JP2007039709A - 導電性パターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 固体表面に、フッ素化合物などの強撥油・撥水性を示す化合物を用いたグラフトポリマーパターンを用いて、簡便な方式により、容易に、かつ、効率よく高解像度で、高精度の導電性パターンを得ることができる導電性パターン形成方法を提供する。
【解決手段】 加熱又は露光によりラジカルを発生しうる基板表面に、撥油・撥水性の官能基とラジカル重合可能な不飽和二重結合性基を有する化合物を含有する液体をパターン状に配置した後、加熱もしくは露光により、液体配置領域に基板表面と直接結合する撥油・撥水性のグラフトポリマーパターンを形成し、グラフトポリマーの非生成領域に導電性材料を導電性素材を付着させることを特徴とする。液体をパターン状に配置する方法としては、インクジェット法、印章法、印刷法などが挙げられる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、撥油・撥水性を有する化合物を用いた導電性パターン形成方法に関する。
従来、フッ素化合物などの強撥油性を示す化合物を用いたパターン状の撥油性領域を備えるパターン材料には、例えば、薄層のエッチングレジストや、インクジェット法等により液滴を適所に配置するためのテンプレートなどの多岐の用途がある。特に、パターン材料をテンプレートとして用いると、精度の高い導電性パターンが形成されることが知られている。
このようなパターン材料の形成方法として、具体的には、例えば、フッ化アルキルシラン等の単分子膜を気相成長(CVD)によって基板全面に形成し、ガラスマスクを介して短波長の紫外線を照射することで照射領域の単分子膜を分解除去してパターンを形成する方法(例えば、特許文献1参照。)などが提案されている。
しかしながら、短波紫外線露光を行う方法では、単分子層を十分に除去するためには、特殊な波長の紫外線、例えば、波長172nmの紫外線を用いる必要があるが、この波長の紫外線はガラスに対する透過率が低く、且つ、十分な除去を行うためには10mW/cm2の強度で5分ほど照射する必要があるなど、実際のプロセスに応用するには問題があった。
これらのことから、フッ素化合物などの強撥油性を示す化合物を用いたパターン状の撥油性領域を備えるパターン材料を、容易に、かつ、効率よく形成することで、高解像度で、精度の高い導電性パターンを得るための方法が切望されていた。
特開2000−282240公報
本発明は、前記従来の問題点を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
本発明の目的は、フッ素化合物などの強撥油・撥水性を示す化合物を用いたグラフトポリマーパターンを用いて、簡便な方式により、容易に、かつ、効率よく高解像度で、高精度の導電性パターンを得ることができる導電性パターン形成方法を提供することにある。
本発明者は検討の結果、撥油・撥水性のグラフトポリマーをパターン状に形成したグラフトパターン材料を応用することで、前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の導電性パターン形成方法は、加熱又は露光によりラジカルを発生しうる基板表面に、撥油およびもしくは撥水性の官能基とラジカル重合可能な不飽和二重結合性基を有する化合物を含有する液体をパターン状に配置した後、加熱もしくは露光により、液体配置領域に基板表面と直接結合する撥油およびもしくは撥水性のグラフトポリマーパターンを形成し、該グラフトポリマーの非生成領域に導電性素材を付着させることを特徴とする。
本方法に用いられる撥油およびもしくは撥水性の官能基とラジカル重合可能な不飽和二重結合性基を有する化合物は高分子化合物であることが好ましい。
また、このような化合物を含有する液体をパターン状に配置する方法としては、インクジェット法、印章法、及び、印刷法からなる群より選ばれる方法であることが好ましい。
本発明の方法によれば、熱もしくは露光によりラジカルを発生しうる基板表面上に、撥油およびもしくは撥水性の官能基とラジカル重合可能な不飽和二重結合性基を有する化合物を含有する液体を、例えば、インクジェット法、印章法、印刷法などから選択される公知の方法によりパターン状に配置して、不飽和化合物を、ラジカル発生能を有する基板に接触させ、その状態で基板表面を加熱もしくは全面露光するという操作だけで高撥油・撥水性のグラフトポリマーパターン形成が可能となり、その後に導電性物質を付着することにより、グラフトポリマー非形成領域に選択的に導電性粒子が付着して、導電性のパターンが形成される。従って、本発明の方法によりパターン露光を行うことなく、導電性パターンを所望の領域に、パターン露光に必要な高価なマスクや高解像度の走査露光機を用いることなく、より簡便に、かつ安価に形成することができる。
なお、本発明において、「撥油およびもしくは撥水性の官能基」とは、撥油性の官能基、撥水性の官能基、及び、撥油、撥水の双方の特性を有する官能基を包含することを意味し、以下、本明細書において「撥油・撥水性官能基」と称することがある。
本発明におけるグラフトポリマーの生成は、基板表面からのフリーラジカル重合を用いた重合反応で行われるため、重合速度が速く、また、重合反応に厳密な制御を必要としない。そのため、基板表面には、容易に、高撥油・撥水性を有するグラフトポリマーの生成領域と非生成領域とからなるパターンを形成することが可能になったものと考えられる。
また、本発明においては、従来のフッ素化合物を用いた単分子膜の層厚と比較して、グラフトポリマーの生成領域の層厚が厚いため、グラフトポリマーの生成領域と非生成領域との間に接触角の違いに加え、撥油・撥水性のグラフトポリマーの存在による隔壁効果が発現する。
このような撥油・撥水性のグラフトポリマーがパターン状に形成された基板表面に導電性物質を付与すると、その撥油・撥水性と、グラフトポリマーの存在に起因する隔壁効果により、導電性物質はグラフトポリマーの非生成領域にのみ留まり、撥油・撥水性のポリマー生成領域には全く付着しない。このため、グラフトポリマーの非生成領域には、導電性素材をより多く付着させることが可能になり、その結果、高い導電性を得ることができるものと推測される。
したがって、微細配線を形成する際に、高解像度で、且つ、断線のない導電性パターンが得られる。これは、他の導電性パターン作製方法にはない、本発明独自の特徴であり、本発明の方法に用いられる撥油・撥水性官能基を有する特定グラフトポリマーの高い撥油・撥水効果によるものと思われる。
その結果、本発明の導電性パターン形成方法により得られた導電性パターンは、高い導電性を有し、品質に優れるものとなる。
本発明によれば、フッ素化合物などの強撥油・撥水性を示す化合物を用いたグラフトポリマーパターンを用いて、簡便な方式により、容易に、かつ、効率よく高解像度で、高精度の導電性パターンを得ることができる導電性パターン形成方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の導電性パターン形成方法は、(1)ラジカルを発生しうる基板を準備し、その表面に撥油・撥水性官能基とラジカル重合可能な不飽和二重結合性基とを有する化合物を含有する液体をパターン状に配置する工程と、(2)液体をパターン状に配置して基板を加熱するか、もしくは露光して、液体を配置した領域にグラフトポリマーパターンを形成する工程と、(3)該グラフトポリマーの非生成領域に導電性素材を付着させる工程と、を有することを特徴とする。
以下、本発明を実施するのに必要な材料、工程、について、例えば、本発明に用いられるラジカルを発生しうる基板、撥油およびもしくは撥水性の官能基とラジカル重合可能な不飽和二重結合性基を有する化合物(以下、適宜、特定撥油・撥水性化合物、或いは、それが高分子化合物である場合には、特定撥油・撥水性ポリマーと称する)、および、液体をパターン状に配置する法などについて詳細に説明する。
<液体をパターン状に配置する方法>
本発明において、基板表面に特定撥油・撥水性化合物を含有する液体を局所的に適用する態様としては、インクジェット記録装置を用いてパターン状に液体を吐出する態様、コンタクト印刷、マイクロコンタクト印刷の様な印章法を用いる態様、クリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、平版印刷のような印刷法を用いる態様がある。
印章法とは、凹凸のパターンを形成したゴム印を流動体状の特定撥油・撥水性化合物を含有する液体に浸漬し、このゴム印を基板表面に押しつけることにより、凸部に付着した特定撥油・撥水性化合物を含有する液体を基板表面に転写する方法である。ゴム印は、天然ゴム、シリコーンゴム、適度な柔軟性を有するエラストマーなどを用いて、予め所望のパターンを転写するための凹凸を形成したものを準備して用いる。この凹凸を有するスタンプは、数百μm〜数mmのパターンの場合、予め溝を作製した金型にスタンプ材料である樹脂などを流し込んで作製することができ、数十nm〜十数μmのマイクロコンタクトプリンティングに用いる如きパターンの場合にはレジストを用いたエッチング法により作製することができる。
印刷法はクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、平版印刷などで使用される印刷方法を使用して特定撥油・撥水性化合物を含有する液体を基板表面に転写する方法である。
インクジェット法とは、液体吐出孔から記録信号に応じたピコリットルオーダーの特定撥油・撥水性化合物を含有する液体の液滴を基板に向けて吐出させ、パターンを形成させる方法であり、微細なパターン形成に優れた方法である。この方法を用いれば、簡便な方式により、デジタルデータなどによる高解像度のパターンを容易に形成することができるという利点をも有するものである。
<加熱又は露光によりラジカルを発生しうる基板表面>
本発明に用いうるラジカルを発生しうる基板としては、(a)ラジカル発生剤を含有する基板、(b)ラジカル発生部位を有する高分子化合物を含有する基板、(c)架橋剤と側鎖にラジカル発生部位を有する高分子化合物とを含有する塗布液を支持体表面に塗布、乾燥し、被膜内に架橋構造を形成させてなる基板、などが挙げられる。また、特殊な材料を用いる方法として、(d)光開裂によりラジカル重合を開始しうる光重合開始部位を共有結合により基材(支持体)表面に設けた基板がある。これは光開裂によりラジカル重合を開始しうる光重合開始部位と基板結合部位とを有する化合物を支持体に結合させたものである。
この代表的な(a)基板に含有させる「加熱又は露光によりラジカルを発生しうる化合物(以下、適宜、ラジカル発生剤と称する)」は低分子化合物でも、高分子化合物でもよく、一般に公知のものが使用される。
低分子のラジカル発生剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーのケトン、ベンゾイルベンゾエート、ベンゾイン類、α−アシロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、トリクロロメチルトリアジンおよびチオキサントン等の公知のラジカル発生剤を使用できる。また通常、光酸発生剤として用いられるスルホニウム塩やヨードニウム塩なども光照射によりラジカル発生剤として作用するため、本発明ではこれらを用いてもよい。
