔には、例えば操舵装置(図示せず)の入力軸が接続され、操舵装置を介して車輪が転舵可能に接続される。
<製造方法> 図1および図2を参照して、本実施の形態のインターミディエイトシャフト1の製造方法は、インターミディエイトシャフト1の複数の上述の各部品5,6,10,11,13,14をそれぞれ形成する複数の部品形成工程を有している。
自在継手ヨーク10を形成する工程では、自在継手ヨーク10をプレス成形により形成する。
自在継手ヨーク11を形成する工程では、自在継手ヨーク11をプレス成形により形成する。すなわち、自在継手ヨーク11の概略形状をプレス成形するととともに、自在継手ヨーク11の端部としての接続部11bの嵌合孔11cの内周にセレーション16をプレス成形により形成する。
自在継手ヨーク13を形成する工程では、自在継手ヨーク11を形成する工程と同様に、自在継手ヨーク13をプレス成形により形成する。すなわち、自在継手ヨーク13の概略形状をプレス成形するととともに、自在継手ヨーク13の端部としての接続部13bの嵌合孔13cの内周にセレーション21をプレス成形により形成する。
自在継手ヨーク14を形成する工程では、自在継手ヨーク14をプレス成形により形成する。
図3は、第1の軸部材5を形成する工程を説明するための第1の軸部材5の素材と一対の金型の模式図である。図3および図2を参照する。
第1の軸部材5を形成する工程では、第1の軸部材5を形成するための筒状の素材22を、互いに対をなす第1の金型23および第2の金型24によりプレス成形して塑性変形させ、第1の軸部材5を得る。当該工程では、第1の軸部材5の概略形状を形成し、これとともに、第1の端部5aになる素材22の端部22aの外周22bにプレス成形によりセレーション17を形成する。
第1の金型23は、パンチであり、凹部23aを有している。凹部23aは、素材22が入ることができるようにされている。凹部23aにおける素材22の一方の端部22aの外周22bに対向する内面には、セレーション17を形成するためのセレーション成形部23bが設けられている。セレーション成形部23bは、セレーション17の複数のセレーション歯を成形するための複数の成形用歯溝(図示せず)を有している。セレーション成形部23bは、端部5cに近くなるほどにセレーション17の歯厚が薄くなるような形状を有し、具体的には、成形用歯溝の溝幅は、凹部23aの底に近くなるほどに狭くされている。
また、第2の金型24は、ダイであり、凹部24aを有している。凹部24aは、素材22の端部22cを保持しつつ縮径する。凹部24aは、真直に延びた内奥部24bと、テーパ状に徐々に拡径された入口部24cとを有している。
第1の軸部材5を形成する工程では、第1および第2の金型23,24が相対向して配置され、その間に素材22が保持される。第1の金型23が、第2の金型24へ向けて移動し、その間にある素材22を押圧する。素材22は、その中心軸線が延びる方向に押圧力を受けて、素材22の端部22bが第2の金型24内に押し込まれて縮径し、素材22の端部22aが第1の金型23に保持されつつ拡径し、端部22aの外周22bにセレーション17が形成される。
第2の軸部材6を形成する工程では、図示しないが、第1の軸部材5を形成する工程と同様にして、第2の軸部材6を形成するための素材を、第1の金型および第2の金型によりプレス成形して塑性変形させ、第2の軸部材6を得る。当該工程では、第2の軸部材6の概略形状を形成し、第2の端部6bになる素材の端部の外周にプレス成形によりセレーション18を形成する。当該工程で、素材には柱状部材が用いられる。
図4A,図4B,図4Cおよび図4Dは、図2に示すインターミディエイトシャフト1の要部の断面図であり、図4A,図4B,図4C,および図4Dの順に、第1の軸部材5と自在継手ヨーク11とを互いに接続する過程を模式的に図示している。
製造方法は、第1の軸部材5および第1の自在継手3について、図4Aと図4Bに示すように第1の軸部材5を自在継手ヨーク11の接続部11bの嵌合孔11cに圧入状態でセレーション嵌合する第1のセレーション嵌合工程と、図4Cと図4Dに示すように第1の軸部材5と自在継手ヨーク11とを互いにかしめ接合する第1のかしめ接合工程と、かしめ接合された自在継手ヨーク11を含む第1の自在継手3(図1参照)を組み立てる第1の組立工程とを含んでいる。
第1のセレーション嵌合工程の後で、第1のかしめ接合工程が行われる。これらの2つの工程により、自在継手ヨーク11と第1の軸部材5とが互いに組み付けられた第1のサブ組立品が得られる。この後、第1の組立工程が行われる。この工程で、第1のサブ組立品に、十字軸12と、自在継手ヨーク10とが組み付けられる。
図4Aを参照して、第1のセレーション嵌合工程では、先ず、第1の軸部材5がその第2の端部5bから保持用治具25の保持孔26に入れられる。これにより、第1の軸部材5が保持用治具25により保持された状態であって第1の軸部材5の第2の端部5bが保持用治具25の保持孔26の底部27により受けられた状態とする。
次に、図4Bを参照して、第1の軸部材5の第1の端部5aのセレーション17が、自在継手ヨーク11の接続部11bの嵌合孔11cのセレーション16に互いに予め定める位相角で噛み合わされる。次に、自在継手ヨーク11が押圧されて、自在継手ヨーク11の接続部11bの嵌合孔11cに第1の軸部材5が押し込まれて、自在継手ヨーク11の接続部11bと第1の軸部材5とが締まり嵌め状態で相対摺動する。これにより、自在継手ヨーク11および第1の軸部材5が圧入状態で嵌合している状態とする。
