JP2007040420A - 駆動軸の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本駆動軸の製造方法では、自在継手ヨーク11,13の嵌合孔11c,13cに第1および第2の軸部材5,6をセレーション嵌合してかしめ接合する。その後、スプライン嵌合工程で、各自在継手ヨーク11,13にそれぞれ嵌合固定された第1および第2の軸部材5,6を、互いにスプライン嵌合させる。かしめ接合が、一対の軸部材5,6のスプライン嵌合の前であるので、かしめ接合の作業の手間を軽減できる。かしめ接合する際に、第2の軸部材6の端面6cの周縁近傍に、かしめ治具33のかしめパンチ35を押し込み、第2の軸部材6の外周面6fの円周方向溝19よりも端面6c側にある余肉36を径方向外方へ拡げてかしめ、接合強度を高くできる。
【選択図】 図6
Description
従来の駆動軸の製造方法として、自在継手ヨークと、対応する軸部材の他端とを、かしめにより互いに接合する製造方法がある(例えば、特許文献1,2参照。)。
特許文献2では、一方の軸部材は、中実軸からなり、その他端の外周が円筒面に形成されている。この軸部材の他端の外周が、自在継手ヨークの筒状の端部に嵌め込まれている。軸部材の他端がかしめパンチでかしめられて拡径されることにより、軸部材と自在継手ヨークとが接合される。
そこで、この発明の目的は、所要の接合強度を小さなかしめ力で得ることのできるかしめを利用した駆動軸の製造方法を提供することである。
本実施形態では、駆動軸の製造方法を、駆動軸が自動車のステアリング装置のインターミディエイトシャフトである場合に則して説明するが、本発明はこれに限らず、例えば、駆動軸が各種機械等の動力伝達軸である場合の駆動軸の製造方法に適用することもできる。
インターミディエイトシャフト1は、伸縮自在シャフト2と、第1の自在継手3と、第2の自在継手4とを有する。伸縮自在シャフト2の中心軸線2aに沿う方向である軸方向Sについて、伸縮自在シャフト2の一方の端部に第1の自在継手3が設けられ、伸縮自在シャフト2の他方の端部に第2の自在継手4が設けられている。
第1の軸部材5は、筒状をなす中空軸であり、軸方向Sの第1および第2の端部5a,5bを有する。
第1の軸部材5と、第2の軸部材6とは、互いに同心にスプライン嵌合されていて、トルク伝達可能に且つ伸縮自在シャフト2の軸方向に互いに相対移動自在に接続されている。これにより、伸縮自在シャフト2が全体として伸縮自在である。
第1の自在継手3は、自在継手ヨーク10と、自在継手ヨーク11と、十字軸12とを有する。十字軸12は、4つの軸部を有し、自在継手ヨーク10と、自在継手ヨーク11とを揺動可能に連結している。
自在継手ヨーク10は、互いに対向する一対のアーム10aと、一対のアーム10aを接続した接続部10bとを有していて、プレス成形されてなる。各アーム10aには、軸受孔(図示せず)が形成されている。軸受孔に、十字軸12の軸部が回動自在に嵌め入れられている。接続部10bは、嵌合孔(図示せず)を有する。この嵌合孔には、例えばステアリングシャフト(図示せず)が接続される。
自在継手ヨーク11は、互いに対向する一対のアーム11aと、一対のアーム11aを接続した接続部11bとを有していて、プレス成形されてなる。各アーム11aには、軸受孔(図示せず)が形成されている。軸受孔に、十字軸12(図1参照)の軸部が回動自在に嵌め入れられている。
第2の軸部材6の第2の端部6bの外周には、セレーション18が形成されている。セレーション18は、端面6cから軸方向に所定長さで延びる複数のセレーション歯を有している。また、第2の軸部材6の第2の端部6bの外周には、円周方向溝19が形成されている。円周方向溝19は、セレーション18のセレーション歯を横切って、無端状に周方向に延びている。円周方向溝19は、端面6cから軸方向に所定距離を離れて位置している。円周方向溝19よりも端部としての端面6c寄りにある先端部分20の一部が、余肉36(図7参照)としてかしめられることより、抜け止めかしめ部として機能する。ここで、円周方向溝19の位置は、以下のように設定されている。例えば、先端部分20の軸方向長さが、先端部分20の直径の5%の値以上であり且つ25%の値以下の範囲内の値とされている。