ラジカル発生部位を有する高分子化合物(高分子ラジカル発生剤)としては特開平9−77891号段落番号〔0012〕〜〔0030〕や、特開平10−45927号段落番号〔0020〕〜〔0073〕に記載の活性カルボニル基を側鎖に有する高分子化合物などを使用することができる。
ラジカル発生剤の含有量は、基板の種類、所望のグラフトポリマーの生成量などを考慮して適宜、選択できるが、一般的には、低分子ラジカル発生剤の場合、0.1〜40重量%の範囲であり、高分子ラジカル発生剤の場合、1.0〜50重量%の範囲であることが好ましい。
(c)の態様においては、任意の支持体上に、側鎖に重合開始能を有する官能基及び架橋性基を有するポリマーを架橋反応により固定化してなる重合開始層を形成することで、「加熱又は露光によりラジカルを発生しうる基板」とする。具体的には、架橋剤と側鎖にラジカル発生部位を有する高分子化合物とを含有する塗布液を支持体(基材)表面に塗布、乾燥し、被膜内に架橋構造を形成させて重合開始層を形成する。このような重合開始層の形成方法については、例えば、特開2004−123837公報に詳細に記載され、このような重合開始層を本発明に適用することができる。
(d)の態様においては、任意の支持体表面に、光開裂によりラジカル重合を開始しうる光重合開始部位と基材結合部位とを有する化合物を結合させたものである。基材表面と光開始部位とは基材結合部位を介して基材表面に結合される。基材表面と光開始部位との結合の例としては O−C、O−Si、N−C、 N−Si、S−C、S−Si、S−O、などの共有結合が好ましいものとして挙げることができる。
以下、グラフト重合の開始点となる活性点を生成しうる光重合開始部位と基材結合部位を有する化合物の例を挙げるが本発明はこれに限定するものではない。これらの化合物は基材表面と化学反応させることにより表面に固定化される。
Figure 2007039709
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≪基板≫
本発明において用いられる基板について説明する。基板としては、導電性パターンの用途に応じた物性を有していれば、特に制限はなく、その構成材料も、有機材料、無機材料、或いは、有機と無機とのハイブリッド材料のいずれでもよく、前記した重合開始活性点の発生機構により適宜選択される。本発明では、ラジカル発生能を有するものを基板と称し、それ自体がラジカル発生能を有するもののみならず、支持体(基材)表面にラジカル発生能を付与したものも包含される。
また、(d)の態様における基板は、基材(支持体)表面に、水酸基、カルボキシル基、アミノ基などの官能基を有するか、コロナ処理、グロー処理、プラズマ処理などの表面処理により、水酸基、カルボキシル基などを発生させることが必要である。このような基板としては、具体的には、ガラス、石英、ITO等の表面水酸基を有する各種基板、基材をコロナ処理、グロー処理、プラズマ処理などの表面処理することで、表面に水酸基やカルボキシル基などを発生させたPET、ポリプロピレン、ポリイミド、エポキシ、アクリル、ウレタンなどのプラスチック基板等が挙げられる。
各種基材(支持体)を構成する有機材料としては、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレートなどのようなポリエステル樹脂、エピコート(商品名:油化シェルエポキシ(株)製)などの市販品に代表されるエポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ノボラック樹脂、フェノール樹脂などを適宜使用することができる。
また、その他の有機材料としては、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、及びポリエーテルケトンなどが挙げられる。
各種基材(支持体)に用いうる無機材料としてはガラス、ガラス、石英、シリコン、鉄、亜鉛、銅、ステンレスなどの金属材料、酸化錫、酸化亜鉛などの金属酸化物、ITOなどが挙げられる。また、これらの複合材料も使用可能である。
前記有機材料からなる基材の中には、グラフトパターンの使用目的に応じて必要な化合物を添加することができる。
例えば、ラジカル重合性の二重結合を有する化合物を添加することで、基板の強度向上を図ることができる。ラジカル重合性の二重結合を有する化合物としては、アクリレート、若しくはメタアクリレート化合物が挙げられる。本発明に用いうるアクリレート化合物〔(メタ)アクリレート〕は、分子内にエチレン性不飽和基であるアクリロイル基を有するものであれば、特に制限はないが、硬化性、基板表面の硬度や強度向上の観点からは、多官能モノマーであることが好ましい。
本発明に好適に用いうる多官能モノマーとしては、多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのエステルであることが好ましい。多価アルコールの例には、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサノール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジペンタエリスリトール、1,2,4−シクロヘキサノール、ポリウレタンポリオール及びポリエステルポリオールが含まれる。なかでも、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びポリウレタンポリオールが好ましい。中間層には、二種類以上の多官能モノマーを含んでいてもよい。
多官能モノマーは分子内に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を含むものを指すが、より好ましくは3個以上含むものである。具体的には、分子内に3〜6個のアクリル酸エステル基を有する多官能アクリレートモノマーが挙げられるが、更に、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートと称される分子内に数個のアクリル酸エステル基を有する、分子量が数百から数千のオリゴマーなども本発明の中間層の成分として好ましく使用することができる。
これら分子内に3個以上のアクリル基を有するアクリレートの具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールポリアクリレート類、ポリイソシアネートとヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有アクリレートの反応によって得られるウレタンアクリレート等を挙げることができる。基板の厚みは、特に限定はないが、一般的には、10μm〜10cm程度である。
そして、このような、ラジカル発生可能な基板表面に、以下に説明する特定撥油・撥水性化合物、即ち、ラジカル重合可能な不飽和化合物を含有する液体をパターン状に配置した後、加熱もしくは露光により撥油・撥水性のグラフトポリマーからなるパターンが形成される。
<撥油およびもしくは撥水性の官能基とラジカル重合可能な不飽和二重結合性基を有する化合物(特定撥油・撥水性化合物)>
グラフトポリマー生成工程において用いられる撥油およびもしくは撥水性の官能基とラジカル重合可能な不飽和二重結合性基を有する化合物としては、撥油およびもしくは撥水性の官能基とラジカル重合性基を有する化合物であれば、如何なるものも用いることができるが、例えば、モノマー、マクロマー、オリゴマー、重合性不飽和基を有する高分子などが挙げられる。これらのうち、重合性不飽和基を有する高分子化合物は特に好ましい。
以下に、グラフトポリマー生成工程において用いられる、撥油およびもしくは撥水性の官能基とラジカル重合可能な不飽和二重結合性基を有する化合物について具体的に例示する。
まず、撥油・撥水性モノマーについて説明する。
ここで、撥油・撥水性の官能基を有するモノマーとしては、フッ素モノマーおよびシリコーン系モノマーを挙げることができる。これらのモノマーは後述する特定撥油・撥水性ポリマーを合成する場合にも使用される。
(フッ素含有モノマー)
グラフトパターンの生成に用いられる特定撥油性ポリマーの原料として使用されるフッ素含有モノマーとしては、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)及び(V)よりなる群から選ばれた少なくとも1種のフッ素含有モノマーが挙げられる。
CH2=CR1COOR2f・・・(I)
〔式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は−Cp2p−、−C(Cp2p+1)H−、−CH2C(Cp2p+1)H−又は−CH2CH2O−、Rfは−Cn2n+1、−(CF2nH、−Cn2n+1−CF3、−(CF2pOCn2ni2i+1、−(CF2pOCm2mi2iH、−N(Cp2p+1)COCn2n+1、−N(Cp2p+1)SO2n2n+1である。但し、pは1〜10、nは1〜16、mは0〜10、iは0〜16の整数である。〕
CF2=CFORg ・・・(II)
(式中Rgは炭素数1〜20のフルオロアルキル基を表わす。)
CH2=CHRg・・・(III)
(式中Rgは炭素数1〜20のフルオロアルキル基を表わす。)
CH2=CR3COOR5j6OCOCR4=CH2 ・・・(IV)
〔式中、R3、R4は水素原子又はメチル基、R5、R6は−Cq2q−、−C(Cq2q+1)H−、−CH2C(Cq2q+1)H−又は−CH2CH2O−、Rjは−Ct2tである。但し、qは1〜10、tは1〜16の整数である。〕
CH2=CHR7COOCH2(CH2k)CHOCOCR8=CH2・・・(V)
(式中、R7、R8は水素原子又はメチル基、Rkは−Cy2y+1である。但し、yは1〜16の整数である。)
以下、本発明に用いうるフッ素含有モノマーの具体例を挙げるが、本発明はこれに制限されるものではない。
一般式(I)で示されるモノマーとしては、例えば、CF3(CF27CH2CH2OCOCH=CH2、CF3CH2OCOCH=CH2、CF3(CF24CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、C715CON(C25)CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)CH2CH2OCOCH=CH2、CF3(CF27SO2N(C37)CH2CH2OCOCH=CH2、C25SO2N(C37)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、(CF32CF(CF26(CH23OCOCH=CH2、(CF32CF(CF210(CH23OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF24CH(CH3)OCOC(CH3)=CH2、CF3CH2OCH2CH2OCOCH=CH2、C25(CH2CH2O)2CH2OCOCH=CH2、(CF32CFO(CH25OCOCH=CH2、CF3(CF24OCH2CH2OCOC(CH3)=CH2、C25CON(C25)CH2OCOCH=CH2、CF3(CF22CON(CH3)CH(CH3)CH2OCOCH=CH2、H(CF26C(C25)OCOC(CH3)=CH2、H(CF28CH2OCOCH=CH2、H(CF24CH2OCOCH=CH2、H(CF2)CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)(CH210OCOCH=CH2、C25SO2N(C25)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、CF3(CF27SO2N(CH3)(CH24OCOCH=CH2、C25SO2N(C25)C(C25)HCH2OCOCH=CH2等が挙げられる。
