JP2013160239A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチのロック時のロック検出の応答性向上とコスト低減を図ることが可能な動力伝達装置を提供する。
【解決手段】本発明の動力伝達装置20は、電磁クラッチの電磁コイル1により発生させる磁界が通る磁気回路L1上のロータ3とステータ2及びハブ4とが相対回転する位置に少なくとも1つ以上の溝2c,3f;3g,41bを設け、ロータとステータ間又はロータとハブ間の相対回転による磁路の磁束変化から、駆動源であるベルトとプーリ7間の滑りと、ロータとハブ間の滑りを検出することにある。なお、電磁クラッチは、電磁コイルと永久磁石とを併用させたものでもよい。
【選択図】図4

Description

本発明は、駆動源から車載回転機器、例えば圧縮機、に動力を伝達する動力伝達装置に関するもので、特に回転機器のロック検出の応答性向上において有効である。
従来、自動車用空調装置の冷凍サイクルに用いられる圧縮機は、電磁クラッチを介してエンジン等の駆動源に連結され、電磁クラッチのオン、オフにより、駆動源からの動力伝達が断続されるようになっている。ところが、圧縮機が焼き付き等の故障を発生して、その回転軸がロックすると、駆動源であるエンジンの動力伝達装置のベルトに過大な力が加わり、ベルトの破損等の不具合が生じる。このベルトの破損等の不具合が一旦生じると、エンジン冷却水循環用ウォータポンプ、バッテリ充電用発電機等のエンジン補機が作動不能になり、エンジンの運転停止という重大事態を引き起こすので、この不具合を未然に防止するための対策が必要である。
そこで、従来では、例えば特許文献1による動力伝達装置に使用される圧縮機用電磁クラッチが知られている。この圧縮機用電磁クラッチは、圧縮機の駆動軸と一体に回転されるアーマチュアと、該アーマチュアを、通電による電磁吸引力によりロータに接触させる電磁コイルとを備え、アーマチュアとロータとの接触、離間により駆動源からの動力を駆動軸に伝達するとともに、動力を遮断するものであって、アーマチュアとロータとの接触時における滑りによる温度の異常上昇を検出する検出手段を、電磁コイルと別配線にして設けている。
特開2004−270644号公報
即ち、この従来技術では、アーマチュアとロータとの接触時における滑りによる温度の異常上昇を検出する検出手段である温度スィッチおよび/又は温度ヒューズをステータに設け、検出手段が温度の異常上昇を検出した際に、回転体の駆動を停止または起動を中止するようにしている。
しかしながら、この従来技術では、異常温度を検出する検出手段を別途追加で設ける必要があり、そのためコストがかかるという問題がある。
また、異常が発生して温度が上昇するまでに時間遅れがあり、ロック検出の応答性が悪く、回転体摺動部の損傷・摩耗が進行するという問題がある。
そこで、本発明者は鋭意検討し、ロータとハブが相対回転する位置に溝を設けることにより、電磁クラッチのロック時と通常接続時で電磁クラッチのコイル電流が変動することを見出して、ロックや滑りの異常を検出できることに着眼したものである。
即ち、本発明は、上記問題に鑑み、鋭意研究してなされたものであり、その目的は、電磁クラッチのロック時のロック検出の応答性向上とコスト低減を図ることができる動力伝達装置を提供することにある。
本発明は、前記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載の動力伝達装置を提供する。
請求項1に記載の動力伝達装置は、ベルトを介して駆動源につながれたプーリ(7)と、このプーリと同じ回転数で回転するロータ(3)と、回転機器の駆動軸(13)に結合されたハブ(4)と、このハブのロータ(3)と対向する位置に配置された摩擦板(17)と、回転機器のハウジング(11)に固定されたステータ(2)と、このステータに固定され、ロータとハブ間に磁力を発生させる電磁コイル(1)とを備えていて、電磁コイルにより発生させる磁界が通る磁気回路(L1)上のロータとステータ及びハブとが相対回転する位置に少なくとも1つ以上の溝(2c,3f;3g,41b)を設け、ロータとステータ間又はロータとハブ間の相対回転による磁路(L1)の磁束変化から駆動源であるベルトとプーリ間の滑りと、ロータとハブ間の滑りを検出するようにしたものである。
