JP2007039993A - 角型ドレンの施工用固定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 角型ドレンの位置を正確にしっかりと固定して施工可能とする。
【解決手段】 型枠に取り付ける基板と、角型の平面形状を有するドレン本体に係合する係合板と、基板と係合板との間に介在する筒状のスリーブを有し、ドレン本体をその向きをずらさずに固定し、施工するための装置として、型枠Mに設けた基準線X−Xに合わせて位置決めするための目印16を基板11に設け、互いに抜き差し可能な嵌合部31と嵌合相手部32のどちらか一方を基板11に設けるとともに、どちらか他方を係合板14に設け、嵌合部31と嵌合相手部32とは抜き差しによって高さ調整が可能である一方、回転は不可能な回り止め構造を構成しているものとする。嵌合部31、嵌合相手部32としては、角パイプを使用することができ、またアングル材も使用可能であり、角パイプとアングル材を組み合わせても良い。
【選択図】 図1

Description

本発明は、型枠に取り付ける基板と、角型の平面形状を有するドレン本体に係合する係合板と、基板と係合板との間に介在する筒状のスリーブを有し、ドレン本体の向きをずらさずに固定し施工するための装置に関するものである。
建物の屋上やベランダ或いは外廊下の隅等に排水のために設置されるドレンには様々な形態のものがあるが、角型ドレンと呼ばれる、長方形状の平面形状を持つドレンの場合には、それが設置部に正確に設けられることに加えて、建物の直線に対して曲がらないように注意を払う必要が生じる。このため、型枠に取り付ける基盤には、縦、横十字線に合わせる位置を示す切り欠きを設け、ドレン本体側に配置される押さえ板には、ドレン本体と押さえ板とを一定位置に係合させる構造を設けていた。
しかし、従来の方法では基盤側とスリーブ及び押さえ板側とを1本のボルトとナットを用いて固定しているが、ボルト締めとは言うものの摩擦だけであるから作業中に誤ってつまづいたようなときや、コンクリートの打設圧力が強いときには動いてしまうおそれがあった。またボルトの数を2本に増した場合には、相応に固定力も増加する。ところが、実際には片効きの状態となってしまう場合も多く、不意に外力が加えられると動き易いという問題があった。またボルト本数が増せば、その分だけコストも嵩むことになる。
このため本件の出願人は先に実用新案登録第3086069号を発明し、スリーブの位置が、小さい突状の目印との係合によって規定される装置を提案した。しかし同号の装置では方向を合わせにくく、ずれを生じ易いという問題があった。また建物の床厚は夫々異なっており一様ではないが、従来は床厚毎に打込金具を用意する必要があり、段取りに手間がかかるという問題があった。また特開2001−65122号のものは、押え板と固定金具に、ボルトとは別に回り止めバーを嵌挿する方式であり、作業の際に外れたり取り落としたりするおそれがある。
実用新案登録第3086069号 特開2001−65122号
本発明は前記の点に着目してなされたものであり、その課題は、角型ドレンの位置を正確にしっかりと固定して施工可能とする点にある。また本発明の他の課題は、床厚が異なってもその寸法に合わせて容易に調整することが可能な角型ドレンの施工用固定装置を提供することである。
前記課題を解決するため、本発明は、型枠に取り付ける基板と、角型の平面形状を有するドレン本体に係合する係合板と、基板と係合板との間に介在する筒状のスリーブを有
し、ドレン本体の向きをずらさずに固定し施工するための装置について、型枠に設けた基準線に合わせて位置決めするための目印を基板に設け、互いに抜き差し可能な嵌合部と嵌合相手部のどちらか一方を基板に設けるとともに、どちらか他方を係合板に設け、嵌合部と嵌合相手部とは抜き差しによって高さ調整可能であり、かつ回転は不可能な回り止め構造を構成するという手段を講じたものである。