また、一般式(II)及び(III)で表わされるフルオロアルキル化オレフィンとしては、例えばC37CH=CH2、C49CH=CH2、C1021CH=CH2、C37OCF=CF2、C715OCF=CF2及びC817OCF=CF2などが挙げられる。
一般式(IV)及び(V)で表わされるモノマーとしては例えば、CH2=CHCOOCH2(CF23CH2OCOCH=CH2、CH2=CHCOOCH2CH(CH2817)OCOCH=CH2などが挙げられる。
特定撥油性ポリマーの合成に使用しうるモノマーとして、上記フッ素含有モノマーに加えて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、フッ素を有しないモノマーを併用することができる。そのようなモノマーとしては、ラジカル重合可能なものであれば特に限定されないが、具体的には(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸類、及びそのアルキル又はグリシジルエステル類、スチレン、アルキル酸のビニルエステル類、ケイ素含有モノマーなどが挙げられる。
併用する場合の配合量はフッ素含有モノマーに対して50重量%以下が好ましい。
(シリコン系モノマー)
本発明において特定撥油性ポリマーの原料として用いうるシリコン系モノマーとしては、Si−CH3基もしくは−O−Si−CH3基を有するシリコン系モノマーを挙げることが出来る。具体的にはシリコンアクリレートまたはシリコンメタクリレートであり、一般式(CH3O)nSi(CH33-n−R3−O−CO−CR4=CH2で表されるものであり、R3は連結基であり、R4はメチルもしくは水素である。その他、例えば、特開2003−335984公報の段落番号〔0025〕に記載されるシリコン系モノマーもまた、好適なものとして挙げることができる。
また、本発明の方法においては、撥油・撥水性化合物として、前記した低分子量の化合物のみならず、撥油・撥水性化官能基とラジカル重合性基を有する高分子化合物を使用することもできる。本発明者は、前記グラフトパターンを形成する工程において、撥油・撥水性の官能基と重合性不飽和二重結合を側鎖に有する高分子化合物を使用すると、撥油・撥水性の官能基を有する低分子化合物を使用するよりも、得られたグラフトパターン形成部における表面撥水効果が高まることを見出した。この高分子化合物は表面に撥水・撥油性の特性を与える撥水・撥油性の官能基を分子内に有するラジカル重合性の高分子化合物である。
以下に、撥油・撥水性官能基とラジカル重合性基とを有する高分子化合物について説明する。
<撥油・撥水性の官能基と重合性不飽和二重結合を側鎖に有する高分子化合物(特定撥油・撥水性ポリマー)>
このようなラジカル重合性基含有特定撥油性ポリマーは以下のようにして合成することができる。
(i)フッ素モノマーなどの撥水・撥油性モノマーとエチレン付加重合性不飽和基を有するモノマーとを共重合する方法、(ii)撥水・撥油性モノマーと二重結合前駆体を有するモノマーとを共重合させ、次に、塩基などの処理により二重結合を導入する方法、(iii)カルボン酸などの官能基を有する撥水・撥油性ポリマーとエチレン付加重合性不飽和基を有する化合物とを反応させる方法、などが挙げられる。これらの中でも、特に好ましいのは、合成適性の観点から、(iii)撥水・撥油性ポリマーの官能基とエチレン付加重合性不飽和基を有するモノマーとを反応させる方法である。なお、撥水・撥油性ポリマーを合成するのに使用されるモノマーは前記記載の撥水・撥油性モノマーを使用することができる。
(i)の方法でラジカル重合性基含有撥油性ポリマーを合成する際、撥油性モノマーと共重合するエチレン付加重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、アリル基含有モノマーがあり、具体的には、アリル(メタ)アクリレート、2−アリルオキシエチルメタクリレートが挙げられる。
また、(ii)の方法でラジカル重合性基含有撥油性ポリマーを合成する際、撥油性モノマーと共重合する二重結合前駆体を有するモノマーとしては、2−(3−クロロ−1−オキソプロポキシ)エチルメタクリレー卜が挙げられる。
更に、(iii)の方法でラジカル重合性基含有撥油性ポリマーを合成する際、撥油性ポリマー中のカルボキシル基、アミノ基若しくはそれらの塩と、水酸基及びエポキシ基などの官能基と、の反応を利用して不飽和基を導入するために用いられる付加重合性不飽和基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートなど挙げられる。
(その他のモノマー)
本発明の撥油・撥水性の官能基と重合性不飽和二重結合を側鎖に有する高分子化合物は構成要素として撥油・撥水性基、および重合性不飽和二重結合基の他にも、他のモノマーが共重合されていても良い。これらその他のモノマーは本発明の高分子化合物の溶剤溶解性などを上げるのに使用される。このような目的で使用されるモノマーとしては、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、などのアクリル酸エステルを使用することができる。
併用する場合の配合量はフッ素含有モノマーに対して50重量%以下が好ましい。
以下に、本発明で使用される撥油・撥水性の官能基と重合性不飽和二重結合を側鎖に有する高分子化合物の例〔例示化合物(1)〜(11)〕を示す。ただし、本発明はこれらに限定するものではない。
Figure 2007039709
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撥油・撥水性の官能基と重合性不飽和二重結合を側鎖に有する高分子化合物の分子量(Mw)としては1000〜100万の範囲であり、とくに5000〜10万の範囲が好ましい。この分子量の範囲の特定撥油性ポリマーを用いることで、優れた撥水・撥油性が実現され、且つ、基板表面に接触させる際などの溶剤の溶解性に優れ、取り扱い性も良好となる。
本発明においては、撥油およびもしくは撥水性の官能基とラジカル重合可能な不飽和二重結合性基を有する化合物を含有する液体を、先に述べたインクジェット法、印章法、印刷法から選ばれるいずれかの方法によりラジカル発生可能な基板表面にパターン状に配置する。これらの液体の配置法のなかでも、インクジェット法は、液体吐出孔から記録信号に応じたピコリットルオーダーの液体を基板に向けて吐出させパターンを形成させるものであり、微細なパターン形成に優れた方法である。
−溶媒−
本発明において撥油およびもしくは撥水性の官能基とラジカル重合可能な不飽和二重結合性基を有する化合物をパターン状に配置する際に、例えば、特定撥油・撥水性化合物が低分子量でそれ自体が流動性を有する液体状である場合には、そのまま適用することができるが、必要に応じて取り扱い性向上を目的として溶媒に溶解、分散した液状組成物として用いることもできる。
上述の撥油およびもしくは撥水性の官能基とラジカル重合可能な不飽和二重結合性基を有する化合物を溶解、分散するための溶媒としては、該化合物や必要に応じて添加される添加剤が溶解可能ならば特に制限はない。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリンの如きアルコール系溶剤、酢酸の如き酸、アセトン、メチルエチルケトンの如きケトン系溶剤、ホルムアミドの如きアミド系溶剤、トルエンの如き炭化水素系の溶剤などが挙げられる。
パターン状に基板表面に適用される場合の液体の粘度は、1mPa・s以上、50mPa・s以下であることが好ましい。インクジェット法にて吐出する際、粘度が1mPa・sより小さい場合には、ノズル周辺部がインクの流出により汚染されやすく、また、粘度が50mPa・sより大きい場合は、ノズル孔での目詰まり頻度が高くなり円滑な液滴の吐出が困難となるためである。
液体の適用方法に応じた液の物性を得るため、溶媒、分散媒である溶剤の使用量を適宜調整することができる。
本実施の一つの形態では、上記液の液滴をインクジェットヘッドから吐出して基板上のパターン形成すべき場所に滴下する。このとき、液だまり(バルジ)が生じないように、続けて吐出する液滴の重なり程度を制御する必要がある。また、1回目の吐出では複数の液滴を互いに接しないように離間して吐出し、2回目以降の吐出によって、その間を埋めていくような吐出方法を採用することもできる。
液滴を吐出した後、分散媒の除去を行うため、必要に応じて乾燥処理をする。乾燥処理は、例えば基板を加熱する通常のホットプレート、電気炉などによる処理の他、ランプアニールによって行うこともできる。
そして、このような、ラジカル発生可能な基板表面に、特定撥油・撥水性化合物を含有する液体をパターン状に配置した後、加熱もしくは露光によりエネルギーを付与することで基板表面に発生したラジカルを基点としてグラフト重合が開始され、撥油・撥水性の官能基を有するグラフトパターンが、液体を配置した領域のみに形成される。
グラフト重合を開始、進行させるための加熱処理及び/又は露光処理は、通常大気中で行なわれるが、必要に応じて、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。
加熱処理、露光処理はいずれかを行ってもよく、加熱と露光の双方を実施することもできる。
加熱処理は、通常のホットプレート、電気炉などによる加熱処理の他、赤外線などの露光によって加熱処理を行うこともできる。
露光処理に使用する光源としては、特に限定されないが、例えば、赤外線ランプ、水銀灯、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザーなどを光源として使用することができる。これらの光源は一般には、出力10W以上、5000W以下の範囲のものが用いられるが、本実施形態では、100W以上、1000W以下の範囲で十分である。
この処理を行うことで、液体配置工程後にパターン状に配置された特定撥油・撥水性化合物を含有する液体の乾燥膜において、基板表面の開始種と該特定撥油・撥水性化合物における2重結合との反応が進行し、基板表面に直接結合したグラフトポリマーが液体の配置領域のみにパターン状に形成される。このような本発明のパターン形成方法を用いてグラフトパターンを形成することにより、基板上に、基板との密着性に優れ、液体配置装置の精度に応じた高精細の撥油・撥水性のグラフトパターンを容易に得ることができる。
本発明の導電性パターン形成方法においては、前記グラフトポリマーをパターン状に形成する工程に引き続き、撥油・撥水性のグラフトポリマー非生成領域に導電性素材を付着させる工程(以下、適宜、「導電性素材付着工程」と称する。)を行う。この導電性素材付着工程を経ることで、導電性パターンが形成される。