これにより、本発明は、電磁クラッチのロックや滑り等の異常検出の応答性を向上でき、異常時にすぐに対応できる。また、従来のようにハブとプーリとの接触時における滑りによる温度の異常上昇を検出するための温度検出センサが別途必要となることもなく、コイル電流の変動で異常を検出するので、コストを低減することができる。さらには、回転体摺動部の損傷・摩耗の進行を未然に防止することができる。
請求項2の動力伝達装置は、駆動源であるベルトとプーリ(7)間の滑りと、ロータ(3)とハブ(4)間の滑りの検出を、磁束変化から発生するコイル電流の変化をON・OFF切替え回路(50)に直列に設けた検出回路(80)で行うようにしたものである。この場合、検出回路の構成が簡易である。
請求項3に記載の動力伝達装置は、ベルトを介して駆動源につながれたプーリ(7)と、このプーリと同じ回転数で回転するロータ(3)と、回転機器の駆動軸(13)に結合されたハブ(4)と、このハブのロータと対向する位置に配置された摩擦板(17)と、回転機器のハウジング(11)に固定されたステータ(2)と、このステータに固定され、ロータとハブ間に磁力を発生させる永久磁石(6)と、この磁石によるロータとハブ間の磁力のON・OFFを切替える電磁コイル(1)と、を備えていて、磁石により発生させる磁界が通る磁気回路(L2)上のロータとステータ及びロータとハブとが相対回転する位置に少なくとも1つ以上の溝(2c,3f;3g,41b)を設け、ロータとステータ間又はロータとハブ間の相対回転による磁路の磁束変化から駆動源であるベルトとプーリ間の滑りと、ロータとハブ間の滑りを検出するようにしたものである。
これによる作用効果は、請求項1の作用効果と同様の作用効果を奏する。
また、ON・OFFを切替える時のみコイルに給電する無電力クラッチを使用しているので、省エネルギー効果も期待できる。
請求項4の動力伝達装置は、駆動源であるベルトとプーリ間の滑りと、ロータとハブ間の滑りの検出を、磁束変化から発生するコイル電流の変化をON・OFF切替え回路(50)と並列に設けた検出回路(60)で行うようにしたものである。
請求項5に記載の動力伝達装置は、ベルトを介して駆動源とつながれたプーリ(7)と、このプーリと同じ回転数で回転するロータ(3)と、回転機器の駆動軸(13)に結合されたハブ(4)と、このハブのロータと対向する位置に配置された摩擦板(17)と、回転機器のハウジング(11)に固定されたステータ(2)と、このステータに固定され、ロータとハブ間に磁力を発生させる永久磁石(6)と、この磁石によるロータとハブ間の磁力のON・OFFを切替える電磁コイル(1)と、を備えていて、磁石により発生させる磁界が通る磁気回路(L2)上のロータとステータ及びロータとハブとが相対回転する位置に少なくとも1つ以上の溝(2c,3f;3g,41b)を設け、交流電圧を電磁コイルに印加し、ロータとステータ間又はロータとハブ間の相対回転による磁路の磁束変化からベルトとプーリ間の滑りと、ロータとハブ間の滑りを検出するようにしたものである。
これによる作用効果は、請求項1の場合の作用効果と同様の作用効果を奏する。
請求項6の動力伝達装置は、電磁コイルに印加する電圧を共振周波数とし、ロータとステータ間又はロータとハブ間の相対回転による磁路の磁束変化から発生するコイル電流を増幅させるようにしたものである。これにより、電磁クラッチのS/N比を向上させることができ、異常を確実に検出できる。
請求項7の動力伝達装置は、磁束変化によるコイルの電流変化と駆動源の回転数とを比較し、プーリが1回転する時の電流変化の回数で滑りの検出を行うようにしたものである。
