JP2007040415A - 軸シール構造及び磁性シールの磁場制御方法 - Google Patents

軸シール構造及び磁性シールの磁場制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 軸シール構造及び磁性シールの磁場制御方法に関し、簡素な構成で生産性及びシール性能を向上させて、利用性の高める。
【解決手段】 軸部材9とその外周を被装するケーシング8との間の環状隙間13を封止する軸シール構造10であって、環状隙間13に磁場を形成する磁場形成装置3と、磁場形成装置3により形成された該磁場によって生じる磁力を受け、環状隙間13内に磁気的に捕捉されて、ケーシング8から軸部材9の周面にかけて環状に磁着し、ケーシング8と軸部材9との間をシールする非親油性の磁性流体4とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、作業機械の旋回モータ,走行モータ等の流体圧モータや流体圧ポンプに代表される回転駆動装置の軸部材に用いて好適な軸シール構造及び磁性シールの磁場制御方法に関する。
従来より作業機械には、旋回モータ,走行モータ等の油圧モータや油圧ポンプ、エンジン等の種々の回転駆動装置が設けられている。回転駆動装置には、回転軸とその外周を被装するケーシングとの間の摺動部分にシャフトシール等の軸シール構造が設けられ、ケーシング内部の作動油等のリークや外部からのホコリの侵入が防止されている。
典型的なシャフトシールは、回転軸としての軸部材とケーシングとの摺動部分に環状溝を形成するとともに、その内部にシールリップを構成する合成ゴムを環装して構成される。また、シールリップの外周部にはシールリップを縮径方向へ付勢するガータスプリングが環装される。これにより、軸部材がシールリップによって適度に締め付けられて、ケーシングの内部と外部とがシールされる。なお、このようなシャフトシールに関する技術としては、例えば特許文献1に記載のものがある。
特開平9−166223号公報(図5参照)
ところで、上述のような従来のシャフトシールでは、ケーシング内部側の圧力を外部に漏らさないようにするため、ガータスプリングの初期張力を大きくする必要がある。このため、シールリップが軸部材に接触するリップ先端接触面圧が高くなり、軸表面粗度が悪い場合等には摩耗しやすいという課題がある。つまり、シールリップ先端の摩耗により、作動油等のリークが発生しやすくなる。また、ケーシング内部側の圧力変動によってもシールリップ先端の接触面圧が低下することがあり、リークが発生しかねない。
また、合成ゴムは環状溝の内部に環装されるが、これらの合成ゴム及び環状溝の嵌め合い部分の密着性が十分でなければ、シールリップ先端だけでなく、シール外周からのリークが発生しかねない。
また、軸部材とケーシング(又はシールリップ)とのミスアライメントによって軸部材の回転に伴う摺動部分の寸法変動が大きくなると、シールリップがその寸法変動に追従できなくなることがある。この場合、シールリップが軸部材表面の振れに追従可能な範囲を少しでも超えた変動が生じると、シールリップ先端からのリークが発生しやすくなる。このため、軸部材やケーシングに求められる製品精度は厳しく設定されており、生産性を向上させ難いという課題がある。
また、回転駆動装置を長時間駆動していると、シールリップが徐々に劣化することも確認されている。この場合、軸部材をケーシングに対して支持するベアリングの発熱がシール側へ伝達され、シールリップ周辺の温度が上昇すると、ケーシング内部の作動油が合成ゴムに含浸しやすくなり、合成ゴムの変性が促進されることになる。