導電性素材付着工程は、以下に挙げる4つの方法のいずれかで行われることが好ましい。
第1の方法としては、グラフトポリマーの非生成領域に導電性微粒子を含有する液体を付与した後、該液体を乾燥させる方法がある。この方法により、グラフトポリマーの非生成領域には、導電性微粒子が付着した導電性パターンが形成される。また、導電性微粒子を含有する液体を付与した後、加熱することが好ましい態様である。
第2の方法としては、グラフトポリマーの非生成領域に金属酸化物微粒子を含有する液体を付与した後、該金属酸化物微粒子を還元させてから加熱する方法がある。この方法により、グラフトポリマーの非生成領域には、金属微粒子の焼結体層による導電性パターンが形成される。
第3の方法としては、グラフトポリマーの非生成領域にアクティベーション処理、例えば、無電解メッキ触媒などを付着させ、無電解メッキによる導電性材料との親和性を向上させる処理を施し、該処理を施した領域に無電解メッキを行う方法である。この方法により、グラフトポリマーの非生成領域には、メッキによる導電性パターンが形成される。
第4の方法としては、グラフトポリマーの非生成領域に導電性ポリマー層を形成する方法がある。この方法により、グラフトポリマーの非生成領域には、導電性ポリマー層による導電性パターンが形成される。
以下に、導電性素材付着工程に適用される前記4つの方法の詳細を説明する。
(第1の方法:導電性微粒子を用いた導電性パターンの形成)
グラフトポリマーの非生成領域に導電性微粒子を含有する液体を選択的に付与した後、溶剤を除去して導電性領域を形成する方法は、具体的には、撥油・撥水性を有するグラフトポリマーの生成領域と非生成領域とを有する基板上に、導電性微粒子を含有する液体を塗布し、その液体が、当該グラフトポリマーの生成領域の撥油・撥水性と、グラフトポリマーの生成領域と非生成領域との間に発現する隔壁効果の存在により、グラフトポリマーの非生成領域に選択的に固定化された後、乾燥させて溶剤を除去するものである。
基板上の、グラフトポリマーの生成領域(撥油・撥水性)と、非生成領域(親液部)と、の接触角の差が30°より大きい場合、具体的には、例えば、グラフトポリマーがヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリクロロシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリクロロシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のフルオロアルキルシラン(以下、「FAS」と称する。)からなり、前記液体がエタノールのようなアルコール類、n−ヘプタンのような炭化水素系溶剤、エチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル系溶剤、プロピレンカーボネートのような極性溶剤などである場合は、前記塗布方法としては、スピンコート法、カーテンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、インクジェット法、ロールコート法などの方法を用いることができる。
このような方法を用いることで、塗布した液体が、撥液性のグラフトポリマーの生成領域からはじかれて親液性を有するグラフトポリマーの非生成領域(基板露出部)に集まったり、また、撥液性のグラフトポリマーの生成領域から除去され親液性の非生成領域にのみ残存したりするからである。その結果、導電性微粒子を含有する液体は、親液性の基板露出領域のみに塗布されることとなる。
また、グラフトポリマーの生成領域と非生成領域との間の接触角の差が30°より小さい場合、前記塗布法としてインクジェット法やスクリーン印刷を用いるのが好ましい。この方法によれば、グラフトポリマーの非生成領域、つまり、基板の露出した所望の部分にのみ、簡単な工程で精度良く、液体を付与することができ、精度のよい導電性パターンを形成することができる。
導電性微粒子を含有する液体としては、導電性微粒子を分散媒に分散させた分散液を用いる。ここで用いられる導電性微粒子は、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、アルミニウムなどを含む金属微粒子の他、導電性ポリマーや超電導体の微粒子などが用いられる。
また、このような導電性微粒子の粒径は、溶剤への分散性と、インクジェット法を用いた際の吐出性の観点から、1〜100nmであることが好ましく、より好ましくは2〜10nmである。
これらの導電性微粒子は、単独で用いてもよいし、或いは2種以上を混合してもよい。
これらの導電性微粒子は、分散性を向上させるために表面に有機物などをコーティングして使うこともでき、そのコーティング材としては、これらの微粒子の分散媒として用いられる分子そのものや、クエン酸などの有機分子、その他、一般的な界面活性剤なども挙げられる。
なお、導電性微粒子として1〜100nmの粒径の金属微粒子を用いる場合、その超微粒子の分散安定性を高めるために、該金属微粒子表面が、該金属元素と配位的な結合が可能な基として、窒素、酸素、イオウ原子のいずれかを含む基を有する化合物1種以上により、被覆されていることが好ましい。この分散安定性を高めるための被覆用の化合物としては、末端にアミノ基(−NH2)、ヒドロキシ基(−OH)、スルファニル基(−SH
)を有する化合物、或いは、分子内にエーテル(−O−)、スルフィド(−S−)を有する有機化合物が挙げられ、用いる分散溶媒との親和性にも優れたものを用いることが好ましい。なお、これら被覆用の化合物は、金属微粒子表面を被覆する分子層を形成して、分散性を向上させるものの、最終的に、加熱処理の際には、金属微粒子が互いに表面を接触させる妨げとはならないことが好ましい。すなわち、例えば、200℃以上に加熱する際、金属微粒子表面から容易に離脱し、最終的には、蒸散・除去可能である沸点範囲のものが好ましい。
上記の導電性微粒子を含有する液体に用いられる分散媒としては、上記の導電性微粒子を分散できるもので、凝集を起こさないものであれば特に限定されないが、膜の形成性や、乾燥速度の観点から、室温での蒸気圧が0.001mmHg以上200mmHg以下(約0.133Pa以上約26.6kPa以下)であるものが好ましい。
また、上記液体の塗布をインクジェット法によって行う場合には、膜の形成性や、ノズル詰まりの発生の観点から、分散媒の室温での蒸気圧は、0.001mmHg以上50mmHg以下(約0.133Pa以上約6.65kPa以下)であることがより好ましい。
用いられる分散媒としては、具体的には、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テンピネオール(ターピネオール)などのアルコール類;n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系化合物;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1、2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合物;プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物;その他、ミネラルスピリット等を挙げることができる。
これらの中でも、導電性微粒子の分散性と分散液の安定性、更には、インクジェット法への適用のし易さの点から、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、水、炭化水素系化合物が更に好ましく用いられる。
これらの分散媒は、単独でも、或いは2種以上の混合物としても使用できる。
このような導電性微粒子を分散した分散液(以下、「微粒子分散液」と称する。)における導電性微粒子の分散質濃度は、所望の導電膜の膜厚に応じて調整することができるが、凝集の発生や、塗布回数に起因する経済性の観点から、一般的に、1質量%以上80質量%以下であることが好ましい。
また、微粒子分散液の表面張力は、インクジェット法への適用性及び吐出条件の制御の観点から、0.02N/m以上0.07N/m以下の範囲に入ることが好ましい。
この表面張力を調整するため、分散液には、フッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張力調節剤を添加することができる。中でも、ノニオン系表面張力調節剤は、微粒子分散液の基板への濡れ性を良好化させ、かつ、塗膜のレベリング性を改良することができることから、塗膜に発生するぶつぶつや、ゆず肌などの防止に役立つものである。
微粒子分散液の粘度は、塗布回数に起因する経済性や、グラフトポリマー非生成領域に対する液体の集り性の観点から、1mPa・s以上50Pa・s以下であることが好ましく、スクリーン印刷に適用する場合には、20〜50Pa・sであることがより好ましく、また、インクジェット法に適用する場合には、5〜30mPa・sであることがより好ましい。
このような微粒子分散液の粘度は、用いる導電性微粒子の粒径、分散濃度、用いている分散溶媒の種類に依存して決まり、前記の三種の因子を適宜選択して、目的とする液粘度に調節することができる。
このような微粒子分散液を、グラフトポリマーの生成領域と非生成領域とを有する基板上に塗布する方法としては、上述のように、グラフトポリマーの生成領域と非生成領域との撥油・撥水性の差により、適宜、選択されればよい。具体的には、スピンコート法、スクリーン印刷、ロールコート法、カーテンコート法、ディップコート法、スプレー法、インクジェット法などから、適宜、選択すればよい。
例えば、スピンコート法を用いる場合、そのスピナーの回転数としては、必要な導電膜の膜厚、導電性微粒子の分散液の固形分濃度や粘度などにより決まるが、一般に、100rpm〜5000rpm、好ましくは300rmp〜3000rpmが用いられる。
前記微粒子分散液の塗布方法のなかでも、親液部であるグラフトポリマーの非生成領域のみに、必要量を選択的に塗布できることから、インクジェット法を用いることが特に好ましい。インクジェット法を用いることにより、微粒子分散液の吐出量制御による膜厚制御が容易となり、基板上の異なったグラフトポリマーの非生成領域に、異なった膜厚や異なった種類の導電性微粒子からなる膜を形成することが可能となる。
また、この方法によれば、グラフトポリマーの非生成領域のみに微粒子分散液を選択的に塗布することができるため、微粒子分散液を構成する材料の使用量が少なくてすむという利点をも有するものである。
ここで、微粒子分散液の塗布方法に用いられるインクジェット方式の液滴吐出装置としては、任意の微粒子分散液の液滴を一定量吐出できるものであれば如何なる機構のものでもよく、特に、数十ng程度の液滴を形成、吐出できる圧電素子を用いたインクジェット方式、ヒーターの熱エネルギーを利用して気泡を発生させるバブルジェット(登録商標)方式など、いずれの方式のものをも用いることができる。
微粒子分散液の塗布方法としては、インクジェット法に加え、必要に応じて、上記のスピンコート法、カーテンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、インクジェット法、ロールコート法等の一般的な塗布方式を組み合わせることもできる。