請求項8の動力伝達装置は、ロータとステータ間及びロータとハブ間の溝数は異なり、倍数かつ約数の関係にないようにしたものである。これにより、確実にロータとステータ間及びロータとハブ間の滑りを検出できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施例である動力伝達装置の上半分の縦断面図である。 第1実施例における検出回路の構成を示す図である。 (a)は、ステータの溝部形状を、(b)はロータの溝部形状をそれぞれ示す図である。 図1のA−A断面において、ロータとステータの両者の溝部の関係を示す図であり、(a)溝部同志が合わさった場合を、(b)溝部が互いにずれた場合を示している。 (a)は、図1のB−B視におけるロータの溝部を示す図であり、(b)は、図1のC−C視におけるハブの溝部を示す図である。 ロータとハブ間の断面図であり、(a)は、ロータとハブの溝部同志が合わさった場合を、(b)は、ロータとハブの両者の溝部がずれた場合を示している。 ロータとステータ間及びロータとハブ間の正常時及び滑り検出時の波形を示す表である。 検出回路による正常時と滑り時の波形を示す表である。 正常時と滑り時を判断するフローチャートを示す図である。 (a)は、第2実施例である動力伝達装置をONした時の上半分の縦断面図であり、(b)は、第2実施例である動力伝達装置をOFFした時の上半分の縦断面図である。 第2実施例の検出回路の構成を示す図である。 第3実施例の検出回路の構成を示す図である。 発信周波数と電流の関係を示すグラフである。
〔第1実施例〕
以下、図1〜9に従って本発明の第1実施例の動力伝達装置について説明する。図1において、7は駆動側のプーリであり、図示しないベルトを介して例えば自動車のエンジンから回転力を受けて回転するものである。このプーリ7は多重ベルトが係合される多重V溝7aを有しており、鉄系金属で製作されている。
3は断面コの字形状の2重円筒形状に形成された駆動側のロータで、鉄系金属(強磁性体)で製作されており、プーリ7とは溶接等の固着手段で一体に接合されている。このロータ3の内周側円筒部3e内には、ベアリング8が配置され、このベアリング8によりロータ3は回転可能である、例えば圧縮機のハウジング11の円筒状に突出したボス部11a上に回転自在に支持されるようになっている。なお、ベアリング8は、このボス部11aにサークリップ10により固定されている。ここで、圧縮機は自動車用空調装置の冷凍サイクルの冷媒圧縮用のものである。
2は固定磁極部材として役割を果たすステータで、内周側円筒部2a及び外周側円筒部2bを有する断面コの字形状の2重円筒形状に鉄系金属(強磁性体)で形成されている。このステータ2の内周側円筒部2a上に位置するようにして円環状の樹脂製コイルスプール15が、ステータ2の内部に配設されている。コイルスプール15上には電磁コイル1が巻線され、保持固定されている。さらに、コイルスプール15と電磁コイル1とは、樹脂部材16によりステータ2内に絶縁固定されている。
ステータ2は、ロータ3の断面コの字形状の内部空間内に微小隙間を介して配設されており、これにより、ロータ3はステータ2に対して回転自在になっている。このステータ2の背面部には鉄系金属よりなるステー14が点溶接等に固着されている。ステー14の中心部は、圧縮機のハウジング11のボス部11aが貫通する円形穴が開けられており、ステー14は、ハウジング11のボス部11aにサークリップ9により固定されている。こうして、ステータ2はステー14を介して圧縮機のハウジング11に固定されるようになっている。
断面コの字形状のロータ3の閉鎖側である、後述するハブと向き合う端面部3aには、その表裏を貫通するスリット孔3b,3cが円弧状に形成されていて、磁気が遮断されるようになっている。このスリット孔3b,3cは、径方向に上下2列に並んで、周方向に複数個形成されている。
4は、ロータ3に対向して配設されたハブである。このハブ4は、アーマチュア41、アウターハブ42弾性部材43及びインナーハブ44とから構成されている。ハブ4の外周側に位置し、ロータ3の端面部3aに対向して配設されてアーマチュア41は、環状に鉄系金属(強磁性体)、例えば炭素含有量の低いSPHC鋼等、で形成されている。アーマチュア41には、ロータ3の端面部3aと同様に、円周方向に延びるスリット孔41aが形成されていて、磁気が遮断されるようになっている。アーマチュア41のロータ3と対向する面には、摩擦板17が貼付されていて、伝達トルクの向上を図るようにしている。なお、摩擦板17はロータ3の端面部3a側に配設するようにしてもよい。
