JP2005114104A - 電磁クラッチ付回転機のロック検出機構 - Google Patents

電磁クラッチ付回転機のロック検出機構 Download PDF

Info

Publication number
JP2005114104A
JP2005114104A JP2003351189A JP2003351189A JP2005114104A JP 2005114104 A JP2005114104 A JP 2005114104A JP 2003351189 A JP2003351189 A JP 2003351189A JP 2003351189 A JP2003351189 A JP 2003351189A JP 2005114104 A JP2005114104 A JP 2005114104A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electromagnetic clutch
rotating machine
magnetic flux
lock detection
detection mechanism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003351189A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4260599B2 (ja
Inventor
Hiroki Ishii
弘樹 石井
Mikio Matsuda
三起夫 松田
Naoki Hakamata
尚樹 袴田
Mitsuo Inagaki
稲垣  光夫
Motohiko Ueda
元彦 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Nippon Soken Inc filed Critical Denso Corp
Priority to JP2003351189A priority Critical patent/JP4260599B2/ja
Publication of JP2005114104A publication Critical patent/JP2005114104A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4260599B2 publication Critical patent/JP4260599B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

【課題】 別途検出のための部品を設けることなく、従来の電磁クラッチ1の構成においてコンプレッサ30のロック状態を検出する。
【解決手段】 閉磁路Φを形成する閉磁路形成手段3・5・6と、閉磁路Φ内に設けられた漏れ磁束可変部5k・6kと、閉磁路形成手段3・5・6に磁束を供給する電磁クラッチ1の励磁コイル4と、励磁コイル4に流れるコイル電流の変動からコンプレッサ30のロック状態を検出するECU20とを有し、ECU20は、漏れ磁束可変部5k、6kによる閉磁路Φの磁束変化から、コイル電流に生じる脈動によってコンプレッサ30のロック状態を検出する。
このように、電磁クラッチ1の吸引力を発生させる励磁コイル4から、電磁クラッチ1での磁束の変化をコイル電流の変化として取り出すようにした。これにより、別途検出のための部品を設ける必要がなく、低コストのロック検出機構とすることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、回転機のロック検出機構に関するものであり、特に原動機から電磁クラッチを介して回転力の伝達を受ける電磁クラッチ付回転機のロック検出機構に関するものである。
車両において、空調システムを構成する中にコンプレッサがある。このコンプレッサは、エンジンの回転動力をベルトにて伝達して動力源としている。このため、コンプレッサに故障が生じてコンプレッサがロックした場合、ベルトがコンプレッサのプーリ部で滑り、その熱により最悪の場合はベルトが切れ、他の機器にエンジン回転が伝達できないこととなる。
