JP2007040267A - 車両の振動抑制制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 機関出力変化時における車両駆動系の共振に伴う車両振動を駆動輪がスリップしても良好に抑制可能とする車両の振動抑制制御装置を提供する。
【解決手段】 機関1の出力変化時における車両駆動系の共振に伴う車両振動を車両駆動系の共振周波数に基づき抑制する車両の振動抑制制御装置において、変速機2のギヤ位置に基づき決定される共振周波数を、駆動輪5のスリップ時には高周波数側に補正する。
【選択図】 図1
【解決手段】 機関1の出力変化時における車両駆動系の共振に伴う車両振動を車両駆動系の共振周波数に基づき抑制する車両の振動抑制制御装置において、変速機2のギヤ位置に基づき決定される共振周波数を、駆動輪5のスリップ時には高周波数側に補正する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車両の振動抑制制御装置に関する。
車両加速時に車両駆動系が捩り共振して不快な車両振動を発生することがある。この車両振動を抑制するために、車両加速時には、車両駆動系の共振周波数が変速機のギヤ位置に応じて変化することを考慮して、現在の車両駆動系の共振周波数に基づき機関出力を制御することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
前述の背景技術において、車両加速時に、変速機のギヤ位置に応じて定められた共振周波数に基づき機関出力が制御されても、例えば、機関出力の上昇直後に駆動輪がスリップすると、車両駆動系の慣性モーメントが変化するために車両駆動系の共振周波数も変化し、車両駆動系の捩じり共振振動を十分に抑制することができないことがある。
従って、本発明の目的は、機関出力変化時における車両駆動系の共振に伴う車両振動を駆動輪がスリップしても良好に抑制可能とする車両の振動抑制制御装置を提供することである。
本発明による請求項1に記載の車両の振動抑制制御装置は、機関出力変化時における車両駆動系の共振に伴う車両振動を車両駆動系の共振周波数に基づき抑制する車両の振動抑制制御装置において、変速機のギヤ位置に基づき決定される前記共振周波数を、駆動輪スリップ時には高周波数側に補正することを特徴とする。
本発明による請求項2に記載の車両の振動抑制制御装置は、請求項1に記載の車両の振動抑制制御装置において、前記共振周波数は、駆動輪非スリップ時の車両駆動系の慣性モーメントと駆動輪スリップ時の車両駆動系の慣性モーメントとの比に基づき補正されることを特徴とする。
本発明による請求項3に記載の車両の振動抑制制御装置は、請求項2に記載の車両の振動抑制制御装置において、駆動輪スリップ時の車両駆動系の前記慣性モーメントは、駆動輪完全スリップ時の車両駆動系の慣性モーメントと駆動輪非スリップ時の車両駆動系の慣性モーメントとの間で現在のスリップ状態に応じて決定されることを特徴とする。
本発明による請求項4に記載の車両の振動抑制制御装置は、請求項3に記載の車両の振動抑制制御装置において、前記現在のスリップ状態に応じた駆動輪スリップ時の車両駆動系の前記慣性モーメントは、車両の乗員及び荷物の重量をも考慮して決定されることを特徴とする。
本発明による請求項5に記載の車両の振動抑制制御装置は、請求項1に記載の車両の振動抑制制御装置において、前記共振周波数に基づき機関出力を強制的に変化させて前記車両振動を抑制する際に、前記機関出力の強制的な変化は、前記共振周波数が高いほど遅れて開始することを特徴とする。
本発明による請求項6に記載の車両の振動抑制制御装置は、請求項1に記載の車両の振動抑制制御装置において、前記共振周波数に基づき機関出力を強制的に変化させて前記車両振動を抑制する際に、前記共振周波数が設定周波数より高い時には、前記機関出力の強制的な変化を中止することを特徴とする。
本発明による請求項7に記載の車両の振動抑制制御装置は、請求項1に記載の車両の振動抑制制御装置において、前記共振周波数に基づき機関出力を強制的に変化させて前記車両振動を抑制する際に、機関回転数が設定回転数より低い時には、前記機関出力の強制的な変化を中止することを特徴とする。