ハブ4のアウターハブ42は、断面L字形で環状に鉄系金属で形成されている。18はリベットであり、アーマチュア41をアウターハブ42の円筒部42aから径方向外方に延在するフランジ部42bに連結している。アウターハブ42の円筒部42aの内周面には、ゴム製弾性部材43が一体に接着固定されており、さらに弾性部材43の内周側には、鉄系金属で形成されたインナーハブ44が一体に接着固定されている。即ち、インナーハブ44とアウターハブ42とは弾性部材43を介して一体的に形成されていて、アウターハブ42とアーマチュア41とは、リベット18により固定されている。またアーマチュア41は、電磁コイル1の非通電時には、弾性部材43の弾性力によりロータ3の端面部3aから所定の微小距離、離れた位置に保持されるようになっている。
ハブ4のインナーハブ44は、ハウジング11のボス部11a内において、回転機器である圧縮機の駆動軸13にスプライン(セレーション)又はキー溝などの締結手段によって嵌合固定されると共に、ボルト12等の固定手段によって駆動軸13に固定されている。
電磁コイル1への通電により発生する磁束が流れる磁気回路L1が、図1に点線で示されるように、ロータ3のスリット孔3b,3c及びアーマチュア41のスリット孔41aを避けるようにして、ロータ3、ステータ2及びアーマチュア41間に形成される。これによって、アーマチュア41がロータ3に吸着され、駆動源であるベルトからプーリ7、ロータ3、ハブ4(アーマチュア41、アウターハブ42、弾性部材43及びインナーハブ44)を介して回転機器の駆動軸13への動力の伝達系が形成される。
このように、電磁クラッチのON時に常に電磁コイル1に給電を行い、ロータ3、ステータ2、ハブ4に磁気回路L1を形成することでハブ4をロータ3に引き寄せ、ハブ4とロータ3間の摺動摩擦によって動力伝達を行うことは、従来の電磁スィッチと同様である。
本実施例では、図3(a)に示すように、ステータ2の外周側円筒部2bの外周面に軸方向に延在する少なくとも1以上の溝2cを形成すると共に、図3(b)に示すように、ロータ3の外周側円筒部3dの内周面にも軸方向に延在する少なくとも1以上の溝3fを形成している。図3には、それぞれ1つの溝2c,3fが形成されている。即ち、図4に示されるように、ロータ3とステータ2とのそれぞれ相対する周面に、少なくとも1以上の溝2c,3fを形成している。
更に本実施例では、図5(a)に示すようにロータ3のハブ4と対向する端面部3aの面にも、径方向に延在する少なくとも1以上の溝3gを形成すると共に、図5(b)に示すようにアーマチュア41(ハブ)のロータ3と対向する面にも径方向に延在する少なくとも1以上の溝41bを形成する。即ち、図6に示されるように、ロータ3とアーマチュア41(ハブ4)とのそれぞれ相対する面に、少なくとも1以上の溝3g,41bを形成する。
このように電磁コイル1によって発生する磁気回路L1上の相対回転するロータ3とステータ2間及びロータ3とハブ4(アーマチュア41)間に溝2c,3f及び3g,41bを設け、溝の位置により磁気回路L1の磁気抵抗が変化する。即ち、図4(a)に示すようにステータ2の溝2cとロータ3の溝3fとが合わさった場合は、磁気抵抗が小さく、図4(b)に示すように溝2cと溝3fとの位置がずれた場合には、磁気抵抗が大きい。
同様に図6(a)に示すように、ロータ3とハブ4(アーマチュア41)間の溝3g,41bとが合わさった場合は、磁気抵抗が小さく、図6(b)に示すように溝3g,41bとの位置がずれた場合は、磁気抵抗が大きい。
このロータ3とステータ2間の溝の数とロータ3とハブ4(アーマチュア41)間の溝の数は異なり、倍数かつ約数の関係に無いことが必要である。この理由は、これらの間で溝が複数個所で合わさった場合が生じ、後述する正確なパルス数を検出できない恐れがあるからである。
図2は、本実施例の検出回路80の構成を示しており、本発明においては、電磁コイル1に流れる電流は、ロータ3とステータ2間及びロータ3とハブ4(アーマチュア41)間の磁気抵抗の変化によって変わり、この電流を制御装置(ECU)内に組み込まれたON・OFF切替回路50と直列に設けた検出回路80、即ち電流計により検出する。図2において、20は動力伝達装置であり、30は圧縮機であり、40は駆動源である自動車用エンジンを示している。
次に、図7,8に従って、滑りの検出について説明する。
(i)駆動源であるベルトとプーリ間の滑りの検出