この状態で、円周方向溝50は、自在継手ヨーク11の接続部11bの嵌合孔11c内、好ましくはセレーション16内に配置され、接続部11bの端面11dから軸方向に所定距離で奥側に配置されている。また、第1の軸部材5の端部5aの端面5cが、自在継手ヨーク11の接続部11bにおいてアーム11a寄りのセレーション16の開口端としての端面11dよりも若干突出しているのが、好ましい。また、本実施形態では、第1の軸部材5の端部5aの端面5cが、自在継手ヨーク11の接続部11bにおいて最もアーム11a寄りに位置する部分としての開口端11eよりも若干突出している。
図4Cおよび図4Dを参照して、第1のかしめ接合工程においては、かしめ治具28と上述の保持用治具25とが用いられる。
図5は、第1のかしめ接合工程で用いられるかしめ治具28と、第1の軸部材5と、自在継手ヨーク11との一部断面図である。図5および図4Cを参照する。
かしめ治具28は、一方向に延びて軸状に形成されている。かしめ治具28は、先端28aに設けられたテーパ形状の傾斜面29と、第1の軸部材5の内径を拡径するために先端28a寄りに設けられた拡径軸30と、拡径軸30に軸方向に隣接して設けられたかしめパンチ31とを有している。かしめ治具28は、保持用治具25の保持孔26に対向して同心に配置されている。かしめ治具28は、先端28aとは反対側の端部を駆動されて、その軸方向に往復移動でき、保持用治具25の保持孔26に接近することができ、また、この保持孔26から遠ざかることができる。
傾斜面29は、先端28a寄り部分であるほどに縮径されている。傾斜面29の最小径は、セレーション嵌合工程で自在継手ヨーク11に圧入された直後の状態の第1の軸部材5の第1の端部5aの内径D0よりも小径とされている。
拡径軸30は、傾斜面29と軸方向に隣接して形成され、傾斜面29と連続してつながっていて、曲面で滑らかに接続されている。拡径軸30の外径D1は、第1のセレーション嵌合工程でセレーション嵌合された第1の軸部材5の第1の端部5aの内径D0よりも所定量大径(D1>D0)に形成されている。拡径軸30の外周面は、円筒面により形成され、軸方向に所定長さL1で延びている。拡径軸30の所定長さL1は、第1の軸部材5と、自在継手ヨーク11との嵌合長さL0よりも所定量長い(L1>L0)。拡径軸30は、中空状の第1の軸部材5の第1の端部5aへのかしめパンチ31の押し込みに先立って、第1の軸部材5の第1の端部5aの内径を押し拡げるためのものである。
かしめパンチ31は、拡径軸30の外周面から径方向外方に突出した複数の突起32を有している。複数の突起32は、軸方向について同じ位置であって、周方向に均等に離れた複数の位置に配置されている。各突起32は、第1の軸部材5の第1の端部5aの端面5cに当接することにより第1の軸部材5の第1の端部5aを拡径させるための傾斜部を有している。この傾斜部は、かしめ治具28の軸方向に対して傾斜し、先端28cから遠い部分であるほどに径方向外方に位置している。
図4Cを参照して、第1のかしめ接合工程では、第1のセレーション嵌合工程に引き続いて、互いにセレーション嵌合された自在継手ヨーク11および第1の軸部材5が、保持用治具25に保持されている。
このように保持された第1の軸部材5の第1の端部5aの内周5eに、かしめ治具28が先端28aから近接し押し込まれる。先ず、第1の軸部材5の第1の端部5aの内周5eが拡径軸30によりしごかれる。これにより、内周5eが拡径し、これに伴い、第1の軸部材5の第1の端部5aの外周5fも拡径する一方、自在継手ヨーク11の接続部11bの嵌合孔11cの拡径量は第1の軸部材5の内周の拡径量よりも小さい。その結果、第1の軸部材5および自在継手ヨーク11の圧入状態が強められて、接合強度が高められる。
次に、図4Dに示すように、かしめパンチ31による抜け止めかしめ加工が行われる。かしめパンチ31の各突起32が、第1の軸部材5の第1の端部5aの端面5cに当接し、この端面5cを押圧し、この端面5cの周縁近傍を局部的に塑性変形させる。すなわち、第1の軸部材5の第1の端部5aにおいて、円周方向溝50の近傍に応力集中が生じ、先端部分51が径方向外方へ局部的に塑性変形して屈曲し易くなる。かしめパンチ31の径方向外側にある傾斜面が、第1の軸部材5の第1の端部5aの先端部分51を径方向外方へ押圧し、塑性変形させて径方向外方へ拡げてかしめる。これに伴い、先端部分51の一部が余肉52になり、その結果、第1の軸部材5および自在継手ヨーク11は、互いに強固に接合される。
第1の軸部材5および自在継手ヨーク11は、先ず締まり嵌め状態で嵌合され、次に拡径軸30で内側からしごかれるようにされている。このように圧入状態が段階的に強められるので、第1のセレーション嵌合工程において第1の軸部材5の外径および自在継手ヨーク11の内径との寸法差(圧入しろに相当する。)を小さくすることができ、第1の軸部材5の外径および自在継手ヨーク11の内径を無理なく嵌合することができる。例えば、第1の軸部材5の外径および自在継手ヨーク11の内径の寸法差を大きくして無理嵌め状態で圧入する場合には、かじりが生じることがあるが、かじりが生じた部品は利用できないし、また、無理嵌め状態でかじりを生じないように圧入するのは困難である。これに対して、本実施形態では、かじりが生じることがない。