これらの方法によりグラフトポリマーの非生成領域に付着した微粒子分散液は、乾燥により液体(分散媒)が除去される。この際、乾燥を速め、導電性微粒子間の電気的接触をよくするために、微粒子分散液が付着した基板を加熱することが好ましい。導電性微粒子として金属微粒子を用いた場合、この加熱処理により金属微粒子間で焼結が起こり、焼結体層が形成される。
この加熱処理は、製造性の観点から、通常大気中で行われるが、必要に応じて、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。また、加熱処理の処理温度は、基板の材質、微粒子分散液に用いられた溶媒(分散媒)の沸点(蒸気圧)、圧力及び導電性微粒子の熱的挙動により、適宜、決定すればよく、特に限定されるものではないが、一般的に、室温以上300℃以下で行うことが望ましい。特に、基板としてプラスチックなどの広範囲なものを使用できるという点では、室温から100℃以下で行うことが特に望ましい。
加熱処理は、通常のホットプレート、電気炉などでの処理の他、ランプアニールによって行うこともできる。ランプアニールに使用する光の光源としては、特に限定されないが、赤外線ランプ、キセノンランプ、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザーなどを使用することができる。これらの光源は、一般には、10〜5000Wの出力のものが用いられるが、通常100〜1000Wで十分である。
以上のようにして、グラフトポリマーの非生成領域に導電性微粒子が付着した、導電性パターンが得られる。なお、導電性微粒子として金属微粒子を用いた場合には、金属パターンが得られることになり、該金属パターンは、金属微粒子が焼結してなる焼結体層から構成されていてもよい。
(第2の方法:金属酸化物微粒子を用いた導電性パターンの形成)
本発明において、グラフトポリマーの非生成領域に金属酸化物微粒子を含有する液体を付与した後、該金属酸化物微粒子を還元させてから加熱する方法は、具体的には、撥油・撥水性を有するグラフトポリマーの生成領域と非生成領域とを有する基板上に、金属酸化物微粒子を含有する液体を塗布し、その液体が、当該グラフトポリマーの生成領域の撥油・撥水性と、グラフトポリマーの生成領域と非生成領域との間に発現する隔壁効果の存在により、グラフトポリマーの非生成領域に選択的に固定化された後、金属酸化物微粒子を還元させてから加熱することで、溶剤を除去するものである。これにより、互いに接触した金属微粒子が焼結して、焼結体層が形成されることとなる。
金属酸化物微粒子を含有する液体としては、金属酸化物微粒子を分散媒に分散させた分散液を用いる。ここで用いられる金属酸化物微粒子は、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、アルミニウムなどの金属微粒子表面に該金属の酸化物被覆層を有するものが用いられる。
また、このような金属酸化物微粒子の粒径は、溶剤への分散性と、インクジェット法を用いた際の吐出性の観点から、1〜100nmであることが好ましく、より好ましくは2〜10nmである。
これらの金属酸化物微粒子は、単独で用いてもよいし、或いは2種以上の混合してもよい。
金属酸化物微粒子は、分散安定性を高めるために、該微粒子を構成する金属元素と配位的な結合が可能な基、具体的には、例えば、窒素、酸素、イオウ原子のいずれかを含む官能基を有する化合物の1種以上により、その表面が被覆されていることが好ましい。この分散安定性を高めるための被覆用の化合物としては、前記導電性微粒子の被覆に用いられる化合物として挙げたものを同様に挙げることができ、好ましい化合物も同様である。
金属酸化物微粒子を含有する液体の調製に用いられる分散媒としては、該金属酸化物微粒子表面に対して適当な濡れ性を示すとともに、表面被覆層を有する金属酸化物微粒子に対しても、所望の分散特性を達成可能な分散溶媒が利用される。これらの要件を満足する分散溶媒として、例えば、室温付近では容易に蒸散することのない、比較的に高沸点の非極性溶剤或いは低極性溶剤、例えば、テルピネオール(ターピネオール)、ミネラルスピリット、キシレン、トルエン、テトラデカン、ドデカンなどが好適に用いられる。
これらの分散媒は、単独でも、或いは2種以上の混合物としても使用できる。
金属酸化物微粒子を分散した分散液を、グラフトポリマーの生成領域と非生成領域とを有する基板上に塗布する方法としては、グラフトポリマーの生成領域と非生成領域との撥油・撥水性の差により、適宜、選択されればよい。具体的には、スピンコート法、スクリーン印刷、ロールコート法、カーテンコート法、ディップコート法、スプレー法、インクジェット法などから、適宜、選択すればよく、中でも、スクリーン印刷やインクジェット法が好ましい。
金属酸化物微粒子を分散した分散液は、採用する塗布法に応じて、それぞれ適合する液粘度を有するものに、調製することが望ましい。例えば、この分散液をスクリーン印刷に適用する場合には、20〜50Pa・sであることがより好ましく、また、インクジェット法に適用する場合には、5〜30mPa・sであることがより好ましい。
このような分散液の粘度は、用いる金属酸化物微粒子の粒径、分散濃度、用いている分散溶媒の種類に依存して決まり、前記の三種の因子を適宜選択して、目的とする液粘度に調節することができる。
金属酸化物微粒子を分散した分散液を、撥油・撥水性を有するグラフトポリマーの生成領域と非生成領域とを有する基板上に塗布した後、金属酸化物微粒子を還元する処理を行う。この還元処理方法としては、例えば、分散液中に還元剤を予め添加しておき、かかる分散液を基板上に塗布してから加熱することで、添加されている還元剤の作用によって、金属酸化物微粒子を表面から金属へと還元する、すなわち、金属微粒子表面の金属酸化物被覆層を金属へと還元する手法を用いることができる。
この手法を利用する場合、分散液中に配合される還元剤としては、水素化ホウ素誘導体などの水素化剤が利用されるが、十分な還元反応を達成し、再現性よく、金属微粒子へと還元を果すには、金属酸化物微粒子の量に対応させて、予め、必要量の還元剤を分散液中に配合することが好ましい。また、水素化剤による還元反応で生じる副生成物、或いは残余する未反応の水素化剤の量が多くなると、これらを洗浄・除去する工程を付加する必要がある。
これらの点を考慮すると、還元処理方法としては、必要量の還元剤を分散液中に配合することに代えて、撥油・撥水性を有するグラフトポリマーの生成領域と非生成領域とを有する基板上に、金属酸化物微粒子を分散した分散液を塗布して、塗布層を形成した後、その塗布層に気相から還元性反応種を供給しつつ、還元を行う方法を利用することがより好ましい。
この気相より還元性反応種を供給しつつ、還元を行う方法の一例として、還元性気体の存在下、生起されるプラズマ雰囲気内に、塗布層中に含まれる金属酸化物微粒子を曝すことにより、還元を行う手法が利用できる。具体的には、この金属微粒子表面の金属酸化物被覆層を還元する際には、加熱温度を300℃以下に選択して、還元性気体の存在下、生起されるプラズマ雰囲気内に、塗布層中に含まれる金属酸化物微粒子を曝すことにより、予めプラズマを生起した雰囲気中において、還元性気体に由来する活性な反応種へと変換した上で、金属微粒子表面の金属酸化物被覆層に作用させることで、加熱温度が300℃以下と低温であっても、表面の金属酸化物の還元反応が速やかに進行できる。
なお、一旦、表面に生成した非酸化状態の金属原子と、その内部に存在する金属酸化物分子との固相反応により、内部の金属酸化物は非酸化状態の金属原子に変換され、代わって表面に金属酸化物が生成されるが、この表面に生成された金属酸化物は、気相から継続して供給される還元性気体に由来する活性な反応種の還元作用によって、非酸化状態の金属原子まで還元される。
このような一連の反応サイクルが繰り返される結果、当初は、金属微粒子の深部まで達していた金属酸化物被覆層は徐々に減少して、最終的には、金属酸化物微粒子全体が、目的とする金属微粒子に復する。
具体的なプラズマ還元処理の工程では、まず、撥油・撥水性を有するグラフトポリマーの生成領域と非生成領域とを有する基板上に、金属酸化物微粒子を分散した分散液を塗布して、塗布層を形成したものを、高い平面性を有する土台表面上に平坦に保持した状態で設置した後、装置内を予め150Pa以下に減圧し、系内に残存する空気を除去する。
次いで、ガス導入口より、不活性ガスと還元性気体の混合気体を一定流量で供給して、還元性気体の存在下、プラズマを生起し、かかるプラズマ雰囲気内で、還元処理を行う。例えば、不活性ガスと還元性気体の混合気体の流量は、1〜1000ml/min(正規状態換算流量)に調整し、排気系の圧力調整機能により、装置内の内圧を、プラズマの生起と維持に適する圧力、例えば、1〜120、000Paの範囲に調節する。なお、前記装置内の内圧は、利用する高周波電力の周波数、電力量、並びに、ガス組成、流量に応じて、プラズマの生起と維持に適する圧力を選択することが望ましい。
このようにしてグラフトパターン非生成領域に付着した金属酸化物微粒子が還元処理により金属微粒子となり、導電性パターンが形成される。金属微粒子が付着した状態で、前記第1の態様と同様に後加熱処理を行うこともできる。この場合には、導電性パターンは、金属微粒子が焼結してなる焼結体層から構成されることになる。
(第3の方法:無電解メッキを用いた導電性パターンの形成)
グラフトポリマーの非生成領域にアクティベーション処理を施し、該処理を施した領域に無電解メッキを行って導電性領域を形成する方法は、具体的には、基板上に形成されたグラフトポリマーの非生成領域にアクティベーター、例えば、無電解メッキ触媒やその前駆体など、を付与した後、基板を無電解メッキ液に浸漬させる。この浸漬により、アクティベーターを付与した箇所のみが選択的にメッキされ、その領域に金属薄膜を形成するものである。浸漬は目的に応じて、5分間から15時間の範囲で行われる。
また、グラフトポリマーの非生成領域に、無電解メッキ液等のメッキ液滴をインクジェット法などによって適用し、金属薄膜を成形してもよい。
この方法によれば、グラフトポリマーの非生成領域に、つまり、基板の露出した所望の部分にのみ、簡単な工程で、精度良く、金属薄膜パターン(導電性パターン)を形成することができる。
この第3の方法において用いられる無電解メッキ液としては、ニッケル塩化物、次亜リン酸及び水を含むニッケル無電解メッキ液、水を含む金無電解メッキ液等のメッキ溶液が挙げられる。
特に、FAS等を用いたグラフトポリマーが生成した基板を用いる場合には、例えば、アクティベーターとして、4質量%塩酸100mlに塩化パラジウム20mgを溶解し、更に、水酸化ナトリウムを加えてpHが5となるように調整した液体を用い、無電解メッキ液として、水1リットルに塩化ニッケル25g及び次亜リン酸ナトリウム25gを溶解し、更にpH調整剤を加えてpH5程度にした溶液を用いることが好ましい。
グラフトポリマーの非生成領域に、無電解メッキ液等のメッキ液滴を2種以上用い、異なる箇所に2種以上の異なる金属薄膜を成形してもよい。例えば、ある箇所はニッケル薄膜を形成し、これ以外の箇所は金薄膜を形成することで、導電性パターンとして、種々の配線を形成することもできる。また、グラフトポリマーの非生成領域の同一箇所に2種以上の無電解メッキ液滴を吐出して、異なる金属薄膜を重ね合わせることも可能である。