正常(滑りが無い)状態では、ロータ3とステータ2間が一定の周期で相対回転し、ロータ3とハブ4(アーマチュア41a)間は同じ回転数で回転する。ロータ3とステータ2間には溝3fと2cの位置によって磁気抵抗が変化し、溝3fと2cが合わさった時(図4(a)の場合)に電磁コイル1の電流がパルス状に変化する。しかしながら、ロータ3とハブ4間では磁気抵抗の変化はない。例えば、ロータ3とステータ2間の切り欠き数が3箇所である場合、図7に示すように正常時では、1回転に3回のパルス状電流が生じる。なお、切り欠き数とは、1回転においてロータ3とステータ2間の溝の位置が合わさる数であり、例えば、ロータ3側の溝3fが3個所で、ステータ2側の溝2cが1個所である場合又は、その逆の場合を示している。
駆動源であるベルトとプーリ7間が滑っている場合は、ロータ3とステータ2間及びロータ3とハブ4(アーマチュア41)間は停止しているため磁気抵抗の変化が無くなり、ベルトとプーリ7間が滑っていると判断できる。この場合が、図7,8にコイル電流が一定であるとして示されている。
(ii)ロータとハブ間の滑り検出
ロータ3とハブ4(アーマチュア41)間が滑っている場合は、ロータ3とステータ2間で一定周期の磁気抵抗変化があり、ロータ3とハブ4間も溝の位置が変わるため磁気抵抗が変化し、ロータ3とハブ4間が滑っていると判断できる。即ち、ロータとステータ間の切り欠き数が3箇所でロータとハブ(アーマチュア)間の切り欠き数が2箇所である場合、ロータ3とステータ2間の1回転における3回のパルス状変化とロータ3とハブ4(アーマチュア41)間の1回転における2回のパルス状変化とが加算された、図8に示すように1回転に5回のパルス状変化が検出される。なお、ロータとハブ間の切り欠き数は、上述したロータとステータ間の切り欠き数と同様の考えで、例えば、ロータ3のハブ4と向き合う側の面の溝3gが2つで、ハブ4(アーマチュア41)側に溝41bが1つである場合又はその逆の場合を示している。
図9は、正常時と滑り時を判断するフローチャートを示している。まず、ステップS1で動力伝達装置ONの指令が行われ、電磁クラッチが作動し、電磁コイル1に電流が流れる。次にステップS2に移行し、プーリ7が1回転する時のパルス信号の数を検出する。この検出されたパルス信号の数が、2以上で4以下の場合(2≦パルス信号数≦4)には(ステップS3)、次のステップS4に移行し運転を断続し、ルーチンを終了する。ステップS3で、NOの場合は、ステップS5に移行し、パルス信号数が2より小さい(パルス信号数<2)場合は、ベルト滑りと判断し、ステップS6に移行し運転を停止する。またステップS5で、パルス信号数が2以上である場合は、ハブ滑りと判断して同じくステップS6に移行して運転を停止し、ルーチンを終了する。
〔第2実施例〕
図10(a)は、第2実施例における動力伝達装置をONした時の上半分の縦断面図であり、図10(b)は、動力伝達装置をOFFした時の上半分の縦断面図である。この第2実施例においては、ステータ2の内部構造が第1実施例と異なっている以外は、全て第1実施例と同様の構造である。したがって、ステータ2の内部構造のみを説明し、他の構成については説明を省略する。
即ち、第2実施例においては、ステータ2の内部の2つの電磁コイル1間には、永久磁石6が配置されている。なお、5は軸方向に移動可能な環状の鉄系部材である。
このように第2実施例は、ON・OFFを切替える時のみ電磁コイル1に給電する無電力クラッチを適用したものである。
図10(a)に示すように動力伝達装置20をONする時は鉄系部材5がハブ4側に移動するように電磁コイル1aに給電し、磁気回路L2を形成することでハブ4(アーマチュア41)をロータ3側に軸方向移動させ、ハブ4(アーマチュア41)とロータ3間の摺動摩擦により駆動力を回転機器である圧縮機30に伝達する。ハブ4(アーマチュア41)の移動後は、永久磁石6の磁力によってハブ4(アーマチュア41)をロータ3に引き寄せて、その状態を維持し、電磁コイル1への給電を必要としない。なお、ハブ4(アーマチュア41)とロータ3とを引き離すには図10(b)に示すように鉄系部材5がステー14側に移動するように電磁コイル1bに給電し、永久磁石6による磁気回路L3を形成することで行われる。