図6A,図6B,図6Cおよび図6Dは、図2に示すインターミディエイトシャフト1の要部の断面図であり、図6A,図6B,図6C,および図6Dの順に、第2の軸部材6と自在継手ヨーク13とを互いに接続する過程を模式的に図示している。図7は、図6Cの要部拡大図である。
本実施形態の製造方法は、第2の軸部材6および自在継手ヨーク13について、図6Aと図6Bに示すように第2の軸部材6を自在継手ヨーク13の接続部13bの嵌合孔13cに圧入状態でセレーション嵌合する第2のセレーション嵌合工程と、図6Cと図6Dに示すように第2の軸部材6と自在継手ヨーク13とを互いにかしめ接合する第2のかしめ接合工程と、かしめ接合された自在継手ヨーク13を含む第2の自在継手4(図1参照)を組み立てる第2の組立工程とを含んでいる。
第2のセレーション嵌合工程の後で、第2のかしめ接合工程が行われる。これらの2つの工程により、自在継手ヨーク13と第2の軸部材6とが互いに組み付けられた第2のサブ組立品が得られる。この後、第2の組立工程が行われる。この工程で、第2のサブ組立品に、十字軸15と、自在継手ヨーク14とが組み付けられる。
図6Aを参照して、第2のセレーション嵌合工程では、先ず、第2の軸部材6がその第1の端部6aから保持用治具25の保持孔26に入れられる。これにより、第2の軸部材6が保持用治具25により保持された状態であって第2の軸部材6の第1の端部6aが保持用治具25の保持孔26の底部27により受けられた状態とする。
次に、図6Bを参照して、第2の軸部材6の第2の端部6bのセレーション18が、自在継手ヨーク13の接続部13bの嵌合孔13cのセレーション21に互いに予め定める位相角で噛み合わされる。次に、自在継手ヨーク13が押圧されて、自在継手ヨーク13の接続部13bの嵌合孔13cに第2の軸部材6の第2の端部6bが押し込まれて、自在継手ヨーク13の接続部13bと第2の軸部材6とが締まり嵌め状態で相対摺動する。これにより、自在継手ヨーク13および第2の軸部材6が圧入状態で嵌合している状態とする。
この状態で、円周方向溝19は、自在継手ヨーク13の接続部13bの嵌合孔13c内、好ましくはセレーション21内に配置され、接続部13bの端面13dから軸方向に所定距離で奥側に配置されている。また、第2の軸部材6の第2の端部6bの端面6cが、自在継手ヨーク13の接続部13bにおいてアーム13a寄りのセレーション21の開口端としての端面13dよりも若干突出しているのが、好ましい。また、本実施形態では、第2の軸部材6の第2の端部6bの端面6cが、自在継手ヨーク13の接続部13bにおいて最もアーム13a寄りに位置する部分としての開口端13eよりも若干突出している。
図6Cを参照して、第2のかしめ接合工程においては、第2のセレーション嵌合工程で互いに嵌め合わされた自在継手ヨーク13および第2の軸部材6が互いに接合され、かしめ治具33と上述の保持用治具25とが用いられる。
図7および図6Cを参照して、かしめ治具33は、中心軸線に沿って延びる軸部34と、軸部34の先端に設けられた突起状の複数のかしめパンチ35とを有している。かしめ治具33は、保持用治具25の保持孔26に対向して同心に配置されている。かしめ治具33は、かしめパンチ35とは反対側の端部を駆動されて、その軸方向に往復移動でき、保持用治具25の保持孔26に接近することができ、また、この保持孔26から遠ざかることができる。
複数のかしめパンチ35は、かしめ治具33の軸方向に突出していて、所定半径の円周上に周方向に均等に離れて配置されている。各かしめパンチ35が、第2の軸部材6の第2の端部6bの端面6cの周縁近傍に当接し、さらに当接状態で上述の端面6cを押圧することにより、第2の軸部材6の外周面6fの先端部分20を径方向外方へ拡げてかしめる。これにより、先端部分20の一部が余肉36になり、第2の軸部材6と自在継手ヨーク13とが接合される。
図6Cおよび図6Dを参照して、第2のかしめ接合工程では、第2のセレーション嵌合工程に引き続いて、互いにセレーション嵌合された自在継手ヨーク13および第2の軸部材6が、保持用治具25に保持されている。
このように保持された第2の軸部材6に、かしめ治具33が近接し、第2の軸部材6の第2の端部6bの端面6cにかしめ治具33のかしめパンチ35が押し込まれる。このとき、第2の軸部材6の第2の端部6bにおいて、円周方向溝19の近傍に応力集中が生じ、先端部分20が径方向外方へ局部的に塑性変形して屈曲し易くなる。かしめパンチ35の径方向外側にある傾斜面が、第2の軸部材6の第2の端部6bの先端部分20の周縁部分を径方向外方へ押圧し、塑性変形させて径方向外方へ拡げてかしめる。これに伴い、自在継手ヨーク13の接続部13bの嵌合孔13cの内周が、局部的に塑性変形する。その結果、第2の軸部材6および自在継手ヨーク13は、強固に接合される。
また、本実施の形態の製造方法は、第1および第2の組立工程よりも後に行われて第1および第2の軸部材5,6を互いに軸方向に相対移動自在にスプライン嵌合させるスプライン嵌合工程を有している。スプライン嵌合工程では、第1の軸部材5と第2の軸部材6とを予め定めた位相角であるようにして、互いに位置合わせして嵌合される。