金属薄膜の厚さは、無電解メッキ液滴に用いる金属の析出条件に応じて、無電解メッキ液への浸漬条件や、液滴吐出条件などを調整することで制御することができる。具体的には、液滴を付与する場合には、例えば、無電解メッキ液滴の吐出ドット数を調整する方法があるが、この場合には、所望の金属薄膜の厚さに応じて、ロット毎に吐出ドット数を変更したり、1つの基板中で、吐出ドット数を吐出位置に応じて変更して、金属薄膜の厚みを適宜変更することができる。また、メッキ液滴の吐出を所定回数繰り返す方法もあるが、この場合には、無電解メッキ液滴の吐出ドット数と吐出回数とを調整することにより、金属薄膜の厚みを適宜変更することができる。このような金属薄膜の制御方法により、金属薄膜の変化を±5%以内に抑えることができる。
本発明においては、無電解メッキ液を付与する前に、前述の如くグラフトポリマーの非生成領域にはアクティベーション処理しておくことが必要である。即ち、アクティベーション処理によりグラフトポリマーの非生成領域に活性種層を形成し、次いで、その活性種層上に選択的に無電解メッキ液滴を吐出・塗布して金属皮膜を形成する。
ここで、アクティベーション処理とは、公知のアクティベーター(パラジウム塩化物、塩化水素等を含有する混合液に、例えば、室温で、pHが5.8になるように水酸化ナトリウム水溶液を加えて調節したもの等)中に、グラフトポリマーの生成領域と非生成領域とを有する基板を1〜5分間浸漬することで行われる。
この際、アクティベーターは、グラフトポリマーの生成領域における撥油・撥水性と、グラフトポリマーの生成領域と非生成領域との間に発現する隔壁効果の存在により、グラフトポリマーの非生成領域に選択的に付着することができる。また、アクティベーターをインクジェット法にて、グラフトポリマーの非生成領域のみに吐出する方法も用いることができる。この場合には、アクティベーターをインクジェット法にて吐出した後に、室温で1〜5分間放置して、その後、基板を水洗することが好ましい。
このような方法を用いて、最終的に得られるメッキ膜(金属薄膜)の厚さは、用途に応じて任意に設定することができるが、0.02〜2μmとするのが好ましい。
ここで、無電解メッキを行う際は、無電解メッキ液滴に用いる金属の析出条件に応じて、吐出条件が制御される。具体的には、金属としてニッケルを用いる場合には、吐出時の基板温度を30〜60℃とし、湿度を70%以上に保持するのが好ましく、吐出ドット数を5回程度、吐出回数を1回程度とし、1ドット当たりの吐出量を、30pL程度とすることが好ましい。
(第4の方法:導電性ポリマー層による導電性パターンの形成)
グラフトポリマーの非生成領域に導電性ポリマー層を形成し導電性領域を形成する方法は、具体的には、撥油・撥水性を有するグラフトポリマーの生成領域と非生成領域とを有する基板上に、導電性ポリマーを含む液体を塗布し、その液体が、当該グラフトポリマーの生成領域の撥油・撥水性と、グラフトポリマーの生成領域と非生成領域との間に発現する隔壁効果の存在により、グラフトポリマーの非生成領域に選択的に固定化された後、乾燥させることにより、導電性ポリマー層を形成するものである。
この導電性ポリマー層により、導電性パターンが形成される。
導電性ポリマー層を構成する導電性ポリマーとしては、10-6s・cm-1以上、好ましくは、10-1s・cm-1以上の導電性を有するものであればよいが、具体的には、例えば、置換及び非置換の導電性ポリアニリン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリセレノフェン、ポリイソチアナフテン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアセチレン、ポリピリジルビニレン、ポリアジン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、また、目的に応じて2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、導電性ポリマー層は、所望の導電性を達成できる範囲であれば、導電性を有しない他のポリマーとの混合物であってもよいし、導電性モノマーと導電性を有しない他のモノマーとのコポリマーから構成されていてもよい。
導電性ポリマー層の層厚は、用途に応じて任意に設定することができるが、0.1〜10μmとするのが好ましい。
本発明における導電性素材付着工程では、前記いずれの方法を用いる場合においても、導電性素材をグラフトポリマーの非生成領域に付着させる前に、該非生成領域に対して、表面コロナ処理や、過マンガン酸などを用いた表面酸化処理を施し、その表面に、水酸基やカルボキシル基などの極性基を生成させることが好ましい。
このように、極性基が生成したグラフトポリマーの非生成領域に対して、上述の各方法のように、導電性微粒子を含有する液体、金属酸化物微粒子を含有する液体、アクティベーター、導電性ポリマーを含む液体を付与することで、これらの液体や該液体を構成する導電性微粒子、金属酸化物微粒子、金属イオン、導電性ポリマーと、極性基と、の間に相互作用が形成され、結果的に、導電性素材が非生成領域に強固に吸着する状態が形成される。これにより、得られた導電性パターンの耐久性は向上し、用途の拡大や、使用環境の拡大を図ることができる。
上述の本発明の導電性パターン形成方法により、例えば、最小配線幅および配線間スペースが50μm程度において、体積固有抵抗率が1×10-5Ω・cm以下の配線(導電性パターン)を形成することが可能である。
このようにして得られた導電性パターンは、導電性が高く、様々な用途に用いることができる。例えば、微細電気配線、高密度磁性ディスク、磁気ヘッド、磁気テープ、磁気シート、磁気ディスクなど、各種の用途が期待でき、その応用範囲は広い。また、マイクロマシンや超LSIなどの回路形成を含む広い用途が期待される。
更に、基板の支持体としてPETなどの透明フィルムを使用した場合には、パターン形成された透明導電性フィルムとして使用することができる。このような透明導電性フィルムの用途としては、ディスプレイ用透明電極、調光デバイス、太陽電池、タッチパネル、その他の透明導電膜が挙げられるが、CRTやプラズマディスプレイにつける電磁波シールドフィルターとして特に有用である。このような電磁波シールドフィルターは高い導電性と透明性とを必要とするため、金属(微粒子)膜を格子状に設けることが好ましい。このような格子線幅は、20〜100μm、開口部は50〜600μm程度が好ましい。この格子は必ずしも規則正しく、直線で構成されていなくてもよく、曲線状で構成されていてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔(1)フッ素パターンA1の形成〕
(合成例1:化合物Aの合成)
以下の2つのステップにより行われる。それぞれのステップを説明する。
1.ステップ1(化合物aの合成)
DMAc50gとTHF50gの混合溶媒に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 24.5g(0.12mol)を溶かし、氷浴下でNaH(60% in oil) 7.2g(0.18mol)を徐々に加えた。そこに、11−ブロモ−1−ウンデセン(95%)44.2g(0.18mol)を滴下し、室温で反応を行った。1時間で反応が終了した。反応溶液を氷水中に投入し、酢酸エチルで抽出し、黄色溶液状の化合物aを含む混合物が得られた。この混合物37gをアセトニトリル370mlに溶かし、水7.4gを加えた。p−トルエンスルホン酸一水和物1.85gを加え、室温で20分間撹拌した。酢酸エチルで有機相を抽出し、溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィー(充填剤:ワコーゲルC−200、展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/80)で化合物aを単離した。
2.ステップ2(化合物aのハイドロシリル化による化合物Aの合成)
ステップ1で得られた化合物a5.0g(0.014mol)にSpeir catalyst(H2PtCl6・6H2O/2−PrOH、0.1mol/l)を2滴加え、氷浴下でトリクロロシラン2.8g(0.021mol)を滴下して撹拌した。さらに1時間後にトリクロロシラン1.6g(0.012mol)を滴下してから室温に戻した。3時間後に反応が終了した。反応終了後、未反応のトリクロロシランを減圧留去し、以下に示す構造の化合物Aを得た。
Figure 2007039709
〔特定撥油・撥水性ポリマーの合成〕
(合成例1.特定撥油・撥水性ポリマーP−1の合成)
特定撥油・撥水性ポリマーP−1は、以下の2つのステップを経て合成される。
<Step1:2−(パーフルオロオクチル)−エチルメタクリレート(FAMAC)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル(HEMA)との共重合(FAMAC/HEMA=33/67)の合成>
窒素雰囲気下、N、N−ジメチルアセトアミド(DMAc、和光純薬工業)30gを、冷却管を設置した300mlの三つ口フラスコに入れ、ウォーターバスで65℃まで加熱した。ここにDMAc30gにメタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル(HEMA、東京化成工業)5.0g(0.0382mol)と2−(パーフルオロオクチル)−エチルメタクリレート(FAMAC、ダイキンファインケミカル研究所社製)10.0g(0.0188mol)と2.2’−アゾビス(イソ酪酸)(V601、和光純薬工業)0.66g(0.0029mol)を溶解させた均一な溶液をプランジャーポンプで0.54ml/minの速度で滴下した。滴下終了後、5時間撹拌し反応を止めた。
反応液を1500mlのメタノールで再沈し、析出した固体を吸引濾過により濾取した。3時間真空乾燥して白色粉末を得た。(収量6.52g、収率43%)
IR(KBr)(Excalibur FTIR−8300(SHIMAZU)を使用して測定) 3471(b)、2953(b)、1732(s)、1456(s)cm-1
<Step2: 共重合体への二重結合の導入>
Step1で得た共重合体3.0gとハイドロキノン(和光純薬工業)0.0325gを冷却管を設置した300mlの三つ口フラスコに入れ、DMAc40gを加えて室温で撹拌し均一な溶液とした。
その溶液を撹拌しながら2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(カレンズMOI、昭和電工)1.53g(0.00983mol)を滴下した。続いて、ジラウリン酸ジ−n−ブチルすず(東京化成工業)を1滴加えて撹拌しながら65℃のウォーターバスで加熱した。5時間後に反応を止め、室温まで自然冷却した。反応液を1500mlのメタノールで再沈し、析出した固体を吸引濾過により濾取し、特定撥油性ポリマーP−1を得た。(収量2.5g、収率55%)
IR(KBr)(Excalibur FTIR−8300(SHIMAZU)を使用して測定)