このため、コンプレッサの回転状態を検知する手段がコンプレッサには設けられている。この回転検出装置は、電磁クラッチの通電時にコンプレッサの回転が停止していると、コンプレッサのロックとして検出するものである。このコンプレッサの回転数検出装置として、特許文献1に開示された技術が知られている。
この技術は、励磁コイルの通電時に生じる漏れ磁束によって、コンプレッサの回転軸を通るバイパス磁路を形成すると共に、このバイパス磁路の影響を受ける磁気センサを設ける。このバイパス磁路は、回転軸を覆うボス部を貫通する磁性材を備え、この磁性材と回転軸の形状変化(キー溝)によるエアギャップ変化によって、バイパス磁路の磁力を変化させ、その変化によって生じる磁気センサの出力変化によって、コンプレッサの回転を検出するものである。
特開昭59−231226号公報
しかしながら、上記の従来技術では、ボス部に磁性材を貫通させる必要があるため、ボス部の強度低下や加工費の増大、および磁気センサそのもののコスト増大を招くという問題がある。本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的は、別途検出のための部品を設けることなく、従来の電磁クラッチの構成においてコンプレッサのロック状態を検出することのできる電磁クラッチ付回転機のロック検出機構を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、請求項1ないし請求項8に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、原動機(40)から電磁クラッチ(1)を介してその回転軸(30a)に回転力を受ける回転機(30)のロック検出機構であり、閉磁路(Φ)を形成する閉磁路形成手段(3、5、6)と、閉磁路(Φ)内に設けられた漏れ磁束可変部(5k、6k)と、閉磁路形成手段(3、5、6)に磁束を供給する電磁クラッチ(1)の励磁コイル(4)と、励磁コイル(4)に流れるコイル電流の変動から回転機(30)のロック状態を検出するロック検出手段(20)とを有し、
ロック検出手段(20)は、漏れ磁束可変部(5k、6k)による閉磁路(Φ)の磁束変化から、コイル電流に生じる脈動によって回転機(30)のロック状態を検出すること特徴としている。
この請求項1に記載の発明によれば、回転機(30)のロック状態を検出する手段として、電磁クラッチ(1)の吸引力を発生させる励磁コイル(4)から、電磁クラッチ(1)での磁束の変化をコイル電流の変化として取り出すようにしている。これにより、別途検出のための部品を設ける必要がなく、低コストのロック検出機構とすることができる。
また、請求項2に記載の発明では、閉磁路形成手段(3、5、6)の構成部材であり、原動機(40)によって回転される入力回転体(5)と、回転機(30)の回転軸(30a)に取り付けられた出力回転体(6)との夫々に、対応する漏れ磁束可変部(5k、6k)を設けたこと特徴としている。
この請求項2に記載の発明によれば、具体的には入力回転体(5)と出力回転体(6)との夫々に対応する漏れ磁束可変部(5k、6k)を設けることにより、磁気吸引力によって連結される入力回転体(5)と出力回転体(6)との間に漏れ磁束の変化がないか、つまり入力回転体(5)と出力回転体(6)との間にずれが発生していないかがコイル電流の変化として取り出せることとなる。
また、請求項3に記載の発明では、対応する漏れ磁束可変部(5k、6k)として、入力回転体(5)と出力回転体(6)との夫々の摩擦面(M)の一部に、対応する切り欠き部(5k、6k)を設けたこと特徴としている。この請求項3に記載の発明によれば、対応する漏れ磁束可変部(5k、6k)として、具体的には夫々の摩擦面(M)の一部に切り欠き部(5k、6k)を設けることにより、入力回転体(5)と出力回転体(6)との間にずれが発生していないかがコイル電流の変化として取り出せることとなる。
また、請求項4に記載の発明では、ロック検出手段(20)は、コイル電流に脈動が無い場合は回転機(30)の回転が正常であると判定し、コイル電流に脈動が有る場合は回転機(30)がロック状態であると判定すること特徴としている。この請求項4に記載の発明によれば、従来の回転数検出装置のように検出される信号変化が回転数に対応しているか否かでロック状態を検出するものではなく、ロック状態が発生すると信号変化を生じるため、検出容易なロック検出機構とすることができる。