また、合成ゴムのシール構造を軸部材のシールとして適用する場合、軸部材表面に凹凸や酸化物の付着等があるとシールリップ先端が摩耗しやすくなるため、軸部材にクロムメッキを施して鏡面状に研磨し錆の発生,付着を抑制する必要があり、製品コストが嵩むという課題もある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、簡素な構成で生産性及びシール性能を向上させることができ、利用性を高めることができるようにした、軸シール構造及び磁性シールの磁場制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の軸シール構造(請求項1)は、軸部材と該軸部材の外周を被装するケーシングとの間の環状隙間を封止する軸シール構造であって、該環状隙間に磁場を形成する磁場形成装置と、該磁場形成装置により形成された該磁場によって生じる磁力を受け、該環状隙間内に磁気的に捕捉されて、該ケーシングから該軸部材の周面にかけて環状に磁着し、該ケーシングと該軸部材との間をシールする非親油性の磁性流体とを備えたことを特徴としている。
なお、ここでいう該非親油性の磁性流体とは、少なくとも該軸部材の作動油に対する疎油性を備えた媒体に磁性超微粒子を懸濁して磁気応答性を与えた疎油流体一般を含む。また、磁性流体は、磁気粘性流体,MR流体等とも呼ばれる。
また、該磁場形成装置は、電力を供給する電力供給手段と、該環状隙間近傍に設けられ該電力の供給を受けて該磁場を形成する電磁石とを有して構成されることが好ましい(請求項2)。
さらにこの場合、該磁性流体によって外部と区画される該ケーシング内部の圧力を検出する圧力センサと、該圧力センサで検出された該圧力に応じて、該電力供給手段から該電磁石へ供給される電力量を制御するコントローラとを備えることが好ましい(請求項3)。
加えて、該コントローラは、該圧力センサで検出された該圧力が高いほど、該電力供給手段から該電磁石へ供給される電力量を増加させることが好ましい(請求項4)。
また、該電磁石は、導線を環状に巻回したコイルと、該コイルの内部において該コイルの軸方向へ延在し該電力供給手段による該電力の非供給時に該磁性流体を磁気的に捕捉しうる磁化部材とを有して構成されることが好ましい(請求項5)。なお、ここでいう磁化部材とは、磁場下において磁化されうる部材であって、例えば珪素鋼板やアモルファス合金,フェライト等からなる鉄心一般を含む。
本発明の磁性シールの磁場制御方法(請求項6)は、軸部材と、該軸部材の外周を被装するケーシングと、該軸部材及び該ケーシング間の環状隙間に磁場を形成する磁場形成装置と、該磁場形成装置により形成された該磁場によって生じる磁力を受け、該環状隙間内に磁気的に捕捉されて、該軸部材の周面に環状に磁着する非親油性の磁性流体とを備えた磁性シールにおいて、該磁性流体によって外部と区画される該ケーシング内部の状態を把握し、該状態のうち該磁性流体の粘性に影響を及ぼすパラメータに基づいて、該磁場形成装置によって形成される該磁場の強度を制御することを特徴としている。
また、該ケーシング内部の圧力を検出する圧力センサを設け、該圧力センサで検出された該圧力に応じて該磁場の強度を制御することが好ましく(請求項7)、又は、該軸部材の回転数を検出する回転数センサを設け、該回転数センサで検出された該回転数に応じて該磁場の強度を制御することが好ましく(請求項8)、又は、該軸部材の回転表面の変動加速度を検出する加速度センサを設け、該加速度センサで検出された該加速度に応じて、該磁場の強度を制御することが好ましい(請求項9)。この場合、該加速度センサは、軸部材の表面を検知して、軸部材の回転変動加速度(該軸部材の回転数の時間微分値)を検出する。
なお、該圧力が高いほど、又は、該回転数が大きいほど、或いは、該変動加速度が大きいほど、該磁場の強度を強くすることが好ましい。
本発明の軸シール構造(請求項1)によれば、磁力によって捕捉される磁性流体を用いて軸部材の周面を封止するため、シール性を向上させることができる。つまり、合成ゴムシール構造のようにシール部材の摩耗や劣化がないため、リークが発生せず、高度なシール性を保持できる。また、磁性流体がシール部材として機能するため、ケーシングとの物理的な密着性を考慮する必要がない。