3390(b)、2961(b)、1732(s)、1639(s)cm-1
分子量(GPC、THF、ポリスチレン換算)はMw30500であった。
(合成例2.特定撥油性ポリマーP−2の合成)
特定撥油性ポリマーP−2は、以下の2つのステップを経て合成される。
<Step1: 2−(パーフルオロオクチル)−エチルメタクリレート(FAMAC)とブチルメタクリレート(BMA)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル(HEMA)との共重合(FAMAC/BMA/HEMA=30/30/40)の合成>
窒素雰囲気下、N、N−ジメチルアセトアミド(DMAc、和光純薬工業)31.88gを、冷却管を設置した300mlの三つ口フラスコに入れ、ウォーターバスで65℃まで加熱した。ここにDMAc31.88gにブチルメタクリレート(BMA、東京化成工業)2.67g(0.0188mol)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル(HEMA、東京化成工業)3.27g(0.0251mol)と2−(パーフルオロオクチル)−エチルメタクリレート(FAMAC、ダイキンファインケミカル研究所社製)10.0g(0.0188mol)と2.2’−アゾビス(イソ酪酸)(V601、和光純薬工業)0.714g(0.0031mol)を溶解させた均一な溶液をプランジャーポンプで0.37ml/minの速度で滴下した。滴下終了後、5時間撹拌し反応を止めた。反応溶液は乳白色であった。
<Step2: 共重合体への二重結合の導入>
Step1で得られた反応溶液を500mlの三つ口フラスコに移し、そこにN、N−ジメチルアセトアミド(DMAc、和光純薬工業)79.7gを加えて10wt(%)に希釈した。ここにハイドロキノン(和光純薬工業)0.081gを加えて室温で撹拌し均一な溶液とした。その溶液を撹拌しながら2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(カレンズMOI、昭和電工)3.79g(0.024mol)を滴下した。続いて、ジラウリン酸ジ−n−ブチルすず(東京化成工業)を1滴加えて冷却管を設置し、65℃のウォーターバスで加熱した。5時間後に反応を止め、室温まで自然冷却した。反応液は薄桃色であった。
反応液を水で再沈し、析出した固体を濾取した。その固体を1500mlの水で1時間リスラリーし、固体を濾別後、空気乾燥し、薄桃色の粉末として特定撥油性ポリマーP−2を得た。(収量14.99g、収率76%)
分子量(GPC、THF、ポリスチレン換算)はMw30500であった。
1H NMR(ppm、CDCl3、300Mz、ブルッカー社製)
δ 0.80−1.80(b、18H)、1.40(b、2H)、1.60(b、2H)、1.85(bs、2H)、1.90(b、1H)、2.42(b、2H)、3.50(mb、2H)、3.82(bs、2H.)、4.12(bs、3H)、4.30(b、6H)、5.60(bs、1H)、6.25(bs、1H)
(開始剤結合工程:露光によりラジカルを発生しうる基板の作製)
ガラス基材(日本板硝子)を、終夜、ピランハ液(硫酸/30%過酸化水素=1/1vol混合液)に浸漬した後、純水で洗浄した。その基材を、窒素置換したセパラブルフラスコ中に入れ12.5wt%の化合物Aの脱水トルエン溶液に1時間浸漬した。取り出し後、トルエン、アセトン、純水で順に洗浄した。得られた基板を基板a1とする。
(グラフトポリマー生成工程)
ポリマーP1(0.5g)をメチルエチルケトン2.0gとトルエン2.0gの混合溶媒に溶かし、インクジェット用液体を用意した。この液体の粘度は約10mPa・sである。
まず、前記基板a1を、開始剤面を上側にしてX−Yステージに配置した。次に、X−Yステージにより基板a1を動かしながら、インクジェットノズルからグラフト面に向けて前記液体を滴下することにより、開始剤面上に前記液体からなる液滴を所定のパターンで配置した。
ここで、インクジェット装置としては、セイコーエプソン(株)製のインクジェット装置「MJ−10000」を用いた。インクジェットヘッドとしては、ノズルを一列当たり180個備えたものを使用し、一列のみを用いてパターンの長さ方向に沿って連続的に液滴を形成した。すなわち、パターンの幅方向には1個の液滴を形成した。そして、ノズルからの液体の滴下条件を、基板面とノズルとの距離:0.3mm、一回の吐出量:10ngとすることにより、滴下された液滴の直径が25〜30μmとなるようにした。また、パターンの長さ方向に液滴が20μm間隔(液滴の中心間の距離)で滴下されるようにした。
次に、この状態の基板a1を熱風乾燥炉内に入れて、100℃で5分間保持することにより、液滴を乾燥させ分散媒を除去した。これにより特定撥油・撥水性化合物を含むパターンが、基板上に配置された。
(露光工程)
特定撥油・撥水性化合物を含む化合物のパターンを配置した基板上を、露光機(UVX−02516S1LP01、ウシオ電機社製)で1分間全面露光した。露光後、アセトンで充分洗浄した。以上のようにして、基板と結合したグラフトパターンA1(グラフトポリマー生成領域及び非生成領域)を形成した。
グラフトポリマー生成領域の水滴の接触角を測定したところ118度であり、優れた撥水性を有することがわかる。またグラフトポリマー非生成領域の接触角を測定したところ76度であった。
撥油性パターンを確認するためにマジックインク(マーツキーケア、黒、ゼブラ(株)社製)を付着させたところ、フッ素グラフトポリマー形成領域以外の領域にのみインクが付着したおり、顕微鏡で確認したところライン18μm、スペース18μmのパターンが形成されているのが判明した。
〔(2)フッ素パターンA2の形成〕
(光開裂化合物結合工程:露光によりラジカルを発生しうる基板の作製)
片面をコロナ処理した厚さ188μmのPET(二軸延伸ポリエチレンテレフタレート)フィルムを5cm×5cmのサイズに切り、その基材を、窒素置換したセパラブルフラスコ中に入れ、12.5wt%の化合物Aの脱水トルエン溶液に1時間浸漬した。取り出し後、トルエン、アセトン、純水で順に洗浄して基板を得た。
(グラフトポリマー生成工程)
上記の基板に前記フッ素パターンA1の形成におけるのと同様にして、インクジェット法を用いてパターン状に特定撥油・撥水性ポリマーP2を配置し、基板表面全体を露光機(UVX−02516S1LP01、ウシオ電機社製)で1分間露光した。露光後、アセトンで充分洗浄した。以上のようにして、フッ素パターンA2(グラフトポリマー生成領域及び非生成領域)を形成した。
〔(3)フッ素パターンA3の形成〕
前記(1)フッ素パターンA1の形成において作製した開始剤結合基板A1に特定撥油・撥水性ポリマーP1を印章法により、基板表面に配置した他は(1)フッ素パターンA1の形成におけるのと同様にして、グラフトパターンを形成した。以上のようにして、フッ素パターンA3(グラフトポリマー生成領域及び非生成領域)を形成した。なお、ここでポリマーを配置するために用いた印章はシリコーンゴム表面にレジストを被覆し、エッチングして幅180μmのラインアンドスペースのパターンを形成したものである。
<パターンの確認及び評価>
以上のようにして得られたフッ素パターンA1〜A3について、下記確認方法によりパターンの確認を行った。形成された各パターンを、原子間顕微鏡AFM(ナノピクス1000、セイコーインスツルメンツ社製、DFMカンチレバー使用)で観察した。解像できた最小のラインアンドスペースの線幅を表1示す。
Figure 2007039709
〔実施例1〕
(導電性素材付着工程:金粒子分散液の付着)
前記フッ素パターンA1におけるフッ素系グラフトポリマーの生成領域と非生成領域とが形成された面に、粒径10nmの金微粒子をα−テルピネオールに分散させた液体:微粒子分散液(真空冶金社製、商品名「パーフェクトゴールド」)をスピンコート法により塗布した。塗布された微粒子分散液は、フッ素系グラフトポリマーの非生成領域のみに選択的に固定化され、フッ素系グラフトポリマーの生成領域には残存しなかった。
この基板A1を、大気中にて、300℃で15分間焼成したところ(加熱処理)、フッ素系グラフトポリマーの非生成領域に塗布されていた微粒子分散液は金薄膜となり、前記のようなフッ素系グラフトポリマーの生成領域と非生成領域とからなるパターンに従った、幅18μm、スペース18μmの金薄膜のラインパターンが形成された。この金薄膜の膜厚は1.5μmで、比抵抗は5×10-6Ωcmであった。
〔実施例2〕
(導電性素材付着工程:無電解めっき)
アクチベーターとして、4質量%塩酸100mlに塩化パラジウム20mgを溶解し、更に、水酸化ナトリウムを加えてpHが5となるように液体を調整した。この液体をインクジェットヘッド(エプソン社製インクジェットヘッド)から、前記フッ素パターンA2のフッ素系グラフトポリマーの非生成領域を狙って吐出した。このインクジェットヘッドは、駆動電圧20Vでは25ピコリットルの体積の液滴が吐出され、その直径は36μmであった。また、吐出間隔は30μmであった。
吐出されたアクチベーターは、フッ素系グラフトポリマーの非生成領域の線幅(20μm)にまで広がったが、フッ素系グラフトポリマーの生成領域には、はみ出さず、上記アクチベーターからなる線幅15μm、スペース15μmのラインが形成された。この状態のまま5分間室温で放置した後、基板を水洗した。
その後、この基板を、無電解ニッケルメッキ液(水1リットルに塩化ニッケル25g及び次亜リン酸ナトリウム25gを溶解し、更にpH調整剤を加えてpH5程度にしたもの)に浸漬し、80℃で10分間メッキを行ったところ、親水部にのみ無電解メッキによりニッケルが析出し、前記のようなフッ素系グラフトポリマーの生成領域と非生成領域とからなるパターンに従った、幅15μm、スペース15μmのニッケル薄膜のラインパターンが形成された。ニッケル薄膜の膜厚は、膜厚3μmで、比抵抗は1.0Ωcmであった。
〔実施例3〕
(導電性素材付着工程:導電性高分子)
前記フッ素パターンA3のフッ素系グラフトポリマーの非生成領域を狙って、ポリエチレンオキシチオフェン溶液(バイトロンP、バイエルAG製の水性導電性ポリマー)を、実施例1と同様のインクジェットヘッドを用いて、吐出した。その後、液体を乾燥させたところ、フッ素系グラフトポリマーの非生成領域には導電性ポリマー層が形成され、フッ素系グラフトポリマーの生成領域と非生成領域とからなるパターンに従った、幅180μm、スペース180μmの導電性ポリマー層のラインパターンが形成された。この導電性ポリマー層の膜厚は2μmであった。その後、導電性ポリマー層の両端を、顕微鏡を使いながら、テスターを用いて導電性を測定したところ、いずれの箇所も、1Ω以下の導電性状態となっていた。
また、顕微鏡観察により、フッ素系グラフトポリマーの生成領域には、ポリエチレンオキシチオフェンの広がりがみられず、フッ素系グラフトポリマーの生成領域と非生成領域との間に隔壁効果が発現していることが確認された。また、このフッ素系グラフトポリマーの生成領域を、非生成領域と同様にテスターを用いて導電性を測定したところ、この領域は導電性を有さず、絶縁領域として存在していることが確認された。
〔実施例4〕