自在継手ヨーク13は、互いに対向する一対のアーム13aと、一対のアーム13aを接続した接続部13bとを有していて、プレス成形されてなる。各アーム13aには、軸受孔(図示せず)が形成されている。軸受孔に、十字軸15(図1参照。)の軸部が回動自在に嵌め入れられている。
<製造方法> 図1および図2を参照して、本実施の形態のインターミディエイトシャフト1の製造方法は、インターミディエイトシャフト1の複数の上述の各部品5,6,10,11,13,14をそれぞれ形成する複数の部品形成工程を有している。
自在継手ヨーク11を形成する工程では、自在継手ヨーク11をプレス成形により形成する。すなわち、自在継手ヨーク11の概略形状をプレス成形するととともに、自在継手ヨーク11の端部としての接続部11bの嵌合孔11cの内周にセレーション16をプレス成形により形成する。
自在継手ヨーク14を形成する工程では、自在継手ヨーク14をプレス成形により形成する。
第1の軸部材5を形成する工程では、第1の軸部材5を形成するための筒状の素材22を、互いに対をなす第1の金型23および第2の金型24によりプレス成形して塑性変形させ、第1の軸部材5を得る。当該工程では、第1の軸部材5の概略形状を形成し、これとともに、第1の端部5aになる素材22の端部22aの外周22bにプレス成形によりセレーション17を形成する。
第1の軸部材5を形成する工程では、第1および第2の金型23,24が相対向して配置され、その間に素材22が保持される。第1の金型23が、第2の金型24へ向けて移動し、その間にある素材22を押圧する。素材22は、その中心軸線が延びる方向に押圧力を受けて、素材22の端部22bが第2の金型24内に押し込まれて縮径し、素材22の端部22aが第1の金型23に保持されつつ拡径し、端部22aの外周22bにセレーション17が形成される。
製造方法は、第1の軸部材5および第1の自在継手3について、図4Aと図4Bに示すように第1の軸部材5を自在継手ヨーク11の接続部11bの嵌合孔11cに圧入状態でセレーション嵌合する第1のセレーション嵌合工程と、図4Cと図4Dに示すように第1の軸部材5と自在継手ヨーク11とを互いにかしめ接合する第1のかしめ接合工程と、かしめ接合された自在継手ヨーク11を含む第1の自在継手3(図1参照)を組み立てる第1の組立工程とを含んでいる。
図4Aを参照して、第1のセレーション嵌合工程では、先ず、第1の軸部材5がその第2の端部5bから保持用治具25の保持孔26に入れられる。これにより、第1の軸部材5が保持用治具25により保持された状態であって第1の軸部材5の第2の端部5bが保持用治具25の保持孔26の底部27により受けられた状態とする。
図5は、第1のかしめ接合工程で用いられるかしめ治具28と、第1の軸部材5と、自在継手ヨーク11との一部断面図である。図5および図4Cを参照する。
かしめ治具28は、一方向に延びて軸状に形成されている。かしめ治具28は、先端28aに設けられたテーパ形状の傾斜面29と、第1の軸部材5の内径を拡径するために先端28a寄りに設けられた拡径軸30と、拡径軸30に軸方向に隣接して設けられたかしめパンチ31とを有している。かしめ治具28は、保持用治具25の保持孔26に対向して同心に配置されている。かしめ治具28は、先端28aとは反対側の端部を駆動されて、その軸方向に往復移動でき、保持用治具25の保持孔26に接近することができ、また、この保持孔26から遠ざかることができる。
拡径軸30は、傾斜面29と軸方向に隣接して形成され、傾斜面29と連続してつながっていて、曲面で滑らかに接続されている。拡径軸30の外径D1は、第1のセレーション嵌合工程でセレーション嵌合された第1の軸部材5の第1の端部5aの内径D0よりも所定量大径(D1>D0)に形成されている。拡径軸30の外周面は、円筒面により形成され、軸方向に所定長さL1で延びている。拡径軸30の所定長さL1は、第1の軸部材5と、自在継手ヨーク11との嵌合長さL0よりも所定量長い(L1>L0)。拡径軸30は、中空状の第1の軸部材5の第1の端部5aへのかしめパンチ31の押し込みに先立って、第1の軸部材5の第1の端部5aの内径を押し拡げるためのものである。
このように保持された第1の軸部材5の第1の端部5aの内周5eに、かしめ治具28が先端28aから近接し押し込まれる。先ず、第1の軸部材5の第1の端部5aの内周5eが拡径軸30によりしごかれる。これにより、内周5eが拡径し、これに伴い、第1の軸部材5の第1の端部5aの外周5fも拡径する一方、自在継手ヨーク11の接続部11bの嵌合孔11cの拡径量は第1の軸部材5の内周の拡径量よりも小さい。その結果、第1の軸部材5および自在継手ヨーク11の圧入状態が強められて、接合強度が高められる。