また、磁性流体を用いたシール構造となっているため、構成が簡素となるとともに、軸部材のミスアライメントによって発生する振動や軸部材の表面加工誤差によって生じる環状隙間の寸法変動に対して、自在に形状を変えながらシール性を確保することができる。また、磁性流体が非親油性であるため、ケーシング内部側の作動油が磁性流体に混入することがなく、化学的に作動油と磁性流体とを分離させることができる。
また、本発明の軸シール構造(請求項2)によれば、電力供給手段と電磁石とを備えることで、環状隙間に磁場を形成し続けることが容易となる。また、供給する電力の大きさを変更することで、磁場強度の調節が可能となる。
また、本発明の軸シール構造(請求項3)によれば、ケーシング内部の圧力に応じて磁場強度を変更することにより、磁性流体の粘性を制御することができる。つまり、磁性流体の軸部材及びケーシングに対する定着性を制御でき、シール性能を高めることができる。
また、本発明の軸シール構造(請求項4)によれば、ケーシング内部の圧力が高いほど磁性流体の定着性を向上させることにより、磁性流体によるリーク防止作用への信頼性を高めることができる。
また、本発明の軸シール構造(請求項5)によれば、磁化部材を備えたことにより、電力供給手段からの非通電時においても環状隙間に磁場を形成しておくことができ、磁性流体によるシールを捕捉することができる。
また、本発明の磁性シールの磁場制御方法(請求項6)によれば、ケーシング内部の状態に基づく磁場強度を制御により、磁性流体の粘性を制御することができ、シール性能を変更することができる。
また、本発明の磁性シールの磁場制御方法(請求項7)によれば、ケーシング内部の圧力に応じてシール性能を変更できる。例えば、ケーシング内部が外気圧に対して高圧である場合には、磁性流体の粘性を大きくすることによって封止能力を高めることができ、逆に磁性流体の粘性を小さくすることによって磁性流体の軸部材及びケーシングに対する接触抵抗(すなわち、摩擦抵抗)を低減させることができる。
また、本発明の磁性シールの磁場制御方法(請求項8)によれば、軸部材の回転数に応じてシール性能を変更できる。つまり、磁性流体に対する軸部材の摺動速度に合わせて、軸部材に対する磁性流体の相対粘度を調節することができる。
以下、図面により、本発明の実施形態について説明する。
図1,図2は、本発明の一実施形態としての軸シール構造を説明する図であり、図1は本構造の構成を示す模式図、図2は本構造が適用された油圧モータを示す断面図である。
[構成]
図2に示すように、本発明の軸シール構造10は、作業機械に設けられる回転駆動装置のひとつである油圧旋回モータ11及び旋回ドライブ12に適用される。この軸シール構造10は、軸部材とその外周を被装するケーシングとの間の環状隙間を封止するための軸シール構造である。
本軸シール構造10は、図1に示すように、磁場形成装置3と、磁性流体4とを備えて構成される。
磁場形成装置3は、軸部材9とケーシング8との環状隙間13に磁場を形成するための手段であり、ここでは、アンプ1(電力供給手段)と電磁石2とカバー7とを備えている。
アンプ1は、任意の電流を出力しうる汎用電源装置である。本実施形態では、後述のコントローラ6による制御がなされていないときには、予め設定された所定量の電流を出力供給し、また、コントローラ6に制御されると、電流量を増加又は減少させて出力する。なお、アンプ1は、作業機械のメインスイッチ(図示せず)に連動して作動するように構成されており、メインスイッチがオン操作されているときには電流を出力し、メインスイッチがオフ操作されているときには出力を停止する。
また、電磁石2は、電気回路を介してアンプ1に接続された導線を環状に巻回したコイル2aと、コイル2aの内部において巻回軸方向へ延在する鉄心2b(磁化部材)とを備えて構成される。コイル2aは、アンプ1から所定量の電流を供給されると、環状隙間13を介して軸部材9方向へ配向される磁束を生成するように磁場を形成する。これにより、コイル2a内の鉄心2bが磁化される。また鉄心2bは、コイル2aによって生成される磁束を通りやすくし、磁力を強めるように作用する。ここでは、コイル2aの巻回軸方向及び鉄心2bの延在方向は、軸部材9に対して略垂直となっている。この電磁石2は鉄やその他の金属等で形成された鋳物のカバー7の内部に設けられる。