<セレーションの歯数> 図1に戻って、インターミディエイトシャフト1の自在継手ヨーク11と自在継手ヨーク13との間には、予め定める位相角Pが設定されている。この位相角Pは、伸縮自在シャフト2の軸方向に沿って見るときに、自在継手ヨーク11の一対のアーム11a同士が対向する方向D11と、自在継手ヨーク13の一対のアーム13a同士が対向する方向D13とのなす角度であり、換言すると、インターミディエイトシャフト1の両端部間の位相角である。位相角Pは、車種ごとに異なるインターミディエイトシャフト1の仕様に応じて種々の値に設定されている。また、位相角Pには、公差が設定されるが、通例、トルク変動を小さくするために、小さな公差(例えば、±3度)に設定される。
しかし、小さな公差に設定されているので、予め定められた第1の仕様のインターミディエイトシャフトの部品を用いて、位相角Pが異なる第2の仕様のインターミディエイトシャフトを構成しようとしても、第2の仕様の位相角Pの小さな公差を通例実現できない。その結果、従来のインターミディエイトシャフト1には、仕様ごとの専用部品、例えば自在継手ヨーク11、第1の軸部材5等が用いられていた。従って、例えば、上述の位相角Pが異なるだけで他の諸元が等しい2つの仕様の間においても、一方の仕様の部品(例えば自在継手ヨーク11)を、他方の仕様で利用することはできなかった。
そこで、本実施形態では、互いに異なる仕様間での部品の共用化を図るために、セレーション16,17,18,21の歯数Nを以下のように設定している。
本実施の形態のインターミディエイトシャフト1では、セレーションの歯数Nは、次式(1) :N≧360/(2A+2B)を満足する整数に設定される。
ここで、第1の自在継手ヨークとしての上述の自在継手ヨーク11および第2の自在継手ヨークとしての上述の自在継手ヨーク13との間で許容される位相角Pの公差を第1の公差2Aとする。これとともに、自在継手ヨーク11およびこれに接合される第1の軸部材5との間に許容される位相角の公差、第1および第2の軸部材5,6間に許容される位相角の公差、並びに第2の軸部材6および自在継手ヨーク13の間に許容される位相角の公差の総和を第2の公差2Bとする。また、公差は、対象とする寸法等の許容される範囲の最大値と最小値との差である。また、以下では、寸法等の許容される最大値と最小値との間の範囲を公差範囲とする。
なお、部品の共用化のためには、セレーション16,17およびセレーション18,21の何れか一方のセレーション対の歯数をNとすればよい。
式(1) は、以下のようにして導出される。すなわち、上述の位相角Pには、通例、目標中心値と、その公差2Aが設定される。その一方で、上述の位相角Pは、インターミディエイトシャフト1の複数の部品を互いに組み立てた結果として結果的に得られる値でもある。この結果的に得られる値は、通例、インターミディエイトシャフト1の各部品の寸法の公差および各部品間の寸法または位置の公差の累積により決まる範囲内で、個体ごとにばらついている。このように個体ごとに結果的に得られる各値が、上述の目標中心値および公差2Aにより決まる公差範囲に入ることが求められている。
以下では、先ず、自在継手ヨーク11,13間の位相角Pが0度である場合に、上述のように結果的に得られる位相角Pについて説明し、次に、位相角Pを任意の値に設定する場合について説明する。また、公差としては、中心軸線の回りの角(位相角に相当する。)に換算された値である。
図8Aは、インターミディエイトシャフト1の要部の模式的な分解図であり、図8B、図8C、図8D、および図8Eは、自在継手ヨーク11、第1の軸部材5、第2の軸部材6および自在継手ヨーク13を、伸縮自在シャフト2の軸方向からそれぞれ見た状態を図示した模式図である。
図8Aと図8Bを参照して、自在継手ヨーク11では、接続部11bの中心軸線の回りの角度位置について、基準となる一方のアーム11aの軸受孔(基準孔ST1ともいう。)と、セレーション16の基準となる歯溝(基準歯溝ST2ともいう。)との角度位置の差(位相角に相当する。後述する他の角度位置の差も同様である。)が、目標中心値0度で公差範囲が±b1度に設定されている。
図8Cを参照して、第1の軸部材5では、中心軸線の回りの角度位置について、基準となるセレーション歯(基準歯ST3ともいう。)と、基準となる軌道溝(基準軌道溝ST4ともいう。)との角度位置の差が、目標中心値0度で公差範囲が±b2度に設定されている。
また、互いにスプライン嵌合される第1および第2の軸部材5,6の間の位相角には、互いにスプライン嵌合される一対の軌道溝7,8の寸法の公差が影響する。
第1の軸部材5の軌道溝7の寸法には、所定の中心値と公差範囲が設定されている。これらの値に起因して第1および第2の軸部材5,6の間の位相角が変化する。この位相角の変化幅が、中心軸線の回りの角度位置について目標中心値0度±b3度になる。換言すれば、この目標中心値0度±b3度になるように、上述の所定の中心値と公差範囲が設定されている。第2の軸部材6の軌道溝8の寸法にも同様に、目標中心値0度±b4度が設定されている。
図8Dを参照して、第2の軸部材6では、中心軸線の回りの角度位置について、基準となるセレーション歯(基準歯ST6ともいう。)と、基準となる軌道溝(基準軌道溝ST5ともいう。)との角度位置の差が、目標中心値0度で公差範囲が±b5度に設定されている。
図8Aと図8Eを参照して、自在継手ヨーク13では、接続部13bの中心軸線の回りの角度位置について、基準となる一方のアーム13aの軸受孔(基準孔ST8ともいう。)と、セレーション21の基準となる歯溝(基準歯溝ST7ともいう。)との角度位置の差が、目標中心値0度で公差範囲が±b6度に設定されている。