本実施形態の製造方法は、第2の軸部材6および自在継手ヨーク13について、図6Aと図6Bに示すように第2の軸部材6を自在継手ヨーク13の接続部13bの嵌合孔13cに圧入状態でセレーション嵌合する第2のセレーション嵌合工程と、図6Cと図6Dに示すように第2の軸部材6と自在継手ヨーク13とを互いにかしめ接合する第2のかしめ接合工程と、かしめ接合された自在継手ヨーク13を含む第2の自在継手4(図1参照)を組み立てる第2の組立工程とを含んでいる。
図6Aを参照して、第2のセレーション嵌合工程では、先ず、第2の軸部材6がその第1の端部6aから保持用治具25の保持孔26に入れられる。これにより、第2の軸部材6が保持用治具25により保持された状態であって第2の軸部材6の第1の端部6aが保持用治具25の保持孔26の底部27により受けられた状態とする。
図7および図6Cを参照して、かしめ治具33は、中心軸線に沿って延びる軸部34と、軸部34の先端に設けられた突起状の複数のかしめパンチ35とを有している。かしめ治具33は、保持用治具25の保持孔26に対向して同心に配置されている。かしめ治具33は、かしめパンチ35とは反対側の端部を駆動されて、その軸方向に往復移動でき、保持用治具25の保持孔26に接近することができ、また、この保持孔26から遠ざかることができる。
このように保持された第2の軸部材6に、かしめ治具33が近接し、第2の軸部材6の第2の端部6bの端面6cにかしめ治具33のかしめパンチ35が押し込まれる。このとき、第2の軸部材6の第2の端部6bにおいて、円周方向溝19の近傍に応力集中が生じ、先端部分20が径方向外方へ局部的に塑性変形して屈曲し易くなる。かしめパンチ35の径方向外側にある傾斜面が、第2の軸部材6の第2の端部6bの先端部分20の周縁部分を径方向外方へ押圧し、塑性変形させて径方向外方へ拡げてかしめる。これに伴い、自在継手ヨーク13の接続部13bの嵌合孔13cの内周が、局部的に塑性変形する。その結果、第2の軸部材6および自在継手ヨーク13は、強固に接合される。
<セレーションの歯数> 図1に戻って、インターミディエイトシャフト1の自在継手ヨーク11と自在継手ヨーク13との間には、予め定める位相角Pが設定されている。この位相角Pは、伸縮自在シャフト2の軸方向に沿って見るときに、自在継手ヨーク11の一対のアーム11a同士が対向する方向D11と、自在継手ヨーク13の一対のアーム13a同士が対向する方向D13とのなす角度であり、換言すると、インターミディエイトシャフト1の両端部間の位相角である。位相角Pは、車種ごとに異なるインターミディエイトシャフト1の仕様に応じて種々の値に設定されている。また、位相角Pには、公差が設定されるが、通例、トルク変動を小さくするために、小さな公差(例えば、±3度)に設定される。
本実施の形態のインターミディエイトシャフト1では、セレーションの歯数Nは、次式(1) :N≧360/(2A+2B)を満足する整数に設定される。
ここで、第1の自在継手ヨークとしての上述の自在継手ヨーク11および第2の自在継手ヨークとしての上述の自在継手ヨーク13との間で許容される位相角Pの公差を第1の公差2Aとする。これとともに、自在継手ヨーク11およびこれに接合される第1の軸部材5との間に許容される位相角の公差、第1および第2の軸部材5,6間に許容される位相角の公差、並びに第2の軸部材6および自在継手ヨーク13の間に許容される位相角の公差の総和を第2の公差2Bとする。また、公差は、対象とする寸法等の許容される範囲の最大値と最小値との差である。また、以下では、寸法等の許容される最大値と最小値との間の範囲を公差範囲とする。
式(1) は、以下のようにして導出される。すなわち、上述の位相角Pには、通例、目標中心値と、その公差2Aが設定される。その一方で、上述の位相角Pは、インターミディエイトシャフト1の複数の部品を互いに組み立てた結果として結果的に得られる値でもある。この結果的に得られる値は、通例、インターミディエイトシャフト1の各部品の寸法の公差および各部品間の寸法または位置の公差の累積により決まる範囲内で、個体ごとにばらついている。このように個体ごとに結果的に得られる各値が、上述の目標中心値および公差2Aにより決まる公差範囲に入ることが求められている。