また、請求項5に記載の発明では、閉磁路形成手段(3、5、6)の構成部材であり、電磁クラッチ(1)の励磁手段(3)と、原動機(40)によって回転される入力回転体(5)との夫々に、対応する漏れ磁束可変部(3k、5k)を設けたこと特徴としている。
この請求項5に記載の発明によれば、具体的には励磁手段(3)と入力回転体(5)との夫々に対応する漏れ磁束可変部(3k、5k)を設けることにより、回転機(30)の回転数に対応した漏れ磁束の変化がコイル電流の変化として取り出せることとなる。
また、請求項6に記載の発明では、対応する漏れ磁束可変部(3k、5k)として、励磁手段(3)と入力回転体(5)との夫々の一部に、対応する切り欠き部(3k、5k)を設けたこと特徴としている。この請求項6に記載の発明によれば、対応する漏れ磁束可変部(3k、5k)として、具体的には励磁手段(3)と、その励磁手段(3)と近接して回動する入力回転体(5)との夫々の一部に切り欠き部(3k、5k)を設けることにより、回転機(30)の回転数に対応した漏れ磁束の変化がコイル電流の変化として取り出せることとなる。
また、請求項7に記載の発明では、ロック検出手段(20)は、コイル電流に回転機(30)の回転数に対応した脈動が有る場合は回転機(30)の回転が正常であると判定し、コイル電流に脈動が無い場合は回転機(30)がロック状態であると判定すること特徴としている。この請求項7に記載の発明によれば、当機構を回転数検出装置としても利用することができるうえ、従来の回転数検出装置と同様に検出される信号変化が回転数に対応しているか否かでロック状態を検出するができる。
また、請求項8に記載の発明では、対応する漏れ磁束可変部(3k、5k、6k)を、回転方向での幅を小さくすると共に複数箇所設けたこと特徴としている。ここで、電流の変化は磁束の変化に応じた起電力によるもので、e=Φ/tで表される(Φは磁束、tは時間)。この式の意味は、磁束変化が同じでも時間が早くなれば起電力が大きくなることを表している。
この請求項8に記載の発明によれば、このことを利用して、漏れ磁束可変部としての切り欠き部(3k、5k、6k)の面積が同じでも、対応させて個数を増やすと大きな電流変化が得られることになる。これは、検出精度を上げるため、大きな電流変化が欲しいが、切り欠き部(3k、5k、6k)の面積を大きく取ると吸引力が低下するのを懸念するうえで有効である。尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る車両用冷房装置のコンプレッサ(回転機)30の回転に関するシステム模式図であり、図2は、本発明の第1実施形態におけるロック検出機構を適用したコンプレッサ30と電磁クラッチ1との部分断面図である。電磁クラッチ1は、例えば、車両用冷凍サイクルのコンプレッサ30などの回転機に装着され、必要に応じてエンジン(原動機)40の回転トルクをコンプレッサ30の回転軸30aに伝達するものである。
電磁クラッチ1は、ステータ(励磁手段であり閉磁路形成手段を成す)3と、その中に収容された励磁コイル4と、エンジン40によって回転駆動されるロータ5(入力回転体であり閉磁路形成手段を成す)と、励磁コイル4の発生する磁力によってロータ5に被着するアーマチャー(出力回転体であり閉磁路形成手段を成す)6と、このアーマチャー6と一体に回転してコンプレッサ30の回転軸30aに回転力を伝えるハブアッシー7とからなる。
励磁コイル4は、絶縁皮膜を施した銅線を巻いたもので、鉄などの磁性体性で断面コ字形のステータ3内に収容され、エポキシ等の樹脂部材3aによってステータ3内にモールド固定されている。尚、ステータ3は鉄などの磁性体製でリング状の支持部材3bに固定され、この支持部材3bがコンプレッサ30のハウジング30bのボス部30cの基部に第1サークリップ8で固定されることによって、ステータ3がコンプレッサ30に固定されている。
ロータ5は、周囲にベルト41が掛け渡される(図1参照)プーリ2を有し、ベルト41を介して伝達されたエンジン40の回転動力によって回転する。ロータ5は鉄などの磁性体製で、ステータ3を収容する断面コ字形を呈し、軸方向の一端面が平滑な摩擦面Mとして設けられている。また、ロータ5は、摩擦面Mの内周寄り、および外周寄りに、励磁コイル4の通電時に発生する磁路を迂回させるための長孔5aがほぼ全周にわたって設けられている。