なお、アンプ1からの電流の供給がなされなければ、コイル2aによる磁場は形成されないが、磁化された鉄心2bによって磁場が形成されるようになっている。
カバー7は、図1に示す断面形状を有して、環状隙間13においてケーシング8面上に軸部材9の全周を覆うように環状に配置される。また、本実施形態では、ケーシング8内において、軸部材9の周方向に略等間隔に電磁石2が配置される。これにより、ケーシング8内の電磁石2は環状隙間13近傍において、軸部材9の全周を覆うように設けられることになる。
磁性流体4は、電磁石2により形成された磁場によって生じる磁力を受け、環状隙間13内に磁気的に捕捉されて粘度を増加させ、カバー7の内周面から軸部材9にかけて環状に磁着する流体であり、ベースとなる媒体に磁性超微粒子を懸濁したものである。つまり、磁場はカバー7の内周面から軸部材9にかけて形成されるため、カバー7近傍において環状隙間13の全周に磁性流体4が磁着してシールされることになる。
なお、磁性流体4によるシール性能は、その粘度(すなわち、ベースに懸濁する磁性超微粒子同士が引きつけ合う磁気の力の大きさ)に応じて変化するものであるが、ここでは、前述の所定量の電流によって形成された磁場下、及び、鉄心2bによって形成される磁場下において、ケーシング8内部の作動油等のリークや外部からのホコリの侵入を防止しうる粘度となるように、磁性流体4の特性及び電流の大きさが設定されている。また、本実施形態では、磁性流体4のベース媒体として、軸部材9の作動油に対する非親油性(疎油性)を備えた媒体が用いられる。これにより、磁性流体4はケーシング8内の作動油によって混濁されないものとなっている。
磁性流体4によってシールされるケーシング8の内部側には、ケーシング8の内圧を検出する圧力センサ5が設けられている。ここで検出された内圧は、コントローラ6へ入力される。
また、図1に示すように、ケーシング8の内部側には、軸部材9の回転表面の変動加速度を検出する加速度センサ100、及び、軸部材9の回転数(すなわち、軸部材9とケーシング8との相対速度と同義)を検出する回転数センサ101が備えられている。これらのセンサで検出された変動加速度,回転数についても、コントローラ6へ入力される。
コントローラ6は、ケーシング内部の状態に応じてアンプ1から出力される電流の大きさを制御する電子制御装置である。ここでは、各センサから入力された内圧,変動加速度,回転数に基づいて、アンプ1から電磁石2へ供給される電流量を増加させる制御が実施される。
まず、コントローラ6は、圧力センサ5で検出されたケーシング8の内圧が高いほど、電磁石2へ供給される電流量を増加させる。また、コントローラ6は、加速度センサ100で検出された変動加速度が大きくなるにつれて、電磁石2へ供給される電流量を増加させ、さらに、回転数センサ101で検出された回転数が大きいほど、電磁石2へ供給される電流量を増加させる。
つまり、磁性流体4によるシール性能は、ケーシング8の内圧や摺動面の摺動速度,摺動加速度等によって変化するため、本実施形態ではケーシング内部の状態を検出する手段として圧力センサ5,加速度センサ100及び回転数センサ101を設け、これらの検出結果に応じて磁場の強度を制御し、磁性流体4の粘性を制御するようになっている。
[作用・効果]
以上のような構成により、本実施形態の軸シール構造10は以下のような作用・効果を奏する。
コントローラ6による制御がなされていないときには、アンプ1から所定量の電流が電磁石2へ供給される。電磁石2内のコイル2aに通電されると、環状隙間13を介して、軸部材9方向へ配向される磁束を生成するように磁場が形成される。同時に、鉄心2bが磁化されるとともに、コイル2aによる磁場が鉄心2bによって強化される。そして、電磁石2により形成された磁場によって生じる磁力を受けて、磁性流体4の粘性が増加して、カバー7の内周面から軸部材9にかけて環状に磁着する。