永久磁石6の磁束は、図10(a)に点線で示すようにロータ3、ステータ2、ハブ4(アーマチュア41)の磁路L2を通って流れ、電磁コイル1aにはその磁束による誘導起電力によって電流が流れる。磁束が流れる磁気回路L2上のロータ3とステータ2間及びロータ3とハブ4(アーマチュア41)間には、第1実施例で示されるような溝2c,3f,3g,41bを設け、前述したように相対回転する溝の位置により磁気抵抗が変化し、電磁コイル1aに流れる電流が変化する。磁気抵抗は、図4(a)及び図6(a)に示すように溝が合わさった時に最も小さくなり、互いの溝がずれた時に大きくなる。この場合、ロータ3とステータ2間の溝の数とロータ3とハブ4(アーマチュア41)間の溝の数は異なり、倍数かつ約数の関係に無い。
図11は、第2実施例における検出回路60の構成を示している。
電磁コイル1を流れる電流を、制御装置(ECU)内に組み込まれたON・OFF切替回路50と並列に設けた、電流計と抵抗とよりなる検出回路60によって検出し、この電流と駆動源である自動車用エンジン40の回転数を比較することで、駆動源であるベルトとプーリ7間及びロータ3とハブ4(アーマチュア41)間の2箇所の滑り検出を行う。
この滑り検出は、第1実施例で述べたように1回転する時のパルス信号数の検出により行われる。
〔第3実施例〕
第3実施例においては、動力伝達装置20の構成については、図10で示される第2実施例と同様であり、無電力クラッチが用いられている。しかしながら、第3実施例においては、検出回路の構成が第2実施例とは異なっている。
即ち、第3実施例においては、図12に示されるような、検出電流のS/N比を向上させる回路が用いられる。以下、ON時に常時電磁コイル1に電流を流さない無電力クラッチにおいて、検知する電流を増大(S/N比を向上)させる構成について説明する。
電磁コイル1に交流電圧を印加するコイル給電回路90と電磁コイル1に流れる電流を検知する検知回路60とを、制御装置(ECU)内に組み込まれたON・OFF切替回路50と並列に設け、図12に示すように直列共振回路を形成する。この場合、コイル給電回路90は、電圧計、抵抗及びコンデンサーとより構成され、検知回路60は、電流計と抵抗とにより構成される。
これにより、図13に電流I−周波数fとの関係がグラフで示されるように、電磁コイル1に発信する周波数
Figure 2013160239
に設定し電流を増大させる。この場合、Lはインダクタンスであり、Cはコンデンサキャパシティである。
これにより、パルス信号の検出が容易となる。
1 電磁コイル
1a 電磁コイル(ハブ側に形成)
1b 電磁コイル(ステー側に形成)
2 ステータ
2a 内周側円筒部
2b 外周側円筒部
2c 溝(外周側円筒部の外周面に形成)
3 ロータ
3a 端面部
3b,3c スリット孔
3d 外周側円筒部
3e 内周側円筒部
3f 溝(外周側円筒部の内周面に形成)
3g 溝(端面部のハブ側に形成)
4 ハブ
41 アーマチュア
41a スリット孔
42 アウターハブ
43 弾性部材
44 インナーハブ
6 永久磁石
7 プーリ
11 ハウジング
13 駆動軸
14 ステー
15 コイルスプール
17 摩擦材
20 動力伝達装置
30 圧縮機
40 自動車用エンジン
50 ON・OFF切替回路
60 検出回路
80 検出回路
90 コイル給電回路

Claims (8)

  1. 駆動源から回転機器に駆動力を伝達する動力伝達装置であり、ベルトを介して前記駆動源とつながれたプーリ(7)と、前記プーリと同じ回転数で回転するロータ(3)と、前記回転機器の駆動軸(13)に結合されたハブ(4)と、前記ハブの前記ロータ(3)と対向する位置に配置された摩擦板(17)と、前記回転機器のハウジング(11)に固定されたステータ(2)と、前記ステータに固定され前記ロータ(3)と前記ハブ(4)間に磁力を発生させる電磁コイル(1)と、を備えた動力伝達装置において、
    前記電磁コイル(1)により発生させる磁界が通る磁気回路(L1)上の前記ロータ(3)と前記ステータ(2)および前記ハブ(4)とが相対回転する位置に少なくとも1つ以上の溝(2c,3f;3g,41b)を設け、前記ロータ(3)と前記ステータ(2)間または前記ロータ(3)と前記ハブ(4)間の相対回転による磁路(L1)の磁束変化から駆動源であるベルトと前記プーリ(7)間の滑りと、前記ロータ(3)と前記ハブ(4)間の滑りを検出することを特徴とする動力伝達装置。