また、ロータ5は、その内周に転がり軸受け9を備える。この転がり軸受け9は、コンプレッサ30の回転軸30aを覆うハウジング30bのボス部30cの周囲で、ロータ5を回転自在に支持するものである。外輪9aはロータ5の内周に固定されており、内輪9bはボス部30cの外周に装着され、第2サークリップ10によってボス部30cに固定されている。
アーマチャー6は、ロータ5の摩擦面Mに所定間隙を隔てて対向配置されるもので、鉄などの磁性体より成りリング状を呈する。このアーマチャー6は、ロータ5の摩擦面Mと対向する面が同様の摩擦面Mとして設けられている。また、アーマチャー6は、摩擦面Mの中間部分に、励磁コイル4の通電時に発生する磁路を迂回させるための長孔6aがほぼ全周にわたって設けられている。
ハブアッシー7は、アーマチャー6に固定されたアウターハブ7aと、コンプレッサ30の回転軸30aに固定されるインナーハブ7bと、アウターハブ7aとインナーハブ7bとを連結するクッションゴム7cとから構成される。アウターハブ7aは断面L字形の環状を呈し、円板部分がアーマチャー6と複数のリベット11によって固定されている。インナーハブ7bは、コンプレッサ30の回転軸30aとスプライン嵌合されて回転軸30aと一体に回転する。
クッションゴム7cは、アウターハブ7aの内周面とインナーハブ7bの外周面とに接着固定され、励磁コイル4の通電停止時にロータ5の摩擦面Mとアーマチャー6の摩擦面Mとの間の間隙を所定間隙に保つように設定されている。また、クッションゴム7cは、弾性変形してアーマチャー6がロータ5に被着するのを可能にし、励磁コイル4の通電が停止した際は、クッションゴム7cの復元力によってアーマチャー6を当初の位置に復帰させるものである。
電磁クラッチ1の制御手段であるECU20により、励磁コイル4は通電制御される。また、本発明のロック検出手段でもあるECU20は、励磁コイル4のコイル電流の変化を検知しており、そのコイル電流の変化からコンプレッサ30のロックを検出した際には励磁コイル4の通電を停止する保護機能を果たすものである。尚、ECU20はリレー21を制御することによって、励磁コイル4の通電を制御している。
次に、本実施形態での発明の要部を説明する。上記のような電磁クラッチ1において、本実施形態では、ロータ5とアーマチャー6の夫々に、摩擦面Mの一部を切り欠いた切り欠き部5kと6kとを設けている。図3は、図2中A−A断面でのロータ5とアーマチャー6との状態変化を説明する部分断面図である。図3(a)のように、両切り欠き部5k・6kが重なった状態ではロータ5とアーマチャー6との間の漏れ磁束は小さくなり、図3(c)のように、両切り欠き部5k・6kが完全に離れた状態ではロータ5とアーマチャー6との間の漏れ磁束は大きくなる。
また、図4は、本発明の第1実施形態におけるコイル電流でのロック検出方法を説明するグラフである。本実施形態でのロック検出方法は、上記図3で説明した漏れ磁束の大小を利用するものであり、コンプレッサ30が正常に回転する場合、図4に示すように、ロータ5とアーマチャー6との位置関係は図3のいずれの状態にあるとしても密着して動くため漏れ磁束は一定であり、励磁コイル4に通電しているコイル電流も一定となる(図4中の実線)。
この状態に対し、コンプレッサ30がロックした場合には、ロータ5とアーマチャー6との間の摩擦面Mに滑りを生じるため、両切り欠き部5k・6kの位置関係が変化して漏れ磁束の大きさに変化を生じることになる。そしてこれは、図4に示すように、励磁コイル4に通電しているコイル電流値に変化(脈動)をもたらすこととなる(図4中の破線)。この電流変動の有無をECU20で検出すればコンプレッサ30がロック状態と判断し、リレー21によって通電を停止するものである。尚、この電流変動は、切り欠きの個数に応じた変動を示すこととなる。
次に、本実施形態での特徴を説明する。まず、エンジン40から電磁クラッチ1を介してその回転軸30aに回転力を受けるコンプレッサ30のロック検出機構であり、閉磁路Φ(図2参照)を形成する閉磁路形成手段3・5・6と、閉磁路Φ内に設けられた漏れ磁束可変部5k・6kと、閉磁路形成手段3・5・6に磁束を供給する電磁クラッチ1の励磁コイル4と、励磁コイル4に流れるコイル電流の変動からコンプレッサ30のロック状態を検出するECU20とを有し、ECU20は、漏れ磁束可変部5k・6kによる閉磁路Φの磁束変化からコイル電流に生じる脈動によってコンプレッサ30のロック状態を検出している。