本発明による請求項1に記載の車両の振動抑制制御装置によれば、機関出力変化時における車両駆動系の共振に伴う車両振動を車両駆動系の共振周波数に基づき抑制する車両の振動抑制制御装置において、変速機のギヤ位置に基づき決定される共振周波数を、駆動輪スリップ時には車両駆動系の慣性モーメントが小さくなるために高周波数側に補正し、現在の共振周波数を正確に決定している。それにより、駆動輪スリップ時においても正確な共振周波数に基づき車両振動を良好に抑制することができる。
本発明による請求項2に記載の車両の振動抑制制御装置によれば、請求項1に記載の車両の振動抑制制御装置において、共振周波数は、駆動輪非スリップ時の車両駆動系の慣性モーメントと駆動輪スリップ時の車両駆動系の慣性モーメントとの比に基づき補正されるようになっており、それにより、駆動輪スリップ時の共振周波数を簡単に決定することができる。
本発明による請求項3に記載の車両の振動抑制制御装置によれば、請求項2に記載の車両の振動抑制制御装置において、駆動輪スリップ時の車両駆動系の慣性モーメントは、駆動輪完全スリップ時の車両駆動系の慣性モーメントと駆動輪非スリップ時の車両駆動系の慣性モーメントとの間で現在のスリップ状態に応じて決定されるようになっている。それにより、現在のスリップ状態が、全く機関出力が路面に伝達されない駆動輪完全スリップではなく、一部の機関出力は路面に伝達されているようなスリップ状態である時にも、現在の共振周波数は正確に決定され、車両振動を良好に抑制することができる。
本発明による請求項4に記載の車両の振動抑制制御装置によれば、請求項3に記載の車両の振動抑制制御装置において、現在のスリップ状態に応じた駆動輪スリップ時の車両駆動系の慣性モーメントは、車両の乗員及び荷物の重量をも考慮して決定されるようになっており、それにより、現在の共振周波数をさらに正確に決定することができ、車両振動をさらに良好に抑制することができる。
本発明による請求項5に記載の車両の振動抑制制御装置によれば、請求項1に記載の車両の振動抑制制御装置において、共振周波数に基づき機関出力を強制的に変化させて車両振動を抑制する際に、共振周波数が高いほど車両駆動系の共振振動は遅れて発生するために、機関出力の強制的な変化は、共振振動の発生に合わせて共振周波数が高いほど遅れて開始するようになっている。それにより、車両振動を良好に抑制することができる。
本発明による請求項6に記載の車両の振動抑制制御装置は、請求項1に記載の車両の振動抑制制御装置において、共振周波数に基づき機関出力を強制的に変化させて車両振動を抑制する際に、共振周波数が設定周波数より高い時には、車両駆動系の共振振動を打ち消すように共振周波数に合わせて機関出力を強制的に変化させることは困難であり、この時には機関出力の強制的な変化を中止している。
本発明による請求項7に記載の車両の振動抑制制御装置は、請求項1に記載の車両の振動抑制制御装置において、共振周波数に基づき機関出力を強制的に変化させて車両振動を抑制する際に、機関回転数が設定回転数より低い時には、車両駆動系の共振振動を打ち消すように共振周波数に合わせて機関出力を強制的に変化させることは困難であり、この時には機関出力の強制的な変化を中止している。
図1は車両駆動系の概略図である。同図において、1は機関本体、2は変速機、3は駆動軸、4は終減速装置、5は駆動輪である。駆動輪5には車両質量が作用している。このような車両駆動系を有する車両の加速要求に対して、機関本体1の出力が高められると、車両の加速度Aは、図2に点線で示すように上昇するのが理想的である。しかしながら、高められた機関出力は、ほぼ確実に車両駆動系の捩じり振動の共振周波数成分を有するために、車両駆動系へ作用すると、車両駆動系を共振周波数Fの逆数の周期Tで捩じり共振振動させる。それにより、車両加速度Aは、実際には、図2に実線で示すように変化し、運転者は、不快な車両振動を感じることとなる。
このような車両駆動系の振動を抑制するために、図3に示すように、車両駆動系の周期Tの捩じり振動に伴う車両加速度Aの変化を相殺するように、機関出力Tqを強制的に変化させれば良い。すなわち、時刻t1において、車両駆動系の捩じり振動に伴う車両加速度変化が発生すると、捩じり振動の1/2周期後の時刻t2において機関出力を最大に増加させ、捩じり振動の1/2周期後の時刻t3において機関出力の増加分が0となるように時刻t2から徐々に機関出力の増加分を減少させ、さらに、捩じり振動の1/2周期後の時刻t4において機関出力を最大に減少させるように時刻t3から徐々に減少分を増加させることとなる。ここで、機関出力の最大増加分及び最大減少分の大きさは、一定値しても良いが、車両加速度変化の振幅a1に応じて決定するようにしても良く、例えば、車両の加速要求が大きいほど大きく設定することができる。
このように、車両加速時の不快な振動を抑制するためには、車両駆動系の捩じり振動の周期Tを決定しなければならない。この捩じり振動周期Tの決定は、その逆数である車両駆動系の共振周波数Fを決定することを意味し、前述の振動抑制制御は、車両駆動系の共振周波数Fに基づく制御と言うこともできる。車両駆動系の共振周波数Fは、車両駆動系の等価慣性モーメントIの関数であり、次式(1)によって表される。
F=(K/I)1/2・・・(1)
F=(K/I)1/2・・・(1)
ここで、Kは車両駆動系の捩じり剛性係数であり、車両駆動系の等価慣性モーメントIは、機関本体1自身の慣性モーメントIeと、変速機2のギヤ位置nと、終減速装置4のデファレンシャルギヤ比dとの関数fを使用して、次式(2)によって表される。
I=f(Ie,n,d)+Id+Iv・・・(2)
ここで、Idは駆動軸3の慣性モーメントであり、Ivは駆動輪5に作用する車両質量に伴う等価慣性モーメントである。
I=f(Ie,n,d)+Id+Iv・・・(2)
ここで、Idは駆動軸3の慣性モーメントであり、Ivは駆動輪5に作用する車両質量に伴う等価慣性モーメントである。
一般的には、式(2)において、車両運転中の変数は、変速機2のギヤ位置nだけであるとして、例えば、I1(一速)、I2(二速)、I3(三速)、I4(四速)、I5(五速)のように、ギヤ位置毎の車両駆動系の等価慣性モーメントが予め算出され、マップ化されていた。
しかしながら、車両加速時において、駆動輪5がスリップすることがあり、それにより、機関出力が路面に完全に伝達されなくなると(完全スリップ)、この時の車両駆動系の等価慣性モーメントIは車両質量に伴う等価慣性モーメントIvを有さなくなる。それにも係わらずに、現在のギヤ位置だけに基づき設定された等価慣性モーメントIn(n=1から5)に基づく共振周波数Fn(n=1から5)を使用して車両の振動抑制制御を実施すると、振動を十分に抑制することができないだけなく、場合によって振動を増幅させてしまう。
本実施形態では、例えば、車両に設けられた加速度センサ等により車両の加速が検出された時刻t0(図2参照)の直後における機関回転数変化率dNE(回転数/秒)が、ギヤ位置及びアクセルペダルの踏み込み量(加速程度)毎に設定されている非スリップ時の対応する(今回のギヤ位置及びアクセルペダルの踏み込み量に)機関回転変化率dNEnより大きい時(dNE>dNEn)には、駆動輪5がスリップしていると考えることができ、この時には、ギヤ位置毎に設定されている等価慣性モーメントIを高周波数側へ補正するようになっている。
また、スリップ時の判断には、機関回転数変化率dNEだけでなく、例えば、車両の加速が検出された時(時刻t0)の直後の車両の加速度Aを、非スリップ時の今回のギヤ位置及びアクセルペダルの踏み込み量に対応する加速度Anと比較するようにしても良い。この場合において、加速度Aが加速度Anより小さい時に、駆動輪5がスリップしていると判断することができる。
こうして、本実施形態においては、式(2)における車両運転中の変数は、ギヤ位置nと車両質量の等価慣性モーメントIvとなり、式(2)をI=f’(n)+Ivとして、スリップ時には車両質量の等価慣性モーメントIvを0とすることとなる。式(1)から車両駆動系の共振周波数Fは、車両駆動系の等価慣性モーメントIの1/2乗に反比例するものであるために、次式(3)に示すように、各ギヤ位置でのスリップ時の共振周波数Fnsは、各ギヤ位置での非スリップ時の共振周波数Fnに、非スリップ時の等価慣性モーメント(f’(n)+Iv)とスリップ時の等価慣性モーメント(f’(n))との比の1/2乗を乗算補正すれば良い。
Fns=Fn*((f’(n)+Iv)/f’(n))1/2・・・(3)
Fns=Fn*((f’(n)+Iv)/f’(n))1/2・・・(3)
このように、スリップ時には、非スリップ時の共振周波数Fnを高周波数側へ補正して実際に近い共振周波数Fnsとして、車両の振動抑制制御を使用することにより、車両振動を十分に抑制することが可能となる。
ところで、駆動輪5がスリップする場合において、機関出力が路面に完全に伝達されなくなる完全スリップだけでなく、機関出力の一部だけが路面に伝達されなくなくスリップも考えられ、このようなスリップ時において、車両質量の等価慣性モーメントIvを0とすると、車両駆動系の等価慣性モーメントIが実際と異なることとなって、算出される車両駆動系の共振周波数Fnsがそれほど正確とはならない。
それにより、式(3)を次式(4)のようにして、共振周波数Fnsの算出に利用することが好ましい。
Fns=Fn*((f’(n)+Iv)/(f’(n)+Iv・k))1/2・・・(4)
ここで、kはスリップ時にも作用する車両質量の等価慣性モーメントの割合を示す係数である。
Fns=Fn*((f’(n)+Iv)/(f’(n)+Iv・k))1/2・・・(4)
ここで、kはスリップ時にも作用する車両質量の等価慣性モーメントの割合を示す係数である。
図4は、特定のギヤ位置及び特定のアクセルペダルの踏み込み量において、車両の加速が検出された時(時刻t0)の直後の回転数の変化を示すグラフである。スリップ時の判断に使用した機関回転数変化率dNEは、図4の実線の傾きとなり、図4の点線は非スリップ時を、また、図4の一点鎖線は完全スリップ時をそれぞれ示している。
それにより、今回のギヤ位置及びアクセルペダルの踏み込み量における係数kは、今回の加速検出直後の機関回転数変化dNEと、今回のギヤ位置及びアクセルペダルの踏み込み量に対応する非スリップ時の機関回転数変化率dNEn(点線の傾き)と、今回のギヤ位置及びアクセルペダルの踏み込み量に対応する完全スリップ時の機関回転数変化率dNEs(一点鎖線の傾き)とを使用して、次式(5)のように特定することができる。
k=(dNEs−dNE)/(dNEs−dNEn)・・・(5)
k=(dNEs−dNE)/(dNEs−dNEn)・・・(5)
式(5)において、完全スリップ時には、今回の機関回転数変化dNEがdNEsとなって係数kは0となり、非スリップ時には、今回の機関回転数変化dNEがdNEnとなって係数kは1となる。このようにして特定された係数kを式(4)において使用することにより、駆動輪スリップ時の車両駆動系の等価慣性モーメントは、駆動輪完全スリップ時の車両駆動系の慣性モーメントと駆動輪非スリップ時の車両駆動系の慣性モーメントとの間で現在のスリップ状態に応じて決定される。こうして、スリップ状態に応じた正確な共振周波数Fnsが算出され、車両の振動抑制制御により車両振動を良好に抑制することが可能となる。
また、前述の係数kの算出に使用した完全スリップ時の機関回転数変化率dNEsと非スリップ時の機関回転数変化率dNEnとは、車両の乗員及び荷物の重量によって変化するものであり、それにより、仮定された乗員及び荷物の重量に対して設定されたこれらの機関回転数変化率dNEs及びdNEnをそのまま使用するのではなく、実際の乗員及び荷物の重量に基づく値dNEs’及びdNEn’を式(4)おいて使用することが好ましい。例えば、実際の乗員及び荷物の重量に基づく完全スリップ時の機関回転数変化率dNEs’及び非スリップ時の機関回転数変化率dNEn’は、次式(6)及び(7)のように設定することができる。
dNEs’=dNEs*dNE’/dNEn・・・(6)
dNEn’=dNE’・・・(7)
dNEs’=dNEs*dNE’/dNEn・・・(6)
dNEn’=dNE’・・・(7)
ここで、dNE’はスリップしない路面での走行時において測定された加速検出直後の機関回転数変化であり、dNEnは、今回の測定に対応するギヤ位置及びアクセルペダルの踏み込み量に対して設定されている非スリップ時の加速検出直後の機関回転数変化(仮定された乗員及び荷物の重量に基づいている)である。こうして、スリップしない路面において、ギヤ位置及びアクセルペダルの踏み込み量の新たな組み合わせでの加速が実施される毎に、式(7)のように、非スリップ時の機関回転数変化dNEn’は測定された値dNE’とされ、完全スリップ時の機関回転数変化dNEs’は、予め設定された機関回転数変化dNEsを、測定されたdNE’と予め設定された非スリップ時の機関回転数変化dNEnとの比によって補正する。それにより、係数kを実際の乗員及び荷物の重量を考慮して正確に設定することができ、すなわち、現在のスリップ状態に応じた駆動輪スリップ時の車両駆動系の慣性モーメントは、車両の乗員及び荷物の重量をも考慮して決定される。こうして、スリップ状態に応じたさらに正確な共振周波数Fnsが算出され、車両の振動抑制制御により車両振動をさらに良好に抑制することが可能となる。