図8A〜図8Eを参照して、インターミディエイトシャフト1の組立時には、自在継手ヨーク11のセレーション16の基準歯溝ST2に、第1の軸部材5の基準歯ST3が、互いに対向して噛み合うように位置合わせされる。第1および第2の軸部材5,6の基準軌道溝ST4,ST5同士が互いに対向して位置合わせされる。自在継手ヨーク13のセレーション18の基準歯溝ST7に、互いに対向して噛み合うように第2の軸部材6の基準歯ST6が位置合わせされて嵌め込まれる。
また、上述の各部品単品の公差から、複数の部品間の寸法または位置の公差が導かれる。すなわち、自在継手ヨーク11およびこれに圧入で接合される第1の軸部材5の軌道溝7との間に許容される位相角の公差は、上述の値b1と値b2との和の2倍の値に相当する。また、互いにスプライン嵌合される第1および第2の軸部材5,6間に許容される位相角の公差は、上述の値b3と値b4との和の2倍の値に相当する。なお、ボールの公差は、実際上極めて小さく、位相角の公差に影響しない。また、第2の軸部材6およびこれに圧入で接合される自在継手ヨーク13の間に許容される位相角の公差は、上述の値b5と値b6との和の2倍の値に相当する。
なお、自在継手ヨーク11と第1の軸部材5との間に許容される位相角の公差、第1および第2の軸部材5,6間に許容される位相角の公差、および自在継手ヨーク13と第2の軸部材6との間に許容される位相角の公差について、部品間の隙間量およびその公差を考慮してもよい。
このようにして組み立てられた組立品としてのインターミディエイトシャフト1では、自在継手ヨーク11の基準孔ST1の角度位置と自在継手ヨーク13の基準孔ST8との角度位置が一致するようにされる。また、値B=b1+b2+b3+b4+b5+b6とすると、自在継手ヨーク11,13間の位相角Pは、公差範囲が、0度±B度で結果的に実現され、各部品単品の公差の総和であり、且つ上述の各部品間の寸法または位置の公差の総和である値2Bの範囲で実現される。
一方で、仕様において、インターミディエイトシャフト1の位相角Pには、予め定められた公差範囲の中心値に相当する目標中心値と、その公差2Aとが設定されている。任意の目標値を実現するには、以下のような操作をすることが考えられる。すなわち、上述の説明では、セレーション16の基準溝ST2とセレーション17の基準歯ST3とを互いに対向させて噛み合わせていたが、基準溝ST2と基準歯ST3とを互いにずらしてセレーション嵌合することにより、位相角における公差範囲の中心値を異ならせることができる。
図9は、自在継手ヨーク11と自在継手ヨーク13との基準となる部分同士の位置を互いにずらす場合の、ずらし量と、このずらし量から結果的に得られる位相角Pとの関係を示すグラフであり、縦軸に基準溝ST2と基準歯ST3とのずらし量としての歯数を示し、横軸に、位相角P(度)を示す。また、横軸の位相角Pは、縦軸に示すずらし量に対応して結果的に得られる値であって、公差範囲とその中心(丸印)とを示す。
図9を参照して、基準溝ST2と基準歯ST3とを互いにずらしてセレーション嵌合すると、結果的に実現された位相角Pの取りうる範囲は、飛び飛びに存在することがある。例えば、1歯をずらすときの公差範囲H1と、2歯をずらすときの公差範囲H2との間には、位相角として実現されない範囲G1が存在する。このような実現されない範囲G1が存在する場合であっても任意の目標値を実現する必要がある。そこで、公差範囲の中心値を小刻みに調節できるようにして、互いに1歯ずらして得られる2つの公差範囲H1,H2とその間の実現されない範囲G1とを含む範囲全体G2が、目標としての公差2Aに含まれるようにする。これにより、任意の目標値を確実に実現することができる。
このような関係は、次式で表される。
インターミディエイトシャフト1のセレーション16,17の歯数Nが、例えば整数N1であるときに、セレーション16,17を一歯ずらしたときの、位相角のずれ量G3は、ずれ量G3=(360/N1)度となる。このずれ量G3と、公差範囲H1の半分と、公差範囲H2の半分との和(上述の範囲全体G2に相当する。)が、目標としての公差2Aよりも小さくなり、式(2) :
(360/N1)+2B≦2A
、が成り立つ。
この式(2) から、上記式(1) :
N≧360/(2A+2B)
、が導かれる。
次に、図8と図9を参照して、各部品の公差、自在継手ヨーク11,13間の位相角Pの目標としての公差、歯数等の仕様の例を、具体的に説明する。
上述のように各部品に設定された公差範囲±b1,±b2,±b3,±b4,±b5,±b6がそれぞれ±10分に設定され、位相角Pの目標中心値が55度であり、且つ目標としての位相角Pの公差2A=6度(±3度)とした場合について説明する。なお、図9のグラフは、この例をグラフ化したものである。
この場合の目標となる位相角Pの公差範囲は、52度(55度−3度)から、58度(55度+3度)までの範囲である。
セレーション16,17の歯数Nを求める。
A=3度、B=10分+10分+10分+10分+10分+10分=60分=1度、の各値を式(1) に代入し、Nを求める。結果は、歯数N≧90(歯)である。
次に、セレーション16,17の歯数が90である場合について、上述の目標としての位相角Pが実現できることを説明する。この場合、基準溝ST2と基準歯ST3との噛み合わせを1歯ずらすときの公差範囲の中心値の変化量(1歯当たりの調整角度に相当する。)は、360(度)/90(歯)=4(度/歯)である。