これによれば、コンプレッサ30のロック状態を検出する手段として、電磁クラッチ1の吸引力を発生させる励磁コイル4から、電磁クラッチ1での磁束の変化をコイル電流の変化として取り出すようにしている。これにより、別途検出のための部品を設ける必要がなく、低コストのロック検出機構とすることができる。
また、閉磁路形成手段3・5・6の構成部材であり、エンジン40によって回転されるロータ5と、コンプレッサ30の回転軸30aに取り付けられたアーマチャー6との夫々に、対応する漏れ磁束可変部5k・6kを設けている。
これによれば、具体的にはロータ5とアーマチャー6との夫々に対応する漏れ磁束可変部5k・6kを設けることにより、磁気吸引力によって連結されるロータ5とアーマチャー6との間に漏れ磁束の変化がないか、つまりロータ5とアーマチャー6との間にずれが発生していないかがコイル電流の変化として取り出せることとなる。
また、対応する漏れ磁束可変部5k・6kとして、ロータ5とアーマチャー6との夫々の摩擦面Mの一部に、対応する切り欠き部5k・6kを設けている。これによれば、対応する漏れ磁束可変部5k・6kとして、具体的には夫々の摩擦面Mの一部に切り欠き部5k・6kを設けることにより、ロータ5とアーマチャー6との間にずれが発生していないかがコイル電流の変化として取り出せることとなる。
また、ECU20は、コイル電流に脈動が無い場合はコンプレッサ30の回転が正常であると判定し、コイル電流に脈動が有る場合はコンプレッサ30がロック状態であると判定するようにしている。これによれば、従来の回転数検出装置のように検出される信号変化が駆動と対応しているか否かでロック状態を検出するものではなく、ロック状態が発生すると信号変化を生じるため、検出容易なロック検出機構とすることができる。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態におけるロック検出機構を適用したコンプレッサ30と電磁クラッチ1との部分断面図である。閉磁路形成手段であるステータ3・ロータ5・アーマチャー6で形成された閉磁路Φ内において、上述した第1実施形態ではロータ5とアーマチャー6との間に漏れ磁束可変部5k・6kを設けていたが、本実施形態ではステータ3とロータ5との間にその漏れ磁束可変部3k・5kを設けている点が異なる。具体的には、ステータ3とロータ5との夫々の一部に、対応する切り欠き部3kと5kとを設けている。
図6は、図5中B−B断面でのステータ3とロータ5との状態変化を説明する部分断面図である。図6(a)のように、両切り欠き部3k・5kが重なった状態ではステータ3とロータ5との間の漏れ磁束は小さくなり、図6(c)のように、両切り欠き部3k・5kが完全に離れた状態ではステータ3とロータ5との間の漏れ磁束は大きくなる。
また、図7は、本発明の第2実施形態におけるコイル電流でのロック検出方法を説明するグラフである。本実施形態でのロック検出方法は、上記図6で説明した漏れ磁束の大小を利用するものであり、コンプレッサ30が正常に回転している場合、両切り欠き部3k・5kの位置関係が常に変化して回転に応じて漏れ磁束の大きさに変化を生じることになる。
そしてこれは、図7に示すように、励磁コイル4に通電しているコイル電流値に変化(脈動)をもたらすこととなる(図7中の実線)。この電流変動をECU20で検知して回転数を検出できる。そして、別途測定しているエンジン回転数などからコンプレッサ30の回転数を演算し、この回転数と比較することでずれが生じていないかを判定することとなる。尚、この電流変動は、切り欠きの個数に応じた変動を示すこととなる。
この状態に対し、コンプレッサ30がロックし始めると、電流の脈動が演算した回転数とずれを生じ始め(図7中の破線)、コンプレッサ30が完全にロックした場合には、ステータ3とロータ5との位置関係は図6のいずれの状態にあるとして停止してしまうため、漏れ磁束は一定となり、励磁コイル4に通電しているコイル電流も一定となる(図4中の一点鎖線)。この状態をECU20で検出すればコンプレッサ30がロック状態と判断し、リレー21によって通電を停止するものである。