  2. 駆動源であるベルトと前記プーリ(7)間の滑りと、前記ロータ(3)と前記ハブ(4)間の滑りの検出は、磁束変化から発生するコイル電流の変化をON・OFF切替え回路(50)に直列に設けた検出回路(80)で行うことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 駆動源から回転機器に駆動力を伝達する動力伝達装置であり、ベルトを介して前記駆動源とつながれたプーリ(7)と、前記プーリと同じ回転数で回転するロータ(3)と、前記回転機器の駆動軸(13)に結合されたハブ(4)と、前記ハブの前記ロータ(3)と対向する位置に配置された摩擦板(17)と、前記回転機器のハウジング(11)に固定されたステータ(2)と、前記ステータ(2)に固定され、前記ロータ(3)と前記ハブ(4)間に磁力を発生させる永久磁石(6)と、前記永久磁石による前記ロータ(3)と前記ハブ(4)間の磁力のON・OFFを切替える電磁コイル(1)と、を備えた動力伝達装置において、
    前記永久磁石(6)により発生させる磁界が通る磁気回路(L2)上の前記ロータ(3)と前記ステータ(2)および前記ロータ(3)と前記ハブ(4)が相対回転する位置に少なくとも1つ以上の溝(2c,3f;3g,41b)を設け、前記ロータ(3)と前記ステータ(2)間または前記ロータ(3)と前記ハブ(4)間の相対回転による磁路(L2)の磁束変化から駆動源であるベルトと前記プーリ(7)間の滑りと、前記ロータ(3)と前記ハブ(4)間の滑りを検出することを特徴とする動力伝達装置。
  4. 駆動源であるベルトと前記プーリ(7)間の滑りと、前記ロータ(3)と前記ハブ(4)間の滑りの検出は、磁束変化から発生するコイル電流の変化をON・OFF切替え回路(50)と並列に設けた検出回路(60)で行うことを特徴とする請求項3に記載の動力伝達装置。
  5. 駆動源から回転機器に駆動力を伝達する動力伝達装置であり、ベルトを介して前記駆動源とつながれたプーリ(7)と、前記プーリと同じ回転数で回転するロータ(3)と、前記回転機器の駆動軸(13)に結合されたハブ(4)と、前記ハブの前記ロータ(3)と対向する位置に配置された摩擦板(17)と、前記回転機器のハウジング(11)に固定されたステータ(2)と、前記ステータ(2)に固定され、前記ロータ(3)と前記ハブ(4)間に磁力を発生させる永久磁石(6)と、前記永久磁石による前記ロータ(3)と前記ハブ(4)間の磁力のON・OFFを切替える電磁コイル(1)と、を備えた動力伝達装置において、
    前記永久磁石(6)により発生させる磁界が通る磁気回路(L2)上の前記ロータ(3)と前記ステータ(2)および前記ロータ(3)と前記ハブ(4)が相対回転する位置に少なくとも1つ以上の溝(2c,3f;3g,41b)を設け、交流電圧を前記電磁コイル(1)に印加し、前記ロータ(3)と前記ステータ(2)間または前記ロータ(3)と前記ハブ(4)間の相対回転による磁路(L2)の磁束変化から駆動源であるベルトと前記プーリ(7)間の滑りと、前記ロータ(3)と前記ハブ(4)間の滑りを検出することを特徴とする動力伝達装置。
  6. 前記電磁コイル(1)に印加する電圧を共振周波数とし、前記ロータ(3)と前記ステータ(2)間または前記ロータ(3)と前記ハブ(4)間の相対回転による磁路(L2)の磁束変化から発生するコイル電流を増幅させることを特徴とする請求項5に記載の動力伝達装置。
  7. 磁束変化による前記電磁コイル(1)の電流変化と前記駆動源の回転数とを比較し、前記プーリ(7)が1回転する時の電流変化の回数で滑りの検出を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
  8. 前記ロータ(3)と前記ステータ(2)間および前記ロータ(3)と前記ハブ(4)間の溝数は異なり、倍数かつ約数の関係にないことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
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