ここで、自在継手ヨーク13と自在継手ヨーク11との位相角Pを55度にするためには、55(度)/4(度/歯)=13.75(歯)の歯数(歯のずらし量)だけ、基準溝ST2と基準歯ST3との噛み合わせをずらせばよい。
歯のずらし量は整数しかありえないため、13.75に最も近い整数である14を歯のずらし量として採用する。基準溝ST2と基準歯ST3との噛み合わせにおいて14歯をずらす場合には、位相角Pは、結果的に範囲H14の範囲内で得られることになる。この結果的に得られる範囲H14の中央値は、(一歯当たりの調整角度)と(歯のずらし量)との積で表され、この例では、4×14=56度である。また、結果的に得られる範囲H14は、55度(56度−1度)から、57度(56度+1度)までの範囲である。この範囲は、目標としての位相角Pの公差範囲G4(52度〜58度)内にある。
なお、歯のずらし量として13歯をずらす場合には、位相角Pは、51度(52度−1度)から53度(52度+1度)までの範囲H13内の値で実現される。この範囲H13の一部は、目標としての位相角Pの公差範囲G4から外れていて、好ましくない。
このように歯を小さくして、歯数を大きくすることで、調節した結果として得られる位相角Pが、任意の目標中心値と目標公差とを満足することができる。
一方で、歯数には上限値がある。というのは、ピッチ円直径が同じであれば、歯数が大きいほどに、歯の大きさは小さくなる。一方で、実用的に加工可能なセレーション歯の大きさには限界がある。例えば、最小の歯の大きさは、モジュール0.2であり、モジュール0.2未満の歯の加工は困難である。従って、最小の大きさの歯を採用するときの歯数が、ピッチ円直径(PCDとも示す。)に対応した歯数の上限値となる。
また、歯数には下限値がある。これは、上述の式(1) において、位相角Pの公差2Aが最大で、部品寸法公差の総和2Bが最小のときの歯数の値である。例えば、位相角Pの公差2Aの最大値は、6度である。この最大値が6度以下の場合には、トルク変動が生じないが、位相角の公差が6度を越えて大きく設定されると、トルク変動が生じる場合があることから、実質的な最大値として6度を示すことができる。また、公差の総和2Bの最小値としては、0とすることができる。
これらの値を式(1) に当てはめると、歯数は60枚以上となる。従って、歯数の下限値は、60である。
また、セレーション歯の大きさとしてのモジュールの下限値は、上述のように、加工上の理由から、0.2である。また、歯数の下限値から、セレーションのピッチ円直径に応じて決まるセレーション歯の大きさとしてのモジュールの上限値が決まる。モジュールの上限値は、式(3) :(ピッチ円直径(mm))/(歯数の下限値)から求められる。
ピッチ円直径と、歯数と、モジュールとの具体的な関係を表1に示す。また、ピッチ円直径と、モジュールとの具体的な関係を図10のグラフに示す。
図10は、図8のセレーション16,17のピッチ円直径とモジュールとの関係を示すグラフであり、縦軸にモジュールを示し、横軸にピッチ円直径(PCD)(mm)を示す。
Figure 2007040420
表1には、互いに対応するピッチ円直径(PCD)(mm)と、歯数(歯)と、モジュールとが横一列に並んで示されている。表1において、例えばピッチ円直径(PCD)が24mm、歯数が60の場合には、モジュールが0.4である。図10のグラフは、表1の各値をプロットしたものである。また、図10のグラフ中の数字は、プロットした点のモジュールの値を示す。
図10のグラフにおいて、モジュールの上限値を結ぶ直線X1と、モジュールの下限値0.2を結ぶ直線X2との間に挟まれた領域内における、任意のピッチ円直径およびこれに対応するモジュールであれば、式(1) を満たすことができるセレーション歯となる。
また、モジュールの下限値として0.3を採用してもよい。モジュールが0.3の場合には、モジュールが0.2の場合よりも加工が容易であり、好ましい。この場合には、図10のグラフにおいて、モジュールの上限値を結ぶ直線X1と、モジュールの下限値(0.3)を結ぶ直線X3との間に挟まれた領域内における、任意のピッチ円直径およびこれに対応するモジュールであれば、式(1) を満たすことができるセレーション歯となる。
また、モジュールの上限値としては、部品のばらつきを考慮した値を採用してもよい。例えば、部品寸法公差2Bは、通例、0よりも大きな所定値で設定されるから、歯数の下限値は、実用的には、60を越えて大きな値であるのが好ましく、上述の例のように各部品の公差が設定される場合には、歯数の下限値が90歯となる。
このように本発明の実施形態によれば、図7に示すように、第2の軸部材6の端面6cの周縁近傍に、対応するかしめ治具33のかしめパンチ35を押し込み、第2の軸部材6の外周面6fの円周方向溝19よりも端面6c側にある余肉36を径方向外方へ拡げてかしめるようにしている。これにより、第2のかしめ接合工程では、かしめパンチ35を押し込んだときに、円周方向溝19がない場合に比べて、例えば等しいかしめ力での余肉36の変形量を大きくできるので、自在継手ヨーク13と第2の軸部材6とを確実に接合することができる。従って、自在継手ヨーク13と第2の軸部材6との所要の接合強度を小さなかしめ力で得ることができる。
同様に、図4Dに示すように、第1の軸部材5の端面5cの周縁近傍に、対応するかしめ治具28のかしめパンチ31を押し込み、第1の軸部材5の外周面5fの円周方向溝50よりも端面5c側にある余肉52を径方向外方へ拡げてかしめるようにしている。これにより、自在継手ヨーク11と第1の軸部材5とを確実に接合することができる。従って、自在継手ヨーク11と第1の軸部材5との所要の接合強度を小さなかしめ力で得ることができる。