次に、本実施形態での特徴を説明する。まず、閉磁路形成手段3・5・6の構成部材であり、電磁クラッチ1の励磁手段3と、エンジン40によって回転される入力回転体5との夫々に、対応する漏れ磁束可変部3k・5kを設けている。これによれば、具体的には励磁手段であるステータ3と入力回転体であるロータ5との夫々に対応する漏れ磁束可変部3k・5kを設けることにより、コンプレッサ30の回転数に対応した漏れ磁束の変化がコイル電流の変化として取り出せることとなる。
また、対応する漏れ磁束可変部3k・5kとして、ステータ3とロータ5との夫々の一部に、対応する切り欠き部3k・5kを設けている。これによれば、対応する漏れ磁束可変部3k・5kとして、具体的にはステータ3と、そのステータ3と近接して回動するロータ5との夫々の一部に切り欠き部3k・5kを設けることにより、コンプレッサ30の回転数に対応した漏れ磁束の変化がコイル電流の変化として取り出せることとなる。
また、ECU20は、コイル電流にコンプレッサ30の回転数に対応した脈動が有る場合はコンプレッサ30の回転が正常であると判定し、コイル電流に脈動が無い場合はコンプレッサ30がロック状態であると判定するようにしている。これによれば、当機構を回転数検出装置としても利用することができるうえ、従来の回転数検出装置と同様に検出される信号変化が回転数に対応しているか否かでロック状態を検出するができる。
(第3実施形態)
図8は、本発明の第3実施形態を示し、図5中B−B断面でのステータ3とロータ5においてロック検出精度を向上させる方法を説明する断面図である。上述した第2実施形態を図8(a)とし、漏れ磁束可変部としての切り欠き部3k・5kは回転方向に1箇所で幅がLとすると、本実施形態の図8(b)では回転方向に2箇所とし幅をL/2としたものである。図9は、図8の(a)と(b)とでのコイル電流波形を比較したグラフであり、切り欠き幅を半分にすることで脈動の大きさeが略倍となっている。
次に、本実施形態での特徴を説明する。対応する切り欠き部(漏れ磁束可変部)3k・5kを、回転方向での幅を小さくすると共に複数箇所設けている。ここで、電流の変化は磁束の変化に応じた起電力によるもので、e=Φ/tで表される(Φは磁束、tは時間)。この式の意味は、磁束変化が同じでも時間が早くなれば起電力が大きくなることを表している。
このことを利用して、漏れ磁束可変部としての切り欠き部3k・5kの面積が同じでも、対応させて個数を増やすと大きな電流変化が得られることになる。これは、検出精度を上げるため、大きな電流変化が欲しいが、切り欠き部3k・5kの面積を大きく取ると吸引力が低下するのを懸念するうえで有効である。尚、本発明は第1実施形態の切り欠き部5k・6kにも適用でき、同じ効果を得ることができる。
本発明の実施形態に係る車両冷房装置用の圧縮機30の回転に関するシステム模式図である。 本発明の第1実施形態におけるロック検出機構を適用した圧縮機30と電磁クラッチ1との部分断面図である。 図2中A−A断面でのロータ5とアーマチャー6との状態変化を説明する部分断面図である。 本発明の第1実施形態におけるコイル電流でのロック検出方法を説明するグラフである。 本発明の第2実施形態におけるロック検出機構を適用したコンプレッサ30と電磁クラッチ1との部分断面図である。 図5中B−B断面でのステータ3とロータ5との状態変化を説明する部分断面図である。 本発明の第2実施形態におけるコイル電流でのロック検出方法を説明するグラフである。 本発明の第3実施形態を示し、図5中B−B断面でのステータ3とロータ5においてロック検出精度を向上させる方法を説明する断面図である。 図8の(a)と(b)とでのコイル電流波形を比較したグラフである。
符号の説明
1…電磁クラッチ
3…ステータ(励磁手段、閉磁路形成手段)
3k…切り欠き部、漏れ磁束可変部
4…励磁コイル
5…ロータ(入力回転体、閉磁路形成手段)
5k…切り欠き部、漏れ磁束可変部
6…アーマチャー(出力回転体、閉磁路形成手段)
6k…切り欠き部、漏れ磁束可変部
20…ECU、制御手段(ロック検出手段)
30…コンプレッサ(回転機)
30a…回転軸
40…エンジン(原動機)
M…摩擦面
Φ…閉磁路