本発明の装置は、建物等の建造過程において、角型ドレンを所定位置に正確に保持することを目的とするもので、工事中の予期し得ない外力や打設コンクリートの圧力に耐えるために使用される。基板は型枠に、釘打ちなど任意の手段、方法で取り付けられるが、取り付けに当たって、基板に予め設けられている目印を、型枠に設けた基準線に合わせることにより位置決めを行う。
一方、ドレン本体は角型の平面形状であるので、この角型のドレン本体に係合する係合板を使用し、係合板と前記の基板を、ドレン本体の向きをずらさずに固定する。ドレン本体を固定する手段は、打設コンクリートの圧力にも耐える必要があるので、ボルト止めのような強力な固定力の得られるものであることが望ましい。しかし、ボルト使用の場合その本数は1本で十分である。基板と係合板との間にはスリーブが介在する。スリーブは、コンクリート型枠の一部であり、それによって確保された空所にはドレン本体に接続される排水管などが配置される。
そして本発明では、抜き差しによって高さ調整は可能であり、かつ回転は不可能なように回り止め構造を構成する、嵌合部と嵌合相手部を基板と係合板に設ける。嵌合部と嵌合相手部はどちらの基板に設けても良いし、また係合板に設けても良い。嵌合部と嵌合相手部の抜き差し可能なことにより、高さ調整を可能として床厚の大小に対応することが容易となり、回転の不可能なことにより、ドレン本体の向きをずらすことなく嵌合部と嵌合相手部の抜き差しが可能となる。
抜き差し可能な嵌合構造を有し、かつまた回転は不可能な回り止め構造を有するものとしては、横断面形状に角のあるものを伸縮式にはめ合わせる方式のものを適用することができる。その1例としては、入手の容易な角パイプの使用に利点があり、各種サイズの角パイプを組み合わせて嵌合による抜き差し構造、回り止め構造を構成することは、コストもかからずかつ実施が容易である。同様の利点は入手の容易な型材を利用して得ることができる。角パイプ以外の例としては例えば90度の角を持つ(90度とは限らない)アングル材その他の型材を利用することができ、その場合、例えば雄側を嵌合部としてアングル材、雌側を嵌合相手部として角パイプと組み合わせるような仕方も可能である。
本発明は以上のように構成されかつ作用するものであるから、回り止め構造により角型ドレンの位置を目的箇所に正確にしかもしっかりと固定することができ、コンクリートの打設圧力に耐えて建物の直線に対して曲がらない施工効果を得ることができるという効果を奏する。また本発明によれば、床厚が異なっても嵌合部と嵌合相手部の抜き差しによって対応することが容易であり、作業性が良く、かつ回り止め構造との相乗により正確、迅速な角型ドレンを実現することができる。
以下図示の実施形態により本発明をより詳細に説明する。本発明に係る、角型ドレンの施工用固定装置10は、型枠Mに取り付ける円形の基板11と、型枠Mとの間に円筒形のスリーブ12、12′…を用いて配置されるドレン本体13と、ドレン本体13の内部に係合する係合板14とを具備している。上記基板11と、スリーブ12、12′…と、ドレン本体13及び係合板14とは1本のねじ杆15によって結合される。
型枠Mに基板11を取り付けるに当たり、予め型枠Mには取り付け位置を基準線X−Xで正確に表示しておき(図1参照)、基板11には基準線X−Xに合わせるべき目印16、16を直径上の両端に2箇所設ける。2箇所の目印16は板金製基板11に切欠状に設けられている。基板11はスリーブ12、12′…を基板上に載せられるような大きさに形成され、釘等の止め具17を用いて型枠Mに取り付けられる。また、基板上面には、スリーブ12、12′…に内接して円筒形のスリーブ12、12′…と円形の基板11の中心を一致させるための突起部18が少なくとも3個(図1のものでは4個)設けられている。