図8Aは、インターミディエイトシャフト1の要部の模式的な分解図であり、図8B、図8C、図8D、および図8Eは、自在継手ヨーク11、第1の軸部材5、第2の軸部材6および自在継手ヨーク13を、伸縮自在シャフト2の軸方向からそれぞれ見た状態を図示した模式図である。
また、互いにスプライン嵌合される第1および第2の軸部材5,6の間の位相角には、互いにスプライン嵌合される一対の軌道溝7,8の寸法の公差が影響する。
図8Aと図8Eを参照して、自在継手ヨーク13では、接続部13bの中心軸線の回りの角度位置について、基準となる一方のアーム13aの軸受孔(基準孔ST8ともいう。)と、セレーション21の基準となる歯溝(基準歯溝ST7ともいう。)との角度位置の差が、目標中心値0度で公差範囲が±b6度に設定されている。
このようにして組み立てられた組立品としてのインターミディエイトシャフト1では、自在継手ヨーク11の基準孔ST1の角度位置と自在継手ヨーク13の基準孔ST8との角度位置が一致するようにされる。また、値B=b1+b2+b3+b4+b5+b6とすると、自在継手ヨーク11,13間の位相角Pは、公差範囲が、0度±B度で結果的に実現され、各部品単品の公差の総和であり、且つ上述の各部品間の寸法または位置の公差の総和である値2Bの範囲で実現される。
インターミディエイトシャフト1のセレーション16,17の歯数Nが、例えば整数N1であるときに、セレーション16,17を一歯ずらしたときの、位相角のずれ量G3は、ずれ量G3=(360/N1)度となる。このずれ量G3と、公差範囲H1の半分と、公差範囲H2の半分との和(上述の範囲全体G2に相当する。)が、目標としての公差2Aよりも小さくなり、式(2) :
(360/N1)+2B≦2A
、が成り立つ。
N≧360/(2A+2B)
、が導かれる。
次に、図8と図9を参照して、各部品の公差、自在継手ヨーク11,13間の位相角Pの目標としての公差、歯数等の仕様の例を、具体的に説明する。
この場合の目標となる位相角Pの公差範囲は、52度(55度−3度)から、58度(55度+3度)までの範囲である。
A=3度、B=10分+10分+10分+10分+10分+10分=60分=1度、の各値を式(1) に代入し、Nを求める。結果は、歯数N≧90(歯)である。
次に、セレーション16,17の歯数が90である場合について、上述の目標としての位相角Pが実現できることを説明する。この場合、基準溝ST2と基準歯ST3との噛み合わせを1歯ずらすときの公差範囲の中心値の変化量(1歯当たりの調整角度に相当する。)は、360(度)/90(歯)=4(度/歯)である。
歯のずらし量は整数しかありえないため、13.75に最も近い整数である14を歯のずらし量として採用する。基準溝ST2と基準歯ST3との噛み合わせにおいて14歯をずらす場合には、位相角Pは、結果的に範囲H14の範囲内で得られることになる。この結果的に得られる範囲H14の中央値は、(一歯当たりの調整角度)と(歯のずらし量)との積で表され、この例では、4×14=56度である。また、結果的に得られる範囲H14は、55度(56度−1度)から、57度(56度+1度)までの範囲である。この範囲は、目標としての位相角Pの公差範囲G4(52度〜58度)内にある。
このように歯を小さくして、歯数を大きくすることで、調節した結果として得られる位相角Pが、任意の目標中心値と目標公差とを満足することができる。
また、セレーション歯の大きさとしてのモジュールの下限値は、上述のように、加工上の理由から、0.2である。また、歯数の下限値から、セレーションのピッチ円直径に応じて決まるセレーション歯の大きさとしてのモジュールの上限値が決まる。モジュールの上限値は、式(3) :(ピッチ円直径(mm))/(歯数の下限値)から求められる。
図10は、図8のセレーション16,17のピッチ円直径とモジュールとの関係を示すグラフであり、縦軸にモジュールを示し、横軸にピッチ円直径(PCD)(mm)を示す。
また、モジュールの下限値として0.3を採用してもよい。モジュールが0.3の場合には、モジュールが0.2の場合よりも加工が容易であり、好ましい。この場合には、図10のグラフにおいて、モジュールの上限値を結ぶ直線X1と、モジュールの下限値(0.3)を結ぶ直線X3との間に挟まれた領域内における、任意のピッチ円直径およびこれに対応するモジュールであれば、式(1) を満たすことができるセレーション歯となる。