したがって、カバー7近傍において環状隙間13の全周を磁性流体4によってシールして、ケーシング8内部の環状隙間13を外部から区画することができる。
このシールは、流動性を備えた磁性流体4によって形成されるものであるため、軸部材9とケーシング8とのミスアライメントによって発生する振動や、軸部材9の表面加工誤差によって生じる環状隙間13の寸法変動に対して、自在に形状を変えながらシール性を確保することができる。つまり、軸部材9やケーシング8に高い制作精度を必要とせず、部材寸法精度の誤差を従来よりも大きく許容できるようになり、製品の生産性を向上させることができる。
また、このシール構造では、従来の合成ゴムシール構造のようにシール部材の摩耗や劣化がない。そのため、シールが切れたり隙間を生じるおそれがなく、ケーシング8内部からのリークを防止でき、高度なシール性を保持できる。また、シール部材とケーシング8との物理的な密着性についても考慮する必要がない。つまり、従来のような軸部材9の表面加工(メッキ加工等)が不要となり、製品コストを削減できる。さらに、磁性流体4が非親油性であるため、ケーシング8内部側の作動油が磁性流体4に混入することがなく、化学的に作動油と磁性流体4とを分離させることができる。
次に、ケーシング8内部の圧力が上昇した場合、圧力センサ5によって圧力の上昇が検出され、コントローラ6によってアンプ1から出力される電流が増量する制御が実施される。これにより、電磁石2によって形成される電場が強化され、磁性流体4の粘度が上昇して、ケース7及び軸部材9への定着性が高くなる。つまり、磁性流体4によるシール性を向上させることができ、リーク防止作用への信頼性を高めることができる。
軸部材4の回転数や回転表面の変動加速度が増大した場合も同様であり、加速度センサ100,回転数センサ101によって変動加速度,回転数の増大が検出されると、コントローラ6によってアンプ1から出力される電流が増量するように制御される。これにより、電磁石2によって形成される磁場の強度が高くなり、磁性流体4の粘度を上昇させることができ、磁性流体4によるシール性を向上させることができる。
また、作業機械のメインスイッチがオフ操作されてアンプ1からの電流出力が停止された場合、電磁石2への通電によって形成されていた磁場は消失することになるが、磁化された鉄心2bによる磁場は依然として形成されたままであるため、磁性流体4によるシール機能を保持することができる。
このように、本実施形態によれば、簡素な構成で、生産性及びシール性能をともに向上させて、極めて利用性の高い軸シール構造10を提供できる。
[その他]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態では、コントローラ6によるアンプ1からの出力制御が、ケーシング8内圧,軸部材9の回転数,回転表面の変動加速度に基づく制御となっているが、これらの何れか一つのパラメータに基づく制御であればよく、或いはこれらに限らず、ケーシング8内の温度等、ケーシング内部の状態に応じた制御としてもよい。
つまり、磁性流体4の粘度特性は、一般に、与えられる応力の大きさ等に応じて変化することが知られている。そこで、磁性流体4の粘度がリーク及びホコリの侵入を防止しうる粘度となるように磁場強度を正確に制御するには、磁性流体4の粘性に影響を与える様々なパラメータを考慮することが望ましいことになる。例えば、ケーシング8内の温度が高温であるほど、アンプ1から出力される電流を増量する制御を実施してもよい。
また、上述の実施形態では、アンプ1から出力される電流量を制御する構成となっているが、より本質的には、磁性流体4の磁着にかかる磁場強度を制御するものであればこれに限定されない。同様に、磁場形成装置3についても、電磁石2を用いたものに限定されない。