Claims (8)

  1. 原動機(40)から電磁クラッチ(1)を介してその回転軸(30a)に回転力を受ける回転機(30)のロック検出機構であり、
    閉磁路(Φ)を形成する閉磁路形成手段(3、5、6)と、
    前記閉磁路(Φ)内に設けられた漏れ磁束可変部(5k、6k)と、
    前記閉磁路形成手段(3、5、6)に磁束を供給する前記電磁クラッチ(1)の励磁コイル(4)と、
    前記励磁コイル(4)に流れるコイル電流の変動から前記回転機(30)のロック状態を検出するロック検出手段(20)とを有し、
    前記ロック検出手段(20)は、前記漏れ磁束可変部(5k、6k)による前記閉磁路(Φ)の磁束変化から、前記コイル電流に生じる脈動によって前記回転機(30)のロック状態を検出すること特徴とする電磁クラッチ付回転機のロック検出機構。
  2. 前記閉磁路形成手段(3、5、6)の構成部材であり、前記原動機(40)によって回転される入力回転体(5)と、前記回転機(30)の回転軸(30a)に取り付けられた出力回転体(6)との夫々に、対応する前記漏れ磁束可変部(5k、6k)を設けたこと特徴とする請求項1に記載の電磁クラッチ付回転機のロック検出機構。
  3. 前記対応する漏れ磁束可変部(5k、6k)として、前記入力回転体(5)と前記出力回転体(6)との夫々の摩擦面(M)の一部に、対応する切り欠き部(5k、6k)を設けたこと特徴とする請求項2に記載の電磁クラッチ付回転機のロック検出機構。
  4. 前記ロック検出手段(20)は、前記コイル電流に脈動が無い場合は前記回転機(30)の回転が正常であると判定し、前記コイル電流に脈動が有る場合は前記回転機(30)がロック状態であると判定すること特徴とする請求項1に記載の電磁クラッチ付回転機のロック検出機構。
  5. 前記閉磁路形成手段(3、5、6)の構成部材であり、前記電磁クラッチ(1)の励磁手段(3)と、前記原動機(40)によって回転される入力回転体(5)との夫々に、対応する前記漏れ磁束可変部(3k、5k)を設けたこと特徴とする請求項1に記載の電磁クラッチ付回転機のロック検出機構。
  6. 前記対応する漏れ磁束可変部(3k、5k)として、前記励磁手段(3)と前記入力回転体(5)との夫々の一部に、対応する切り欠き部(3k、5k)を設けたこと特徴とする請求項5に記載の電磁クラッチ付回転機のロック検出機構。
  7. 前記ロック検出手段(20)は、前記コイル電流に前記回転機(30)の回転数に対応した脈動が有る場合は前記回転機(30)の回転が正常であると判定し、前記コイル電流に脈動が無い場合は前記回転機(30)がロック状態であると判定すること特徴とする請求項1に記載の電磁クラッチ付回転機のロック検出機構。
  8. 前記対応する漏れ磁束可変部(3k、5k、6k)を、回転方向での幅を小さくすると共に複数箇所設けたこと特徴とする請求項1〜3、5、6のいずれかに記載の電磁クラッチ付回転機のロック検出機構。
JP2003351189A 2003-10-09 2003-10-09 電磁クラッチ付回転機のロック検出機構 Expired - Fee Related JP4260599B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003351189A JP4260599B2 (ja) 2003-10-09 2003-10-09 電磁クラッチ付回転機のロック検出機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003351189A JP4260599B2 (ja) 2003-10-09 2003-10-09 電磁クラッチ付回転機のロック検出機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005114104A true JP2005114104A (ja) 2005-04-28
JP4260599B2 JP4260599B2 (ja) 2009-04-30