このように本発明の実施形態によれば、図7に示すように、第2の軸部材6の端面6cの周縁近傍に、対応するかしめ治具33のかしめパンチ35を押し込み、第2の軸部材6の外周面6fの円周方向溝19よりも端面6c側にある余肉36を径方向外方へ拡げてかしめるようにしている。これにより、第2のかしめ接合工程では、かしめパンチ35を押し込んだときに、円周方向溝19がない場合に比べて、例えば等しいかしめ力での余肉36の変形量を大きくできるので、自在継手ヨーク13と第2の軸部材6とを確実に接合することができる。従って、自在継手ヨーク13と第2の軸部材6との所要の接合強度を小さなかしめ力で得ることができる。
また、セレーション16,17の歯数Nは式(1) を満足する上記の整数とすることにより、このセレーション嵌合において、互いに噛み合う歯同士を、例えば1歯ずらすことで、自在継手ヨーク11と第1の軸部材5との位相角をわずかな角度で微調整することができる。その結果、自在継手ヨーク11,13の位相角Pを、その公差範囲内に確実に調整することができる。従って、自在継手ヨーク11,13の位相角Pが互いに異なる複数の仕様のインターミディエイトシャフト1を製造するのに、共通の部品にて対応することが可能となる。
また、セレーション16,17の歯数は60歯以上であるのが、良好な操舵フィーリングを得ることができて、好ましい。
例えば、部品形成工程としては、プレス成形以外の方法により各自在継手ヨーク10,11,13,14および各軸部材5,6を形成することも考えられる。
上述の実施形態において、セレーション16,17の歯数を式(1) を満足する整数とすること、セレーション16,17,18,21をプレス成形すること、および第1のかしめ接合工程で用いるかしめ治具28が拡径軸30付きであること、の少なくとも一つを採用しない構成も考えられる。
また、第1の軸部材5の円周方向溝50を廃止することも考えられる。この場合であっても、第1のかしめ接合工程で、拡径軸30を含むかしめ治具28を用いることにより、かしめ接合による接合強度をより一層高めることができる。
Claims (4)
- 一対の自在継手ヨークと、各自在継手ヨークの嵌合孔にそれぞれ嵌合固定され互いに軸方向に伸縮自在に嵌合された一対の軸部材とを備える駆動軸を製造する方法であって、
各軸部材を対応する自在継手ヨークの嵌合孔にセレーション嵌合するセレーション嵌合工程と、
対応する自在継手ヨークにセレーション嵌合された各軸部材を、対応する自在継手ヨークにかしめ接合するかしめ接合工程と、
対応する自在継手ヨークにかしめ接合された一対の軸部材を、軸方向に相対移動自在に嵌合させる嵌合工程とを備え、
上記かしめ接合工程において、少なくとも一方の軸部材の端面の周縁近傍に、対応するかしめ治具のかしめパンチを押し込み、当該軸部材の外周面の円周方向溝よりも端部側にある余肉を径方向外方へ拡げてかしめることを特徴とする駆動軸の製造方法。 - 請求項1に記載の駆動軸の製造方法において、
上記セレーション嵌合工程の前に、各軸部材を形成するための素材の端部の外周にプレス成形によりセレーションを形成する工程を含むことを特徴とする駆動軸の製造方法。 - 請求項1または2に記載の駆動軸の製造方法において、
上記一対の軸部材の少なくとも一方は、中空の軸部材を含み、
上記かしめ接合工程において、中空の軸部材の端部へのかしめパンチの押し込みに先立って中空の軸部材の端部の内径を押し拡げるための拡径軸を含むかしめ治具が用いられることを特徴とする駆動軸の製造方法。 - 請求項1に記載の駆動軸の製造方法において、
上記セレーション嵌合工程の前に、各軸部材を形成するための素材の端部の外周にプレス成形によりセレーションを形成する工程を備え、この工程では、
少なくとも一方の軸部材と対応する自在継手ヨークの嵌合孔のセレーションの歯数Nは、
第1および第2の自在継手ヨーク間で許容される位相角の公差を第1の公差2Aとし、 第1の自在継手ヨークおよびこれに接合される一方の軸部材の間に許容される位相角の公差、一対の軸部材間に許容される位相角の公差、並びに他方の軸部材および第2の自在継手ヨークの間に許容される位相角の公差の総和を第2の公差2Bとして、
次式(1) を満足する整数に設定されることを特徴とする駆動軸の製造方法。
N≧360/(2A+2B)…(1)
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