上記ねじ杆15は基板11の目印16、16を通る直径上に立てられている。例示の装置では、鋼板より成る円盤状基板11の円の中心に、ナットを取り付け部19として1箇所固着し、その取り付け物19にボルトから成るねじ杆15を夫々螺じ込んで取り付ける方法を取っている。ねじ杆15は、床厚に応じて定まる任意の長さのものを交換して使用することができる。
スリーブ12、12′…は下の型枠Mと上のドレン本体13との間に介在して型枠の一部を構成する部材であり、施工時その外面には周囲からコンクリートモルタルの打設に伴う流動圧力が加わる。その流動圧力に耐えてねじ杆15による緊締力が固定装置10として全体に効果的に作用するように、スリーブ12、12′…はねじ杆15により締結される。スリーブ12、12′…は下端と上端の開口21a、22bを有する。スリーブ12、12′…はドレン本体13とも接するので、ドレン本体下面に存在する凸筒部23と係合可能な内径を有しているものとする。なおスリーブ12、12′…の高さは任意であり、ドレン設置部に構築すべきコンクリートスラブSの厚さ即ち前記の床厚等に応じて決められる(図3参照)。
ドレン本体13は長方形状の平面形状を有しており、全体として概ね角皿型を有し、その中央の底部に排水口22を有する。排水口22は、施工完了後、排水管Pの上端部が接続されるように下向きの凸筒部を23を有する(図4参照)。またドレン本体13の内部には、施工時に係合板14が係合する係合部24として凸部を有する。
係合板14は、型枠Mにねじ杆15を用いてドレン本体13を固定するための部材として、固定時にドレン本体13に対してずれ動かないように、ドレン本体13の係合部24と係合可能な係合形状25を有している。例示の場合、ドレン本体の目皿28をねじ止めする部分に設けられた突部を係合部24に利用している(図13参照)。しかし係合部24は、ドレン本体13の内角等他の部位でも良く、係合形状25もそれに応じて形態を変えることができる。例えば図5に示した係合板14′はドレン本体13の内形に適合した長方形であり、周囲の側辺が係合形状25′となっている。26はねじ杆15を通す小孔、27はねじ杆15の先端部に螺合可能なナット等の締結具を示す。
さらに本発明の装置10には、嵌合による抜き差し構造及び回り止め構造を司取るものとして、嵌合部31と嵌合相手部32とが設けられている。嵌合部31と嵌合相手部32は、どちらか一方を基板11に設けるとともに、どちらか他方を係合板14に設け、互いに抜き差し可能かつ回転は不可能な構造を有している。図1〜図4、図6、図8に例示されているものは、共に、4辺形の横断面形状を有する角パイプから成る嵌合部31と嵌合相手部32である。嵌合部31と嵌合相手部32は目的とする床厚に適合した長さに角パイプを切断し、基板11及び係合板14に溶接して形成されている。例示の嵌合部31は太く、嵌合相手部32は細く、しかしがたの問題とならないはめ合い関係によって抜き差し可能となっている。
図5は、嵌合相手部31を角パイプのままとし、それに抜き差し可能な嵌合相手部33を90度の角を持つアングル材とした変形例1を示す。図5の嵌合相手部33例の図7に3面図で示してあり、前記長方形係合板14′にアングル材から成る嵌合相手部33を溶接したものである(図9A参照)。逆に嵌合相手部32を角パイプのままとし、それに抜き差し可能な嵌合相手部34を、アングル材の側縁を内側に曲げて作ったような角部35を有するものとしても良い(図9B)。さらに、アングル材によって嵌合部33と嵌合相手部36を形成することも可能であり、この場合、嵌合相手部36の側縁は内側に角部37を設けるものとする(図9C)。
このような構成を有する本発明の装置10を用いてドレンの取り付けを行う工程について説明する。施工には、型枠Mに引かれた基準線Xを基準として基板11を取り付ける。その1箇所の取り付け部19にねじ杆15を立て、スリーブ12、12′…のどれか適当なものを突起部18の外側に嵌め、かつ目印16、16により方向を定めることにより基板11に合わせてセットし、排出口23がスリーブ12、12′…内に嵌まり、かつ凸筒部23がスリーブ12、12′…の下部開口21と係合するのを確認しながら、スリーブ12、12′…の上部開口22に凸筒部23を嵌め合わせてドレン本体13を載せる。さらに係合板14を、その嵌合相手部32を嵌合部31に嵌合させるとともに、係合形状25を係合部24に係合させて小孔26にねじ杆15を通すようにセットする。次いで締結具27を用いて係合板14を緊締し、最後に養生カバー(図示せず)を用いてドレン本体13の上面を覆い、コンクリートモルタルを打設する。
その後脱型前の状態が図3に断面図として示されている。図示のとおりドレン本体13は目印16、16の嵌合部31と嵌合相手部32による回り止め構造及び抜き差し構造のもとで、1本のボルト状のねじ杆15によって全体が緊締されているため、モルタルの打設時に流動圧力が加わっても位置を変えることはない。脱型後の状態は図10に示されているが、図2からも明らかなように建物の壁面のような直線Lに対してドレン本体13を正確に合致させた施工が完成する。床厚の大小については、図1に示した長短のスリーブ12、12′…を選択することによって容易に応じることができ、床厚に拘ずドレン本体13は確実に固定される。
本発明の装置10は、ドレン本体を2個の目印16、16を有する基板11とスリーブ12、12′…及びドレン本体13を係合板14と基板11に設けた嵌合部31と嵌合相手部32との嵌合ものとで、1本のねじ杆により止めるだけで、回転防止がなされ、かつドレン本体13の位置を正確に保持することができ、しかも床厚の相違に対応することが容易である。2本のねじ杆を必要としないためコストや工数も低減され、角型ドレンの、角型であるが故に目立つ直線的形状を建物の直線的形状に正確に合致させることができるという効果を奏する。
本発明に係る角型ドレンの施工用固定装置の1例を示す分解斜視図。 ドレン本体と建物の直線の関係を示す本装置の平面図。 コンクリート打設状態の本装置を示す縦断面図。 嵌合部と嵌合相手部の1例を示す斜視図。 同じく変形例を示す斜視図。 基板と係合板の1例を示すもので、Aは正面図、Bは下面図、Cは基板の1例を示す上面図。 係合板の変形例を示すもので、Aは下面図、Bは側面図、Cは正面図。 嵌合部と嵌合相手部の嵌合を示す横断面図。 嵌合部と嵌合相手部のA、B、C3例を示す横断面図。 施工完了状態を示す断面説明図。
符号の説明
10 角型ドレンの施工用固定装置
11 基板
12、12′ スリーブ
13 ドレン本体
14 押さえ板
15 ねじ杆
16 目印
17 止め具
21a、21b 開口
22 排水口
23 凸筒部
24 係合部
25 係合形状
28 目皿
31 嵌合部
32、33、34、36 嵌合相手部
35、37 角部

Claims (3)

  1. 型枠に取り付ける基板と、角型の平面形状を有するドレン本体に係合する係合板と、基板と係合板との間に介在する筒状のスリーブを有し、ドレン本体の向きをずらさずに固定し施工するための装置であって、型枠に設けた基準線に合わせて位置決めするための目印を基板に設け、互いに抜き差し可能な嵌合部と嵌合相手部のどちらか一方を基板に設けるとともに、どちらか他方を係合板に設け、嵌合部と嵌合相手部とは抜き差しによって高さ調整可能であり、かつ回転は不可能な回り止め構造を構成している角型ドレンの施工用固定装置。
  2. 嵌合部、嵌合相手部として、互いに嵌合可能な角パイプを使用した請求項1記載の角型ドレンの施工用固定装置。
  3. 嵌合部、嵌合相手部のどちらか一方のものとして、アングル材を使用した請求項1又は2記載の角型ドレンの施工用固定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009046856A (ja) * 2007-08-17 2009-03-05 Kaneso Co Ltd ドレイン本体の固定装置における回り止め装置
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