また、第1および第2のかしめ接合工程はスプライン嵌合工程よりも先に行われ、第1および第2のかしめ接合工程では、まだ第1および第2の軸部材5,6は互いにスプライン嵌合されていない。この状態であれば、例えば自在継手ヨーク11と対応する第1の軸部材5とをかしめ接合する場合において、図4Aに示すように、かしめ接合される第1の端部5aとは反対側の当該第2の軸部材5の第2の端部5bを受けて容易に保持することができ、かしめ接合の作業の手間を軽減することができる。
また、第1および第2の軸部材5,6のセレーション17,18をプレス成形によりコスト安価に形成することができる。従って、例えば、セレーション17,18の形成に、転造加工、ホブ切削加工を利用しないで済む。転造加工、ホブ切削加工を利用してセレーションを形成する場合には、セレーションの形成工程と、対応する軸部材の形成のために通常採用されるプレス成形の工程とが、別々となるので、製造コストが高くなる。これに対して、セレーション17,18をプレス成形することにより、第1および第2の軸部材5,6の概略形状の形成と、セレーション17,18の形成とを単一の工程で行うことが可能となる。
また、セレーションがホブ切削加工された従来の場合には、セレーションの歯厚が一定になるので、セレーション同士をかみ合わせ難い。これに対して、本実施形態では、セレーション17,18はプレス成形により形成されているので、歯筋の延びる方向である軸方向の先端側になるほどにセレーションの歯厚を薄くすることができ、ホブ切削加工されたセレーションに比べて、セレーション嵌合が容易である。
また、図4Cに示すように、第1のかしめ接合工程で、拡径軸30を含むかしめ治具28を用いることにより、拡径軸30が第1の軸部材5の第1の端部5aの内径を押し拡げると、第1の軸部材5の第1の端部5aの外径5fが拡径し、自在継手ヨーク11と第1の軸部材5との嵌合隙間が小さくなる。その結果、かしめ接合による接合強度をより一層高めることができる。また、拡径軸30による拡径加工とかしめパンチ31によるかしめ加工とを、かしめ治具28を押し込みながら一括して単一工程で実施でき、かしめ接合の手間の増加を防止できる。
また、拡径軸30により第1の軸部材5が拡径されることにより、第1の軸部材5と自在継手ヨーク11との嵌合隙間を小さくしさらに無くすることもできるので、第1の軸部材5と自在継手ヨーク11との同軸度を高くすることができる。
また、セレーション16,17の歯数Nは式(1) を満足する上記の整数とすることにより、このセレーション嵌合において、互いに噛み合う歯同士を、例えば1歯ずらすことで、自在継手ヨーク11と第1の軸部材5との位相角をわずかな角度で微調整することができる。その結果、自在継手ヨーク11,13の位相角Pを、その公差範囲内に確実に調整することができる。従って、自在継手ヨーク11,13の位相角Pが互いに異なる複数の仕様のインターミディエイトシャフト1を製造するのに、共通の部品にて対応することが可能となる。
例えば自在継手ヨーク11のセレーション17を仕様ごとに位相角を異ならせて形成することを廃止でき、また、位相角を異ならせてセレーション17を形成するための設備の段取り替えの作業を廃止することができる。
また、セレーション16,17の歯数は60歯以上であるのが、良好な操舵フィーリングを得ることができて、好ましい。
また、本実施形態について、以下のような変形例を考えることができる。以下の説明では、上述の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
例えば、部品形成工程としては、プレス成形以外の方法により各自在継手ヨーク10,11,13,14および各軸部材5,6を形成することも考えられる。
スプライン嵌合工程では、第1および第2の組立工程実施前の第1および第2のサブ組立品同士を互いに組み付けてもよく、この場合には、スプライン嵌合工程の後に、組立工程が行われ、スプライン嵌合工程で互いにスプライン嵌合された第1および第2のサブ組立品において、対応する第1および第2の自在継手3,4を組み立てる。
上述の実施形態において、セレーション16,17の歯数を式(1) を満足する整数とすること、セレーション16,17,18,21をプレス成形すること、および第1のかしめ接合工程で用いるかしめ治具28が拡径軸30付きであること、の少なくとも一つを採用しない構成も考えられる。
また、スプライン嵌合として、以下の構成も考えられる。例えば、第1の軸部材5の内周に、軸方向に延びるスプライン係合部としての複数のスプライン歯が形成されている。第2の軸部材6の外周に、軸方向に延びる複数のスプライン係合部としてのスプライン歯が形成されている。両スプライン歯は、互いに同数で形成され、互いに対向して配置され噛み合っていて、互いに相対摺動可能に、直接に接続されている。要は、互いに対向して配置される一対のスプライン係合部が、トルク伝達可能且つ軸方向に相対移動可能に直接にまたは間接的に互いに接続されていればよい。
また、第2の軸部材6として、中実軸に代えて中空軸を採用することも考えられる。中空軸の場合には、第2のかしめ接合工程において、第1のかしめ接合工程と同様に拡径軸30付きのかしめ治具28を用いてもよい。また、第2の軸部材6が中空軸の場合には、円周方向溝19がある場合と、ない場合とが考えられる。