Family

ID=34542531

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003351189A Expired - Fee Related JP4260599B2 (ja) 2003-10-09 2003-10-09 電磁クラッチ付回転機のロック検出機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4260599B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010242509A (ja) * 2009-04-01 2010-10-28 Toyota Motor Corp ウォーターポンプの故障診断装置
CN102562854A (zh) * 2010-12-31 2012-07-11 上海三电贝洱汽车空调有限公司 电磁离合器及其线圈外壳的制造方法
JP2013160239A (ja) * 2012-02-01 2013-08-19 Nippon Soken Inc 動力伝達装置
CN104145129A (zh) * 2012-02-23 2014-11-12 三电有限公司 电磁离合器
JP2017198273A (ja) * 2016-04-27 2017-11-02 株式会社デンソー ロック検出装置
WO2022158206A1 (ja) * 2021-01-20 2022-07-28 株式会社デンソー 電磁クラッチ

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010242509A (ja) * 2009-04-01 2010-10-28 Toyota Motor Corp ウォーターポンプの故障診断装置
CN102562854A (zh) * 2010-12-31 2012-07-11 上海三电贝洱汽车空调有限公司 电磁离合器及其线圈外壳的制造方法
JP2013160239A (ja) * 2012-02-01 2013-08-19 Nippon Soken Inc 動力伝達装置
CN104145129A (zh) * 2012-02-23 2014-11-12 三电有限公司 电磁离合器
JP2017198273A (ja) * 2016-04-27 2017-11-02 株式会社デンソー ロック検出装置
WO2022158206A1 (ja) * 2021-01-20 2022-07-28 株式会社デンソー 電磁クラッチ
JP7415962B2 (ja) 2021-01-20 2024-01-17 株式会社デンソー 電磁クラッチ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4260599B2 (ja) 2009-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7757830B2 (en) Dual armature device for transmitting the movement to fans for cooling the engine of motor vehicles
US9112387B2 (en) Air-cooled electrical machine with automatic clutch
US20090167119A1 (en) Switched reluctance motor
US7538545B2 (en) Combined sensor and bearing assembly
JP6020304B2 (ja) クラッチ機構
JP2007244027A (ja) 回転電機
JP2786302B2 (ja) 電磁クラッチ
US20200266682A1 (en) Electric motor brake
JP2007024257A (ja) 電磁クラッチ付回転機
WO2014076867A1 (ja) クラッチ機構
JP4260599B2 (ja) 電磁クラッチ付回転機のロック検出機構
JP2014121269A (ja) ステータ及びこれを含むモーター
WO2003075438A1 (fr) Machine electrique a courant alternatif pour vehicule
JP5983385B2 (ja) クラッチ
JP5233196B2 (ja) 回転電機のロータ
JP2002084724A (ja) 車両用交流電機
JP6256119B2 (ja) 摩擦クラッチ
KR20070113730A (ko) 스위치드 릴럭턴스 모터
JPH10160027A (ja) 磁気ばね装置
JPH07139564A (ja) 電磁クラッチの異常検出装置
JP5768733B2 (ja) 動力伝達装置
JPH06159392A (ja) 電磁クラッチ付回転機の回転検出装置
JP5910472B2 (ja) クラッチ機構
WO2022130881A1 (ja) 動力伝達機構
JP5949500B2 (ja) クラッチ機構

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081111

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090203

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090204

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140220

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees