JP2007040214A - 回転式気体圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑油が回転軸に沿ってハウジングの外方へ染み出すのをより確実に防止できる回転式気体圧縮機を提供する。
【解決手段】低圧空間29から取り入れた気体を圧縮するための回転体23を有し潤滑油が供給される圧縮機構12と、圧縮機構12を収容するハウジング11とを備え、回転体23は、ハウジング11の外方から回転動力が伝達される回転軸18を有し、ハウジング11には、回転軸18の貫通を許しかつこれを支承する軸受24が設けられ、軸受24と回転軸18との間には、メカニカルシール機構50が設けられた回転式気体圧縮機10である。ハウジング11には、メカニカルシール機構50から見て圧縮機構12とは反対側で回転軸18を取り巻く油回収空間61が設けられ、油回収空間には、回転軸18を取り巻く二次シール手段が設けられ、ハウジング11には、油回収空間と低圧空間29とを連通する油戻し通路が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、低圧空間から取り入れた気体を圧縮するために回転する回転体を有し潤滑油が供給される圧縮機構と、これを収容するハウジングとを備える回転式気体圧縮機に関する。
従来の回転式気体圧縮機では、回転体を有する圧縮機構と、これを収容するハウジングとを備え、圧縮機構に潤滑油が供給されているものがある。回転体は、低圧空間から取り入れた気体を圧縮するために回転し、この回転動力がハウジングの外方から伝達される回転軸を有する。この回転軸は、ハウジングに設けられた軸受を貫通し、かつこの軸受に回転可能に支持されることにより、回転動力がハウジングの外方から伝達されることが可能とされている。このため、この回転式気体圧縮機では、圧縮機構に供給された潤滑油が回転軸に沿ってハウジングの外方へと漏れ出す虞があるので、この漏れを防止するために、回転軸と軸受との間にメカニカルシール機構を設けたものがある。メカニカルシール機構は、回転軸との摩擦を生じることなくシールすることができるので、潤滑油の漏れの防止に伴う回転軸の摩損を招くことなく、潤滑油が回転軸に沿ってハウジングの外方へと漏れ出すことを防止しつつ圧縮機構の円滑な動作を可能とすることができる。
ところが、メカニカルシール機構で潤滑油の漏れを完全に防止することは高い加工精度を必要とし、確実な封止を得ることは容易ではなく、メカニカルシール機構を経て潤滑油がハウジングの外方へと染み出してくることがある。このため、染み出した潤滑油をドレインチューブで回収し油回収個所に導くことが考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−254235号公報(第5−7頁、図5)
しかしながら、メカニカルシール機構から染み出す潤滑油の量が多い場合、ドレインチューブで潤滑油を完全に回収することは困難であり、ハウジングの外方へ漏れ出ることが考えられる。この漏れ出た潤滑油は、例えば、回転軸に回転動力を伝達するために、ハウジングにプーリが転がり軸受を介して回転可能に取り付けられ、この転がり軸受の潤滑にグリースが適用されている場合、このグリースを洗い流してしまう虞がある。また、このプーリへの動力の伝達を断続自在とするためにクラッチ機構が採用されている場合、このクラッチ機構に潤滑油が入り込むと、クラッチ機構の伝達面にすべりが生じる虞がある。
そこで、本発明の目的は、潤滑油が回転軸に沿ってハウジングの外方へ染み出すことをより確実に防止することができる回転式気体圧縮機を提供することにある。
上記した課題を解決するために、請求項1に記載の回転式気体圧縮機は、低圧空間から取り入れた気体を圧縮するために回転する回転体を有し潤滑油が供給される圧縮機構と、該圧縮機構を収容するハウジングとを備え、前記回転体は、前記ハウジングの外方から回転動力が伝達される回転軸を有し、前記ハウジングには、前記回転軸の貫通を許しかつ該回転軸を支承する軸受が設けられ、該軸受と前記回転軸との間には、メカニカルシール機構が設けられた回転式気体圧縮機であって、前記ハウジングには、前記メカニカルシール機構から見て前記圧縮機構とは反対側で前記回転軸を取り巻く油回収空間が設けられ、該油回収空間には、前記回転軸を取り巻く二次シール手段が設けられ、前記ハウジングには、前記油回収空間と前記低圧空間とを連通する油戻し通路が設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の気体圧縮機は、請求項1に記載の回転式気体圧縮機であって、前記二次シール手段は、前記回転軸を取り巻いて該回転軸に摺接可能なリップ部を有するリップシールであることを特徴とする。
請求項3に記載の気体圧縮機は、請求項1または請求項2に記載の回転式気体圧縮機であって、前記ハウジングには、該ハウジングの外部との接続を可能とする吸入ポートが設けられ、前記低圧空間は、前記ハウジングと前記圧縮機構との間に形成されかつ前記吸入ポートに通じる吸入室であることを特徴とする。
請求項1に記載の回転式気体圧縮機では、メカニカルシール機構から染み出した潤滑油が油回収空間に設けられた二次シール手段により油回収空間に溜められ、この潤滑油が油戻し通路を経て低圧空間へと戻されるので、潤滑油がハウジングの外方に漏れ出ることを確実に防止することができる。
請求項2に記載の回転式気体圧縮機では、二次シール手段がリップシールにより構成されているので、メカニカルシール機構から染み出した潤滑油が回転軸を伝ってハウジングの外方へ向かうことを確実に防止することができる。
請求項3に記載の回転式気体圧縮機では、油回収空間が接続された低圧空間が吸入ポートと圧縮機構とを接続し、圧縮機構とハウジングとの間に形成された吸入室であることから、ハウジングに油戻し通路を容易に形成することができる。
本発明に係る回転式気体圧縮機によれば、メカニカルシール機構から染み出した潤滑油が油回収空間に設けられた二次シール手段により油回収空間に溜めることができる。また、メカニカルシール機構から染み出した潤滑油が溜められる油回収空間が低圧空間よりも高圧であることから、油回収空間に溜められた潤滑油を差圧により油戻し通路を経て低圧空間に戻すことができる。このため、圧縮機構に供給された潤滑油がハウジングの外方に漏れ出ることを確実に防止することができる。
本発明を図1ないし図3に示した実施例に沿って詳細に説明する。
図1は、ガスヒートポンプ(GHP)に採用された回転式気体圧縮機10を模式的に示す断面図である。回転式気体圧縮機10は、冷却媒体の気化熱を利用して冷却を行なう冷房システムとして機能を有するGHPで冷媒ガスを圧縮するために用いられ、GHPの凝縮器、蒸発器等(図示せず。)と共に冷却媒体の循環経路を構成する。回転式気体圧縮機10は、ガスエンジン(図示せず。)から回転動力を受けて動作し、蒸発器から取り入れた気体状態の冷却媒体すなわち冷媒ガスを圧縮し、この圧縮した冷媒ガスを凝縮器へ排出する。
回転式気体圧縮機10は、ハウジング11と、圧縮機構12と、伝達機構13とを備える。ハウジング11は、ハウジング本体14とフロントハウジング15とを有する。ハウジング本体14は、一端開放の円筒形状を呈しており、その開放端がフロントハウジング15により閉鎖されている。ハウジング11には、圧縮機構12が収容されている。
圧縮機構12には、ガスエンジン(図示せず。)の回転動力が伝達機構13を介して伝達される。伝達機構13は、フロントハウジング15に形成された突起部15aに設けられており、プーリ16を有する。プーリ16は、突起部15aの外周を取り巻いて配置された環状ボールベアリングからなる転がり軸受17を介して突起部15aに取り付けられている。プーリ16は、後述する圧縮機構12の回転軸18に接続され、転がり軸受17により回転軸18と共に回転可能とされている。プーリ16には、ベルト(図示せず。)が巻き掛けられており、ベルトを介して伝えられたガスエンジン(図示せず。)からの回転動力を回転軸18に伝達することができる。
圧縮機構12は、冷媒ガスが圧縮されるシリンダ室19(図2参照。)を有する。シリンダ室19は、断面が楕円形状を呈する筒状のシリンダ本体20と、その各開放端に取り付けられたフロントサイドブロック21およびリアサイドブロック22とにより規定され、フロントサイドブロック21がフロントハウジング15に当接して配置されている。シリンダ室19の内方には、ロータ23が収容されている。ロータ23は、断面が円形の円柱形状を呈し(図2参照。)、回転軸18が取り付けられている。
回転軸18は、両サイドブロック21、22に設けられた軸受部21a、22aに回転可能に軸支され、軸受部21aを経てフロントサイドブロック21を貫通し、フロントハウジング15の突起部15aに設けられた軸受24を貫通して、上記したプーリ16に接続されている。回転軸18は、軸受24により回転可能に支持されており、プーリ16を介してガスエンジン(図示せず。)から伝達された回転動力によりロータ23を回転させる。
ロータ23には、図2に示すように、複数のベーン25が設けられている。各ベーン25は、スリット状のベーン溝26に進退可能に保持されており、各ベーン溝26は、凹所21b、22b(図1参照。)に連通可能である。凹所21b、22bは、各サイドブロック21、22に対を為して形成され、後述するように各ベーン溝26に潤滑油を供給することができる。
各ベーン25は、それぞれが各ベーン溝26に供給される潤滑油の圧力を受け、シリンダ室19をロータ23の回転方向に沿って複数のチャンバ(27)に区画する。複数のチャンバ(27)は、それぞれがロータ23の回転に伴って容積が増減する圧縮室27として機能する。
各圧縮室27は、図1に示すように、吸入ポート28を介して蒸発器(図示せず。)から冷媒ガスを取り入れることが可能とされている。吸入ポート28は、フロントハウジング15に設けられ、図示は省略するがハウジング11の外方で蒸発器に接続され、ハウジング11の内方で吸入室29に通じている。吸入室29は、互いに当接するフロントハウジング15とフロントサイドブロック21との間に形成されている。吸入室29は、フロントサイドブロック21を貫通するように形成された吸入孔30を介してシリンダ室19(図2参照。)に通じている。
各圧縮室27は、図2に示すように、取り入れた冷媒ガスを圧縮し、圧縮した冷媒ガスを吐出空間31に吐出する。吐出空間31は、対を為して設けられ、シリンダ本体20の外周の一部が切り欠かれた切欠部32と、シリンダ本体20を収容するハウジング本体14とにより規定されている。
シリンダ本体20には、切欠部32に通じる一対の吐出孔33と吐出通路34とが設けられている。各吐出孔33は、楕円形状のシリンダ室19の短径部近傍位置でシリンダ本体20を貫通する貫通孔であり、吐出空間31とシリンダ室19とを連通している。吐出通路34は、各吐出空間31から吐出室35(図1参照。)に通じる通路である。
吐出空間31には、吐出孔33を開閉する吐出弁機構36が設けられている。吐出弁機構36は、各圧縮室27から吐出空間31への冷媒ガスの流出を許し、且つ吐出空間31から各圧縮室27への冷媒ガスの流入を阻止する逆止弁として機能する。
冷媒ガスが吐出される吐出室35は、図1に示すように、圧縮機構12のリアサイドブロック22およびハウジング本体14により、ハウジング11の内方に規定される。吐出室35には、サイクロンブロック37が設けられている。サイクロンブロック37は、吐出通路34を経て吐出室35に吐出される冷媒ガスの通路の一部を形成するようにリアサイドブロック22に取り付けられ、内方を通過する冷媒ガスからそこに含まれる潤滑油を分離する。サイクロンブロック37により冷媒ガスから分離された潤滑油は、吐出室35の下方に形成された油溜め部38に貯留される。
上記したように、各圧縮室27で圧縮された冷媒ガスは、吐出孔33、吐出空間31、吐出通路34およびサイクロンブロック37を経て吐出室35へと吐出される。吐出室35の冷媒ガスは、吐出ポート39から凝縮器(図示せず。)へと排出される。
油溜め部38の潤滑油は、吐出室35の圧力により油供給路40を経て圧縮機構12に供給される。油供給路40は、各サイドブロック21、22およびシリンダ本体20に形成されており、各サイドブロック21、22の軸受部21a、軸受部22aに通じている。油溜め部38の潤滑油は、圧縮機構12の各摺動個所の摺動、例えば、軸受部21a、軸受部22aと回転軸18との摺動を円滑にするために軸受部21a、軸受部22aに供給され(矢印A、B参照。)、その一部が軸受部21a、軸受部22aから凹所21b、22bに供給され、各ベーン25を進退させるべく各ベーン25を付勢する。軸受部21aと回転軸18との摺動を円滑にした潤滑油の一部は、回転軸18に沿ってハウジング11の外方へ向かう。この潤滑油がハウジング11の外方に漏れ出すことを防止するためにメカニカルシール機構50が設けられている。
メカニカルシール機構50は、フロントハウジング15の突起部15aの内方に設けられている。メカニカルシール機構50は、図3に示すように、メカニカルシール空間51と、メイティングリング52と、シールリング53と、スプリング54と、台座リング55とを有する。メカニカルシール空間51は、吸入室29とは別に、フロントハウジング15とフロントサイドブロック21との間に形成されており、回転軸18を取り巻く筒形状の空間である。このメカニカルシール空間51の内方に、メイティングリング52、シールリング53、スプリング54および台座リング55が配置されている。
メイティングリング52は、筒形状を呈し回転軸18の挿通を許すリング部材であり、伝達機構13側に配置されている。メイティングリング52は、その外周部52aがOリングを介在させてフロントハウジング15に固着され、回転軸18を取り巻いている。
シールリング53は、筒形状を呈し回転軸18の挿通を許すリング部材であり、圧縮機構12側からメイティングリング52に当接可能とされている。シールリング53は、その内周部53aがOリングを介在させて回転軸18に固着され、回転軸18を取り巻いている。
台座リング55は、回転軸18の挿通を許すリング形状の板部材の周縁部が全周に渡り同一方向(伝達機構13側)に折り返されて形成されており、回転軸18を取り巻いている。回転軸18には、段部18aが形成されており、台座リング55は、内周側で回転軸18の段部18aに当接可能である。
スプリング54は、回転軸18を取り巻くことができるコイルスプリングであり、一端が台座リング55に取り付けられ、他端がシールリング53に取り付けられている。スプリング54は、台座リング55を起点にシールリング53をすなわち回転軸18を伝達機構13側に付勢することができる。
メカニカルシール機構50は、圧縮機構12が作動していないとき、フロントサイドブロック21と当接する台座リング55に取り付けられたスプリング54からの付勢によりシールリング53とメイティングリング52との対向間隔が微少なものとなり(符号X参照。)、潤滑油がメカニカルシール空間51から回転軸18に沿って伝達機構13側へと向かうことを防止することができる。
また、圧縮機構12が作動しているとき、軸受部22aと回転軸18との摺動を円滑にした潤滑油の一部が回転軸18の後端部18bに供給されるので、この潤滑油の圧力により回転軸18が伝達機構13側に付勢される。これに伴ってシールリング53も伝達機構13側に付勢されるので、回転軸18と共に回転するシールリング53と、静止するメイティングリング52との対向間隔Xが微少なものとなり、潤滑油がメカニカルシール空間51から回転軸18に沿って伝達機構13側へと向かうことを防止することができる。
このように、このメカニカルシール機構50では、微少な対向間隔Xで潤滑油を封止することができるが、対向間隔Xが潤滑油を保持することでより高い封止効果を得ている。このことから、保持された潤滑油は、僅かではあるが、対向間隔Xを経てメカニカルシール空間51から染み出し、回転軸18に沿って伝達機構13へと向かう虞がある。
このため、本発明の回転式気体圧縮機10では、フロントハウジング15の突起部15aの内方でメカニカルシール機構50よりも伝達機構13側に、二次シール機構60が設けられている。
二次シール機構60は、油回収空間61と、リップシール62とを有する。油回収空間61は、フロントハウジング15の突起部15aの内方で、メカニカルシール空間51よりも伝達機構13側に形成されており、回転軸18を取り巻く筒形状の空間である。油回収空間61は、油戻し通路63に通じている。油戻し通路63は、フロントハウジング15に形成された油回収空間61と吸入室29とを連通する貫通孔である。この油回収空間61の内方で、フロントハウジング15にリップシール62が取り付けられている。
リップシール62は、弾性を有する部材から形成されており、回転軸18を取り巻くリング形状を呈している。リップシール62は、回転状態にある回転軸18と摺接可能なリップ部62aを有する。リップシール62は、リップ部62aがメカニカルシール機構50に面し、かつ油戻し通路63の油回収空間61への接続位置よりも伝達機構13側に位置するように配置されている。
回転式気体圧縮機10は、圧縮機構12が作動することにより、蒸発器(図示せず。)から冷媒ガスを取り入れ、取り入れた冷媒ガスを圧縮し、圧縮した冷媒ガスを吐出室35に吐出し、この冷媒ガスを凝縮器(図示せず。)へと排出する。ここで、蒸発器(図示せず。)から取り入れられた冷媒ガスは、大気圧よりは若干高い雰囲気であり、これを低圧の雰囲気とする。このため、吸入ポート28、吸入室29および吸入孔30は、低圧の雰囲気であり、圧縮機構12が冷媒ガスを取り入れる低圧空間である。この冷媒ガスが圧縮機構12により圧縮されて吐出室35に吐出されるので、吐出室35は、低圧の雰囲気から大幅に上昇した雰囲気とされており、これを高圧の雰囲気とする。油溜め部38の潤滑油は、吐出室35の雰囲気を利用して圧縮機構12へと供給されているので、図3に示すように、油供給路40を経てフロンドフロントサイドブロック21の軸受部21aに到達した潤滑油(矢印A参照。)は高圧の雰囲気である。この潤滑油は、軸受部21aと回転軸18との間を経て、前述したように、メカニカルシール空間51に到達する(矢印C参照。)。
このメカニカルシール空間51に到達した潤滑油は、軸受部21aと回転軸18との間が微少であることからこの通路抵抗により高圧の雰囲気から減圧されるが、低圧の雰囲気よりは高い雰囲気であるので、これを中圧の雰囲気とする。このメカニカルシール空間51の潤滑油は、前述したように、対向間隔Xで封止されるが、僅かな量が対向間隔Xから染み出すことがある。
このメカニカルシール機構50から染み出した潤滑油は、対向間隔Xを経ることにより中圧の雰囲気から減圧されるが、依然として吸入室29の低圧の雰囲気より高い雰囲気であるので、これを中低圧の雰囲気とする。この染み出した潤滑油は、回転軸18を伝うように、メイティングリング52と回転軸18との間を経て油回収空間61へと向かう(矢印D参照。)。この潤滑油は、油回収空間61内で、シールリング53のリップ部62aにより回転軸18から分離され、油回収空間61に溜められ油回収空間61を中低圧の雰囲気とする。このため、リップシール62は、油回収空間61に設けられた二次シール手段として機能している。
この油回収空間61に溜められた潤滑油は、中低圧の雰囲気の油回収空間61と、低圧の雰囲気の吸入室29との差圧により、油戻し通路63に引き込まれ、吸入室29に戻される。
よって、本発明に係る回転式気体圧縮機10では、潤滑油が回転軸18に沿ってハウジング11の外方へと漏れ出すことを確実に防止することができる。
このため、転がり軸受17に、グリースのような潤滑剤が適用された場合であっても、漏れ出した潤滑油により転がり軸受17の潤滑剤が洗い流されることはなく、転がり軸受17の潤滑不良を防止することができる。また、伝達機構13にガスエンジンからの回転動力を断続するためのクラッチ機構が採用された場合であっても、潤滑油の付着によりクラッチ機構に滑りを生じさせることを防止することができる。
また、回転式気体圧縮機10では、メカニカルシール機構50から染み出した潤滑油は、油回収空間61および油戻し通路63を経て吸入室29へと戻されるので、潤滑油が減少することを防止することができる。このため、圧縮機構12内の摺動個所の摺動を長期に渡り円滑に保つことができるので、従来の気体圧縮機に比較して、性能の向上を図ることができ、信頼性の向上にも繋がる。
回転式気体圧縮機10では、二次シール機構60にリップシール62が採用されていたが、油回収空間61に浸入した潤滑油が回転軸18に沿ってハウジング11の外方へ向かうことを防止できるものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。しかしながら、取り付けが容易であり安価であることから、リップシールを用いることが望ましい。
回転式気体圧縮機10では、メカニカルシール機構50が潤滑油の濾過手段としても機能している。これは、潤滑油には、一般に回転式気体圧縮機10の組み付け時に生じる塵埃および摺動個所から生じる磨耗粉等の異物が混入することがあるが、メカニカルシール機構50の対向間隔Xは大変微少であり、異物が対向間隔Xに進入することは困難であるので、対向間隔Xから染み出す潤滑油からは殆どの異物が除去されることによる。このため、性能および信頼性が向上する。
回転式気体圧縮機10では、リップシール62により油回収空間61とハウジング11の外部との連通が遮断されているので、大気圧よりも若干高い雰囲気である吸入室29の冷媒ガスが油回収空間61を経てハウジング11の外方へと漏れ出すことを防止することができる。
回転式気体圧縮機10では、潤滑油が回転軸18に沿ってハウジング11の外方へと漏れ出すことがないので、回転式気体圧縮機10の設置環境を油汚染から保護することができる。
なお、上記した実施例では、内方が楕円形状を呈する筒状のシリンダ本体20の軸線上に回転軸線を持つようにロータ23が設けられた同心ロータ式の圧縮機に適用した例を示したが、取り入れた気体の圧縮のために回転する回転体を有する回転式の気体圧縮機であれば、例えば、内方が円形状を呈する筒状のシリンダの内側に、そのシリンダの軸線とは異なる回転軸線を持つようにロータが配置される偏心ロータ式の圧縮機に適用しても良く、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、油戻し通路63は、油回収空間61から吸入室29に接続していたが、接続先は圧縮機構12に取り入れられる低圧の気体が存在する場所であれば、例えば、吸入ポート28であってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、回転式気体圧縮機10はGHPに採用されていたが、車両用の空調システムに採用してもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
本発明に係る回転式気体圧縮機の模式的な断面図である。 図1に示したI―I線に沿って得られた断面図である。 図1の2次シール手段の近傍を拡大して示した模式的な斜視図である。
符号の説明
10 回転式気体圧縮機
11 ハウジング
12 圧縮機構
18 回転軸
23 (回転体としての)ロータ
24 軸受
28 吸入ポート
29 (低圧空間としての)吸入室
50 メカニカルシール機構
61 油回収空間
62 (2次シール手段としての)リップシール
62a リップ部
63 油戻し通路

Claims (3)

  1. 低圧空間から取り入れた気体を圧縮するために回転する回転体を有し潤滑油が供給される圧縮機構と、該圧縮機構を収容するハウジングとを備え、前記回転体は、前記ハウジングの外方から回転動力が伝達される回転軸を有し、前記ハウジングには、前記回転軸の貫通を許しかつ該回転軸を支承する軸受が設けられ、該軸受と前記回転軸との間には、メカニカルシール機構が設けられた回転式気体圧縮機であって、
    前記ハウジングには、前記メカニカルシール機構から見て前記圧縮機構とは反対側で前記回転軸を取り巻く油回収空間が設けられ、該油回収空間には、前記回転軸を取り巻く二次シール手段が設けられ、前記ハウジングには、前記油回収空間と前記低圧空間とを連通する油戻し通路が設けられていることを特徴とする回転式気体圧縮機。
  2. 前記二次シール手段は、前記回転軸を取り巻いて該回転軸に摺接可能なリップ部を有するリップシールであることを特徴とする請求項1に記載の回転式気体圧縮機。
  3. 前記ハウジングには、該ハウジングの外部との接続を可能とする吸入ポートが設けられ、 前記低圧空間は、前記ハウジングと前記圧縮機構との間に形成されかつ前記吸入ポートに通じる吸入室であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転式気体圧縮機。

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