ところで、車両の加速が開始してから車両駆動系が共振振動を開始するまでの期間S(図2におけるt0からt1の期間)は、車両駆動系の捩じり剛性係数Kと、捩じり減衰係数Cと、共振周波数Fとの関数となっており、共振周波数Fが高いほど長くなる。それにより、本実施形態においては、この関数に基づき、算出された共振周波数Fが高いほど、前述の車両の振動抑制制御は、車両の加速開始から遅れて開始するようにしている。
前述の車両の振動抑制制御において、機関出力Tqの変化は、例えば、燃料噴射量を変化させたり、又は、点火時期を変化させたりすることにより実施されるが、実際に機関出力が変化する時期は、燃料噴射量又は点火時期を変化させた気筒の爆発行程(例えば、圧縮上死点から90クランク角度後)であり、これを考慮して燃料噴射量又は点火時期を制御することとなる。
また、実際の時刻t2から時刻t4(振動周期T)までの機関出力の変化に際して、内燃機関の気筒数及び現在の回転数に応じて、時刻t2から時刻t4までの間に爆発行程を迎える気筒数は変化することとなる。しかしながら、算出された車両駆動系の共振周波数Fが設定周波数より高い場合には、振動周期Tが非常に短くなって、時刻t2からt4までの間に爆発行程を迎える気筒数が例えば二つ以下のように非常に少なくなることがある。このような場合には、実質的に車両の振動抑制制御は困難であり、車両振動を抑制するための機関出力の強制的な変化は中止することが好ましい。
また、実際の時刻t2から時刻t4までの機関出力の変化に際して、機関回転数が設定回転数より低い場合にも、時刻t2からt4までの間に爆発行程を迎える気筒数が例えば二つ以下のように非常に少なくなる。このような場合にも、実質的に車両の振動抑制制御は困難であり、車両振動を抑制するための機関出力の強制的な変化は中止することが好ましい。これまで、車両加速時の車両振動に関して説明したが、車両減速時にも機関出力が変化するために同様な車両振動が発生することがあり、この振動も加速時同様に抑制することが好ましい。
1 機関本体
2 変速機
3 駆動軸
4 終減速装置
5 駆動輪
2 変速機
3 駆動軸
4 終減速装置
5 駆動輪
Claims (7)
- 機関出力変化時における車両駆動系の共振に伴う車両振動を車両駆動系の共振周波数に基づき抑制する車両の振動抑制制御装置において、変速機のギヤ位置に基づき決定される前記共振周波数を、駆動輪スリップ時には高周波数側に補正することを特徴とする車両の振動抑制制御装置。
- 前記共振周波数は、駆動輪非スリップ時の車両駆動系の慣性モーメントと駆動輪スリップ時の車両駆動系の慣性モーメントとの比に基づき補正されることを特徴とする請求項1に記載の車両の振動抑制制御装置。
- 駆動輪スリップ時の車両駆動系の前記慣性モーメントは、駆動輪完全スリップ時の車両駆動系の慣性モーメントと駆動輪非スリップ時の車両駆動系の慣性モーメントとの間で現在のスリップ状態に応じて決定されることを特徴とする請求項2に記載の車両の振動抑制制御装置。
- 前記現在のスリップ状態に応じた駆動輪スリップ時の車両駆動系の前記慣性モーメントは、車両の乗員及び荷物の重量をも考慮して決定されることを特徴とする請求項3に記載の車両の振動抑制制御装置。
- 前記共振周波数に基づき機関出力を強制的に変化させて前記車両振動を抑制する際に、前記機関出力の強制的な変化は、前記共振周波数が高いほど遅れて開始することを特徴とする請求項1に記載の車両の振動抑制制御装置。
- 前記共振周波数に基づき機関出力を強制的に変化させて前記車両振動を抑制する際に、前記共振周波数が設定周波数より高い時には、前記機関出力の強制的な変化を中止することを特徴とする請求項1に記載の車両の振動抑制制御装置。
- 前記共振周波数に基づき機関出力を強制的に変化させて前記車両振動を抑制する際に、機関回転数が設定回転数より低い時には、前記機関出力の強制的な変化を中止することを特徴とする請求項1に記載の車両の振動抑制制御装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015137563A (ja) * | 2014-01-21 | 2015-07-30 | 株式会社デンソー | 燃料噴射制御装置 |
-
2005
- 2005-08-05 JP JP2005227805A patent/JP2007040267A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
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