また、第1の軸部材5の円周方向溝50を廃止することも考えられる。この場合であっても、第1のかしめ接合工程で、拡径軸30を含むかしめ治具28を用いることにより、かしめ接合による接合強度をより一層高めることができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
本発明の実施形態の製造方法が適用される駆動軸としてのインターミディエイトシャフトの斜視図である。 図1に示すインターミディエイトシャフトの要部の模式的な分解図である。 図1に示す第1の軸部材を形成する工程を説明するための素材と金型の断面を示す模式図である。 図2に示すインターミディエイトシャフトの要部と、保持用治具と、かしめ治具とを、工程ごとに順に模式的に図示した断面図であり、図4A,図4B,図4C,および図4Dの順に工程が進行する。 図2の第1の軸部材と自在継手ヨークとかしめ治具との一部断面図である。 図2に示すインターミディエイトシャフトの要部と、保持用治具と、かしめ治具とを、工程ごとに順に模式的に図示した断面図であり、図6A,図6B,図6C,および図6Dの順に工程が進行する。 図6Cの要部拡大図である。 図2のセレーションの歯数を説明するための説明図であり、図8Aは、インターミディエイトシャフトの要部の側面視での模式的な分解図であり、図8B、図8C、図8D、および図8Eは、図8Aで左側に図示された自在継手ヨーク、第1の軸部材、第2の軸部材および図8Aで右側に図示された自在継手ヨークを軸方向からそれぞれ見た模式図である。 図8のセレーションの歯を互いにずらす場合の、ずらし量と、このずらし量から結果的に得られる位相角Pとの関係を示すグラフであり、縦軸にずらし量としての歯数を示し、横軸に、位相角P(度)を示す。 図8のセレーションのピッチ円直径とモジュールとの関係を示すグラフであり、縦軸にモジュールを示し、横軸にピッチ円直径を示す。
符号の説明
1…インターミディエイトシャフト(駆動軸)、5…第1の軸部材(軸部材、中空の軸部材)、6…第2の軸部材(軸部材)、5c…(第1の軸部材の)端面(端部)、6c…(第2の軸部材の)端面(端部)、5a…(第1の軸部材の)第1の端部(中空の軸部材の端部)、5e…内周(中空の軸部材の端部の内径)、6f…(第2の軸部材の)外周面、11…自在継手ヨーク(第1の自在継手ヨーク)、11c,13c…嵌合孔、13…自在継手ヨーク(第2の自在継手ヨーク)、16,21…セレーション(自在継手ヨークの嵌合孔のセレーション)、17,18…セレーション(軸部材のセレーション)、19,50…円周方向溝、20,51…先端部分、22…(軸部材の)素材、22a…(素材の)端部、22b…(素材の端部の)外周、28,33…かしめ治具、30…拡径軸、31,35…かしめパンチ、36,52…余肉、S…軸方向

Claims (4)

  1. 一対の自在継手ヨークと、各自在継手ヨークの嵌合孔にそれぞれ嵌合固定され互いに軸方向に伸縮自在に嵌合された一対の軸部材とを備える駆動軸を製造する方法であって、
    各軸部材を対応する自在継手ヨークの嵌合孔にセレーション嵌合するセレーション嵌合工程と、
    対応する自在継手ヨークにセレーション嵌合された各軸部材を、対応する自在継手ヨークにかしめ接合するかしめ接合工程と、
    対応する自在継手ヨークにかしめ接合された一対の軸部材を、軸方向に相対移動自在に嵌合させる嵌合工程とを備え、
    上記かしめ接合工程において、少なくとも一方の軸部材の端面の周縁近傍に、対応するかしめ治具のかしめパンチを押し込み、当該軸部材の外周面の円周方向溝よりも端部側にある余肉を径方向外方へ拡げてかしめることを特徴とする駆動軸の製造方法。
  2. 請求項1に記載の駆動軸の製造方法において、
    上記セレーション嵌合工程の前に、各軸部材を形成するための素材の端部の外周にプレス成形によりセレーションを形成する工程を含むことを特徴とする駆動軸の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の駆動軸の製造方法において、
    上記一対の軸部材の少なくとも一方は、中空の軸部材を含み、
    上記かしめ接合工程において、中空の軸部材の端部へのかしめパンチの押し込みに先立って中空の軸部材の端部の内径を押し拡げるための拡径軸を含むかしめ治具が用いられることを特徴とする駆動軸の製造方法。
  4. 請求項1に記載の駆動軸の製造方法において、
    上記セレーション嵌合工程の前に、各軸部材を形成するための素材の端部の外周にプレス成形によりセレーションを形成する工程を備え、この工程では、
    少なくとも一方の軸部材と対応する自在継手ヨークの嵌合孔のセレーションの歯数Nは、
    第1および第2の自在継手ヨーク間で許容される位相角の公差を第1の公差2Aとし、 第1の自在継手ヨークおよびこれに接合される一方の軸部材の間に許容される位相角の公差、一対の軸部材間に許容される位相角の公差、並びに他方の軸部材および第2の自在継手ヨークの間に許容される位相角の公差の総和を第2の公差2Bとして、
    次式(1) を満足する整数に設定されることを特徴とする駆動軸の製造方法。
    N≧360/(2A+2B)…(1)
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