なお、上述の実施形態では、軸シール構造10が作業機械の油圧旋回モータ11及び旋回ドライブ12に適用されたものを例示したが、回転駆動装置における回転軸周りの摺動面をシールするための構造として、ポンプ等にも広く適用可能である。
本発明の一実施形態としての軸シール構造を示す模式図である。 本構造が適用された油圧モータを示す断面図である。
符号の説明
1 アンプ(電力供給手段)
2 電磁石
2a コイル
2b 鉄心(磁化部材)
3 磁場形成装置
4 磁性流体
5 圧力センサ
6 コントローラ
7 カバー
8 ケーシング
9 軸部材
10 軸シール構造
11 油圧旋回モータ
12 旋回ドライブ
13 環状隙間
100 加速度センサ
101 回転数センサ

Claims (9)

  1. 軸部材と該軸部材の外周を被装するケーシングとの間の環状隙間を封止する軸シール構造であって、
    該環状隙間に磁場を形成する磁場形成装置と、
    該磁場形成装置により形成された該磁場によって生じる磁力を受け、該環状隙間内に磁気的に捕捉されて、該ケーシングから該軸部材の周面にかけて環状に磁着し、該ケーシングと該軸部材との間をシールする非親油性の磁性流体と
    を備えたことを特徴とする、軸シール構造。
  2. 該磁場形成装置は、電力を供給する電力供給手段と、該環状隙間近傍に設けられ該電力の供給を受けて該磁場を形成する電磁石とを有して構成される
    ことを特徴とする、請求項1記載の軸シール構造。
  3. 該磁性流体によって外部と区画される該ケーシング内部の圧力を検出する圧力センサと、
    該圧力センサで検出された該圧力に応じて、該電力供給手段から該電磁石へ供給される電力量を制御するコントローラと
    を備えたことを特徴とする、請求項2記載の軸シール構造。
  4. 該コントローラは、該圧力センサで検出された該圧力が高いほど、該電力供給手段から該電磁石へ供給される電力量を増加させる
    ことを特徴とする、請求項3記載の軸シール構造。
  5. 該電磁石は、導線を環状に巻回したコイルと、該コイルの内部において該コイルの軸方向へ延在し該電力供給手段による該電力の非供給時に該磁性流体を磁気的に捕捉しうる磁化部材とを有して構成される
    ことを特徴とする、請求項2〜4の何れか1項に記載の軸シール構造。
  6. 軸部材と、該軸部材の外周を被装するケーシングと、該軸部材及び該ケーシング間の環状隙間に磁場を形成する磁場形成装置と、該磁場形成装置により形成された該磁場によって生じる磁力を受け、該環状隙間内に磁気的に捕捉されて、該軸部材の周面に環状に磁着する非親油性の磁性流体とを備えた磁性シールにおいて、
    該磁性流体によって外部と区画される該ケーシング内部の状態を把握し、
    該状態のうち該磁性流体の粘性に影響を及ぼすパラメータに基づいて、該磁場形成装置によって形成される該磁場の強度を制御する
    ことを特徴とする、磁性シールの磁場制御方法。
  7. 該ケーシング内部の圧力を検出する圧力センサを設け、
    該圧力センサで検出された該圧力に応じて該磁場の強度を制御する
    ことを特徴とする、請求項6記載の磁性シールの磁場制御方法。
  8. 該軸部材の回転数を検出する回転数センサを設け、
    該回転数センサで検出された該回転数に応じて該磁場の強度を制御する
    ことを特徴とする、請求項6又は7記載の磁性シールの磁場制御方法。
  9. 該軸部材の回転表面の変動加速度を検出する加速度センサを設け、
    該加速度センサで検出された該加速度に応じて、該磁場の強度を制御する
    ことを特徴とする、請求項6〜8の何れか1項に記載の磁性シールの磁場制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104390012A (zh) * 2014-11-04 2015-03-04 南京工业大学 磁流体润滑的机械密封装置及自适应密封控制方法

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