(基板の作製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)125g、及びウレタンアクリレートオリゴマー(UV−6300B、日本合成化学工業(株)製)125gを、439gの工業用変性エタノールに溶解した。得られた溶液に、低分子ラジカル発生剤としての光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5g、光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0g、及びメチルエチルケトン49gからなる溶液を加えた。この混合物を攪拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、ラジカル発生剤含有層用塗布液を調製した。
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フィルム(株)製)を支持体として用い、その表面にゼラチン下塗り層を設けた。ゼラチン下塗り層の上に、上記ラジカル発生剤含有層用塗布液を、バーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥した後、高圧水銀灯を30秒間照射して、塗布層を硬化させ、厚さ15μmの基板を作製した。ここで、高圧水銀灯は、ウシオ(株)社製UVX−02516S1LP01を使用した。得られた基板を基板C1とする。
〔グラフトポリマー生成工程(A)〕
フッ素含有モノマーである、2−(パーフルオロブチル)エチルアクリレート(アヅマックス(株)社製)0.5gと、1−メトキシ−2−プロパノール(和光純薬工業(株)社製)0.5gと、を混合して均一溶液とした。
前記のようにして得られた基板C1を4cm×5cmにカットし、そこに、上記溶液を実施例1と同様のインクジェット装置を用いて描画した。100℃5分間乾燥したのち、UV露光装置(UVX−02516S1LP01、高圧水銀灯、USHIO社製)で5分間露光し、アセトンで洗浄し、未反応のフッ素含有モノマーなどの不純物を除去した。これにより、フッ素系グラフトポリマーの生成領域と非生成領域とを有する基板C2を得た。
基板C2における、フッ素系グラフトポリマーの生成領域の撥水性を確認するために、当該領域の水滴の接触角を、測定したところ107.8度であり、優れた撥水性を有することがわかった。
また、フッ素系グラフトポリマーの生成領域の撥油性を確認するために、当該領域にマジックインク(マーツキーケア:黒、ゼブラ(株)社製)を付着させたところ、フッ素系グラフトポリマーの生成領域にはインクが付着せず、非生成領域のみに選択的にインクが付着した。
更に、基板C2について、ESCAにより、フッ素系グラフトポリマーにおけるフッ素表面原子量を測定したところ、F:51原子%(その他の表面原子量C:43%、O:6%)であり、高い撥油・撥水性を有していることが認められた。(参考値:モノマーのフッ素含有量:52原子%、その他の原子量C:42%、O:6%)
グラフトポリマーの生成領域の膜厚を、ナノピクス1000(セイコーインスツルメンツ社製)を使用して測定したところ、15nmであった。
(導電性素材付与工程)
(分散液の調製)銀微粒子
市販されている銀粒子分散液(商品名:独立分散超微粒子パーフェクトシルバー、真空冶金(株)製)、具体的には、平均粒径5nmの銀粒子100質量部当たり、その表面被覆層に利用するアルキルアミンとして、ドデシルアミン(分子量185.36、沸点248℃)15質量部、分散溶媒に利用する有機溶剤として、ターピネオール75質量部を含有する銀粒子分散液(25℃の液粘度30mPa・s)に対して、濃縮処理を施し、有機溶剤ならびに該有機溶剤中に溶解する余剰な被覆剤を一部除去する。そして、この濃縮処理における攪拌操作で混入する微細な気泡を除去するため、メッシュサイズ:0.5μmのポリテトラエチレンフィルターを用いて、ろ過し、脱泡処理を施した。
その後、テトラデカンを適量添加して液粘度の調整を行い、分散液の液粘度を10mPa・s(25℃)とした。
次いで、基板D2のフッ素系グラフトポリマーの生成領域と非生成領域とが形成された面に、前記分散液を、目標線幅が20μmの直線パターンを、塗布時の平均膜厚5μmで、インクジェット印刷方式により塗布し、塗布層を形成した。
その後、塗布層に対して、230℃60分の熱処理を施し、含まれる銀粒子の焼成処理を行って、銀の焼結体層からなる導電性パターンを形成した。得られた導電性パターンには、フッ素系グラフトポリマーの生成領域と非生成領域とからなるパターンに従った、幅20μm、スペース20μmの銀のラインパターンが形成された。焼結体層の平均膜厚は、1μmであり、その比抵抗値(体積抵抗率)は3.0×10-6Ω・cmと良好な抵抗値を示した。
〔実施例5〕
(基板の作製)
(重合開始ポリマーAの合成)
300mlの三口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル(MFG)30gを加え75℃に加熱した。そこに、[2−(アクリロイルオキシ)エチル](4−ベンゾイルベンジル)ジメチルアンモニウムブロミド8.1gと、2−ヒドロキシエチルメタクリレート9.9gと、イソプロピルメタクリレート13.5gと、ジメチル−2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.43gと、MFG30gと、の溶液を2.5時間かけて滴下した。その後、反応温度を80℃に上げ、更に2時間反応させ、重合開始ポリマーAを得た。
(重合開始層形成工程)
膜厚0.188mmのポリエチレンテレフタレートフィルム(製品名:M4100、東洋紡社製)を支持体として用い、その表面に下記の重合開始層塗布液1を、ロッドバー18番を用いて塗布し、110℃で10分乾燥・架橋反応を行った。得られた重合開始層の膜厚は9.3μmであった。このようにして得られた基板を基板E1とする。
<重合開始層塗布液1>
・上記重合開始ポリマーA 0.4g
・TDI(トリレン−2、4−ジイソシアネート) 0.16g
・プロピレングリコールモノメチルエーテル(MFG) 1.6g
〔グラフトポリマー生成工程〕
得られた基板E1上に、実施例1と同様の方法で、フッ素系グラフトポリマーをパターン状に生成させた。これにより、フッ素系グラフトポリマーの生成領域と非生成領域とが形成された基板E2を得た。
基板E2における、フッ素系グラフトポリマーの生成領域の撥水性を確認するために、当該領域の水滴の接触角を、測定したところ115度であり、優れた撥水性を有することがわかった。
また、フッ素系グラフトポリマーの生成領域の撥油性を確認するために、当該領域にマジックインク(マーツキーケア:黒、ゼブラ(株)社製)を付着させたところ、フッ素系グラフトポリマーの生成領域にはインクが付着せず、非生成領域のみに選択的にインクが付着した。
更に、基板E2について、ESCAにより、フッ素系グラフトポリマーにおけるフッ素表面原子量を測定したところ、F:50原子%(その他の表面原子量C:44%、O:6%)であり、高い撥油・撥水性を有していることが認められた。(参考値:モノマーのフッ素含有量:52原子%、その他の原子量C:42%、O:6%)
グラフトポリマーの生成領域の膜厚を、ナノピクス1000(セイコーインスツルメンツ社製)を使用して測定したところ、20nmであった。
(導電性素材付与工程:酸化銅微粒子)
(分散液の調製)
市販されている酸化銅粒子分散液(商品名:独立分散超微粒子パーフェクトカッパー、真空冶金(株)製)、具体的には、平均粒径5nmの酸化銅100質量部当たり、その表面被覆層に利用するアルキルアミンとして、ドデシルアミン(分子量185.36、沸点248℃)15質量部、分散溶媒に利用する有機溶剤として、ターピネオール75質量部を含有する酸化銅粒子分散液(25℃の液粘度30mPa・s)に対して、濃縮処理を施し、有機溶剤ならびに該有機溶剤中に溶解する余剰な被覆剤を一部除去する。
この濃縮処理を施す結果、液粘度が増大して、前記表面被覆層を保持する酸化銅粒子を含むペースト状の分散液が調製される。なお、調製された分散液の液粘度は、100Pa・s(25℃)であった。
次いで、基板E2のフッ素系グラフトポリマーの生成領域と非生成領域とが形成された面に、前記分散液を、ステンレス#500メッシュのスクリーン版を利用して、塗布時の平均膜厚10μmで、スクリーン印刷方式により塗布し、塗布層を形成した。
その後、塗布層に対して、下記の条件で還元処理を施し、酸化銅粒子を銅粒子に変換すると共に、銅粒子の焼成処理をも同時に進め、銅の焼結体層からなる導電性パターンを形成した。
まず、この塗布層を有する基板E2を、平板電極型プラズマ処理装置に入れ、排気系により、プラズマ処理装置内圧を10Paに減圧した。前記減圧後、装置内にガス導入口からアルゴンガス:水素ガス=95:5(体積比)の混合気体を流量100ml/min(正規状態換算流量)で供給し、平板電極間に、高周波電力(周波数:13.56 MHz)500Wを印加して、150℃にて5分間のプラズマ処理を行った。このプラズマ処理時、装置の内圧は、約30〜40Paに保持した。
前記還元性気体として、水素を含有する混合気体において、生起されたプラズマ雰囲気中で処理する結果、酸化銅粒子は、プラズマ還元を受け、一旦銅粒子に復する。さらに、塗布層中に含有される分散溶媒の蒸散、また、銅粒子表面を被覆するドデシルアミンの表面保護分子層が除去され、同時に、塗布層内部までプラズマ還元処理が達成され、塗布層全体にわたって、銅粒子が緻密に接触する状態が達成される。この状態で低温加熱を施すことで、表面に酸化皮膜の存在しない銅粒子の低温焼結が進行して、全体として、銅の焼結体層が形成された。
得られた導電性パターンには、フッ素系グラフトポリマーの生成領域と非生成領域とからなるパターンに従った、幅20μm、スペース20μmの銅のラインパターンが形成された。
焼結体層の平均膜厚は、2μmであり、その比抵抗値(体積抵抗率)は4.9×10-6Ω・cmと良好な抵抗値を示した。

Claims (3)

  1. 加熱又は露光によりラジカルを発生しうる基板表面に、撥油およびもしくは撥水性の官能基とラジカル重合可能な不飽和二重結合性基を有する化合物を含有する液体をパターン状に配置した後、加熱もしくは露光により、液体配置領域に基板表面と直接結合する撥油およびもしくは撥水性のグラフトポリマーパターンを形成し、該グラフトポリマーの非生成領域に導電性素材を付着させることを特徴とする導電性パターン形成方法。
  2. 撥油およびもしくは撥水性の官能基とラジカル重合可能な不飽和二重結合性基を有する化合物が高分子化合物であることを特徴とする請求項1記載の導電性パターン形成方法。
  3. 前記撥油およびもしくは撥水性の官能基とラジカル重合可能な不飽和二重結合性基を有する化合物を含有する液体をパターン状に配置する方法が、インクジェット法、印章法、及び、印刷法からなる群より選ばれる方法であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の導電性パターン形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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